JPH08176325A - プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

プリプレグおよび繊維強化複合材料

Info

Publication number
JPH08176325A
JPH08176325A JP33786394A JP33786394A JPH08176325A JP H08176325 A JPH08176325 A JP H08176325A JP 33786394 A JP33786394 A JP 33786394A JP 33786394 A JP33786394 A JP 33786394A JP H08176325 A JPH08176325 A JP H08176325A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
prepreg
resin composition
resin
compressive strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33786394A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Ooseto
浩樹 大背戸
Hiroyoshi Tanaka
宏佳 田中
Hideo Nagata
秀夫 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP33786394A priority Critical patent/JPH08176325A/ja
Publication of JPH08176325A publication Critical patent/JPH08176325A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮系の機械特性、特に高温高湿時の圧縮系
の機械特性に優れるとともに、耐衝撃後圧縮強度に優
れ、構造材料として好適な繊維強化複合材料を与え、タ
ックライフに優れるプリプレグを提供する。 【構成】 次の構成要素(A)、(B)、(C)からな
り、(C)が(B)より表面側に存在していることを特
徴とするプリプレグ。 (A)強化繊維 (B)硬化剤として3,3′−ジアミノジフェニルスル
ホンを含有するエポキシ樹脂組成物 (C)硬化剤として4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホンを含有するエポキシ樹脂組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化複合材料成形
用のプリプレグ、および、そのプリプレグから成形した
繊維強化複合材料に関する。さらに詳しくは、圧縮系の
機械特性に優れ、構造材料として好適な繊維強化複合材
料を与えるプリプレグ、およびそれらから得られる繊維
強化複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とマトリックス樹脂からなるポ
リマー基複合材料は、軽量で優れた機械特性を有するた
めに、スポーツ用品用途、航空宇宙用途、一般産業用途
に広く用いられている。繊維強化複合材料の製造には、
各種の方式が用いられるが、強化繊維に未硬化のマトリ
ックス樹脂が含浸されたシート状中間基材であるプリプ
レグを用いる方法が広く用いられている。この方法で
は、通常、プリプレグを複数枚積層した後、加熱するこ
とによって複合材料の成形物が得られる。
【0003】プリプレグに用いられるマトリックス樹脂
としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂ともに使用され
るが、ほとんどの場合、取扱い性の優れる熱硬化性樹脂
が用いられ、そのなかでもエポキシ樹脂が最も多く使用
されている。また、マレイミド樹脂、シアネート樹脂お
よびこれらを組合わせたものもよく使用されている。
【0004】ところで、繊維強化複合材料を構造材料と
して用いる場合の重要な物性の一つに圧縮強度がある。
構造部材として用いる場合、ボルト穴を設けることが多
いため、特に有孔板の圧縮強度が重要になる。
【0005】また、一般にポリマー系の材料は、高温お
よび/または高湿条件下で強度や弾性率が低下する。し
たがって、ポリマーをマトリックスとする繊維強化複合
材料の強度などの物性も高温あるいは高湿条件下で低下
しやすい。しかし、複合材料を、航空機、車両、船舶な
どの構造材料として適用する場合は、高温および/また
は高湿条件下でも物性を十分保持することが要求され
る。
【0006】繊維強化複合材料を構造材料として用いる
場合、圧縮強度は、特に重要な物性である。圧縮強度の
測定には、無孔板、有孔板、円筒などの試験片を用いて
行われるが、実際の使用においては、ボルト穴を設けた
板材の形にすることが多いため、特に有孔板の圧縮強
度、なかんずく高温、高湿条件での強度が重要になる。
【0007】また、繊維強化複合材料を構造材料として
