JPH08193524A - 動力発生装置付気化設備 - Google Patents

動力発生装置付気化設備

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JPH08193524A
JPH08193524A JP7005714A JP571495A JPH08193524A JP H08193524 A JPH08193524 A JP H08193524A JP 7005714 A JP7005714 A JP 7005714A JP 571495 A JP571495 A JP 571495A JP H08193524 A JPH08193524 A JP H08193524A
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修二 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気化設備としては、多量の低温液化ガスの気
化の用に比較的規模の小さな設備で対応できるととも
に、動力発生を伴う場合に、これを高効率でおこなうこ
とができる設備を得る。 【構成】 気化対象の低温液化ガスから冷熱を得て、常
温の酸素含有ガスを冷却する第1気化器5と、第1気化
器5で冷却された酸素含有ガスを圧縮して燃料とともに
燃焼して動力を発生する燃焼式動力発生装置2とを備
え、燃焼式動力発生装置2から排気される燃焼排ガスを
熱源として第1気化器5への冷熱の供給により加熱され
た低温液化ガスを、さらに加熱して、少なくとも常温の
製品ガスとして回収する第2気化器6を備えて、動力発
生装置付気化設備を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LNG、LPG等の低
温液化ガスを加熱して気体状の製品ガスを得る気化技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】このような低温液化ガスの気化設備とし
ては、従来、エアフィン式気化器、オープンラック式気
化器が知られている。ここで、エアフィン式気化器は、
フィン付チューブ内を流れる低温液化ガスを、外部の大
気との熱交換により気化する構成のものである。一方、
オープンラック式気化器は、フィン付チューブ内を流れ
る低温液化ガスを、チューブと共に備えられているフィ
ン表面を流下する海水、河川水等との熱交換により気化
する構成のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
エアフィン式気化器は大気中に静置させているため、伝
熱効率が悪く、多量の低温液化ガスの気化をおこなおう
とすると、設備が大規模になるという欠点があった。さ
らに、LNGにLPGを注入して熱量調整する場合は、
円滑に気化できるように、LNGを余熱した後にLPG
を注入し、気化させる必要があるが、この構成の場合
は、大きな伝熱面積を必要とするという問題があった。
一方、海水や河川水を熱源とするオープンラック式気化
器は、多量の低温液化ガスの気化に対応できるものの、
加熱用の水に対する取水設備、排水設備が大規模にな
り、建設コストが嵩むといった欠点があった。
【0004】さて、気化器は、従来、低温液化ガスの気
化の用に使用されるものであり、こういった気化器が、
動力発生の用、さらには、発生した動力の一つの用途と
しての発電の用に役立てられることはなかった。今日、
例えば発電の用に供される燃焼式動力発生装置として
は、ガスタービン、ガスエンジン等が知られており、こ
れらは、燃焼用酸素含有ガスの一種としての空気を、そ
の常温状態で吸引するとともに、これを圧縮して、燃料
とともに燃焼させて、得られた高温、高圧の燃焼ガスよ
り、機械的動力を取り出す構成のものである。しかしな
がら、これらガスタービン、ガスエンジン等において
は、燃焼用及び冷却用の空気を大気温度のまま吸引した
後、圧縮していたため、圧縮に、大きな動力が必要とな
り、装置全体の出力(発電に供する場合は発電出力)や
効率に、改善の余地があった。
