JPH08192520A - インクジェット記録ヘッドおよび記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよび記録装置

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JPH08192520A
JPH08192520A JP661395A JP661395A JPH08192520A JP H08192520 A JPH08192520 A JP H08192520A JP 661395 A JP661395 A JP 661395A JP 661395 A JP661395 A JP 661395A JP H08192520 A JPH08192520 A JP H08192520A
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JP
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ink
recording head
common liquid
liquid chamber
recording
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JP661395A
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English (en)
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Daigoro Kanematsu
大五郎 兼松
Naoji Otsuka
尚次 大塚
Kentaro Yano
健太郎 矢野
Osamu Iwasaki
督 岩崎
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速記録においてもインクを十分に供給で
き、しかも液室内でのインクの慣性力を抑えることによ
り、液路内のインクのメニスカス状態を常に正常にして
印字不良が発生しないインクジェット記録ヘッドおよび
記録装置を提供する。 【構成】 吐出用のエネルギ変換素子が設けられた液路
101および該液路に連通する共通液室102と、該共
通液室に供給するためのインクを保持する吸収体106
を包含するインクタンク105と、該インクタンクと前
記共通液室とを連結するインク供給路と、該インク供給
路の端面に設けられてインク中のゴミをトラップするフ
ィルタとを具備するインクジェット記録ヘッドにおい
て、1つの前記共通液室102と1つの前記インクタン
ク105と複数のインク供給路103Aおよび103B
とフィルタ104Aおよび104Bとでそれぞれ連結す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録ヘッ
ドおよび記録装置に関する。なお、ここで、記録とは、
布、糸、紙、シート材等のインク付与を受けるインク支
持体全てへのインク付与等(プリント)を含むもので、
また、文字等の意味のある画像だけでなく、パターン画
像等の無意味な画像をも含むものである。記録装置は、
各種情報処理装置全てあるいはその出力器としてのプリ
ンタを含むものであり、本発明はこれらへの用途が可能
なものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記
録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板
等の被記録材上にドットパターンからなる画像を記録し
ていくように構成されている。
【0003】前記記録装置は、記録方式により、インク
ジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザビー
ム式等に分けることができる。
【0004】そのうち、インクジェット方式は、記録ヘ
ッドから被記録材にインクを吐出して記録を行うもので
あり、高精細な画像を高速に記録することができ、さら
に、ノンインパクト方式であるために騒音が少なく、し
かも多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが
容易であるなどの利点を有している。
【0005】上記のようなインクジェット記録装置で使
用される記録ヘッドは、一般に吐出用ヒータが設けられ
た液路および液路に連通する共通液室と、共通液室に供
給するためのインクを保持する吸収体を包含したインク
タンクと、インクタンクと共通液室とを連結するインク
供給路と、インク中のゴミをトラップするフィルタとか
ら構成される。
【0006】上記記録ヘッドの構成要素は、表1に示す
