JPH08188589A - ゲラニル−β−D−ガラクトピラノシド及びその製造方法 - Google Patents

ゲラニル−β−D−ガラクトピラノシド及びその製造方法

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JPH08188589A
JPH08188589A JP7000044A JP4495A JPH08188589A JP H08188589 A JPH08188589 A JP H08188589A JP 7000044 A JP7000044 A JP 7000044A JP 4495 A JP4495 A JP 4495A JP H08188589 A JPH08188589 A JP H08188589A
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geraniol
geranyl
galactopyranoside
galactosidase
lactose
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Munehiko Donpou
宗彦 鈍寳
Takashi Kimura
隆 木村
Hiromitsu Hara
博満 原
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 水溶解性及び保存安定性に優れ、かつ安価
で、入手の容易なβ−ガラクトシダーゼで加水分解して
ゲラニオールの香気を発現することができるゲラニル−
β−D−ガラクトピラノシドを提供する。 【構成】 化学式(1)で示されるゲラニル−β−D−
ガラクトピラノシドおよび、ゲラニオールと乳糖(乳糖
含有物)との混合物にβ−ガラクトシダーゼ(β−ガラ
クトシダーゼを含有する菌体)を作用させることより成
る、当該ゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶解性及び保存安定
性に優れ、かつ安価で、入手の容易なβ−ガラクトシダ
ーゼで加水分解してゲラニオールの香気を発現すること
ができるゲラニル−β−D−ガラクトピラノシド及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バラ油等の主成分をなすゲラニオール
は、バラ香をもつ香料として重要な化合物であり、医薬
品産業、食品産業、嗜好品産業において香料として広く
利用されているが、水溶解性が低いという理由からその
利用範囲が制限され、また、揮発性が強いため香気力価
(匂いの強さ)が持続せず、保存安定性に欠けるという
問題点があった。そこで、ゲラニオールの水溶解性や保
存安定性を高めるために、ゲラニオールを配糖化するこ
とが試みられている。
【0003】従来、ゲラニオール配糖体としては、α−
グルコシル体とβ−グルコシル体が知られており、これ
らのゲラニオール配糖体は、グルコシダーゼ又は酸等に
より加水分解されて、ゲラニオールの香気を発現する。
しかし、これらの配糖体を化粧料等に配合する場合に
は、皮膚等への影響を考えると、グルコシダーゼを用い
て加水分解することが必要となるが、グルコシダーゼ
(α−グルコシダーゼ又はβ−グルコシダーゼ)は高価
であり、さらに入手も容易でないため、その使用が制限
されるという問題点があった。
【0004】また、ゲラニオール配糖体の製造方法とし
ては、例えば、糖類とゲラニオールとを酸の存在下に反
応させる方法やまた、ケーニッヒ−クノール(Koenigs-
Knorr )反応等を用いてβ−体のみを合成する方法等が
知られている(「油化学」Vol.43, No.1, p31-38, 199
4)。しかし、これらの合成方法では、炭酸銀等の非常
に高価な試薬を使用すること、収率が低いこと、副生成
物の生成等の問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水溶解性及
び保存安定性に優れ、さらに安価で入手容易な酵素によ
って加水分解されてゲラニオールの香気を発現するゲラ
ニル−β−D−ガラクトピラノシドを提供することを目
的とするものである。
【0006】また、本発明はこのようなゲラニル−β−
D−ガラクトピラノシドを安価に、しかも高収率で製造
することのできるゲラニル−β−D−ガラクトピラノシ
