JPH08184463A - 磁気情報検出装置 - Google Patents

磁気情報検出装置

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JPH08184463A
JPH08184463A JP6328678A JP32867894A JPH08184463A JP H08184463 A JPH08184463 A JP H08184463A JP 6328678 A JP6328678 A JP 6328678A JP 32867894 A JP32867894 A JP 32867894A JP H08184463 A JPH08184463 A JP H08184463A
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Masaaki Kusumi
雅昭 久須美
Hiroshi Kano
博司 鹿野
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Sony Magnescale Inc
Sony Corp
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Sony Magnescale Inc
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度、高分解能の磁気式のスケール、エン
コーダ等の磁気情報検出装置を得ることを目的とする。 【構成】 磁気情報が記録された磁気記録媒体1と、こ
の磁気記録媒体1に対し、相対的に変位可能で、この磁
気情報を検出する磁界検出手段10とを有する磁気情報
検出装置において、この磁界検出手段10として、フレ
キシブル基板11上に導体層12aと磁性層12bとが
交互に積層されて成る人工格子膜構造の磁気抵抗効果素
子12を用いたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば工作機械や産業機
械、精密測長・測角装置等に適用される磁気式のスケー
ル、ロータリーエンコーダ等に使用して好適な磁気情報
検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工作機械や産業機械、精密測長・
測角装置等に適用される磁気式のスケール、ロータリー
エンコーダ等の磁気情報検出装置の磁界検出手段、即ち
検出ヘッドとしてFe−Ni(パーマロイ)、Ni−C
o等の薄膜による磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果
素子(MR素子)が用いられている。
【0003】このMR素子による検出ヘッド(以下MR
センサーという)は一般に、表面を研磨し所定の平滑性
としたガラス基板やシリコン基板上に蒸着、スパッタ等
の方法を使用して、Fe−Ni,Ni−Co等の薄膜を
成膜し、フォトリソグラフィ技術を利用してパターニン
グされてMRセンサーが形成される。
【0004】このように形成されるMRセンサーを検出
ヘッドとして使用したスケール、エンコーダにおいて
も、その目的、用途等により様々な形状、構造のものが
あるが、一般的に高精度、高分解能化を指向するもので
は記録波長を短くすることから、スケールとこの検出ヘ
ッドとが近接して保持され、相対的に移動する如くなさ
れている。
【0005】例えば、図8A,Bに示す如き構成が採ら
れている。即ち、図8Aにおいて、1は断面円形状の磁
気スケールを示し、この磁気スケール1はCuNiF
e,FeCrCo等の磁性合金から成り、この磁気スケ
ール1の表面に長手方向に沿って、通常の磁気ヘッドで
一定波長λ例えば100μmで磁気目盛を記録したもの
である。
【0006】この磁気スケール1はヘッドホルダー2と
連続して設けた軸受2a及び2bを貫通して摺動する如
くなすと共にこのヘッドホルダー2の軸受2a及び2b
間の磁気スケール1に対向する面にガラス基板上に形成
されたMRセンサー3を接着固定し、このMRセンサー
3と磁気スケール1とが一定間隔を保って相対的に移動
できる如くなされている。また、このMRセンサー3よ
りの検出信号は図示しないフレキシブル配線基板を介し
て検出回路に供給される如くなされている。
【0007】図9A,Bは従来のロータリーエンコーダ
