JPH08177808A - 水圧ラム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 １／１０mm又はそれ以上のオーダーの高い精
度のストローク調整手段を有する水圧ラムを提供する。 【解決手段】 水圧ラムは、ピストンストロークを限定
するストップ装置を含んでいる。ストップ装置は、調整
が可能であり、ストップ部材（３４，３６，３８，４
０，５２）のセット位置は、目盛部材（６０）の目盛か
ら粗く読み取ることができ、一方、調整リング（４４）
は細い目盛を有している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダー内のピ
ストンのストロークを読み取り且つ調節することが必要
な場合の工具等を駆動するのに適する水圧ラムに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】独乙国特許出願公開第３７０５１９０号
には、ピストンが加圧流体によって変位せしめられるシ
リンダー−ピストン組立体が開示されている。このシリ
ンダーの一端を通って延びているピストンロッドにはス
トップ部材が螺着されている。このストップ部材には、
多数の円周溝が設けられていて、ピストンロッドに対す
るその位置を大まかに読み取ることができるようになっ
ている。

【０００３】その他の公知の装置においては、ピストン
のストロークが電子手段で読み取れるようになっている
が、この方式は高価であるにも拘わらず精度の点で十分
でない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、１／
１０mm又はそれ以上のオーダーの高い精度のストローク
調整手段を有する水圧ラムを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明による水圧ラム
は、管状シリンダーと、このシリンダー内に摺動変位可
能に嵌装されたピストンと、前記シリンダーの一端に連
結されたシリンダーヘッドと、前記ピストンに回転可能
に螺合されていて前記シリンダーに対する前記ピストン
の作動ストロークを調節するためのストップ部材と、前
記シリンダーヘッド内に設けられた対向ストップ部材と
を含んでいる。シリンダーヘッドの軸上所定位置には調
整リングが回転可能に装架されており、調整リングは前
記ストップ部材に結合されていて、ストップ部材は調整
リングと共に回転するように駆動されるが調整リングに
対し軸方向に変位し得るようになっている。

【０００６】

【発明の実施の形態】読み取りは、ストップ部材を所定
量だけ軸方向に変位させるのに必要な調整リングの回転
数が多ければ多い程正確になるであろう。従って、本発
明によるラムは、好ましくは粗い目盛と細い目盛を含ん
でいて、細い目盛は調整リングの円周に沿ってインデッ
クスマークにより確認される。粗い目盛は、前記シリン
ダーヘッドから引き出すことができ且つストップ部材の
実際の軸方向位置を機械的に読み取る目盛部材上に設け
ることができる。類似の粗細目盛の設計例は独乙国特許
出願公開第２８２７７７４号により知られている。

【０００７】一度ピストンストロークが調節されると、
調整リングの任意的な回転が止められて、再現可能に固
定される。かかる回転の止めは、目盛部材を押し込むこ
とにより、好適に行われる。好ましくは、目盛部材は調
整リング内に摺動可能に受容されていて、ストップ部材
と調整リングと目盛部材とはピストンに対し共通に回転
し得るようになっている。

【０００８】実施例 次に、添付図面を参照して、本発明に係る水圧ラムの一
好適実施例を説明する。水圧ラムは、その一端がシリン
ダーヘッド１２内に液密的に螺入された管状シリンダー
１０を含んでいる。管状シリンダー１０の他端には、ラ
ムによって駆動されるべき工具等の装置にラムを連結す
ることが出来るようにするためのスクリュねじ１４が設
けられている。管状シリンダー１０には、ピストン１６
が液密的に摺動可能に嵌装されている。ピストン１６の
ロッド１８は管状シリンダー１０の底部２０を通って延
びていて、シリンダーに対するピストンの回転はピスト
ンロッド１８の溝内へ延びたピン２２により阻止される
ようになっている。

【０００９】図示された実施例においては、ラムは水圧
により一方向へのみ駆動可能で、ピストン１６は図１に
おいて右方に変位し得、ピストン１６と管状シリンダー
の底部２０との間に介置されたスプリング２４により初
期位置へ戻されるようになっている。シリンダーヘッド
１２は、加圧油供給用の孔２８と、換気機構を含んだ孔
３０とを穿設したフランジ２６を含んでいる。以上は従
来のラムと同じである。