ドの製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ゲラニル−β
−D−ガラクトピラノシドが上記課題を解決することが
できるということを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、第一の発明は下記化学式(1)
で示されるゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドを要
旨とするものである。
【0009】
【化2】
【0010】また、第二の発明は、ゲラニオールと乳糖
又は乳糖含有物との混合物に、β−ガラクトシダーゼ又
はβ−ガラクトシダーゼを含有する菌体を作用させるこ
とを特徴とする上記のゲラニル−β−D−ガラクトピラ
ノシドの製造方法を要旨とするものである。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドは、前記の化学
式(1)で示される構造を持ち、ゲラニオールと乳糖又
は乳糖含有物との混合物に、β−ガラクトシダーゼ(EC
3.2.1.23 )又はβ−ガラクトシダーゼを含有する菌体
を作用させることにより製造することができる。
【0012】本発明に用いられるβ−ガラクトシダーゼ
としては、アスペルギルス オリーゼ(Aspergillus or
yzae)、エシエリキア コリ(Escherichia coli)、ア
スペルギルス ニガー(Aspergillus nigar )等の微生
物由来の酵素、牛肝臓等の動物臓器由来の酵素、ジャッ
ク ビーンズ(Jack beans)等の植物種子由来の酵素等
が挙げられるが、反応収率の点においてアスペルギルス
オリーゼ(Aspergillus oryzae)由来のβ−ガラクト
シダーゼが最も優れている。
【0013】また、β−ガラクトシダーゼを含有する菌
体としては、リポマイセス(Lipomyces )NKD-14(微工
研菌寄第8948号)、スポロオロミセス シンギュラリス
(Sporobolomyces singularis )ATCC24193 、クリプト
コッカス ローレンチイ(Cryptococcus laulentii)IF
O0609 、ロドトルラ マリナ(Rhodotorula marina)IF
O1421 等が使用できる。これらのうち、リポマイセス
(Lipomyces )NKD-14がゲラニオールへのガラクトース
の転移作用が強く、最も好ましい。
【0014】これらのβ−ガラクトシダーゼを含有する
菌体を得るには、乳糖を含む培地でこれらの菌体を培養
すればよい。このときに用いる窒素源としては、例え
ば、ペプトン、カゼイン、コーンステイプリカー、肉エ
キス、酵母エキス等の有機窒素源や、硫安、塩化アンモ
ニウム、尿素等の無機窒素源等が挙げられる。
【0015】また、炭素源としてグルコース、ショ糖、
廃糖蜜等を用いて菌体を充分増殖させた後に、乳糖を添
加してさらに培養を続け、β−ガラクトシダーゼを充分
誘導させることにより、さらにガラクトース転移能の高
い菌体を得ることができる。本発明においては、このよ
うにして得られた菌体を、遠心、濾過等の方法により回
収し、洗浄したものを用いることができる。さらに、こ
れらの菌体を各種の固定化法により固定化したものも用
いることができる。
【0016】本発明において、反応時のゲラニオールの
濃度としては、0.1〜10重量%が適当であり、0.
5〜5重量%が好ましい。また、乳糖の濃度としては、
1〜20重量%が適当であり、5〜10重量%が好まし
い。このとき、ゲラニオールの溶解度を上げるために、
反応液に1〜99重量%のメタノール、アセトン、アセ
トニトリル等の有機溶媒を加えてもよい。
【0017】また、反応時のpHとしては、3〜9が適
当であるが、アスペルギルス オリーゼ(Aspergillus
oryzae)由来のβ−ガラクトシダーゼを用いる場合に
は、pH5〜7が好ましく、リボマイセスNKD-14を用い
る場合には、pH5〜6.5が好ましい。反応温度とし
ては、20〜60℃の範囲が適当であり、30〜50℃
の範囲が好ましい。さらに反応時間としては、使用する
酵素あるいは菌体量により適宜選べばよいが、目的とす
るゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドの生成量が最