【0005】従って、本発明の目的は、上記のような問
題を解決することにあり、気化設備としては、多量の低
温液化ガスの気化の用に比較的規模の小さな設備で対応
できるとともに、動力発生を伴う場合に、これを高効率
でおこなうことができる設備を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本願の請求項1に係わる動力発生装置付気化設備の特
徴構成は、気化対象の低温液化ガスから冷熱を得て、常
温の酸素含有ガスを冷却する第1気化器と、前記第1気
化器で冷却された酸素含有ガスを圧縮して燃料とともに
燃焼して動力を発生する燃焼式動力発生装置とを備え、
前記燃焼式動力発生装置から排気される燃焼排ガスを熱
源として前記第1気化器への前記冷熱の供給により加熱
された前記低温液化ガスを、さらに加熱して、少なくと
も常温の製品ガスとして回収する第2気化器を備えたこ
とにある。さらに、請求項1に係わる動力発生装置付気
化設備において、前記第2気化器で生成される前記製品
ガスを、前記燃料として前記燃焼式動力発生装置の燃料
供給部に導く燃料ガス供給路を備えることが、好まし
い。この構成が、本願の請求項2に係わる動力発生装置
付気化設備の特徴構成である。さらに、請求項1又は請
求項2に係わる動力発生装置付気化設備において、前記
燃焼式動力発生装置より排気される前記燃焼排ガスを熱
源として蒸気を発生する蒸気発生機構を備えるととも
に、前記蒸気発生機構により発生される前記蒸気を、前
記第1気化器、前記第2気化器の少なくとも一方に導く
加熱用蒸気路を備えることが、好ましい。この構成が、
本願の請求項3に係わる動力発生装置付気化設備の特徴
構成である。さらに、請求項1又は請求項2に係わる動
力発生装置付気化設備において、前記燃焼式動力発生装
置より排気される前記燃焼排ガスを熱源として蒸気を発
生して動力を得る蒸気式動力発生装置を、前記燃焼式動
力発生装置に並設して備えることが好ましい。この構成
が、本願の請求項4に係わる動力発生装置付気化設備の
特徴構成である。さらに、請求項1、2、3又は4に係
わる動力発生装置付気化設備において、前記第1気化器
と前記燃焼式動力発生装置との中間部位に、独立の圧縮
器を備えることが好ましい。この構成が、本願の請求項
5に係わる動力発生装置付気化設備の特徴構成である。
【0007】一方、上記の目的を達成するための本願の
請求項6に係わる動力発生装置付気化設備の特徴構成
は、気化対象の低温液化ガスから冷熱を得て、常温の酸
素含有ガスを冷却する気化器と、前記気化器で冷却され
た酸素含有ガスを圧縮して燃料とともに燃焼して動力を
発生する燃焼式動力発生装置とを備え、前記気化器で生
成される製品ガスを、前記燃料として前記燃焼式動力発
生装置の燃料供給部に導く燃料ガス供給路を備えたこと
にある。さらに、請求項6に係わる動力発生装置付気化
設備において、前記燃焼式動力発生装置より排気される
前記燃焼排ガスを熱源として蒸気を発生して動力を得る
蒸気式動力発生装置を、前記燃焼式動力発生装置に並設
して備えることが好ましい。この構成が、請求項7に係
わる動力発生装置付気化設備の特徴構成である。
【0008】
【作用】本願の請求項1に係わる動力発生装置付気化設
備においては、低温液化ガスの気化が第1気化器及び第
2気化器を介して行われる。ここで、第1気化器の熱源
は、燃焼式動力発生装置に供給される常温の酸素含有ガ
スであり、第2気化器においては、燃焼式動力発生装置
から排出される燃焼排ガスである。従って、第1気化器
においては、燃焼式動力発生装置に吸引される状態にあ
る常温の酸素含有ガスと低温液化ガスとの間において熱
交換がおこなわれ、さらに、第2気化器においては、排
気状態にある燃焼排ガスとで熱交換が行われる。よっ
て、本願の動力発生装置付気化設備においては、流動状
態にある加熱源側の気体と低温液化ガスもしくは低温ガ
スとの間で、熱交換をおこなうため、伝熱効率が上昇
し、コンパクトで経済的な気化器で、これを賄うことが
可能となる。燃焼式動力発生装置においては、第1気化
