JPH08190804A - 照明方法および照明器具 - Google Patents

照明方法および照明器具

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JPH08190804A
JPH08190804A JP7004084A JP408495A JPH08190804A JP H08190804 A JPH08190804 A JP H08190804A JP 7004084 A JP7004084 A JP 7004084A JP 408495 A JP408495 A JP 408495A JP H08190804 A JPH08190804 A JP H08190804A
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illuminance
work area
lighting
work
peripheral portion
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JP7004084A
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Mika Ogata
美香 尾形
Yukio Akashi
行生 明石
Akihiro Yagi
昭宏 八木
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業者の視認性を確保しつつ、作業者の集中
度が高く、かつエネルギーの節減にも貢献する照明方法
を提供することを目的とする。 【構成】 作業エリアを照明する狭角反射板2と、前記
作業エリアの周辺部を照明する広角反射板3及びフィル
タ4とを有し、前記作業エリアの水平面照度が作業エリ
アの周辺部の水平面照度より高くし、前記作業エリアの
照度と作業エリアの周辺部の照度の照度比を3.3〜2
0とした構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集中を要する作業を行
う作業空間における照明方法および照明器具に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】1973年に突発したエネルギー危機の
際に、政府は緊急対処として省エネルギー政策の一環と
して「照明の削減」を行った。それは、日中の窓際の照
明の1/3を消灯することを要求したものであった。し
たがって、多くのオフィスでは窓際の照明のまびき点灯
が行われ、室内の均斉度が低くなっていた。また、机の
位置する場所により作業を行うために必要な机上面の照
度の不足が生じることがあり、スタンド照明が用いられ
る場合もあったが、それは机上面の照度を満たすことが
目的であった。そのため、その結果として机上面とその
周辺との間にある照度差が生じる場合もあったが、作業
面と周辺の照度比を積極的につけるという概念で行われ
たものではなかった。
【0003】また、一般的に家庭内における子供の勉強
部屋や書斎等では、室内を照明する全般照明に加えて、
勉強を行うときにはスタンド照明が用いられている場合
がある。室全体を照明する全般照明からは、作業や読書
を行うのに必要な照度が得られることは少ない。そこで
作業を行うにのに必要な机上面の照度が得られるように
するために、また、全般照明が勉強を行う子供等の背面
の上部から照明される場合、勉強を行う人の影が机上面
に生じた結果生じる照度不足を補うために、スタンド照
明が付加されている。したがって、家庭内におけるスタ
ンド照明は、作業面と周辺との照度差をつけるために行
なうものではない。またスタンド照明では、机上面の照
度分布がほぼ均一にはならず、照明している面には照度
むらが大きい上に、スタンド照明において、机上に作業
面と周辺との境にエッジが存在することはない。
【0004】照明学会編「ライティングハンドブック」
(昭和62年、p272)では、局部照明による机上面
の平均照度と全般照明による机上面以外の周辺部の照度
の比は、0.1以上の値が推奨されている。しかしこれ
は、机上面の作業エリアと作業エリアの周辺部とに差を
設けて、その差を0.1以上とするものではない。さら
に、同じくライティングハンドブックでは、机上面の照
度の分布として、机上面の水平面照度の最小値/平均値
≧0.8を推奨している。
【0005】近年、オフィス照明設計基準(JIEC−
001(1992))には、「机上面に相当する高さで
の水平面照度の変化はできる限り少ないことが望まし
く、その均斉度(最小照度/平均照度)0.6以上とす
