JPH08181726A - 回線品質測定装置 - Google Patents

回線品質測定装置

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JPH08181726A
JPH08181726A JP32001394A JP32001394A JPH08181726A JP H08181726 A JPH08181726 A JP H08181726A JP 32001394 A JP32001394 A JP 32001394A JP 32001394 A JP32001394 A JP 32001394A JP H08181726 A JPH08181726 A JP H08181726A
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Fumio Ishizu
文雄 石津
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えばガウス伝送路とフェージング伝送路な
どの伝送路状態に依存せず、高い精度でビット誤り率が
推定できる回線品質測定装置を構成することを目的とす
る。 【構成】 受信信号を復調する復調手段と、複数種類の
設定位相領域においてそれぞれ上記復調手段の出力信号
点の位相が存在するか否かを判定する位相領域判定手段
と、この位相領域判定手段からの複数の判定結果を用い
て伝送路状態を推定する伝送路推定手段と、この伝送路
推定手段の推定した伝送路状態に応じて上記受信信号に
対する誤り率を推定する誤り率推定手段とで構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、衛星通信、移動体通
信および移動体衛星通信に用いられる受信機の回線品質
測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は、例えば“B−355 検波位
相尤度を用いたQPSK回線品質測定”、1991年電
子情報通信学会春期全国大会講演論文集[分冊2](1
991年3月15日発行)355頁 に示されるような
従来の回線品質測定装置を示すブロック図である。
【0003】図12において、1は位相変調された受信
信号の入力端子、2は受信信号を復調する復調器、3は
復調器2の出力信号点が、予め設定した位相領域に入っ
ているか否かを検出し、その検出信号を出力する位相領
域判定回路、4は単位時間当たりの位相領域判定回路3
の出力信号をカウントするカウンタ、5はカウンタ4の
出力値を用いてビット誤り率を推定するビット誤り率推
定回路、6はビット誤り率推定回路5の出力値を外部に
出力する出力端子である。
【0004】次に動作について説明する。位相変調され
た受信信号は入力端子1より復調器2に入力され、復調
される。そして、復調器2はナイキスト点など判定点に
おける位相情報を位相領域判定回路3に出力する。一例
として、図10にQPSK変調信号を復調した場合の信
号空間図を示す。
【0005】図13において、理想的な伝送路を通って
きた場合の信号点は、S1〜S4(π/4,3π/4,
−3π/4,−π/4)のいずれかである。しかし、伝
送路に熱雑音やフェージングが加わると信号点はS1〜
S4の点からずれる。そして、本来の信号点より位相が
π/4以上ずれると信号点の象限が変わってしまい、そ
の結果ビット誤りになる。
【0006】いま、送信位相としてS1を伝送し、復調
器2からR点の位相で出力されたとする。この場合、S
1点とR点との位相差θが小さいほど誤り率が低いと考
えられ、逆に誤り率が悪い場合では図13に斜線で示し
たI軸/Q軸近傍領域に信号点がくる頻度が高くなる。
【0007】よって、信号点が図10の斜線領域にはい
る確率を測定すれば、本当のビット誤り率が推定でき
る。ここでは、信号点が図13の斜線領域にはいる確率
を「擬似誤り率」と記載する。図14に上記「擬似誤り
率」と「ビット誤り率」との関係の一例を示す。「擬似
誤り率」が得られれば図14より「ビット誤り率」が推
定できる。
【0008】次に、位相領域判定回路3は復調器2の出
力信号位相点が図13の斜線領域内で検出された場合、
その検出信号、すなわち擬似誤りパルスを出力する。そ
して、カウンタ14は単位時間当たりの上記擬似誤りパ
ルス数をカウントし、ビット誤り率推定回路5にそのカ
ウント値を入力する。
【0009】ビット誤り率推定回路5は上記単位時間当
