JPH08183091A - 2軸配向ポリアミドフイルム及びその製造法 - Google Patents

2軸配向ポリアミドフイルム及びその製造法

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JPH08183091A
JPH08183091A JP6327902A JP32790294A JPH08183091A JP H08183091 A JPH08183091 A JP H08183091A JP 6327902 A JP6327902 A JP 6327902A JP 32790294 A JP32790294 A JP 32790294A JP H08183091 A JPH08183091 A JP H08183091A
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film
pes
biaxially oriented
oriented polyamide
longitudinal direction
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Application number
JP6327902A
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English (en)
Inventor
Minoru Kishida
稔 岸田
Masanobu Hioki
正信 日置
Keizou Kiyuuda
圭三 給田
Atsuhiro Ishikawa
敦浩 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐屈曲ピンホール性などの強靱性と実用上の
寸法安定性を有すると共に、フイルムの長手方向の引裂
直進性に優れた2軸配向ポリアミドフイルムを提供す
る。 【構成】 ポリ−ε−カプラミド(N6という。)と熱
可塑性ポリエステル(PESという。)との重量比55〜
95/45〜5の混合物からなる2軸配向ポリアミドフイル
ムであって、N6中にPESがフイルム長手方向に長い
島状に分散しており、フイルムの長手方向断面上に観察
されるPESの分散粒子断面のフイルム長手方向の長さ
の数平均値をLM(μm)、フイルムの巾方向断面上に観
察されるPESの分散粒子断面のフイルム巾方向の長さ
の数平均値をLT(μm)、さらにフイルムの巾方向断面
上に観察されるPESの分散粒子の個数をN(個/10μ
m2)とするとき、次の式 (1)〜(3) を満足することを特
徴とするフイルム長手方向の引裂直進性を有する2軸配
向ポリアミドフイルム。 0.1≦LT≦5.0 (1) LM/LT≧1.5 (2) N≧10 (3)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フイルム長手方向に引
き裂いた際の直進性に優れ、かつ、優れた透明性、実用
強度、寸法安定性を有し、スープ、ジャム、レトルトパ
ウチなどの食品をはじめ、薬品、日用品、トイレタリー
などの包装材料として好適な2軸配向ポリアミドフイル
ム及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品、医薬品、雑貨などの包装には、各
種のプラスチックフイルム製包装袋が多く使用されてお
り、2軸配向プラスチックフイルムとヒートシール可能
な無配向プラスチックフイルムを2層あるいは3層以上
ラミネートした包装袋が広く使用されている。特に耐ピ
ンホール性、耐衝撃性、耐落下破袋性などが要求される
食品包装分野などでは、2軸配向フイルムとしてフラッ
ト同時2軸延伸法、フラット逐次2軸延伸法、チューブ
ラ法などを用いて製造した高強度のポリアミド2軸配向
フイルムが使用されている。
【0003】ところで、多くの包装袋には、手による開
封性を良くする工夫としてヒートシール部にノッチが付
されている。しかし、このノッチから引き裂いた際に、
包装袋の縦あるいは横方向に容易にあるいは直線的に引
き裂けない現象がしばしば発生する。このような場合に
は、開封と同時に内容物が飛散して無駄になるばかりで
なく、特に内容物が液状、半流動性あるいは粉状の場合
には衣服などを汚したりする事故が起き易い。従来のポ
リアミド2軸配向フイルムとヒートシール可能な無配向
ポリオレフィンフイルムなどをラミネートした包装袋で
は、このような問題が発生するため改良が求められてい
る。
【0004】また、フイルムを引き裂いた際に直進性に