大になるような時間を選べばよい。
【0018】このような方法によって製造したゲラニル
−β−D−ガラクトピラノシドは、シリカゲルクロマト
グラフィー、活性炭クロマトグラフィー、高速液体クロ
マトグラフィー等の、通常の分離方法で分離することが
できる。
【0019】本発明のゲラニル−β−D−ガラクトピラ
ノシドは、水溶解性及び保存安定性に優れているため、
例えば、徐放性の香料として、香水、オーデコロン、シ
ャンプー、リンス、石鹸、整髪料、洗口液、制汗剤、マ
ッサージ用粉末等の化粧料、清涼飲料、菓子、冷菓、乳
製品、酒類、肉、歯磨粉、煙草等の食品、衣料用、台所
用、住居用、風呂用等の芳香剤、紙おむつ、生理用ナプ
キン等の吸収性物品、入浴剤、洗剤等に使用することが
できる。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0021】実施例1 ゲラニオール5g(和光純薬工業社製、特級試薬)及び
乳糖25gを、40容量%のアセトニトリルを含む5m
Mのリン酸緩衝液(pH 7.0)500ミリリットル
に溶解し、これにアスペルギルス オリーゼ(Aspergil
lus oryzae)由来のβ−ガラクトシダーゼ(スミラクト
GLL、新日本化学社製)10000ユニットを加え
て、30℃で3時間反応させた。この反応液中のアセト
ニトリルをエバポレーターで減圧溜去した後、等容のク
ロロホルムで3回抽出した。抽出後の水層を減圧して水
層に含まれているクロロホルムを除去した後、この水溶
液をダイアイオン(DIAION)HP−20(三菱化
学社製)カラム(50ミリリットル)に通液した。この
カラムを1リットルの蒸留水で水洗した後、500ミリ
リットルのメタノールでゲラニオール配糖体を溶出させ
た。得られた溶出液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラ
ムに通液し、クロロホルム:メタノールが容量比で9:
1、8:2、7:3、6:4の溶液を用いて、ステップ
ワイズ法でゲラニオール配糖体を溶出した。溶出画分を
薄層クロマトグラフィー(TLC)で分析した後、ゲラ
ニオール配糖体を含む画分を減圧濃縮して、420mg
のゲラニオール配糖体を得た。このときの最終収率は
4.1%であった。
【0022】得られたゲラニオール配糖体の、炭素核磁
気共鳴吸収(13C-NMR )、紫外吸収スペクトル、融点を
測定したところ、次のような結果が得られた。
【0023】(1)炭素核磁気共鳴吸収(13C-NMR ) 重メタノール中でテトラメチルシランを標準物質として
添加し、バリアン社製のVXR−300を用いて測定し
た。その結果、14.5, 15.8, 24.0, 25.5, 38.8, 60.6,
64.4, 68.4, 70.6, 73.2, 74.8, 101.5, 119.8, 123.2,
130.6, 139.7ppmにシグナルが観察された。
【0024】(2)紫外吸収スペクトル 日立製作所社製の分光光度計(U−3210)を用いて
測定した。その結果、λmax はメタノール中で190〜
195nmであった。
【0025】(3)融点 110℃であった。
【0026】また、得られたゲラニオール配糖体をスミ
ラクトGLLと反応させたところ、ゲラニオールとガラ
クトースが生成した。
【0027】以上の結果から、上記で得られたゲラニオ
ール配糖体の構造は、ゲラニル−β−D−ガラクトピラ
ノシドであることが分かる。
【0028】参考例1(水溶解性の比較) 本発明のゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドと、ゲ
ラニオールの水への溶解性を以下のようにして測定し
た。すなわち、水温25℃の水に実施例1で得たゲラニ
ル−β−D−ガラクトピラノシド及びゲラニオール(和
光純薬工業社製、特級試薬)をそれぞれ溶解させたとこ
ろ、ゲラニオールはほとんど溶解しないのに対して、本
発明のゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドは11〜
12重量%まで溶解可能であった。この結果から、本発
明のゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドの水溶解性