たりの擬似誤りパルスのカウント値から「擬似誤り率」
を計算し、その結果から図14の関係を用いて「ビット
誤り率」を推定し、出力端子6より外部へ出力する。
【0010】この様に、復調器2の出力信号の判定点に
おける位相が図13に示すような斜線部分に存在する
「擬似誤り率」を測定することにより、本来の「ビット
誤り率」が推定可能になる。
【0011】しかし、例えば移動中の通信者はフェージ
ング伝送路、静止している通信者はガウス伝送路をそれ
ぞれ通して通信していると考えることができるが、「擬
似誤り率」と「ビット誤り率」との関係はこの通信中の
伝送路状態によって変わる。従って、擬似誤りパルスを
出力する斜線の領域を図13に示すように固定している
場合は、「擬似誤り率」と「ビット誤り率」との関係
は、図15に示すようにガウス伝送路やフェージング伝
送路などのような伝送路状態によって異なってしまい、
単に「擬似誤り率」を測定しただけでは正確な「ビット
誤り率」が推定できないという問題点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の回線品質測定装
置は以上のような構成になっているため、ガウス伝送路
やフェージング伝送路などのような通信中の伝送路状態
によって「擬似誤り率」と「ビット誤り率」との関係は
異なってしまい、単に「擬似誤り率」を測定しただけで
は正確な「ビット誤り率」が推定できないという問題点
がある。
【0013】この発明は上記のような課題を解消するた
めになされたもので、伝送路状態に依存せず精度の高い
「ビット誤り率」を推定する回線品質測定装置を実現す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる回線品
質測定装置は、復調手段が出力する復調信号が所定の設
定位相領域内にあるか否かを、異なる複数の設定位相領
域に対して判定する位相領域判定手段と、この位相領域
判定手段から出力された異なる設定位相領域に対応した
複数の位相判定信号に基づき伝送路状態を推定する伝送
路推定手段と、この伝送路推定手段により推定された伝
送路状態に応じて上記受信信号に対する誤り率を推定す
るようにしたものである。
【0015】また請求項2の発明では、上記伝送路推定
手段を、上記各位相領域判定手段から出力される位相判
定信号を単位時間毎に計数する計数手段と、この計数手
段からの計数値から、上記各位相領域判定手段に設定さ
れた各設定位相領域に対応した上記復調手段出力信号の
擬似誤り率を検出する擬似誤り率検出手段と、この擬似
誤り率検出手段からの各擬似誤り率間の関係に基づいて
伝送路状態を指定する伝送路指定手段とで構成したもの
である。
【0016】また請求項3の発明では、さらに、上記計
数手段から出力される上記計数値を平均化して出力する
平均化手段を設け、上記擬似誤り率検出手段はこの平均
化手段から出力される平均化された計数値に基づき擬似
誤り率を検出するようにしたものである。
【0017】また請求項4の発明では、上記位相領域判
定手段における上記設定位相領域を3つ以上設け、か
つ、上記伝送路推定手段において、設定位相領域のうち
の2つに対応する位相判定信号に基づき伝送路状態を推
定するとともに上記2つの設定位相領域の組み合せ方が
異なる上記位相判定信号の組から推定される複数の伝送
路状態から1つを選択して推定伝送路状態として決定し
出力するようにしたものであり、請求項5の発明では特
に請求項2、3の伝送路指定手段を、この設定位相領域
のうちの2つに対応する位相判定信号から上記擬似誤り
率検出手段が検出する各擬似誤り率間の関係に基づき伝
送路状態を推定する候補推定手段と、この候補推定手段
により推定された上記2つの設定位相領域の組み合せ方
が異なる上記位相判定信号の組に対応する複数の伝送路
状態候補から多数決により1つを選択して推定伝送路状
態として決定する決定手段とで構成したものである。
【0018】
【作用】この発明においては、位相領域判定手段により
異なる複数の設定位相領域に対して復調信号が領域内に
あるか否かが判定され、伝送路推定手段がこの各設定位
相領域に対応した複数の判定信号に基づき伝送路状態を
推定し、この推定された伝送路状態に応じて誤り率推定
手段が上記受信信号に対する誤り率を推定するため、伝
送路状態の違いによる誤り率推定の精度劣化が防止され
る。
【0019】そして請求項2の発明では、計数手段が上
