JPH08175814A - 鉱物処理方法及び該鉱物を用いた濾過材 - Google Patents

鉱物処理方法及び該鉱物を用いた濾過材

Info

Publication number
JPH08175814A
JPH08175814A JP31865094A JP31865094A JPH08175814A JP H08175814 A JPH08175814 A JP H08175814A JP 31865094 A JP31865094 A JP 31865094A JP 31865094 A JP31865094 A JP 31865094A JP H08175814 A JPH08175814 A JP H08175814A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mineral
washing
silica
alkaline solution
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31865094A
Other languages
English (en)
Inventor
Taketoshi Fujiwara
武利 藤原
Kouichi Kaneo
浩一 鐘尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittetsu Mining Co Ltd filed Critical Nittetsu Mining Co Ltd
Priority to JP31865094A priority Critical patent/JPH08175814A/ja
Publication of JPH08175814A publication Critical patent/JPH08175814A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/74Recovery of fats, fatty oils, fatty acids or other fatty substances, e.g. lanolin or waxes

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 瀘過性能の高い高品質の瀘過材を安価に量産
することができて、使用済み食用油中の劣化成分の除去
処理等に優れた効力を発揮する鉱物処理方法及び該鉱物
を用いた瀘過材を提供すること。 【構成】 シリカを主成分とする天然鉱物をアルカリ性
溶液に特定時間浸漬させた工程(ステップ102)の
後、該鉱物を洗浄する工程(ステップ201〜203)
を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、使用済み食用
油中の劣化成分の除去処理等に優れた効力をもたらす鉱
物処理方法及び該鉱物を用いた瀘過材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えばてんぷらに使用される食用油は、
使用が進むにつれて、食用油中に投じられた料理材料の
一部や料理材料中の成分(水分も含む)の残留による影
響、あるいは加熱処理を通じての酸化や加水分解や重合
等の化学変化による影響によって、劣化が進み、劣化成
分が増大していく。
【0003】食用油の劣化成分は、例えば、料理材料の
残留による不溶解残滓や、加熱処理等による化学変化に
よって生成されたカルボン酸等の酸性物質、酸化物質、
あるいは脂肪酸の熱重合による重合物質等で、食用油に
着色や着臭を引き起こし、また、料理材料の風味を阻害
したり、または食品衛生上あるいは栄養学上で好ましく
ない作用を引き起こす原因となる。
【0004】そこで、食用油を使用する調理場等では、
食用油の劣化によって料理の風味が低下したり、あるい
は食品衛生上あるいは栄養学上で不都合が生じないよう
に、食用油の管理がなされる。この場合の管理法として
は、劣化成分を含む食用油(即ち、使用済み食用油)全
体を廃棄処理してしまう方法と、劣化成分の除去処理を
行って鮮度を回復させる方法とがあるが、最近では、廃
油量を低減して廃油公害等の環境汚染を防止すること、
再生利用による資源の節約等の観点から、後者の方法が
着目されている。
【0005】食用油中の劣化成分を除去する方法として
は、従来より、瀘布や瀘紙を用いて瀘過する方法、カセ
イソーダ等を使用した脱酸処理を行う方法、酸化マグネ
シウムなどのアルカリ土類金属の酸化物や炭酸塩を脱酸
剤として用いて遊離脂肪酸等を吸着脱酸する方法等が広
く知られている。
【0006】瀘布や瀘紙を用いて瀘過する方法は、一般
家庭等でも利用されている方法で、簡単で、かつ安価に