の例を示し、この図9Aにおいて、4はローターを示
し、このローター4の外周にフェライト等を磁性材料に
用いた所謂プラスチックマグネットから成る磁気記録媒
体5を設け、この磁気記録媒体5に所定波長λで磁気目
盛を磁気記録する如くする。このローター4の外周の磁
気記録媒体5に対向して例えばガラス基板上に設けたM
Rセンサー3を配する如くする。
【0008】この場合MRセンサー3は磁気記録媒体5
に対して、一定間隔を保って回転方向に相対的移動する
ことができるようにステイター上に保持され、このMR
センサー3よりの検出信号がフレキシブル配線基板を介
して検出回路に供給される如くなされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述の磁気式スケー
ル、エンコーダは通常90度位相差を有する少なくとも
2つの正弦波信号をこのMRセンサー3から出力し、そ
れらの検出信号から移動量や移動方向を検知する如くし
ている。通常このMRセンサー3は電圧駆動により電圧
変動の検出信号が得られ、温度特性上からも有利である
等の理由からブリッジ構成が用いられ、この為2相出力
の場合、最低でも4本のMR素子が必要とされ、所定出
力位相に対応する如く配置される。
【0010】一方、図8A,Bに示す如き磁気情報検出
装置の磁気スケール1の磁気目盛の記録面は曲面部分で
あり、MRセンサー3は上述のようにガラス基板3a等
の平面上に形成されているので、図8Bに示す如くこの
MRセンサー3の1本の素子3bの内でもその場所によ
って磁気スケール1との距離(クリアランス)が変わる
ことになる。
【0011】この為、クリアランスの広い所では抵抗値
の変化量が減少するので、1本の素子3bの全体では磁
気スケール1が平面型の構造に比べて抵抗変化が低く成
り、MRセンサー3としては出力信号が低くなる。ま
た、このMRセンサー3の素子3bの長さを短くして抵
抗変化率を確保することも考えられるが、このときは抵
抗値が小さくなり、消費電流が大きくなる等の種々の不
都合が生じる。
【0012】特に磁気情報検出装置の全体を小型にしよ
うとしたときには磁気スケール1の径が小さくなるの
で、上述不都合が顕著になり、またこの様な構造におい
ては実際に検出する検出幅が狭くなるため、得られる出
力信号の磁気記録媒体による粒子性ノイズが増大する傾
向にあるため、高精度化に対して不都合である。
【0013】また図9A,Bに示す如きロータリーエン
コーダについても、同様な問題があり、磁気目盛はロー
ター4の曲面(円筒面)の磁気記録媒体5に記録されて
おり、この磁気目盛を平面のMRセンサー3で検出する
ため、このMRセンサー3の素子パターンの相対変化方
向(回転方向)の拡がりによって、このMRセンサー3
を構成する各素子3bと磁気記録媒体5とのクリアラン
スはそれぞれ図9Bに示す如く異なったものとなる。こ
の為、各素子3bの抵抗変化が等しくならないので出力
信号の振幅が異なったり、直流成分が変動したりするこ
とになり、精度を悪化させる不都合があった。
【0014】ところで、このMRセンサー3のガラス基
板等の基板の検出面を前以って曲面状に加工しておい
て、そこにMR素子3bを形成することが考えられる
が、この加工自体が高価なものになる上、曲面に対する
MR素子3bのパターン形成は技術的に困難であり、特
に小型に成り曲率が大きくなるほど困難になり、実際に
曲面上にMR素子3bを形成することは殆ど不可能であ
った。
【0015】またFe−Ni,Ni−Co等の強磁性体
から成るMR素子は外力によって膜にストレスが掛かっ
た場合に磁歪のため、その異方性磁界HK が変化する。
その為、磁場に対する抵抗変化率が変化し、出力信号が
変動する。通常は成膜時に出力信号が最大になる方向に
異方性が出来るように作製するので、この磁歪によっ
て、抵抗変化率は減少してしまい使用が困難なものとな
る。
【0016】更に従来の強磁性体によるMR素子では膜
を形成する基板の表面性、平滑性が必要で、この表面
性、平滑性が悪いと磁気抵抗効果が小さかったり、得ら
れないことがあり、膜が形成されたとしても、表面の凹
凸部分にはピンホール等の欠陥が出来やすく使用時には
そこから欠陥が拡大し故障に至ることが屡々あった。
【0017】従って、これまでのMR素子は膜にストレ