用いる場合、重要になるもう一つの物性として、衝撃後
圧縮強度がある。これは、工具落下、小石などの衝突に
よる部材への衝撃で、繊維強化複合材料の層間に剥離が
生じ圧縮強度が低下する現象であり、これが著しいと構
造材料として用いることができなくなる。
【0008】繊維強化複合材料の圧縮強度を向上させる
ためには、一般にマトリックス樹脂の弾性率を上げるこ
とが有効である。高温および/または高湿条件下での圧
縮強度を高めるためには、さらに耐熱性、耐水性が必要
になる。このような目的には、3,3′−ジアミノジフ
ェニルスルホンで硬化したエポキシ樹脂が適しているこ
とが知られている。しかし、この硬化剤で硬化したエポ
キシ樹脂は脆いため、耐衝撃性、衝撃後圧縮強度、疲労
などの点で、構造材料用途として、最も一般的に使用さ
れている4,4′−ジアミノジフェニルスルホンで硬化
したエポキシ樹脂よりも劣る。また、3,3′−ジアミ
ノジフェニルスルホンは、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホンよりエポキシ樹脂との反応速度が大きい。そ
のため、これを用いたプリプレグは、保存中に硬化剤が
エポキシ樹脂と反応する度合いが4,4′−ジアミノジ
フェニルスルホンを用いた場合より大きい。硬化剤が保
存中にエポキシ樹脂と反応すると、粘度およびガラス転
移温度が上昇し、プリプレグの表面タックが失われてい
く。したがって、実用上十分なタックが保存される期
間、すなわちタックライフは、硬化剤として3,3′−
ジアミノジフェニルスルホンを用いたプリプレグだと、
4,4′−ジアミノジフェニルスルホンを用いたものよ
り短くなる。したがって、3,3′−ジアミノジフェニ
ルスルホンを単独で配合したエポキシ樹脂をプリプレグ
のマトリックス樹脂として使用することには実用上の問
題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、圧縮
系の機械特性、特に高温高湿時の有孔板圧縮強度に優れ
るとともに耐衝撃後圧縮強度に優れ、構造材料として好
適な繊維強化複合材料を与え、さらにタックライフの長
いプリプレグを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に沿う本発明の
プリプレグは、次の構成要素(A)、(B)、(C)か
らなり、(C)が(B)より表面側に存在していること
を特徴とするプリプレグである。 (A)強化繊維 (B)硬化剤として3,3′−ジアミノジフェニルスル
ホンを含有するエポキシ樹脂組成物 (C)硬化剤として4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホンを含有するエポキシ樹脂組成物
【0011】また、本発明に係る繊維強化複合材料は、
このようなプリプレグを硬化して成形したものからな
る。
【0012】以下本発明を具体的に説明する。本発明の
プリプレグは、2種類のエポキシ樹脂組成物を用いる、
すなわち、耐衝撃性、疲労やタックライフに関与する表
層には、4,4′−ジアミノジフェニルスルホンを含有
するエポキシ樹脂組成物を用い、圧縮強度に寄与する内
部側には、3,3′−ジアミノジフェニルスルホンを含
有するエポキシ樹脂組成物を用いることにより、3,
3′−ジアミノジフェニルスルホンを含有するエポキシ
樹脂組成物単独での欠点を解消したものである。
【0013】本発明に係るプリプレグの強化繊維(A)
としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロ
ン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などが用いられ
る。これらのうちでは、特に炭素繊維が好ましい。強化
繊維の形態としては、特に限定されるものではなく、た
とえば一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物、マッ
ト、ニット、組み紐などが用いられる。
【0014】本発明のプリプレグのエポキシ樹脂組成物
(B)は、主として、エポキシ樹脂と3,3′−ジアミ
ノジフェニルスルホンからなる。エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を
有するエポキシ樹脂、フェノール化合物とジシクロペン
タジエンの共重合体を原料とするエポキシ樹脂、ジグリ
シジルレゾルシノール、テトラキス(グリシジルオキシ
フェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニ
ル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリ
グリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノク
レゾール、テトラグリシジルキシレンジアミンのような
グリシジルアミン型エポキシ樹脂およびこれらの混合物
