JPH08186313A - 偏波変調可能な半導体レーザおよびこれを用いた光通信方式 - Google Patents

偏波変調可能な半導体レーザおよびこれを用いた光通信方式

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JPH08186313A
JPH08186313A JP7015540A JP1554095A JPH08186313A JP H08186313 A JPH08186313 A JP H08186313A JP 7015540 A JP7015540 A JP 7015540A JP 1554095 A JP1554095 A JP 1554095A JP H08186313 A JPH08186313 A JP H08186313A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】再現性が高く歩留まりの良い偏波変調可能な半
導体レーザおよびこれを用いた光通信方式である。 【構成】半導体レーザで、分布帰還グレーティング14
と方向性結合器12と反射手段106とで1つの共振器
を構成する。半導体レーザは直交する2つの偏波モード
のいずれでも発振が可能なように構成される。方向性結
合器14の結合波長と分布帰還グレーティング14の反
射結合波長とを夫々制御する電極15、16、104、
110を備える。電極15、16、104、110に流
す電流より、方向性結合器12の結合波長と分布帰還グ
レーティング14の反射結合波長とを、2つの偏波モー
ドのいずれかの偏波モードにおいて合わせることで、発
振する偏波モードの選択が行なわれる。光通信方式で
は、この半導体レーザと偏光子もしくは偏波ビームスプ
リッタとで振幅変調された信号光を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速変調時などにおい
ても動的波長変動を抑え、安定に高密度の波長分割多重
光通信等を実現する為の半導体レーザに関するものであ
り、特に、直交する偏波モードの発振制御を可能とする
偏波変調可能な半導体レーザ及びこれを用いた光通信方
式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信分野において伝送容量を拡
大することが望まれており、複数の波長あるいは光周波
数を1本の光ファイバに多重させた波長多重(WDM)
伝送の開発が行なわれている。伝送容量をなるべく多く
する為には、波長間隔を狭くすることが重要である。そ
の為には、波長フィルタあるいは分波器の選択帯域幅が
小さく、光源となるレーザの占有周波数帯域あるいはス
ペクトル線幅が小さいことが望ましい。例えば、波長可
変幅3nmの半導体DFBフィルタでは、透過帯域幅
0.03nm程度である為、理想的には100チャネル
の多重が可能である。しかし、この場合、光源のスペク
トル線幅が0.03nm以下であることが要求される。
現状では、動的単一モード発振する半導体レーザとして
知られるDFBレーザでさえも、直接ASK変調を行な
うと動的波長変動が起きてスペクトル線幅が0.3nm
程度まで広がってしまい、このような波長多重伝送には
向かない。
【0003】そこで、このような波長変動を抑える為、
外部強度変調器を用いたり(例えば、鈴木他, “λ/
4シフトDFBレーザ/吸収型光変調器集積光源”,
電子情報通信学会研究会予稿集, OQE90−45,
p.99, 1990)、直接FSK変調方式(例え
ば、M.J.Chawski et al. “1.5
Gbit/s FSK transmission s
ystem using two electrode
DFB laser as a tunable F
SK discriminator/photodet
ector”,Electron. Lett. vo
l.26, No.15, p.1146, 199
0)、直接偏波変調方式(特開平2−159781号明
細書)などが考案されている。
【0004】上記3つの例を比較してみる。外部変調器
の場合、波長変動が0.03nm程度あり、仕様に対し
てぎりぎりの性能であり、装置の点数も増える為コスト
などの面で好ましくない。また、FSKの場合、受信側
のフィルタを波長弁別装置として機能させる必要があ
り、複雑な制御技術を必要とする。一方、偏波変調は、
通常のDFBレーザを多電極化するだけで装置点数は増
えず、波長変動が外部変調方式に比べてさらに小さく、
伝送信号はASKの為、受信側のフィルタ等の負荷が小
