JPH08191700A - アルカリハイブリダイゼーション法による核酸の検出方法 - Google Patents

アルカリハイブリダイゼーション法による核酸の検出方法

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JPH08191700A
JPH08191700A JP7003722A JP372295A JPH08191700A JP H08191700 A JPH08191700 A JP H08191700A JP 7003722 A JP7003722 A JP 7003722A JP 372295 A JP372295 A JP 372295A JP H08191700 A JPH08191700 A JP H08191700A
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nucleic acid
hybridization
bacterium
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alkali
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Satoshi Nunofuji
聡 布藤
Shizuo Mise
静男 三瀬
Takashi Taneda
貴至 種田
Takanori Namimatsu
孝憲 並松
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NIPPN Corp
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Nippon Flour Mills Co Ltd
National Federation of Agricultural Cooperative Associations
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 被検核酸とプローブ核酸間のハイブリダイゼ
ーションを、アルカリ条件下で行うことを特徴とする核
酸の検出方法。 【目的】 中性条件でのハイブリダイゼーションに比べ
て、高感度であり、操作が簡便である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリハイブリダイ
ゼーション法を用いた核酸の検出方法に関する。
【従来の技術】一般に核酸(DNA及RNA)の検出は
相補的な2つの1本鎖核酸が塩基間(グアニンとシトシ
ン、及びアデニンとチミン、もしくはアデニンとウラシ
ル)の水素結合によって結合する反応(ハイブリダイゼ
ーション)を利用して行なわれる。この反応は非常に特
異性が高く、研究分野に於ける基本技術であるととも
に、応用分野に於いても既に広く用いられているのは周
知の事実である。ハイブリダイゼーションは通常、被検
核酸と何らかの標識を行なった核酸(プローブ)との間
でなされるが、被検核酸の分解及び高次構造などに注意
する必要がある。被検核酸の分解を防ぐためには、DN
Aの場合は試料調製の際の切断やDNA分解酵素の影響
をできるだけ排除すること、また、RNAの場合には、
試料調製段階からハイブリダイゼーション、検出に至る
全ての工程で厳密な条件設定を行う必要がある。また、
被検核酸の配列によっては分子内結合が起こり複雑な立
体構造をとる場合があり、被検核酸とプローブ核酸間の
ハイブリダイゼーションがうまく起こらなくなり、感度
が低下してしまうことがある。これは特にRNAの場合
に顕著に起こる現象である。
【0002】ハイブリダイゼーションは通常中性条件で
行われている。pHが低い場合には核酸は凝集・分解し
やすくなる。一方、アルカリ側では、凝集は起こらない
ものの、酸性条件の場合と同様に化学的に分解しやすく
なるだけでなく、対合する塩基同士の水素結合力が低下
する。特に、2本鎖DNAの場合、pH12以上では容易
に1本鎖に解離する、即ちハイブリダイゼーションその
ものが起こらなくなってしまう。相補的な2本のRNA
及び1対の相補的なRNAとDNAの結合力は相補的な
2本のDNAのそれに比べ強いことはよく知られてい
る。しかしRNAに於いても、中性から極端に外れたp
Hでのハイブリダイゼーションはうまくいかないという
先入観があり、これまであまり研究されていなかった。
【0003】仮にRNAのハイブリダイゼーションをア
ルカリ条件下で、中性条件と同等、あるいはそれ以上の
