JPH08190340A - 蘇生法教育人体モデル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 呼気吹き込み量，圧迫力の検出を精度よく行
うことができ、メンテナンス性にも優れた蘇生法教育人
体モデルを提供することを目的とする。 【構成】 人体モデル本体１の内部に組み込まれたロー
ドセル６の出力信号を処理装置２５で目的の情報に変換
処理して圧迫力を検出する。吹き込まれた呼気で拡張し
た肺モデル７は、呼気の吹き込み量に応じてロードセル
６に荷重を作用させ、ロードセル６の出力信号を変換処
理して呼気吹き込み量を力を検出する。学習者が人体モ
デル本体１の胸の特定位置を正しく押圧していれば押圧
センサ１０が作動して、学習者の押圧位置が正しいかど
うかを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は蘇生法教育人体モデルに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の蘇生法教育人体モデルは、一次救
命処置を学習することを目的として人工呼吸と心臓マッ
サージを学習できるように構成されている。

【０００３】人工呼吸の学習の際には、人体モデルに組
み込まれた肺モデルが、学習者によって吹き込まれた呼
気によって膨らみ、膨れた肺モデルが人体モデル本体の
胸の部分を押し上げ、この胸の部分の変位量を機械的に
検出している。

【０００４】心臓マッサージの学習の際には、人体モデ
ル本体に組み込まれたバネが、学習者によって与えられ
た圧迫力で圧縮されて、胸の部分が変位する。この変位
量を機械的に検出している。

【０００５】人工呼吸の時の胸の変位量と心臓マッサー
ジの時の胸の変位量の検出には、従来ではリミットスイ
ッチが採用されており、人工呼吸の検出用のリミットス
イッチは必要量の呼気が吹き込まれた状態で接点が切り
替わるように機械的に配置されており、心臓マッサージ
検出用のリミットスイッチは必要量の圧迫力が作用した
状態で接点が切り替わるように機械的に配置されてい
る。

【０００６】従来の蘇生法教育人体モデルは、この２つ
のリミットスイッチの出力を監視して、適正な人工呼吸
と適正な心臓マッサージを学習するように構成されてい
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このように従来では、
人体モデルの胸の変位量をリミットスイッチで検出して
いるため、検出機構の機械的な誤差によって検出した呼
気吹き込み量，圧迫力に誤差を生じ易い。

【０００８】さらに、呼気吹き込み量，圧迫力の検出に
別々のリミットスイッチを使用しているため、検出機構
の機械的な調整に手間がかかり、メンテナンス性が悪い
ものである。

【０００９】本発明は呼気吹き込み量，圧迫力の検出を
精度よく行うことができ、メンテナンス性にも優れた蘇
生法教育人体モデルを提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の蘇生法教
育人体モデルは、人体モデル本体と、人体モデル本体の
胸と背中を結ぶ方向に作用した力を検出するように前記
人体モデル本体の内部に組み込まれたロードセルと、ロ
ードセルの出力信号を目的の情報に変換処理する処理装
置とを設けたことを特徴とする。

【００１１】請求項２記載の蘇生法教育人体モデルは、
人体モデル本体と、人体モデル本体の胸と背中を結ぶ方
向に作用した力を検出するように前記人体モデル本体の
内部に組み込まれたロードセルと、ロードセルの出力信
号を目的の情報に変換処理する処理装置とを設け、かつ
前記人体モデル本体の胸の内側とロードセルの間に、吹
き込まれた呼気で拡張する肺モデルを介装したことを特
徴とする。

【００１２】請求項３記載の蘇生法教育人体モデルは、
人体モデル本体と、人体モデル本体の胸と背中を結ぶ方
向に作用した力を検出するように前記人体モデル本体の
内部に組み込まれたロードセルと、ロードセルの出力信
号を目的の情報に変換処理する処理装置とを設け、かつ
前記人体モデル本体の胸の特定位置とロードセルの間
に、押圧センサを介装したことを特徴とする。

【００１３】

【作用】請求項１記載の構成によると、人体モデル本体
の内部に組み込まれたロードセルの出力信号を処理装置
で目的の情報に変換処理する。

【００１４】請求項２記載の構成によると、人体モデル
本体の内部に組み込まれたロードセルの出力信号を処理
装置で目的の情報に変換処理して圧迫力を検出する。吹
き込まれた呼気で拡張した肺モデルは、呼気の吹き込み
量に応じて前記ロードセルに荷重を作用させ、ロードセ
ルの出力信号を変換処理して呼気吹き込み量の力を検出
する。

