JPH08186833A - 投写型表示装置 - Google Patents

投写型表示装置

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JPH08186833A
JPH08186833A JP6326810A JP32681094A JPH08186833A JP H08186833 A JPH08186833 A JP H08186833A JP 6326810 A JP6326810 A JP 6326810A JP 32681094 A JP32681094 A JP 32681094A JP H08186833 A JPH08186833 A JP H08186833A
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JP
Japan
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gamma correction
liquid crystal
video signal
light
modulated
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Application number
JP6326810A
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English (en)
Inventor
Sei Miyashita
聖 宮下
Mamoru Kobayashi
守 小林
Keijiro Naito
恵二郎 内藤
Satoshi Hirashima
聡史 平島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Priority to PCT/JP1995/002697 priority patent/WO1996020569A1/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 入力映像信号の信号形態に左右されずに常に
適正かつ廉価で精度のよいガンマ補正を行い得る投写型
表示装置。 【構成】 投写型表示装置の3枚の液晶ライトバルブ9
25R、925G、925Bへの入力映像信号にガンマ
補正を施すガンマ補正回路2071は、フラッシュメモ
リ2063に展開されている液晶ライトバルブの透過率
−印加電圧特性に基づいたデジタルガンマ補正変換値に
従ったデジタルガンマ補正を行なう。補正後の映像信号
はアナログ変化されて、増幅・アナログガンマ補正回路
2082において、透過率が零側(黒レベル側)からの
3階調分の部分が直線近似によるアナログ補正を施され
る。したがって、廉価なガンマ補正回路を実現できる。
また、フラッシュメモリ2063には、入力映像信号の
方式に応じた異なるデジタルガンマ補正用の変換テーブ
ルが記憶され、映像信号方式に左右されない適切なガン
マ補正を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光源からの白色光束
を、赤、青、緑の3色光束に分解し、これらの各色光束
を液晶パネルから構成されるライトバルブを通して映像
情報に対応させて変調し、変調した後の各色の変調光束
を再合成して、投写レンズを介してスクリーン上に拡大
投写する投写型表示装置に関するものである。さらに詳
しくは、本発明はこのような投写型表示装置の液晶ライ
トバルブに供給される入力映像信号のガンマ補正に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】投写型表示装置は、基本的には、光源
と、ここから出射された白色光束を3原色の各色光束に
分離する色分離手段と、分離された各色の光束を変調す
る3枚の液晶ライトバルブと、これらの液晶ライトバル
ブを介して変調された各色の変調光束を合成する色合成
手段と、合成された変調光束をスクリーン上に拡大投写
する投写レンズとを備えた構成となっている。
【0003】一般に、3枚の液晶ライトバルブはマトリ
クス型液晶パネルである。この液晶パネルを用いて入力
映像信号に対応した投写画像を得るためには、液晶パネ
ルの透過率−印加電圧特性に基づき、入力映像信号に対
してガンマ補正を施す必要がある。ガンマ補正方法とし
ては、予めROM等に記憶させたデジタルガンマ補正値
のテーブルに基づき補正を行うデジタルガンマ補正方法
と、予め設定されたガンマ補正曲線に沿うように映像信
号にガンマ補正を施すアナログガンマ補正方法がある。
前者のデジタルガンマ補正方法は多段階の細かな補正値
を設定できるので、精度のよい補正を実現できる。これ
に対して、アナログガンマ補正方法は近似曲線に基づき
補正を施すものであるので、補正制御はデジタル式に比
べて大まかにである。しかし、アナログ式はデジタル式
に比べて安価に実現できるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、液晶パネルの
透過率−印加電圧特性曲線は、ブラウン管の明るさと印
加電圧の関係を示す特性曲線に比べて変則的なものであ
る。したがって、一般的にはデジタルガンマ補正が適し
ている。しかし、デジタルガンマ補正はアナログガンマ
補正に比べて高価であるという問題点がある。
【0005】また、例えば、図29における液晶のV−
T曲線にしたがって、映像信号に対して全体的にデジタ
ルガンマ補正を施こす場合には、透過率が零から100
%までの印加電圧を16階調に等分して行なわれる。こ
こで、透過率が零である黒側から白側にむけての3階調
分くらいの間では、図に示すように、V−T曲線の変化
率が急激である。したがって、この部分をデジタルガン
マ補正しようとすると、データ数が多く必要とする。こ
のため、全体として精度のよい補正を行うためには補正
データ量が多くなってしまう。
【0006】一方、入力映像信号としては、NTSC方
式、PAL/SECAM方式等の各種の形態のものがあ
る。したがって、定まったガンマ補正値を用いたガンマ
補正では、異なる形態の入力映像信号に適切な補正を施
すことができない。
【0007】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
比較的廉価な構成で、精度良く入力映像信号に対してガ
ンマ補正を施すことのできる投写型表示装置を提案する
ことにある。
【0008】また、本発明の課題は、入力映像信号の信
号形態に応じて適切なガンマ補正を施すことの可能な投
写型表示装置を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明においては、液晶パネルをライトバルブと
して用いてカラー表示を行う投写型表示装置において、
液晶ライトバルブに与えられる映像信号にガンマ補正を
施こすガンマ補正手段が、デジタルガンマ補正回路と、
アナログガンマ補正回路とを備えており、全階調につい
てデジタルガンマ補正を行うと共に、所定の階調範囲に
ついてはアナログガンマ補正もを行うようにしている。
【0010】また、本発明では、液晶ライトバルブに与
えられる映像信号にガンマ補正を施こすガンマ補正手段
が、入力映像信号の信号形態に応じて、異なるデジタル
ガンマ補正値に基づき入力映像信号に対してデジタルガ
ンマ補正を行うようになっていることを特徴としてい
る。
【0011】
【作用】入力映像信号は、例えば、全体がまずデジタル
ガンマ補正回路によってデジタルガンマ補正を施され
る。この後に、アナログガンマ補正回路によって、液晶
の印加電圧−透過率曲線における変化率の大きい部分に
対してアナログガンマ補正が再度施される。したがっ
て、全体としては精度が良く、しかもデジタルガンア補
正のみを行う場合に比べて廉価なガンマ補正が実現され
る。
【0012】また、本発明では、入力映像信号の信号形
態に応じて、異なるデジタルガンマ補正値を採用してガ
ンマ補正を行っているので、入力映像信号の信号形態に
左右されずに、常に適切なガンマ補正が実現される。
【0013】
【実施例】以下に、図面を参照して本発明の一実施であ
る投写型表示装置を説明する。
【0014】(全体構成)図1には本例の投写型表示装
置の外観を示してある。本例の投写型表示装置1は、直
方体形状をした外装ケース2を有している。外装ケース
2は、基本的には、アッパーケース3と、ロアーケース
4と、装置前面を規定しているフロントケース5から構
成されている。フロントケース5の中央からは投写レン
ズユニット6の先端側の部分が突出している。
【0015】図2には、投写型表示装置1の外装ケース
2の内部における各構成部分の配置を示してある。この
図に示すように、外装ケース2の内部において、その後
端側には電源ユニット7が配置されている。これよりも
装置前側に隣接した位置には、光源ランプユニット8お
よび光学レンズユニット9が配置されている。光学レン
ズユニット9の前側の中央には、投写レンズユニット6
の基端側が位置している。一方、光学レンズユニット9
の一方の側には、装置前後方向に向けて入出力インタフ
ェース回路が搭載されたインタフェース基板11が配置
され、これに平行に、ビデオ信号処理回路が搭載された
ビデオ基板12が配置されている。さらに、光源ランプ