器で予め常温より低温化された燃焼用酸素含有ガスを吸
引して、これを圧縮して、燃焼し、動力を発生させる。
従って、圧縮に要する動力が低減されるため、動力発生
装置としての効率を高めることが可能となる。ここで、
この動力発生装置を発電の用に供する場合は、発電効率
が上昇することとなる。さらに、燃焼式動力発生装置か
ら排出される燃焼排ガスは、廃熱を有するため、この熱
を利用することが考えられる。従来、このような廃熱の
利用としては、廃熱を蒸気の形に変えて動力を取り出す
等の手法により、利用することとしていたが、この場合
は、温度的に回収できる温度域は比較的高い。しかしな
がら、本願の構造においては、第2気化器を備えること
により、この廃熱を少なくとも常温まで、低温ガスの加
熱に利用することとなるため、この点においても、熱の
有効利用が図られ、全体としての設備効率を上昇させる
ことができる。
【0009】請求項2に係わる動力発生装置付気化設備
においては、生成される製品ガスが、燃焼式動力発生装
置の燃料供給部に燃料として導かれて、燃焼の用に供さ
れる。従って、動力発生装置として、独自に燃料タンク
等を備える必要はなく、装置構成を簡略化した状態で、
低温液化ガスの気化の用と動力発生の用に、供すること
ができる。
【0010】請求項3に係わる動力発生装置付気化設備
においては、蒸気発生機構を備えることにより、廃熱を
利用して蒸気が生成されるとともに、この蒸気が、気化
設備の運転に有効に利用される。即ち、発生された蒸気
は加熱用蒸気路を介して第1気化器あるいは第2気化器
に供給される。従って、この蒸気により、第1、第2気
化器に於ける気化能力を上げることができる。さらに、
第1気化器に発生しがちな着氷の問題が発生した場合
は、供給される蒸気により、これを除去して正常な運転
状態を維持できる。さらに、例えば、この加熱用蒸気路
に蒸気貯留装置を備えておく場合は、燃焼式動力発生装
置の運転が停止され、十分な加熱源を得ることができな
い場合に、この蒸気を加熱源として利用することによ
り、例えば、製品ガスの需要が減少する夜間等におい
て、通常の運転状態よりは少ない製品ガスを得て、装置
の運転をおこなうことができる。即ち、この場合は、タ
イムラグを備えて、燃焼式動力発生装置で得られる廃熱
を、低温液化ガスの気化に使用することが可能となる。
【0011】請求項4に係わる動力発生装置付気化設備
においては、燃焼式動力発生装置に加えて、蒸気式動力
発生装置を並設することにより、システム全体がコンバ
インドサイクルを成す系を備えた構成となる。従って、
これまで説明してきた、気化構成と燃焼式動力発生装置
との複合化による利点に加えて、コンバインドサイクル
自体が備えるコンバインドサイクルの効率上昇の利点を
備えることとなり、全体のエネルギー効率の向上が図れ
る。ここで、動力発生装置に発電機構を備える場合は、
効率の良い発電がおこなえ、非常に好ましい。
【0012】請求項5に係わる動力発生装置付気化設備
においては、燃焼式動力発生装置に備えられる圧縮器と
は別個に独立の圧縮器を前段に備えることにより、独立
の圧縮器を任意の型式の効率の良い圧縮器を選択でき
る。さらに、燃焼式動力発生装置に備えられる圧縮器の
負荷を低減化して、これを小型化できる。
【0013】さて、請求項6に係わる動力発生装置付気
化設備においては、低温液化ガスの気化が気化器を介し
て行われる。ここで、気化器の熱源は、燃焼式動力発生
装置に供給される常温の酸素含有ガスである。従って、
気化器においては、燃焼式動力発生装置に吸引される状
態にある常温のガスと低温液化ガスとの間において熱交
換がおこなわれる。よって、本願の動力発生装置付気化
設備においては、吸引状態にある加熱源側の気体と低温
液化ガスもしくは低温ガスとの間で、熱交換をおこなう
ため、伝熱効率が上昇し、コンパクトで経済的な気化器
で、これを構成することが可能となる。一方、燃焼式動
力発生装置においては、気化器で予め常温より低温化さ
れた燃焼用酸素含有ガスを吸引して、これを圧縮して、
燃焼をおこなって、動力を発生させる。従って、圧縮に