が用いられる。特に、3官能以上のグリシジルアミン型
エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂組成物(B)中の全エポ
キシ樹脂の60重量%以上になるように配合されたエポ
キシ樹脂が好ましい。この場合、3官能以上のグリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジ
アミノジフェニルメタンが好ましい。
【0015】このエポキシ樹脂組成物(B)には、エポ
キシ樹脂の硬化剤として3,3′−ジアミノジフェニル
スルホンを含有する。3,3′−ジアミノジフェニルス
ルホンのアミノ基の活性水素がエポキシ樹脂のエポキシ
基と1:1で反応する組成は、樹脂組成物中の3,3′
−ジアミノジフェニルスルホンのモル数が、樹脂組成物
中のエポキシ基のモル数の0.25倍である組成である
が、優れたな圧縮強度を得るために適した組成は、この
組成とは異なり、樹脂組成物中の3,3′−ジアミノジ
フェニルスルホンのモル数が、樹脂組成物中のエポキシ
基のモル数の0.15〜0.2倍である組成である。
【0016】エポキシ樹脂組成物(B)には、さらに熱
可塑性樹脂を添加してもよい。好ましい熱可塑性樹脂と
しては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミドが挙げられる。
【0017】表層に用いる樹脂組成物(C)は、主とし
て、エポキシ樹脂と4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホンからなる。エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂組
成物(B)と同様の物が用いられる。エポキシ樹脂組成
物(B)と異なり、エポキシ樹脂組成物(C)には、特
に、グリシジルアミン型エポキシ樹脂を大量に配合する
必要はないが、グリシジルアミン型エポキシ樹脂は硬化
物の耐熱性などの向上に寄与するため、配合することが
好ましい。グリシジルアミン型エポキシ樹脂の好ましい
配合量は、エポキシ樹脂組成物(C)中の全エポキシ樹
脂の30重量%以上である。
【0018】エポキシ樹脂組成物(C)には、エポキシ
樹脂の硬化剤として4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホンを含有する。その好ましい配合は、樹脂組成物中の
4,4′−ジアミノジフェニルスルホンのモル数が、樹
脂組成物中のエポキシ基のモル数の0.15〜0.3倍
である組成である。
【0019】エポキシ樹脂組成物(C)には、さらに熱
可塑性樹脂を添加してもよい。好ましい熱可塑性樹脂と
しては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミドが挙げられる。これらの熱可
塑性樹脂を添加した樹脂組成物の調製は、エポキシ樹脂
に熱可塑性樹脂を加えて加熱して溶解し、その後温度を
下げて硬化剤である4,4′−ジアミノジフェニルスル
ホンを加えることにより行われる。
【0020】本発明のプリプレグにおけるエポキシ樹脂
組成物(B)とエポキシ樹脂組成物(C)の好ましい重
量比は、50:50〜90:10である。
【0021】ところで、一般に衝撃後圧縮強度を高める
ためには、プリプレグの片面または両面の表面近傍に高
靱性材料を存在させ、積層、硬化して得られた複合材料
の層間に高靱性材料を分布させる層間強化の手法が有効
であることが知られている。高靱性材料としては、例え
ば特開昭63−162732号公報に示されるような熱
可塑性樹脂、例えば特開平4−268361号公報に示
されるようなエラストマー、例えば米国特許3,47
2,730号公報に示されるようなエラストマー変性熱
硬化性樹脂を用いる方法が知られている。
【0022】本発明にも、上記の層間強化技術を適用す
ることができる。3,3′−ジアミノジフェニルスルホ
ンを硬化剤として単独で配合したエポキシ樹脂について
も、層間強化技術を適用することが可能であるが、硬化
した樹脂が脆いため、層間強化の効果の発現が制限され
る。本発明のプリプレグに層間強化技術を適用すると、
層間部分には、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン
で硬化した樹脂が存在することになり、層間強化の効果
をよりよく発現させることが可能で、高い圧縮強度と衝
撃後圧縮強度をかねそなえる繊維強化複合材料を得るこ
とができる。本発明に層間強化技術を適用する場合、層
間強化に用いる材料としては、エラストマーあるいはエ
ラストマー変性熱硬化性樹脂を用いると高温時の物性が
低下するため、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
【0023】プリプレグの片面または、両面に存在させ
る熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、