ユニット8、光学レンズユニット9の上側には、装置駆
動制御用の制御基板13が配置されている。装置前端側
の左右の角には、それぞれスピーカ14R、14Lが配
置されている。光学レンズユニット9の裏面中央には冷
却用の吸気ファン15が配置され、光源ランプユニット
8の裏面側である装置側面には排気ファン16が配置さ
れている。そして、電源ユニット7における基板11、
12の端に面する位置には、吸気ファン14からの冷却
用空気流を電源ユニット7内に吸引するための補助冷却
ファン17が配置されている。
【0016】(外装ケースの構造)図1に示すように、
外装ケース2のアッパーケース3は、長方形の上壁3a
と、その前側を除く三方の辺からほぼ垂直に下方に延び
ている左右の側壁3b、3cおよび後壁3dから形成さ
れている。同様に、ロアーケース4は、長方形の底壁4
aと、その前側を除く三方の辺からほぼ垂直に起立して
いる左右の側壁4b、4cおよび後壁4dから形成され
ている。フロントケース5は、中央部分が僅かに前方に
凸状態に湾曲しており、この部分には環状リム5aが周
囲に形成された円形の開口5bが開いており、ここを通
って、投写レンズユニット6の前端側の部分が装置前方
側に延びている。アッパーケース3とロアーケース4と
は、左右の側壁におけるそれぞれ2箇所の位置で、固定
ねじ21a、21bおよび22a、22bにより相互に
連結されている(図16参照)。フロントケース5は、
上下からアッパーケース3およびロアーケース4によっ
て挟まれた状態で保持されている。
【0017】アッパーケース3の上壁3aには、その中
央の前方側の位置に、エアーフィルタカバー23が取付
けられている。このカバー23には多数の通気孔が形成
されており、この内側には、ここを介して外部から塵等
が侵入することの無いように、エアーフィルタ24が取
付けられている(図2(b)参照)。この上壁3aの前
方側の左右の端には、内蔵スピーカー14R、14Lに
対応した位置に多数の連通孔25R、25Lが形成され
ている。また、上壁3aの左側の端の部分には、操作ス
チッチ蓋26が取付けられている。この操作スイッチ蓋
26はその一方の端を中心として図1(c)に示すよう
に開閉できるようになっている。この蓋26を開くと、
その内部に配列された多数の操作スイッチ26aが露出
する(図17(b)参照)。
【0018】ロアーケース4の底壁4aには、内蔵され
ている光源ランプユニット8に対応する位置にランプ交
換蓋27が取付けられている。この交換蓋27は下壁4
aにねじ止めされており、ねじを緩めて蓋27を取外ず
れせ内蔵の光源ランプユニット8を交換することができ
る。この交換蓋27よりも前側の位置には、通気孔28
が形成されている。この通気孔28は、内蔵の冷却用の
吸気ファン15に対応した位置に形成されている。この
通気孔28の裏面側にもエアーフィルタ29(図2
(b)参照)が取付けられ、ここから塵等が内部に侵入
することを防止している。
【0019】底壁4aの前端の左右の角には、高さ調整
用フット31(31R、31L)が配置されている。こ
れらのフット31は、それを回すことにより高さの微調
整ができ、フロントケース5の両端の下側部分に突出し
ている高さ調整ボタン32(32R、32L)を操作す
ることにより、これらのフット31の高さを大まかに調
整(粗調整)できるようになっている。底壁4aの後端
側の中央には突起33が形成されており、この突起33
と、上記の2個のフット31とにより装置1は3点支持
された状態でテーブル等に設置される。なお、設置面に
凹凸がある場合等に装置ががたつくことの無いように、
底壁の後端側の両端にも補助突起34R、34Lが形成
されている。
【0020】一方、装置前面を規定しているフロントケ
ース5の右側の上端位置と、装置後面の上半部分を規定
しているアッパーケース3の後壁3dの中央位置には、
それぞれ、受光窓35F、35Rが配置されている。こ
れらの受光窓はリモートコントローラからの制御光を受
けるためのものである。このように本例では、装置の前
後に受光窓を形成してあるので、装置の前側および後ろ
の側のいずれの側からでも遠隔操作を行うことができる
ので便利である。
【0021】装置後面の下半部分を規定しているロアー
ケース4の後壁4dには、その左端の部位には、外部電
力供給用のACインレット36、および主電源スイッチ
37が配置されている。
【0022】装置の左側の側面には携帯用ハンドル38
が取付けられている。このハンドル38の2つの基端部
分38a、38bは、アッパーケース3およびロアーケ
ース4の側壁3b、4bの合わせ面の部分に回転可能に
取付けられている。アッパーケース側の側壁3bには、
ハンドル収納用の凹部3eが形成されており、ここにハ
ンドル38を収納できるようになっている。また、側壁
3bの上端部分には、装置の動作状態を表示するための
LED表示部39が配置されている。ロアーケース側の
側壁4bには、下端を中心として開閉可能な入出力用端
子蓋41が取付けられている。これを開けると、内部に
配置されている多数の入出力端子42が露出する(図1
7(a)参照)。
【0023】装置の反対側の側面を規定しているアッパ
ーケースおよびロアーケースの側壁3c、4cには、こ
れらの双方の渡る状態で、排気孔43が形成されてい
る。この排気孔43の裏面側にはエアーフィルタを介し
て冷却用の排気ファン16が位置している。
【0024】(光源ランプユニット)図2(a)および
図7を参照して、光源ランプユニット8について説明す
る。光源ランプユニット8は、光源ランプ801と、こ
れを内蔵しているほぼ直方体形状のランプハウジング8
02から構成されている。本例では、ランプハウジング
802は、インナーハウジング803とアウタハウジン
グ804の二重構造となっている。光源ランプ801
は、ハロゲンランプ等のランプ本体805と、リフレク
タ806から構成されており、ランプ本体805からの
光を光軸1aに沿って光学レンズユニット9の側に向け
て出射する。
【0025】アウタハウジング804は、光軸1a方向
の前面が開口となっており、ここには紫外線フィルタ8
09が取付けられている。光軸1a方向の裏面には、冷
却空気の通過用のスリット群807が多数形成されてい
る。インナーハウジング803は、光源ランプ801の
前面に取付けられており、出射光の通過部分は開口とな
っていると共に、外周部分には、冷却空気の通過孔80
8が多数形成されている。本例では、このインナーハウ
ジング803と光源ランプ801が一体に形成されてい
る。ランプ交換は、これらを一体のままで、着脱するよ
うに構成されている。
【0026】(光学レンズユニット)光学レンズユニッ
ト9は、その色合成手段を構成しているプリズムユニッ
ト910以外の光学素子が、図3(a)に示す形状をし
た上下のライトガイド901、902の間に上下から挟
まれて保持された構成となっている。これらの上ライト
ガイド901、下ライトガイド902は、それぞれ、ア
ッパーケース3およびロアーケース4の側に固定ねじに
より固定されている。また、これらの上下のライトガイ
ド板901、902は、プリズムユニット910の側に
同じく固定ねじによって固定されている。プリズムユニ
ット910は、ダイキャスト板である厚手のヘッド板9
03の裏面側に固定ねじよって固定されている。このヘ
ッド板903の前面には、投写レンズユニット6の基端
側が同じく固定ねじによって固定されている。したがっ
て、本例では、ヘッド板903を挟み、プリズムユニッ
ト910と投写レンズユニット6とが一体となるように
固定された構造となっている。このように剛性の高いヘ
ッド板903を挟み、これらの双方の部品が一体化され
ている。したがって、衝撃等が投写レンズユニット6の
側に作用しても、これらの双方の部材に位置ずれが発生
することが無い。
【0027】(光学系)ここで、本例に組み込まれてい
る光学系について説明する。図19には本例の投写型表
示装置1の光学系のみを示してある。本例の光学系は、
上記の光源ランプ805と、均一照明光学素子であるイ
ンテグレータレンズ921、922から構成される照明
光学系923と、この照明光学系923から出射される
白色光束Wを、赤、緑、青の各色光束R、G、Bに分離
する色分離光学系924と、各色光束を変調するライト
バルブとしての3枚の液晶ライトバルブ925R、92
5G、925Bと、変調された色光束を再合成する色合
成光学系としてプリズムユニット910と、合成された
光束をスクリーン上に拡大投写する投写レンズユニット
6から構成される。また、色分離光学系924によって
分離された各色光束のうち、青色光束Bを対応する液晶
バルブ925Bに導く導光系927を有している。
【0028】光源ランプ805としては、ハロゲンラン
プ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いる
ことができる。均一照明光学系923は、反射ミラー9
31を備えており、照明光学系からの出射光のの中心光
軸1aを装置前方向に向けて直角に折り曲げるようにし
ている。このミラー931を挟み、インテグレータレン
ズ921、922が前後に直交する状態に配置されてい
る。
【0029】色分離光学系924は、青緑反射ダイクロ
ックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー94
2と、反射ミラー943から構成される。白色光束W
は、まず、青緑反射ダイクロイックミラー941におい
て、そこに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが
直角に反射されて、緑反射ダイクロイックミラー942
の側に向かう。赤色光束Rはこのミラー942を通過し
て、後方の反射ミラー943で直角に反射されて、赤色
光束の出射部944からプリズムユニット910の側に
出射される。ミラー941において反射された青および
緑の光束B、Gは、緑反射ダイクロイックミラー942
において、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光
束の出射部945から色合成光学系の側に出射される。
このミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束の
出射部946から導光系の側に出射される。本例では、
均一照明光学素子の白色光束の出射部から、色分離光学
系924における各色光束の出射部944、945、9
46までの距離が全て等しくなるように設定されてい
る。
【0030】色分離光学系924の各色光束の出射部9
44、945、946の出射側には、それぞれ集光レン
ズ951、952、953が配置されている。したがっ
て、各出射部から出射した各色光束は、これらの集光レ
ンズ951、952、953に入射して平行化される。
【0031】このように平行化された各色光束R、G、
Bのうち、赤色および緑色の光束R、Gは液晶ライトバ
ルブ925R、925Gに入射して変調され、各色光に
対応した映像情報が付加される。すなわち、これらのラ
イトバルブは、不図示の駆動手段によって映像情報に応
じてスイッチング制御されて、これにより、ここを通過
する各色光の変調が行われる。このゆな駆動手段は公知
の手段をそのまま使用することができる。一方、青色光
束Bは、導光系927を介して対応する液晶ライトバル
ブ925Bに導かれて、ここにおいて、同様に映像情報
に応じて変調が施される。本例のライトバルブは、例え
ば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用い
たものを使用できる。
【0032】導光系927は、入射側反射ミラー971
と、出射側反射ミラー972と、これらの間に配置した
中間レンズ973と、液晶パネル925Bの手前側に配
置した集光レンズ973から構成される。各色光束の光
路長、すなわち、光源ランプ805から各液晶パネルま
での距離は緑色光束Bが最も長くなり、したがって、こ
の光束の光量損失が最も多くなる。しかし、導光系92
7を介在させることにより、光量損失を抑制できる。よ
って、各色光束の光路長を実質的に等価にすることがで
きる。
【0033】次に、各液晶パネル925R、G、Bを通
って変調された各色光束は、色合成光学系910に入射
され、ここで再合成される。本例では、前述のようにダ
イクリックプリズムからなるプリズムユニット910を
用いて色合成光学系を構成している。ここで再合成され
たカラー映像は、投写レンズユニット6を介して、所定
の位置にあるスクリーン上に拡大投写される。
【0034】ここで、本例の光学系においては、上記の
構成に加えて、1/2波長板を、各色の光束の経路に配
置して、各色の光束をS偏光に揃えることが好ましい。
このようにS偏光のみを利用できるようにすると、P偏
光およびS偏光が混在しているランダム偏光をそのまま
利用する場合に比べて、ダイクロイックミラーでの色分
離性が改善される。また、導光系927はミラーを用い
て光束を反射しているが、S偏光はP偏光に比べて反射
率が良いので、光量損失等を抑制することができるとい
う利点もある。
【0035】(プリズムユニット910)次に、プリズ
ムユニット910は、三角柱状の4個の屈折率の同じプ
リズムを貼り合わせることにより、正方形断面の角柱状
にしたものであり、各貼り合わせ面には誘電体膜が形成
されて所望の光学特性が付与されている。
【0036】これらの4個のプリズムを正確に貼り合わ
せないと、得られたプリズムユニット910を介して合
成された各色の画像がスクリーン上で揃わなくなり、画
質が低下してしまう。例えば、図20に示すように、貼
り合わせ面が段差ができるとこのような弊害が発生す
る。各プリズムを正確に貼り合わせるための方法として
は、図21に示すように、4個のプリズム910a、9
10b、910cおよび910dのうち、一対のプリズ
ム910a、910bをまず、段差を付けて貼り合わせ
ると共に、残りの一対のプリズム910c、910dも
同様に、段差を付けて貼り合わせ、しかる後に、これら
の段差面910e、910fを位置合わせ面として利用
して、各対のプリズムを貼り合わせるようにしている。
【0037】しかし、この方法では、一方向の位置合わ
せはできるが、これに直交する方向の位置合わせができ
ない。そこで、本例のプリズムユニット910は、次の
ようにして、4個のプリズムを正確に貼り合わせるよう
にしている。図22に示すように、プリズム910cを
最も長くし、プリズム910b、910dを最も短く
し、残りのプリズム910aを中間の長さに設定する。
最も長いプリズム910cと、最も短いプリズム910
dとを、上下に段差のある状態で貼り合わせる。同様
に、中間の長さのプリズム910aと最も短いプリズム
910bとを上下に段差のある状態で貼り合わせる。こ
の後に、最も長いプリズム910cと中間の長さのプリ
ズム910aとが上端側に段差が付いた状態となるよう
に、各対のプリズムを貼り合わせる。
【0038】このように貼り合わせて得られるプリズム
ユニット910においては、位置合わせ面として、従来
と同様な位置合わせ面910e、910fの他に、下端
側にもこれに平行な位置合わせ面910g、910iが
形成される。さらには、これらの位置合わせ面に直交す
る位置合わせ面910jが上端側に形成される。したが
って、これらの面に治具をあてがって、4個のプリズム
を正確に貼り合わせることができる。
【0039】また、このように貼り合わせた本例のプリ
ズムユニット910は、プリズム910cの上端に形成
されている直交する位置合わせ面910fおよび910
jを利用して、次のように光学レンズユニット9の所定
の取付け位置に取り付けることにより、正確にその位置
決めを行うようにしている。
【0040】すなわち、本例では、プリズム固定板91
1として図23に示す形状の樹脂製のものを使用してい
る。この固定板911の表面には、上記のプリズム91
0cの上端の面910jが丁度嵌まり込む深さの直角二
等辺三角形の取付け溝911aが形成されている。この
溝の底面911bに対して、プリズム910cの上端面
910kが接着固定される。溝の直交する一対の側面9
11c、911dに、それぞれプリズム910cの位置
合わせ面910j、910fを押しつけることにより、
プリズムユニット910の中心が正確に位置決めされる
ので、プリズムユニット910は正確な位置に取付けら
れる。
【0041】本例では、プリズム固定板911が複数本
の固定ねじにより、ヘッド板903の底壁92に固定さ
れ、この上面にプリズムユニット910が取付けられた
構造となっている。
【0042】(光ストローク等の防止機構)次に、本例
のプリズムユニット910においては、ライトバルブ9
25Rを通過した変調光束が入射するプリズム面に赤色
光束は通過するが、青色光束を吸収遮断するガラスフィ
ルタ912を貼り付けておくことが好ましい。すなわ
ち、図24に示すように、プリズムユニット910の赤
色変調光束の入射面910Rに、ガラスフィルタ912
を貼り付けておく。各ライトバルブ925R,G、Bを
通過した各色の変調光束は、プリズムユニット910内
を通過して、そのX状の反射面で反射されて、投写レン
ズユニット6の側に出射される。しかし、各色の僅かの
量の光は、反射面で反射せずにそのまま通過して、プリ
ズムユニット910を挟み対峙している液晶ライトバル
ブの側に到る。例えば、青色の変調光束が青反射面を通
過して赤色のライトバルブ925Rの裏面からここに入
射してしまうことがある。逆に、赤色の変調光束が赤反
射面を通過して青色のライトバルブ925Bの裏面から
ここに入射してしまうことがある。さらには、緑色の変
調光束が、プリズムユニット910内を通過せずに、赤
色のライトバルブ925Rの側に反射されてしまうこと
がある。このように裏面側から液晶ライトバルブに光が
入射すると、その液晶パネルが誤動作する等の悪影響が
出るおそれがある。特に、短波長側の光である青色の光
によるこのような影響が特に大きい。そこで、上記のよ
うに、プリズムユニット910における赤色変調光束の
入射面910Rに、ガラスフィルタ912を貼り付け
て、青色光束が裏面側から液晶ライトバルブ925Rに
入射することを防止すれば、このような弊害を回避する
ことができる。
【0043】なお、上記のフィルタ912に加えて、青
色の変調光束の入射面の側にも、赤色光束を吸収するフ
ィルタを取り付けてもよい。