ように流体力学的,電気的に置き換えることができる。
従って、インク供給系(液路−共通液室−インク供給路
−フィルタ−インクタンク)を流れるインクの挙動は図
11に示す等価回路によって表すことができる。
【0007】
【表1】
【0008】すなわち、図11に示すように、液路01
としての定電流源に連通する共通液室02は、供給路0
3、およびフィルタ04としての抵抗R1を介して、イ
ンクタンク(吸収体)05を構成する抵抗R2、インダ
クタンスLおよびキャパシタンスCに接続しており、液
路01とインクタンク05との間の共通液室02内の圧
力は電圧Vで与えられる。また、インクタンク05から
液路へのインクの流れはi1、インクタンク05内のイ
ンクの流れはi2で表すことができる。
【0009】ここで、今まで以上に、高速に記録を行う
と単位時間当たりに消費されるインク量は増加する。そ
のため単位時間当たりにインク供給系を流れるインク量
i1も増加することになる。単位時間当たりに流れるイ
ンク量が大きくなるとインクの慣性力が大きくなり、吐
出,非吐出を繰り返す記録時においては、液路内のイン
クのメニスカス状態が不安定となり不十分な吐出あるい
は不吐出といった印字不良を起こす問題があった。
【0010】この問題を解決するために従来は、 1.上記記録ヘッドのインク供給系の構成要素のバラン
スを変える; 2.共通液室内に空気のバッファを設け、インクの振動
を吸収する; 等の手段が用いられてきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、依然と
して以下のような問題点があった。
【0012】1.上記構成要素はあくまで1つのインク
供給系(液路−共通液室−供給路−フィルタ−インクタ
ンク)を構成するものであるため、例えばフィルタの抵
抗成分を増大させたり、インクタンクのキャパシタを変
えて、インクの慣性力を小さくしても異なった弊害、例
えばインクの供給不足などが発生してしまい、正常な記
録を行うことができない。
【0013】2.共通液室内に定常的に空気を一定量保
持することは技術的に非常に困難である。例えば、記録
ヘッドが正常に印字できなくなり、記録ヘッドを吸引等
で回復させた場合には液室内を新たにインクで満たし、
さらに一定量の空気を液室内に入れなければならない。
さらに、液室内の空気のバッファによってインクの振動
を吸収するには空気の量あるいは位置等を十分に考慮す
る必要があり、そうでない場合には必ずしも効果が得ら
れるというものではなかった。
【0014】そこで、本発明はこのような事情に鑑み、
高速記録においてもインクを十分に供給でき、しかも液
室内でのインクの慣性力を抑えることにより、液路内の
インクのメニスカス状態を常に正常にして印字不良が発
生しないインクジェット記録ヘッドおよび記録装置を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の第1の態様は、吐出用のエネルギ変換素子が設けら
れた液路および該液路に連通する共通液室と、該共通液
室に供給するためのインクを保持する吸収体を包含する
インクタンクと、該インクタンクと前記共通液室とを連
結するインク供給路と、該インク供給路の端面に設けら
れてインク中のゴミをトラップするフィルタを具備する
インクジェット記録ヘッドにおいて、1つの前記共通液
室と1つの前記インクタンクとを連結する前記インク供
給路と前記フィルタとをそれぞれ複数具備することを特
徴とするインクジェット記録ヘッドにある。
【0016】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記エネルギ発生素子が、前記インクに膜沸騰を生
じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体であること
を特徴とするインクジェット記録ヘッドにある。
【0017】本発明の第3の態様は、吐出用のエネルギ
変換素子が設けられた液路および該液路に連通する共通
液室と、該共通液室に供給するためのインクを保持する
吸収体を包含するインクタンクと、該インクタンクと該
共通液室とを連結するインク供給路と、該インク供給路
の端面に設けられてインク中のゴミをトラップするフィ
ルタとを具備するインクジェット記録ヘッドにおいて、
記録ヘッド内に一色のインクを保持するための前記共通
液室を複数設け、該複数の共通液室と1つの前記インク
タンクとを、複数の前記インク供給路と前記フィルタと
で連結することを特徴とするインクジェット記録ヘッド
にある。
【0018】本発明の第4の態様は、第3の態様におい
て、前記エネルギ発生素子が、前記インクに膜沸騰を生
じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体であること
を特徴とするインクジェット記録ヘッドにある。
【0019】本発明の第5の態様は、第1または2の態
様のインクジェット記録ヘッドを具えたインクジェット
記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドが記
録装置本体に対して着脱可能であることを特徴とするイ
ンクジェット記録装置にある。
【0020】本発明の第6の態様は、第3または4の態
様のインクジェット記録ヘッドを具えたインクジェット
記録装置であって、前記インクジェット記録ヘッドが記
録装置本体に対して着脱可能であることを特徴とするイ
ンクジェット記録装置にある。
【0021】
【作用】
(1)1つの共通液室と1つのインクタンクを連結する
インク供給路とフィルタを複数具備すること、(2)記
録ヘッド内に一色のインクを保持するための共通液室を
複数設け、該複数の共通液室と1つのインクタンクを複
数のインク供給路とフィルタで連結すること、によっ
て、高速記録においてもインクを十分に供給でき、しか
も液室内でのインクの慣性力を抑えることにより、液路
内のインクのメニスカス状態を常に正常にし、不十分な
吐出(ショボ,ヨレ)あるいは不吐が発生しない。
【0022】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて説明する。
【0023】(1)記録装置の説明 図7は、本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
構成を示す概略斜視図である。図7に示すように、キャ
リッジ2は駆動モータ11の正逆回転を2つの駆動力伝
達ギヤ9および10を介してリードスクリュ5に伝達す
ることで、キャリッジ2は図示矢印a方向およびb方向
に往復移動される。キャリッジ2には、記録用のインク
を収容するインクタンク(不図示)と記録紙30に向け
てインクを吐出する記録ヘッド(不図示)とが一体にな
ったインクジェットカートリッジ1が搭載されており、
インクジェットカートリッジ1に対向して、記録紙30
を搬送するためのプラテン4が回転自在に設けられてい
る。プラテン4によって搬送された記録紙30は、イン
クジェットカートリッジ1と対向する側において紙押さ
え板3によりプラテン4に押圧されて、インクジェット
カートリッジ1との間隔が所定の間隔となるように保持
される。そして、駆動モータ11によりキャリッジ2を
移動させつつ、記録ヘッドからインクを吐出する記録動
作は、記録制御手段22からの制御に基づいて行われ、
そのときの記録ドット数はドットカウント手段25によ
りカウントされる。また、インクジェットカートリッジ
1の記録ヘッドには、記録ヘッドの温度を測定するため
の温度センサ21が取り付けられ、その値に応じた電気
量が、吸引動作制御手段23に出力される。なお、温度
センサ21は必ずしも記録ヘッドに取り付ける必要はな
く、記録ヘッドの温度を予測可能なものであればインク
ジェット記録装置の任意の位置に取り付けることができ
る。キャリッジ2の移動方向の図示左側には2つのフォ
トカプラ7および8が設けられている。これら各フォト
カプラ7および8は、キャリッジ2の図示左端部に設け
られたレバー6のこの域での存在を確認して、駆動モー
タ11の回転方向切り換え等を行うためのホームポジシ
ョン検知手段である。また、インクジェットカートリッ
ジ1の記録動作における往復動作の範囲外で、吸引動作
の際にインクジェットカートリッジ1が移動される位置
には、キャップ支持部材14に支持されたキャップ部材
13が設けられている。キャップ部材13はインクジェ
ットカートリッジ1の記録ヘッドの前面(吐出口面)を
キャップするもので、この状態で吸引手段12によりキ
ャップ部材13内の吸引を行うことで、記録ヘッド内の
増粘インクや気泡を除去する等のヘッド回復動作が行わ
れる。キャップ部材13の側方には、ブレード支持部材
16に支持されたクリーニングブレード15が設けられ
ている。クリーニングブレード15はブレード支持部材
16に、インクジェットカートリッジ1に向けて突出可
能に支持され、記録ヘッドの前面との当接が可能となっ
ている。これにより、吸引動作後に、クリーニングブレ
ード15をインクジェットカートリッジ1の移動経路中
に突出させ、インクジェットカートリッジ1の移動に伴
って記録ヘッド前面の汚れ等を拭き取る。クリーニング
ブレード15はこの形態に限らず、周知のクリーニング
ブレードが適用できることはいうまでもない。
【0024】(2)記録ヘッドの説明 ここで、上述した記録ヘッドについて図8を参照して説