ポリエーテルスルホンなどが好ましい。このなかでも、
靱性およびマトリックス樹脂との接着性にすぐれるポリ
アミドが特に好ましい。ポリアミドは、特開平1−10
4624号公報に示されるようにエポキシ樹脂で変性し
たものを用いることも可能である。
【0024】熱可塑性樹脂の形態としては、フィルム、
粒子、繊維をとることができる。フィルム形態の場合、
米国特許4,604,319号公報のごとく完全にプリ
プレグ表面を覆うと、表面タックを失うことになるが、
特開昭63−97635号公報に示されるように通孔を
設ける、特開平5−138785号公報に示されるよう
に多孔質にする、特開平5−287091号公報に示さ
れるようにテープ状フィルムを配列するなどの方法をと
ることにより、表面タックを保持することができる。
【0025】粒子形態の場合、粒子の形状は、特開平1
−110537号公報に示されるような球状粒子でも、
特開平1−110536号公報に示されるような非球状
粒子でも、特開平5−1159号公報に示されるような
多孔質粒子でもよい。
【0026】繊維形態としては、特開平2−69566
号公報に示されるような短繊維、特開平4−29263
4号公報に示されるような長繊維平行配列、特開平2−
32843号公報に示されるような織物、国際公開番号
94016003号公報に示されるような不織布、ニッ
トなどを用いることができる。
【0027】本発明のプリプレグは、まず、エポキシ樹
脂組成物(B)を離型紙などの上にコーティングしたフ
ィルムを用いて、シート状にした強化繊維の両側あるい
は片側から樹脂を含浸させて一次プリプレグを作製し、
続いてエポキシ樹脂組成物(C)を離型紙などの上にコ
ーティングしたフィルムをその両側に貼り付けさらに含
浸を行うことにより製造される。
【0028】また、本発明に層間強化技術を適用した場
合のプリプレグを製造するには、以下にあげるような方
法を用いることができる。第一は、上記の方法で作製し
たプリプレグの片面または両面に層間強化用熱可塑性樹
脂を貼着または散布する方法である。第二の方法は、層
間強化用熱可塑性樹脂が多孔質フィルム、織物、ニッ
ト、不織布などシート状形態をとる場合に適用できる方
法で、一次プリプレグの片面または両面にシート状形態
をとる層間強化用熱可塑性樹脂にエポキシ樹脂組成物
(C)を含浸させたものを貼着して製造する方法であ
る。第三の方法は、層間強化用熱可塑性樹脂が粒子、短
繊維などの離散した形態をとる場合に適用可能な方法
で、一次プリプレグの両面に、層間強化用熱可塑性樹脂
を分散させたエポキシ樹脂組成物(C)を離型紙などに
塗布したフィルムを貼着する方法である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 実施例1 (A)樹脂組成物の調製 下記原料を混練し、一次樹脂組成物を得た。 (1)テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(エポキシ当量120) (ELM434、住友化学工業(株)製) : 90.0部 (2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量172) (エピクロン830、大日本インキ(株)製) : 10.0部 (3)ポリエーテルスルホン (PES5003P、三井東圧化学(株)製) : 12.7部 (4)3,3′−ジアミノジフェニルスルホン (和歌山精化(株)製) : 35.0部 この組成においては、3,3′−ジアミノジフェニルス
ルホンのモル数はエポキシ基のモル数の0.175倍で
ある。
【0030】さらに下記原料を混練し、二次樹脂組成物
を得た。 (1)テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン (ELM434、住友化学工業(株)製) : 60.0部 (2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (エピコート825、油化シェルエポキシ(株)製) : 30.0部 (3)ビスフェノールF型エポキシ樹脂 (エピクロン830、大日本インキ(株)製) : 10.0部 (4)4,4′−ジアミノジフェニルスルホン (スミキュアS、住友化学工業(株)製) : 45.0部 (5)ポリエーテルスルホン (PES5003P、三井東圧化学(株)製) : 12.6部
【0031】(B)プリプレグの作製 (A)で調製した一次樹脂をリバースロールコーターを
用いて離型紙上に塗布量が31.2g/m2 になるよう
塗布して樹脂フィルムを作製した。次いで、二次樹脂を
塗布量が20.5g/m2 になるよう塗布して樹脂フィ
ルムを作製した。一方向に引き揃えた炭素繊維(T80
0H、東レ(株)製)を両側から、前記の一次樹脂フィ
ルムではさみ、加熱加圧して樹脂を含浸させ、さらにそ
の両側に二次樹脂フィルムを貼り付けて、炭素繊維目付
190g/m2 、炭素繊維含有率64.8%のプリプレ
グを得た。
【0032】(C)硬化板の作製 (B)で作製したプリプレグを(+45/0/−45/