【0044】(電源ユニット)電源ユニット7は、図2
に示すように、金属製のシールドケース701の内部に
各構成素子が内蔵され、この部分で発生する電気的、磁
気的ノイズが外部に漏れることを防止してある。シール
ドケース701は、装置の外装ケース2の左右の側壁に
渡る大きさであり、左端の部分は、装置前方側に向けて
一定の幅で突出した平面形状をしている。すなわち、こ
の突出部分702の前方には、光学系ブロック9の均一
照明系の反射ミラー931が装置前後方向に対して45
度の角度で配置されている。この裏面側の空間はとかく
デットスペースになり易い。本例では、この空間703
を有効利用するために、シールドケース701をこの空
間703の側に突出させて突出部分702を形成し、電
源ユニットの構成部品の配置空間を確保している。
【0045】電源ユニット7のシールドケース701
は、矩形の中空断面をしており、その剛性は他の部分に
比べて一般的に高い。このケース701の底面側は、複
数本の固定ねじによって、ロアーケース4の底部4aに
固定されている。また、その上面側は、同じく複数本の
固定ねじによって、アッパーケース3の上壁3aに固定
されている。このように、本例では、装置後端側におい
ては、アッパーケース3およびロアーケース4を、剛性
の高いシールドケース701に固定してあるので、装置
後端部分の外装ケースは、一体性が高く、また剛性も高
くなっている。
【0046】ここで、電源ユニット7は、装置内に配置
されている他の部品に比べて、重量が大きい。この電源
ユニット7と共に装置内において重量の大きい部品は、
ヘッド板903の前後に固定したプリズムユニット91
0および投写レンズユニット6である。本例では、図2
から良く分かるように、電源ユニット7を装置後端にお
いて横長の状態に配置してある。また、電源ユニット7
の各構成素子の配置を適切に設定することにより、その
重心が、装置の幅方向の中央に位置するように調整して
ある。これに対して、装置前端側においては、その中央
にプリズムユニット910と投写レンズユニット6が配
置されている。したがって、本例においては、装置の重
心位置が、ほぼ装置の幅方向および前後方向の中心に位
置するようになる。この結果、携帯用ハンドル38を引
出して、図25に示すように装置左側が上に向いた姿勢
で装置を持ち運んでいる際に、誤って装置を落下させて
も、装置は、その中心が前後左右の中央に位置している
ので、その姿勢のまま落下することになる。装置の重心
位置が前後あるいは左右に片寄った位置にあると、装置
は重心の側に倒れながら落下する。このように落下する
と、装置の外装ケースの角の部分が床面等に最初に衝突
するので、局部に過大な衝撃力が作用して、その部分が
破損するおそれが極めて高い。しかしながら、本例で
は、装置はそのまま前後、左右に倒れることなく落下す
るので、下側の装置右側面が全体としてほぼ同時に床面
等に衝突し、局部的な破損が発生するおそれが極めて低
いという利点がある。
【0047】さらに、電源ユニット7は従来において
は、その底面あるいは上面の側を外装ケース2の側に固
定しているのみである。しかし、本例では、図2(b)
から分かるように、電源ユニット7の装置上下方向にお
ける重心位置に対応する高さ位置の所でも、固定ねじ7
04によって、外装ケース2の側に固定している。本例
では、ロアーケース4の後壁4dに固定している。この
結果、装置に前後方向の振動が加わった場合に、電源ユ
ニット7の前後の揺れが効果的に防止される。
【0048】一方、本例の電源ユニット7では、ここか
ら各駆動部分への電力供給路等を可能な限り短くするこ
とにより、ノイズ発生源であるリード線を可能な限り短
くし、これによりノイズの発生を抑制するようにしてい
る。まず、ACインレット36および主電源スイッチ3
7は、電源ユニット7のシールドケース701の後側面
に対して直接に固定してある。したがって、これらの各
部分から電源ユニット7まで引き回されるリード線を省
略できる。
【0049】また、装置裏面に取り付けたランプ交換蓋
27の開閉に連動するインターロックスイッチ710も
電源ユニット7のシールドケース701の前側面に一体
的に取り付けてある。すなわち、図2に示すように、イ
ンターロックスイッチ710は、シールドケース突出部
分702の装置右側に僅かに離れた部分に取付けられて
いる。このスイッチ710の動作部分711は下方に向
いており、ここが、交換蓋27の上面から垂直に延びる
作動突起271によって常に上方に押し上げられてい
る。この状態では、インターロックスイッチ710はオ
ン状態にある。これに対して、交換蓋27を外した状態
では、スイッチ710の動作部分が下方に移動して、ス
イッチはオフ状態に切り換わる。このように、従来にお
いては電源ユニット7から離れた位置にあったスイッチ
710を電源ユニットのシールドケース701の側面に
固定して、そこまでのリード線を短くしてある。
【0050】さらには、本例の電源ユニット7において
は、装置前側に隣接配置されているランプユニット8の
駆動回路であるバラスト回路部分720を、ランプユニ
ット8と同一の側に配置してあり、ここからランプユニ
ット8までのリード線を極力短くするようにしてある。
【0051】このように、本例においては、電源ユニッ
ト7から引き出されて各駆動部分に到る電力供給路を極
力短くしてあるので、従来に比べて、ノイズ源が少なく
なり、ノイズ発生を抑制することができる。
【0052】(基板の配置)図11、図12および図1
3を参照して、インタフェース基板11、ビデオ基板1
2および制御基板13の配置について説明する。まず、
制御基板13は、図16に示すように、アッパーケース
3の上壁3aの下側位置においてこれと平行に配置さ
れ、外周縁の複数の箇所で固定ねじにより、アッパーケ
ース3の側に固定されている。この基板13は、光学系
ブロック9および光源ランプユニット8の上面を覆う形
状をしている。また、プリズムユニット910の直上部
分は矩形に切りかかれた形状となっている。この基板1
3の装置左側の端部には、装置上面の左側の端に配列さ
れている操作スイッチ群26aに対応する接点が配列さ
れている。
【0053】図13から分かるように、インタフェース
基板11はロアーケース4の底壁4aよりも僅かに高い
位置において平行に配置されている。また、ビデオ基板
12は、このインタフェース基板11の表面側から装置
上下方向に起立した姿勢で、装置左側の側壁に平行に配
置されている。これらの2枚の基板11、12は、ロア
ーケース4の底壁4aに固定した基板固定金具111に
よって支持されている。また、基板固定金具111の上
端にはシールド板112が取付けられており、このシー
ルド板112の上端側は、ビデオ基板12の上端まで延
びている。したがって、これらの2枚の基板11、1
2、シールド板112および基板固定金具111によっ
て、これらの間にシールド空間が区画形成されている。
したがって、これらの間に配置されている電気素子、電
子素子から発生したノイズが外部に漏れることが防止さ
れる。
【0054】ここで、各基板間の電気的接続は次のよう
になっている。まず、インタフェース基板11の表面に
は、ビデオ基板12の側とのコネクタ113が配置され
ている。ビデオ基板12の下端側の表面には、このコネ
クタ113に差し込み接続可能なコネクタ114が配置
されている。同様に、ビデオ基板12の上端側の表面に
は制御基板13の側とのコネクタ115が配置されてい
る。制御基板13の裏面には、このコネクタ115に差
し込み接続可能なコネクタ116が配置されている。し
たがって、図13に示すように、各基板11、12、1
3を配置した状態においては、相互の対応するコネクタ
同志が接続した状態になる。
【0055】このように、本例では、各基板間の接続が
リード線等を引き回すことなく形成されている。したが
って、ノイズ発生源が少なく、ノイズの発生を抑制する
ことができる。
【0056】さらに、本例では、図11から分かるよう
に、制御基板13の外周縁の角の部分を、固定ねじを用
いて、外装ケース2の側、すなわち接地側に固定してあ
る。このような角の部分は、ノイズ発生が起こり易い部
分である。しかし、本例のようにこのような部分を接地
することにより、ノイズの発生を抑制することが可能と
なっている。
【0057】(ヘッド板の部分の構造)図4、図6を主
として参照してヘッド板903の形状を説明する。ヘッ
ド板903は、装置の幅方向に向けて垂直な姿勢で延び
る垂直壁91と、この垂直壁91の下端から水平に延び
る底壁92から基本的に構成されている。垂直壁91
は、図8に示すように、表面に縦横に補強リブ91aが
多数本形成されて面外剛性が高い壁であり、その中央部
分には、プリズムユニット910からの出射光が通過す
るための矩形の開口91bが形成されている。また、こ
の垂直壁91には、プリズムユニット固定ねじのねじ孔
91cが形成されていると共に、投写レンズユニット6
の基端側を固定するためのねじ孔91dが形成されてい
る。図4から分かるように、垂直壁91の前面側の表面
には投写レンズユニット6の基端側が固定され、その後
面側の表面にはプリズムユニット910固定される。
【0058】このように、剛性の高い垂直壁91を挟
