JPH08178741A - 赤外線センサおよびその製造方法 - Google Patents

赤外線センサおよびその製造方法

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JPH08178741A
JPH08178741A JP32281694A JP32281694A JPH08178741A JP H08178741 A JPH08178741 A JP H08178741A JP 32281694 A JP32281694 A JP 32281694A JP 32281694 A JP32281694 A JP 32281694A JP H08178741 A JPH08178741 A JP H08178741A
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substrate
infrared
insulating layer
detection
infrared sensor
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Application number
JP32281694A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Inoue
和裕 井上
Motoo Toyama
元夫 外山
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度に優れ、検出感度の高い赤外線
センサを提供することを目的とする。 【構成】 基板には四角錐台の凹部が形成される。凹
部の底面中央部には、底面から基板表面に向かってすぼ
まる八角錐台状の支持部が基板と一体に設けられる。ま
た、基板表面には絶縁膜が形成されており、この絶縁膜
には表裏面を貫通する、開口形状が等脚台形である四つ
の開口部が設けられる。四つの開口部は、等脚台形の平
行する長辺が凹部の開口縁の中央部に位置するように、
また短辺が支持部側となるように配設される。この結
果、凹部の中央部には、支持部によって中央を支持され
た検知部絶縁層が形成される。この検知部絶縁層の表面
には、検出部が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人体等の物体から輻射
される赤外線を検知する赤外線センサに関する。
【0002】
【従来の技術】物体から輻射される赤外線を検知する赤
外線センサとして、量子型と熱型のものが知られてい
る。量子型は、半導体の遷移間エネルギー吸収差を利用
した光電導効果や、PN接合による光起電力効果を利用
したものである。熱型は、赤外線をいったん熱に変換
後、抵抗変化や起電力などにして出力を取り出すもので
ある。量子型は、感度が大きい等の特徴を有するが、冷
却しなければならず、また高価であることから、一般に
は焦電型赤外線センサ、ボロメーター、サーモパイルな
どの熱型が用いられる。
【0003】焦電型赤外線センサは、チタン酸鉛(Pb
TiO3)等の焦電効果を有する焦電体材料を赤外線検
知素子として使用するセンサである。焦電効果とは、赤
外線が入射して赤外線感知素子表面に温度が変化が生じ
ると、今まで安定であった電荷の中和状態が崩れて電気
的に不平衡となり、電荷を発生する特性をいう。この時
発生する電荷は、インピーダンス変換回路により電圧と
して取り出される。
【0004】ボロメーターは、抵抗温度係数が大きい金
属あるいは半導体を薄膜あるいは厚膜構造とすることに
よって熱容量を小さくして検出感度を高め、赤外線検知
素子として使用する抵抗温度センサである。
【0005】サーモパイルは、直列あるいは並列に接続
した細い熱電対を赤外線検知素子として受熱面上に配置
し、受熱面の微少な温度変化に起因する熱起電力の変化
を、電圧出力あるいは電流出力として取り出すものであ
る。
【0006】焦電型赤外線センサの場合は、赤外線が入
射したり遮断されたりして赤外線検知素子の温度が変化
した場合にのみ出力が得られる。このため、物体が静止
している場合には、赤外線検知素子が受ける熱量が変化
せず、物体の有無を検知することができないという問題
が生じる。この問題を解決するため、赤外線センサの前
面に、赤外線を断続的に遮断するチョッパーを設けると
いう工夫が一般的に行われる。ボロメターやサーモパイ
ルの場合についても、検出感度を高めるためにチョッパ
ーが設けられることが多い。