要する動力が低減されるため、動力発生装置としての効
率を高めることが可能となり、高い効率で動力を得るこ
とができる。ここで、この動力発生装置を発電の用に供
する場合は、発電効率が上昇することとなる。さらに、
気化器によって生成される製品ガスを、燃焼式動力発生
装置の燃料供給部に燃料として導くことにより、燃焼の
用に供する。従って、動力発生装置として、独自に燃料
タンク等を備える必要はなく、装置構成を簡略化した状
態で、低温液化ガスの気化の用と動力発生の用を共に行
うことができる。
【0014】さらに、請求項7に係わる動力発生装置付
気化設備においては、燃焼式動力発生装置に加えて、蒸
気式動力発生装置を並設することにより、システム全体
がコンバインドサイクルを成す系を備えた構成となる。
従って、これまで説明した、気化構成と燃焼式動力発生
装置との複合化による効率上昇の利点に加えて、コンバ
インドサイクル自体が備えるコンバインドサイクルの利
点を備えることとなり、全体のエネルギー効率の向上が
図れる。ここで、動力発生装置に発電機構を備える場合
は、効率の良い発電がおこなえ、非常に好ましい。
【0015】
【発明の効果】従って、夫々の発明に関して以下のよう
な効果を得ることができる。請求項1に係わる動力発生
装置付気化設備においては、各気化器を強制対流式の構
成として、従来型の大気静置型のものより、小型且つ気
化効率の高いものとできる。さらに、第2気化器におい
ては、燃焼式動力発生装置からの燃焼排ガスの保有する
熱を、低温側が常温付近のものまで利用できる。一方、
燃焼式動力発生装置の効率を高めることができ、その圧
縮器を小型化できる。請求項2に係わる動力発生装置付
気化設備においては、別種の燃料タンク等は必要とされ
ず、気化器で得られた燃料を動力発生の用に供して、設
備面からも良好なものを得ることができる。請求項3に
係わる動力発生装置付気化設備においては、第1気化
器、第2気化器の高効率で正常な運転状況を確保するこ
とができるとともに、例えば、燃焼式動力発生装置の運
転を停止する場合にあっても、低温液化ガスの気化を需
要に見合って行える設備を得ることができる。請求項4
に係わる動力発生装置付気化設備においては、気化器と
しての働きと動力発生装置としての働きを共に備え、さ
らに、効率の良いコンバインドサイクルで運転される動
力発生系を備えた設備を得ることができる。請求項5に
係わる動力発生装置付気化設備においては、燃焼式動力
発生装置側の圧縮負荷を低減化するとともに、運転状況
に見合った圧縮を行いながら、設備的にコンパクトな設
備を得ることができる。請求項6に係わる動力発生装置
付気化設備においては、気化器を強制対流式の構成とし
て、従来型の大気静置型のものより、小型且つ気化効率
の高いものとでき、燃焼式動力発生装置の効率を高める
ことができ、その圧縮器を小型化できる。請求項7に係
わる動力発生装置付気化設備においては、請求項6の利
点に加えて、気化器としての働きと動力発生装置として
の働きを共に備え、さらに、効率の良いコンバインドサ
イクルで運転される動力発生系を備えた設備を得ること
ができる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例を図1から図4に基づいて
説明する。図示する動力発生装置付気化設備1は、低温
液化ガスとしてのLNGを気化するとともに、これにL
PGを混合させて製品ガスを得る構成のものである。そ
して、動力発生装置としては、所謂、ガスタービン2を
備えるとともに、廃熱ボイラ3等の蒸気発生機構を備
え、その廃熱ボイラ3から生成される蒸気により動力を
得る蒸気タービン4を備えており、動力発生に係わる系
は、コンバインドサイクルを成している。ガスタービン
2、蒸気タービン4によって発生された動力は、図示の
ものでは、発電の用に供される。
【0017】以下、図面に基づいて、具体的に説明す
る。図1は、動力発生装置付気化設備1のシステム構成
を示している。この気化設備1は、燃焼式動力発生装置
としてのガスタービン2、第1気化器としてのエアフィ