み、位置合わせした状態で、プリズムユニット910お
よび投写レンズユニット6が固定されるので、これらの
一体性は高く、衝撃力等が作用しても、相互の位置ずれ
が発生するおそれは極めて少ないという利点がある。
【0059】ヘッド板903の底壁92の裏面には、冷
却ファン15が取付けられている。この底壁92には、
冷却用空気を流通させるための連通孔(図示せず)が形
成されている。
【0060】ここで、図2(b)および図4(a)から
分かるように、ヘッド板903の垂直壁91の上端およ
び下端には、それぞれ、アッパーケース3およびロアー
ケース4への取付け部91e、91fが形成されてい
る。これらの部分が固定ねじによって、それぞれアッパ
ーケース3およびロアーケース4の側に固定される。
【0061】このように、本例においては、前述したよ
うに、アッパーケース3およびロアーケース4は、その
後端側の部分が電源ユニット7に固定され、前端側の部
分がヘッド板903に固定されている。このように、前
後において剛性の高い部分に固定されているので、アッ
パーケース3およびロアーケース4の一体性、剛性が高
くなる。よって、耐衝撃性の改善され、落下等により破
損が起きることが少なくなる。
【0062】(冷却機構)次に、図7、図8、図9およ
び図10を参照して、本例の投写型表示装置1における
各発熱部分の冷却機構について説明する。
【0063】本例の装置1における基本的な冷却用空気
の流れは、平面的には、図8に示すような経路となる。
装置1の底壁4aに形成した通気孔28を通って外部か
ら冷却用吸引ファン15によって吸引された空気は、光
学レンズユニット9の内部を通過して、装置の右側面に
配置されている排気ファン16によって、再び外部に排
出される。主要な空気流の流通経路は図8において太線
で示してあるように、その一部の空気流1100は、平
面的に見て、光学レンズユニット9を通過して、直線に
排気ファン16に至り、ここを通過して外部に排出され
る。
【0064】別の空気流1120は、光学レンズユニッ
ト9から光源ランプユニット8の前面側から、そのアウ
タハウジング804に形成されている通気孔804a、
およびインナーハウジング803に形成されている通気
孔808を介して、その内部に入り込む。ここを通過し
た後は、裏面側の排気口807を通過して、その裏側の
排気ファン16を介して外部に排出される。
【0065】これに対して、別の空気流1130は、光
学レンズユニット9を介して、電源ユニット7の端に取
り付けてある補助吸引ファン17によって吸引されて、
電源ユニット7の内部に引き込まれ、この内部を通過し
て他端側から排気ファン16によって吸引されて外部に
排出される。
【0066】図9には、電源ユニット7の内部を通過す
る空気流1130の流通経路の立体的な流れを示してあ
る。この図に示すように、空気流1130は、吸引ファ
ン15によって外部から吸引された後に、光学レンズユ
ニット9における各ライトバルブ925R、G、Bの入
射側および出射側の表面に沿って上方に吹き上げられ、
上ライトガイド901に開けた通気孔を通って、この上
面とアッパーケースの上壁3aの裏面の間に入りこみ、
これらの間に沿って横方向の流れる。次に、上ライトガ
イド901に開けた通気孔を通って、均一照明光学素子
であるインテグレターレンズ921、922が配置され
ている光学レンズユニット9の部分を降下して、下ライ
トガイド902に開けた通気孔からその下側に回り込
み、しかる後に、吸引ファン17を介して電源ユニット
7の内部に導入される。この後は、排気ファン16の側
に流れ、ここを介して外部に排出される。
【0067】このように、本例では、補助の排気ファン
17を配置して、強制的に電源ユニット7の内部に冷却
用空気流を導入している。したがって、発熱源である電
源ユニットの内部を効果的に冷却することができる。
【0068】図7には、光源ランプユニット8を通過し
て流れる空気流1120の立体的な流れを示してある。
この図に示すように、空気流1120は、上ライトガイ
ド901とアパーケース上壁3aの裏面の間に沿って流
れて、光源ランプユニット8の出射側の前端上部に至
る。ここから光源ランプユニット8の各構成部分の表面
に沿って流れて、後ろ側の排気ファン16に到る。すな
わち、空気流1120は、アウターハウジング804の
内外の表面に沿って流れると共に、インナーハウジング
803の内外の表面に沿って流れる。さらには、リフレ
クタ806の表面に沿って流れる。
【0069】このように、本例では、光軸に沿って光源
ランプユニット8の前端側から後ろ側に向けて空気流1
120が形成されて、ランプ805、リフレクタ806
等の発熱源の周囲が効率良く冷却される。
【0070】次に、本例では、図9、10から分かるよ
うに、アッパーケースの上壁3aの側にも、通気孔24
が形成されている。したがって、例えば、吸気ファン1
5の通気孔28に取り付けたフィルタ29に目詰まりが
発生して、ここを介して充分な外気を導入できなくなっ
た場合には、次のように、上側の通気孔24から外気が
導入される。図10に示すように、下側の通気孔28が
詰まると、内部が負圧状態となるので、上側の通気孔2
4から外気が導入され、太線1140で示すような空気
流が発生する。この空気流1140は通気孔24から導
入されて下側の吸気ファン15に吸引され、ここを介し
て再び上方に吹き上げられる。一部は循環流となって吸
気ファン15を介して循環する(勿論、このような循環
流は下側の通気孔28に目詰まりが起きていない正常な
場合でも発生している。)。それ以外の空気流は、上述
したような各空気流1110、1120、1130とし
て各部分を通過して流れて、排気ファン16から外部に
排出される。
【0071】ここで、下側の通気孔28の目詰まり時に
上側の通気孔24からの外気の導入を効果的に行うこと
ができるように、吸気ファン15の周囲には、封止板1
150を取り付けてある。この封止板1150は、通気
孔24に対応する部分には通気口が開いているが、その
周囲は、下ライトガイド902、ヘッド板の底壁92の
裏面に密着されている。従って、図10に示すような循
環流が効率良く形成される。すなわち、上側の連通孔2
4からの外気の導入が効果的に行われる。
【0072】このように、本例では、連通孔24を設け
てあるので、吸気ファン15の側の外気導入用の連通孔
28が詰まった場合でも、装置内部の冷却を支障なく行
うことができる。また、封止板1150を取り付けてあ
るので、このような目詰まり状態において、吸気ファン
15から離れた通気孔24からの外気の導入を効率良く
行うことができる。
【0073】(ライトバルブの位置決め機構)次に、図
4、図5を参照して、本例の液晶ライトバルブ925
R、G、Bの位置決め機構について説明する。これら3
枚のライトバルブの位置決め機構は同一であるので、一
つのライトバルブ925Rの位置決め機構について説明
する。
【0074】ライトバルブ925Rが取付けられたライ
トバルブブロック1200は、ヘッド板903の底壁9
2の上面に固定されている。このライトバルブブロック
1200は、この底壁92に取付けられる下調整板12
10を有している。この下調整板1210には、左右一
対の長孔1211、1212が形成されており、これら
は光路方向に長い形状となっており、これらを介して、
固定ねじ1213、1214によってヘッド板の底壁9
2に固定されている。
【0075】この下調整板1210の上面には、光路に
垂直となる状態でフォーカス調整板1220が取付けら
れている。このフォーカス調整板1220は、垂直壁1
221と、この下端から水平に光路上流側に延びる底壁
1222と、垂直壁1221の上端から水平に光路下流
側に延びる上壁1223を備えている。底壁1222の
中心にはダボ1224が形成され、これが下調整板12
10によって回転可能に支持されている。よって、フォ
ーカス調整板1220はこのダボ1224を通る垂線を
中心として左右に旋回可能である。底壁1222は、一
対の固定ねじ1225によって下調整板1210の側に
固定されている。一方、フォーカス板1220の上壁1
223は、固定ねじ1226によって、プリズムユニッ
ト910の上面を覆うカバー910aに固定されてい
る。このねじ1226のねじ孔1227はねじ1226
よりも大きな寸法に設定されており、したがって、ねじ
1226を緩めれば、フォーカス調整板1220の位置
を前後左右に僅かに移動させることが可能となってい
る。また、この上壁1223の先端部分にはノッチ12
28が形成されている。プリズムユニットカバー910
aの側には、このノッチ1228に対して所定の間隔で
対峙する位置にもノッチ910bが形成されている。フ
ォーカス板1220を取り付けた状態においては、これ
らのノッチの間には、マイナスドライバー等の刃先を差
し込み可能な差し込み溝1229が形成される。固定ね
じ1226等を僅かに緩めた状態で、この差し込み溝1
229にドライバー等の刃先を差し込んで回転すると、
フォーカス調整板1220は、プリズムユニット910
に対して、ダボ1224を中心として垂線回りに旋回す
ると共に、光路方向(前後方向)にも移動する。
【0076】このように光路方向に沿って前後に移動可
能なフォーカス板1220の垂直壁1221には、これ