【００１５】請求項３の蘇生法教育人体モデルによる
と、人体モデル本体の内部に組み込まれたロードセルの
出力信号を処理装置で目的の情報に変換処理して圧迫力
を検出する。この際に学習者が人体モデル本体の胸の特
定位置を正しく押圧していれば押圧センサが作動して、
学習者の押圧位置が正しいかどうかを判定する。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の蘇生法教育人体モデルの一実
施例を図１〜図７に基づいて説明する。

【００１７】図１〜図３に示すように蘇生法教育人体モ
デルの人体モデル本体１は、モデル下２とこのモデル下
２の胸部開口部３を覆う可撓性の合成樹脂製の表皮４と
で構成されている。表皮４はモデル下２に突設されたピ
ン５に引っ掛けてモデル下２に取り付けられている。

【００１８】モデル下２と表皮４とで囲まれた人体モデ
ル本体１の内部には、ロードセル６と肺モデル７などが
組み込まれている。具体的には次のように構成されてい
る。

【００１９】表皮４の裏面には凸部８が形成されてお
り、この凸部８を胸板９に穿設された孔９ａに挿入して
胸板９が表皮４に取り付けられている。胸板９には押圧
センサが組み込まれたケース１０が取り付けられてい
る。

【００２０】モデル下２の背中側には、図４に示すよう
に鋼板製のベース板１１が取り付けられている。ベース
板１１の凸部１１ａにロードセル６の固定部６ａが取り
付けられている。ロードセル６の可動側６ｂには鋼板製
の受台１２がスペーサ１３を介して取り付けられてい
る。受台１２の上面には、スプリング受け１４がスペー
サ１５を介して取り付けられている。スプリング受け１
４の中央には筒部１６が形成されており、この筒部１６
の基端の周囲にはスプリング１７の位置を規制する凹部
１８が一体に形成されている。

【００２１】スプリング受け１４の筒部１６には、肺モ
デル載台１９の裏面に形成された柱状部１９ａが挿入さ
れており、肺モデル載台１９は筒部１６に沿って上下方
向にスライド自在に支持されている。スプリング１７は
スプリング受け１４と肺モデル載台１９の間に介装され
ており、スプリング１７の下端はスプリング受け１４の
凹部１８に係合している。

【００２２】図５と図６に示すように、肺モデル載台１
９の上に取り付けられた袋状の肺モデル７は、接続管２
０を介して人体モデル本体１のマウス２１に接続されて
おり、マウス２１に吹き込まれた呼気で肺モデル７が拡
張する。肺モデル７の内部圧力が規定を越えると弁２２
が開放して接続管２３を介して大気に放出される。

【００２３】前記ケース１０の底板の上には、図７に示
すように押圧センサとしてのタクトスイッチ２４が組み
込まれており、学習者が人体モデル本体１の胸の正しい
位置を押圧すると、胸板９の裏面の凸部９ｂがタクトス
イッチ２４を押圧して接点がオンする。

【００２４】なお、２５はロードセル６を励磁し、取り
出した出力信号をデジタル変換して処理する制御基板，
２６は学習者とのマン−マシンインターフェースとして
の制御ユニットで、制御基板２５に人工呼吸と心臓マッ
サージの学習モードを指定したり、制御基板２５の出力
信号やタクトスイッチ２４の出力に基づいて人体モデル
本体１の状態を表示したり、心臓マッサージの学習モー
ドにおいてはマッサージのペースを指示する。

【００２５】このように構成したため、人工呼吸の学習
を受ける学習者が、人体モデル本体１の気道を確保して
人体モデル本体１のマウス２１から呼気を吹き込むと、
図５の肺モデル７が図６に示すように拡張して、最初は
ケース１０と胸板９を介して拡張した肺モデル７が表皮
４を押し上げる。表皮４は人体モデル下２に係止されて
いるため、拡張した肺モデル７は表皮４に対して肺モデ
ル載台１９とスプリング１７を介して受台１２を押し下
げ、ロードセル６の可動側６ｂを矢印Ｆ方向に押し下げ
る。

【００２６】ロードセル６の歪み量はストレインゲージ
２７で検出されて、制御基板２５で増幅，デジタル変換
された後に、測定した正味荷重値をマイクロコンピュー
タで肺モデル７に吹き込まれた呼気の容量に変換して記
憶し、プリンタ２８に出力される。

【００２７】なお、制御基板２５のメモリに人工呼吸の
学習時の理想のパターンを書き込んでおき、この理想パ
ターンと学習者の実習によって収集したパターンとを比
較して、学習者の実習内容を評価し、評価の結果をプリ
ンタ２８などの出力装置に出力することもできる。