る必要がある」と記載され、均斉度の高い照明環境が推
奨されている。また、作業をする場合の室の明るさは、
作業者の視認性を確保するために、JIS照度基準(J
ISZ9110−1979)により一般事務室で750
lx、製図室、設計室、細かい作業をする事務室は75
0〜1500lx、また、対比の少ない図形を長時間見
分ける作業では1000〜2000lxの照度が必要な
ことが明らかになっている。このため、実際のオフィス
の照明設計では、室内の照度を一定レベル以上保つと同
時に、室内全体を均一に照明する照明設計が行われてい
る。また、オフィス以外の室内の照明設計においても、
照度レベルを一定以上保ちながら、照度均斉度の高い照
明設計が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】つまり、従来の照明環
境は、視対象物の視認性だけ考慮されたものであり、そ
の結果、不足する照度を補う目的でスタンド照明を付加
したり、また、室全体の照度を視対象物がよく見える明
るさに合わせ、室内を高い照度で均一に照明したもので
あり、作業者の集中度や作業能率は全く考慮されていな
かった。
【0007】ところで、我々は日常の経験から、思考を
伴い注意の集中を要するような作業を行う場合には、作
業面は作業物が充分に視認できる一定の明るさが必要で
あるが、周辺の明るさは作業面に比べて暗い照明環境の
方が、作業面と周辺とがほぼ同じ明るさという照明環境
よりもより集中して作業をすることができることが予測
できる。つまりこの照明環境は、ひとつの室の中に照度
の高い部分と低い部分が存在する、照度の均斉度の低い
照明環境である。
【0008】そこで、机上面の水平面照度を一定に保ち
ながら、室内の照度の均斉度を低い照明環境を照明設計
に取り入れれば、その照明環境のもとで作業をする作業
者の視認性は確保されつつ、作業者の集中度が高く、か
つ省エネルギーとなる照明環境を実現させるのに有効な
手段となる。
【0009】本発明は上記問題を解決するもので、作業
者の視認性を確保しつつ、作業者の集中度が高く、かつ
エネルギーの節減にも貢献する照明方法を提供すること
を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、作業対象物を中心とする作業エリアと作業エ
リアの周辺部と作業エリアと周辺部との間の境界部とが
存在する照明環境において、作業エリアの水平面照度が
作業エリアの周辺部の水平面照度より高く、境界部にお
いて作業エリアと周辺部の照度差を知覚することができ
るようにしたものである。
【0011】また、作業エリアの水平面照度をほぼ均一
な分布とし、作業エリアの周辺部の水平面照度を作業エ
リアの照度よりも低いほぼ均一な照度分布とする照明方
法において、作業エリアの直径をΦ[cm]とすると、
Φの範囲が50≦Φ≦70であり、かつ作業エリアの水
平面照度(Ew)と周辺部の水平面照度(Eb)の比
(Ew/Eb)が3.3〜20の範囲であり、かつ作業
エリアと周辺部との境界部における照度の勾配Gを、距
離l[mm]に対する照度[lx]の差とすると、Gの
範囲をG≧300[lx/mm]としたものである。
【0012】
【作用】上記構成により、作業を行う室内等の作業空間
において、作業対象物を中心とする作業エリアと作業エ
リアの周辺部と作業エリアと周辺部との間の境界部とが
存在する照明環境において、作業エリアの水平面照度が
作業エリアの周辺部の水平面照度より高く、境界部にお
いて作業エリアと周辺部の照度差を知覚することができ
るので作業者の集中度が高まる。また、そのことにより
省エネルギーとなる照明環境を提供する事が可能であ
る。
【0013】また、作業エリアの水平面照度をほぼ均一
な分布とし、作業エリアの周辺部の水平面照度を作業エ
リアの照度よりも低いほぼ均一な照度分布とする照明方
法において、作業エリアの直径をΦ[cm]とすると、
Φの範囲が50≦Φ≦70であり、かつ作業エリアの水
平面照度(Ew)と周辺部の水平面照度(Eb)の比
(Ew/Eb)が3.3〜20の範囲であり、かつ作業
エリアと周辺部との境界部における照度の勾配Gを、距
離l[mm]に対する照度[lx]の差とすると、Gの
範囲をG≧300[lx/mm]とすることによって、
作業者の集中度が高まる。また、そのことによりエネル
ギーの節減に貢献する照明環境を提供することが可能で
ある。
【0014】
【実施例】一般にある作業をする人の集中度を評価する
方法のひとつとして、作業者自身にどれくらい作業に集