ン式LNG気化器5、前記ガスタービン2の排ガスが有
する廃熱を熱源とする第2気化器としてのエアフィン式
アフターヒーター6とを備えている。さらに、ガスター
ビン2に対して、その排ガスが有する廃熱を熱源する、
給水予熱器7、蒸気発生機構としての廃熱ボイラ3が備
えられ、この廃熱ボイラ3から発生される蒸気により動
力を取り出す蒸気タービン4が備えられている。従っ
て、これらにより、蒸気式動力発生装置が構成される。
ガスタービン2、蒸気タービン4により得られる動力
は、発電機Gに供されて、発電の用に供される。従っ
て、動力発生側が、コンバインドサイクルを成す構成と
され、コージェネレーション構成の気化設備となってい
る。
【0018】さらに、設備に備えられる機器について、
流体の流れる経路に沿って説明する。設備が、LNG及
びLPGの気化をおこなっており、ガスタービン2、蒸
気タービン4が運転される通常運転状態においては、エ
アフィン式LNG気化器5、ガスタービン2、廃熱ボイ
ラ3、給水予熱器7、エアフィン式アフターヒーター6
に渡る経路で、空気及び排ガスの移流が行われる。一
方、LNGは、エアフィン式LNG気化器5、LPG混
合部8、エアフィン式アフターヒーター6に渡る経路で
移流し、気化される。
【0019】さらに、ガスタービン2及び廃熱ボイラ
3、給水予熱器7をバイパスするバイパス路9が設けら
れるとともに、エアフィン式LNG気化器5を経ること
無しに空気を吸引できる吸引路10、エアフィン式アフ
ターヒーター6を経ること無しに排ガスを排気できる排
気路11を備えている。
【0020】通常運転時において使用される流路に沿っ
て、設備機器を以下説明する。流路の最上流部100に
は、4面が囲まれた空気吸引口カバー12を備え、ガス
タービン2の燃焼に必要な空気を吸引する空気吸引口1
3、送風用のブロアー14を、エアフィン式LNG気化
器5の上流側に備えるとともに、下流側に、吸引した空
気に含まれるゴミや水分等の異物を分離するフィルター
15を備えている。図4(イ)は設備の外観構成を示
し、図4(ロ)は気化器の熱交換部の詳細構造を示して
いる。図4(ロ)に示すように、エアフィン式LNG気
化器5は、エアフィン5aの長軸を空気の吸引方向と平
行に配置して構成されている。このように配置すること
で、空気の流体抵抗を小さく抑えることができる。この
例においては、エアフィン5aに絞り加工で取り付けた
高さ、径それぞれ1mmの突起5bにより、フィン表面
の流れを乱すことで熱伝達率を改善している。エアフィ
ン式アフターヒーター6についても図同様の構成が採用
されている。さらにフィルター15の下流側に、前述の
ガスタービン2、廃熱ボイラ3、給水予熱器7を備える
とともに、これらの下手側に、前述のエアフィン式アフ
ターヒーター6を備えている。ガスタービン2は、空気
圧縮器2a、燃焼器2b、タービン2cを備えている。
【0021】一方、気化側の構成について説明すると、
エアフィン式LNG気化器5には、LNG供給配管16
が備えられるとともに、気化したLNGをエアフィン式
アフターヒーター6に送る第1ガス配管17備え、エア
フィン式アフターヒーター6で得られた製品ガスを搬出
する第2ガス配管18が備えられている。第1ガス配管
17の中間部位には、LPG混合部8が設けられてい
る。第2ガス配管18は分岐されて、前記ガスタービン
2の燃焼器2bの燃料供給部2dに、製品ガスを燃料と
して送る燃料ガス供給路19を備えている。前記給水予
熱器7には、これに水を送る水道管20が備えられ、予
熱された給水は廃熱ボイラ3に移流され、この廃熱ボイ
ラ3で得られた蒸気が、蒸気タービン4に送られて発電
の用に供される。さらに、この廃熱ボイラ3で得られた
蒸気を、エアフィン式LNG気化器5及びエアフィン式
アフターヒーター6に送り出す加熱用蒸気路21a、2
1bが備えられている。又、流路の各箇所に空気または
排出ガスの流路を切り替える切替弁22a,22b,2
2c,22d,22e,22fが備えられるとともに、
廃熱ボイラ3からの蒸気の供給経路を切り替える切替弁