行えるが、固形分(料理材料の残留による不溶解残滓)
の除去以外にはあまり有効でない。そこで、瀘布や瀘紙
を用いて瀘過する方法は、前述のカセイソーダ等を使用
した脱酸処理を行う方法、あるいは、脱酸剤を用いて吸
着脱酸する方法と併用し、化学変化によって生成された
食用油中の劣化成分の除去はこれらのカセイソーダ等を
使用した脱酸処理、あるいは、脱酸剤を用いた吸着脱酸
によって行うようにすれば、料理材料の残留による不溶
解残滓だけでなく、加熱処理等による化学変化によって
生成された劣化成分も除去して、鮮度を回復させること
が可能になる。
【0007】ところが、カセイソーダ等を使用した脱酸
処理や、アルカリ土類金属の酸化物や炭酸塩を脱酸剤と
して用いて遊離脂肪酸等を吸着脱酸する処理は、食用油
脂の精製工程等で使用するべく開発された技術で、大型
で高価な装置が必要になったり、あるいは、工程管理に
手間がかかるという問題があり、レストランや料理店の
調理場等で使用済みの食用油を再生処理するような小規
模な処理の場合には、コストや工程管理の点で、不適当
である。
【0008】このような背景から、クリストバル岩のよ
うな吸着性に優れた天然鉱物を瀘過材として使用して、
食用油中の劣化成分を前記天然鉱物に吸着させる方法が
提案されている(特開昭62−285993号公報参
照)。前記クリストバル岩は、シリカを主成分とした多
孔質の天然鉱物で、優れた吸着性を有することが知られ
ている。このクリストバル岩による吸着によれば、加熱
処理等による化学変化によって生成された食用油中の劣
化成分を除去することもできる。そして、この方法によ
れば、装置を小型に、かつ安価にできるだけでなく、取
り扱いも容易であるため、レストランや料理店の調理場
等で使用済みの食用油を再生処理するような小規模な処
理にも適する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したク
リストバル岩の吸着作用は該鉱物の持つ多孔質構造によ
るもので、発揮する吸着性能は比表面積、細孔容積、平
均細孔径等の物性値と密接な関係にある。しかも、前述
の物性値は、採掘産地や切羽によって相違し、吸着性能
に差異を生ぜしめる。そのため、例えば、瀘過材とし
て、同量のクリストバル岩を使用して瀘過を行ったとし
ても、使用したクリストバル岩の粒径の相違や、採掘産
地、採掘場所の違いによって、前述の物性値に大きな差
異が生じ、そのために、瀘過性能に著しいばらつきが発
生する虞がある。
【0010】したがって、前記クリストバル岩を瀘過材
として製品化する場合には、瀘過性能にばらつきが生じ
ないように、物性の均質化を図ることが重要な課題とな
り、従来では、平均粒径が所定値となるようにクリスト
バル岩を破砕して、平均粒径の選定により、発掘産地等
の違いによる物性の差異を調整することが考えられてい
る。しかし、平均粒径の選定だけでは、瀘過性能のばら
つきを抑制するための十分な品質管理ができないという
問題があった。
【0011】そこで、所定の平均粒径に破砕したもの
を、さらに物性値に応じて選別したり、選別したものを
再度調合して、物性の均質化を図ることも考えられてい
るが、選別や調合に多大な手間がかかり、瀘過材のコス
トアップを招くという問題が生じる。
【0012】また、本願発明者等は、これまでの研究
で、瀘過材として使用するクリストバル岩の粒は、細孔
容積が大きなものほど、脱色や脱臭や脱酸等に対する効
力が大きく、優れた瀘過性能を発揮することを究明し
た。しかし、例えば、物性の均質化のために、前述した
ように細孔容積の大きな粒と小さな粒を所定の比率で調
合したりすると、単位量当たりの瀘過材としての製品品
質は安定させることができるが、細孔容積の小さな粒の
ために単位量の瀘過材全体としての瀘過性能は低くな
り、結局、瀘過性能の高い高品質の瀘過材を量産するこ
とができなくなるという問題が生じる。
【0013】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることにあり、瀘過材として使用した場合に安定した瀘
過性能が得られるように鉱物の物性を均質化することが
できると同時に、より高い瀘過性能が得られるように鉱
物の物性値を所望の値に改善することができ、しかも、
処理の工程管理が容易で、瀘過性能の高い高品質の瀘過
材を安価に量産することができて、使用済み食用油中の
劣化成分の除去処理等に優れた効力を発揮する鉱物処理
方法及び該鉱物を用いた瀘過材を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、シ
リカを主成分とする天然鉱物をアルカリ性溶液に特定時
間浸漬させた後に、該鉱物を洗浄することを特徴とする
鉱物処理方法により達成される。
