JPH08189361A - エンジンサーモスタット - Google Patents

エンジンサーモスタット

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JPH08189361A
JPH08189361A JP361495A JP361495A JPH08189361A JP H08189361 A JPH08189361 A JP H08189361A JP 361495 A JP361495 A JP 361495A JP 361495 A JP361495 A JP 361495A JP H08189361 A JPH08189361 A JP H08189361A
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JP
Japan
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cooling water
valve body
chamber
communication
engine
Prior art date
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Application number
JP361495A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kodera
勉 古寺
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UD Trucks Corp
Original Assignee
UD Trucks Corp
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Publication date
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Publication of JPH08189361A publication Critical patent/JPH08189361A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エンジン冷却水温度が低い間も、該冷却水の温
度上昇を可及的速やかに行わせ、充分な暖房を早期に確
保すること。またエンジン冷却水温度が上がり始めた場
合にサーモスタットハウジング内で発生する振動を抑制
すること。 【構成】第2の弁体16が一体に設けられるペレット17の
他端部の先端33には、その断面形状が略台形で、該台形
の上辺に前記先端部33と連結するための断面形状長方形
の接続円柱34を有した円錐状の第3の弁体35が設けられ
る。さらに、該第3の弁体35の円錐底面36の外径D36
前記連通部32の円筒形の内径d32に較べて若干小さく形
成されている。また、円錐底面36と該円筒底面37とが略
同一平面を構成するような長さとなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの冷却水の温
度を調節すべく、エンジンとラジエータとの間にあって
配設されるエンジンサーモスタットに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のサーモスタットの形式として
は、ベローズ型、ペレット(ワックス)型、バイメタル
型等があるが、現在広く採用されているのはペレット型
である。ここで、該ペレット型サーモスタットについ
て、図3を参照しつつその構成を説明する(特開平4−
370318号公報等参照)。
【0003】サーモスタット1は、隔壁11によって上方
フレーム部材12と下方フレーム部材13とに二分されてい
るフレームハウジング14と、第1の弁体15及び第2の弁
体16またペレット17が取付けられるピン部材18とを含ん
で構成され、該隔壁11の外周部19をサーモスタットハウ
ジング51の溝部52に嵌入することにより該サーモスタッ
トハウジング51に装着される。
【0004】サーモスタットハウジング51は、下方フレ
ーム部材13が配設される側が2室で構成されており、上
方フレーム部材12に隣接した室53に、エンジンのシリン
ダブロック(図示せず)から冷却水が流入する冷却水入
口通路54が設けられる。また上方フレーム部材12とは離
間した室55に冷却水圧送用の冷却水ポンプ(図示せず)
の入口側に冷却水が流出する冷却水ポンプ出口通路(図
示せず)、ラジエータ(図示せず)からの戻り冷却水が