スが掛からないように硬い基板材料で且つ表面性に優れ
る研磨ガラス、シリコン基板等を使用せざるを得なかっ
た。
【0018】本発明は斯る点に鑑み、高精度、高分解能
の磁気式のスケール、エンコーダ等の磁気情報検出装置
を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明磁気情報検出装置
は例えば図1、図2、図3に示す如く、磁気情報が記録
された磁気記録媒体1と、この磁気記録媒体1に対し、
相対的に変位可能で、この磁気情報を検出する磁界検出
手段10とを有する磁気情報検出装置において、この磁
界検出手段10としてフレキシブル基板11上に導体層
12aと磁性層12bとが交互に積層されて成る人工格
子膜構造の磁気抵抗効果素子12を用いたものである。
【0020】また本発明磁気情報検出装置は例えば図
1、図2に示す如く、この磁気記録媒体1の記録領域が
曲面から成ると共にこの磁界検出手段10をこの磁気記
録媒体1の記録領域の曲面に沿わせるようにしたもので
ある。
【0021】
【作用】本発明によれば磁界検出手段10としてフレキ
シブル基板11上に導体層12aと磁性層12bとが交
互に積層されて成る人工格子膜構造の磁気抵抗効果素子
12を用いたので、磁気スケールである磁気記録媒体1
が曲面から成っていても、この磁界検出手段を、この曲
面に沿って配することができ、この磁気記録媒体1と磁
界検出手段の全てとを一定のクリアランスを保持して相
対変位させることができ、高精度、高分解能の磁気式の
スケール、エンコーダ等を得ることができる。
【0022】また導体層12aと磁性層12bとが交互
に積層されて成る人工格子膜構造の磁気抵抗効果素子1
2の異方性磁界HK の値は導体層12aの層厚で決定さ
れるため、膜にストレスがかかっても磁場に対する抵抗
変化率はほとんど変化しない。
【0023】また、この導体層12aと磁性層12bと
が交互に積層されてなる人工格子膜構造の磁気抵抗効果
素子12は基板の表面性として、これまでのMR素子の
ような優れた平滑性は必要が無く、プラスチックフィル
ム程度の平滑性があれば十分に機能する人工格子膜を成
膜することができる。
【0024】
【実施例】以下、図1、図2及び図3を参照して本発明
磁気情報検出装置の一実施例につき説明しよう。この図
1、図2において図8に対応する部分には同一符号を付
し、その詳細説明は省略する。
【0025】図1、図2において、1は断面円形状の棒
状の磁気スケールを示し、この磁気スケール1はCuN
iFe,FeCrCo等の磁性合金から成り、この磁気
スケール1の表面に長手方向に沿って、通常の磁気ヘッ
ドで一定波長λ例えば100μmで磁気目盛を記録した
ものである。
【0026】図1及び図2において、10はこの磁気ス
ケール1を所定のクリアランスを以て巻回する如く設け
た検出ヘッドである。この検出ヘッド10は例えば図3
A及びBに示す如き構成とする。
【0027】この検出ヘッド10の例を図3A,Bを参
照して製造例に従って説明する。図3A,Bにおいて、
11はフレキシブル基板を示し、このフレキシブル基板
11として、ポリアミド、ポリエステル、ガラスエポキ
シ等が使用することができる。このフレキシブル基板1
1の厚さとしては一般的に用いられている12.5〜1
25μm程度の厚さのものを使用する。
【0028】図3Bに示す如くこのフレキシブル基板1
1上の所定位置に所定大きさの導体層12aとしてのC
u層と磁性層12bとしてのCoFeNi磁性合金層と
から成る人工格子多層膜をスパッタリング装置を使用し
て成膜する。この場合このCu層12aは2.2nm、
CoFeNi磁性合金層12bは1nmの厚さで、それ
ぞれ交互に20層ずつ成膜し、磁気抵抗効果素子12を
形成した。この場合、導体層12aと磁性層12bとの
順はどちらが先であってもよい。
【0029】この磁性層12bとしてCoFeNi磁性
合金の他にFe20Ni80,Fe25Co75,Fe10
90,Co,Ni10Co90,Ni50Co50,Fe16Co
28Ni36Cu20等の磁性合金が使用できる。
【0030】その後この磁気抵抗効果素子12上よりフ
レキシブル基板11の所定位置までに亘って例えばCu
により所定パターンの引出電極13を形成すると共にこ
の磁気抵抗効果素子12を覆う如く合成樹脂により保護