さいという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとしている課題】以上の様に偏波変
調は、波長多重伝送等に好適の変調方式であるが、従来
の提案では、偏波の制御を可能とする為の積極的手段を
有していない。その為、再現性の高いデバイスの実現が
困難であり、また、作製後の調整が必要で歩留まりが悪
いなどの問題点があった。よって、本発明の目的は、上
記問題点を解決した偏波変調可能な半導体レーザおよび
これを用いた光通信方式を提供することにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明は、典型的には、実
用的な偏波変調方式を提供する為に、活性領域を持つ分
布帰還グレーティングと方向性結合器と反射器(典型的
には、反射端面)とで1つの共振器を構成した半導体レ
ーザを用い、該半導体レーザは直交する2つの偏波モー
ドで発振が可能で、その偏波モードの選択は該方向性結
合器の結合帯域を制御することにより行なう。
【0007】詳細には、本発明の偏波変調可能な半導体
レーザは、分布帰還グレーティングと方向性結合器と反
射手段とで1つの共振器を構成した半導体レーザであっ
て、該半導体レーザは直交する2つの偏波モードのいず
れでも発振が可能なように構成され、該方向性結合器の
結合波長と該分布帰還グレーティングの反射結合波長と
を夫々制御する手段(例えば、複数の電極)を備え、発
振する偏波モードの選択は、該方向性結合器の結合波長
と該分布帰還グレーティングの反射結合波長とを、該制
御手段により、該2つの偏波モードのいずれかの偏波モ
ードにおいて合わせることにより行なわれることを特徴
とする。
【0008】具体的には、以下の形態を取ることが可能
である。反射手段は反射端面である。分布帰還グレーテ
ィングは活性層を含む。方向性結合器は1対の非対称導
波路から構成される。方向性結合器におけるモード間の
結合が、グレーティングの補助で行われる。方向性結合
器を構成する導波路のうち少なくとも一方の導波路が、
コア層の周囲に半導体レーザ全体のクラッド層よりも屈
折率の低いクラッド層で囲まれたW型導波路で構成され
る。制御手段により分布帰還グレーティングに注入する
電流を制御することでその発振波長が可変である。2つ
の偏波モードにおける共振器内利得が、該分布帰還グレ
ーティングの帰還波長付近において、ほぼ等しくなるよ
うに構成されている。活性層が、引っ張り歪が導入され
た多重量子井戸で構成され、ホールの準位であるヘビー
ホール準位Ehh0とライトホール準位Elh0がほぼ等しく
なる様に構成される。
【0009】また、本発明の光通信方式は、上記偏波変
調可能な半導体レーザを直接偏波変調して、その出力光
を偏光子もしくは偏波ビームスプリッタを通すことによ
り、振幅変調された信号光として、光ファイバで伝送し
光受信器で検波することを特徴とする。また、上記偏波
変調可能な半導体レーザの分布帰還グレーティングに注
入する電流を制御することでその発振波長が可変になる
ように該半導体レーザを使用して振幅変調された信号光
を得ることを特徴とする。
【0010】更に、本発明の光通信方式は、上記偏波変
調可能な半導体レーザを複数接続し、複数の波長の光を
夫々変調して伝送させ、光フィルタもしくは分波器を備
えた光受信器により所望の波長の光にのせた信号のみを
取り出す様に、波長分割多重通信することを特徴とす
る。
【0011】
【第1実施例】具体的に、図1をもとに本発明の原理を
説明する。分布帰還グレーティング領域11と方向性結
合領域12の2領域からなる半導体レーザにおいて、分
布帰還グレーティング領域11では、特定の波長のみが
反射される様、活性層13が積層され、モード3のモー
ドフィールドが重なる位置に細かい周期のグレーティン
グ14が形成されている。モード3の実効屈折率をN
eff、グレーティング14の周期をΛDFBとすれば、分布
帰還波長λDFBはλDFB=2NeffΛDFBで表される。電極
15、16に流す電流で波長λDFBを変化させる。方向
性結合領域12では、導波路17、18が積層されてい
て、夫々の導波路17、18に中心強度を有する2つの
モードが成立する。モード1とモード2のモードフィー
ルドが重なる位置には比較的荒い周期のグレーティング
19が形成されている。方向性結合領域12の導波路層
17の右端は、反射しない様に斜めカット若しくは光吸
収が強くなるよう不純物がドーピングされている。モー