明する。図8は、図7に示したインクジェットカートリ
ッジの記録ヘッドの要部斜視図である。記録ヘッドは、
図8に示すように記録紙30(図7参照)と所定の間隔
をおいて対面する吐出面1aに、所定のピッチで複数の
吐出口1bが形成されており、共通液室1cと各吐出口
1bとを連結する各液路1dの壁面に沿ってインク吐出
用のエネルギを発生するための電気熱変換体1eが配設
されている。共通液室1cは、前述したインクジェット
カートリッジ1(図7参照)のインクタンクと連結して
設けられており、共通液室1cにはインクタンクからイ
ンクが供給される構成となっている。インクタンクから
共通液室1cに供給されて一時的に貯えられたインク
は、毛管現象により液路1dに侵入し、吐出口1bでメ
ニスカスを形成して液路1dを満たした状態を保つ。こ
のとき、電極(不図示)を介して電気熱変換体1eが通
電されて発熱すると、電気熱変換体1e上のインクが急
激に加熱されて液路1d内に気泡が発生し、この気泡の
膨張により吐出口1bからインクが吐出される。
【0025】(3)制御構成の説明 次に、装置構成の各部の記録制御を実行するための制御
構成について、図9に示すブロック図を参照して説明す
る。制御回路を示す同図において、10は記録信号を入
力するインターフェース、11はマイクロプロセッサユ
ニット(MPU)、12はMPU11が実行する制御プ
ログラムを格納するプログラムリードオンリメモリ(R
OM)、13は各種データ(上記記録信号やヘッドに供
給される記録データ等)を保存しておくダイナミック型
のランダムアクセスメモリ(RAM)であり、印字ドッ
ト数やインク記録ヘッドの交換回数等も記憶できる。1
4は記録ヘッドに対する記録データの供給制御を行うゲ
ートアレイであり、インターフェース10、MPU1
1、およびRAM13間のデータの転走制御も行う。2
0は記録ヘッド18を搬送するためのキャリアモータ、
19は記録用紙搬送のための搬送モータである。15は
記録ヘッド18を駆動するヘッドドライバ、16および
17は、夫々搬送モータ19およびキャリアモータ20
を駆動するモータドライバである。
【0026】図10は、図9の各部の詳細を示す回路図
である。ゲートアレイ14は、データ(DATA)ラッ
チ141、セグメント(SEG)シフトレジスタ14
2、マルチプレクサ(MPX)143、コモン(CO
M)タイミング発生回路144、デコーダ145を有す
る。記録ヘッド18は、ダイオードマトリックス構成を
取っており、コモン信号COMとセグメント信号SEG
が一致したところの吐出用ヒータ(H1からH128)
に駆動電流が流れ、これによりインクが加熱され吐出す
る。
【0027】上記デコーダ145は、上記コモンタイミ
ング発生回路144が発生したタイミングをデコードし
て、コモン信号COM1〜8のいずれか1つを選択す
る。データラッチ141はRAM13から読み出された
記録データを8ビット単位でラッチし、この記録データ
をマルチプレクサ143はセグメントシフトレジスタ1
42に従い、セグメント信号SEG1〜8として出力す
る。マルチプレクサ143からの出力は、1ビット単
位、2ビット単位、または8ビット全てなど、シフトレ
ジスタ142の内容によって種々変更することができ
る。
【0028】上記制御構成の動作を説明すると、インタ
ーフェース10に記録信号が入るとゲートアレイ14を
MPU11との間で記録信号がプリント用の記録データ
に変換される。そして、モータドライバ16および17
が駆動され、かつヘッドドライバ15に送られた記録デ
ータに従って記録ヘッドが駆動されると、印字が行われ
る。
【0029】(実施例1)図1に本発明の第1の実施例
にかかる記録ヘッドの概略図を示す。
【0030】本実施例では、1つの共通液室に2系統の
供給系(供給路−フィルタ−吸収体)を設けることによ
って多ノズルヘッドの高速記録時に発生する不十分な吐
出(いわゆるショボ,ヨレ),あるいは不吐等の印字不
良を解消するものである。
【0031】図1に示すように、液路101に連通する
共通液室102は、2つの供給路103Aおよび103
Bおよびフィルタ104Aおよび104B(R2および
R3)を介して、インクタンク105に連結されてい
る。各フィルタ104Aおよび104Bは1つの吸収体
106に圧接されるが、異なる領域に異なる状態で圧接
されることにより、異なる吸収体に圧接されていると見
なせる。よって、これを図2では吸収体106Aおよび
106Bと表す。なお、インクタンク105には大気連
通口107が形成されている。
【0032】以下に、その原理を図2および図11を参
照しながら説明する。