【００１０】本発明によれば、ピストン１６は、内側に
スクリュねじ３２を有していて、そこにはストップ部材
が螺着されている。ストップ部材は、図１の右から左へ
順に、ボルトねじ部３４，シャフト３６，シリンダーヘ
ッドボアに液密的に嵌挿されたスライダー３８及びスト
ップヘッド４０を連続的且つ同軸的に配置して成ってい
る。ストップヘッド４０は、ラム軸に平行に延びていて
且つ半円形横断面を有する、直径方向両側に対向配置さ
れた溝を含んでいる。調整リング４４は、各々がストッ
プヘッドの上記一対の溝に夫々摺動可能に嵌合された２
つのボルト４２を担持しており、これら２つのボルトは
シリンダーヘッド１２の内方へ延びている。

【００１１】調整リング４４は、該調整リングの孔４８
内に受容され且つシリンダーヘッドの円周溝５０内で転
動する８個のボール４６により、シリンダーヘッドに回
転可能に支承されている。これらのボールは、リングク
リップ４９により保持されている。調整リング４４の回
転に際し、その角変位はボルト４２を介してストップ部
材に伝達され、それによりストップ部材は、本実施例で
はシリンダーヘッド１２の穴５４の内側端にある肩部５
２であるところの対向ストップ部材からの距離を変える
ように、軸方向に変位させられる。図１において、スト
ップヘッド４０は可能な最大ストロークを限定する調整
リング４４の内側面に隣接している。

【００１２】ストップ部材とピストン１６を結合してい
るボルトねじ３４のピッチは、調整リング４４の１回転
によりストップ部材が２mm軸方向へ変位するように選定
されている。従って、調整リング４４上に設けられた細
い円周方向の目盛５６は、ミリメートルの分数を読み取
ることを可能にしている。本実施例では、目盛は、その
間隔が５／１００mmに相当しているインデックスマーク
を含んでいる。

【００１３】目盛部材６０は、ストップ部材の位置の粗
い読み取りのために設けられている。この目盛部材６０
はミリメートル目盛を有している。目盛部材６０は、調
整リング４４の案内孔６２を通って延びていて、ラム軸
に平行なストップヘッドの凹部６４に嵌合している。ス
トップヘッドは、その内側端に段６６を有している。目
盛部材６０が引き出されると、その一端部に設けられた
ピン６８は段６６に当接して、調整リングを越えて延出
した目盛部材の部分がストップ部材の位置の粗い読み取
りを可能にする。

【００１４】目盛部材６０は指先が入る凹部７０を有し
ており、調整リング４４は各角度位置に開口７１を有し
ていて、目盛部材が引き出される場合に凹部７０に指先
を入れ易いようにしている。目盛部材６０が引っ込めら
れると凹部７０の横に設けられた突出部７２は、シリン
ダーヘッド１２の自由端に設けられていて細い目盛上に
各インデックスマークを配置する２０個のスロット７４
の内の１つに嵌合するため、調整リング４４は、目盛部
材６０が引き出された時にのみ回転可能である。目盛部
材６０が引き出される時、例えばピストンの作用方向が
垂直方向上方であるようなラムの使い方がなされた場合
に発生し得る目盛部材の不用意な外方移動を防止するた
め、スプリングで弾圧されているインデックスボルト７
６が、目盛部材６０のノッチ７８に係合せしめられてい
る。

【００１５】本実施例は上記のように構成されているか
ら、孔２８を介して図示しない加圧油供給源より加圧油
をシリンダー１０内へ供給すれば、ピストンロッド１８
は予め調整されたストロークだけ即ちストップヘッド４
０が対向ストップ部材即ち肩部５２に当接するまで往動
せしめられ、次にシリンダー内の加圧油を孔２８から排
出させれば、ピストンロッド１８はスプリング２４の復
元力により図１の位置まで復動せしめられる。