と平行な状態で垂直調整板1230が支持されている。
すなわち、垂直壁1221の上下には垂直調整板支持部
が形成され、これらの間に垂直調整板1230が挟まれ
ている。この垂直調整板1230の下端はアイライメン
トばね1231を介してフォーカス板1220の下端側
に支持され、上端側は、フォーカス板1220に取り付
けた左右一対のアライメント調整ねじ1232、123
3によって下方に押されている。したがって、この一対
の調整ねじ1232、1233のねじ込み量を調整する
ことにより、垂直調整板1230をフォーカス板122
0に対して相対的に上下に移動させることができる。
【0077】この垂直調整板1230には、これと平行
な状態で水平調整板1240が支持されている。この水
平調整板1240は、左右の一方の側にアライメント調
整ばね1241で押され、他方の側は1本のアライメン
ト調整ねじ1242によって押されている。したがっ
て、このねじ1242のねじ込み量を調整することによ
り、水平調整板1240を垂直調整板1230に対して
横方向に相対移動させることができる。この水平調整板
1240の中央部分に、液晶ライトバルブ925Rが取
付けられたライトバルブユニット1250が固定されて
いる。
【0078】この構成のライトバルブブロック1200
は、これをヘッド板底壁92に固定した後には、下調整
板1210を光路方向に沿って前後に調整すると共に、
フォーカス板1220をダボ1224を中心として垂線
の回りに旋回することにより、ライトバブル925Rの
フォーカス位置、すなわち光路方向の位置決めを簡単に
行うことができる。また、垂直調整板1230、水平調
整板1240を上下、左右に移動させることにより、ラ
イトバブル925Rのアライメント調整を行うことがで
きる。
【0079】ここで、本例のライトバブルブロック12
00においては、3枚の板、すなわち、フォーカス調整
板1220、垂直調整板1230および水平調整板12
40は、左右の略中央部分、上端の中央部分の合計3箇
所の位置で、U字状の調整板固定ばね1260によって
固定されている。従来のように、これらの3枚の板を、
固定ねじによって固定している場合とは異なり、フォー
カス合わせ等を行う際に、固定ねじを緩める等の操作が
不要であり、固定ばね1260を取り付けたまま調整す
ることができるという利点がある。また位置決めを行っ
た後に、従来のように固定ねじを締め付けて3枚の板を
固定すると、締め付け動作によって、折角調整した3枚
の板がずれてしまうおそれがあるが、本例では、このよ
うな操作が不要なので、調整後に3枚の板がずれるおそ
れはない。しかるに、位置決め後に、3枚の板を完全に
一体化するために、本例では、3枚の板の上端部分に、
接着剤溜1270を形成してある。この接着剤溜127
0には、3枚の板の位置合わせが終わった後に、接着剤
を流しこみ、これらを接着固定する。
【0080】(高さ調整用フットの構造)図14、15
には、それぞれ、高さ調整用フット31R、31Lを示
してある。これらの双方のフットは同一形状であり、そ
の高さ調整機構も同一であるので、一方のフット31L
について説明する。このフット31Lは、装置のフロン
トケース5の下端から露出している円盤状のフット本体
311と、この上端から同軸状態に延びるシャフト31
2を有している。シャフト312は、ロアーケース4に
固定支持されているフットアジャスタ板313によって
上下に移動可能な状態で支持されており、その外周には
ほぼ全長に渡って雄ねじ317が形成されている。
【0081】フロントケース5の下端から前方に露出し
ているフットストッパーボタン32Lの裏面側には、板
状のフットストッパ314が一体形成されている。この
フットストッパー314には上記のシャフト312が貫
通している貫通部315が形成されている。さらに、フ
ットストッパばね316によって、常に、フットストッ
パ314は装置前方側に向けて押されている。したがっ
て、このフットストッパ314の前側のボタン32Lは
常にフロントケース5から前方に突出した状態に保持さ
れている。この状態においては、フットストッパ314
の貫通部315の内周面の一部分がシャフト312の外
周面に所定の圧力で当たっている。この貫通部の内周面
には、シャフトの雄ねじ317に螺合可能な雌ねじ31
8が形成されている。
【0082】この構成の高さ調整用フット31Lは、ば
ね316によって上下の移動が禁止されている。しかる
に、ボタン32Lをばね力に抗して押し込むと、そのフ
ットストッパ314がシャフト312から外れる。この
結果、フット31Lはフットアジャスタ板313に沿っ
て上下に自由に移動可能となる。したがって、装置1を
両手で持ち上げて、左右のボタン32L,Rを押せば、
フット31L、31Rは自重により落下するので、フッ
トを所定の長さだけ引き出すことができる。この後は、
フットが目標とする長さだけ引き出された状態でボタン
32L,Rを離せば、フットはその位置に固定される。
【0083】この後は、フット自体を旋回させると、そ
のシャフト312が、ストッパ314の側のねじ318
に沿って上下に微小移動する。したがって、ボタン32
L、Rを押して大まかに調整したフット31L,Rの長
さを、フット自体を回転させることにより、微調整する
ことができる。このようにして、本例では、装置1の前
端側の高さ調整を簡単な操作により、しかも短時間で行
うことができ、装置1を希望の傾斜角度に設定すること
ができる。
【0084】(ハンドル取付け構造)図17を参照し
て、ハンドル38の取付け構造を説明する。ハンドル3
8は、装置1の側面に形成されたハンドル収納用凹部3
eに収納されている。ハンドル38はその一対の下端部
分38a、38bを中心として旋回して、横に引き出し
た状態にできる。本例では、ハンドルの回転軸381の
軸受け部分が、アッパーケースの側壁3bと、ロアーケ
ース側壁4bを組み合わせることにより形成されるよう
になっている。また、ハンドルの下端部分38a、38
bの周面には、僅かに突出した突出面383が形成され
ている。この突出面383によって、ハンドル38は図
17(a)の実線で示す収納位置と、想像線で示す引出
し位置に、所定の拘束力で固定されるようになってい
る。
【0085】(制御系)図25は本例の投写型表示装置
1の制御系の概略ブロック図を示してある。図に示すよ
うに、インタフェース回路基板11上の形成されている
インタフェース回路を介して、ビデオ信号が外部から入
力される。通常のビデオ信号入力端子であるビデオ入力
端子2011、SVHF信号の入力端子2012、コン
ピュータ出力R,G,B信号入力端子2013からのビ
デオ信号は、それぞれADコンバータ2015、201
6、2017を介してAD変換される。ビデオ入力端子
2011、2012からの入力ビデオ信号は、AD変換
後にデジタルデコーダ2021を介してデコードされて
VRAMコントローラ2031が搭載されている制御ブ
ロック2030に供給される。
【0086】デジタルデコーダ2021は、ビデオ信号
をRGBの各8ビットの映像信号に変換し、変換誤の映
像信号をVRAMコントローラ2030に出力する。ま
た、入力されたビデオ信号の信号形態に関する情報をマ
イクロコントローラ2060の側に出力する。
【0087】R、G,Bのビデオ入力信号はAD変換後
にVRAMコントローラ2031に供給される。また、
同期信号入力端子2018からの垂直同期信号V、水平
同期信号Hは同期信号処理回路2040に供給される。
音声情報は入力端子2050からボリューム2051を
介して入力され、アンプ2052を介して、左右のスピ
ーカー14R、14Lに供給される。
【0088】2060は全体の制御を司るマイクロコン
トーラであり、同期信号処理回路からの信号と、制御ブ
ロック2030に設定されているPCモード2032と
に基づき、入力ビデオ信号がコンピュータ入力信号であ
るか否かを判別する。また、デジタルデコーダ2021
から供給される判別信号2021Sに基づき入力ビデオ
信号の形態を判別する。さらに、VRAMコントローラ
2031によるVRAM2062への書き込み制御を行
う。さらには、各液晶ライトバルブ925R、G、Bの
書き込み動作を制御する。
【0089】VRAM2062は、VRAMコントロー
ラ2031によって展開された映像信号を記憶する。
【0090】制御ブロック2070に搭載されているガ
ンマ補正回路2071は、マイクロコントローラ206
0からバスインタフェース2033を介して供給される
入力ビデオ信号の形態に応じて、フラッシュメモリ20
63からデジタルガンマ補正値を読みだして、映像信号
に対するデジタルガンマ補正を行う。フラッシュメモリ
2063にはデジタルガンマ変換データが信号形態毎に
記憶されている。
【0091】デジタルガンマ補正後のR、G、Bの各色
の映像情報は、各液晶ライトバルブ925R、925
G、925Bの駆動回路2080R、G、Bにそれぞれ
供給される。各駆動回路においては、デジタル映像信号
がDAコンバー2081を介してアナログ信号に変換さ
れ、増幅・アナログガンマ補正回路2082において、
増幅されると共にアナログガンマ補正が施される。次
に、交流電圧重畳回路2083において、アナログ映像