中していたかを尋ねる主観的評価方法がある。この評価
方法は誰にでも容易に行うことができるが、これは、実
験者が作業者の評価を信じることが前提にあり、作業者
が意図的に異なった評価を行った場合、その検出はほと
んど不可能である。したがって、評価の真偽性について
やや疑問を持たねばならない場合もある。
【0015】作業者の集中度の他の評価方法として、生
理的な指標を用いる方法がある。これは作業者の生理的
な変化を捉えることにより、作業者の集中度を評価する
客観的な方法で、作業者の意図的な操作はされにくい。
種々の生理反応のうち、作業者の集中度を評価する反応
として、ラムダ反応がある。
【0016】ラムダ反応は、脳波の事象関連電位のひと
つである。例えば何かを探す時や読書などのときには、
人間の目は急速に動く、止まる、急速に動く、止まると
いう運動を繰り返している。この目のきょろきょろとし
た動きはサッカディック眼球運動と呼ばれている。この
サッカディック眼球運動の中で、サッケイドと呼ばれる
眼球の急速な動きの時に惹起されるのがラムダ反応であ
り、眼球が急速に動いて止まった時から約100ms後
に生じる陽性の電位である。文献「ジャパニーズ サイ
コロジカル リサーチ」(Yagi,A(1982b,
Japanese Psychological Re
search,24,106−110;1982c,T
he 8th Congress of Intern
ational Ergonomics Associ
ation,382−383)では、視作業を行なって
いる場合の作業者の集中度を評価する手段として、ラム
ダ反応が有効な指標であると報告し、作業者の視覚情報
処理の負荷が高くて、作業者が注意の集中を要する作業
を行っている時には、ラムダ反応が安定して出現するこ
と、つまりラムダ反応の安定度が高いことを明らかにし
た。
【0017】そこで、発明者らは、作業エリアの照度と
作業エリアの周辺部の照度の照度比が異なる照明環境下
で作業をする人の集中度について、作業者の生理的な指
標であるラムダ反応を指標として実験を行った。
【0018】作業エリアの照度と作業エリアの周辺部の
照度が異なる照明条件のもとで作業者に1時間の作業を
行わせて、その作業中の被験者の脳波を測定した。測定
終了後、測定した脳波を加算処理してラムダ反応を求
め、さらにラムダ反応の安定度を求めた。図5は実験結
果を示す図であり、ラムダ反応の安定度と作業エリアの
照度と作業エリアの周辺部の照度の照度比との関係を示
す。縦軸はラムダ反応の安定度を示し、上に行くほど安
定度が高いこと、つまり作業者が集中していることを示
し、下に行くほどラムダ反応の安定度が低いこと、つま
り作業者が集中していないことを示す。横軸は作業エリ
アの照度を10とした時の作業エリアの周辺部の照度を
示す。
【0019】図5から明らかなように、作業エリアの照
度と作業エリアの周辺部の照度の照度比が3.3以上で
ラムダ反応の安定度が高いこと、つまり作業者の集中度
が高いことがわかる。また、作業エリアの周辺部の照度
がさらに高くなると、ラムダ反応の安定度が低くなるこ
と、つまり作業者の集中度が低くなることがわかる。一
方、同時に行った作業者の目の疲れについての報告で
は、作業エリアの照度と作業エリアの周辺の照度の照度
比が20以上の時は目の疲れを訴える作業者の割合が8
0%以上であった。よって、作業者の集中度が高く、か
つ作業者の目の疲れが少ない照明環境は、作業エリアの
照度と、作業エリアの周辺の照度の照度比が3.3〜2
0であるといえる。
【0020】以上の結果から明らかなように、作業エリ
アの照度と作業エリアの周辺部の照度の照度比を3.3
〜20となる照明環境のもとで作業者に作業させると、
他の照明環境下に比べて作業者が集中して作業を行うこ
とができる。したがって、この照明環境の下で作業者が
作業を行うと、作業者が集中して作業することから作業
者の作業能率が向上し、かつ作業面の照度はある一定以
上の照度を保つものの周辺部の照度を低くすることによ
り、エネルギー削減にも貢献することが可能となる。
【0021】次に、作業エリアの大きさの効果について
説明する。発明者らは、上記実験において明らかになっ
た、作業エリアの照度と作業エリアの周辺部の照度の照
度比が3.3〜20の照明環境下において、作業エリア
の大きさを種々変化させた環境のもとで作業者に作業を
行わせ、作業者の集中度について評価実験を行った。図
6は作業エリアの大きさと「集中できる」と評価した作
業者の割合を示す。縦軸は「集中できる」と評価した作
業者の割合、横軸は作業エリアの直径を示す。図から、