結合強度でハイブリダイゼーションを行なうことができ
れば、以下に示すような有利性が考えられる。 (1) 核酸分解酵素活性が阻害される。 (2) 核酸自体の高次構造が緩くなる(分子内結合の解
離)。 (3) 不純物の不溶化が起こりにくくなる(溶液組成物の
不溶化が起こるとハイブリダイゼーションが阻害されて
しまう)。 特に、被検核酸もしくはプローブ用核酸が高次構造をと
りやすい場合や、不純物の多い系では非常に魅力的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被検
核酸を高感度で検出する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究を行い、アルカリ側でのハイブ
リダイゼーション試験を検討した。その結果、pH9以
上のアルカリ条件下でもハイブリダイゼーションは起こ
り、かつ多くの場合、安定した検出値が得られることを
見出し、本発明を完成するに至った。なお、本発明者の
知る限り、積極的にアルカリ条件下でのハイブリダイゼ
ーション(以下アルカリハイブリダイゼーションと呼
ぶ)を行いその優位性について記載した報告はない。
【0005】本発明は、被検核酸とプローブ核酸間のハ
イブリダイゼーションを、アルカリ条件下で行うことを
特徴とする核酸の検出方法である。本発明のハイブリダ
イゼーションはアルカリ条件下、好ましくはpH9以上
13未満、さらに好ましくはpH9〜12.5、最も好
ましくはpH9〜12の条件下で行われる。pH9以下
では、核酸分解酵素の影響を受け易くなり、pH13以
上では、核酸が加水分解を受け易くなるうえ、塩基間の
水素結合力が減少し、ハイブリダイゼーションが起きに
くくなる。ハイブリダイゼーションの際の温度は特に限
定されないが、通常の温度、例えば、37〜60℃程度
でよい。ハイブリダイゼーションの際に、ポリリン酸を
0.1〜1.0%程度加えることにより、ハイブリダイゼー
ションの反応効率を改善することができる(特願平6−
61465号)。
【0006】本発明によれば、被検核酸を抽出する際に
アルカリを用い、そのまま中和せずにハイブリダイゼー
ションさせることができるため、核酸検出工程が簡略化
される。例えば、鶏卵培地のような非常に高蛋白質の素
材中の核酸をアルカリで抽出した後に中和すると、大量
の沈殿が発生し、被検核酸の検出が不可能になるような
場合でも、本発明のアルカリハイブリダイゼーションを
適用することによって容易に検出が可能になる。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明に於
いては、pH9以上、特にpH12以上というアルカリ
条件でハイブリダイゼーションを行うことから、細胞な
どの検体から被検RNAを調製することも簡単である。
即ち、通常は界面活性剤やフェノールなどの蛋白変性剤
を用い、更に必要な際には分画精製を行なうが、本発明
に於いては、ほとんどの場合単にアルカリ変性させるだ
けで直ちにハイブリダイゼーションを行なうことが可能
である。また、アルカリにより細胞(を含む検体)を溶
解した後、ハイブリダイゼーションを行ない、被検核酸
を検出する方法はいくつか報告されているが、これらは
全てアルカリ処理後、ハイブリダイゼーションの前に中
和を行っている。
【0008】これに対し本発明の方法ではその必要がな
い。即ち、上記の利点に加え、中和による沈殿の形成が
ないので、沈殿によるハイブリダイゼーションの阻害を
考える必要もない。例えば、鶏卵培地や組織乳剤などの
高濃度の蛋白質を含む被検材料から、ハイブリダイゼー
ションにより特定の核酸を検出するためには、核酸の抽
出操作過程の前後に、通常は遠心分離などの除蛋白操作
を行う必要があるが、本発明方法では、その操作を省略
し、被検材料について直接ハイブリダイゼーションを行
うことができる。
【0009】以下、RNAを検出対象として、その被検
RNAに相補的な2つの核酸を用いたサンドイッチ法
(一方を担体に固定し、もう一方を標識して標識プロー
ブとし、被検核酸と標識プローブを核酸固定担体上でハ
イブリダイゼーションさせ、結合した標識プローブの標
識化合物を検出する方法)を用いた試験を例として示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】まず、様々な方法によって調製された細胞
懸濁液(液体培養液、コロニーの懸濁液、付着細胞の懸
濁液、食品等各種素材からの細胞調製液など)をアルカ