優れる易開封性材料としては、1軸延伸ポリオレフィン
フイルムを中間層としてラミネートしたものがある。例
えば、2軸延伸ポリアミドフイルム/1軸延伸ポリオレ
フィンフイルム/無配向ポリオレフィンフイルムの3層
ラミネートフイルムがある。しかし、これによれば1軸
延伸フイルムの延伸方向の引裂直進性は改良されるもの
の、引裂直進性改良のためだけに新たな中間層を設ける
多層構成になるため、高価になるなどの問題が残ってお
り、用途が限定されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決しようとするものであり、ポリアミドフイルム
の強靭性と優れた透明性及び特に食品などの包装材料と
して強く要求される耐ピンホール性やボイル、レトルト
などの後加熱処理での寸法安定性を有すると共に、フイ
ルムの長手方向に引き裂いた際の引裂直進性に極めて優
れたフイルムであって、これを包装袋を構成するフイル
ムの1層以上に用いた場合に、包装袋の開封性を極めて
容易にする易開封性包装用材料として好適な2軸配向ポ
リアミドフイルム及びその製造法を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討した結果、N6とPE
Sとの混合物を製膜する際に、N6中にPESがフイル
ムの長手方向に細長い島上に分散するような条件を選ぶ
ことにより、長手方向の引裂直進性が得られることを見
出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、次のとおりで
ある。
【0008】1.N6とPESとの重量比55〜95/45〜
5の混合物からなる2軸配向ポリアミドフイルムであっ
て、N6中にPESがフイルム長手方向に長い島状に分
散しており、フイルムの長手方向断面上に観察されるP
ESの分散粒子断面のフイルム長手方向の長さの数平均
値をLM(μm)、フイルムの巾方向断面上に観察される
PESの分散粒子断面のフイルム巾方向の長さの数平均
値をLT(μm)、さらにフイルムの巾方向断面上に観察
されるPESの分散粒子の個数をN(個/10μm2)とす
るとき、次の式 (1)〜(3) を満足することを特徴とする
フイルム長手方向の引裂直進性を有する2軸配向ポリア
ミドフイルム。 0.1≦LT≦5.0 (1) LM/LT≧1.5 (2) N≧10 (3) 2.N6とPESとからなり、それらの重量比が55〜95
/45〜5で、N6に対するPESの溶融粘度の比(M
R)が 0.1〜4.0 である混合物を口金孔の間隙とシート
の厚さとの比(DR)が3以上となる条件で口金孔から
シート状に押出し、冷却して得られた未延伸シートを温
度50〜80℃、延伸倍率 3.0〜4.0 倍の範囲で2軸延伸す
るか、もしくは、未延伸シートを水分率1〜6重量%に
調整した後、温度 150〜220 ℃、延伸倍率 3.0〜4.0 倍
の範囲で2軸延伸し、続いて 190〜220 ℃の温度で熱処
理することを特徴とする長手方向の引裂直進性を有する
2軸配向ポリアミドフイルムの製造法。
【0009】なお、本発明におけるN6としては、ホモ
ポリマーのほか、N6単位を90モル%以上含有するコポ
リマーを使用することができる。また、本発明の効果を
損なわない範囲で、他のポリアミドやポリアミド用の各
種添加剤を含有していてもよい。
【0010】本発明において使用されるPESは、ジカ
ルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又は
そのエステル形成性誘導体、あるいはラクトン類から形
成されるポリエステル構造を有するポリマーである。
【0011】ジカルボン酸成分としては、マロン酸、琥
珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸
などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、ビス(p−カルボキシルフェニル)メタン、アント
ラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸などの脂環式ジカルボン酸を用いることができる。
【0012】ジオール成分としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールな
どの脂肪族グリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオ
ール、シクロヘキシレンジメタノールなどの脂環式グリ
コールや、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコールなどを使用することが
できる。
【0013】またラクトン類としては、β−プロピオラ
クトン、ジメチルプロピオラクトン、ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロ
ラクトンなどを用いることができる。
【0014】本発明において、好ましく使用されるPE
Sとしては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
ポリエチレンサクシネート(PS)、ポリブチレンサク
シネート(PBS)、ポリ−ε−カプロラクトン(PC
L)などが挙げられる。
【0015】本発明のフイルムは、N6とPESとの重
量比55〜95/45〜5の混合物からなることが必要であ
る。PESの割合が5重量%未満であると長手方向の引
裂直進性が発現せず、45重量%を超えるとフイルムの耐
ピンホール強力などの強度性能が低下して好ましくな
い。
【0016】また、本発明のフイルムは、N6中にPE
Sが前記式(1) 〜(3) を満足するように長手方向に島状
に分散していることが必要である。
【0017】式(1) は、PESの分散粒子の大きさを示
しており、LTが 0.1μm 未満にまで細かく分散すると
引裂直進性が得られず、5.0 μm より大きい粗い分散状
態となると、引裂直進性が低下したり、フイルムの強
度、耐熱性などの実用性能が低下するため、好ましくな
い。
【0018】式(2) は、PESの粒子の形状がフイルム
の長手方向に長い棒状になっていることを示しており、
長手方向と巾方向の長さの比が1.5以上の場合に長手
方向の引裂直進性を有するようになる。
【0019】PESがN6中に島状に分散したフイルム
では、PESとN6との界面部分での相互の分子間力が
弱く、上記のようにPESが棒状に分散していると、こ
の分子間力の弱い界面がフイルムの長手方向に強く配向
した状態となるため、長手方向の引裂直進性が発現する
ものと考えられる。PESがフイルムの長手方向に長い
棒状に分散していることが、フイルムにこの方向の引裂
直進性を与えるための重要な要件である。
【0020】式(3) は、N6中に存在するPES粒子の
個数を示しており、これが一定以上、すなわち、10個/
10μm2以上存在しないと、引裂直進性が発現しない。
【0021】次に、本発明のフイルムの製造法について
説明する。
【0022】本発明においては、前述のように、N6と
PESとの重量比55〜95/45〜5の混合物を用いるが、
N6に対するPESの溶融粘度の比(MR)が 0.1〜4.
0 、好ましくは 0.2〜2.0 となるように両樹脂を選択す
る必要がある。
【0023】このMRが 4.0より大きいとPESの分散
粒子が大きくなって、分散粒子の個数が引裂直進性を発
現するのに不十分となり、本発明のフイルムを得ること
ができない。一方、MRが 0.1未満であるとPESの分
散粒子が小さくなりすぎて引裂直進性が低下するととも
に、両者の粘度差が大きすぎ、良好に製膜することがで
きない。
【0024】次に、混合した原料を押出機に投入し、加
熱溶融した後、フラットな口金孔からシート状に押出
す。口金孔から押出されて軟化状態にあるシートは、次
いで、冷却ドラムに巻きつけられて急冷される。この
際、口金孔の間隙と冷却されたシートの厚さとの比(D
R)を3以上、好ましくは5以上とすることが必要であ
る。N6中に分散するPESの粒子の形状は、溶融状態
でのポリマーの流れによる変形と、口金と冷却ドラムと
の間での溶融シートの引張変形によって左右されるが、
後者の変形が大きく作用する。DRは、この口金と冷却
ドラムとの間での見掛けの変形量を示しており、DRを
大きくするほど、N6中のPES粒子の形状が細長くな
ってフイルムの長手方向に分散し、引裂直進性が発現す
るのである。
【0025】続いて、得られた未延伸シートを2軸延伸
して2軸配向フイルムとする。2軸延伸の方法は、テン
ター同時2軸延伸法、ロールとテンターによる逐次2軸
延伸法のいずれの方法でもよい。
【0026】同時2軸延伸法の場合では、未延伸シート
を同時2軸延伸機に送り込み、温度50〜80℃で、延伸倍
率を通常 3.0〜4.0 倍の範囲で同時2軸延伸するか、未
延伸シートを水に浸して水分率を1〜6重量%に調整し
た後、同時2軸延伸機に送り込み、温度150 〜220 ℃、