作業エリアの大きさが直径50cm〜70cmの間の場
合に「集中できる」と評価した作業者の割合が80%以
上であった。したがって、作業エリアの大きさが直径5
0cm〜70cmのときに、作業者の集中度が高いとい
える。よって、作業エリアの大きさの効果として、作業
エリアの照度と作業エリアの周辺の照度の比が3.3〜
20の範囲において、照度比が同じであっても、作業エ
リアの大きさが直径50cm〜70cmのときに作業者
がより高い集中度で作業を行うことができる。
【0022】次に、作業エリアと作業エリアの周辺部の
境界部にエッジをつけることの効果について説明する。
発明者らは、上記の2つの実験において明らかになっ
た、作業エリアの照度と作業エリアの周辺の照度の照度
比が3.3〜20でかつ、作業エリアの大きさが直径5
0cm〜70cmの照明環境下において、作業エリアと
作業エリアの周辺部との境界部であるエッジの照度勾配
を種々変化させた環境のもとで作業者に作業を行わせ、
作業者の集中度について評価実験を行った。
【0023】図7は「集中できる」と評価した作業者の
割合とエッジ部分の照度勾配(lx/mm)との関係を
示したものである。縦軸が「集中できる」と評価した作
業者の割合を示し、横軸はエッジの照度勾配を示す。図
から、エッジの照度勾配が300の場合に「集中でき
る」と評価した作業者の割合が80%となることがわか
る。したがって、エッジの効果として、エッジの照度勾
配が300以上の場合、つまりエッジが照度勾配300
の場合よりもはっきりすれば、作業者はより集中して作
業を行うことができ、エッジの照度勾配が300未満の
場合、つまりエッジが照度勾配300の場合よりもぼや
ける、例えば照度勾配200程度では、作業者は集中し
て作業しにくいと判断することができる。上記のエッジ
の効果により、作業エリアの照度と作業エリアの周辺部
の照度の比が3.3〜20でかつ、作業エリアの大きさ
が直径50cm〜70cmの照明環境の場合でも、作業
面の中央部と周辺部の照度の境界部に300以上の勾配
を持つエッジが存在することにより、作業者がより集中
して作業を行うことができる。
【0024】ここで、従来の局部照明を与える照明器具
について、図10(A)に代表する照明器具の概略図と
(B)にその配光図を示す。図10は一般にダウンライ
トと呼ばれているものであり、配光図からもわかるよう
に、この照明器具は、局部的にある小さな面に光を照射
するものであり、照明する面の中心部と周辺部に照度差
を持たせた光を照射するものではない。また、光が照射
された面においては、照度分布は均一にはならない。こ
の照明器具は、例えば室内に配置された植栽を照明する
場合等に用いられている。
【0025】以下、本発明の一実施例を図面を用いて示
す。室内に配置された椅子に座って机上で作業を行う場
合とする。図8は、JIS照度基準における場所・作業
内容の種類に適応する照度を示したもので、机上面の水
平面照度を示す。一般事務室の場合、図8より机上面の
照度を、例えば750lxとすると、本実施例によれ
ば、机上面の周辺の照度は37.5lx〜225xの範
囲となる。また、机上面の照度を、例えば1000lx
とすると、本実施例によれば、机上の周辺の照度は、5
0〜300lxの範囲となる。また、机上面の照度を例
えば1500lxとすると、本実施例によれば、机上の
周辺の照度は、75〜450lxの範囲となる。なお、
一組以上の机と椅子が配置された室内の場合は、それぞ
れの机上とその周辺において、本発明の照度比、作業エ
リアの大きさ、エッジの勾配の条件が満たされていれば
よい。
【0026】図9は本発明の一実施例である作業者が集
中して作業をすることができるエッジの照度の変化を示
したものである。縦軸は照度、横軸はエッジ部分での距
離を示している。図9は作業エリアの照度を1000l
x、作業エリアの照度と作業エリアの周辺の照度の比を
10とした場合である。したがって作業エリアの周辺部
の照度は100lxとなり、図に実線で示した、本発明
による照度勾配300(lx/mm)と点線で示した照
度勾配∞(lx/mm)の範囲で、エッジ部分での照度
が変化することにより、作業者の集中度が高い照明環境
を実現することができ、この照明環境下で作業する作業
者は、作業能率のよい作業を行うことができると同時
に、エネルギーの節減を行うことができる。
【0027】また、本発明の一実施例である照明器具と
その配光について図1、図2を用いて説明する。図2は
照明器具の配光を表わす。
【0028】図1において、1はランプであり、85W
