JPH08192483A - 接着治具 - Google Patents

接着治具

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Publication number
JPH08192483A
JPH08192483A JP7021190A JP2119095A JPH08192483A JP H08192483 A JPH08192483 A JP H08192483A JP 7021190 A JP7021190 A JP 7021190A JP 2119095 A JP2119095 A JP 2119095A JP H08192483 A JPH08192483 A JP H08192483A
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JP
Japan
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sandwich panel
jig
honeycomb sandwich
plate
replaced
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Application number
JP7021190A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Hirosaki
邦彦 廣崎
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Showa Aircraft Industry Co Ltd
Original Assignee
Showa Aircraft Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1に、両外表面が共にわん曲したハニカム
サンドイッチパネルの欠陥部の部分的交換に際し、交換
部が囲りに正確に接着される等、精度に優れ信頼性も高
く、第2に、しかも簡単容易に製作準備でき、コスト面
に優れると共に、第3に、短時間のうちに製作準備可能
な、接着治具を提案する。 【構成】 この接着治具7は、オートクレーブ3その他
の加熱加圧装置と共に用いられ、次の治具板10,基部
たる底板11,フレーム12等を備えてなる。すなわ
ち、その外面13側に多数の溝状のスリット14が全体
的に形成され、もって全体的に変形性・柔軟性が付与さ
れており、その内面15が交換対象たるハニカムサンド
イッチパネル1の外表面に当接されることにより、その
わん曲に対応してわん曲される治具板10と、基部たる
フラットな底板11と、このような治具板10と底板1
1間に介装固定される各フレーム12と、を有してな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接着治具に関する。す
なわち、例えば航空機の翼のフラップ等、製品に取付け
られる構成部材であり、両外表面が共にわん曲したハニ
カムサンドイッチパネルについて、その欠陥部を部分的
に交換する際に、加熱加圧装置と共に用いられる接着治
具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、この種従来例の接着治具等を示
す正断面説明図である。同図にも示したように、航空機
の翼のフラップ等、上下の両外表面が共にわん曲したハ
ニカムサンドイッチパネル1について、部分的に腐食剥
離や接着劣化剥離等のいわゆるデイラミ箇所が発生した
場合は、このような欠陥部Aを補修する必要がある。そ
して欠陥部Aが、ハニカムサンドイッチパネル1全体の
極く一部に生じたに過ぎない場合は、そのまま何ら治具
を用いず補修することが可能であるが、欠陥部Aの径が
200mm以上に達した場合には、ハニカムサンドイッ
チパネル1の事後の剛性維持の面等から、従来より、接
着治具2を用いた補修が実施されている。すなわち、ハ
ニカムサンドイッチパネル1から欠陥部Aを除去し、代
わりに交換部Bを接着剤を介装しつつ嵌入して、オート
クレーブ3等の加熱加圧装置と接着治具2とを用いて加
熱加圧することにより、交換部Bを接着し、もってハニ