【0007】また、赤外線センサの感度向上と応答性を
高めるために、赤外線センサの検出部の熱容量を小さく
することが行われる。図6を用いて、例えば特開平5−
172629号に示された構造を説明する。
【0008】赤外線センサは、半導体基板1と、絶縁層
2と、空間部3と、検出部4とから構成される。半導体
基板1は、シリコン等の基板が使用される。絶縁層2
は、例えばシリコン酸化膜の単層や、シリコン酸化膜と
シリコン窒化膜とからなる多層膜等で形成されており、
半導体基板1の表面全域に成膜される。空間部3は、半
導体基板1の一部を除去した凹部であり、絶縁層2の表
面の所定位置に形成される検出部4の下方に形成され
る。検出部4は、下部電極6、薄膜抵抗体7、上部電極
8、赤外線吸収膜9とから構成される。薄膜抵抗体7の
裏面側には下部電極6が設けられ、表面側には上部電極
8が設けられ、サンドイッチ形状を形成する。赤外線吸
収膜9は、赤外線の吸収効率を高めるために、上部電極
8の表面に設けられる。
【0009】空間部3は、半導体基板1に異方性エッチ
ングを施すことにより形成される。異方性エッチングと
は、一定方向には基板がエッチングがされやすいが、他
の方向にはエッチングされにくいという性質を利用して
行なうエッチング方法である。具体的には、検出部4の
近傍に設けた、絶縁膜2を貫通するスリット5を介し
て、例えば水酸化カリウム等のエッチング液を半導体基
板1と反応させて行う。下部電極6および上部電極8
は、例えばアルミニウム等によって形成された薄膜電極
である。薄膜抵抗体7は、例えば非結晶シリコンまたは
多結晶シリコンによって形成された厚膜の赤外線検知素
子である。赤外線吸収膜9は、例えばシリコン酸化膜や
金黒等によって形成された薄膜である。これらは、いず
れも蒸着等の方法を用いて形成される。
【0010】このような構成によって、薄膜抵抗体7の
温度変化にともなう電圧変化は、下部電極6および上部
電極8を介して取り出される。
【0011】さらに、赤外線センサとして、物体の移動
方向や存在位置等を検知をするために、赤外線検知素子
を一列に並べたものや、二次元に配列した赤外線アレイ
センサが知られている。この場合には、隣接する赤外線
検知素子の相互間の熱拡散に起因したクロストークの影
響を低減するための工夫が行われる。図7を用いて、例
えば特開昭60−119426号に示された構造を説明
する。
【0012】赤外線センサは、半導体基板10と、絶縁
層11と、空間部12と、検出部13と、スリット14
とから構成される。半導体基板10は、シリコン等の半
導体基板が使用される。絶縁層11は、半導体基板10
の表面全域に成膜された、例えばシリコン酸化膜等の絶
縁膜である。空間部12は、絶縁層11を残して半導体
基板10の中央部分に形成された凹部である。絶縁層1
1の表面の中央位置には、検出部13が形成される。
【0013】検出部13は、複数の分割電極15と、焦
電性薄膜16と、表面電極17とから構成される。複数
の分割電極15は、絶縁層11の表面に等間隔に形成さ
れる。分割電極15はリード線(図示せず)の接続を容
易にするために、電極端部15Aの引き出し位置を交互
に食い違わせて形成される。焦電性薄膜16は、複数の
分割電極15および絶縁層11を覆うように、帯状に形
成される。表面電極17は、少なくとも複数の分割電極
15と対向するように、焦電性薄膜16の表面に形成さ
れる。分割電極15の間には、絶縁層11と、焦電性薄
膜16と、表面電極17を貫通するスリット14が形成
される。分割電極15および表面電極17は、赤外線を
吸収するとともに電極としても機能する、例えばニクロ
ムや白金黒等が用いられる。焦電性薄膜16は、例えば
チタン酸鉛等によって形成された薄膜である。空間部1
2は、半導体基板10の裏面から表面方向に向けて、異
方性エッチングを施すことにより形成される。スリット
14は、絶縁層11に所定パタ−ンのマスクを形成した
後、反応性イオンビ−ムエッチングを用いて形成され
る。複数の分割電極15と、表面電極17は、蒸着等の
手段によって形成され、焦電性薄膜16は、イオンプレ
ーティング法、蒸着等の手段によって形成される。
【0014】このような構成によって、焦電性薄膜16
の温度変化にともなう電圧変化は、分割電極15および
表面電極17を介して取り出される。検出部13はスリ
ット14によって分断されているため、検出部13の内
部に生じた熱は検出部13の内部を熱拡散しにくく、検
出部13を構成する赤外線検知素子相互間におけるクロ