は極めて高いことが分かる。
【0029】参考例2(保存安定性の比較) 本発明のゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドと、ゲ
ラニオールの保存安定性を以下のようにして測定した。
すなわち、実施例1で得たゲラニル−β−D−ガラクト
ピラノシド及びゲラニオール(和光純薬工業社製、特級
試薬)の0.1重量%水溶液を調整し、それぞれの50
ミリリットルを開放した容器(100ミリリットル容ビ
ーカー ,¢6cm)に入れて室温(25℃)に放置した。
これを、経日的にサンプリングし、溶液中の香料の残存
量を高速液体クロマトグラフィー(ウォーターズ社製L
Cモジュール1、カラム:ミリポア社製Puresil 5μC
18、溶媒:70容量%メタノール、流速:1.0ml/mi
n、検出:UV215nm )により定量した。その結果を表1
に示す。なお、表中の値は残存率(%)を示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1から、本発明のゲラニル−β−D−ガ
ラクトピラノシドの保存安定性が極めて高いことが分か
る。
【0032】参考例3(分解率及び香気の確認) 本発明のゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドの分解
率及び香気の発生を以下のようにして測定した。すなわ
ち、実施例1で得たゲラニル−β−D−ガラクトピラノ
シドの0.05重量%水溶液50ミリリットル(pH
4.5)に、β−ガラクトシダーゼ(スミラクトGL
L、5000ユニット/g、 新日本化学社製)を終濃
度0.001、0.005、0.01重量%となるよう
に加えて40℃で反応させた。反応開始後、0、1、1
0分にサンプルリングし、反応液中のゲラニル−β−D
−ガラクトピラノシドの分解率の分析を高速液体クロマ
トグラフィーにより上記の条件で行った。また、それと
併行してゲラニオールの香気の発現を官能評価により行
った。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2の結果から、本発明のゲラニル−β−
D−ガラクトピラノシドは、β−ガラクトシダーゼによ
り加水分解され、ゲラニオールの香気を発現しているこ
とが分かる。
【0035】実施例2 リボマイセスNKD-14(微工研菌寄第8948号)をラクトー
ス10重量%、グリセロール2重量%、酵母エキス0.
05重量%、硫酸アンモニウム0.5重量%、K2 HP
4 0.3重量%、MgSO4 ・7H2 O0.5重量%
を含む培地(pH 5.6)100ミリリットルを含む
500ミリリットル坂口フラスコで、30℃、3日間振
とう培養し、培養液を通常の方法で遠心分離して湿菌体
を得た。ゲラニオール1g(和光純薬工業社製、特級試
薬)及び乳糖5gを、40容量%のアセトニトリルを含
む5mMのリン酸緩衝液(pH 7.0)100ミリリ
ットルに溶解し、これに上記のようにして得られたリボ
マイセスNKD-14の湿菌体10gを加えて30℃で24時
間反応させた。得られた反応物を遠心して、菌体を除去
した後、上澄みを実施例1と同様にして精製し、85m
gのゲラニオール配糖体を得た。このときの最終収率は
4.1%であった。次に、実施例1と同様にして、この
ゲラニオール配糖体の構造等を確認したところ、実施例
1と全く同じものであることが分かった。
【0036】実施例3 スポロオロミセス シンギュラリスATCC24193 をラクト
ース10重量%、コーンスティプリカー1.5重量%を
含む培地(pH 6.0)100ミリリットルを含む5
00ミリリットル坂口フラスコで、28℃、3日間振と
う培養し、培養液を通常の方法で遠心分離して湿菌体を
得た。ゲラニオール1g(和光純薬工業社製、特級試
薬)及び乳糖5gを、40容量%のアセトニトリルを含
む5mMのリン酸緩衝液(pH 7.0)100ミリリ
ットルに溶解し、これに上記のようにして得られたスポ
ロオロミセス シンギュラリスATCC24193 の湿菌体10
gを加えて30℃で24時間反応させた。得られた反応
物を遠心して、菌体を除去した後、上澄みを実施例1と
同様にして精製し、72mgのゲラニオール配糖体を得
た。このときの最終収率は3.5%であった。次に、実
施例1と同様にして、このゲラニオール配糖体の構造等