延伸倍率 3.0〜4.0 倍の範囲で同時2軸延伸する。延伸
倍率が 3.0倍未満であるとフイルムの強度が低く、4.0
倍を超えると延伸工程でのフイルムの破断が多発するの
で好ましくない。2軸延伸されたフイルムを引き続き熱
処理して2軸配向を固定させる。
【0027】延伸、熱処理して得られた2軸配向フイル
ムには、必要に応じて、易接着性を付与するために、片
面又は両面に物理的、化学的表面処理が施される。
【0028】本発明のポリアミドフイルムは、優れた強
靭性、実用強度に加え、フイルムの長手方向に優れた引
裂直進性を有するので、包装袋用として好適である。
【0029】本発明のフイルムを包装袋用として使用す
る場合、通常、ヒートシール性を付与したり、ガスバリ
ヤー性を高めたりするために、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル
などの他のプラスチックフイルム、紙、アルミニウムな
どの金属箔などと積層して用いられる。この場合、本発
明のフイルムは、少なくとも1層に用いられ、積層フイ
ルムが引裂直進性を有する限り、積層数などは特に限定
されない。
【0030】このような積層フイルムを、本発明のフイ
ルムの長手方向が引裂方向となるように製袋することに
より、易開封性包装袋が得られる。そして、この包装袋
は、優れた引裂直進性を有するので、スープ、ジャム、
レトルトパウチなどの食品をはじめ、医薬品、日用品、
トイレタリーなどの包装袋として有用である。
【0031】
【実施例】次に実施例及び比較例によって本発明を具体
的に説明する。なお、実施例及び比較例に用いた原料な
らびに測定法は次のとおりである。
【0032】(1)原料 N6:ユニチカ社製 A1030BRF(溶融粘度 9
60 poise) PBT:三菱化学社製 ノバドール5020S PBS:次の方法で製造した。撹拌機、ウィグリュー
分溜管及びガス導入管を付した三つ口フラスコに、琥珀
酸944g(8モル)、1,4−ブタンジオール938
g(10. 4モル)、酢酸マグネシウム4水和物0. 5
2g(2. 4×10-3モル)を入れ、油浴中に浸して融
解した。この油浴を200℃に昇温し、窒素をゆっくり
融解液中に流し、200℃の温度で3時間要して生成す
る水と過剰の1,4−ブタンジオールを留去してオリゴ
マーを得た。次いでトリエトキシアンチモン4. 2g
(1. 6×10-2モル)を加え、温度を220℃に保っ
て、0. 5mmHgの減圧下で1時間加熱することによ
りPBSポリマーを得た。
【0033】PS:次の方法で製造した。撹拌機、ウ
ィグリュー分溜管及びガス導入管を付した三つ口フラス
コに、琥珀酸944g(8モル)、エチレングリコール
646g(10. 4モル)、酢酸マグネシウム4水和物
0. 52g(2. 4×10-3モル)を入れ、油浴中に浸
して融解した。この油浴を200℃に昇温し、窒素をゆ
っくり融解液中に流し、200℃の温度で3時間要して
生成する水と過剰のエチレングリコールを留去してオリ
ゴマーを得た。次いでポリリン酸0. 1gとテトラ−n
−ブチルチタネート2. 8g(8×10-3モル)を加
え、温度を220℃に保って、0. 5mmHgの減圧下
で1時間加熱することにより白色のPSポリマーを得
た。 PCL:日本ユニカー社製 P767(ガラス転移温
度−60℃) ポリアリレート(PAR):ユニチカ社製 U−10
0(ビスフェノールAとテレフタル酸/イソフタル酸か
らなる共重合体、ガラス転移温度190℃)。
【0034】(2)測定法 (a)PESの分散粒子の寸法LM、LT及び個数N;
日本電子社製JSM−15型走査電子顕微鏡を使用し、
長手方向(MD)破断面と、巾方向(TD)破断面の電
子顕微鏡写真からPESの分散粒子寸法LM、LT(μ
m)と個数N(個/10μm2 )を読みとった。
【0035】(b)長手方向の引裂直進性;2軸配向フ
イルムより長手方向(MD)に205mm、巾方向(T
D)に20mm長の短冊状のフイルム片を切り出し、こ
のフイルム片の一方の短辺の中央部に長さ5mmの切り
込みを入れた試料を10本作製する(図1)。作製した
試料を切り込みより長辺方向に手で引き裂き、図2(a)
のように引き裂き伝播端が切り込みを入れた辺に向かい
合う短辺に到達した試料本数を評価値とした。(評価
値:0〜10) なお、評価は、延伸後巻き取ったフイルムの左端部、中
央部、右端部それぞれについて実施した。
【0036】(c)溶融粘度;100℃で10時間真空
乾燥した樹脂の溶融粘度を、直径0. 5mm、長さ2.