【0015】また、上記の鉱物処理方法において、アル
カリ性溶液に特定時間浸漬させた天然鉱物を洗浄する洗
浄工程では、洗浄液として酸性溶液を用いた酸洗浄処理
を実施することを特徴とする構成によっても、上記目的
を達成することができるものである。
【0016】また、上記の鉱物処理方法において、前記
酸洗浄処理は、洗浄対象の鉱物を一旦水洗処理した後に
実施する構成としても、上記目的を達成することができ
る。
【0017】また、上記の鉱物処理方法によって生成し
た鉱物を瀘過材として使用することで、上記目的を達成
することができる。さらに、天然鉱物のシリカ成分の少
なくとも一部分が溶出されてなる細孔を具備した濾過材
により上記目的を達成することができる。
【0018】
【作用】本発明の上記構成は、アルカリ性溶液を利用し
てシリカを溶出させることによって、シリカを主成分と
した天然鉱物の物性値を吸着性能が向上する方向にコン
トロールするもので、アルカリ性溶液に浸漬する時間を
適宜に選定することで、比表面積、細孔容積、平均細孔
径等の物性値を所望の値に高めて吸着性能の向上を図る
ことができ、また、発掘産地等の違いによる物性値の差
異をアルカリ性溶液への浸漬時間を変えることによって
無くし、該鉱物を瀘過材として使用した場合の物性の均
質化を実現することができる。
【0019】また、シリカは接触したアルカリ性溶液と
化学反応し、硅酸アルカリとして溶出するが、アルカリ
性溶液に特定時間浸漬させた天然鉱物を洗浄する洗浄工
程で、洗浄液として酸性溶液を用いた酸洗浄処理を実施
した場合には、洗浄液として使用した酸性溶液が細孔の
内周面等に残留する硅酸アルカリと化学反応して、細孔
の内表面を覆うシリカゲルを生成する。このシリカゲル
が生成される反応は、極めて迅速に起こるため、シリカ
の溶出によって物性値が所望の値に高められたら直ちに
シリカの溶出を停止させるために利用することができ、
シリカの溶出による物性値のコントロールを正確かつ容
易にすることができる。
【0020】また、前記酸洗浄処理を、洗浄対象の鉱物
を一旦水洗処理した後に実施するようにした場合には、
シリカの溶出を効果的にするだけでなくシリカゲルの生
成に使用する酸の量を節減して、シリカゲルの生成後に
鉱物上に残留している酸を水洗する処理を簡易にするこ
とが可能になる。
【0021】そして、上記の鉱物処理方法によって生成
した鉱物を使用した瀘過材においては、発揮する瀘過性
能が高いだけでなく、製品品質が安定し、例えば、使用
済み食用油中の劣化成分の除去処理等に優れた効力を発
揮する。
【0022】
【実施例】図1は、本発明に係る鉱物処理方法の一実施
例における処理手順を示したものである。このような処
理手順は、本願発明者等の以下の知見に基づいてなされ
たものである。
【0023】まず、シリカを主成分とするクリストバル
岩等の天然鉱物が発揮する吸着性能は、比表面積、細孔
容積、平均細孔径等の物性値を高めることによって向上
させることができるが、一般に、原石の天然鉱物は、前
述の物性値が小さく、また、発掘産地等の違いによって
物性値がばらつくため、瀘過材として使用した場合に安
定した瀘過性能が得られるように鉱物の物性を均質化す
ることが難しいだけでなく、高い瀘過性能を得ることも
難しい。
【0024】しかし、鉱物に含有されているシリカは、
アルカリ性溶液との接触により溶出し、その溶出によっ
て鉱物の空洞化を助長するという特質がある。また、例
えばクリストバル岩のように、シリカを主成分とした多
孔質の天然鉱物は、液体に浸漬した場合に、多孔質構造
を構成している細孔に液体が浸透し易く、例えば、浸漬
する液体としてアルカリ性溶液を用いれば、前記細孔に
浸透したアルカリ性溶液が該細孔の内周面を形成してい
るシリカを溶出させて細孔径を広げ、比表面積、細孔容
積、平均細孔径等の物性値を高めることができる。そし
て、このようなアルカリ性溶液との接触によるシリカの
溶出は、シリカに付着しているアルカリ性溶液を洗浄等
により除去することにより止めることができる。
【0025】即ち、シリカを主成分とする天然鉱物をア
ルカリ性溶液に浸漬させた後に、該鉱物に付着している
アルカリ性溶液を洗い流す処理を行う場合、アルカリ性
溶液に浸漬する時間を適宜に選定すると共に直ちに適切
な洗浄を実施すれば、アルカリ性溶液との接触によるシ
リカの溶出量を簡単にかつ正確にコントロールすること
が可能で、比表面積、細孔容積、平均細孔径等の物性値
を所望の値に高めて吸着性能の向上を図ることができ、
また、発掘場所等の違いによる物性値の差異をアルカリ
性溶液への浸漬時間を変えることによって無くし、該鉱
物を瀘過材として使用した場合の物性の均質化を実現す
ることが可能になる。
【0026】また、シリカは接触したアルカリ性溶液と