23a,23bが備えられている。
【0022】以下、動力発生装置付気化設備1の作動に
ついて説明する。 1 通常運転状態 この状態は、エアフィン式LNG気化器5及びエアフィ
ン式アフターヒーター6が働いて、LNGの気化が行わ
れるとともに、気化したNGにLPGが添加され製品ガ
スが得られる状態である。さらに、ガスタービン2、蒸
気発生機構(廃熱ボイラ3)が働いて、蒸気タービン4
の運転が成され、発電が行われる状態である。この状態
においては、切替弁22a,22c,22d,22fを
閉、切替弁22b,22eを開として運転がなされる。
作動状況を詳しく説明すると、LNG供給配管16から
−約160℃のLNGがエアフィン式LNG気化器5に
供給され、空気と熱交換後、気化した約−80の低温ガ
スは第1ガス配管17に送出される。この時、LNGの
発熱量は10800kcal/Nm3であるが、LPG
供給配管24からLPGの供給を受け、都市ガス用にも
使えるように11000kcal/Nm3に熱量調整さ
れる。熱量調整後の低温ガスは、エアフィン付アフター
ヒーター6にて廃熱ボイラ3及び給水予熱器7を経由し
たガスタービン2の排ガスにより約20℃まで昇温され
る。この構造を取ると、LNG気化器5で予熱したLN
GにLPGを注入し、その後、燃焼排ガスの保有する廃
熱により加熱するため、LNGとLPGの混合物を円滑
に気化することができる。気化されたガスの一部は燃料
ガス供給路19を介して、燃焼器2bへ送られ、ガスタ
ービン2の燃料となる。残りのガスは都市ガス用、産業
用、発電用等として使われる。空気吸引口13より吸引
された空気はブロアー14にて送風され、エアフィン式
LNG気化器5においてLNGと熱交換することにより
冷却された後、空気圧縮器2aで圧縮されて燃焼の用に
供される。この場合は、冷却後、圧縮されるため空気の
圧縮動力は冷却してない場合に比べて小さくて済む。圧
縮された空気は燃料ガス供給路19により供給された燃
料ガスと混合され燃焼器2bで燃焼され、タービン2c
を回し、発電機Gにて発電を行う。燃焼排ガスは廃熱ボ
イラ3及び給水予熱器7で水と熱交換し蒸気を発生させ
る。発生した蒸気は,蒸気タービン4での発電の用に供
される他、産業用あるいは空調用の熱源として使われ
る。また、前記エアフィン式LNG気化器5に着氷があ
り、気化器能力が低下した場合にも、加熱用蒸気路21
aを介して蒸気を供給し、噴霧することで氷を溶かすこ
とができる。ここで、エアフィン式LNG気化器5に噴
霧後、凝縮した蒸気はフィルター15で空気と分離され
る。一方、通常運転時には23b切替弁を開とし、加熱
用蒸気路21bを介して、エアフィン式アフターヒータ
ー6に蒸気を噴霧することで伝熱能力が大幅に向上す
る。
【0023】2 気化運転単独状態 この状態は、ガスタービン2、蒸気系統の運転を停止し
て、LNGの気化のみをおこなう状態であり、前述のバ
イパス路9を使用される。従って、切替弁22a,22
d,22eを閉、切替弁22b,22c,22fを開と
する。ガスタービン2停止時には、加熱用蒸気路21a
を介して、蒸気貯留部25に貯留された蒸気をエアフィ
ン式LNG気化器5に噴霧することにより、LNG気化
能力を上げることができる。 3 発電系統単独運転状態 この状態は、気化系統を運転停止して、ガスタービン2
及び蒸気系統のみを運転する状態であり、切替弁22
b,22c,22e,22fを閉、切替弁22a,22
dを開として運転する。
【0024】以下、この設備の利点について説明する。
LNG流量25t/hの気化機構と13500kW級ガ
スタービン式発電装置を組み合わせた場合の吸引する空
気の給気温度と発電出力の一例を図2に、吸引する空気
の給気温度と発電効率の一例を図3に示した。大気温度
20℃の時、吸引した空気を−30℃まで冷却すれば発
電出力は13500kWから16000kWへと250
0kW上昇する。また、同じ条件で発電効率は23%か
ら27%へと4%上昇する。このように本実施例のガス
タービン2を備えた発電装置によれば、大気温度が高く