リ変性させる。なお、ここで用いるアルカリ液には、適
当な緩衝液、特にポリリン酸等を加えておくと安定した
結果が得られる。アルカリ変性によって得られたRNA
溶液を直ちに標識プローブ及び適当なバッファーと混合
し、捕捉用核酸を固定した担体上で一定時間(例えば、
15〜120分間)ハイブリダイゼーションを行う。ハ
イブリダイゼーション中のpHは変性用のアルカリ濃度
もしくは用いるバッファーの種類や濃度によって異なる
が、pH9〜12.5の間であれば通常問題はない。適当
なバッファーで洗浄後、標識化合物を検出するために設
定されている所定の方法に従い、被検RNAに結合した
標識化合物を検出し、特定を行う。ここで、捕捉用核酸
を固定している担体としては例えば、ポリスチレン樹脂
製のマイクロタイタープレートなどを使用することがで
きる。以上の工程をまとめると次のようになる。
【0011】 被検核酸を含む検体 ↓ アルカリ変性(好ましくはpH9〜12.5) ↓ ハイブリダイゼーション ↓ 洗浄 ↓ 標識化合物の検出操作 このように非常に簡単な工程で、被検核酸を高感度で検
出することが可能となり、前述したように検出値が高
く、しかも安定した結果が得られるとともに、操作自体
も簡便化される。
【0012】以下具体例をあげて説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。 実施例1 アルカリハイブリダイゼーションによる各種
培地由来菌液からのサルモネラ菌の検出 サルモネラの培養は保存用寒天培地としてDHL寒天培地
を用い、それから一白金耳とり、液体培養としてEEM ブ
イヨン、緩衝ペプトンブイヨン、及びハーナーテトラチ
オン酸塩培地、固体培養としてDHL寒天培地を用い、37
℃、一晩培養した。各培地の組成についてそれぞれ表
1、表2および表3に示す。
【0013】
【表1】 EEM ブイヨン 緩衝ペプトンブイヨン トリプトン 10 g/l 緩衝ペプトン (栄研化学) 10 g/l マンニット 5 10%(V/V) ツイーン 80 6.25ml/l リン酸2ナトリウム 6.5 リン酸1カリウム 2 ウシ胆汁末 20ブリリアントグリーン 0.0135
【0014】
【表2】ハーナーテトラチオン酸塩培地(1L中) 酵母エキス 2g ペプトン 18g ブドウ糖 0.5g マンニット 2.5g デスオキシコレート酸ナトリウム 0.5g 塩化ナトリウム 5.0g 無水チオ硫酸ナトリウム 26g 沈降性炭酸カルシウム 23g ブリリアントグリーン 0.01gヨード溶液* 40ml * 沃化カリウム8gを40mlの水に溶解し、これに沃素
5gを溶解したもの
【0015】
【表3】DHL 寒天培地 肉エキス 3 g/l ペプトン水 20 乳糖 10 白糖 10 胆汁酸塩 No.2 1 チオ硫酸ナトリウム 2.2 クエン酸鉄アンモニウム 1 クエン酸ナトリウム 1 中性紅 0.03寒天 15
【0016】溶菌液(被検液)の調製は以下のようにし
て行った。まず、サルモネラ及びその近縁菌を各種培養
液(若しくは平板培地上)で一晩培養し、表6に示す方
法で前処理を行なう。前処理液を 400μl ずつ数本のプ
ラスチックチューブにとり、アルカリ液(1.5M NaOH又は
1.5M NaOH ±0.5%ポリリン酸ナトリウム) を50μl 加え
混和、室温で10分放置し、次いで等容の水もしくは1.5M
の塩酸溶液を加え混和した。このようにして得られた溶
菌液を以下のハイブリダイゼーション法に供した。
【0017】ハイブリダイゼーションは以下のようにし
て実施した(特願平6−61467号明細書参照)。ま
ず、捕捉用DNAを固定したプレートは以下のようにし
て調製した。即ち、配列番号1のDNA(捕捉DNA)
を0.02μg/μl になるように50mMリン酸ナトリウムバッ
ファー,pH8.0に溶かし、これをマイクロタイタープレー
ト(住友ベークライト製、MS-3608FA)の各ウエルに50μ
l 加え、80℃で乾燥させる。紫外線を120mJ/cm2 照射し
た後、30mMクエン酸ナトリウム/300mM塩化ナトリウム(2
xSSC)200 μl で3〜4回洗浄し乾燥させた。標識プロ
ーブは、配列番号2のDNAを表4の組成の反応液でジ
ゴキシゲニン(Dig)標識したものを用いた。
【0018】
【表4】 カコジル酸カリウム緩衝液、pH7.2 0.1M 塩化コバルト 2mM ジチオスレイトール 0.2mM デオキシアデノシン3リン酸ナトリウム 1mM ジゴキシゲニン化デオキシウリジン3リン酸 0.2mM プローブ用DNA 3 μg ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ 50-100 U