ド1は分布帰還グレーティング領域11のモード3と強
く結合し、モード2はこの比較的荒い周期のグレーティ
ング19のブラッグ条件を満足する波長以外ではモード
3とは殆ど結合しない。モード1とモード2の実効屈折
率を夫々N(1) eff、N(2) eff、比較的荒いグレーティン
グ19の周期をΛDCとすれば、結合波長λDCはλDC=|
(1) eff−N(2) eff |ΛDCで表される。
【0012】以上の説明では、モードは直線偏波を取り
あげて説明したが、半導体レーザのような縦横非対称な
構造では、電界が基板面に平行なTEモードとそれと直
交するTMモードが存在する。直交する2つの偏波モー
ドに対して、この結合波長λDCは異なった値となる。方
向性結合領域12の電極110に注入する電流を制御す
ることにより、結合波長λDCを変化させ、或る時はTE
モードのλDC、或る時はTMモードのλDCに切換ができ
る。一方、分布帰還グレーティング領域11で帰還され
る波長λDFBも偏波モードに依存し多少異なるがその差
は僅かである。分布帰還グレーティング領域11に電流
を注入すると、活性層13の利得が上昇する。この状態
で、方向性結合領域12で結合する偏波モード(TE若
しくはTMモード)を切り換えることにより(結合する
偏波モードの結合波長λDCを帰還波長λDFBに合わせ
る)、導波路17、18間移行した光のみが、導波路層
18の端面106で反射され、分布帰還グレーティング
領域11にフィードバックされてレーザ発振光となる。
上部導波路17の方向性結合領域12側の端面は、斜め
カットなどが施されている為、モード1が反射されて分
布帰還グレーティング領域11に戻ることはない。
【0013】以上の様な構成により、発振波長は分布帰
還グレーティング領域11で、また、偏波の切り換えは
方向性結合領域12でと夫々独立に制御出来る為、波長
チューニング時にも安定な偏波変調を行うことができ
る。
【0014】本発明による第1実施例を詳細に説明す
る。図1は本実施例による半導体レーザの断面図で、1
00は基板となるn−InP、101はクラッドとなる
n−InP層、18は方向性結合器を形成するn−In
GaAsPからなる上述した下部導波路層、19は方向
性結合器をアシストする上述したグレーティング、17
はアンドープInGaAsPからなる2領域共通の上述
した導波路層、13はアンドープのIn0.53Ga0.47
s(厚さ5nm)/In0.28Ga0.72As(厚さ5n
m)10層からなる歪超格子構造の上述した活性層、1
4は逆方向の分布結合を行う上述した細かいグレーティ
ング、102はp−InPクラッド層、103はp−I
0.59Ga0.41As0.90.1コンタクト層、15、1
6、110はコンタクト層103が除去された分離溝で
分離された上述した電極Cr/AuZnNi/Au層、
104は基板100側電極であるAuGeNi/Au
層、105は反射防止層、106は反射器となる高反射
層である。ここで、活性層13は引っ張り歪をもつ多重
量子井戸層になっており、Elh0−Ee0とEhh0−E
e0(すぐ下で説明)の遷移エネルギを等しく設計してあ
る為、通常の半導体レーザに比べるとTM偏波での発振
しきい値が低く、効率よく偏波切り換えできる構成にな
っている。
【0015】上記構成では、ライトホールと電子の基底
準位遷移エネルギ(Elh0−Ee0)に対応する波長は
1.56μm(TMモード)、ヘビーホールと電子の基
底準位遷移エネルギ(Ehh0−Ee0)に対応する波長も
1.56μm(TEモード)となる。また、TEモード
とTMモードの発光スペクトルはほぼ重なるが、グレー
ティング14による分布帰還波長は利得の中心波長とほ
ぼ重なるようグレーティング14のピッチを0.24μ
mに設定している。TEモードとTMモードの分布帰還
グレーティング領域11における帰還波長21及び22
(図2参照)は、いずれも波長1.56μm付近である
が、導波路17の横閉じ込め構造や層組成などデバイス
の構造に依存し多少ずれる。しかし、通常3−6nm程
度である。
【0016】ここで、粗いグレーティング19による方
向性結合器の結合波長は、偏波依存性が強くTEモード
とTMモードに対して通常30nm程度異なる値を持
つ。したがって、図2(a)に示すように活性方向性結
合領域12のTEモードの結合波長23が、分布帰還グ
レーティング領域11の帰還波長21(ここでは1.5
6μm)を含むように電極110に電流を注入して同調
を行なえば、必然的にTMモードの結合波長24は1.