ストークの影響が低減される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検出部
4、13の下方の半導体基板1、10に空間部3、12
を形成したこと、また絶縁層11および検出部13にス
リット14を形成したことにより、赤外線センサの機械
的強度が低下し、衝撃等によって破壊しやすくなるとい
う欠点があった。さらに、微弱な機械的振動や衝撃が赤
外線センサに加わっても、検出部4、13に振動が伝わ
りやすいという欠点があった。このため、特に焦電型赤
外線センサの場合、焦電体材料は力が加わると電圧が発
生するという圧電効果の特性も有するので、電気的雑音
が発生して誤動作の原因となるという欠点があった。ま
た、スリット14を設けたために、熱応答性が悪くなる
という問題があった。すなわち、検出部13を構成する
赤外線検知素子相互間での熱拡散を防止できるのでクロ
ストークの影響が低減できる反面、検出部13からは熱
が逃げづらくなる。換言すると、赤外線の吸収によって
上昇した検出部13の温度は、チョッパーによって赤外
線が遮断されている時間内には、赤外線が入射する前の
状態にまで完全に下がりきらないため、赤外線の入射時
と遮断時における温度差が小さくなり、結果的には検出
部13の検出感度が低下するという欠点があった。
【0016】そこで、本発明は機械的強度に優れ、検出
感度の高い赤外線センサを提供すること、およびその赤
外線センサの製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため次のような構成が設けられる。すなわち、第
一に、基板と、該基板の表面に形成された開口部を有す
る絶縁膜と、前記基板に設けられた凹部と、該凹部の底
面中央部に設けられた支持部と、該支持部の頭部表面に
支持された検知部絶縁層と、該検知部絶縁層上に形成さ
れた検出部とからなるものであり、第二に、ガラス基板
と、該ガラス基板に設けられた凹部と、該凹部の底面中
央部に設けられた支持部と、該支持部の頭部表面に支持
された検出部とからなるものであり、第三に、上記の第
一または第二の赤外線センサにおいて、支持部の頭部表
面の面積と、赤外線検知素子の面積比が1/10以下の
有面積であるものであり、第四に、上記の第一、第二、
第三の赤外線センサを、同一基板上に複数個アレイ状に
配列したものであり、第五に、表面絶縁膜が形成された
基板表面に赤外線検知素子を形成する工程と、該赤外線
検知素子の周辺の表面絶縁膜を貫通する開口部を形成す
る工程と、該開口部を介して基板に異方性エッチングを
施して凹部および支持部を形成する工程とからなるもの
である。
【0018】
【作用】所定位置に形成された検出部の下方の基板に凹
部を設けるとともに、検出部の中央部を支持部によって
支持するので、赤外線センサの熱容量が小さくなり、さ
らには赤外線の吸収によって検出部に生じた熱が支持部
を介して基板に速やかに熱拡散する。このため、赤外線
の入射時と遮断時における温度差が大きくなる。検出部
を検出部絶縁層の表面に形成する場合には、検出部絶縁
層は支持部および4つの接続部絶縁層によって支えられ
るので、赤外線センサの機械的構造が強くなり、振動、
衝撃等の影響を受けにくくなる。
【0019】検出部を一次元あるいは二次元に配列した
場合には、検出部の周縁部に設けた開口部によって、赤
外線検知素子に発生した熱が熱拡散しにくくなるので、
クロスト−クの影響が低減される。
【0020】検出部を形成した検知部絶縁層の周辺に、
絶縁層を貫通する開口部を形成した後、この開口部を介
して基板のエッチングを行う。この場合、基板の[11
1]面はエッチング速度が極めて遅く、また[111]
面以外の他の面のエッチング速度が[100]面のエッ
チング速度よりも速いため、検知部絶縁層の裏面には凹
部が形成されるとともに、検知部絶縁層の中心部には凹
部と一体の支持部が形成される。
【0021】
【実施例】
(実施例1)図1(a)乃至(c)を用いて、本発明に
かかる第一の実施例について説明する。
【0022】赤外線センサは、基板18と、絶縁膜19
と、検出部20とから構成される。基板18は、カット
面が(100)面の、例えばシリコンやゲルマニウム等
の半導体基板が用いられる。基板18には、表面から裏
面に向けてすぼまる、側壁面が[111]面で表わされ
る四角錘台の凹部21が設けられる。凹部21の底面の
中央部には、凹部21の底面から基板18の表面に向か
ってすぼまる、八角錘台状の支持部22が一体に設けら