記各位相領域判定手段から出力される位相判定信号を単
位時間毎に計数し、この計数値から擬似誤り率検出手段
が上記各設定位相領域に対応した上記復調信号の擬似誤
り率を検出し、伝送路指定手段がこの各擬似誤り率間の
関係に基づいて伝送路状態を指定することで伝送路状態
の推定を行う。
【0020】また請求項3の発明では、さらに、平均化
手段により上記計数手段からの計数値が平均化されてば
らつきが抑えられ、上記擬似誤り率検出手段はこの平均
化された計数値に基づき精度よい擬似誤り率を検出し、
これにより精度よく伝送路状態の推定が行われる。
【0021】また請求項4の発明では、位相領域判定手
段により3つ以上の設定位相領域に対して復調信号が領
域内にあるか否かが判定され、上記伝送路推定手段にお
いて、その設定位相領域のうちの2つに対応する位相判
定信号に基づき伝送路状態を推定されるとともに、設定
位相領域の組み合せ方が異なる位相判定信号の組から推
定される複数の伝送路状態から1つを選択して推定伝送
路状態として決定するようにしたので、精度よく伝送路
状態の推定が行われるものであり、請求項5の発明で
は、特に、2つの設定位相領域に対応する各擬似誤り率
間の関係に基づく伝送路状態の候補が候補推定手段によ
り複数推定され、決定手段においてこの複数の伝送路状
態候補から多数決による1つが選択され推定伝送路状態
として決定されるものである。
【0022】
【実施例】
実施例1 図1はこの発明の一実施例における回線品質測定装置の
構成を示すブロック図であり、図において従来例と同様
のものは同一記号で示されている。前述したように、従
来はガウス伝送路とフェージング伝送路とで擬似誤り率
とビット誤り率との関係が異なってしまい、単に擬似誤
り率を測定しただけでは正確なビット誤り率が推定でき
ないという問題点があった。この発明は、複数種類の位
相領域における複数種類の擬似誤り率を測定し、それに
よって伝送路状態を推定し、その結果を用いて高精度に
ビット誤り率を推定するものである。
【0023】図1に示す回路は以下のように構成され
る。10〜12は復調器2の出力する復調信号の判定点
における位相が所定の設定位相領域内にあるか否かを、
それぞれ異なる設定位相領域に対して判定する位相領域
判定手段としての第1、第2、第3の位相領域判定回路
である。
【0024】これら第1、第2、第3の位相領域回路1
0〜12における設定位相領域は、それぞれ図2(a)
(b)(c)の斜線部に示された領域(以下それぞれ
「領域1」「領域2」「領域3」という)であり、上記
各位相領域判定回路10〜12は復調信号の判定点にお
ける位相がこれら設定位相領域内にある場合、位相判定
信号としての擬似誤りパルスを出力する。
【0025】13〜15は上記各位相領域判定回路10
〜12から出力される上記擬似誤りパルスを単位時間毎
に計数する計数手段としての第1、第2、第3のカウン
タ、16は上記第2のカウンタ14が出力する計数値と
上記第3のカウンタ15が出力計数値とを用いて伝送路
状態を推定する伝送路推定回路である。
【0026】100は上記第2、第3の位相領域回路1
1、12から出力される位相判定信号に基づき伝送路状
態を推定する伝送路推定手段であり、上記第2、第3の
カウンタと、上記伝送路推定回路16とで構成される。
【0027】また上記伝送路推定回路16は図3に示す
ように構成されており、上記第2、第3のカウンタ1
4、15からの上記擬似誤りパルスの計数値から、上記
各位相領域判定回路11、12に設定された各設定位相
領域「領域2」「領域3」に対応して上記復調手段2の
復調信号の擬似誤り率を検出する擬似誤り率検出手段1
6aと、この擬似誤り率検出手段16aからの各擬似誤
り率間の関係に基づいて伝送路状態を指定する伝送路指
定手段16bとからなる。
【0028】17は上記伝送路推定手段100により推
定された伝送路状態に応じて受信信号に対する誤り率を
推定するビット誤り率推定手段であり、上記伝送路推定
回路16により推定されたの伝送路状態に対応させなが
ら、上記第1のカウンタ13からの上記「領域1」に対
応する擬似誤りパルス数に基づいてビット誤り率を推定
する。
【0029】次に動作について説明する。まず、復調器
2から出力される復調信号は3つに分岐され、それぞれ
第1、第2、第3の位相領域判定回路10〜12に入力
される。第1、第2、第3の位相領域判定回路10〜1
2には、上述のように図2(a)(b)(c)の斜線部