流入する戻り冷却水流入通路57が設けられる。
【0005】また、前記上方フレーム部材12に隣接した
室53と前記上方フレーム部材12とは離間した室55との隔
壁部材58には後述する第2弁座59が設けられる連通部60
が設けられる。一方、上方フレーム部材12が配設される
側は1室61で構成されており、ラジエータの入口側に冷
却水が流出するラジエータ出口通路62が設けられる。
【0006】そして、ピン部材18はその一端18aが上方
フレーム部材12に嵌合自由に保持され、ピン部材18が、
隔壁11に設けられた第1弁座21を貫通して下方フレーム
部材13内まで延設され、さらに他端18bに感温部材であ
るペレット17が取付けられている。尚、該ペレット17は
高温になると、第1弁体15を第1弁座21から離間させ、
かつ第2弁体16を第2弁座59に就座させる方向に膨張す
る。
【0007】さらに該ペレット17の外周部には前記隔壁
11に設けた第1弁座21に就座する第1弁体15が一体に設
けられる。該ペレット17の他端部は前記下方フレーム部
材13に設けた孔22に遊嵌され、さらに該ペレット17の他
端部にはサーモスタットハウジング51に設けた第2弁座
59に就座する第2弁体16が一体に設けられている。ま
た、第1弁体15と下方フレーム部材13との間にはスプリ
ング23´が介装され、第2弁体16とペレット17との間に
はスプリング23が介装され、スプリング23´により、第
2弁体16を下方フレーム部材13に近づける方向、即ち、
第1弁体15を第1弁座21に就座させ、かつ第2弁体16を
第2弁座59から離間させる方向にピン部材18を引張付勢
している。
【0008】なお、室53にはヒータ流出通路64が設けら
れ、また室55にはヒータ流入通路65が設けられる。次
に、エンジン冷却水温度の変化によって、サーモスタッ
ト1がどのように作用するかを簡単に説明する。 (1) 全閉状態 エンジン冷却水温度が低い間は、ペレット17が膨張せ
ず、もってスプリング23´により、第2弁体16を下方フ
レーム部材13に近づける方向、即ち、第1弁体15を第1
弁座21に就座させ、かつ第2弁体16を第2弁座59から離
間させる方向にピン部材18を引張付勢している。
【0009】従って、冷却水入口通路54から室53に流入
した冷却水は略全量が連通部60を介して室55に流入し、
冷却水ポンプ出口通路を介して冷却水ポンプに流れ、再
びエンジンに戻される。即ち、第1弁体15が第1弁座21
に就座しているので、ラジエータ出口通路62を介してラ
ジエータに流入する冷却水は殆どないこととなる。 (2) 半開状態 エンジン冷却水温度が標準の開弁開始温度(75〜78℃)
に達すると、ペレット17が膨張し始め、第2弁体16を下
方フレーム部材13から離間する方向、即ち、第1弁体15
を第1弁座21から離間させ、かつ第2弁体16を第2弁座
59に就座させる方向にピン部材18に力を加える。
【0010】従って、冷却水入口通路54から室53に流入
した冷却水は除々に第1弁体15と第1弁座21との隙間を
介して室61に流入し、ラジエータ出口通路62を介してラ
ジエータに流入する冷却水量が増大し、連通部60を介し
て室55に流入する冷却水量が徐々に減少していく。 (3) 全開状態 エンジン冷却水温度が標準の弁作動温度(90℃)以上と
なると、ペレット17は完全に膨張し、第1弁体15を第1
弁座21から完全に離間させ、かつ第2弁体16を第2弁座
59に就座させる。
【0011】従って、冷却水入口通路54から室53に流入
した冷却水は略全量が第1弁体15と第1弁座21との隙間
を介して室61に流入し、ラジエータ出口通路62を介して
ラジエータに流入し、ラジエータで温度を下げられた後
に冷却水流入通路57から再びサーモスタットハウジング
51の室55に流入し、冷却水ポンプ出口通路を介して冷却
水ポンプに流れ、再びエンジンに戻される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のサーモスタットにあっては、エンジン冷却水
温度が低い間は、第1弁体15が第1弁座21に就座してい
るので、ラジエータ出口通路62を介してラジエータに流
入する冷却水は殆どないが、冷却水入口通路54から室53
に流入した冷却水は略全量が連通部60を介して室55に流
入し、冷却水ポンプ出口通路を介して冷却水ポンプに流
れ、再びエンジンに戻される。即ち、エンジン冷却水温
度が低い間においても、冷却水ポンプによりエンジン、
サーモスタット1及び冷却水ポンプ間を冷却水が循環し
ているため、該冷却水が早期に上昇することが難しくな