のハロゲンランプを使用している。2はランプ1とで主
に第1の照明手段を構成する狭角反射板、3は広角反射
板、4はフィルタで、ランプ1と広角反射板3とフィル
タ4とで主に第2の照明手段を構成している。5は天井
材である。狭角反射板2は、円錐の先を切り取った形状
で、その円錐の頂点から底辺に下ろした垂線と円錐の外
周とのなす角度が7.9°であり、ランプ1の先端部に
かぶせて取り付けられている。この狭角反射板2の内面
には、銀蒸着の鏡面仕上げを施し、外面は、反射がない
黒色塗装を施してある。狭角反射板3も円錐の先端を切
り取った形状で、その円錐の頂点から底辺に下ろした垂
線と円錐の外周とのなす角が40°である。広角反射板
3の内面は、銀蒸着の鏡面仕上げを施してある。
【0029】ランプ1から照射された光の大部分は、狭
角反射板2の円錐内を通過し(一部は狭角反射板2の内
面で反射する)、作業エリアを照明する。ランプ1から
照射された残りの光(ランプの根元から照射される)
は、直接、あるいは広角反射板3で反射して、フィルタ
4を透過する。その際、フィルタ4で光が減光される。
フィルタ4はフィルタとしての役割とともに、狭角反射
板2を支持する役割もある。また5は天井材である。こ
のように、フィルタ4を透過した光は、作業エリアの周
辺部を照明する。この照明器具により、図2の配光が実
現される。ランプから放射された光は、照明器具の鉛直
角0°〜7.9°の範囲で作業エリアの照度を与え、鉛
直角7.9°〜40°の範囲で、作業エリアの周辺部の
照度を与える。
【0030】また、本発明のもうひとつの実施例である
照明器具とその配光について図3、図4を用いて説明す
る。図4は、図3による照明器具の配光を表わす。
【0031】図3において、6はランプであり、85W
のハロゲンランプを使用している。7は拡散反射板、8
は鏡面反射板、9は天井材である。反射鏡の形状は回転
放物面であり、ランプ6は、その焦点より約5mm上方
に取り付けてある。拡散反射板7は、回転放物面の反射
鏡の全面積の約40%に装着してある。鏡面反射板8
は、銀蒸着による鏡面仕上げを施し、外面は反射がない
黒色塗装を施してある。ランプ6から照射された光は、
直接、または鏡面反射板8に反射して作業エリアを照明
し、拡散反射板7に反射した光は、作業エリアと作業エ
リアの周辺部の両方を照明する。この照明器具により、
図4の配光が実現される。ランプから放射された光は、
照明器具の鉛直角0°〜7.9°の範囲で作業エリアの
照度を与える。
【0032】本発明の一実施例である図2の配光を持つ
図1の照明器具と、図4の配光を持つ図3の照明器具を
試作し、室に設置した。取り付けた室の天井の高さは
2.5m、室に配置した机の高さは0.7mであった。
したがって、図1の照明器具の構成および図2の配光か
ら、作業エリアの照度が1000lx、作業エリアの直
径が50cmとなった。また作業エリアの周辺部では、
300lxの照度を得ることができ、本発明の照明環境
を実現することができた。また、図3の照明器具の構成
および図4の配光から、作業エリアの照度が1000l
x、作業エリアの直径が60cmとなった。また作業エ
リアの周辺部では、200lxの照度を得ることがで
き、本発明の照明環境を実現することができた。そこ
で、上記の2つの照明器具の設置した照明環境のもとで
作業者に作業を行わせ、集中度について評価を行った。
その結果、作業者の集中度は、本発明以外の照明環境の
もとで作業をした場合に比べて高かった。従って、本発
明の照明方法およびその照明方法を与える照明器具は、
作業者の集中度の高い照明環境を与えることができる。
【0033】なお、図2において、作業エリアの周辺部
の照度を与える範囲を鉛直角40°までとしたのは単な
る一例であり、その範囲に限定したものではなく、鉛直
角40°以上、またはそれ以下の範囲で作業エリアの周
辺部の照度を与えてもよい。
【0034】なお、図3における拡散反射板の割合を、
器具内面の反射板の面積の40%としたのは単なる一例
であり、この割合に限定したものではない。
【0035】なお、本発明による照明器具の配光は、上
記の配光に規定するものではなく、室の天井の高さ、作
業面の高さ、作業エリアの大きさ、作業エリアの照度、
および作業エリアの周辺部の照度により異なる配光を有
する。
【0036】なお、本発明による、作業エリアおよび作
業エリアの周辺部でのほぼ均一な水平面照度というの
は、オフィス照明設計基準(JIEC−001(199
2))で示された、机上面に相当する高さでの水平面照
度の均斉度が0.6(最小照度/平均照度)以上という