カムサンドイッチパネル1を部分的に交換することが、
従来より行われていた。なおこのような場合、欠陥部A
が発生したハニカムサンドイッチパネル1全体を交換す
ることも考えられるが、コスト負担が過大となり、従来
より、このような全体的交換は行われていない。
【0003】ところで、このような接着治具2を用いた
補修に際しては、まず、欠陥部Aを含むハニカムサンド
イッチパネル1について、その外表面のわん曲を、NC
等により計測する。そして、予め鋳造加工されていたア
ルミ材,アルミ合金材等の金属材をNC加工し、もっ
て、ハニカムサンドイッチパネル1の外表面に対応した
わん曲の内面形状よりなる接着治具2が、製作準備され
ていた。なお、ハニカムサンドイッチパネル1はアルミ
材,アルミ合金材等の金属材製のものが代表的であり、
その場合は、同様なアルミ材,アルミ合金材等の金属材
製の接着治具2が製作準備されるが、ハニカムサンドイ
ッチパネル1がその他の材料、例えば繊維強化プラスチ
ック材等の非金属材製よりなる場合は、膨張係数の関係
から、接着治具2も対応した材質のものが選択使用され
る。勿論この場合も、上述したアルミ材等の金属材を用
いた場合に準じ、まず欠陥部Aを含むハニカムサンドイ
ッチパネル1の外表面のわん曲を計測し、その計測結果
に基づき、例えばオートクレーブ等により加熱加圧し
て、対応したわん曲を内面に備えた接着治具2が製作準
備されていた。
【0004】さて、欠陥部Aの補修に際しては、まず、
ハニカムサンドイッチパネル1から欠陥部Aを除去した
後、(欠陥部Aは、ハニカムサンドイッチパネル1の例
えば一方のスキン板4から芯材たるハニカムコア5の対
応部位にかけて発生することが多い)、欠陥部Aに代わ
る交換部Bを、接着剤を介装しつつ空いた空間に嵌入す
る。そして、このような交換が実施されたハニカムサン
ドイッチパネル1を、オートクレーブ3等の加熱加圧装
置と接着治具2とを用いて加熱加圧することにより、交
換部Bが周りに接着されていた。ハニカムサンドイッチ
パネル1の部分的な交換は、このように実施されてい
た。図中6は、他方のスキン板を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。例えば
航空機のフラップ等に用いられるハニカムサンドイッチ
パネル1のわん曲は、その形状が多種多様であり、しか
も、その部分的な交換部位つまり欠陥部Aの発生箇所
も、各所各様であり、実際の交換部位は補修時点でない
と判明しない状況にある。つまり、部分的な交換が実施
される交換対象のハニカムサンドイッチパネル1の外表
面のわん曲形状は、基本形が多種多様であり、かつその
交換部位も各所各様である。しかも航空機の場合には、
飛行時間が長くなるほどフラップは変形する等、フラッ
プつまり交換対象のハニカムサンドイッチパネル1は、
多種多様,各所各様であると共に、それらの変形例も種
々加わる。
【0006】そこで第1に、従来は、ほとんど現品合わ
せに近い状況にあり、この種のハニカムサンドイッチパ
ネル1の部分的な交換に際し、その外表面のわん曲に対
応した内面形状よりなる接着治具2を、予め製作準備す
ることは容易でなく、仮に全点数を予め正確に製作準備
できたとしても、多大な無駄(不使用品)が発生するこ
とになる。もって従来は、ハニカムサンドイッチパネル
1の部分的な交換に際し、接着治具2の内面のわん曲
が、ハニカムサンドイッチパネル1の外表面のわん曲に
確実に対応せず、加圧不足となり、交換部Bが正確に周
りに接着されない事例も多々発生し、接着治具2の精度
や信頼性に問題が指摘されていた。
【0007】第2に、しかも従来の接着治具2は、前述
したように、欠陥部Aを含むハニカムサンドイッチパネ
ル1の外表面のわん曲を形状的にいちいち計測し、その
計測結果に基づき、NC加工やオートクレーブによる加
熱加圧等により、製作準備されていた。そこで従来の接
着治具2は、製作準備に多大な費用を要する等、コスト
面に問題が指摘されていた。
【0008】第3に、従来の接着治具2は、このよう
に、計測,NC加工,オートクレーブによる加熱加圧等
にて製作準備されており、製作準備に長時間を要してい