る。また特に寒冷地においては、スタート後のアイドリ
ング状態においてヒータにより室内の暖房を実施する場
合には、前述の冷却水の循環により、冷却水温度の上昇
がゆっくりであるため、充分な暖房を早期に実施するこ
とが難しくなる惧れがある。
【0013】また、エンジン冷却水温度が上がり始めた
場合には、第2弁体16を第2弁座59に就座させる方向に
ピン部材18が移動することにより、連通部60を介して室
55に流入する冷却水量が急激に減少する惧れがあり、該
急激な流量の変化により、サーモスタットハウジング51
内で振動が発生する惧れもある。本発明は上記に鑑みて
なされたものであり、エンジン冷却水温度が低い間も、
該冷却水の温度上昇を可及的速やかに行わせ、充分な暖
房を早期に確保すると共に、エンジン冷却水温度が上が
り始めた場合にサーモスタットハウジング内で発生する
振動を抑制することを可能としたエンジンサーモスタッ
トを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、エ
ンジンのシリンダブロックに連通する連通路及びラジエ
ータの入口に連通する連通路を有する第1の室と、冷却
水ポンプに連通する通路路を有する第2の室と、前記第
1の室と前記第2の室との間に介装される隔壁と、該隔
壁に設けられ弁座が形成される連通部と、前記第1の室
に介装されて、エンジンのシリンダブロックとラジエー
タの入口との連通を開閉する第1の弁体と、前記弁座に
離間・就座して第1の室と冷却水ポンプとの連通を開閉
する第2弁体と、前記第1の弁体がエンジンのシリンダ
ブロックとラジエータの入口との連通を閉塞し第2の弁
体が前記弁座から離間して第1の室と冷却水ポンプを連
通するように弾性付勢する弾性部材と、冷却水温度の上
昇に伴って前記第1の弁体がエンジンのシリンダブロッ
クとラジエータの入口とを連通させ第2の弁体が前記弁
座に就座して第1の室と冷却水ポンプとの連通を閉塞す
るように膨張する感温部材と、からなる弁部材と、を含
んでなるエンジンサーモスタットにおいて、前記第2の
弁体の前記連通部に相対する箇所に、弾性部材が弾性付
勢しているときに該連通部を略閉塞する第3の弁体を設
けると共に、前記第3の弁体と前記連通部とが共働して
冷却水温度の上昇に伴って前記連通部を通過する冷却水
量が漸増するような冷却水漸増手段を構成するようにし
た。
【0015】また、前記連通部を円筒状に形成し、前記
第3の弁体を前記円筒に遊嵌するような円錐状に形成
し、弾性部材が弾性付勢しているときに該第3の弁体の
円錐底面と該連通部の円筒底面とが略同一平面を構成
し、冷却水温度の上昇に伴って前記第3の弁体の円錐底
面の該連通部の円筒底面からの突出量が漸増するように
構成することにより、冷却水漸増手段を構成してもよ
い。
【0016】また、前記連通部を頂部に円筒が接続され
る円錐状に形成し、前記第3の弁体を前記円錐に遊嵌す
るような円柱状に形成し、弾性部材が弾性付勢している
ときに該第3の弁体の円柱頂面と該連通部の円筒と円錐
が接続される接続面とが略同一平面を構成し、冷却水温
度の上昇に伴って前記第3の弁体の円柱頂面の該連通部
の円筒と円錐との接続面からの離間量が漸増するように
構成することにより、冷却水漸増手段を構成してもよ
い。
【0017】
【作用】請求項1記載の発明の作用は、冷却水温度が低
い時には、弾性付勢力により、前記第1の弁体がエンジ
ンのシリンダブロックとラジエータの入口との連通を閉
塞するので、シリンダブロックからの冷却水はラジエー
タには流入しない。さらに、本発明では、該弾性付勢力
が作用しているときに第1の室と第2の室との間に介装
される隔壁に設けられた連通部を略閉塞する第3の弁体
が設けられるので、第1の室と第2の室との連通も閉塞
され、もってシリンダブロックと冷却水ポンプとの連通
も閉塞される。
【0018】即ち、冷却水温度が低い時にはシリンダブ
ロック内の冷却水は殆ど循環を行わないので、該シリン
ダブロック内のみでエンジンからの発熱を吸収すること
となる。ここで、冷却水温度が上昇してくると、本発明
では、前記第3の弁体と前記連通部とが共働で冷却水漸
増手段を構成しているので、冷却水温度の上昇に伴って
前記連通部を通過する冷却水量が漸増し、第1の室から
冷却水ポンプに流入する冷却水流量が漸増し、シリンダ
ブロック内の冷却水は冷却水ポンプにより循環を開始す
ることとなり、循環によりエンジンからの発熱を吸収す
ることとなる。
【0019】そして、さらに冷却水温度が上昇してくる
と、該冷却水温度の上昇に伴って感温部材がさらに膨張