ても吸引した空気をエアフィン式LNG気化器5で冷却
することにより、発電出力及び発電効率を上昇させるこ
とができる。特に大気温度の高い夏場は効果が大きい。
本願の気化設備1では、エアフィン式LNG気化器5が
吸引される空気の、エアフィン式アフターヒーター6が
排出される排ガスの、夫々、強制対流下におかれるため
伝熱効率が飛躍的に上昇する。流速を10m/sとすれ
ば総括伝熱係数は約70kcal/m2・h・℃とな
り、大気中に静置する従来型のエアフィン式気化器に比
べて、その規模が10分の1以下で済むこととなる。上
記したように、エアフィン式アフターヒーター6に蒸気
を噴霧する場合はさらにコンパクトになる。このように
気化系がコンパクトになるばかりでなく、廃熱ボイラ3
及び給水予熱器7で熱交換された、従来は使用しづらく
捨てられていた比較的低温の排ガスをLNG気化の熱源
として利用できるためコージェネとしての全体効率も8
0%から85%へと5%上昇する。
【0025】〔別実施例〕本願の別実施例を以下に説明
する。 (イ) 上記の実施例では、エアフィン式LNG気化器
5を構成するに、LNGの移流方向と、空気の流れ方向
を合わせたが、これは、図5に示すように、エアフィン
5aの長軸を空気の吸引方向と垂直に配置してもよい。
この場合は、エアフィン5aの断面のうち、空気の吸引
方向の長さがその直角方向より長いため、伝熱面積は大
きいが、空気の流体抵抗は小さい。従って、この実施例
についても、突起5bを取り付けることでフィン表面の
流れを乱することで熱伝達率の改善が図れる。また、エ
アフィン付アフターヒーター6についても図示はしてい
ないが同様の実施例とできる。 (ロ) 上記の実施例ではブロアー14をエアフィン式
LNG気化器5の上流側に配置しているが、LNG気化
器5のメンテナンスを容易にするためにLNG気化器5
の後流側に配置してもよい。 (ハ) 前記エアフィン式LNG気化器5や前記エアフ
ィン式アフターヒーター6とガスタービン2が離れた位
置にある場合は、ダクトで結び空気や排ガスを通ずるよ
うに構成することは当然である。 (ニ) 上記の実施例においては、気化器と並設される
動力発生装置としては、これがガスタービン2である例
を示したが、本願の設備においては、吸引側の酸素含有
ガスが低温となることで、効率上昇、圧縮器の小型化等
の効果を得られるため、このような燃焼用酸素含有ガス
を圧縮して燃焼に供する構成のものであれば、いかなる
装置に対しても有効である。このような動力発生装置と
しては、ガスエンジン等もあり、これらを、燃焼式動力
発生装置と呼ぶ。 (ホ) 上記の実施例においては、第1気化器としてエ
アフィン式LNG気化器5を採用し、この気化器で直接
LNGの気化を行ったが、中間媒体としての熱媒体を介
して、LNG等の低温液化ガスの気化をおこなう構成
も、採用できる。この例を図6に示した。この例におい
ては、エアフィン式LNG気化器5に代えて、一対の熱
交換器26を備えて、低温側でLNGと熱媒体との熱交
換をおこない、ガスタービン2に供給される空気と前記
熱媒体との間で熱交換をおこなっている。このような熱
媒体としては、フロン、プロパン、ノルマルヘキサン等
を採用でき、この部位に於ける気化をマイルドにおこな
うことができる。 (へ) 上記の実施例には、空気を圧縮して燃焼の用に
供する例を示したが、これは、例えば、酸素富化された
ガスを使用してもよい。これらを総称して、燃焼用酸素
含有ガスと呼ぶ。 (ト) 上記の実施例には、気化対象のガスとしてLN
Gの例を主に示したが、本願の設備においては、常温以
下の温度状態で液化維持される任意のガス体を対象とす
ることができ、たとえばLPG、エチレン等の気化が対
象となる。従って、このような気化対象を低温液化ガス
と呼ぶ。 (チ) 上記の実施例においては、エアフィン式LNG
気化器5で冷却された空気をガスタービン2に直接、導
いて、これを圧縮するものとしたが、このガスタービン
2の前段に独立の圧縮器を備えてもよい。 (リ) さらに、上記の実施例では、得られる動力の例
として主に発電の用に供する例を示したが、これは、機