た。これに対し、航空機のフラップ等は運行上補修時間
が極めて限られている等(例えば長くて3日間等)によ
り、ハニカムサンドイッチパネル1の欠陥部Aの部分的
な交換については、短時間のうちに緊急に実施したい、
との現場からの要望も多い。そこで、このような交換に
用いられる接着治具2の製作準備が、時間的に間に合わ
ない事態も多々発生し、問題となっていた。
【0009】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、外面
側に多数のスリットが形成されて変形性・柔軟性が付与
され、もって内面が交換対象たるハニカムサンドイッチ
パネルに当接され、対応してわん曲される治具板を備え
てなることにより、第1に、精度に優れ信頼性も高く、
第2に、しかも製作準備コスト面にも優れ、第3に、短
時間のうちに製作準備可能な、接着治具を提案すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。この接着治具
は、製品に取付けられた構成部材であり両外表面が共に
わん曲したハニカムサンドイッチパネルについて、その
欠陥部を部分的に交換する際に、加熱加圧装置と共に用
いられる。そして該接着治具は、次の治具板,基部,フ
レーム等を有してなる。すなわち、外面側に多数の溝状
のスリットが形成され、もって全体的に変形性・柔軟性
が付与されており、内面が交換対象たる該ハニカムサン
ドイッチパネルの外表面に当接され、もってそのわん曲
に対応してわん曲される治具板と、基部と、該治具板と
基部間に介装固定されるフレームと、を有してなる。
【0011】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので、次の
ように作用する。この接着治具の治具板は、外面側に多
数の溝状のスリットが形成され、もって全体的に変形性
・柔軟性を付与されており、内面が交換対象たるハニカ
ムサンドイッチパネルの外表面に当接されることによ
り、そのわん曲した外表面に沿い対応してわん曲され
る。そしてこの接着治具は、このような治具板をフレー
ムにて基部に固定してなる。そして交換・補修に際して
は、交換対象たるハニカムサンドイッチパネルについ
て、欠陥部を除去した後、その交換部を接着剤を塗布,
介装しつつ嵌入する。それから、接着治具の治具板のわ
ん曲した内面に、ハニカムサンドイッチパネルの外表面
を当てがうと共に、加熱加圧装置を用いて加熱,加圧す
ることにより、ハニカムサンドイッチパネルについて、
交換部がその周りに接着される。
【0012】そこで第1に、交換対象のハニカムサンド
イッチパネルの外表面のわん曲は、多種多様,各所各様
であり、変形も種々生じている。これらに対し、この接
着治具では、治具板の内面が、ハニカムサンドイッチパ
ネルの外表面のわん曲に確実に対応しつつ、当接,圧接
されるので、ハニカムサンドイッチパネルの交換部が十
分に加圧され、周りに正確に接着される。第2に、しか
もこの接着治具は、多数の溝状のスリットが形成された
治具板を、交換対象のハニカムサンドイッチパネルに当
接させることにより、簡単容易で安価に製作準備される
と共に、第3に、短時間のうちに製作準備される。
【0013】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて、詳細に説明する。図1,図2,図3,図4は本発
明の実施例の説明に供し、図1の(1)図は、準備され
た治具板を示す斜視図、図1の(2)図は、交換対象た
るハニカムサンドイッチパネルを示す斜視図であり、図
2の(1)図は、接着治具の製作工程を示す正断面説明
図、図2の(2)図は、底板や各フレームの斜視図であ
る。図3の(1)図は、製作準備された接着治具の正断
面説明図、図3の(2)図は、使用中の状態の正断面説
明図であり、図4の(1)図は、治具板等の拡大した要
部の正断面説明図、図4の(2)図は、底板や各フレー
ムの要部の斜視図である。図5は、交換対象たるハニカ
ムサンドイッチパネルの交換ステップの説明に供する正
断面説明図であり、図7は、ハニカムコアの斜視図であ
る。
【0014】まず、この接着治具7は、製品に取付けら
