JPH08186078A - 窒化ガリウム系半導体結晶の成長方法 - Google Patents
窒化ガリウム系半導体結晶の成長方法Info
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Abstract
の基板の{101}面または{011}面上にGaN系
半導体結晶のc面を安定して成長させることができるよ
うに改良した結晶成長方法を提供し、それによって青色
発光材料として好適な良質のGaN系半導体結晶を得
る。 【構成】 面方位(011)のNdGaO3 (ネオジム
ガレート)よりなる基板を用い、その基板を、GaN系
半導体結晶の成長開始前に、予めGaCl雰囲気下にさ
らして処理する。 【効果】 GaN系半導体結晶に比較的良く格子整合
し、かつ、熱的及び化学的に安定な希土類3B族ペロブ
スカイト基板の{101}面または{011}面上にG
aN系半導体結晶のc面が安定して成長し、青色発光用
半導体材料として良好なGaN系半導体結晶が得られ
る。
Description
N)系半導体結晶の成長方法に関し、特に青色発光材料
として好適な、結晶性の優れたGaN系半導体結晶のエ
ピタキシャル成長方法に関する。なお、本明細書におい
ては、GaN系結晶とは、GaN、AlN(窒化アルミ
ニウム)、InN(窒化インジウム)及びそれらの混晶
であるInx Gay Al1-x-y N(0≦x,0≦y,x
+y≦1)を含むものである。
体が注目されている。従来、GaN系半導体結晶をエピ
タキシャル成長させる場合、サファイア(α−Al2 O
3 )基板を用い、GaN系半導体結晶の(0001)面
をサファイア基板の(0001)面上に一致させること
が多い。その際の格子定数のずれは16%にもなり、結
晶性の優れたGaN系半導体結晶を成長させることがで
きないという問題点があった。
ッファ層となるAlN膜を成長させ、そのAlN膜上に
GaN系半導体結晶を成長させる方法(特公昭59−4
8794号、特開平2−229476号)や、GaAl
Nよりなるバッファ層の上にGaN系半導体結晶を成長
させる方法(特開平4−297023号)などが提案さ
れている。これらの提案によれば、バッファ層の導入に
より、サファイア基板とGaN系半導体結晶との格子不
整合が緩和され、GaN系半導体結晶の表面モフォロジ
や結晶性が向上するとされている。
ーネット(ReAl2 Al3 O12、但し、ReはGd,
Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Yのいずれか一
つである。)またはガリウムガーネット(ReAl2 G
a3 O12、但し、ReはPr,Nd,Sm,Eu,G
d,Er,Tm,Yb,Lu,Yのいずれか一つであ
る。)よりなる基板を用いる方法(特開昭49−389
9号)や、MnO、ZnO、MgOまたはCaO等より
なる基板を用いる方法(特開平4−209577号)な
どが提案されている。これらの提案によれば、サファイ
アを基板とする場合に比べて格子定数の不一致が大きく
緩和され、また良好な基板表面が容易に得られ、結晶性
のよいGaN結晶を得ることができるとされている。
lNバッファ層やGaAlNバッファ層を設ける提案で
は、GaN系半導体結晶とサファイア基板との格子不整
合は解消されていないため、バッファ層を介してもGa
N系半導体結晶は未だかなり歪んだ状態にある。従っ
て、このような歪んだ結晶層を用いて発光素子を作製し
ても、輝度が思ったように向上しないという問題点があ
った。
ウムガーネットを基板に用いる提案では、それら基板の
格子定数が12.00〜12.57オングストロームの
範囲にあるため、それらの結晶の(111)面の格子間
隔はGaNのa軸の5倍に対応しており、格子整合性は
必ずしも良くない。従って、GaN系半導体結晶の歪み
は解消されず、作製した発光素子の輝度が向上しないと
いう問題点があった。
aO等の基板を用いる提案では、格子整合性が改善され
る代わりに、GaN系半導体結晶の成長温度(略100
0℃)で基板が熱分解してしまい、結晶性の良好なGa
N系半導体結晶層が得られないという問題点があった。
体結晶との格子整合性がよく、かつ、GaN系半導体結
晶の成長温度においても安定している基板材料として、
ネオジムガレート(NdGaO3 )等の希土類3B族ペ
ロブスカイトが好適であり、その結晶の{101}面ま
たは{011}面を利用することを提案した(特願平6
−246803号)。しかし、その後の研究により、希
土類3B族ペロブスカイトの結晶系(斜方晶)とGaN
の結晶系(六方晶)とが異なることにより、希土類3B
族ペロブスカイト基板上にGaN系半導体結晶を成長さ