分のようなそれぞれ異なった設定位相領域「領域1」、
「領域2」、「領域3」が設定されており、各位相領域
判定回路10〜12はそれぞれ設定された「領域1」
「領域2」「領域3」に上記復調器2からの復調信号点
が存在する場合、その検出パルス、すなわち、第1、第
2、第3の擬似誤りパルスを出力する。
【0030】第1、第2、第3のカウンタ13、14、
15は、それぞれ単位時間当たりの第1、第2、第3の
擬似誤りパルス数をカウントする。そして第1のカウン
タ13の計数値はビット誤り率推定手段17に、また、
第2、第3のカウンタ14、15の計数値は伝送路推定
回路16に入力される。
【0031】伝送路推定回路16では、第2、第3のカ
ウンタ14、15から入力された計数値から擬似誤り率
検出手段16aが擬似誤り率2、3を求め、伝送路指定
手段16bに出力する。第2、第3のカウンタ14、1
5の計数値から出力される単位時間当たりの擬似誤りパ
ルス数を擬似誤り率として用いてもよい。
【0032】ここで、「領域2」「領域3」が図2に示
す斜線部のような場合の擬似誤り率2と擬似誤り率3と
の関係を図4に示す。図4より分かるように、「擬似誤
り率2/擬似誤り率3」特性はガウス伝送路とフェージ
ング伝送路とで異なる特性を示す。このような特性は測
定やシミュレーションによって得ることができる。
【0033】しかるに、擬似誤り率2と擬似誤り率3は
いずれも上述のように測定された数値であるから、測定
した擬似誤り率2と擬似誤り率3との関係を、図4に示
される「擬似誤り率2/擬似誤り率3」特性に照らし合
わせれば、伝送路がガウス伝送路かフェージング伝送路
かを推定できる。
【0034】このようにして、擬似誤り率検出手段16
aからの擬似誤り率2、3に基づいて伝送路指定手段1
6bが伝送路状態を推定する。例えば、検出された擬似
誤り率2に対応して検出された擬似誤り率3が、図4の
ガウス伝送路の特性とフェージング伝送路の特性のどち
らに近いかを判定すれば伝送路状態が推定できるので、
擬似誤り率2を所定範囲毎に分割し、伝送路指定手段1
6bにこの各範囲とこの範囲に対応するしきい値とのテ
ーブルを持ち、検出された擬似誤り率2から対応するし
きい値を求め、このしきい値と検出された擬似誤り率3
とを比較することにより伝送路かを推定できる。
【0035】こうして、伝送路推定回路16は伝送路状
態を推定し、その伝送路推定伝送路信号をビット誤り率
推定部17へ出力する。
【0036】ビット誤り率推定部17は、図5に示され
るようなガウス伝送路とフェージング伝送路に対する2
種類の「擬似誤り率1/ビット誤り率」特性が予め保持
されている。そして、ビット誤り率推定部17は、上記
伝送路推定回路16出力の伝送路推定伝送路信号を用い
て、上記2種類の「擬似誤り率1/ビット誤り率」特性
のどちらを使用するか選択し、その選択された「擬似誤
り率1/ビット誤り率」特性と上記測定された擬似誤り
率1を用いて、より精度の高い「ビット誤り率」の推定
を行う。
【0037】なお、誤り率推定手段17は、例えば、伝
送路状態に対応した複数の[擬似誤り率−ビット誤り
率]のテーブルを記憶し、伝送路推定手段の出力に応じ
てビット誤り率の推定のためのテーブルを選択し、選択
したテーブルを用いて擬似誤り率からビット誤り率を求
めてもよいし、また、伝送路状態に対応した複数の[擬
似誤り率−ビット誤り率の関数]を記憶し、伝送路推定
手段の出力に応じてビット誤り率の推定のための関数を
選択し、選択した関数を用いて擬似誤り率からビット誤
り率を算出するようにしてもよい。
【0038】以上のようにこの実施例によれば、複数種
類の設定位相領域に対する複数種類の擬似誤り率を測定
し、それら擬似誤り率間の関係によって伝送路状態を推
定し、その結果を用いてビット誤り率を推定するので、
高精度なビット誤り率推定が可能になる。
【0039】なお、上記実施例では位相領域判定手段と
して3つの位相領域判定回路10〜12を設けた構成に
ついて説明したが、位相領域判定手段では最低2つの設
定位相領域について復調信号の判定をすれば、伝送路の
推定はできる。従って、図6のような構成でもよく、こ
の場合構成が簡略化できる。
【0040】ただし、伝送路の推定のためには上記実施
例で第2、第3の位相領域判定回路11、12に設定し
た図2の(b)と(c)のように、2つの設定位相領域
間でその広さの差が大きい方が精度がよく、また、ビッ