械的用途等、任意の動力源として使用できる。
【0026】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の動力発生装置付気化設備のシステム構成
を示す図
【図2】ガスタービンの吸気温度と発電出力の関係を示
す図
【図3】ガスタービンの吸気温度と効率の関係を示す図
【図4】本願の動力発生装置付気化設備及び熱交換部の
外観斜視図
【図5】図4に対応する本願の動力発生装置付気化設備
及び熱交換部の別実施例を示す図
【図6】本願の動力発生装置付気化設備の別実施例を示
す図
【符号の説明】
1 動力発生装置付気化設備 2 燃焼式動力発生装置 2d 燃料供給部 3 蒸気発生機構 5 第1気化器 6 第2気化器 19 燃料ガス供給路 21a 加熱用蒸気路 21b 加熱用蒸気路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化対象の低温液化ガスから冷熱を得
    て、常温の酸素含有ガスを冷却する第1気化器(5)
    と、前記第1気化器(5)で冷却された酸素含有ガスを
    圧縮して燃料とともに燃焼して動力を発生する燃焼式動
    力発生装置(2)とを備え、前記燃焼式動力発生装置
    (2)から排気される燃焼排ガスを熱源として前記第1
    気化器(5)への前記冷熱の供給により加熱された前記
    低温液化ガスを、さらに加熱して、少なくとも常温の製
    品ガスとして回収する第2気化器(6)を備えた動力発
    生装置付気化設備。
  2. 【請求項2】 前記第2気化器(6)で生成される前記
    製品ガスを、前記燃料として前記燃焼式動力発生装置
    (2)の燃料供給部(2d)に導く燃料ガス供給路(1
    9)を備えた請求項1記載の動力発生装置付気化設備。
  3. 【請求項3】 前記燃焼式動力発生装置(2)より排気
    される前記燃焼排ガスを熱源として蒸気を発生する蒸気
    発生機構(3)を備えるとともに、前記蒸気発生機構
    (3)により発生される前記蒸気を、前記第1気化器
    (5)、前記第2気化器(6)の少なくとも一方に導く
    加熱用蒸気路(21a)(21b)を備えた請求項1又
    は請求項2記載の動力発生装置付気化設備。
  4. 【請求項4】 前記燃焼式動力発生装置(2)より排気
    される前記燃焼排ガスを熱源として蒸気を発生して動力
    を得る蒸気式動力発生装置を、前記燃焼式動力発生装置
    (2)に並設して備えた請求項1又は請求項2記載の動
    力発生装置付気化設備。
  5. 【請求項5】 前記第1気化器(5)と前記燃焼式動力
    発生装置(2)との中間部位に、独立の圧縮器を備えた
    請求項1、2、3又は4記載の動力発生装置付気化設
    備。
  6. 【請求項6】 気化対象の低温液化ガスから冷熱を得
    て、常温の酸素含有ガスを冷却する気化器と、前記気化
    器で冷却された酸素含有ガスを圧縮して燃料とともに燃
    焼して動力を発生する燃焼式動力発生装置(2)とを備
    え、前記気化器で生成される製品ガスを、前記燃料とし
    て前記燃焼式動力発生装置(2)の燃料供給部(2d)
    に導く燃料ガス供給路(19)を備えた動力発生装置付
    気化設備。
  7. 【請求項7】 前記燃焼式動力発生装置(2)より排気
    される前記燃焼排ガスを熱源として蒸気を発生して動力
    を得る蒸気式動力発生装置を、前記燃焼式動力発生装置
    (2)に並設して備えた請求項6記載の動力発生装置付
    気化設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015534024A (ja) * 2012-11-12 2015-11-26 フルーア・テクノロジーズ・コーポレイション 環境空気気化装置と冷熱利用のための構成と方法

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