【００２８】心臓マッサージの学習を受ける利用者は、
人体モデル本体１の適正な位置に手をあてて圧迫する
と、ケース１０のタクトスイッチ２４が胸板９の凸部９
ｂで押圧されて接点がオンする。さらに、胸板９とケー
ス１０と肺モデル受台１２を介して、スプリング１７に
抗して受台１２を押し下げ、ロードセル６の可動側６ｂ
を矢印Ｆ方向に押し下げる。

【００２９】ロードセル６の歪み量はストレインゲージ
２７で検出されて、処理装置としての制御基板２５で増
幅，デジタル変換された後に、測定した正味荷重値をマ
イクロコンピュータで、人体モデル本体１の胸の表皮４
が圧迫されて何センチメートルだけ変化したかを表す変
動量に変換して記憶し、プリンタ２８に出力される。

【００３０】なお、制御基板２５のメモリに人工呼吸の
学習時の理想のパターンを書き込んでおき、この理想パ
ターンと学習者の実習によって収集したパターンとを比
較して、学習者の実習内容を評価し、評価の結果をプリ
ンタ２８などの出力装置に出力することもできる。

【００３１】また、人体モデル本体１の胸と背中を結ぶ
方向〔矢印Ｆ方向〕に作用した力を検出するようにロー
ドセル６を組み込むだけであるため、機械的な調整が不
要でメンテナンス性が良好である。

【００３２】上記の実施例では制御基板２５を人体モデ
ル本体１の内部に配設し、制御ユニット２６とプリンタ
２８を人体モデル本体１の外部に配設したが、制御基板
２５，制御ユニット２６，プリンタ２８などの出力装置
は、人体モデル本体１の内部と外部の何れにも配設する
ことができる。

【００３３】

【発明の効果】以上のように本発明によると、人体モデ
ル本体の胸と背中を結ぶ方向に作用した力を検出するよ
うに前記人体モデル本体の内部に組み込まれたロードセ
ルと、ロードセルの出力信号を目的の情報に変換処理す
る処理装置とを設け、人体モデルの胸の変位量を荷重量
として検出し、これを目的の情報に変換処理しているの
で、従来のように前記変位量をリミットスイッチで検出
しているものに比べて検出機構の機械的な誤差がなく、
正確な測定を実現できる。

【００３４】また、検出機構の機械的な調整が簡単であ
るためメンテナンス性にも優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の蘇生法教育人体モデルの一実施例の構
成図である。

【図２】同実施例の人体モデル本体の外観斜視図であ
る。

【図３】同実施例の人体モデル本体の表皮を半開状態に
した斜視図である。

【図４】同実施例のロードセル取り付け部分の詳細図で
ある。

【図５】同実施例の肺モデルの拡張前の断面図である。

【図６】同実施例の肺モデルの拡張後の断面図である。

【図７】同実施例の胸板の内側に取り付けられたケース
の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 人体モデル本体 ２ モデル下 ３ 胸部開口部 ４ 表皮 ５ ピン ６ ロードセル ７ 肺モデル ８ 表皮の裏面の凸部 ９ 胸板 ９ａ 孔 １０ ケース １１ ベース板 １２ 受台 １３ スペーサ １４ スプリング受け １５ スペーサ １６ 筒部 １７ スプリング １８ 凹部 １９ 肺モデル載台 １９ａ 柱状部 ２０ 接続管 ２１ 人体モデル本体のマウス ２２ 弁 ２３ 接続管 ２４ タクトスイッチ〔押圧センサ〕 ２５ 制御基板 ２６ 制御ユニット ２７ ストレインゲージ ２８ プリンタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 浩一 大阪府八尾市神武町２番35号 株式会社ク ボタ久宝寺工場内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 人体モデル本体と、人体モデル本体の胸
   と背中を結ぶ方向に作用した力を検出するように前記人
   体モデル本体の内部に組み込まれたロードセルと、ロー
   ドセルの出力信号を目的の情報に変換処理する処理装置
   とを設けた蘇生法教育人体モデル。
2. 【請求項２】 人体モデル本体の胸の内側とロードセル
   の間に、吹き込まれた呼気で拡張する肺モデルを介装し
   た請求項１記載の蘇生法教育人体モデル。
3. 【請求項３】 人体モデル本体の胸の特定位置とロード
   セルの間に、押圧センサを介装した請求項１記載の蘇生
   法教育人体モデル。