0mmのノズルを付けたフローテスター(島津製作所社
製CFT−500)を用い、温度280℃で予熱時間1
80sec の条件で、荷重を変えて4点測定した。得られ
た剪断速度−溶融粘度曲線より、剪断速度1000 sec
-1時の見かけの溶融粘度を読みとった。
【0037】(d)耐屈曲ピンホール性;20℃、65
%RHの条件下で調湿した8×11インチの長方形のフ
イルムを理学工学社製ゲルボフレックステスターに装着
して、3. 5インチ直進中に440°回転し、さらに
2. 5インチ直進し、その後、逆の行程で元の位置に戻
るまでの動きを1回と数えて、10000回の屈曲テス
トを行った。屈曲テスト後のフイルムについて、三菱瓦
斯化学社のエージレスシールチェック法を利用し、着色
液をフイルムの片面に塗布し、液が反対面に浸透した個
数をピンホール数として計測した(測定面積は77平方
インチ)。
【0038】実施例1 N6及びPBTを85/15の重量比で混合した組成物
を調製した(MR= 0.5)。この組成物を、コートハン
ガータイプのTダイを具備した50mmφ押出機を使用
して樹脂温度270℃、DR8. 8で溶融押出しし(フ
ラット製膜法)、20℃に温調されたキャストロールに
密着急冷し、厚さ約150μmの未延伸シートを得た。
得られた未延伸シートを50℃に調整した温水槽に送
り、2分間の浸水処理を施して水分率4. 9%とし、こ
のシートの端部をテンター式同時2軸延伸機のクリップ
で保持し、175℃の条件下で縦横両軸方向に3. 3倍
延伸した後、210℃で4秒間、横方向に5%弛緩させ
ながら熱処理を施し、室温まで徐冷し、厚さ15μmの
2軸配向フイルムを得た。得られたフイルムの引裂直進
性を測定し、結果を表1に示した。
【0039】実施例2〜3 PBTの代わりに、PBS、PSを用いた以外は実施例
1と同様にして2軸配向フイルムを得て、引裂直進性を
測定し、結果を表1に示した。
【0040】実施例4〜5 混合重量比を表1の様に変更した以外は実施例1と同様
にして2軸配向フイルムを得た。得られたフイルムの引
裂直進性を測定し、結果を表1に示した。
【0041】実施例6 DRを表1の様に変更した以外は実施例1と同様にして
2軸配向フイルムを得た。得られたフイルムの引裂直進
性を測定し、結果を表1に示した。
【0042】実施例7 PBTの代わりにPCLを用いた以外は実施例1と同様
にして2軸配向フイルムを得た。得られたフイルムの引
裂直進性を測定し、結果を表1に示した。
【0043】実施例8 PESとして、PBTとPARとの等重量混合物を用い
た以外は実施例1と同様にして2軸配向フイルムを得
た。得られたフイルムの引裂直進性を測定し、結果を表
1に示した。
【0044】実施例9 未延伸フィルムの浸水処理を施さず、延伸温度を70℃
とした以外は実施例1と同様の方法で2軸配向フイルム
を得た。得られたフイルムの引裂直進性を測定し、結果
を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】比較例1〜3 混合重量比を表2の様に変更した以外は実施例1と同様
にして2軸配向フイルムを得た。得られたフイルムの引
裂直進性を測定し、結果を表2に示した。
【0047】比較例4〜5 PESとして、PBT、PCLを用い、DRとMRを表
2の様に変更した以外は実施例1と同様にして2軸配向
フイルムを得た。得られたフイルムの引裂直進性を測定
し、結果を表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】実施例10〜17及び比較例6〜11 表3に示した包材構成の複層フイルムをドライラミネー
ト法で作製し、長手方向及び巾方向が各200mmの4
方シール袋を作製し、耐屈曲ピンホール性と引裂直進性
の評価を実施した。包材構成成分の略号は、次のものを
示す。評価結果を表3に示す。 ON4:実施例4で得られた2軸配向フイルム ON1:実施例1で得られた2軸配向フイルム ON(1):比較例1で得られた2軸配向フイルム ON(3):比較例3で得られた2軸配向フイルム LLDPE:線状低密度ポリエチレン(東京セロファン
紙社製、TUX−TC、厚さ60μm) PET:PET2軸配向フイルム(ユニチカ社製、厚さ
12μm) CPP:無配向ポリプロピレンフィルム(東レ社製、厚