【0019】標識後、1/10容の0.2M EDTA 、1/10容の4M
LiCl 、3μg のグリコーゲン及び2.5 倍容のエタノー
ルを加え-80 ℃で、一晩放置した。遠心分離により沈殿
を集め、70% エタノールで洗浄し乾燥させた後、100 μ
l の10mM Tris 塩酸,pH8/1mMエチレンジアミンテトラ4
酢酸ナトリウム塩 (TE) に溶かした。得られた標識プロ
ーブの一定量を表5に示すハイブリダイゼーションバッ
ファーと混合した(標識プローブ液)。 配列番号1 5'-CTTCAGCTCC ATGAGTAAAT CA 配列番号2 5'-CTTCACCTAC GTGTCAGC
【0020】
【表5】 ハイブリダイゼーションバッファー SSC(*) 2X ホルムアミド 30% ブロッキング試薬(ベーリンガーマンハイム社製) 1% ドデシル硫酸ナトリウム 0.2% イーストtRNA 100μg 鮭精子DNA(**) 100μg 標識プローブ 適量 * 0.15M 塩化ナトリウム/0.015Mクエン酸ナトリウム ** 予め100℃、10分の変性処理を行う。
【0021】ハイブリダイゼーションと、被検RNAの
検出は以下のようにして行った。すなわち、溶菌液50μ
l と標識プローブ液50μl を捕捉DNAが固定されたマ
イクロタイタープレートに入れ、37℃で2時間静置し
た。0.05%Tween20を含む生理食塩水(洗浄液)で3回洗
浄した後、ブロッキング溶液 (1%ブロッキング試薬, 20
mM Tris-HCl,pH7.5/0.15M NaCl)で10,000倍に希釈した
抗Dig ヒツジ抗体−西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP、
ベーリンガーマンハイム社製)を加え30分放置後、洗浄
液で3回洗浄し、発色基質液(A液:0.12%, 3,3',5,5'-
テトラメチルベンジジン/0.1M 酢酸ナトリウム, pH5/30
% ジメチルホルムアミド、B 液:0.03% 過酸化水素/0.2
% リン酸、使用時にA 液とB 液を1:1で混合)100μl
を加え5-15分放置した。得られた青色液の吸光度を660n
m の波長で測定した。実験条件を表7に、結果を表8に
示す。
【0022】
【表6】アルカリ処理の前処理 EEM ブイヨン、緩衝ペプトンブイヨンでの培養 未処理 ハーナテトラチオン酸塩培地での培養 培養液を10分放置し、上清に 1/4容の0.5M EDTA, pH8を
加える。 DHL 寒天培地での培養 集落を適当量とり、蒸留水に懸濁する。
【0023】
【表7】 条件 アルカリ液 アルカリ処理後に加える液 条件1 1.5M NaOH 1.5M HCl 条件2 〃 水 条件3 1.5M NaOH+0.5%ポリリン酸 1.5M HCl 条件4
【0024】
【表8】 培地 実験条件 ハイブリダイゼーション液のpH 比吸光度1) EEM ブイヨン 1 6.5-7.5 100 2 9.0-11.5 200-400 3 6.5-7.5 120-150 4 9.0-11.5 400-600 緩衝ペプトン水 1 6.5-7.5 100 2 9.5-12.5 300-500 3 6.5-7.5 100-150 4 9.5-12.5 400-600 ハーナテトラチオン酸塩培地 1 6.5-7.5 100 2 9.5-11.5 120-150 3 6.5-7.5 100-150 4 9.5-11.5 120-160 DHL 寒天培地 1 6.5-7.5 100 2 9.5-11.5 300-600 3 6.5-7.5 80-130 4 9.5-11.5 300-600 1)比吸光度:実験条件1の吸光度を100 としたときの吸光度の相対値
【0025】表8の結果は、いずれの培養液に於いて
も、アルカリ処理後中和処理をせずに直接ハイブリダイ
ゼーションを行なった方が明らかに感度が上昇している
ことを示している。また、ポリリン酸をアルカリ液中に
加えておく方が安定した結果が得られることを示してい
る。ポリリン酸にはRNase 阻害作用があるが、表8の結
果がそれを反映しているものかどうかは必ずしも定かで
はない。なお、ハイブリダイゼーション中のpHにはか
なりの変動が見られるが、これは培養終了時の菌数や菌
相によって培地中の酸度が異なるからであろうと思われ
る。
【0026】実施例2 アルカリハイブリダイゼーショ