化学反応し、硅酸アルカリとして溶出するが、アルカリ
性溶液に特定時間浸漬させた天然鉱物を洗浄する洗浄工
程で、洗浄液として酸性溶液を用いた酸洗浄処理を実施
した場合には、洗浄液として使用した酸性溶液が細孔の
内周面等に残留する硅酸アルカリと化学反応して、図2
に模式的に示すように、鉱物粒子4の細孔1の内表面2
を覆うシリカゲル3を生成する。このシリカゲル3が生
成される反応は、極めて迅速に起こるため、シリカの溶
出によって物性値が所望の値に高められたら直ちにシリ
カの溶出を停止させるために利用することができ、シリ
カの溶出による物性値のコントロールを正確かつ容易に
することができる。
【0027】このような知見に基づいて開発された一実
施例における処理手順を、図1に基づいて、以下に詳述
する。この一実施例の鉱物処理方法では、まず、瀘過材
とすべき天然鉱物の原石を、平均粒径が統一されるよう
に、破砕する(ステップ101)。ここに、瀘過材とす
べき天然鉱物は、この一実施例の場合、クリストバル岩
である。クリストバル岩は、シリカを主成分とした多孔
性の鉱物で、シリカ以外の成分は、長石類や石英等であ
る。破砕は、粒度が0.15〜0.6mm、平均粒径が
0.3mmとなるように行う。
【0028】そして、所定の平均粒径に破砕した天然鉱
物は、アルカリ性溶液に一定時間浸漬する(ステップ1
02)。使用するアルカリ性溶液は、この一実施例で
は、水酸化ナトリウムの水溶液である。使用するアルカ
リ性溶液のアルカリ濃度が高過ぎるとシリカの溶出が急
速になり、シリカの溶出量を正確にコントロールするこ
とが難しくなるし、アルカリ濃度が低過ぎると、処理時
間が長大化して、処理効率が悪化する。また、同じアル
カリ濃度でも、処理室の温度や浸漬時間によって、後述
するシリカの溶出量が変る。そこで、鉱物を浸漬する水
酸化ナトリウム水溶液の濃度は、浸漬する鉱物の粒度、
処理室の温度、浸漬時間等に応じて加減する。この一実
施例の場合、水酸化ナトリウム水溶液の濃度は1〜10
wt%の範囲内、また、処理室の温度は20〜25℃の
範囲内、浸漬時間は24〜48時間の範囲内で適宜値を
設定する。
【0029】そして、アルカリ性溶液への一定時間の浸
漬が終了したら、直ちに、洗浄処理を行う(ステップ2
01〜203)。この洗浄処理は、図示のように、3段
階に行う。最初にまず水洗処理を行い(ステップ20
1)、次いで、酸洗浄処理を行い(ステップ202)、
さらに最終洗浄となる水洗処理を行う(ステップ20
3)。
【0030】ステップ201の水洗処理は、鉱物の粒子
に付着しているアルカリ性溶液を洗い流すものである
が、粒子の細孔の内表面に前述の硅酸アルカリが残留す
るように軽く行う。従って、該ステップ201の水洗処
理では、洗浄の廃液が未だアルカリ性を示す。ステップ
202の酸洗浄処理は、洗浄液として酸性溶液を使用
し、該酸性溶液を鉱物粒子の細孔の内表面等に残留する
硅酸アルカリと化学反応させて、細孔の内表面を覆うシ
リカゲルを生成させるものである。この一実施例の場合
は、酸性溶液として塩酸液を使用しているが、塩酸以外
の鉱酸を使用するようにしてもよい。一実施例の場合、
使用する塩酸の濃度は、1.0 〜35.0wt%程度とした。
ステップ203の水洗処理は、先に行った酸洗浄処理で
鉱物の粒子に付着している酸性液を洗い流すものである
が、粒子に付着している酸が完全に除去されるまで行
う。
【0031】以上の一実施例の鉱物処理方法は、アルカ
リ性溶液を利用してシリカを溶出させることによって、
シリカを主成分とした天然鉱物の物性値を吸着性能が向
上する方向にコントロールするもので、アルカリ性溶液
に浸漬する時間を適宜に選定することで、比表面積、細
孔容積、平均細孔径等の物性値を所望の値に高めて吸着
性能の向上を図ることができ、また、発掘場所の違いに
よる物性値の差異をアルカリ性溶液への浸漬時間を変え
ることによって無くすことができ、その結果、瀘過材と
して使用した場合に安定した瀘過性能が得られるように
鉱物の物性を均質化することができると同時に、より高
い瀘過性能が得られるように鉱物の物性値を所望の値に
改善することができる。
【0032】また、アルカリ性溶液に特定時間浸漬させ
た天然鉱物を洗浄する洗浄工程では、洗浄液として酸性
溶液を用いた酸洗浄処理を実施して、鉱物粒子の細孔の
内周面等に残留する硅酸アルカリを速やかにシリカゲル
に変えることで、シリカの溶出による物性値のコントロ
ールが正確かつ容易になり、シリカの溶出による物性値
調整処理の工程管理が容易になり、瀘過性能の高い高品
質の瀘過材を安価に量産することが可能になる。
【0033】また、前記酸洗浄処理を、洗浄対象の鉱物
を一旦水洗処理した後に実施するようにしているため、
