JPH08193771A - 冷凍サイクル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】圧縮機１，凝縮器２，蒸発器５と減圧装置とか
ら成る冷凍サイクルにおいて、ドレンパン９に密着する
放熱フィン１０ａを備えた過冷却器１０を有する冷凍・
冷蔵ユニット。冷凍・冷蔵ユニットの過冷却器１０の出
口管１０ｃに分岐管１０ｄを設け一方を蒸発器５の入口
配管に接続して他方を圧縮機１冷却用液インジェクショ
ン配管に接続した冷凍サイクル。 【効果】蒸発器に大きな氷の塊として霜が成長しても、
大きな残氷としてドレンパン上に落下することなく、ド
レンパン上の残氷は過冷却器で解凍できる。更に圧縮機
の液インジェクション冷却効果が大きくなり圧縮機の過
熱トラブルを未然に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、食品類の保冷・保存用
のプレハブ冷凍・冷蔵庫用に利用される小形冷凍サイク
ルに関する。

【０００２】

【従来の技術】日立の小形冷凍・冷蔵ユニットでは、セ
パレート形の場合は四方弁による逆サイクル除霜とドレ
ンパン上側に配したシーズヒータとの組み合わせを採用
している。一体形標準形（ドロップインタイプ）の場合
は、吐出ガスを電磁弁により蒸発器に、直接、バイパス
させるホットガス除霜とドレンパン下側に貼り付けたコ
ードヒータとの組み合わせを採用している。

【０００３】従来日立小形冷蔵ユニットの一部の機種
（フラット形）で凝縮器からの液配管をドレンパン上に
這わせた構造（図３による。）としたものはあるが、放
熱フィンを取り付けた実施例は他社にもない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】冷凍・冷蔵ユニットを
冷凍（蔵）庫にセットしてフィールドで使用した際に起
こるトラブルの原因のほとんどが除霜に関連する問題で
ある。具体的にはドレンパンの氷結が多量となり蒸発器
用ファンモータロック及びドレン水のオーバーフロー，
除霜用ヒータの断線であり、除霜不良から冷力不足に至
る重大な要因となる。

【０００５】本発明の目的は、ドレンパン上の残氷を未
然に防ぎ冷凍（蔵）庫内の保存物への悪影響を未然に防
ぐことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では圧縮機が吐き出す高温・高圧の冷媒が保
有する熱エネルギを利用して、ドレンパン上に残存する
霜や氷を解かす熱源となる構成とした。

【０００７】請求項２に記載の内容はより効果的に、か
つ排水性を損なわない様、排水溝となる構造としてい
る。

【０００８】請求項３の記載の事項は、圧縮機の冷却効
果を増大できる様、液インジェクションに供給する、液
冷媒が低温となる配慮をしたものである。

【０００９】

【作用】現在冷凍・冷蔵ユニットの除霜は、庫内温度が
氷点（０℃以下）で使用される場合、蒸発器に過熱した
ガス冷媒を供給して、冷媒の保有する顕熱と凝縮潜熱に
よって蒸発器に付着した霜，氷を溶かす方式を採用して
いる。この際、ドレンパンには滴下するドレン水に混入
して残氷が落下する。また、着霜（氷）が多量で、氷の
塊として成長した場合、除霜しても蒸発器フィンに接着
している面だけが溶けて大きな残氷が落下して除霜不良
を起こす。

【００１０】本発明のドレンパン構造は、除霜中では除
霜不良に起因する大きな残氷の落下防止を図り、冷却運
転中においては常にドレンパンに残存する氷を冷媒の熱
エネルギで溶かせる考慮をしている。

【００１１】また、従来圧縮機の冷却用液インジェクシ
ョンは凝縮器出口にある液冷媒を供給していたが、ドレ
ンパン上にある残氷を解凍した過冷度の大きい液冷媒を
供給して冷却効果を高めている。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１および図２によ
り説明する。

【００１３】図１は冷凍・冷蔵ユニットの代表的な基本
冷凍サイクル系統図を示す。冷却運転ではサイクル中の
冷媒は圧縮機１で断熱圧縮された高温・高圧の過熱ガス
を凝縮器２で高圧の液に凝縮、ドライヤ３で水分・異物
を除去の後キャピラリチューブ４で減圧され断熱膨張に
よる状態変化により、低温・低圧の状態に変化して蒸発
器５に供給される。このとき蒸発器５で冷凍・冷蔵庫内
の空気の顕熱と水蒸気の蒸発潜熱を吸熱することで、過
熱ガスに変化してアキュームレータ６を介して圧縮機１
に戻るサイクルを構成している。