53μm付近となる。
【0017】ここで、電極15、16に電流を流すこと
により、活性層13が励起され自然放出光が生じる。方
向性結合領域12ではTEモードのみが選択結合される
ため、自然放出光のうちTEモードのみが高反射端10
6で反射されて分布帰還グレーティング領域11に帰還
される。分布帰還グレーティング領域11では、帰還波
長で強い反射が生じ、結局、分布帰還グレーティング領
域11で決定される帰還波長での発振がTEモードで生
じる。次に、方向性結合領域12への注入電流を変化
し、図2(b)に示すように分布帰還グレーティング領
域11の帰還波長に対して、TMモードが結合するよう
に制御すれば、同様の機構により、TMモードでのレー
ザ発振が起こる。このようにして、電極110への電流
制御によりTE/TMモードのスイッチングが起こる。
【0018】本実施例では、分布帰還グレーティング領
域11の下部導波路18は削除されているが、グレーテ
ィング19が形成されていなければ、導波路17、18
間の結合は生じないので、グレーティング19の形成を
方向性結合領域12に限れば、分布帰還グレーティング
領域11に下部導波路を残しても構わない。
【0019】図3に本発明の半導体レーザを用いて強度
変調信号を伝送し、受信する光伝送系のブロック図を示
した。半導体レーザ31からの光出力を図3に示したよ
うに偏光子32に通してTE偏波(もしくはTM偏波)
のみを取り出すことにより、高い消光比の強度振幅信号
が得られる。この際、TE/TMのモード変化は生じる
が、レーザ出力光の強度自体の変動はほとんどない為
(Elh0−Ee0とEhh0−Ee0の遷移エネルギを等しく設
計してあるので)、活性層13のキャリア変動によるチ
ャーピングが極めて小さくなる。偏光子32によって選
択されたTE光は、アイソレータ33を通して光ファイ
バ34に結合させて伝送する。伝送された光は光検出器
35にて検出される。このとき、TEとTMの消光比は
20dB以上得られ、したがって、この消光比をもつA
SK伝送が可能である。
【0020】本発明の半導体レーザの偏波変調時にチャ
ーピングは極めて小さく、TEモード出力のみを観測し
たところ波長変動は0.03nm以下であることが確か
められた。また、偏波変調の変調帯域も1GHz以上で
あることが示された。
【0021】本発明による半導体レーザを用いて光伝送
を行なった実施例を図4に沿って説明する。図4におい
て、41は本発明によって波長制御及び消光比が安定に
制御され偏波変調されている半導体レーザである。この
半導体レーザ41では、波長間隔6GHz(約0.05
nm)程度で、3nmの範囲で波長を変えられる(図1
の電極15、16への電流を制御して行う)。また、偏
波変調では、通常の直接強度変調で問題になるようなチ
ャーピングと呼ばれる動的波長変動が2GHz以下と非
常に小さい為、波長多重する場合に6GHz間隔で並べ
ても隣のチャンネルにクロストークを与えることはな
い。従って、この半導体レーザを用いた場合、3/0.