値をふまえるものである。
【0037】さらに、以上の実施例における照明ランプ
は、配光の制御ができる範囲であれば、ハロゲンラン
プ、HIDランプなどいかなる照明ランプを用いてもよ
い。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明は、作業エリアに
おける水平面照度をほぼ均一な分布とし、作業エリアの
周辺部の水平面照度を作業エリアよりも低いほぼ均一な
照度分布とする照明方法において、作業エリアの直径を
Φ[cm]とすると、Φの範囲が50≦Φ≦70であ
り、かつ作業エリアの水平面照度(Ew)と周辺部の水
平面照度(Eb)の比(Ew/Eb)が3.3≦Ew/
Eb≦20の範囲であり、かつ作業エリアと周辺部との
境界部における照度の勾配Gを、距離[mm]に対する
照度[lx]の差とすると、Gの範囲をG≧300[l
x/mm]にすることにより、作業者の集中度を最も高
めるとともに、周辺部の照度を下げることにより、エネ
ルギー削減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における照明器具の構成図
【図2】同実施例の照明器具による配光を示す図
【図3】本発明の他の実施例における照明器具の構成図
【図4】同他の実施例の照明器具による配光を示す図
【図5】作業エリアの照度を10としたときの作業エリ
アの周辺部の照度とラムダ反応の安定度の関係を示す図
【図6】「集中できる」と評価した作業者の割合と作業
エリアの直径との関係を示す図
【図7】「集中できる」と評価した作業者の割合とエッ
ジの照度勾配の関係を示す図
【図8】JIS照度基準における場所・作業内容の種類
に適応する照度を示す図
【図9】本発明における一実施例のエッジの照度変化を
示す図
【図10】(A)は従来の局部照明を与える照明器具の
構成図 (B)は同配光図
【符号の説明】
1 ランプ 2 狭角反射板 3 広角反射板 4 フィルタ 5 天井材 6 ランプ 7 拡散反射板 8 鏡面反射板 9 天井材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作業対象物を中心とする作業エリアと前記
    作業エリアの周辺部と前記作業エリアと前記周辺部との
    間の境界部とが存在する照明環境において、前記作業エ
    リアの水平面照度が前記作業エリアの周辺部の水平面照
    度より高く、前記境界部において前記作業エリアと前記
    周辺部の照度差を知覚する照明を行うことを特徴とする
    照明方法。
  2. 【請求項2】作業エリアの水平面照度をほぼ均一な分布
    とし、作業エリアの周辺部の水平面照度を作業エリアの
    照度よりも低いほぼ均一な照度分布とする照明方法にお
    いて、作業エリアの直径をΦ[cm]とすると、Φの範
    囲が50≦Φ≦70であり、かつ作業エリアの水平面照
    度(Ew)と周辺部の水平面照度(Eb)の比(Ew/
    Eb)が3.3≦Ew/Eb≦20の範囲であり、かつ
    作業エリアと周辺部との境界部における照度の勾配G
    を、距離[mm]に対する照度[lx]の差とすると、
    Gの範囲をG≧300[lx/mm]とすることを特徴
    とする請求項1記載の照明方法。
  3. 【請求項3】作業エリアを照明する第1の照明手段と、
    前記作業エリアの周辺部を少なくとも照明する第2の照
    明手段とを有し、前記作業エリアの水平面照度が作業エ
    リアの周辺部の水平面照度より高くし、前記作業エリア
    の照度と作業エリアの周辺部の照度の照度比を3.3〜
    20とした照明器具。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999026018A1 (en) * 1997-11-14 1999-05-27 Bowker James W Lighting fixture
JP2007125184A (ja) * 2005-11-02 2007-05-24 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 眼球停留関連電位解析装置及び解析方法
JP2018134406A (ja) * 2011-05-31 2018-08-30 フォトファーミクス・インコーポレイテッド 運動関連の神経疾患を治療する、および/または診断するための発光装置

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