れる。凹部21の深さと、支持部22の高さは、同じ長
さに設定されるため、基板18の表面と支持部22の頭
部表面は同一平面上に配設される。
【0023】絶縁膜19は、一定の厚みを有する薄い層
である。絶縁膜19には、表裏面を貫通する開口形状が
等脚台形の、四つの開口部23が形成される。開口部2
3は、等脚台形の平行する辺の長辺を、凹部21の開口
縁の中央部に一致させ、短辺が支持部22の側となるよ
うに形成される。この結果、絶縁膜19は、基板部絶縁
層24と、検出部絶縁層25と、接続部絶縁層26とか
ら一体に構成される。基板部絶縁層24は、凹部21を
除いた基板18の表面全域に形成される。検出部絶縁層
25は、支持部22の頭部表面によって中央部を支持さ
れた、凹部21に配設された四角形の板である。接続部
絶縁層26は、開口部23の間に形成された、検出部絶
縁層25の四つの角部から、凹部21の角部の開口縁の
基板部絶縁層24に向かって延びる細長い板である。こ
のような構成とした結果、検出部絶縁層25の中央部は
支持部22の頭部表面によって支持されるとともに、検
出部部絶縁層25の四隅は四つの接続部絶縁層26によ
って支えられる。絶縁膜19は、窒化物や、窒素酸化物
や、酸化物と窒化物との積層等によって形成される。
【0024】検出部20は、下部電極27と、赤外線検
知素子28と、上部電極29とから構成される。
【0025】下部電極27は検知部絶縁層25の表面に
形成された四角形の薄膜電極で、下部電極27の周縁部
と検知部絶縁層25の周縁部との間には、一定幅の検知
部絶縁層25が露出するように形成される。また、下部
電極26の四つの角部のうちの一つには、四角形の切欠
部27Aが設けられる。切欠部27Aと反対側の下部電
極26の角部からは下部電極リード線30が引き出され
る。下部電極リード線30は、接続部絶縁層26の表面
を通って、基板部絶縁層24の表面にまで形成される。
【0026】赤外線検知素子28は、赤外線検知素子2
8の周縁部と下部電極27の周縁部との間に一定幅の下
部電極27が露出するように、下部電極27の表面に形
成される。なお、切欠部27Aでは、赤外線検知素子2
8の角部が検知部絶縁層25の上に突出するように形成
される。赤外線検知素子28は、焦電性薄膜、ボロメ−
タ−、サ−モパイルのいずれでもよい。
【0027】上部電極29は、赤外線検知素子28の表
面に、上部電極29の周縁部と赤外線検知素子28の周
縁部との間に一定幅の赤外線検知素子28が露出するよ
うに形成される。切欠部27Aに位置する上部電極29
の角部からは、上部電極リード線31が引き出される。
上部電極リ−ド線31は、赤外線検知素子28の表面、
切欠部27Aに突出した赤外線検知素子28の角部の側
面28A、接続部絶縁層26の表面および基板絶縁層2
4の表面に形成される。上部電極リード線31は、切欠
部27Aに突出した赤外線検知素子28の角部の側面2
8Aに形成されるので、下部電極27と上部電極29と
は接触することなく両者の絶縁が保たれる。
【0028】このような構成とすることによって、赤外
線吸収にともなう赤外線検知素子28の出力は、下部電
極27および下部電極リード部30と、上部電極29お
よび上部電極リード部31を介して取り出される。
【0029】なお、実施例では赤外線検知素子28が一
つの場合を示すが、図2のように二つ以上の検出部20
を一次元あるいは二次元(図示せず)に配設しても良
い。この場合は、下部電極27の角部から引き出され
て、絶縁膜19の表面に形成されるリ−ド線32によっ
て、それぞれの赤外線検知素子28の下部電極27を相
互に接続して共通電極を形成する。それぞれの赤外線検
知素子28から得られる出力は、この共通電極と下部電
極リ−ド部30と、それぞれの赤外線検知素子28の表
面に形成された上部電極29および上部電極リード部3
1を介して取り出される。
【0030】ここで、図3を用いて、支持部22の熱的
役割について説明する。
【0031】図3に、横軸に、支持部22の頭部表面の
面積と、赤外線検知素子28の面積との面積比を、縦軸
に、面積比が0の場合の赤外線センサの出力を1と規格
化した赤外線センサの出力を、プロットして作成したグ
ラフを示す。面積比が大きい場合には、赤外線吸収によ
って赤外線検知素子28に生じた熱が支持部22を介し
て基板18に拡散してしまうため、赤外線検知素子28
の温度変化が小さくなり、結果として赤外線センサの出
力は小さくなる。反対に、面積比が小さくなると熱が基