れた構成部材であるハニカムサンドイッチパネル1であ
って、両外表面が共にわん曲したものについて、その欠
陥部Aを交換部Bと部分的に交換する際に、オートクレ
ーブ3その他の加熱加圧装置と共に用いられる。
【0015】まず、ハニカムサンドイッチパネル1につ
いて述べる。この交換対象のハニカムサンドイッチパネ
ル1は、例えば航空機の翼のフラップ等として用いら
れ、上下の両外表面が共にわん曲した曲面形状いわゆる
コンター形状よりなり、補修時において翼等から取り外
される。そしてハニカムサンドイッチパネル1は、ハニ
カムコア5の上下の両開口端面に、それぞれスキン板
4,6が接着された構造よりなる。芯材たるハニカムコ
ア5は、図7にも示したように、セル壁8にて各々独立
空間に区画された中空柱状のセル9の平面的集合体より
なり、アルミ材,アルミ合金材,その他の金属材,アラ
ミドその他の強化紙,塩ビその他のプラスチック,繊維
強化プラスチック(FRP)材,その他の複合材製等よ
りなる。繊維強化プラスチック(FRP)は、ガラス繊
維,カーボン繊維,ケブラー繊維,その他の繊維と、樹
脂とを付着,含浸,混入して、組み合わせたものよりな
る。なおハニカムコア5は、重量比強度や平面精度に優
れる、等々の特性が知られている。又、上下のスキン板
4,6も、このような芯材たるハニカムコア5の材質に
見合った材質のものが、適宜選択使用され、接着剤を介
装して加熱することにより、セル軸を上下方向に向けた
ハニカムコア5の両開口端面に接着されている。
【0016】さて、このようなハニカムサンドイッチパ
ネル1は、長期使用に伴い、部分的に腐食剥離や接着劣
化剥離等のいわゆるデイラミによる欠陥部A(図5の
(1)図等を参照)が発生するので、その場合には、こ
のような欠陥部Aを交換部Bと部分的に交換する、補修
を実施する必要が生じる。この接着治具7は、両外表面
が共にわん曲したハニカムサンドイッチパネル1のこの
ような補修に際し、オートクレーブ3その他の加熱加圧
装置と共に用いられる。
【0017】そして接着治具7は、次の治具板10,基
部たる底板11,フレーム12等を備えてなる。すなわ
ち、外面13側に多数の溝状のスリット14が形成さ
れ、もって全体的に変形性・柔軟性が付与されており、
内面15が交換対象たるハニカムサンドイッチパネル1
の外表面に当接され、もってそのわん曲に対応してわん
曲される治具板10と、基部たるフラットな底板11
と、治具板10と基部たる底板11間に介装固定される
フレーム12と、を有してなる。
【0018】このような接着治具7について、更に詳述
する。その製作方法について述べると、まず図1の
(1)図に示したように、外面13側に多数の溝状のス
リット14が形成された治具板10が、準備される。こ
の治具板10としては、アルミ板,スチール板,その他
の金属板,繊維強化プラスチック(FRP)板,その他
の材質のもの、つまり耐熱性や耐久性と共に、使用対象
たるハニカムサンドイッチパネル1のスキン板4,6の
材質をも、考慮したものが用いられる。そして治具板1
0は、その外面13側に全体的に溝加工,スリット加工
等が施され、もって溝状のスリット14が形成されてお
り、このスリット14は、事後にハニカムサンドイッチ
パネル1の外表面のわん曲に対応してわん曲可能な程度
に、治具板10全体に変形性・柔軟性を付与すべく機能
する。そこでスリット14は、このような機能に見合っ
た各種の深さ,幅,形状,方向,数のものが考えられ、
図示例では、X,Y両方向にクロスした多数の溝が形成
されているが、勿論これに限定されることなく、例えば
一方向のみのものや斜め方向のもの、その他各種のもの
が考えられる。
【0019】ところで、交換対象たるハニカムサンドイ
ッチパネル1に関しては、まず図1の(2)図に示した
ように、その外表面のわん曲が計測される。すなわち、
欠陥部Aが発生したハニカムサンドイッチパネル1を、
4個のジャッキ等のレベル出し工具16上に置き、その
外表面のわん曲の形状,寸法,位置関係等が、NC等に
より計測され、そのデータが事後、必要に応じ活用され
る。図中17はフィンであり、このフィン17は、ハニ
カムサンドイッチパネル1が航空機の翼のフラップとし