90度)2S、および(+45/0/−45/90度)3S
の構成で積層した。これをオートクレーブ中で、温度1
80℃、圧力6kgf/cm2 の条件で2時間硬化を行
った。
【0033】(D)圧縮強度の測定 硬化板を、0゜方向が12インチ、90゜方向が1.5
インチの長方形に切り出し、中央部に直径0.25イン
チの円形の孔を穿孔して有孔板に加工し、室温圧縮強度
(24℃)、および高温高湿時圧縮強度(71℃の温水
に2週間浸漬後82℃で測定)をインストロン1128
型試験機を用いて測定した。結果は以下の通りである。 室温圧縮強度 : 45.1ksi 高温高湿時圧縮強度 : 39.3ksi さらに、(+45/0/−45/90度)3Sの構成の硬
化板を0゜方向が6インチ、90゜方向が4インチの長
方形に切り出し、その中央に270インチ・ポンドの落
錘衝撃を与え、衝撃後の圧縮強度を測定した。結果は以
下の通りである。 衝撃後圧縮強度 : 22.1ksi
【0034】比較例1 (A)樹脂組成物の調製 下記原料を混練し、樹脂組成物を得た。 (1)テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(エポキシ当量120) (ELM434、住友化学工業(株)製) : 90.0部 (2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量172) (エピクロン830、大日本インキ(株)製) : 10.0部 (3)ポリエーテルスルホン (PES5003P、三井東圧化学(株)製) : 12.7部 (4)3,3′−ジアミノジフェニルスルホン (和歌山精化(株)製) : 35.0部
【0035】(B)プリプレグの作製 (A)で調製した樹脂をリバースロールコーターを用い
て離型紙上に塗布量が51.7g/m2 になるよう塗布
して樹脂フィルムを作製した。一方向に引き揃えた炭素
繊維(T800H、東レ(株)製)を両側から、前記の
樹脂フィルムではさみ、加熱加圧して樹脂を含浸させて
炭素繊維目付190g/m2 、炭素繊維含有率64.8
%のプリプレグを得た。
【0036】(C)硬化板の作製 (B)で作製したプリプレグを(+45/0/−45/
90度)2S、および(+45/0/−45/90度)3S
の構成で積層した。これらを実施例1と同様の条件で硬
化を行った。
【0037】(D)圧縮強度の測定 (+45/0/−45/90度)2Sの構成の硬化板を、
実施例1と同様に有孔板に加工し、室温圧縮強度、およ
び高温高湿時圧縮強度を測定した。結果は以下の通りで
あった。 室温圧縮強度 : 45.2ksi 高温高湿時圧縮強度 : 39.0ksi さらに、(+45/0/−45/90度)3Sの構成の硬
化板を0゜方向が6インチ、90゜方向が4インチの長
方形に切り出し、その中央に270インチ・ポンドの落
錘衝撃を与え、衝撃後の圧縮強度を測定した。結果は以
下の通りであった。 衝撃後圧縮強度 : 18.2ksi
【0038】比較例2 (A)樹脂組成物の調製 下記原料を混練し、樹脂組成物を得た。 (1)テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン (ELM434、住友化学工業(株)製) : 60.0部 (2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (エピコート825、油化シェルエポキシ(株)製) : 30.0部 (3)ビスフェノールF型エポキシ樹脂 (エピクロン830、大日本インキ(株)製) : 10.0部 (4)4,4′−ジアミノジフェニルスルホン (スミキュアS、住友化学工業(株)製) : 45.0部 (5)ポリエーテルスルホン (PES5003P、三井東圧化学(株)製) : 12.6部
【0039】(B)プリプレグの作製 (A)で調製した樹脂をリバースロールコーターを用い
て離型紙上に塗布量が51.7g/m2 になるよう塗布
して樹脂フィルムを作製した。一方向に引き揃えた炭素
繊維(T800H、東レ(株)製)を両側から、前記の
樹脂フィルムではさみ、加熱加圧して樹脂を含浸させて
炭素繊維目付190g/m2 、炭素繊維含有率64.8
%のプリプレグを得た。
【0040】(C)硬化板の作製 (B)で作製したプリプレグを(+45/0/−45/
90度)2S、および(+45/0/−45/90度)3S
の構成で積層した。これらを実施例1と同様の条件で硬
化を行った。
【0041】(D)圧縮強度の測定 (+45/0/−45/90度)2Sの構成の硬化板を、
実施例1と同様に有孔板に加工し、室温圧縮強度、およ
び高温高湿時圧縮強度を測定した。結果は以下の通りで
あった。 室温圧縮強度 : 43.2ksi 高温高湿時圧縮強度 : 35.6ksi さらに、(+45/0/−45/90度)3Sの構成の硬
化板を0゜方向が6インチ、90゜方向が4インチの長
方形に切り出し、その中央に270インチ・ポンドの落
錘衝撃を与え、衝撃後の圧縮強度を測定した。結果は以