05=60チャネル程度の波長多重が可能である。この
半導体レーザ41は偏光ビームスプリッタ42と一体化
して光送信装値40を構成している。この光送信装置4
0から出射された光を光ファイバ43に結合させ伝送す
る。ファイバカップラ44を伝送した信号光は、光受信
装置45において、光フィルタ46により所望の波長チ
ャネルの光が選択分波され、光検出器47により信号検
波される。ここでは、光フィルタ46としてDFBレー
ザと同じ構造のものを、しきい値以下に電流をバイアス
して使用している。2電極の電流比率を変えることで、
透過利得を20dB一定で透過波長を3nmの範囲で変
えることができる。また、このフィルタ46の10dB
ダウンの透過幅は0.03であり、0.05nmの間隔
で波長多重するのに十分な特性を持つている。光フィル
タ46として、同様の波長透過幅を持つもの、例えば、
マハツェンダ型、ファブリペロ型などを用いてもよい
【0022】
【第2実施例】本発明による第2の実施例を図5に沿っ
て説明する。分布帰還グレーティング領域11の構造は
ほぼ第1実施例と同様であるが、方向性結合領域12に
はグレーティングが存在しない。波長選択性(偏波モー
ド選択性)を持たせる為、下部導波路層はW型導波路と
なっている。W型導波路は、通常のステップ型導波路
(例えば、導波路17も相当)と異なり、コア51の周
囲のクラッド52が半導体レーザの全体クラッド54よ
り低い屈折率となっている。そのため、導波モード2の
波長分散がステップ型と大きく異なり、モード1とモー
ド2が同期する波長が限定され、強い波長選択性を示
す。この構造では、結合波長バンド幅(図2の結合波長
23、24を参照)の自由度は第1実施例で示したグレ
ーティングアシスト型と比較して低いが、グレーティン
グに起因する放射損失がなく、高効率である特徴を有す
る。動作原理に関しては上記実施例と同様である。
【0023】分布帰還グレーティング領域11のグレー
ティング層14及び2領域共通の導波路層17は第1実
施例と同様であるが、活性層、下部導波路層、クラッド
層については異なる。即ち、活性層55は縦横対称とし
たInGaAsからなり、TEモード及びTMモードに
対して同様の利得を持つ。また、層51はW型導波路を
構成するn−InGaAsPコア層、層52は層53、
54より低屈折率なn−InPクラッド層、層53はp
−InGaAsPクラッド層、層54はn−InGaA
sPクラッド層である。また、下部導波路層は分布帰還
グレーティング領域11で結合を起こさないように方向
性結合領域12のみに形成されている。分布帰還グレー
ティング領域11のグレーティング14の周期等は第1
実施例と同じである。2領域11、12の注入電流を制
御することにより、上記実施例と同様にTE/TMモー
ドの偏波スイッチング及び波長制御を行うことができ
た。第2実施例も、第1実施例と同様に、図3、図4の
如き光通信方式に使用できる。
【0024】
【発明の効果】本発明により、動的波長変動の極めて小
さい偏波変調可能な半導体レーザが実現でき、これを使
用した直接偏波変調方式を用いて、高密度波長多重光通
信システム等を構築できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体レーザの構造を説明する
図。
【図2】本発明による半導体レーザの動作原理を表わす
図。
【図3】本発明による半導体レーザを用いた光通信方式
を説明する図。
【図4】本発明による半導体レーザを用いた他の光通信
方式を説明する図。
【図5】本発明による他の半導体レーザの構造を示す
図。
【符号の説明】
11 分布帰還グレーティング領域 12 方向性結合領域 13、55 活性層 14 分布帰還を起こすグレーティング 15、16、110、104 電極 17、18 導波路 19 方向性結合を起こすグレーティング 21、22 分布帰還グレーティング領域における夫
々TEモード、TMモードの帰還波長 23、24 方向性結合領域における夫々TEモー
ド、TMモードの結合波長 31、41 半導体レーザ 32、42 偏光子もしくは偏光ビームスプリッタ 33 光アイソレータ 34、43 光ファイバ 35、47 光検出器 40 光送信装置 44 ファイバカップラ 45 光受信装置 46 光フィルタ 53、54、101、102、 クラッド層 100 基板 103 コンタクト層 105 反射防止膜 106 高反射膜