膜14を形成する。この人工格子膜層12a,12b、
引出電極13及び保護膜14はフォトリソグラフィ技術
を利用して、そのパターンを形成した。
【0031】図3Bに示す如く、これとは別にポリアミ
ド、ポリエステル、ガラスエポキシ等の合成樹脂よりな
るフレキシブル基板15上に所定パターンの接続電極1
6を有するフレキシブル配線基板17を用意し、このフ
レキシブル配線基板17と導体層12aと磁性層12b
とより成る人工格子膜構造の磁気抵抗効果素子12が設
けられたフレキシブル基板11とを電極面どうしが相対
向する如くし、引出電極13の所定位置と接続電極16
の所定位置とが電極18を介して導通する如く接合す
る。このフレキシブル配線基板17とフレキシブル基板
11との接合は接着剤19により行う如くする。
【0032】この場合、検出ヘッド10としては、図5
Aに示す如く4つの磁気抵抗効果素子12(以下GMR
素子R1 ,R2 ,R3 ,R4 とする。)を形成する。こ
の4つのGMR素子R1 ,R2 ,R3 ,R4 を磁気スケ
ール1の長手方向に沿って順次配すると共にこのGMR
素子R1 とR2 との間隔及びR3 とR4 との間隔を夫々
磁気スケール1の記録波長λの1/4とし、このGMR
素子R2 とR3 との間隔をλ/8とする如くする。
【0033】またGMR素子R1 及びR3 の夫々の一端
に所定の正電圧+Vを供給すると共にGMR素子R2
びR4 の夫々の一端に所定の負電圧−Vを供給し、GM
R素子R1 及びR2 の夫々の他端を互いに接続し、この
接続点より一方の検出端子Vout1を導出すると共に
GMR素子R3 及びR4 の夫々の他端を互いに接続し、
この接続点より他方の検出端子Vout2を導出する。
【0034】この検出ヘッド10の等価回路は図5Bに
示す如くGMR素子R1 及びR2 の直列回路とGMR素
子R3 及びR4 の直列回路とが並列に接続され、GMR
素子R1 とR2 との接続点及びGMR素子R3 とR4
の接続点より夫々一方及び他方の検出端子Vout1及
びVout2を導出したブリッジ構成である。
【0035】また図4A及びBは、夫々この検出ヘッド
10の他の実施例を示す。この図4A及びBにつき説明
するに、この図4A及びBにおいて、図3A,Bに対応
する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略す
る。
【0036】この図4Aは図3A,Bと同様にポリアミ
ド、ポリエステル、ガラスエポキシ等の合成樹脂よりな
るフレキシブル基板11上の所定位置に所定大きさの導
体層12aとしてのCu層と磁性層12bとしてのCo
FeNi磁性合金層とから成る人工格子多層膜をスパッ
タリング装置を使用して成膜する。この場合このCu層
12aは2.2nm、CoFeNi磁性合金層12bは
1nmの厚さで、それぞれ交互に20層ずつ成膜し、磁
気抵抗効果素子12を形成する。
【0037】その後、この磁気抵抗効果素子12上より
フレキシブル基板11上の所定位置まで例えばCuによ
り所定パターンの引出電極13を長く形成し、この引出
電極13を接続電極16と兼ねた構造とすると共にこの
磁気抵抗効果素子12を覆う如く、合成樹脂により保護
膜14を形成する。
【0038】またこれとは別にポリアミド、ポリエステ
ル、ガラスエポキシ等の合成樹脂よりなるフレキシブル
基板15を用意し、このフレキシブル基板15をフレキ
シブル基板11の引出電極13の所定部分を覆う如く接
着剤19を介して接合する如くする。
【0039】また、図4B例は図4A例において、フレ
キシブル基板15を磁気抵抗効果素子12の保護膜14
上まで延長し、この磁気抵抗効果素子12の保護をより
強化したものである。
【0040】本例においては図1、図2に示す如く、図
3、図4A,Bに示す如き、フレキシブル基板11上に
磁気抵抗効果素子12を形成した検出ヘッド10を磁気
スケール1を貫通して配された円筒形状のヘッドホルダ
ー20の円筒の内面に磁気抵抗効果素子12が位置する
如く接着して固定する。
【0041】図2Aに示す如く、このヘッドホルダー2
0の両側に夫々チップ21a及び21bをこのヘッドホ
ルダー20と同芯同軸に配設し、このヘッドホルダー2
0に接着固定された検出ヘッド10と磁気スケール1と
が、図2Bに示す如く所定のクリアランスを保って相対