下の通りであった。 衝撃後圧縮強度 : 22.4ksi
【0042】実施例2 (A)樹脂組成物の調製 下記原料を混練し、一次樹脂組成物を得た。 (1)テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(エポキシ当量120) (ELM434、住友化学工業(株)製) : 90.0部 (2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量172) (エピクロン830、大日本インキ(株)製) : 10.0部 (3)ポリエーテルスルホン (PES5003P、三井東圧化学(株)製) : 12.7部 (4)3,3′−ジアミノジフェニルスルホン (和歌山精化(株)製) : 35.0部 この組成においては、3,3′−ジアミノジフェニルス
ルホンのモル数はエポキシ基のモル数の0.175倍で
ある。
【0043】さらに下記原料を混練し、二次樹脂組成物
を得た。 (1)テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン (ELM434、住友化学工業(株)製) : 60.0部 (2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (エピコート825、油化シェルエポキシ(株)製) : 30.0部 (3)ビスフェノールF型エポキシ樹脂 (エピクロン830、大日本インキ(株)製) : 10.0部 (4)4,4′−ジアミノジフェニルスルホン (スミキュアS、住友化学工業(株)製) : 45.0部 (5)ポリエーテルスルホン (PES5003P、三井東圧化学(株)製) : 12.6部 (6)エポキシ変性ナイロン粒子 : 75.5部 二次樹脂の原料のうち(6)のエポキシ変性ナイロン樹
脂は、特開平1−104624号公報の実施例1に示さ
れているものを用いた。
【0044】(B)プリプレグの作製 (A)で調製した一次樹脂をリバースロールコーターを
用いて離型紙上に塗布量が31.2g/m2 になるよう
塗布して樹脂フィルムを作製した。次いで、二次樹脂を
塗布量が20.5g/m2 になるよう塗布して樹脂フィ
ルムを作製した。一方向に引き揃えた炭素繊維(T80
0H、東レ(株)製)を両側から、前記の一次樹脂フィ
ルムではさみ、加熱加圧して樹脂を含浸させ、さらにそ
の両側に二次樹脂フィルムを貼り付けて、炭素繊維目付
190g/m2 、炭素繊維含有率64.8%のプリプレ
グを得た。
【0045】(C)硬化板の作製 (B)で作製したプリプレグを(+45/0/−45/
90度)2S、および(+45/0/−45/90度)3S
の構成で積層した。これらを実施例1と同様の条件で硬
化を行った。
【0046】(D)圧縮強度の測定 (+45/0/−45/90度)2Sの構成の硬化板を、
実施例1と同様に有孔板に加工し、室温圧縮強度、およ
び高温高湿時圧縮強度を測定した。結果は以下の通りで
あった。 室温圧縮強度 : 45.1ksi 高温高湿時圧縮強度 : 39.3ksi さらに、(+45/0/−45/90度)3Sの構成の硬
化板を0゜方向が12インチ、90゜方向が1.5イン
チの長方形に切り出し、その中央に270インチ・ポン
ドの落錘衝撃を与え、衝撃後の圧縮強度を測定した。結
果は以下の通りであった。 衝撃後圧縮強度 : 50.6ksi
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプリプレ
グによるときは、上記実施例からも明らかなように、2
種類のエポキシ樹脂組成物を用い、表層側に耐衝撃性、
疲労強度、タックライフに優れた樹脂を、内部に高温高
湿時においても圧縮強度に優れた樹脂を配するようにし
たので、タックライフを長く保ちつつ、繊維強化複合材
料にした際に高温高湿条件で高い圧縮強度を示すことが
でき、とくに、優れた耐衝撃後圧縮強度を示すことがで
きる。したがって、本発明に係るプリプレグを用いて得
られる繊維強化複合材料は、ボルト孔等を有する有孔構
造材料として好適なものとなり、適用可能な用途を大き
く拡大することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/34 C08G 59/56 NJK C08J 5/06 CFC C08K 7/06 // B29K 63:00 77:00 105:08 307:04 B29L 9:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の構成要素(A)、(B)、(C)か
    らなり、(C)が(B)より表面側に存在していること
    を特徴とするプリプレグ。 (A)強化繊維 (B)硬化剤として3,3′−ジアミノジフェニルスル
    ホンを含有するエポキシ樹脂組成物 (C)硬化剤として4,4′−ジアミノジフェニルスル
    ホンを含有するエポキシ樹脂組成物
  2. 【請求項2】 前記エポキシ樹脂組成物(B)を構成す
    るエポキシ樹脂の60重量%以上が3官能以上のグリシ