【００１４】冷却運転により冷凍・冷蔵庫内の水蒸気の
ほとんどは蒸発器５の伝熱フィンに着霜する。このた
め、蒸発器５の伝熱抵抗が増して冷却能力が徐々に低下
するため除霜を行う必要がある。

【００１５】本実施例による除霜運転では、圧縮機１が
吐き出す高温・高圧の過熱したガス冷媒を、除霜用電磁
弁７を開けることで蒸発器下側にあるドレンパン９上面
に配した過冷却器１０を介して蒸発器５にバイパスさせ
て、顕熱と凝縮潜熱を放熱させて除霜を行うものであ
る。除霜の終了は、蒸発器の霜が溶け落ちる際に吐出圧
力，吸込圧力が急速に上昇し始めるので、図１に示す低
圧圧力遮断装置８を用いて検出する方法を採用してい
る。なお本実施例に代えて、検出方法を温度センサを取
り付けて０℃以上の任意の設定値で終了検知してもよ
い。

【００１６】図２は、本実施例によるドレンパン９の構
造を示したものである。ドレンパン９の底板の斜面に各
々垂直、かつ、勾配方向に対して平行な過冷却器放熱フ
ィン１０ａを密着して取り付け、フィンに直交する過冷
却器伝熱管１０ｅを連通して過冷却器１０を構成したも
のである。

【００１７】過冷却器１０を備えたことにより、着霜
（氷）が多量の場合でも蒸発器５から大きな氷の塊とし
てドレンパン９上に直接落下するのを未然に防ぎ、溶け
るまでは除霜が終了しない配慮をしている。また溶け落
ちた氷がドレンパン上に残った場合でも液インジェクシ
ョン用電磁弁１１を開くことで高温・高圧のガス冷媒の
顕熱分と潜熱分の熱エネルギを過冷却器１０の放熱フィ
ン１０ａで有効に氷の解凍熱に利用されるので残氷とし
て成長するのを防止する働きをしている。この結果圧縮
機１への液インジェクション効果を高めることにもな
る。

【００１８】本発明により、従来発生した除霜に関する
トラブルを未然に防止することができる。具体的効果を
例記すれば以下の通りである。

【００１９】(1）補助熱源としていた電気ヒータが不要
となり、ドレンパンを構成する部品の経済的削減効果及
び電気ヒータの断線等による除霜不良が防止できる。

【００２０】(2）蒸発器５に多量の着霜が生じても、氷
の塊として落下することなく完全に解凍するまで除霜運
転を行うことができる。

【００２１】(3）ドレンパン９上に過冷却器１０を配し
たことで、冷却運転中に継続した冷媒の熱エネルギが放
熱されるので、残氷の解凍ができ、ドレン水の再氷結を
防止できる。

【００２２】(4）圧縮機１の冷力効果が高まる。

【００２３】等により製品トラブルの解消を図ることが
でき、更に電気ヒータの廃止による省エネ効果が期待で
きる。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、従来発生していた除霜
に関連したトラブル（具体的にはトラブル件数で１件／
月，仕損費で５０ｋ￥／月程度）の解消ができる。

【００２５】次に経済的には、電気ヒータの廃止に伴な
い、１.２ｋＷ／日 程度の省エネ効果が見込まれる。

【００２６】また、圧縮機の冷却効果が概略５〜１０％
程度高くなることで圧縮機の信頼性を向上させる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の冷凍・冷蔵ユニットの基本
冷凍サイクルの系統図。

【図２】図１のドレンパン付き過冷却器の斜視図。

【図３】従来の冷凍サイクルの系統図。

【符号の説明】

１…圧縮機、２…凝縮器、３…ドライヤ、４…キャピラ
リチューブ、５…蒸発器、６…アキュームレータ、７…
電磁弁、８…低圧遮断装置、９…ドレンパン、１０…過
冷却器、１０ａ…過冷却器フィン、１０ｂ…入口管、１
０ｃ…出口管、１０ｄ…分岐管、１０ｅ…伝熱管、１１
…電磁弁。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 和史 静岡県清水市村松390番地 日立清水エン ジニアリング株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧縮機，凝縮器，蒸発器，アキュームレー
   タ，冷媒流量を制御する減圧装置とその他の補器及び配
   管から成る冷凍・冷蔵ユニットにおいて、前記圧縮機と
   前記凝縮器を連絡する配管と前記蒸発器の入口とを連絡
   する配管に開閉自在な弁を介し、連通し、その配管の一
   部を前記蒸発器の下側に取り付けたドレンパン上に配し
   たことを特徴とする冷凍サイクル。