板18に拡散しにくくなるため、赤外線検知素子28の
温度変化が大きくなり、赤外線センサの出力は大きくな
る。特に、面積比が、0<面積比≦1/10の間では、
熱が基板18に拡散する量と、赤外線検知素子28に保
持されて赤外線検知素子28の温度を上昇させる量との
バランスがとれ、出力は1を越える。従って、好ましく
は、上述の面積比は1/10以下の有面積に構成する。
【0032】次に、図4(a)乃至(d)を用いて本発
明の製造方法の概略を説明する。
【0033】図4(a)おいて、基板18は、カット面
が(100)面であるシリコンまたはゲルマニウムの単
結晶ウエハであり、基板18の表面には熱酸化あるいは
CVD(Chemical Vapour Depos
ition)法によって酸化シリコン層あるいは窒化シ
リコン層等の絶縁膜19を形成する。
【0034】次に、絶縁膜19に開口部23を形成する
ため、絶縁膜19の表面にフォトレジスト膜を塗布した
後、フォトリソグラフィ技術を用いて開口部23を形成
する絶縁膜19の表面のフォトレジスト膜を露光、現像
し、図4(b)のように、四つレジスト膜除去部33を
設けたレジストマスク34を形成する。レジスト膜除去
部33は開口形状が等脚台形であり、等脚台形の平行す
る辺を<110>方向に合わせ、さらに四つのレジスト
膜除去部33は等脚台形の平行する辺の短辺を内側に
し、中央部に所定の大きさの正四角形35を形成するよ
うに配置する。この後、レジストマスク34の上から塩
素ガスを用いた低温RIE(Reactive Ion
Etching)の手段を施すと、レジスト膜除去部
33によって露出した絶縁膜19のみがエッチングさ
れ、絶縁膜19を貫通する四つの開口部23が形成され
る。開口部23を形成した後、レジストマスク34を酸
素プラズマを用いて除去し、絶縁層19の表面を露出す
る。
【0035】次に、図4(c)のように、開口部23で
囲まれた検知部絶縁層24の表面に、下部電極27と、
下部電極27から引き出される下部電極リ−ド線30を
形成する。下部電極27および下部電極リ−ド線30
は、例えばニッケルとクロムの合金、あるいはニッケル
とクロムとアルミニウムの合金等の薄膜であり、所定形
状のマスクパタ−ンを用いて、スパッタリング、蒸着等
の手段によって形成する。次に、下部電極27の表面に
は、チタン酸鉛等の焦電性薄膜等の赤外線検知素子28
を形成する。形成には、所定形状のマスクパタ−ンを用
い、スパッタリング、CVD(Chemical Va
pour Deposition)法、ゾル−ゲル法等
の手段を利用する。赤外線検知素子28の表面には、上
部電極29と、上部電極29の四つの角部の一つから引
き出される上部電極リ−ド部31を、下部電極27およ
び下部電極リ−ド線30と同様の方法により形成する。
次に、開口部23を介して、水酸化カリウム(KO
H)、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド
(TMAH)等の薬品を基板18と反応させて、基板1
8の異方性エッチング処理を行なう。開口部23で囲ま
れた検知部絶縁層19の下部の基板18はエッチングさ
れ、所定時間経過すると、図4(d)のように、正四角
錐台の凹部21が形成される。また、凹部21の中央部
の基板18はエッチングされずに残り、八角錐台状の支
持部22が形成される。
【0036】このような工程によって、赤外線センサを
製造することができる。
【0037】(実施例2)図5を用いて、本発明にかか
る第二の実施例について説明する。
【0038】赤外線センサは、ガラス基板36と、検出
部37とから構成される。ガラス基板36としては石英
ガラスが用いられ、ガラス基板36の表面には凹部38
が形成される。凹部38の開口部は、角部が丸くなった
正四角形状をなし、凹部38の壁面は球面状にえぐれた
形状をなしている。
【0039】凹部38の底部の中央には、ガラス基板3
6の底部からガラス基板36の表面に近づくにつれて先
細の支持部39が、一体に設けられる。凹部38の深さ
と、支持部39の高さと同じに設定されるため、ガラス
基板36の表面と支持部39の頭部表面とは同一平面上
に配設される。
【0040】凹部38の開口部には、支持部39によっ
て支えられた検出部37が配設される。凹部38の開口
部の周縁端と、検出部37の周縁には一定幅の隙間が形
成される。
【0041】検出部37は、下部電極40、赤外線検知
素子41、上部電極42、赤外線吸収膜43とから構成