し、前記第1の弁体がエンジンのシリンダブロックとラ
ジエータの入口とを連通させるので、温度が上昇した冷
却水はラジエータにより温度を下げられる。なお、その
ときには、従来のエンジンサーモスタットと同様に、第
2の弁体が前記弁座に就座して第1の室と冷却水ポンプ
との連通を閉塞し、エンジンのシリンダブロックを冷却
し温度が上昇した冷却水は全てラジエータに流入し、冷
却水温度が下げられる。
【0020】また請求項2記載の発明では、冷却水温度
が低い時、即ち弾性付勢力が作用しているときに第3の
弁体の円錐底面と該連通部の円筒底面とが略同一平面を
構成し、第1の室と第2の室との間に介装される隔壁に
設けられた連通部を略閉塞するので、シリンダブロック
と冷却水ポンプとの連通が閉塞される。ここで、冷却水
温度が上昇してくると、冷却水温度の上昇に伴って前記
第3の弁体の円錐底面の該連通部の円筒底面からの突出
量が漸増するので、冷却水温度の上昇に伴って前記第3
の弁体と連通部との有効開口面積が漸増し、冷却水温度
の上昇に伴って前記連通部を通過する冷却水量が漸増
し、第1の室から冷却水ポンプに流入する冷却水流量が
漸増し、シリンダブロック内の冷却水は冷却水ポンプに
より循環を開始することとなり、循環によりエンジンか
らの発熱を吸収することとなる。
【0021】また、請求項3記載の発明では、冷却水温
度が低い時、即ち弾性付勢力が作用しているときに第3
の弁体の円柱頂面と該連通部の円筒と円錐が接続される
接続面とが略同一平面を構成し、第1の室と第2の室と
の間に介装される隔壁に設けられた連通部を略閉塞する
ので、シリンダブロックと冷却水ポンプとの連通が閉塞
される。
【0022】ここで、冷却水温度が上昇してくると、冷
却水温度の上昇に伴って前記第3の弁体の円柱頂面の該
連通部の円筒と円錐との接続面からの離間量が漸増する
ので、冷却水温度の上昇に伴って前記第3の弁体と連通
部との有効開口面積が漸増し、冷却水温度の上昇に伴っ
て前記連通部を通過する冷却水量が漸増し、第1の室か
ら冷却水ポンプに流入する冷却水流量が漸増し、シリン
ダブロック内の冷却水は冷却水ポンプにより循環を開始
することとなり、循環によりエンジンからの発熱を吸収
することとなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。図1に示すエンジンサーモスタット31は本発明の
第1実施例に係るエンジンサーモスタットであるが、図
3を用いて説明した従来例と同一構成要素には、同一符
号を付して説明を省略する。
【0024】上方フレーム部材12に隣接した室53と前記
上方フレーム部材12とは離間した室55との隔壁部材58に
は第2弁座59が設けられる円筒状の連通部32が設けられ
る。さらに、ピン部材18に取付けられるペレット17の他
端部にはサーモスタットハウジング51に設けた第2弁座
59に就座する第2弁体16が一体に設けられている。ここ
で、本第1実施例に係る構成として、前記第2の弁体16
が一体に設けられるペレット17の他端部の先端33には、
その断面形状が略台形で、該台形の上辺に前記先端部33
と連結するための断面形状長方形の接続円柱34を有した
円錐状の第3の弁体35が設けられる。さらに、該第3の
弁体35の円錐底面36の外径D36は前記連通部32の円筒形
の内径d32に較べて若干小さく形成されている。また、
第3の弁体35の前記先端33からの長さは、第1弁体15と
下方フレーム部材13との間に介装されるスプリング23´
により、第2弁体16を第2弁座59から離間させる方向に
ピン部材18を引張付勢しているときに、該第3の弁体35
の円錐底面36と該連通部32の円筒底面37とが略同一平面
を構成するような長さとなっている。
【0025】そして、冷却水温度の上昇に伴ってペレッ
ト17が高温になると、第1弁体15を第1弁座21から離間
させ、かつ第2弁体16を第2弁座59に就座させる方向に
膨張するが、該膨張により、前記第3の弁体35の円錐底
面36は連通部32の円筒底面37から徐々に突出する構成で
ある。次に、本第1実施例に係る作用を説明するが、エ
ンジン冷却水温度の変化によって、サーモスタット31に
より奏される従来と同様の作用については、簡単に概略
を説明する。
【0026】本第1実施例に係る作用は、冷却水温度が
低い時には、スプリング23´の弾性付勢力により、前記
第1の弁体15がエンジンのシリンダブロックとラジエー
タの入口との連通を閉塞するので、冷却水入口通路54か
ら室53に流入した冷却水はラジエータ出口通路62には流