ンによるボルデテラ・ブロンキセプチカ、パスツレラ・
マルトシダ、及びアクチノバチルス・プレロニューモニ
エの検出 捕捉用DNAを固定したプレート及び標識プローブに用
いるDNAは表9に示す3種の組合わせを用いた。
【0027】
【表9】 捕捉用DNA及び標識プローブ用DNAの組合わせ セット名 捕捉用 標識プロー 検出菌種 DNA ブ用DNA A 配列番号3 配列番号4 ボルデテラ・ブロンキセプチカ B 配列番号5 配列番号6 パスツレラ・マルトシダ C 配列番号7 配列番号8 アクチノバチルス・プレロニューモニエ 配列番号3 5'-CTTTCCTGCC AAAAGTGCTT TCCAA 配列番号4 5'-GGATATTAGC CCGTGCCGTT T 配列番号5 5'-CTTAGATGCA CTTTCTGAGA TTCGC 配列番号6 5'-TCAAGCTCGC ACTCTCGCTG CCCT 配列番号7 5'-CTTAGACGTA CTTTGTGAGA TTTGC 配列番号8 5'-TCCATGTCGC CATCTTGCTT CCCT
【0028】各菌はいずれも保存用寒天培地上の集落か
ら一白金耳程度かきとり、0.05% β-NADを含む普通寒天
培地上で37℃で一晩培養した。得られた集落をつまよう
じでかきとり、蒸留水に均一になるように懸濁した。懸
濁液を400 μl ずつ2本のプラスチックチューブにと
り、0.5M NaOH/1%ポリリン酸ナトリウムを50μl 加え混
和し、室温で10分放置し、一方に0.5M HCl、もう一方の
試験管に蒸留水をそれぞれ50μl 加え混和し、表9に記
載されたセットを用いてハイブリダイゼーション試験に
供した。ハイブリダイゼーション及びその後の検出操作
は実施例1に同じである。表10にその結果を示す。な
お、ハイブリダイゼーション中のpHは、いずれも0.5M
HCl添加の場合は7-8 、水添加の場合は10-12.5 の間で
あった。
【0029】
【表10】 アルカリハイブリダイゼーション法によるボルデテラ・ブロンキセプチカ、パスツレラ・マルトシダ、アクチノバチルス・プレロニューモニエの検出 セット名 菌種 中和2) 比吸光度3) A B.bronchiseptica4) + 100 − 201±12 P.multocida5) + <3 − <3 A.pleuropneumoniae6) + <3 − <3 B B.bronchiseptica + <3 − <3 P.multocida + 100 − 235±21 A.pleuropneumoniae + <3 − <3 C B.bronchiseptica + <3 − <3 P.multocida + <3 − <3 A.pleuropneumoniae + 100 − 208±12
【0030】2) 中和:+がアルカリ処理後 HClを加え
たもの、−が水を加えたもの 3) 比吸光度:それぞれのセットで特異的に検出される
菌を 1M HCl で中和した時に得られる吸光度を100 とし
たときの吸光度の相対値 4) ボルデテラ・ブロンキセプチカ S1 5) パスツレラ・マルトシダ KOBE6 6) アクチノバチルス・プレロニューモニエ Shope4074
【0031】表10に示されるように、いずれのセット
に於いても中性条件に比べ、アルカリ条件の感度が2倍
以上高い。また、表10の結果は、サルモネラに限ら
ず、多くの細菌に於いて、アルカリ溶菌した後に中和処
理を行なわない方が良好な結果が得られることを示して
いる。つまり、中和処理の省略(アルカリハイブリダイ
ゼーション)によって、感度の向上は勿論、ハイブリダ
イゼーション試験のよりいっそうの簡便化が行なえるこ
とが判明した。
【0032】実施例3 アルカリハイブリダイゼーショ
ンに於ける温度の影響 アルカリ条件では、特に温度が高い場合に核酸が分解し
やすくなることが考えられる。そのため、アルカリハイ
ブリダイゼーション法に於ける温度の影響を調べてみ
た。被検菌としてはパスツレラ・マルトシダを用いた。
菌の培養及び隣接ハイブリダイゼーション法は実施例2
のセットA を用いた方法に準拠した。ハイブリダイゼー
ションは、アルカリ処理後、中和液又は水を添加し、25
-55 ℃の範囲で行なった。得られた検出値を表11に示
す。
【0033】
【表11】 ハイブリダイゼーションの温度 中和7) 比吸光度3) 25 + 61±8 − 176±6 35 + 101±8 − 207±4 37 + 100 − 210±5 45 + 111±3 − 249±2 55 + 35±7 − 76±5 2) 中和:実施例2、表10に同じ 3) 比吸光度:37℃、中和処理をした時の吸光度を100 としたときの吸光度の相 対値