【0033】図2は、図1の記録ヘッドを電気回路的に
モデル化したものであり、図11は、従来の記録ヘッド
のインク供給系を電気回路的にモデル化したものであ
る。
【0034】従来の記録ヘッドによると、図11に示す
ように、記録時に共通液室02内のインクが受ける力
(V)は、吐出口から定常的に吐出される定流量源(液
路)01とインクタンク05内のLCR成分、すなわち
慣性抵抗(R2),吸収体内の気泡(C),および流抵
抗(R2)と、フィルタ04の流抵抗成分(R1)によ
って一義的に決定される。従って、これらの成分を変え
ることによってインクが受ける力(V)を小さくするこ
とは可能である。例えば、フィルタ04の流抵抗成分
(R1)を大きくすればインクタンク05内のLC成分
の影響を小さくでき、インクの慣性力を減衰することが
できる。しかし、インクタンク05からのインクがフィ
ルタ04の流抵抗成分によって流れにくくなり、その結
果インクの供給が間に合わなくなる弊害が生じる。
【0035】ここで、共通液室内のインクが受ける力
(V)がインクタンク05内のインクの流れ(i2)に
強く依存する状態を式で表すと以下のようになる。
【0036】
【数1】
【0037】そこで、図1に示すように1つの共通液室
102に2対の供給路103Aおよび103Bと、フィ
ルタ104Aおよび104Bとを連結し、前記フィルタ
104Aおよび1034の端面を一つの吸収体106内
の別の領域106Aおよび106Bに異なった状態で圧
接することで図2に示すような2系統のLCR成分、す
なわち、慣性抵抗(R2),気泡(C)および流抵抗
(R2)と、慣性抵抗(R3),気泡(C)および流抵
抗(R3)とを仮想的に設けることを可能としている。
【0038】図2のように2つの異なったLCR成分を
1つの共通液室102に連結することにより、共通液室
102内のインクが受ける力(V)は2つのLCR成分
の影響を受けることになる。これを式で表すと、次式と
なる。
【0039】
【数2】
【0040】通常、フィルタ104Aおよび104Bと
吸収体106Aおよび106Bとの圧接状態はどんなに
精密に制御しても同一になることはない。すなわち、フ
ィルタ近傍の吸収体の圧縮率は微妙に異なる。これによ
って、LCR成分は必然的に異なることになる。1つの
吸収体の別の領域106Aおよび106Bにフィルタ1
04Aおよび104Bを圧接することで必然的に異なっ
た2つのLCR成分が生まれる。
【0041】すなわち、1つの吸収体に2つのフィルタ
を圧接すると、i2とi3の時間軸に対するベクトル方
向は異なることになる。従って、ある瞬間のi2とi3
が流れようとする方向が異なることになり、記録時に液
室内のインクが受ける力(V)を低減することができ
る。従って、液路内のインクのメニスカス状態を常に安
定化することができる。その結果、高速記録時において
もインクタンクから十分にインク供給ができるととも
に、不十分な吐出あるいは不吐等の印字不良を解消する
ことが可能となる。
【0042】(実施例2)図3に本発明の第2の実施例
に係る記録ヘッドの概略図を示す。
【0043】本実施例では、記録ヘッド内に一色のイン
クを保持するための2つの共通液室を設けることによ
り、多ノズルヘッドの高速記録時に発生する不十分な吐
出および不吐等の印字不良を解消するものである。すな
わち、液路101Aおよび101Bはそれぞれ2つの共
通液室102Aおよび102Bが連通し、各共通液室1
02Aおよび102Bはそれぞれ供給路103Aおよび
103Bおよびフィルタ104Aおよび104Bを介し
てインクタンク105に連結されている。
【0044】以下、その原理を図4を参照して説明す
る。
【0045】図4は図3に示した記録ヘッドのインク供
給系を電気回路的にモデル化した図である。本実施例で
は、一色のインクを保持する2つの共通液室102Aお
よび102Bを設け、それぞれの共通液室102Aおよ
び102Bに供給路103Aおよび103Bとフィルタ
104Aおよび104Bとを連結し、前記フィルタ10
4Aおよび104Bの各端面を一つの吸収体106内の
別の領域に異なった状態で圧接することで図4に示すよ
うな2系統の仮想LCR成分を設けることを可能として
いる。
【0046】それぞれの共通液室102Aおよび102
B内のインクが受ける力をV1,V2とすると、これら
は次式で表すことができる。
【0047】
【数3】
【0048】従って、一色のインクを吐出できる液路群
(液路101Aおよび101B)を2つに分離すること
で単位時間当たりに液室内を流れるインク量を見かけ上
1/2にすることができる。流れるインク量が少なけれ
ばインクタンク内のインクの流れ(i2,i3)は小さ
くなり、液室内のインクが受ける力(V1,V2)を小