入せず、シリンダブロックからの冷却水はラジエータに
は流入しない。
【0027】さらに、そのときには、本第1実施例で
は、第3の弁体35の円錐底面36と該連通部32の円筒底面
37とが略同一平面を構成し、さらに第3の弁体35の円錐
底面36の外径D36が前記連通部32の円筒形の内径d32
較べて若干小さく形成されるので、該連通部32は第3の
弁体35により略閉塞することとなる。もって、冷却水温
度が低い時には、室53と室55との連通も閉塞され、もっ
てエンジンのシリンダブロックと冷却水ポンプとの直通
の連通も閉塞される。
【0028】即ち、冷却水温度が低い時にはシリンダブ
ロック内の冷却水は循環を行わないので、該シリンダブ
ロック内のみでエンジンからの発熱を吸収することとな
る。ここで、本第1実施例では、冷却水温度の上昇に伴
ってペレット17が高温になると、第1弁体15を第1弁座
21から離間させ、かつ第2弁体16を第2弁座59に就座さ
せる方向に膨張するが、該膨張により、前記第3の弁体
35の円錐底面36は連通部32の円筒底面37から徐々に突出
するので、該第3の弁体35と連通部32との隙間が徐々に
大きくなり、もって有効開口面積が徐々に大きくなる。
もって、冷却水温度の上昇に伴って前記連通部32を通過
する冷却水量が漸増し、室53から室55に流入する冷却水
流量が漸増し、シリンダブロック内の冷却水は冷却水ポ
ンプにより循環を開始することとなり、循環によりエン
ジンからの発熱を吸収することとなる。
【0029】即ち、第3の弁体35と連通部32とにより冷
却水漸増手段が構成されている。そして、さらに冷却水
温度が上昇し、該冷却水温度の上昇に伴ってペレット17
がさらに高温になると、第1弁体15が第1弁座21から完
全に離間する。なお、そのときには、従来のエンジンサ
ーモスタットと同様に、第2の弁体16が第2弁座59に就
座して室53と冷却水ポンプとの連通を閉塞し、エンジン
のシリンダブロックを冷却し温度が上昇した冷却水は全
てラジエータに流入し、冷却水温度が下げられる。
【0030】従って、本第1実施例にあっては、エンジ
ン冷却水温度が低い間は、第1弁体15が第1弁座21に就
座すると共に、室53と室55との連通も閉塞され、もって
エンジンのシリンダブロック内の冷却水は循環を行わな
いので、該シリンダブロック内のみでエンジンからの発
熱を吸収することとなり、エンジン冷却水温度が低い間
においては、冷却水ポンプによる冷却水の循環が行われ
ないので、該冷却水が早期に上昇することとなる。特に
寒冷地においては、スタート後のアイドリング状態にお
いて、室53からヒータ流出通路64を介して取り出してい
るヒータ用冷却水の温度上昇がいち早く行われ、充分な
暖房を早期に実施することが可能となるという効果があ
る。
【0031】また、エンジン冷却水温度が上がり始めた
場合には、第2弁体16を第2弁座59に就座させる方向に
ピン部材18が移動するのと同時に、第3の弁体35と連通
部32との隙間が徐々に大きくなり、もって有効開口面積
が徐々に大きくなるので、連通部32を介して室55に流入
する冷却水量が除々に変化することとなり、サーモスタ
ットハウジング31内での振動の発生も防止することが可
能となる。
【0032】次に本発明の第2実施例を図2を参照しつ
つ説明するが、本第2実施例に係るエンジンサーモスタ
ット41についても、図3を用いて説明した従来例と同一
構成要素には、同一符号を付して説明を省略する。上方
フレーム部材12に隣接した室53と前記上方フレーム部材
12とは離間した室55との隔壁部材58には、第2弁座59が
設けられると共に、頂部に円筒42が接続される円錐状部
43が形成される連通部44が設けられる。さらに、ピン部
材18に取付けられるペレット17の他端部にはサーモスタ
ットハウジング51に設けた第2弁座59に就座する第2弁
体16が一体に設けられている。
【0033】さらに、本第2実施例では、前記第2の弁
体16が一体に設けられるペレット17の他端部の先端33に
は、円柱状の第3の弁体45が設けられる。さらに、該第
3の弁体45の円柱の外径D45は前記円錐状部43の円筒42
との接続部47の内径d47に較べて若干小さく形成されて
いる。また、第3の弁体45の基端部46から前記先端33ま
での長さは、該第3の弁体45の基端部46と前記接続部47
とが略同一平面を構成するような長さとなっている。
【0034】そして、冷却水温度の上昇に伴ってペレッ
ト17が高温になると、第1弁体15を第1弁座21から離間
させ、かつ第2弁体16を第2弁座59に就座させる方向に