移動ができる如くなす。
【0042】この場合棒状の磁気スケール1の円形の外
周に沿って検出ヘッド10即ち磁気抵抗効果素子12の
それぞれのパターンの全ての検出領域が図2Bに示す如
く同芯状にクリアランスに相当する間隔を保って相対的
に変位することができる。
【0043】また図2に示す如く、このヘッドホルダー
20、チップ21a及び21bを覆う如くシールドケー
ス22を設ける如くする。
【0044】本例は上述の如く、検出ヘッド10として
フレキシブル基板11上に導体層12aと磁性層12b
とが交互に積層されて成る人工格子膜構造の磁気抵抗効
果素子12を用いたので、断面円形の磁気スケール1の
円筒面に沿って配することができ、この為この断面円形
の磁気スケール1と検出ヘッド10の全てとを一定のク
リアランスを保持して相対変位させることができ、高精
度、高分解能の磁気情報検出装置を得ることができる。
【0045】この場合本例による検出ヘッド10の導体
層12aと磁性層12bとが交互に積層されて成る人工
格子膜構造の磁気抵抗効果素子12の異方性磁界HK
値は導体層であるCu層12aの層厚で決定されるた
め、膜にストレスがかかっても抵抗変化率はほとんど変
化しない。また、本例による検出ヘッド10の導体層1
2aと磁性層12bとが交互に積層されてなる人工格子
膜構造の磁気抵抗効果素子12は基板の表面性として、
これまでのMR素子のような優れた平滑性は必要が無
く、プラスチックフィルム程度の平滑性があれば十分に
機能する人工格子膜を成膜することができる。
【0046】また図6A,Bは本発明をロータリーエン
コーダに適用した例を示す。この図6A,Bにつき説明
するに図9A,Bに対応する部分には同一符号を付して
示す。
【0047】この図6Aにおいて、4はローターを示
し、このローター4の外周に磁気スケール5を設ける。
この磁気スケール5はフェライト等を磁性材料に用いた
所謂プラスチックマグネットから成る磁気記録媒体に所
定波長λで磁気目盛を記録したものである。
【0048】図6A,Bに示す如くこのローター4に対
向してヘッドホルダー30を設ける。このヘッドホルダ
ー30のローター4に対向する面はローター4の外周に
沿った、即ちローター4と同芯の凹円筒面形状とし、こ
の面に図3A,B,図4A及びBに示す如きフレキシブ
ル基板11上に導体層12aと磁性層12bとが交互に
積層されている人工格子膜構造の磁気抵抗効果素子12
を設けた検出ヘッド10を接着剤を介して、この面に倣
って密着固定する如くする。
【0049】この場合、ヘッドホルダー30は取付ねじ
を用いてスライダーに固定されるが、その際にスペイサ
ー等の治具を使って位置が調整されて配設する如くし、
ローター4とヘッドホルダー30の内面に固定された検
出ヘッド10のそれぞれのパターンの全ての検出領域と
が図6Bに示す如くローター4と同芯にクリアランスの
量に相当する間隔を保って相対的に変位するようにす
る。
【0050】斯る図6例においては、検出ヘッド10の
例えば4つの人工格子膜構造の磁気抵抗効果素子R1
2 ,R3 ,R4 をローター4に対して同一クリアラン
スになる位置に配置することが出来る為に、高精度、高
分解能のロータリーエンコーダを得ることができる利益
がある。また、この図6例においても図1、図2例と同
様の作用効果が得られることは勿論である。
【0051】また図7は本発明の他の実施例を示す。こ
の図7例につき説明するに、図7において31は磁気ス
ケールを示し、この磁気スケール31は角断面形状のガ
ラス基材の一方及び他方の面に無電解メッキで2〜3μ
mの磁性体を付け、一方の面31aに長手方向に一定波
長λ例えば40μmの磁気目盛を記録し、この他方の面
31bに定点検出用の原点信号を記録したものである。
この磁気スケール31としてCuNiFe,FeCrC
o等の磁性合金材を用いても良い。
【0052】またこの磁気スケール31の両面を覆う如
く断面コ字状のスライダー32を設け、このスライダー
32の内側の磁気スケール31の一方及び他方の面31
a及び31bに対向する面に夫々検出ヘッド10a及び
10bを固定する如くする。この場合磁気スケール31
と検出ヘッド10a,10bが相対的に変位できる如く
する。
【0053】この検出ヘッド10a及び10bは一枚の
フレキシブル基板11の2か所に図3A,B,図4A及