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分布帰還グレーティングと方向性結合器
    と反射手段とで1つの共振器を構成した半導体レーザで
    あって、該半導体レーザは直交する2つの偏波モードの
    いずれでも発振が可能なように構成され、該方向性結合
    器の結合波長と該分布帰還グレーティングの反射結合波
    長とを夫々制御する手段を備え、発振する偏波モードの
    選択は、該方向性結合器の結合波長と該分布帰還グレー
    ティングの反射結合波長とを、該制御手段により、該2
    つの偏波モードのいずれかの偏波モードにおいて合わせ
    ることにより行なわれることを特徴とする偏波変調可能
    な半導体レーザ。
  2. 【請求項2】 該反射手段は反射端面であることを特徴
    とする請求項1記載の偏波変調可能な半導体レーザ。
  3. 【請求項3】 該分布帰還グレーティングは活性層を含
    むことを特徴とする請求項1記載の偏波変調可能な半導
    体レーザ。
  4. 【請求項4】 該方向性結合器は1対の非対称導波路か
    ら構成されることを特徴とする請求項1記載の偏波変調
    可能な半導体レーザ。
  5. 【請求項5】 該方向性結合器におけるモード間の結合
    が、グレーティングの補助で行われることを特徴とする
    請求項1記載の偏波変調可能な半導体レーザ。
  6. 【請求項6】 該方向性結合器を構成する導波路のうち
    少なくとも一方の導波路が、コア層の周囲に半導体レー
    ザ全体のクラッド層よりも屈折率の低いクラッド層で囲
    まれたW型導波路で構成されることを特徴とする請求項
    1記載の偏波変調可能な半導体レーザ。
  7. 【請求項7】 前記制御手段により分布帰還グレーティ
    ングに注入する電流を制御することでその発振波長が可
    変であることを特徴とする請求項1記載の偏波変調可能
    な半導体レーザ。
  8. 【請求項8】 前記2つの偏波モードにおける共振器内
    利得が、該分布帰還グレーティングの帰還波長付近にお
    いて、ほぼ等しくなるように構成されていることを特徴
    とする請求項1乃至7のいずれかに記載の偏波変調可能
    な半導体レーザ。
  9. 【請求項9】 前記活性層が、引っ張り歪が導入された
    多重量子井戸で構成され、ホールの準位であるヘビーホ
    ール準位Ehh0とライトホール準位Elh0がほぼ等しくな
    る様に構成されたことを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれかに記載の偏波変調可能な半導体レーザ。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至8のいずれかに記載の偏
    波変調可能な半導体レーザを直接偏波変調して、その出
    力光を偏光子もしくは偏波ビームスプリッタを通すこと
    により、振幅変調された信号光として、光ファイバで伝
    送し光受信器で検波することを特徴とする光通信方式。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至8のいずれかに記載の偏
    波変調可能な半導体レーザの分布帰還グレーティングに
    注入する電流を制御することでその発振波長が可変にな
    るように該半導体レーザを使用して振幅変調された信号
    光を得ることを特徴とする光通信方式。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至8のいずれかに記載の偏
    波変調可能な半導体レーザを複数接続し、複数の波長の
    光を夫々変調して伝送させ、光フィルタもしくは分波器
    を備えた光受信器により所望の波長の光にのせた信号の
    みを取り出す様に、波長分割多重通信することを特徴と
    する光通信方式。
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