され、検出部37の中央部が支持部39の頭部表面によ
って支持される。正方形の板状の赤外線検知素子41の
裏面には、下部電極40が形成される。下部電極40は
正方形状をなし、四つの角部のうちの一つには、上述同
様に、四角状の切欠部(図示せず)が形成され、他の角
部からは下部電極リ−ド線44が引き出される。下部電
極リ−ド線44は、凹部38の開口部の周縁端と、検出
部37との間に形成された下部電極リ−ド線部44A
と、ガラス基板36の表面に形成された下部電極リ−ド
線部44Bとから構成される。上部電極43は正方形状
をなし、四つの角部のうち切欠部の上部の角部からは、
上部電極リ−ド線45が引き出される。上部電極リ−ド
線45は、凹部38の開口部の周縁端と、検出部37と
の間に形成された上部電極リ−ド線部45Aと、ガラス
基板36の表面に形成された上部電極リ−ド線部45B
とから構成される。切欠部を設けたことによって、上部
電極リ−ド線部45は下部電極40と接触することな
く、両者の絶縁性が保たれる。上部電極42の表面に
は、赤外線を効率よく吸収するために、赤外線吸収膜4
3が形成される。なお、赤外線検知素子41は、焦電性
薄膜、ボロメ−タ−、サ−モパイルのいずれでもよい。
下部電極40、下部電極リ−ド線44、上部電極42、
上部電極リ−ド線部45は、白金の薄膜によって形成さ
れる。赤外線吸収膜41は、ニッケルクロム等の薄膜に
よって形成される。
【0042】この赤外線センサを形成する際は、ガラス
基板36の表面上に、エッチング液に対して安定な白金
等を、蒸着あるいはスパッタリング等の手段を用いて、
薄膜状の下部電極40、下部電極リ−ド線44を形成す
る。次に、下部電極40の上部に、蒸着等の方法によっ
て、赤外線検知素子41を形成する。次に、赤外線検知
素子41の上部に、上部電極42、上部電極リ−ド線4
5を形成し、さらに、上部電極42の上に赤外線吸収膜
43を形成する。これらは、下部電極40、下部電極リ
−ド線44と同様の方法によって形成される。
【0043】次に、ガラス基板36の表面にフォトレジ
スト膜を塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて
フォトレジスト膜を露光、現像し、エッチングして取り
除きたいガラス基板34の表面部分のレジスト膜を除去
し、所定パタ−ンのレジストマスクを形成する。レジス
トマスクには、検知部37の周辺に、所定幅のレジスト
膜除去部を設ける。その後、上述同様に、レジスト膜除
去部を介してフッ酸をガラス基板36に反応させ、凹部
38、支持部39を形成する。このような方法によっ
て、検知部37が、支持部39を介して支持された構造
が形成される。
【0044】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されている
ので、下記の効果を有する。
【0045】(1)検出部が形成される検出部絶縁層の
下部の基板に、凹部を設けたので赤外線センサの熱容量
が小さくなる。この結果、僅かな赤外線の入射量によっ
ても検出部に温度変化が生じるので検出感度が向上し、
応答性が早くなる。
【0046】(2)検出部を設けた検出部絶縁層は、凹
部の中央部に設けた支持部によって支持されているの
で、赤外線がチョッパ−によって遮断されている短い時
間でも、検出部に発生した熱が支持部を介して拡散して
逃げ、検出部は赤外線が入射する前の状態の温度にまで
速やかに下がる。このため、赤外線センサの検出感度が
向上し、精度の良い測定が出来る。
【0047】(3)検出部絶縁層は、支持部および4つ
の接続部絶縁層を介して5点で支持されるので機械的構
造が強くなり、衝撃あるいは振動の影響を受けにくくな
り、機械的信頼性が高くなる。また、検出部に対する衝
撃、振動の影響が少ないので、電気的雑音や誤動作の原
因がなくなり、電気的信頼性が高くなる。
【0048】(4)検出部の周りには開口部が形成され
ているので、検出部を一次元あるいは二次元に配設した
アレイセンサの場合には、検出部相互間の熱拡散がなく
なるため、検出部相互間のクロスト−クが低減できる。
このため、物体の移動方向を正確に検知できる。
【0049】(5)赤外線センサの製造方法において
は、絶縁膜に形成した開口部を介して、検出部を形成す
るための検出部絶縁層の下部の基板に、凹部および支持
部を容易に形成することが出来る。また、支持部は検出
部絶縁層の中心部に形成され、かつ赤外線検知素子と対