さくする事ができる。
【0049】その結果、高速記録時においてもインクタ
ンクから十分にインク供給ができるとともに、不十分な
吐出あるいは不吐等の印字不良を解消することが可能と
なる。
【0050】(実施例3)図5に本発明の第3の実施例
に係る記録ヘッドの概略図を示す。
【0051】本実施例では、記録ヘッド内に一色のイン
クを保持するための共通液室を2つ設け、さらにそれぞ
れの共通液室に連結する供給路およびフィルタを2つず
つ設けることにより、ノズル数の増加,高速記録に伴う
印字不良(ショボ,ヨレ,不吐)を解消するものであ
る。すなわち、液路101Aおよび101Bはそれぞれ
共通液室102Aおよび102Bが連通し、各共通液室
102Aおよび102Bはそれぞれ、2つずつの供給路
103Aおよび103Bならびに供給路103Cおよび
103Dに接続し、各供給路103Aないし103Dの
端部にはフィルタ104Aないし104Dが設けられて
おり、各フィルタ104Aおよび104Bは1つの吸収
体の異なる領域106Aないし106Dに異なる状態で
圧着されている。
【0052】図6は図5に示した記録ヘッドのインク供
給系を電気回路的にモデル化した図である。上述したよ
うに、一色のインクを保持する2つの共通液室102A
および102Bを設け、それぞれの共通液室102Aお
よび102Bに2つずつの供給路103Aないし103
Dとフィルタ104Aないし104Dを連結し、前記フ
ィルタ104Aないし104Dの各端面を一つの吸収体
106内の別の領域に異なった状態で圧接することで図
6に示すような2系統の仮想LCR成分、すなわち、R
1C1L1、R4C2L2、R6C3L3およびR8C
4L4を設けることを可能としている。
【0053】それぞれの共通液室102Aおよび102
B内のインクが受ける力をV1,V2とすると、次式で
表すことができる。
【0054】
【数4】
【0055】従って、一色のインクを吐出できる液路群
(液路101Aおよび101B)を2つに分離すること
で単位時間当たりに液室内を流れるインク量を見かけ上
1/2にすることができる。流れるインク量が少なけれ
ばインクタンク内のインクの流れ(i2,i3)は小さ
くなり、液室内のインクが受ける力(V1,V2)を小
さくすることができる。さらに、1つの共通液室102
Aおよび102Bに2つずつの供給路103Aないし1
03Dとフィルタ104Aないし104Dを連結し、前
記フィルタ104Aないし104Dの各端面を一つの吸
収体106内の別の領域に異なった状態で圧接すること
でi2とi3、i4とi5の時間軸に対するベクトル方
向を異なるようにして、ある瞬間のi2とi3、i4と
i5が流れようとする方向を変えることにより、記録時
に液室内のインクが受ける力(V)を約1/4に低減す
ることができる。すわなち、液路内のインクのメニスカ
ス状態を常に最適化することができ、その結果、高速記
録時においてもインクタンクから十分にインク供給がで
きるとともに、不十分な吐出(ショボ,ヨレ)あるいは
不吐等の印字不良を解消することが可能となる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
吐出用ヒータが設けられた液路および該液路に連通する
共通液室と、該共通液室に供給するためのインクを保持
する吸収体を包含するインクタンクと、該インクタンク
と該共通液室とを連結するインク供給路とインク中のゴ
ミをトラップするフィルタとを有するインクジェット記
録ヘッドにおいて、1つの共通液室と1つのインクタン
クを連結するインク供給路とフィルタを複数具備するこ
と、あるいは記録ヘッド内に一色のインクを保持するた
めの共通液室を複数設け、かつ該複数の共通液室と1つ
のインクタンクを複数のインク供給路とフィルタで連結
すること、により、高速記録においてもインクを十分に
供給でき、しかも液室内でのインクの振動を抑えること
により、液路内のインクのメニスカス状態を常に正常に
し、不十分な吐出あるいは不吐が発生しないインクジェ
ット記録ヘッドおよび記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る記録ヘッドを示す概略
図である。
【図2】本発明の実施例1におけるインク供給系を電気
回路モデル化した図である。
【図3】本発明の実施例2に係る記録ヘッドを説明する
概略図である。
【図4】本発明の実施例2におけるインク供給系を電気
回路モデル化した図である。
【図5】本発明の実施例3に係る記録ヘッドを説明する
概略図である。
【図6】本発明の実施例3におけるインク供給系を電気
回路モデル化した図である。