信号は交番駆動電圧に重畳されて、LCD駆動用の交番
駆動電圧の形態とされる。これが、サンプルホルダ20
84に入力されて、6相のLCD駆動電圧が生成され、
バッファ2085を介して各液晶ライトバルブの電極間
に印加される。これにより液晶の各画素電極が映像信号
に対応して駆動される。
【0092】なおSRAM2064は作業用のメモリ領
域であり、EEPROM2065はユーザーが指定した
色の明るさ等の調整データを記憶保持するためのメモリ
である。
【0093】(液晶ライトバルブの駆動方法)本例にお
いては、R、Bの映像信号を一次記憶するためのライン
バッファ(FIFO)2064R、2064Bを備えて
いる。これらに記憶された1画素ライン分の映像情報
は、書き込まれた順序に従って読みだされて、駆動制御
回路2080R、2080Bに出力される。これに対し
て、Gの映像信号を一次記憶するためのラインバッファ
(FILO)2064Gは、最後に書き込まれた画素情
報から順に読みだされて駆動制御回路2080Gに出力
される。
【0094】ここで、本例で使用している液晶ライトバ
ルブ925R、925G、925Bは同一構造をしたマ
トリクス型表示パネルであり、前述した特開昭62−1
45218号、あるいは同62−254124号公報に
開示されているものと同様な構造のものである。
【0095】図26には、各ライトバルブ925R、
G、Bでの1画素ライン分の映像情報の書き込みを示し
てある。この図に示すように、或るフレームあるいはフ
ィールドの映像情報における1画素ライン分の情報のう
ち、R、Bについては、ラインバッファ2064R、2
064Bを経由して、液晶バルブ925R、925Bの
対応する画素ラインにおいてその選択駆動順に沿って書
き込まれていく。これに対して、Gの1ライン分の情報
については、ラインバッファ2064Gを経由して、1
ラインの最後の情報から、その選択駆動方向に向けて書
き込まれていく。このように、各液晶ライトバルブは同
一構造であるのでその選択駆動方向は同一であるが、書
き込まれる情報は、反転した光像が形成されてしまう液
晶ライトバルブ925Gでは逆転している。したがっ
て、本例では、同一構造の液晶ライトバルブを使用する
ことが可能である。
【0096】次に、本例では上記のように3枚の液晶ラ
イトバルブとして共通パネルを使用しており、選択駆動
方向が同一方向であるが、書き込まれる映像情報は、液
晶ライトバルブGでは左右が反転している。この場合、
これらの液晶ライトバルブを駆動する駆動電圧は、位相
が同一の交番信号とすればよい。すなわち、図27に示
すように、ライトバルブR、Bの各画素と、ライトバル
ブGの対応する各画素は同極性となるように駆動する。
このように駆動すると、スクリーン上に形成される映像
上においては、左右が反転した状態での対応関係となる
ので、逆極性の画素同志が重なりあうことになる。よっ
て、このように各液晶ライトバルブを駆動すれば、駆動
電圧の極性に起因した液晶の透過率の変動が原因となっ
て発生するフリッカー等を抑制することができる。
【0097】一方、本例においては、各液晶ライトバル
ブ925R、G、Bへの映像信号の書き込み動作を、次
のように入力ビデオ信号の方式に応じて異ならせてい
る。
【0098】まず、コンピュータ入力であるRGB信号
が入力される場合は次のようにしている。垂直方向の表
示ライン数が200ラインを越えるビデオモードでは、
フルライン駆動としている。すなわち、図30(a)に
示すように、映像信号の各ラインの信号を、液晶ライト
バルブの各ラインへの書き込み信号1ライン分に1対1
に対応させている。なお、本例の液晶ライトバルブにお
ける垂直方向の有効表示ライン数は480本である。し
たがって、表示ライン数が480本に満たないビデオモ
ードの場合には、非表示のライン部分は黒レベル表示と
して処理している。
【0099】しかるに、走査ライン数が200以下のビ
デオモードでは、液晶ライトバルブをダブルスキャン駆
動方式によって駆動している。すなわち、図30(b)
に示すように、映像信号の各ライン信号を液晶ライトバ
ルブの2画素ラインに書き込むようにしている。
【0100】次に、入力信号が、日本国内のTV放送規
格であるNTSC方式の場合には、良く知られているよ
うに、奇偶2フィールドで1画面(フレーム)が構成さ
れ、1フレームの走査線数が525本である。本例で
は、液晶ライトバルブを1フィールドの映像信号のみで
1画面を構成するハーフライン駆動により駆動すると共
に、次のように各フィールドの表示を行うようにしてい
る。
【0101】まず、図31(a)に示すように、奇数フ
ィールドでは映像1ライン目を液晶ライトバルブの1お
よび2ラインに対して倍速変換して書き込むための書き
込み信号を生成する。以後同様にして、映像1ライン分
を、液晶ライトバルブの隣接する2ラインに対して倍速
変化して書き込む。(ラインペア駆動方式)。これに対
して、偶数フィールドでは、図31(b)に示すよう
に、映像1ライン目をそのまま液晶ライトバルブの1ラ
インに書き込む。以後は、映像1ライン分を、液晶ライ
トバルブの隣接する2ラインに対して倍速変換して書き
込むようにしている。
【0102】一方、PAL/SECAM方式のビデオ信
号の場合には、1フレームの走査線数は625本であ
る。本例では、次のようにして液晶ライトバルブのハー
フライン駆動を行っている。
【0103】まず、図32(a)に示すように、奇数フ
ィールドでは映像1ライン目を液晶ライトバルブの1、
2ラインに倍速変換して書き込む。同様に映像2ライン
目を液晶ライトバルブの3、4ラインに倍速変換して書
き込む。しかし、次の映像3ライン目はライトバルブの
5ラインにのみ書き込み。以後は、同様にして、映像3
ライン分づつを、ライトバルブに対して2、2、1ライ
ンつづに割り当てるように書き込み動作を行う(変則ラ
インペア駆動)。これに対して、偶数フィールドでは、
図32(b)に示すように、映像1ライン目をライトバ
ルブの1ラインに書き込み、映像2ライン目をライトバ
ルブの2、3ラインに倍速変換して書き込み、映像3ラ
イン目をライトバルブの4ラインのみに書き込む。以後
は、映像3ライン分づつを、ライトバルブに対して、
2、2、1ラインづつに割り当てるように書き込み動作
を行う。
【0104】このように、本例では、走査線本数の多い
PAL/SECAM方式のビデオ信号を表示する場合に
は、映像3ラインのうちの1ライン分は倍速変換せず
に、ライトバルブの1ラインにのみ書き込むようにして
いる。この結果として、ライトバルブに書き込まれる映
像信号は、NTSC方式の場合のように各映像1ライン
分を倍速変換してライトバルブに書き込む場合に比べ
て、5/6に圧縮された状態となる。なお、本例では、
映像3ラインを、ライトバルブに対して、2、2、1ラ
インづつに割り当てるようにしている。この割り当て順
序は、2、1、2でもよいし、1、2、2であってもよ
い。
【0105】ここで、従来において、NTSC方式の場
合に比べて走査線数の多いPAL/SECAM方式のビ
デオ信号を液晶パネル等によって表示する場合には、映
像信号のうちの所定本数のラインを間引き処理すること
により全体として5/6にデータ圧縮して有効表示数が
480本に対応するようにしていた。しかし、この方法
では、圧縮処理により欠落する映像信号ラインが発生す
る。この結果、例えば、図33に示すような真円等の曲
線図形を表示する場合には、データ圧縮処理のために不
連続な表示形態となるおそれがある。
【0106】しかし、本例の映像信号の処理方法である
変則ラインペア駆動によれば、欠落する映像ラインは無
いので、このような弊害を回避できる。また、データ圧
縮のためにこのような映像データの間引き処理が不要と
なる。
【0107】(ガンマ補正方法)本例では、各液晶ライ
トバルブ925R、G、Bに入力される映像信号に対し
ては、デジタル式とアナログ式の混合したガンマ補正が
施される。すなわち、ガンマ補正回路2071では、各
液晶ライトバルブ925R、G、Bの印加電圧−透過率
(V−T)特性に基づき、予めフラッシュメモリ206
3に記憶されているデジタルガンマ補正値の変換テーブ
ルに従ってデジタルガンマ補正を行う。次に、映像信号
を、増幅・アナログガンマ補正回路2082において、
所定の範囲の部分のみに対してアナログガンマ補正を施
している。
【0108】本例では、図29におけるV−T曲線にし
たがって、映像信号に対して全体的にデジタルガンマ補
正を施している。補正は、透過率が零から100%まで
の印加電圧を16階調に等分して行っている。デジタル
ガンマ補正の後は、透過率が実質的に零である黒側から
3階調分をアナログガンマ補正して直線近似するように
している。
【0109】すなわち、透過率が零である黒側から白側
にむけての3階調分くらいの間では、図に示すように、
V−T曲線の変化率が急激である。したがって、この部
分をデジタルガンマ補正しようとすると、データ数が多
く必要とする。本例では、256ビットデータを用いて
デジタル補正を行っているので、この部分への割り当て
データ数が多いと、他の部分への割り当て数が減る。こ
れでは、全体的なガンマ補正の精度が荒くなってしま
う。したがって、データ数を多く必要とする部分である