ト誤り率の推定には、上記実施例で第1の位相領域判定
回路10に設定した図2の(a)のように設定位相領域
は中位の広さの方が精度よいことがある。従って、図6
の構成の場合、第1の位相領域判定回路10を伝送路の
推定とビット誤り率の推定とに用いているので、その設
定位相領域は伝送路の推定とビット誤り率の推定との両
方を考慮しながら決める必要がある。
【0041】実施例2 図7は実施例2における回線品質測定装置の構成を示す
ブロック図であり、図において上記実施例と同様のもの
は同一記号で示されている。この実施例では、伝送路推
定に使用する擬似誤り率(実施例1では擬似誤り率2と
擬似誤り率3)をより平均化したデータを使用すること
で、より高精度にビット誤り率を推定するものである。
【0042】20、21はそれぞれ第2、第3のカウン
タ14の計数値を平均化する第1の平均回路である。次
にこの実施例2の動作を説明する。実施例1において、
第1、第2、第3のカウンタ13、14、15がカウン
トする単位時間は有限であるので、信号の検出のばらつ
きによっては、図4で示した「擬似誤り率2/擬似誤り
率3」特性は図8で示すようにガウス伝送路における特
性とフェージング伝送路における特性とで重なってしま
い、どちらの伝送路か判別できない領域が生じる。
【0043】よって、このデータのばらつきを抑えるた
めに、図7のように第2、第3のカウンタ14の出力す
る計数値をそれぞれ第1、第2の平均回路20、21で
平均化する。この平均化された計数値により伝送路推定
回路16において、擬似誤り率2/擬似誤り率3を求め
る。これによって、「擬似誤り率2/擬似誤り率3」特
性は図9のようにばらつきが抑えられたものとなるの
で、伝送路推定の精度を向上することができる。
【0044】以上のようにこの実施例2では、伝送路推
定に使用する擬似誤り率に、より平均化したデータを使
用できるようにすることで、伝送路推定精度を向上さ
せ、その結果、より高精度なビット誤り率推定を可能に
するものである。なお、第1、第2の平均回路20、2
1の平均回数は、可変にしてもよい。
【0045】実施例3 図10は実施例3における回線品質測定装置の構成を示
すブロック図であり、図において上記実施例と同様のも
のは同一記号で示されている。この実施例は、伝送路推
定に際し、まず3つの位相判定領域について位相判定を
行い、そのうち2つずつを組み合せて伝送路状態の推定
を行って複数の伝送路状態の候補を推定し、その結果を
用いて多数決論理で最終的な伝送路推定結果とすること
で、伝送路推定精度を向上し、より高精度にビット誤り
率を推定するものである。
【0046】図10に示す回路は以下のように構成され
る。伝送路推定手段100は、第2、第3のカウンタ1
4、15と、多数決論理型伝送路推定回路30とからな
る。多数決論理型伝送路推定回路30は図11に示す構
成である。
【0047】30aは第1、第2、第3のカウンタ1
3、14、15からの擬似誤りパルスの計数値から、上
記各位相領域判定回路11、12に設定された例えば図
2の各設定位相領域「領域1」「領域2」「領域3」に
対応して上記復調手段2の復調信号の擬似誤り率を検出
する擬似誤り率検出手段、30bはこの擬似誤り率検出
手段30aからの擬似誤り率の関係に基づいて伝送路状
態を指定する伝送路指定手段である。
【0048】伝送路指定手段30bは、さらに候補推定
手段30cと決定手段30dとから構成される。候補推
定手段30cは、擬似誤り率検出手段30aから入力さ
れる3種類の擬似誤り率のうちの2つを用い、その関係
から伝送路状態の候補を推定するものであるが、これを
異なる組み合せで行い、その結果を決定手段30dに出
力する。この場合、候補は3つ出力される。決定手段3
0dはこの3つの候補から多数決により1つを選択して
推定伝送路状態として決定する。
【0049】次に動作について説明する。第1、第2、
第3のカウンタ13〜15から出力される計数値は擬似
誤り率検出手段30aに入力され、ここでそれぞれ擬似
誤り率が検出される。これら3つの擬似誤り率は候補推
定手段30cに入力され、擬似誤り率のうちの2つを用
いて上記実施例1と同様に、擬似誤り率間の関係から、
伝送路状態の候補を推定する。この伝送路状態の候補の
推定は、擬似誤り率の組み合せが違うものについて3通
り行い、3つの候補を出力する。そして、上記3つの候
補から、決定手段30dは多数決論理によって最終的な