膨張するが、該膨張により、前記第3の弁体45の基端部
46が連通部44の接続部47から徐々に離間する構成であ
る。次に、本第2実施例に係る作用を説明するが、エン
ジン冷却水温度の変化によって、サーモスタット31によ
り奏される従来と同様の作用については、簡単に概略を
説明する。
【0035】本第2実施例に係る作用は、冷却水温度が
低い時には、スプリング23´の弾性付勢力により、前記
第1の弁体15がエンジンのシリンダブロックとラジエー
タの入口との連通を閉塞するので、冷却水入口通路54か
ら室53に流入した冷却水はラジエータ出口通路62には流
入せず、シリンダブロックからの冷却水はラジエータに
は流入しない。
【0036】さらに、そのときには、本第2実施例で
は、第3の弁体45の基端部46と前記接続部47とが略同一
平面を構成し、さらに第3の弁体45の円柱の外径D45
前記円錐状部43の円筒42との接続部47の内径d47に較べ
て若干小さく形成されているので、該連通部44は第3の
弁体45により略閉塞することとなる。もって、冷却水温
度が低い時には、室53と室55との連通も閉塞され、もっ
てエンジンのシリンダブロックと冷却水ポンプとの直通
の連通も閉塞される。
【0037】即ち、冷却水温度が低い時にはシリンダブ
ロック内の冷却水は循環を行わないので、該シリンダブ
ロック内のみでエンジンからの発熱を吸収することとな
る。ここで、本第2実施例では、冷却水温度の上昇に伴
ってペレット17が高温になると、第1弁体15を第1弁座
21から離間させ、かつ第2弁体16を第2弁座59に就座さ
せる方向に膨張するが、該膨張により、前記第3の弁体
45の基端部46が連通部44の接続部47から徐々に離間する
構成であるので、該第3の弁体45と連通部44との隙間が
徐々に大きくなり、もって有効開口面積が徐々に大きく
なる。もって、冷却水温度の上昇に伴って前記連通部44
を通過する冷却水量が漸増し、室53から室55に流入する
冷却水流量が漸増し、シリンダブロック内の冷却水は冷
却水ポンプにより循環を開始することとなり、循環によ
りエンジンからの発熱を吸収することとなる。
【0038】即ち、第3の弁体45と連通部44とにより冷
却水漸増手段が構成されている。そして、さらに冷却水
温度が上昇し、該冷却水温度の上昇に伴ってペレット17
がさらに高温になると、第1弁体15が第1弁座21から完
全に離間する。なお、そのときには、従来のエンジンサ
ーモスタットと同様に、第2の弁体16が第2弁座59に就
座して室53と冷却水ポンプとの連通を閉塞し、エンジン
のシリンダブロックを冷却し温度が上昇した冷却水は全
てラジエータに流入し、冷却水温度が下げられる。
【0039】従って、本第2実施例にあっては、エンジ
ン冷却水温度が低い間は、第1弁体15が第1弁座21に就
座すると共に、室53と室55との連通も閉塞され、もって
エンジンのシリンダブロック内の冷却水は循環を行わな
いので、該シリンダブロック内のみでエンジンからの発
熱を吸収することとなり、エンジン冷却水温度が低い間
においては、冷却水ポンプによる冷却水の循環が行われ
ないので、該冷却水が早期に上昇することとなる。特に
寒冷地においては、スタート後のアイドリング状態にお
いて、室53からヒータ流出通路64を介して取り出してい
るヒータ用冷却水の温度上昇がいち早く行われ、充分な
暖房を早期に実施することが可能となるという効果があ
る。
【0040】また、エンジン冷却水温度が上がり始めた
場合には、第2弁体16を第2弁座59に就座させる方向に
ピン部材18が移動するのと同時に、第3の弁体45と連通
部44との隙間が徐々に大きくなり、もって有効開口面積
が徐々に大きくなるので、連通部44を介して室55に流入
する冷却水量が除々に変化することとなり、サーモスタ
ットハウジング31内での振動の発生も防止することが可
能となる。
【0041】また、本発明に係る他の実施例として、例
えば第2実施例においては、円柱状の第3の弁体45を円
柱状としたが、面取り加工、あるいはテーパ加工を行っ
て、該面取りあるいはテーパにより、第3弁体45の移動
に伴う有効開口面積の変化が生じるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1、2または3に記載の発明の効
果は、第2の弁体の前記連通部に相対する箇所に、弾性
部材が弾性付勢しているときに該連通部を略閉塞する第
3の弁体を設けると共に、前記第3の弁体と前記連通部
とが共働して冷却水温度の上昇に伴って前記連通部を通