せると、GaN系半導体結晶の所望の結晶面である(0
001)面(c面)が成長せずに、c面とは異なる結晶
面が成長してしまうことがあるということがわかった。
で、希土類3B族ペロブスカイトを基板とし、その基板
の{101}面または{011}面上にGaN系半導体
結晶のc面を安定して成長させることができるように改
良した結晶成長方法を提供し、それによって青色発光材
料として好適な良質のGaN系半導体結晶を得ることを
目的とする。
に、本発明者は、GaN系半導体結晶の成長開始前に希
土類3B族ペロブスカイト基板の表面を適当な方法で処
理することによって、基板上にGaN系半導体結晶のc
面を安定して成長させることができると考え、鋭意研究
を重ねた結果、本発明の完成に至った。
結晶を成長させるにあたり、前記基板として希土類3B
族ペロブスカイトの{101}面または{011}面を
用い、該基板を、予め3B族元素を含む化合物よりなる
雰囲気下にさらして処理した後、GaN系半導体結晶の
成長を開始することを特徴とする。ここで、{101}
面または{011}面とは、それぞれ(101)面また
は(011)面と等価な面を表し、(1~ 01)面、
(101~ )面、(1~ 01~ )面、または(01~
1)面、(011~ )面、(01~ 1~ )面のことであ
る。なお、右肩に“~ ”を付した指数はマイナスの指数
である。また、{101}面または{011}面よりわ
ずかにオフアングルした基板を用いてもよい。
む化合物は、塩化ガリウム等の3B族元素の塩化物であ
り、前記基板はNdGaO3 で表されるネオジムガレー
トよりなる。なお、3B族元素を含む化合物は、塩化ガ
リウム等の3B族元素の塩化物に限らないし、また、基
板もNdGaO3 以外の希土類3B族ペロブスカイトで
もよい。ここで、希土類元素は単一の元素である必要は
なく、周期律表の3B族元素との混合物でもよい。ま
た、3B族元素はAl,Ga,In及びこれらの混合物
である。
族ペロブスカイトの{101}面または{011}面を
用い、その基板を、GaN系半導体結晶の成長開始前
に、予めガリウム等の3B族元素を含む化合物よりなる
雰囲気下にさらして処理することによって、基板表面に
ガリウム等がc軸方向に配向して吸着或は堆積する。そ
れにより、その後に成長するGaN系半導体結晶の配向
がc軸方向に定まるものと考えられ、希土類3B族ペロ
ブスカイト基板の{101}面または{011}面上に
GaN系半導体結晶の(0001)面(c面)が成長す
る。また、希土類3B族ペロブスカイト基板の{10
1}面または{011}面上にGaN系半導体結晶のc
面が成長することによって、基板とGaN系結晶との格
子不整合は最も小さくなる。
{101}面または{011}面を基板として用いる利
点について説明する。一般に、希土類3B族ペロブスカ
イトは、融点が高く、GaN系半導体結晶を成長させる
温度において熱的に安定であり、また原料ガスであるH
Cl(塩化水素)やNH3 (アンモニア)等に対しても
化学的に安定である。さらに、以下に説明するようにG
aN系半導体結晶との格子整合性も良好である。
スカイト結晶の(011)面または(101)面の3B
族原子の配列を示す。図1に点線で示した格子間隔は
(011)面ではa軸の長さに等しく、(101)面で
はb軸の長さに等しくなり、実線で示した格子間隔は
(011)面と(101)面ともa軸、b軸、c軸のそ
れぞれの長さla 、lb 、lc の自乗の和の平方根の2
分の1に等しくなっている。希土類3B族ペロブスカイ
トでは、上記各軸の間に、la とlb とが略等しく、か
つ、次式: lc =√(la2+lb2)/2 の関係が略成り立つため、希土類3B族ペロブスカイト
結晶の(011)面または(101)面では、図1に示
されるように略六方格子の状態に配列している。
の配列を図2に示す。図2に点線で示した格子間隔はa
軸の長さの√3倍となり、実線で示した格子間隔はa軸
の長さに等しい。
ム)を選んだ場合の希土類ガリウムペロブスカイト結晶
の(011)面または(101)面の原子配列と、Ga
Nの(0001)面の原子配列とを対応させた図を示
す。図中の白丸が希土類ガリウムペロブスカイト結晶の
(011)面または(101)面の原子配列を示し、黒
丸がGaNの(0001)面の原子配列を示す。図3よ
り、GaNのa軸の長さの√3倍が希土類ガリウムペロ
ブスカイト結晶のa軸、b軸、c軸のそれぞれの長さの
自乗の和の平方根の2分の1、a軸の長さ、あるいはb
軸の長さのいずれかとほぼ等しい値であれば格子整合す
ることが分かる。因みに、希土類ガリウムペロブスカイ
ト結晶の場合にはGaNとの格子間隔のずれは0.1〜