伝送路推定結果を決定し、出力する。
【0050】以上のようにこの実施例3は、伝送路推定
に際し、まず3つの位相判定領域について位相判定を行
い、そのうち2つずつを組み合せて伝送路状態の推定を
行って複数の伝送路状態の候補を推定し、その結果を用
いて多数決論理で最終的な伝送路推定結果とすること
で、伝送路推定精度を向上し、より高精度にビット誤り
率を推定するものである。
【0051】なお、ビット誤り率推定部17に複数種類
の擬似誤り率を入力して、多数決論理を用いてビット誤
り率を推定してもよい。
【0052】また、以上の全ての実施例では、ビット誤
り率推定部17は、第1の位相領域判定回路10の出力
する判定信号に基づきビット誤り率の推定を行うものを
説明したが、受信信号の位相の変化によりビット誤り率
の推定を行うものであればよく、伝送路推定手段により
推定された伝送路状態によりビット誤り率推定の特性を
制御することで、高精度なビット誤り率推定が可能にな
る。なお、各手段はソフトウェアによる信号処理で実現
してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、異なる
複数の設定位相領域に対して復調信号が設定位相領域内
にあるか否かを判定する位相領域判定手段と、異なる設
定位相領域に対応した複数の位相判定信号に基づき伝送
路状態を推定する伝送路推定手段と、この推定された伝
送路状態に応じて上記受信信号に対する誤り率を推定す
る伝送路推定手段を設けたので、伝送路状態によらず、
高い精度でビット誤り率が推定できる。
【0054】また請求項2の発明によれば、上記各位相
領域判定手段からの位相判定信号を単位時間毎に計数す
る計数手段と、この計数値から上記各位相領域判定手段
に設定された各設定位相領域に対応した上記復調信号の
擬似誤り率を検出する擬似誤り率検出手段と、この各擬
似誤り率間の関係に基づいて伝送路状態を指定する伝送
路指定手段とにより、上記伝送路推定手段が構成でき、
伝送路状態によらず高い精度でビット誤り率が推定でき
る装置が実現できる。
【0055】また請求項3の発明によれば、さらに上記
計数値をが平均化する平均化手段を設けることにより、
計数値のばらつきが抑えられ、上記擬似誤り率検出手段
はこの平均化された計数値に基づき精度よい擬似誤り率
を検出でき、精度よく伝送路状態の推定を行うことがで
き、高い精度でビット誤り率が推定できる。
【0056】また請求項4、5の発明では、上記位相領
域判定手段における上記設定位相領域を3つ以上設け、
かつ、上記伝送路推定手段において、設定位相領域のう
ちの2つに対応する位相判定信号に基づき伝送路状態を
推定するとともに上記2つの設定位相領域の組み合せ方
が異なる上記位相判定信号の組から推定される複数の伝
送路状態から1つを選択して推定伝送路状態として決定
し出力するようにしたので、精度よく伝送路状態の推定
を行うことができ、高い精度でビット誤り率が推定でき
る。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1における回線品質測定装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】位相領域判定における設定位相領域の例を示す
説明図である。
【図3】実施例1の伝送路推定回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】伝送路推定に使用する擬似誤り率2/擬似誤り
率3特性の例を示す説明図である。
【図5】ビット誤り率推定に使用する擬似誤り率1/ビ
ット誤り率特性の例を示す説明図である。
【図6】この発明の他の実施例における回線品質測定装
置の構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施例2における回線品質測定装置
の構成を示すブロック図である。
【図8】擬似誤り率2/擬似誤り率3特性の例を示す説
明図である。
【図9】伝送路推定に使用する平均化後の擬似誤り率2
/擬似誤り率3特性を示す説明図である。
【図10】この発明の実施例3における回線品質測定装
置の構成を示すブロック図である。
【図11】実施例3における多数決論理型伝送路推定回
路の構成を示すブロック図である。
【図12】従来の回線品質測定装置の構成例を示す構成
ブロック図である。
【図13】位相領域判定における設定位相領域の例を示
す説明図である。