シリカゲルの生成に使用する酸の量を節減して、シリカ
ゲルの生成後に鉱物上に残留している酸を水洗する第2
の水洗処理を簡易にすることが可能になる。
【0034】そして、このような一実施例の鉱物処理方
法によって生成した鉱物を使用した瀘過材においては、
発揮する瀘過性能が高いだけでなく、製品品質が安定
し、例えば、使用済み食用油中の劣化成分の除去処理等
に優れた効力を発揮する。
【0035】本願発明者等は、以上のような一実施例の
作用効果を確認するため、次のような実験を行った。図
1のステップ102で使用する水酸化ナトリウム液は、
濃度が0.3wt%、1.0wt%、3.0wt%、
5.0wt%、10wt%の5種類のものを用意し、そ
れぞれの濃度の水酸化ナトリウム液400mリットル
に、クリストバル岩(日鉄鉱業社製、商品名G−30
0、粒度0.15〜0.6mm、平均粒径0.3mm)
350gを投入し、投入した鉱物粒子に均等に液が接触
するようにかきまぜた後、室温(25〜30℃)で24
時間放置した。
【0036】そして、前記ステップ201における水洗
処理としては、水によるデカンテーションを数回繰り返
して、懸濁物を除去した後、内径が40mmのカラムに
移しいれ、カラムの上部から水を投入し、カラム内の水
溶液のpHが10になるまで、洗浄を行う。そして、ス
テップ202における酸洗浄処理は、1規定の塩酸10
0mリットルを前記カラム内に投入することによって行
った。また、ステップ203における水洗処理は、酸洗
浄処理後のカラム内の鉱物粒子に対して、水を流下し、
カラム内の水溶液のpHが6.5以上になるまで洗浄を
続けた。
【0037】そして、ステップ203の洗浄が終了した
鉱物粒子は、カラムから取り出して110℃で乾燥させ
た後、比表面積、細孔容積、平均細孔径、充填密度等の
物性値を測定した。また、以上のようにして生成した鉱
物粒子は、内径が40mmのカラムに20cmの層厚に
充填し、廃油(使用済みの食用油で、色度がR/Y=1
8/70で、酸価が1.80のもの)250mリットル
を同カラム内に投入し、24時間放置後に、瀘過油の色
度や酸価値を測定することにより瀘過性能を調べた。色
度の測定は、ロビボンドチントメータ(25.4mmセ
ル)を使用して、JIS K3503の規格に従って行
った。また、酸価値の測定は、JISK3504の規格
に従って行った。
【0038】以下の表1は、物性値の測定結果をステッ
プ102で使用したアルカリ性溶液の濃度別に整理した
もので、表2は、前述の色度および酸価値の測定結果を
ステップ102で使用したアルカリ性溶液の濃度別に整
理したものである。なお、それぞれの表には、比較のた
めに、本発明の処理を行わない場合の測定値も載せてい
る。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】以上の測定結果からも明らかなように、シ
リカを溶出させるために使用する水酸化ナトリウム水溶
液の濃度が1〜10wt%の範囲では、鉱物粒子におけ
る比表面積、細孔容積、平均細孔径等の物性値の改善が
顕著になり、また、瀘過材として使用した場合に、色度
および酸価の低下も明らかで、脱色および脱酸が良好に
行え、未処理の鉱物粒子(粒度だけを調整したもの)と
比較して、発揮する瀘過性能が高く、かつ製品品質が安
定することが確認できた。
【0042】なお、前述の一実施例の場合は、シリカを
主成分とした天然鉱物として、クリストバル岩を示した
が、成分組成が同様であれば、クリストバル岩以外の天
然鉱物を利用することも可能である。
【0043】また、シリカを主成分とする天然鉱物を破
砕して平均粒径を統一する場合に、基準とする粒度や平
均粒径は、前述の一実施例のものに限定するものではな
い。ただし、粒度が大き過ぎると、アルカリ性溶液に浸
漬した際に、粒子内奥へのアルカリ性溶液の浸透が遅
れ、シリカの溶出によって細孔径を広げる現象が粒子内
奥で不十分になり、好ましい物性値の改善をすることが
難しくなる。また、粒度が小さ過ぎると、アルカリ性溶
液の浸透が過度になり、シリカの溶出が過度になって
(例えば、当初の粒体積の70〜90%が溶出してしま
い)、長石類や石英等しか残らず、所望の多孔質構造が
破壊されてしまう虞がある。好ましい粒度は、瀘過対象
にもよるが、通常、0.15〜10mm程度である。
【0044】また、シリカを溶出させるために使用する
アルカリ性溶液も、前述の一実施例に示した水酸化ナト
リウム水溶液に限定するものではなく、例えば、水酸化
カリウム液や、アンモニア水を使用するようにしてもよ
い。
【0045】また、本発明の鉱物処理方法によって処理
した鉱物を用いた瀘過材は、使用済み食用油の再生処理
だけでなく、その他の廃油等の浄化処理等にも利用でき
ることは云うまでもない。