びBに示す如く導体層12aと磁性層12bとが交互に
積層された人工格子膜構造の磁気抵抗効果素子12を形
成したものである。
【0054】斯る図7例によれば、検出ヘッド10a及
び10b間を折り曲げて配設でき、原点信号及び位置信
号の得られる磁気情報検出装置をコンパクトに形成でき
る利益がある。
【0055】尚上述実施例においては検出ヘッド10,
10a,10bとしてフレキシブル基板11上に導体層
12aと磁性層12bとが交互積層された人工格子膜構
造の磁気抵抗効果素子12のみを設けた例につき述べた
が、この磁気抵抗効果素子12に所定のバイアス磁界を
供給するようにしたり等その他の構成とすることができ
ることは勿論である。
【0056】また、本発明は上述実施例に限らず本発明
の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得
ることは勿論である。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば磁界検出手段としてフレ
キシブル基板上に導体層と磁性層とが交互に積層されて
成る人工格子膜構造の磁気抵抗効果素子を用いたので、
磁気スケールである磁気記録媒体が曲面から成っていて
も、この磁界検出手段をこの曲面に沿って配することが
でき、この磁気記録媒体と磁界検出手段の全てとを一定
のクリアランスを保持して相対変位させることができ、
高精度、高分解能の磁気式のスケール、エンコーダ等を
得ることができる利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明磁気情報検出装置の一実施例の要部を示
す一部切欠斜視図である。
【図2】Aは図1の横断面図、Bはその縦断面図であ
る。
【図3】検出ヘッドの例を示し、Aはその断面図、Bは
その分解断面図である。
【図4】A及びBは夫々検出ヘッドの他の例を示す断面
図である。
【図5】検出ヘッドの例の説明に供する線図である。
【図6】本発明の他の実施例を示し、Aはその斜視図、
Bはその上面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す側面図である。
【図8】従来の磁気情報検出装置の例を示し、Aはその
斜視図、Bはその説明に供する線図である。
【図9】従来の磁気情報検出装置の例を示し、Aはその
斜視図、Bはその説明に供する線図である。
【符号の説明】
1 磁気スケール 10 検出ヘッド 11,15 フレキシブル基板 12 磁気抵抗効果素子 12a 導体層 12b 磁性層 13 引出電極 14 保護膜 16 接続電極 19 接着剤 20 ヘッドホルダー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気情報が記録された磁気記録媒体と、 該磁気記録媒体に対し相対的に変位可能で前記磁気情報
    を検出する磁界検出手段とを有する磁気情報検出装置に
    おいて、 前記磁界検出手段としてフレキシブル基板上に導体層と
    磁性層とが交互に積層されて成る人工格子膜構造の磁気
    抵抗効果素子を用いたことを特徴とする磁気情報検出装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気情報検出装置におい
    て、前記磁気記録媒体の記録領域が曲面から成ると共に
    前記磁界検出手段を前記磁気記録媒体の記録領域の曲面
    に沿わせるようにしたことを特徴とする磁気情報検出装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6184680B1 (en) * 1997-03-28 2001-02-06 Tdk Corporation Magnetic field sensor with components formed on a flexible substrate
JP2011080839A (ja) * 2009-10-06 2011-04-21 Tokai Rika Co Ltd 位置検出装置及びシフト装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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