過する冷却水量が漸増するような冷却水漸増手段を構成
するようにしたので、冷却水温度が低い時にはシリンダ
ブロック内の冷却水は循環を行わないので、該シリンダ
ブロック内のみでエンジンからの発熱を吸収することと
なり、エンジン冷却水温度が低い間においては、冷却水
ポンプによる冷却水の循環が行われないので、該冷却水
が早期に上昇することとなる。
【0043】また冷却水温度の上昇に伴って、第1の室
から冷却水ポンプに流入する冷却水流量が漸増し、シリ
ンダブロック内の冷却水は冷却水ポンプにより循環を開
始することとなり、連通部を介して冷却水ポンプに直に
流入する冷却水量が除々に変化することとなり、サーモ
スタットハウジング内での振動の発生も防止することが
可能となるという効果もある。
【0044】さらに冷却水温度が上昇してくると、従来
のエンジンサーモスタットと同様に冷却水はラジエータ
により温度を下げられるので従来の機能を全く損なうこ
とは無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るエンジンサーモス
タットの構成を説明する概略断面図
【図2】 本発明の第2実施例に係るエンジンサーモス
タットの構成を説明する概略断面図
【図3】 従来のエンジンサーモスタットの構成を説明
する概略断面図
【符号の説明】
15 第1の弁体 16 第2の弁体 17 ペレット 23´ スプリング 32 連通部 35 第3の弁体 45 第3の弁体 51 サーモスタットハウジング 57 冷却水流入通路 58 隔壁部材 59 第2弁座 62 ラジエータ出口通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンのシリンダブロックに連通する連
    通路及びラジエータの入口に連通する連通路を有する第
    1の室と、 冷却水ポンプに連通する通路路を有する第2の室と、 前記第1の室と前記第2の室との間に介装される隔壁
    と、 該隔壁に設けられ弁座が形成される連通部と、 前記第1の室に介装されて、エンジンのシリンダブロッ
    クとラジエータの入口との連通を開閉する第1の弁体
    と、前記弁座に離間・就座して第1の室と冷却水ポンプ
    との連通を開閉する第2弁体と、前記第1の弁体がエン
    ジンのシリンダブロックとラジエータの入口との連通を
    閉塞し第2の弁体が前記弁座から離間して第1の室と冷
    却水ポンプを連通するように弾性付勢する弾性部材と、
    冷却水温度の上昇に伴って前記第1の弁体がエンジンの
    シリンダブロックとラジエータの入口とを連通させ第2
    の弁体が前記弁座に就座して第1の室と冷却水ポンプと
    の連通を閉塞するように膨張する感温部材と、からなる
    弁部材と、 を含んでなるエンジンサーモスタットにおいて、 前記第2の弁体の前記連通部に相対する箇所に、弾性部
    材が弾性付勢しているときに該連通部を略閉塞する第3
    の弁体を設けると共に、前記第3の弁体と前記連通部と
    が共働して冷却水温度の上昇に伴って前記連通部を通過
    する冷却水量が漸増するような冷却水漸増手段を構成し
    たことを特徴とするエンジンサーモスタット。
  2. 【請求項2】前記連通部が円筒状に形成され、前記第3
    の弁体が前記円筒に遊嵌するような円錐状に形成され、
    弾性部材が弾性付勢しているときに該第3の弁体の円錐
    底面と該連通部の円筒底面とが略同一平面を構成し、冷
    却水温度の上昇に伴って前記第3の弁体の円錐底面の該
    連通部の円筒底面からの突出量が漸増するような冷却水
    漸増手段を構成したことを特徴とする請求項1に記載の
    エンジンサーモスタット。
  3. 【請求項3】前記連通部が頂部に円筒が接続される円錐
    状に形成され、前記第3の弁体が前記円錐に遊嵌するよ
    うな円柱状に形成され、弾性部材が弾性付勢していると
    きに該第3の弁体の円柱頂面と該連通部の円筒と円錐が
    接続される接続面とが略同一平面を構成し、冷却水温度
    の上昇に伴って前記第3の弁体の円柱頂面の該連通部の
    円筒と円錐との接続面からの離間量が漸増するような冷
    却水漸増手段を構成したことを特徴とする請求項1に記
    載のエンジンサーモスタット。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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