【0046】
【発明の効果】本発明の鉱物処理方法によれば、アルカ
リ性溶液に浸漬する時間を適宜に選定することで、比表
面積、細孔容積、平均細孔径等の物性値を所望の値に高
めて吸着性能の向上を図ることができ、また、発掘場所
の違いによる物性値の差異をアルカリ性溶液への浸漬時
間を変えることによって無くすことができる。即ち、瀘
過材として使用した場合に安定した瀘過性能が得られる
ように鉱物の物性を均質化することができると同時に、
より高い瀘過性能が得られるように鉱物の物性値を所望
の値に改善することができる。そして、アルカリ性溶液
に特定時間浸漬させた天然鉱物を洗浄する洗浄工程で、
洗浄液として酸性溶液を用いた酸洗浄処理を実施した場
合には、洗浄液として使用した酸性溶液が細孔の内表面
等に残留する硅酸アルカリと化学反応して、細孔の内表
面を覆うシリカゲルを迅速に生成してシリカのそれ以上
の溶出を止めるため、シリカの溶出による物性値のコン
トロールを正確かつ容易にすることができ、従って、シ
リカの溶出による物性値調整処理の工程管理が容易にな
り、瀘過性能の高い高品質の瀘過材を安価に量産するこ
とが可能になる。また、前記酸洗浄処理を、洗浄対象の
鉱物を一旦水洗処理した後に実施するようにした場合に
は、シリカゲルの生成に使用する酸の量を節減して、シ
リカゲルの生成後に鉱物上に残留している酸を水洗する
処理を簡易にすることが可能になる。そして、上記の鉱
物処理方法によって生成した鉱物を使用した瀘過材にお
いては、生成したシリカゲルが例えば被濾過物中の劣化
成分を吸着する作用に寄与するので、従来のものに比べ
て瀘過性能が高いだけでなく、製品品質が安定し、例え
ば、使用済み食用油中の劣化成分の除去処理等に優れた
効力を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉱物処理方法の一実施例の処理手
順を示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る鉱物処理方法で生成した鉱物を用
いた瀘過材の細孔を模式的に示した横断面図である。
【符号の説明】
1 細孔 2 内表面 3 シリカゲル 4 鉱物粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11B 3/10 13/00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカを主成分とする天然鉱物をアルカ
    リ性溶液に特定時間浸漬させた後に、該鉱物を洗浄する
    ことを特徴とする鉱物処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の鉱物処理方法におい
    て、アルカリ性溶液に特定時間浸漬させた天然鉱物を洗
    浄する洗浄工程では、洗浄液として酸性溶液を用いた酸
    洗浄処理を実施することを特徴とする鉱物処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の鉱物処理方法におい
    て、前記酸洗浄処理は、洗浄対象の鉱物を一旦水洗処理
    した後に実施することを特徴とする鉱物処理方法。
  4. 【請求項4】 天然鉱物のシリカ成分の少なくとも一部
    分が溶出されてなる細孔を具備した濾過材。
  5. 【請求項5】 前記請求項2又は請求項3のいずれかの
    鉱物処理方法によって生成した鉱物を使用した瀘過材。
JP31865094A 1994-12-21 1994-12-21 鉱物処理方法及び該鉱物を用いた濾過材 Pending JPH08175814A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31865094A JPH08175814A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 鉱物処理方法及び該鉱物を用いた濾過材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31865094A JPH08175814A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 鉱物処理方法及び該鉱物を用いた濾過材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08175814A true JPH08175814A (ja) 1996-07-09

Family

ID=18101507