【００１６】ピストンストロークの調整は、目盛部材６
０をピン６８が段６６に当接するまで図１の位置から左
方へ引き出し、調整リング４４を適宜回すことにより行
われる。即ち、この状態で調整リング４４を回せば、こ
の回転運動はボルト４２を介してスライダー３８に伝達
される。従って、ストップ部材即ちボルトねじ部３４，
シャフト３６，スライダー３８及びストップヘッド４０
は、ボルトねじ部３４に形成されたねじのピッチにより
決定される分だけ、ピストン１６に対し軸方向へ一体的
に変位せしめられ、ストローク即ちストップヘッド４０
と肩部５２との間の距離が調整される。この調整された
ストロークは目盛部材６０上の粗い目盛と円周方向の細
い目盛５６とから精度良く読み取ることができる。かく
して、目盛部材６０を図１の位置まで押し込めば、突出
部７２はスロット７４に嵌合し、調整リング４４の回転
を不能にするので、調整されたストロークは維持され
る。

【００１７】

【発明の効果】上述のように、本発明によれば、比較的
簡単な構成でありながら、調整リングの回転角位置即ち
ストップ部材の軸方向位置を常に正確に読み取ることが
でき、調整されたストロークを精度よく読み取ることの
できる、水圧ラムを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る水圧ラムの軸方向に沿う断面図で
ある。

【図２】図１における調整リングの軸方向に沿う断面図
である。

【図３】図２の調整リングの正面図である。

【図４】図１における目盛部材の側面図である。

【符号の説明】

１０ 管状シリンダー １２ シリンダーヘッド １４，３２ スクリュねじ １６ ピストン １８ ピストンロッド ２０ 管状シリンダーの底部 ２２，６８ ピン ２４ スプリング ２６ フランジ ２８ 加圧油供給用の孔 ３０ 換気機構を含んだ孔 ３４ ボルトねじ部 ３６ シャフト ３８ スライダー ４０ ストップヘッド ４２ ボルト ４４ 調整リング ４６ ボール ４８ 孔 ５０ 円周溝 ５２ 肩部（対向ストップ部材） ５４ 穴 ５６ 円周方向の細い目盛 ６０ 目盛部材 ６２ 案内孔 ６４，７０ 凹部 ６６ 段 ７２ 突出部 ７４ スロット ７６ インデックスボルト ７８ ノッチ

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管状シリンダーと、 該シリンダー内に摺動変位可能に嵌装されたピストン
   と、 該シリンダーの一端に連結されたシリンダーヘッドと、 前記ピストンに回転可能に螺合されていて前記シリンダ
   ーに対する前記ピストンの作動ストロークを調節するた
   めのストップ部材と、 前記シリンダーヘッド内に設けられた対向ストップ部材
   と、を含み、 前記シリンダーヘッドの軸上所定位置には調整リングが
   回転可能に装架されており、該調整リングは前記ストッ
   プ部材に回転可能に結合されていて前記調整リングに対
   し前記ストップ部材が軸方向に変位可能なようになって
   おり、且つ前記調整リングには前記ストロークを読み取
   ることができるように目盛が設けられている、水圧ラ
   ム。
2. 【請求項２】 粗目盛と細目盛とを含んでいる、請求項
   １に記載の水圧ラム。
3. 【請求項３】 前記粗目盛は、前記シリンダーヘッド内
   へ引っ込めることが可能で前記ストップ部材の軸方向の
   位置を機械的に読み取る目盛部材上に設けられている、
   請求項２に記載の水圧ラム。
4. 【請求項４】 前記目盛部材が引き出されない限り、前
   記調整リングは回転できないようになっている、請求項
   ３に記載の水圧ラム。
5. 【請求項５】 前記細目盛は、前記調整リングの周囲に
   設けられたインデックスマークを含んでいる、請求項２
   に記載の水圧ラム。
6. 【請求項６】 前記目盛部材は、前記調整リングに摺動
   可能に受容されている、請求項３に記載の水圧ラム。
7. 【請求項７】 前記調整リングは前記シリンダーヘッド
   の自由端に装着されている、請求項１に記載の水圧ラ
   ム。