【0034】実施例2と同様、アルカリハイブリダイゼ
ーションにより感度が2倍程度に上がっている。温度が
55℃という高温でも、相対的な検出値は低下するものの
同様の現象が見られることから、高温・アルカリ条件で
も被検核酸及びプローブ用核酸の分解などは起こってい
ないと考えられる。
【0035】実施例4 鶏卵培地からのサルモネラ菌の
検出 DHL 寒天培地上の集落を一白金耳とり、ハーナテトラチ
オン酸塩培地、及び全卵及び卵黄(鶏由来)5g と、生理
食塩水5ml を充分混合した液(鶏卵培地)に植菌し、37
℃で一晩培養した。ハーナテトラチオン酸塩培地培養液
の場合は、培養液を10分静置した後、上清を0.6ml と
り、0.2ml の0.5M EDTA 液を加えたものに、鶏卵培地の
培養液の場合は培養液0.8ml に、それぞれ1.5M NaOH を
0.1ml 加え室温で10分放置した後、直ちに50μl を当容
の標識プローブ液(実施例1に同じもの)を加え隣接ハ
イブリダイゼーション法に供した。得られた結果を表1
2に示す。
【0036】
【表12】
【0037】鶏卵培地培養液に於いては、アルカリ処理
後中和液を加えると、大量のタンパク質の沈殿が生じ、
液全体がゲル化してしまうため、ハイブリダイゼーショ
ン試験を行なうことができなかった。一方、アルカリ処
理後直ちにハイブリダイゼーションを行った場合には沈
殿がまったく生じなかった。即ち、本発明のアルカリハ
イブリダイゼーション法を用いることによって、鶏卵の
ような非常に高濃度のタンパク質を含むような食品素材
からも、容易に被検菌を検出できることが判明した。更
に本実施例の結果は、不純物を相当量含んでいる素材か
ら被検菌が特別の工夫をすることなく検出できることを
示している。
【0038】
【発明の効果】本発明のアルカリ条件でのハイブリダイ
ゼーション法は、中性条件でのハイブリダイゼーション
に比べより高い感度と操作性の改善をもたらす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 種田 貴至 千葉県山武郡山武町椎崎968番地−18 (72)発明者 並松 孝憲 千葉県市川市若宮2−11−11 全農中山寮

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検核酸とプローブ核酸間のハイブリダ
    イゼーションを、アルカリ条件下で行うことを特徴とす
    る核酸の検出方法。
  2. 【請求項2】 ハイブリダイゼーションをpH9以上の
    条件下で行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 被検核酸がRNAである請求項1又は2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 RNAがリボゾームRNAである請求項
    3記載の方法。
  5. 【請求項5】 リボゾームRNAが細菌由来のものであ
    る請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 プローブ核酸がDNAである請求項1〜
    5のいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 細菌がサルモネラ、ボルデテラ・ブロン
    キセプチカ、アクチノバチルス・プレロニューモニエ及
    びパスツレラ・マルトシダからなる群から選ばれる少な
    くとも1種である請求項5記載の方法。
JP7003722A 1995-01-13 1995-01-13 アルカリハイブリダイゼーション法による核酸の検出方法 Pending JPH08191700A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002070687A1 (fr) * 2001-03-07 2002-09-12 Ngk Insulators,Ltd. Procede d'hybridation de l'acide nucleique hautement sensible et procede d'analyse genetique associe

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