6.1%の範囲にあり、サファイアの16%と比較して
かなり小さくなる。特に、LaGaO3 、PrGaO3
およびNdGaO3 の場合には格子間隔のずれは0.1
〜1.8%となる。また、希土類アルミニウムペロブス
カイト結晶の場合には格子間隔のずれは3.6〜8.3
%の範囲となる。希土類インジウムペロブスカイト結晶
の場合、GaNとの格子間隔のずれは大きくなるが、I
nGaO3 の場合In0.4 Ga0.6 Nとはほぼ格子整合
し、InNとGaNの混晶結晶を成長させる場合に利点
がある。
(011)面または(101)面では、基板最表面層が
3B族元素となっているので、同種元素を含むGaN系
化合物半導体結晶が、同種元素を含まないサファイア等
の基板を用いた場合に比較して、容易に成長できると考
えられる。
特徴とするところを明らかとする。なお、以下の実施例
は本発明の一例を例示したに過ぎず、その実施例により
本発明が何ら制限を受けないのはいうまでもない。
1)のNdGaO3 よりなる基板を有機溶剤で洗浄した
後、ハイドライドVPE装置内に設置した。そして、基
板部を800℃、Ga原料部を850℃にそれぞれ保持
するとともに、N2 (窒素ガス)をキャリアガスとして
流した。続いて、Ga原料の上流側からN2 で希釈した
HClガスを流し、Ga原料とHClとの反応生成物で
あるGaClを基板部に輸送した。特に限定しないが、
例えば、本例ではそのGaCl処理を5分間行なった。
しかる後、上記ガスと並行して、Ga原料部をバイパス
して基板の直前にNH3 ガスを流し、そのNH3 ガスと
GaClとを反応させて基板上にGaNをエピタキシャ
ル成長させた。特に限定しないが、例えば、このGaN
のエピタキシャル成長を30分間行なった。この実施例
で得られたGaNの膜厚は約2μmであり、その表面に
は異常成長が全く認められなかった。また、このGaN
膜のX線回折パターンを図4に示すが、同図より明らか
なように、(0002)及び(0004)の回折が強い
ことから、成長したGaNの主面は(0001)面(c
面)であることがわかった。
なわない他は、上記実施例と同一条件及び同一手順で面
方位(011)のNdGaO3 基板上に直接GaNをエ
ピタキシャル成長させた。比較例で得られたGaN膜の
X線回折パターンを図5に示すが、同図より明らかなよ
うに、成長したGaNの主面は(112~ 4)面であ
り、c面からの回折は全く認められなかった。
に、本発明を適用してGaNのエピタキシャル成長開始
前に予めNdGaO3 基板をGaCl処理することによ
り、基板上にGaN結晶の(0001)面(c面)が安
定して成長することが確認された。
NdGaO3 であるとしたが、それ以外の希土類3B族
ペロブスカイト、例えば希土類アルミニウムペロブスカ
イトなどでも基板上にGaN結晶のc面が安定して成長
するという同様の効果が得られる。また、基板の面方位
は(011)であるとしたが、それに等価である(01
~ 1)、(011~ )、(01~ 1~ )の各面方位、或
は(101)およびそれに等価である(1~ 01)、
(101~ )、(1~ 01~ )の各面方位であっても、
さらにはそれら各面方位からわずかにオフアングルして
いても、GaN結晶のc面が安定して成長するという同
様の効果が得られるのは勿論である。
ピタキシャル成長開始前にGaClを基板部に輸送して
基板表面の処理を行なったが、その処理の際に基板部に
流すガスはGaClに限らず、3B族元素を含む化合物
のガスであればよい。
GaN結晶をエピタキシャル成長させたが、これに限ら
ず、AlN、InN及びそれらとGaNとの混晶である
Inx Gay Al1-x-y N(0≦x,0≦y,x+y≦
1)を成長させても、その結晶のc面が安定して成長す
るという同様の効果が得られる。
E法によりGaN系半導体結晶をエピタキシャル成長さ
せる場合に限らず、MOCVD(有機金属気相成長)法
など他の成長方法にも適用可能である。
の成長方法によれば、基板上に窒化ガリウム系半導体結
晶を成長させるにあたり、前記基板として希土類3B族
ペロブスカイトの{101}面または{011}面を用
い、該基板を、予め3B族元素を含む化合物よりなる雰
囲気下にさらして処理した後、窒化ガリウム系半導体結
晶の成長を開始するようにしたため、GaN系半導体結
晶に比較的良く格子整合し、かつ、熱的及び化学的に安
定な希土類3B族ペロブスカイト基板の{101}面ま
たは{011}面上にGaN系半導体結晶の(000
1)面(c面)が安定して成長する。従って、青色発光
用半導体材料として良好なGaN系半導体結晶が得られ
る。
または(101)面のGa原子の配列を示す図である。
す図である。
または(101)面の原子配列と、GaNの(000