【図14】ビット誤り率推定に使用する擬似誤り率/ビ
ット誤り率特性の例を示す説明図である。
【図15】異なる伝送路における擬似誤り率/ビット誤
り率特性の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 入力端子 2 復調器 6 出力端子 10 第1の位相領域判定回路 11 第2の位相領域判定回路 12 第3の位相領域判定回路 13 第1のカウンタ 14 第2のカウンタ 15 第3のカウンタ 16 伝送路推定回路 16a 擬似誤り率検出手段 16b 伝送路指定手段 17 ビット誤り率推定手段 20 第1の平均回路 21 第2の平均回路 30 多数決論理型伝送路推定回路 30a 擬似誤り率検出手段 30b 伝送路指定手段 30c 候補推定手段 30d 決定手段 100 伝送路推定部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 7/005

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号を復調する復調手段と、この復
    調手段が出力する復調信号が所定の設定位相領域内にあ
    るか否かを、異なる複数の設定位相領域に対して判定す
    る位相領域判定手段と、この位相領域判定手段から出力
    された異なる設定位相領域に対応した複数の位相判定信
    号に基づき伝送路状態を推定する伝送路推定手段と、こ
    の伝送路推定手段により推定された伝送路状態に応じて
    上記受信信号に対する誤り率を推定する誤り率推定手段
    とを備えたことを特徴とする回線品質測定装置。
  2. 【請求項2】 上記伝送路推定手段は、上記各位相領域
    判定手段から出力される位相判定信号を単位時間毎に計
    数する計数手段と、この計数手段からの計数値から、上
    記各位相領域判定手段に設定された各設定位相領域に対
    応した上記復調手段出力信号の擬似誤り率を検出する擬
    似誤り率検出手段と、この擬似誤り率検出手段からの各
    擬似誤り率間の関係に基づいて伝送路状態を指定する伝
    送路指定手段とからなることを特徴とする請求項1記載
    の回線品質測定装置。
  3. 【請求項3】 上記計数手段から出力される上記計数値
    を平均化して出力する平均化手段を設け、上記擬似誤り
    率検出手段はこの平均化手段から出力される平均化され
    た計数値に基づき擬似誤り率を検出することを特徴とす
    る請求項2記載の回線品質測定装置。
  4. 【請求項4】 上記位相領域判定手段における上記設定
    位相領域を3つ以上設け、上記伝送路推定手段は、この
    設定位相領域のうちの2つに対応する位相判定信号に基
    づき伝送路状態を推定するとともに、上記2つの設定位
    相領域の組み合せ方が異なる上記位相判定信号の組から
    推定される複数の伝送路状態から1つを選択して推定伝
    送路状態として決定し出力することを特徴とする請求項
    1記載の回線品質測定装置。
  5. 【請求項5】 上記位相領域判定手段における上記設定
    位相領域を3つ以上設け、上記伝送路指定手段は、この
    設定位相領域のうちの2つに対応する位相判定信号から
    上記擬似誤り率検出手段が検出する各擬似誤り率間の関
    係に基づき伝送路状態を推定する候補推定手段と、この
    候補推定手段により推定された上記2つの設定位相領域
    の組み合せ方が異なる上記位相判定信号の組に対応する
    複数の伝送路状態候補から多数決により1つを選択して
    推定伝送路状態として決定する決定手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項2ないし3記載の回線品質測定装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000065793A1 (fr) * 1999-04-23 2000-11-02 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Instrument de mesure de la qualite d'une ligne

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