を確認したところ、実施例1と全く同じものであること
が分かった。
【0037】参考例4 本発明のゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドを用い
て、下記に示す処方で、入浴剤を調製し、これを混和し
た後、乾燥させて、アルミ製ポリエチレンコーティング
した袋に1包90gずつ充填し密封して入浴剤を製造し
た。
【0038】 ゲラニル−β−D−ガラクトピラノシド(実施例1で合成したもの)1200g スミラクトGLL(新日本化学社製) 120g 硫酸ナトリウム 700g 塩化ナトリウム 200g 塩化カリウム 100g 無水マレイン酸 9.8g 炭酸水素ナトリウム 17g 着色料 適量 このようにして製造した入浴剤を38〜40℃の浴湯約
200リットルに投入し、その香気力価をパネラー6名
により以下の基準で評価した。その結果を表3に示す。
なお、表中の値は、6名の評価の平均値で示した。
【0039】評価基準 基準 香気力価 5 強い 4 やや強い 3 どちらでもない 2 やや弱い 1 弱い 0 無臭
【0040】
【表3】
【0041】表3から明らかなように、本発明のゲラニ
ル−β−D−ガラクトピラノシドをβ−ガラクトシダー
ゼと組み合わせて入浴剤に添加すると、香気が徐々に放
出され、香気が1時間以上持続することがわかる。
【0042】参考例5 市販の塩ボディーマッサージクリーム(赤穂化成社製
商品名 ソルティナ、推奨マッサージ時間:5分)10
gに、実施例1で合成したゲラニル−β−D−ガラクト
ピラノシド20mgを添加し、このようにして作製した
ボディマッサージクリームを室温25℃の条件下で、十
分に濡れた皮膚上でマッサージしながら、β−ガラクト
シダーゼ(スミラクトGLL、和光純薬社製)2mgを
添加した。添加後、ゲラニオールの香りが放出されるか
どうかを6名のパネラーによるパネルテストで調べた。
その結果を表4に示す。なお、評価基準等は参考例4と
同じである。
【0043】
【表4】
【0044】表4に示すように、本発明のゲラニル−β
−D−ガラクトピラノシドをβ−ガラクトシダーゼと組
み合わせてマッサージクリームに添加すると、ゲラニオ
ールの香りが徐放され、適切なマッサージ終了時期を香
気の放出により確認することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明のゲラニル−β−D−ガラクトピ
ラノシドは、極めて水溶解性が高く、かつ保存安定性に
優れているため、医薬品、食品、嗜好品等の分野での利
用範囲が拡大される。さらに、本発明のゲラニル−β−
D−ガラクトピラノシドは、安価で入手しやすいβ−ガ
ラクトシダーゼで加水分解してゲラニオールの香気を発
現することができるので、従来コストの面から、使用が
困難だった様々な用途、例えば、タバコ、ガム、紙おむ
つ、マッサージパウダー、入浴剤等にβ−ガラクトシダ
ーゼと共に徐放性香気成分として用いることができる。
【0046】また、本発明の製造方法によれば、このよ
うなゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドを安価に、
しかも高収率で製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式(1)で示されるゲラニル−
    β−D−ガラクトピラノシド。 【化1】
  2. 【請求項2】 ゲラニオールと乳糖又は乳糖含有物との
    混合物に、β−ガラクトシダーゼ又はβ−ガラクトシダ
    ーゼを含有する菌体を作用させることを特徴とする請求
    項1記載のゲラニル−β−D−ガラクトピラノシドの製
    造方法。
JP7000044A 1995-01-04 1995-01-04 ゲラニル−β−D−ガラクトピラノシド及びその製造方法 Pending JPH08188589A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007176893A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Kao Corp アルキルガラクトシドの製造方法
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