1)面の原子配列との対応を示す図である。
ーンを示す図である。
N結晶のX線回折パターンを示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に窒化ガリウム系半導体結晶を成
長させるにあたり、前記基板として希土類3B族ペロブ
スカイトの{101}面または{011}面を用い、該
基板を、予め3B族元素を含む化合物よりなる雰囲気下
にさらして処理した後、窒化ガリウム系半導体結晶の成
長を開始することを特徴とする窒化ガリウム系半導体結
晶の成長方法。 - 【請求項2】 前記3B族元素を含む化合物は、3B族
元素の塩化物であることを特徴とする請求項1記載の窒
化ガリウム系半導体結晶の成長方法。 - 【請求項3】 前記基板はNdGaO3 で表されるネオ
ジムガレートよりなり、前記3B族元素の塩化物は塩化
ガリウムであることを特徴とする請求項2記載の窒化ガ
リウム系半導体結晶の成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32822194A JP3263891B2 (ja) | 1994-12-28 | 1994-12-28 | 窒化ガリウム系半導体結晶の成長方法 |
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JPH08186078A true JPH08186078A (ja) | 1996-07-16 |
JP3263891B2 JP3263891B2 (ja) | 2002-03-11 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003048800A (ja) * | 2001-08-06 | 2003-02-21 | Nikko Materials Co Ltd | GaN系化合物半導体結晶の製造方法 |
WO2008035632A1 (fr) | 2006-09-20 | 2008-03-27 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | PROCÉDÉ DE FABRICATION D'UN MONOCRISTAL DE GaN, SUBSTRAT DE MATRICE DE FILM MINCE DE GaN ET APPAREIL DE CROISSANCE DE MONOCRISTAL DE GaN |
WO2008126532A1 (ja) | 2007-03-14 | 2008-10-23 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | エピタキシャル成長用基板および窒化物系化合物半導体単結晶の製造方法 |
-
1994
- 1994-12-28 JP JP32822194A patent/JP3263891B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4673514B2 (ja) * | 2001-08-06 | 2011-04-20 | Jx日鉱日石金属株式会社 | GaN系化合物半導体結晶の製造方法 |
WO2008035632A1 (fr) | 2006-09-20 | 2008-03-27 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | PROCÉDÉ DE FABRICATION D'UN MONOCRISTAL DE GaN, SUBSTRAT DE MATRICE DE FILM MINCE DE GaN ET APPAREIL DE CROISSANCE DE MONOCRISTAL DE GaN |
US8137460B2 (en) | 2006-09-20 | 2012-03-20 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | Manufacturing method of GaN thin film template substrate, GaN thin film template substrate and GaN thick film single crystal |
WO2008126532A1 (ja) | 2007-03-14 | 2008-10-23 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | エピタキシャル成長用基板および窒化物系化合物半導体単結晶の製造方法 |
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