    ジルアミン型エポキシ樹脂である、請求項1のプリプレ
    グ。
  3. 【請求項3】 前記3官能以上のグリシジルアミン型エ
    ポキシ樹脂がテトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
    ンである、請求項2のプリプレグ。
  4. 【請求項4】 前記エポキシ樹脂組成物(B)中の3,
    3′−ジアミノジフェニルスルホンのモル数がエポキシ
    樹脂組成物(B)中に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ
    基のモル数の0.15〜0.2倍である、請求項1ない
    し3のいずれかに記載のプリプレグ。
  5. 【請求項5】 前記エポキシ樹脂組成物(B)とエポキ
    シ樹脂組成物(C)の重量比が50:50〜90:10
    である、請求項1ないし4のいずれかに記載のプリプレ
    グ。
  6. 【請求項6】 前記強化繊維(A)が炭素繊維である、
    請求項1ないし5のいずれかに記載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂のフィルム、粒子または繊
    維が片面または両面に存在する、請求項1ないし6のい
    ずれかに記載のプリプレグ。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂がポリアミドである、
    請求項7のプリプレグ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のプ
    リプレグを硬化して得た繊維強化複合材料。
JP33786394A 1994-12-26 1994-12-26 プリプレグおよび繊維強化複合材料 Pending JPH08176325A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33786394A JPH08176325A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 プリプレグおよび繊維強化複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33786394A JPH08176325A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 プリプレグおよび繊維強化複合材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08176325A true JPH08176325A (ja) 1996-07-09

Family

ID=18312700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33786394A Pending JPH08176325A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 プリプレグおよび繊維強化複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08176325A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003040206A1 (fr) * 2001-11-07 2003-05-15 Toray Industries, Inc. Compositions de resine epoxy pour materiaux composites a fibres, procede de production de ces materiaux, et materiaux composites a fibres
JP2005281664A (ja) * 2004-03-04 2005-10-13 Hitachi Chem Co Ltd プリプレグ、並びにこれを用いて得られる金属箔張積層板及び印刷回路板
US7566646B2 (en) 2000-06-30 2009-07-28 Intel Corporation Three dimensional programmable device and method for fabricating the same
US7871694B2 (en) 2004-03-04 2011-01-18 Hitachi Chemical Company, Ltd. Prepreg, metal-clad laminate and printed circuit board using same

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7566646B2 (en) 2000-06-30 2009-07-28 Intel Corporation Three dimensional programmable device and method for fabricating the same