さ60μm) AL:アルミ箔(昭和アルミニウム社製、厚さ7μm)
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ポリアミドフイルムの
強靭性、特に食品などの包装材料として強く要求される
耐屈曲ピンホール性を有すると共に、フイルム長手方向
の引裂直進性に優れたフイルムが提供される。また、本
発明のフイルムを包装袋を構成するフイルムの一層以上
に用いることによって優れた開封性を有する包装袋が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フイルムの長手方向の引裂直進性評価に用いた
試験片の形状を示す図である。
【図2】引き裂き試験における引き裂き後の試験片の形
状を示す図であり、(a)は引裂直進性が良好な試験片
の例、(b)は引裂直進性が不良な試験片の例を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/18 CFG C08L 67/02 LPG 77/02 LQU // B29K 77:00 B29L 7:00 (72)発明者 石川 敦浩 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ−ε−カプラミド(N6という。)
    と熱可塑性ポリエステル(PESという。)との重量比
    55〜95/45〜5の混合物からなる2軸配向ポリアミドフ
    イルムであって、N6中にPESがフイルム長手方向に
    長い島状に分散しており、フイルムの長手方向断面上に
    観察されるPESの分散粒子断面のフイルム長手方向の
    長さの数平均値をLM(μm)、フイルムの巾方向断面上
    に観察されるPESの分散粒子断面のフイルム巾方向の
    長さの数平均値をLT(μm)、さらにフイルムの巾方向
    断面上に観察されるPESの分散粒子の個数をN(個/
    10μm2)とするとき、次の式 (1)〜(3) を満足すること
    を特徴とするフイルム長手方向の引裂直進性を有する2
    軸配向ポリアミドフイルム。 0.1≦LT≦5.0 (1) LM/LT≧1.5 (2) N≧10 (3)
  2. 【請求項2】 PESが、テレフタル酸と1,4-ブタンジ
    オールとから形成されたポリエステル構成単位を90モル
    %以上含有する請求項1記載の2軸配向ポリアミドフイ
    ルム。
  3. 【請求項3】 PESが、コハク酸とエチレングリコー
    ル及び/又は1,4-ブタンジオールとから形成されたポリ
    エステル構成単位を90モル%以上含有する請求項1記載
    の2軸配向ポリアミドフイルム。
  4. 【請求項4】 PESが、ε−カプロラクトンから形成
    されたポリエステル構成単位を90モル%以上含有する請
    求項1記載の2軸配向ポリアミドフイルム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の2軸配向ポリアミドフイ
    ルムを少なくとも1層に使用した引裂直進性を有する積
    層フイルム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の積層フイルムを使用し、
    2軸配向ポリアミドフイルムの長手方向が引裂方向とな
    るように製袋した易開封性包装袋。
  7. 【請求項7】 N6とPESとからなり、それらの重量
    比が55〜95/45〜5で、N6に対するPESの溶融粘度
    の比(MR)が 0.1〜4.0 である混合物を口金孔の間隙
    とシートの厚さとの比(DR)が3以上となる条件で口
    金孔からシート状に押出し、冷却して得られた未延伸シ
    ートを温度50〜80℃、延伸倍率 3.0〜4.0 倍の範囲で2
    軸延伸するか、もしくは、未延伸シートを水分率1〜6
    重量%に調整した後、温度 150〜220 ℃、延伸倍率 3.0
    〜4.0 倍の範囲で2軸延伸し、続いて 190〜220 ℃の温
    度で熱処理することを特徴とする長手方向の引裂直進性
    を有する2軸配向ポリアミドフイルムの製造法。
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