黒から3階調分の部分も他の部分と同様な補正データ数
を割り当てて、近似的なデジタル補正を行い、後段にお
いてこの部分を再度アナログ補正するようにしている。
アナログ補正では、この部分を直線近似により補正を行
っている。このように、本例では、デジタルガンマ補正
を施した後に、一部分の映像データに対して再度アナロ
グ補正を施すことにより、全体として、精度のよいガン
マ補正を実現している。
【0110】これに加えて、本例では、フラッシュメモ
リ2063内に予め入力映像信号の信号形態に応じて、
異なるデジタルガンマ補正用の変換テーブルを用意して
ある。そして、入力映像信号の種類に応じて、対応する
補正テープルを検索するようにしている。このため、入
力映像信号が異なる形態となっても、常に適切なガンマ
補正を施すことができる。なお、入力映像信号に応じた
ガンマ補正値は、予め記憶しておく代わりに、演算回路
を用いて演算するようにしていもよい。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の投写型表
示装置においては、液晶ライトバルブに与えられる映像
信号にガンマ補正を施こすガンマ補正手段として、デジ
タルガンマ補正回路とアナログガンマ補正回路とを備え
た構成を採用し、全階調についてデジタルガンマ補正を
行うと共に、所定の階調範囲についてはアナログガンマ
補正もを行うようにしている。したがって、入力映像信
号の全体をデジタルガンマ補正回路によってデジタルガ
ンマ補正し、部分的にアナログガンマ補正回路によって
アナログガンマ補正が再度施される。よって、全体とし
ては精度が良く、しかもデジタルガンア補正のみを行う
場合に比べて廉価なガンマ補正を実現することができ
る。
【0112】また、本発明では、液晶ライトバルブに与
えられる映像信号にガンマ補正を施こすガンマ補正手段
が、入力映像信号の信号形態に応じて、異なるデジタル
ガンマ補正値に基づき入力映像信号に対してデジタルガ
ンマ補正を行うようにしている。したがって、入力映像
信号の信号形態に左右されずに、常に適切なガンマ補正
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である投写型表示装置の外観
形状を示す図である。
【図2】図1の装置の内部の各部品の配置を示す図であ
り、(a)はその平面的な配置を示す図、(b)はその
立体的な配置を示す図である。
【図3】光学レンズユニットと投写レンズユニットの部
分を取り出して示す図であり、(a)はその概略平面構
成図、(b)はその概略断面構成図である。
【図4】ヘッド板、プリズムユニットおよび投写レンズ
ユニットを取り出して示す図であり、(a)はその概略
平面図、(b)はその概略断面図である。
【図5】ライトバルブブロックを示す図であり、(a)
はその平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面
図である。
【図6】ヘッド板の形状を示す概略正面図である。
【図7】光源ランプユニットの構成を示す概略断面構成
図である。
【図8】冷却空気流の平面的な流れを示す説明図であ
る。
【図9】冷却空気流の立体的な流れを示す説明図であ
る。
【図10】冷却空気流の立体的な流れを示す説明図であ
る。
【図11】基板の配置を示すための説明図である。
【図12】基板の配置を示すための説明図である。
【図13】基板の配置を示すための説明図である。
【図14】高さ調整フットの構造を示す部分断面図であ
る。
【図15】高さ調整フットの構造を示す部分断面図であ
る。
【図16】アッパーケースとロアーケースの固定構造を
示す部分断面図である。
【図17】ハンドル取付け部分の構造を示す部分断面図
である。
【図18】図1の装置の重心位置を示す説明図である。
【図19】図1の装置に組み込まれている光学系の概略
構成図である。
【図20】プリズムユニットの位置ずれの例を示す説明
図である。
【図21】従来のプリズムユニットの貼り合わせ方法を
説明するための説明図である。
【図22】本例のプリズムユニットの貼り合わせ方法を
説明するための説明図である。
【図23】プリズムユニット固定板の形状を示す説明図
である。
【図24】プリズムユニットの好ましい例を示す説明図
である。
【図25】本例の投写型表示装置の制御系の概略ブロッ
ク図である。
【図26】各色の液晶ライトバルブへの書き込み制御を
示す説明図である。
【図27】各色の液晶ライトバルブにおける各画素の駆
動電圧極性を示す説明図である。
【図28】従来における構造の異なる液晶ライトバルブ
を用いた場合の各画素の駆動電圧極性を示す説明図であ
る。
【図29】液晶の印加電圧−透過率特性を示すグラフで
ある。
【図30】(a)および(b)はRGB信号の液晶ライ
トバルブへの書き込み駆動制御を示す説明図である。
【図31】(a)および(b)はNTSC方式のビデオ
信号の液晶ライトバルブへの書き込み駆動制御を示す説
明図である。
【図32】(a)および(b)はPAL/SECAM方
式のビデオ信号の液晶ライトバルブへの書き込み駆動制
御を示す説明図である。
【図33】従来の映像データの圧縮制御による弊害の例
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 投写型表示装置 1a 光軸 2 外装ケース 3 アッパーケース 4 ロアーケース 6 投写レンズユニット 7 電源ユニット 8 光源ランプユニット 9 光学レンズユニット 910 プリズムユニット(色合成手段) 924 色分離手段 925R、925G、925B ライトバルブ 2060 マイクロコントローラ 2064R、2064B ラインバッファ(FIF
O) 2064G ラインバッファ(FILO) 2071 ガンマ補正回路 2080R、2080G、2080B 駆動制御回
路 2082 増幅・アナログガンマ補正回路
フロントページの続き (72)発明者 平島 聡史 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、ここから出射された白色光束を
    3原色の各色光束に分離する色分離手段と、分離された
    各色の光束を、与えられた映像信号に基づき変調する3
    枚の液晶ライトバルブと、これらの液晶ライトバルブを
    介して変調された各色の変調光束を合成する色合成手段
    と、合成された変調光束をスクリーン上に拡大投写する
    投写レンズとを有する投写型表示装置において、 前記液晶ライトバルブに与えられる映像信号にガンマ補
    正を施こすガンマ補正手段を有し、このガンマ補正手段
    は、デジタルガンマ補正回路と、アナログガンマ補正回
    路とを備えており、全階調についてデジタルガンマ補正
    を行うと共に、所定の階調範囲についてのみアナログガ
    ンマ補正を行うようになっていることを特徴とする投写
    型表示装置。
  2. 【請求項2】 光源と、ここから出射された白色光束を
    3原色の各色光束に分離する色分離手段と、分離された
    各色の光束を、与えられた映像信号に基づき変調する3
    枚の液晶ライトバルブと、これらの液晶ライトバルブを
    介して変調された各色の変調光束を合成する色合成手段
    と、合成された変調光束をスクリーン上に拡大投写する
    投写レンズとを有する投写型表示装置において、 前記液晶ライトバルブに与えられる映像信号にガンマ補
    正を施こすガンマ補正手段を有し、このガンマ補正手段
    は、前記映像信号の信号形態に応じて、異なるデジタル
    ガンマ補正量に基づくデジタルガンマ補正を行うことを
    特徴とする投写型表示装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ガンマ補正手段
    は、アナログガンマ補正手段を後段側に備えており、デ
    ジタルガンマ補正後のデータを、所定の階調範囲につい
    てアナログガンマ補正を再度施すようになていることを
    特徴とする投写型表示装置。
JP6326810A 1994-12-27 1994-12-28 投写型表示装置 Pending JPH08186833A (ja)

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EP95941898A EP0753971B1 (en) 1994-12-27 1995-12-26 Projector-type display
PCT/JP1995/002697 WO1996020569A1 (fr) 1994-12-27 1995-12-26 Visuel du type projecteur
US08/708,139 US5905540A (en) 1994-12-27 1996-08-27 Projection-type display apparatus
US09/287,910 US6115084A (en) 1994-12-27 1999-04-07 Projection-type display apparatus

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