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31865094A Pending JPH08175814A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 鉱物処理方法及び該鉱物を用いた濾過材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08175814A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221125A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Hokkaido Univ 調湿及びガス吸着材料及びその製造方法
JP2010094636A (ja) * 2008-10-19 2010-04-30 Hokkaido Univ 吸放湿材料、及び吸放湿材料の製造方法
JP2013028479A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Taiheiyo Cement Corp 高純度シリカの製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008221125A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Hokkaido Univ 調湿及びガス吸着材料及びその製造方法
JP2010094636A (ja) * 2008-10-19 2010-04-30 Hokkaido Univ 吸放湿材料、及び吸放湿材料の製造方法
JP2013028479A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Taiheiyo Cement Corp 高純度シリカの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4112129A (en) Cooking oil treating system and composition therefor
US4330564A (en) Fryer oil treatment composition and method
JP2921684B2 (ja) グリセリド油の精製方法
US20110189361A1 (en) Rejuvenation of used cooking oil
US4880652A (en) Method of filtering edible liquids
JP2002522628A (ja) 金属置換シリカキセロゲルを使用する、オイル精製のためのプロセスおよび組成物
US4775541A (en) Ion exchange method of treating liquid fermentation products to reduce the content of coloring matter therein
JP2008080332A (ja) 低い飲料可溶性鉄含有量の吸着剤を作製するための方法およびこれらを使用する方法、ならびにこれらによって作製された組成物
US5200224A (en) Method of treating fryer cooking oil
JPH08175814A (ja) 鉱物処理方法及び該鉱物を用いた濾過材
US4349451A (en) Fryer oil treatment composition and method
US5286886A (en) Method of refining glyceride oils
US2314621A (en) Process of refining oils of edible type
CN110143868B (zh) 一种柠檬酸钠母液除铁的方法
JP3117979B2 (ja) 糖液の精製方法
JP3398887B2 (ja) 使用済食用油の連続的使用方法
JPS59205975A (ja) 精製蒸留酒の製造方法
US2105701A (en) Process for purification of beverages
JPS6369891A (ja) 精製油の製造方法
JP2000201621A (ja) 食用油精製方法と食用油精製装置
US3729542A (en) Purification of sodium aluminate liquor
US2141798A (en) Distillate treating process
CN108212082A (zh) 一种环保滤料的生产方法
US1282296A (en) Catalyst.
RU2683679C1 (ru) Способ сорбционной очистки нерафинированных растительных масел