WO2003040206A1 (fr) * 2001-11-07 2003-05-15 Toray Industries, Inc. Compositions de resine epoxy pour materiaux composites a fibres, procede de production de ces materiaux, et materiaux composites a fibres
US7709582B2 (en) 2001-11-07 2010-05-04 Toray Industries, Inc. Epoxy resin composition for fiber reinforced composite material, a production method for fiber reinforced composite material, and a fiber reinforced composite material
JP2005281664A (ja) * 2004-03-04 2005-10-13 Hitachi Chem Co Ltd プリプレグ、並びにこれを用いて得られる金属箔張積層板及び印刷回路板
US7871694B2 (en) 2004-03-04 2011-01-18 Hitachi Chemical Company, Ltd. Prepreg, metal-clad laminate and printed circuit board using same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3359037B2 (ja) 「プリプレグおよび繊維強化複合材料」
US6596373B1 (en) Epoxy resin composition for fiber-reinforced composite material prepreg, and fiber-reinforced composite material
JP3440615B2 (ja) プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP4829766B2 (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
KR20140009460A (ko) 프리프레그, 섬유 강화 복합 재료 및 섬유 강화 복합 재료의 제조 방법
EP2311892A1 (en) Epoxy resin composition and prepreg using same
KR20140127869A (ko) 섬유강화 복합 재료
JP2010059225A (ja) 炭素繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
CA2683073A1 (en) Resin composition, and prepreg
JPH10330513A (ja) プリプレグ及び繊維強化複合材料
JP7299225B2 (ja) 高温及び湿潤条件に耐える複合部品の製造に使用するプリプレグ
WO2008142474A1 (en) Adhesion promoting layer for composite assemblies
JP4475880B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2003238657A (ja) エポキシ樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2003026768A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2010095557A (ja) プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP4910684B2 (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
JP3508346B2 (ja) プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2001114915A (ja) プリプレグ及び繊維強化複合材料
JP2002363253A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP4655329B2 (ja) 一方向プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP4859081B2 (ja) 複合材料の製造方法
JP3365110B2 (ja) プリプレグおよび繊維強化複合材料
JPH04249544A (ja) プリプレグ及びその製造方法
JP2000017090A (ja) プリプレグおよび繊維強化複合材料