称関係にあるので、赤外線検知素子に生じた熱は支持部
を介して基板に均一に熱拡散する。また、支持部は基板
の表面に向かってすぼまる八角錐台状であるため、構造
的に安定であり、衝撃が加わっても壊れにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線センサであり、図1(a)は赤
外線センサの上面図、図1(b)は図1(a)に示すA
−A´の断面図、図1(c)は図1(a)に示すB−B
´の断面図である。
【図2】本発明の赤外線アレイセンサである。
【図3】本発明の赤外線センサの、支持部の頭部面積
と、赤外線検知素子の面積の比を横軸に、赤外線センサ
の出力を任意スケ−ルとして縦軸にプロットしたグラフ
を示す。
【図4】本発明の赤外線センサの製造過程の概略図であ
る。
【図5】本発明の他の赤外線センサであり、図5(a)
は赤外線センサの上面図、図5(b)は図5(a)に示
すA−A´の断面図である。
【図6】従来の赤外線センサの断面図ある。
【図7】従来の赤外線センサであり、図7(a)は赤外
線センサの上面図、図7(b)は図7(a)に示すA−
A´の断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 絶縁層 3 空間部 4 検出部 5 スリット 10 半導体基板 11 絶縁層 12 空間部 13 検出部 14 スリット 18 基板 19 絶縁膜 20 検出部 21 凹部 22 支持部 23 開口部 24 基板部絶縁層 25 検出部絶縁層 26 接続部絶縁層 36 ガラス基板 37 検出部 38 凹部 39 支持部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板に設けられた凹部と、該
    凹部の底面中央部に立設した支持部と、該支持部の頭部
    表面に支持された検知部絶縁層と、該検知部絶縁層の周
    辺に配設された開口部と、該開口部をはさんで前記基板
    の表面に形成された基板絶縁層と、該基板絶縁層と前記
    検出部絶縁層を一体に接続する接続部絶縁層と、前記検
    知部絶縁層上に形成された検出部とからなる赤外線セン
    サ。
  2. 【請求項2】 ガラス基板と、該ガラス基板に設けられ
    た凹部と、該凹部の底面中央部に設けられた支持部と、
    該支持部の頭部表面に支持された検出部とからなる赤外
    線センサ。
  3. 【請求項3】 支持部の頭部表面の面積と、赤外線検知
    素子の面積比が1/10以下の有面積の、請求項1また
    は請求項2記載の赤外線センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2または請求項3
    記載の赤外線センサを、同一基板上に複数個アレイ状に
    配列したことを特徴とする赤外線センサ。
  5. 【請求項5】 表面絶縁膜が形成された基板表面に検出
    部を形成する工程と、該検出部の周辺の表面絶縁膜を貫
    通する開口部を形成する工程と、該開口部を介して基板
    に異方性エッチングを施して中央部に支持部を残すよう
    に凹部を形成する工程とからなる赤外線センサの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006184151A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Nissan Motor Co Ltd 赤外線センサー
US7105819B2 (en) 2003-06-19 2006-09-12 Electronics And Telecommunications Research Institute Infrared ray sensor using silicon oxide film as infrared ray absorption layer and method of fabricating the same
US9528879B2 (en) 2013-01-21 2016-12-27 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Infrared detection element, infrared detector, and infrared type gas sensor

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