【図7】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
構成を示す概略斜視図である。
【図8】図7に示したインクジェットカートリッジの記
録ヘッドの要部斜視図である。
【図9】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
装置構成の各部の制御構成を示すブロック図である。
【図10】図9の各部の詳細を示す回路図である。
【図11】従来の記録ヘッドのインク供給系を電気回路
モデル化した図である。
【符号の説明】
101,101A,101B 液路 102,102A,102B 共通液室 103A,103B,103C,103D 供給路 104A,104B,104C,104D フィルタ 105 インクタンク 106,106A,106B,106C,106D 吸
収体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 25/34 B41J 3/04 103 B 25/28 Z (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出用のエネルギ変換素子が設けられた
    液路および該液路に連通する共通液室と、該共通液室に
    供給するためのインクを保持する吸収体を包含するイン
    クタンクと、該インクタンクと前記共通液室とを連結す
    るインク供給路と、該インク供給路の端面に設けられて
    インク中のゴミをトラップするフィルタを具備するイン
    クジェット記録ヘッドにおいて、 1つの前記共通液室と1つの前記インクタンクとを連結
    する前記インク供給路と前記フィルタとをそれぞれ複数
    具備することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインクジェット記録ヘッ
    ドにおいて、前記エネルギ発生素子が、前記インクに膜
    沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体で
    あることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 吐出用のエネルギ変換素子が設けられた
    液路および該液路に連通する共通液室と、該共通液室に
    供給するためのインクを保持する吸収体を包含するイン
    クタンクと、該インクタンクと該共通液室とを連結する
    インク供給路と、該インク供給路の端面に設けられてイ
    ンク中のゴミをトラップするフィルタとを具備するイン
    クジェット記録ヘッドにおいて、 記録ヘッド内に一色のインクを保持するための前記共通
    液室を複数設け、該複数の共通液室と1つの前記インク
    タンクとを、複数の前記インク供給路と前記フィルタと
    で連結することを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のインクジェット記録ヘッ
    ドにおいて、前記エネルギ発生素子が、前記インクに膜
    沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体で
    あることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッドを具えたインクジェット記録装置であっ
    て、前記インクジェット記録ヘッドが記録装置本体に対
    して着脱可能であることを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  6. 【請求項6】 請求項3または4に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッドを具えたインクジェット記録装置であっ
    て、前記インクジェット記録ヘッドが記録装置本体に対
    して着脱可能であることを特徴とするインクジェット記
    録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0822083A2 (en) * 1996-07-31 1998-02-04 Canon Kabushiki Kaisha Liquid container for an ink jet recording apparatus
JPH1134351A (ja) * 1997-07-16 1999-02-09 Fuji Xerox Co Ltd 液体供給装置および記録装置

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