て用いられた場合、その取付用の骨格として機能する。
【0020】さて次に、図示例では図2の(1)図中に
示したように、交換対象たるハニカムサンドイッチパネ
ル1を押え治具18上に置き、このハニカムサンドイッ
チパネル1上に、前述により準備された接着治具7用の
治具板10が載せられる。治具板10は、前述により外
面13側のスリット14にて全体的に変形性・柔軟性が
付与されており、内面15がハニカムサンドイッチパネ
ル1のわん曲した外表面に当接されることにより、その
わん曲に沿い対応してわん曲する。それから図2の
(2)図に示した底板11を、図2の(1)図に示した
ように、フレーム12を介し上述によりわん曲した治具
板10に取付け固定する。つまり図示例では、ハニカム
サンドイッチパネル1の外表面に対応してわん曲した治
具板10の外面13上に、裏打ちフレームたる縦の各フ
レーム12そしてフラットな底板11を順に配し、これ
ら治具板10,各フレーム12,底板11間を、点溶
接,ネジ止め,ブラケット止め等にて、取付け固定す
る。
【0021】このようにして、治具板10,各フレーム
12,底板11等からなる接着治具7が、製作準備さ
れ、図3に示したように、上下が反転されて使用され
る。すなわち、まず図3の(1)図に示したように、わ
ん曲した治具板10の内面15を上に外面13を下に向
け、各フレーム12を介しフラットな底板11にて定置
する。なおここで、図1の(2)図について前述したよ
うに、予め交換対象のハニカムサンドイッチパネル1に
ついて、計測されていたその外表面のわん曲データと、
このように製作準備され定置された接着治具7の治具板
10のわん曲とが、念のため比較される。そして、もし
も両者に差が出るようであれば、治具板10の内面15
側に対し、若干のNC加工,その他の切削加工等が施さ
れる。勿論図示例によらず、このような比較,NC加工
等を、実施しないケースも考えられる。
【0022】それから図示例では、図3の(2)図や図
4の(1)図に示したように、このように製作準備され
た接着治具7の治具板10上に、交換対象のハニカムサ
ンドイッチパネル1が載せられる。つまり、前述した欠
陥部Aに代え交換部Bが嵌入され部分的な交換が実施さ
れたハニカムサンドイッチパネル1が、接着治具7の治
具板10の内面15上に載せられ(図1の(2)図や図
2の(1)図中に示した状態とは、上下反転して載せら
れ)、加熱加圧装置による加熱,加圧が実施される。図
示例では、加熱加圧装置たるオートクレーブ3の気密シ
ートが、ハニカムサンドイッチパネル1上に被せられ
て、加熱,加圧が実施されるが、加熱加圧装置として
は、図示例のオートクレーブ3を用いる方式のほか、ホ
ットプレス方式,バキューム方式,ヒーターブラケット
方式,その他の各種方式の採用も考えられる。なお図4
の(2)図は、このように用いられる接着治具7のフレ
ーム12および底板11の斜視図である。
【0023】本発明は、以上のように構成されている。
そこで以下のようになる。この接着治具7は、製品に取
付けられた構成部材たるハニカムサンドイッチパネル
1、例えば航空機の翼に取付けられたフラップたるハニ
カムサンドイッチパネル1であって、両外表面が共にわ
ん曲したハニカムサンドイッチパネル1について、その
欠陥部A(図1の(2)図,図2の(1)図等を参照)
を部分的に交換する際に、オートクレーブ3その他の加
熱加圧装置と共に用いられる。そして、この接着治具7
の治具板10は、外面13側に多数の溝状のスリット1
4が形成され、もって全体的に、その肉厚方向への変形
性・柔軟性が付与されている。従って治具板10は、内
面15が交換対象たるハニカムサンドイッチパネル1の
外表面、つまりわん曲したそのスキン板6に当接される
ことにより、そのわん曲に沿い、容易に対応したわん曲
が形成される。そして接着治具7は、このような治具板
10を各フレーム12にて、フラットな底板11に固定
してなる(図2,図3参照)。
【0024】さて、この接着治具7は、交換対象のハニ
カムサンドイッチパネル1の補修に際し、次のように用
いられる。図5の(1)図は、交換前のハニカムサンド
イッチパネル1を示し、(2)図は、その欠陥部Aを除
去したステップを示し、(3)図は、新たに交換部Bを
嵌入するステップを示し、(4)図は、交換後のハニカ
ムサンドイッチパネル1を示す。補修に際しては、ま
ず、交換前のハニカムサンドイッチパネル1から、欠陥
部Aを除去した後、(代表的には、例えば下側のスキン
板6を残しつつ、欠陥部A側の例えば上側のスキン板4
を切り欠き除去すると共に、芯材たるハニカムコア5を
切削除去した後)、このように除去された欠陥部Aに代
わる交換部Bを、接着剤Cを塗布,介装しつつ、空いた
空間に嵌入する。それから、図3や図4に示したよう
に、上述により交換が実施されたハニカムサンドイッチ
パネル1を、予め製作準備されていた接着治具7の治具
板10のわん曲した内面15上に載せる。そして、加熱
加圧装置たるオートクレーブ3を上から被せ、ハニカム
サンドイッチパネル1を、上下のオートクレーブ3と接
着治具7の治具板10間で、加熱しつつ加圧することに
より、ハニカムサンドイッチパネル1に嵌入されていた
交換部Bが、周りに接着される。(代表的には、交換部
B側の例えば上側のスキン板4と芯材たるハニカムコア
5が、周りの上側のスキン板4,周りの芯材たるハニカ
ムコア5,下側のスキン板6等に、それぞれ接着され
る。)
【0025】このようにして、両外表面が共にわん曲し
た交換対象たるハニカムサンドイッチパネル1につい
て、欠陥部Aへの交換部Bの部分的な交換が実施され、
その補修が完了する。さてそこで、この接着治具7にあ
っては、次の第1,第2,第3のようになる。
【0026】第1に、交換対象のハニカムサンドイッチ
パネル1の両外表面のわん曲は、その形状が多種多様で
あり、しかも、その部分的な交換部位つまり欠陥部Aの
発生箇所は、各所各様であり、更に、長時間使用による
変形も種々生じている。例えば、ハニカムサンドイッチ
パネル1を用いた航空機の翼のフラップは、形状が多種
多様,交換部位も各所各様で、飛行時間が長くなると種
々の変形も生じている。これらに対しこの接着治具7
は、前述により、交換対象たるハニカムサンドイッチパ
ネル1を用い、これに治具板10を当接させることによ
り製作準備されるので、その内面15のわん曲が、ハニ
カムサンドイッチパネル1の外表面のわん曲に確実に対
応した形状よりなり、これに当接,圧接される。従っ
て、このような接着治具7を用いることにより、ハニカ
ムサンドイッチパネル1の部分的な交換に際し、その交
換部Bが十分に加圧され、周りに正確に接着される。
【0027】第2に、しかもこの接着治具7は、予め外
面13側に多数の溝状のスリット14が形成された治具
板10を、交換対象のハニカムサンドイッチパネル1に
当接させることにより、製作準備される。このように、
この接着治具7は、簡単容易で安価に製作準備される。
【0028】第3に、そしてこの接着治具7は、このよ
うに、その治具板10を交換対象たるハニカムサンドイ
ッチパネル1に当接させるだけで、極く短時間のうちに
製作準備される。
【0029】なお第1に、以上説明した図示例におい
て、接着治具7は、交換対象のハニカムサンドイッチパ
ネル1の一方の外表面、つまり一方のスキン板6側の外
表面に対してのみ、当接,使用されていた。しかし本発
明の接着治具7は、このような図示例に限定されるもの
ではなく、例えば、ハニカムサンドイッチパネル1の他
方の外表面、つまり他方のスキン板4側の外表面に対し
て当接,使用することも可能であり、更に、双方のスキ
ン板4,6の外表面に対し、当接,使用することも考え
られる。なお第2に、図示例において基部としては、フ
ラットな底板11が用いられていた。しかし本発明の接
着治具7の基部は、これに限定されるものではなく、例
えばパイプ,アングル,角材等をそれぞれ組み合わせた
ものを用いるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】本発明に係る接着治具は、以上説明した
ように、外面側に多数のスリットが形成されて変形性・
柔軟性が付与され、もって内面が交換対象たるハニカム
サンドイッチパネルに当接されることにより、対応して
わん曲される治具板を備えてなるので、次の効果を発揮
する。
【0031】第1に、この接着治具は、精度に優れ信頼
性も高い。例えば航空機の翼のフラップ等、多種多様,
各所各様で変形も多い交換対象のハニカムサンドイッチ
パネルの外表面のわん曲に対し、この接着治具は、確実
に対応したわん曲を備えてなる。従って、この接着治具
を用いることにより、ハニカムサンドイッチパネルの部
分的な交換,補修に際し、交換部が十分に加圧され、周
りに正確に接着されるようになり、前述したこの種従来
例の接着治具について指摘されていた問題が回避される
等、精度に優れ高い信頼性が確保される。
【0032】第2に、この接着治具は、製作準備コスト
面にも優れている。すなわちこの接着治具は、その内面
を交換対象のハニカムサンドイッチパネルに当接させる
ことにより、簡単容易に製作準備される。つまり、前述
したこの種従来例のように、いちいち計測,NC加工,
オートクレーブによる加熱加圧等を必須的に要せず、安
価に供給できる等、製作準備コスト面にも優れている。
【0033】第3に、しかもこの接着治具は、短時間の
うちに製作準備可能である。すなわちこの接着治具は、
その治具板を交換対象のハニカムサンドイッチパネルに
向けて当接するだけで、短時間のうちに製作準備でき
る。従って、航空機の翼のフラップのように運行上補修
時間が極めて限られ、欠陥部の部分的な交換を緊急に実
施したい場合にも、十分かつ確実に対応でき、前述した
この種従来例のように、時間的に間に合わない事態の発
生も回避される。このように、この種従来例に存した問
題点が一掃される等、本発明の発揮する効果は、顕著に
して大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接着治具の実施例の説明に供する
斜視図であり、(1)図は、準備された治具板を示し、
(2)図は、交換対象たるハニカムサンドイッチパネル
を示す。
【図2】同実施例の説明に供し、(1)図は、その製作
工程を示す正断面説明図、(2)図は、底板や各フレー
ムの斜視図である。
【図3】同実施例の説明に供する正断面説明図であり、
(1)図は、製作準備された状態を、(2)図は、使用
中の状態を示す。
【図4】同実施例の使用中の状態の要部を示し、(1)
図は、治具板等の拡大した正断面説明図、(2)図は、
底板や各フレームの斜視図である。
【図5】交換対象たるハニカムサンドイッチパネルの交
換ステップの説明に供する正断面説明図であり、(1)
図は、交換前のハニカムサンドイッチパネルを示し、
(2)図は、欠陥部を除去したステップを示し、(3)
図は、交換部を嵌入するステップを示し、(4)図は、
交換後のハニカムサンドイッチパネルを示す。
【図6】この種従来例の接着治具等を示す、正断面説明
図である。
【図7】ハニカムコアの斜視図である。
【符号の説明】
1 ハニカムサンドイッチパネル 2 接着治具(従来例のもの) 3 オートクレーブ(加熱加圧装置) 4 スキン板 5 ハニカムコア 6 スキン板 7 接着治具(本発明のもの) 8 セル壁 9 セル 10 治具板 11 底板(基部) 12 フレーム 13 外面 14 スリット 15 内面 16 レベル出し工具 17 フィン 18 押え治具 A 欠陥部 B 交換部 C 接着剤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製品に取付けられた構成部材であり両外
    表面が共にわん曲したハニカムサンドイッチパネルにつ
    いて、その欠陥部を部分的に交換する際に、加熱加圧装
    置と共に用いられる接着治具であって、 外面側に多数の溝状のスリットが形成され、もって全体
    的に変形性・柔軟性が付与されており、内面が交換対象
    たる該ハニカムサンドイッチパネルの外表面に当接さ
    れ、もってそのわん曲に対応してわん曲される治具板
    と、基部と、該治具板と基部間に介装固定されるフレー
    ムと、を有してなることを特徴とする接着治具。
JP7021190A 1995-01-13 1995-01-13 接着治具 Pending JPH08192483A (ja)

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