JPH08175780A

JPH08175780A - 遠隔操作玉掛吊具

Info

Publication number: JPH08175780A
Application number: JP32444894A
Authority: JP
Inventors: Jun Sawada; 潤澤田; Kazuyoshi Nakamura; 和悦中村; Tadashi Miyata; 正宮田
Original assignee: Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Current assignee: Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date: 1994-12-27
Filing date: 1994-12-27
Publication date: 1996-07-09

Abstract

(57)【要約】【目的】ＡＬＣパネル等を移載する場合に安全で省力
化できる遠隔操作玉掛吊具を提供する。【構成】水平に平行して相対する一対の断面Ｌ字状の
アングルの両端部を平行なワイヤーで懸吊し、このワイ
ヤーは基部を支点として開閉可能なアームに係合し、こ
のアームは駆動装置で開閉する玉掛吊具であって、前記
ワイヤーは複数のスプリングを介して各アームに係合さ
せ、空荷重のとき前記アングルの一辺を水平に保持する
機構を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は積層したＡＬＣパネル
や、直方体等の相対する両端部底面を支承して吊り上げ
る玉掛吊具に関し、特に遠隔操作で省力化が可能な遠隔
操作玉掛吊具の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来例えば積層したＡＬＣパネル等を移
載する場合には、図５のように水平に平行して相対する
一対のアングル２２の両端部を夫々平行なワイヤー２３
で懸吊した吊具２１を使用し、図６のように積層したパ
ネル群４の相対する両端部底面を、前記吊具２１のアン
グル２２の水平部で支承し、レッカー５等で吊り上げて
移載している。しかしこの玉掛け作業にはアングル２２
をパネル群４の底面に当接させたり、取り外したりする
ために、パネル群４の釣り込み場所と積み降ろし場所の
双方に、パネル群４の相対する両側に各１名の作業員が
必要であり、レッカー５の運転者との共同作業で手数が
掛かるばかりでなく、複数の作業員の連携作業なので安
全上の問題もあった。

【０００３】また、被玉掛け物の把持部をアームで開閉
させるようにした遠隔操作の吊具もあるが、アームに重
量を支承させるので堅固な構造が必要であり、そのため
吊具の重量が重くなるために、一度に吊り上げられる被
玉掛け物の量が制限され、能率が低下する問題があっ
た。また軽量化のために、ワイヤーをアームに係合さ
せ、このアームをエヤシリンダーで開閉させるようにし
た遠隔操作の吊具もあるが、これは開閉ストロークが限
定されて被玉掛け物の寸法が制約されたり、ワイヤーが
緊張したときにアームに過大な荷重がかかる等の問題が
あった。更に把持部にＬ字状のアングルを使用する場合
には、空荷重のときに前記アングルを水平に保持できる
ものがなく、玉掛け作業に複数の作業員が必要なため、
省力化が困難であり、これらの問題を解消する吊具の開
発が望まれていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は積層したＡ
ＬＣパネル等を移載する場合に、前記の問題を解消し、
安全で省力化が可能な遠隔操作玉掛吊具を提供するもの
である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の吊具は、水平に
平行して相対する一対の断面Ｌ字状の把持部材（以下ア
ングルという）の両端部を夫々平行なワイヤーで懸吊
し、このワイヤーは基部を支点として開閉可能なアーム
に係合し、前記アームは駆動装置によって開閉する玉掛
吊具であって、前記各ワイヤーは夫々複数のスプリング
を介して各アームに係合させ、空荷重のときに前記アン
グルの一辺を水平に保持する機構を設けたものである。
またこの遠隔操作玉掛吊具には、前記アームを開閉する
駆動装置の電源を積載したものである。

【０００６】

【作用】本発明の吊具は、水平に平行して相対する一対
のアングルの両端部を夫々平行なワイヤーで懸吊し、こ
のワイヤーは基部を支点として開閉可能なアームに係合
し、前記アームは駆動装置によって開閉するようにした
ために、遠隔操作が可能である。また前記各ワイヤーは
夫々複数のスプリングを介して各アームに係合させ、常
時はワイヤーをアームに牽引する方向に付勢してあるの
で、被玉掛物を吊り上げた際に、ワイヤーが緊張して被
玉掛物を把持するので、ハンドリング中にアングルが外
れることがない。また被玉掛物の荷重はワイヤーが支承
して、アームにはスプリングの緩衝により過大な荷重が
かからないため、アームは簡便な構造でよいので、その
駆動装置を含め全体が軽量化できるほか、被玉掛物を吊
り上げたときにアングルが外れることがない。

【０００７】また空荷重のときに前記アングルの一辺を
水平に保持する機構を設けたので、アングルを被玉掛物
の底面に当接させたり、取り外すときに玉掛け作業員は
一人でよい。更にこの吊具本体に、前記アームを開閉す
る駆動装置の電源を積載しておけば、電源ケーブルの必
要がなく、その巻取装置も不要であり、ケーブルの損傷
等によるトラブルも生じない。また駆動装置の制御を無
線操作とすれば、制御用のケーブルも不要となる。尚前
記アームの開閉駆動装置としては、シリンダー等で開閉
させる機構でもよいが、相互に噛合するギアを回動させ
る方が、アームの開閉角度を広範囲に変えられるため、
被玉掛物の寸法が制約されることがないので好ましい。

【０００８】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面によって説明す
る。図１は本発明の吊具の正面図であり、図２（Ａ）
（Ｂ）は夫々図１のＡ、Ｂ部の拡大図、図３，４は図１
の平面図と側面図である。本発明の吊具１は、被玉掛物
の相対する端部の底面を、その水平辺で支承して把持す
る一対の水平に平行して相対するアングル２と、このア
ングルの両端部を懸吊する２対のワイヤー３と、このワ
イヤー３の基部を支点として開閉させるアーム６と、こ
のアーム６の開閉駆動機構、及び前記アングルが空荷重
のとき一辺の水平面を保持する機構とからなっている。

【０００９】そして図１，３，４に示すように、水平に
平行して相対する一対のアングル２の両端部が夫々平行
な２対のワイヤー３の先端部に軸支されて懸吊されてい
る。このアングル２は断面Ｌ字状の直角な２辺からな
り、その長さは被玉掛物２０の幅寸法よりもやや大きい
寸法で、懸吊部は後述する水平保持機構が設けられてい
る。そして前記ワイヤー３の基部は後記するアーム６の
基部の軸９，９ａの両端部に回動自在に軸支され（図２
Ａ参照）、ワイヤー３の中期部は、夫々２対のアーム６
に各４箇所の伸縮可能なスプリング８を介して係合され
ており、常時はワイヤーをアームに牽引する方向に付勢
してあるので、ワイヤー３が緊張したときに、アーム６
に過大な荷重がかからないようになっている。また前記
アーム６の基部は夫々平行に、後記する架台１５に軸支
されている軸９，９ａに固着されており、この軸９の一
方の端部には相互に噛合する開閉用ギヤー１０が固着さ
れている。

【００１０】更にアーム６の先端外方には取っ手６ａが
取着され、内側の相対する位置には傾斜面を有するガイ
ド６ｂが取着されている。また前記の軸９，９ａは上方
の吊り手１６に回動自在に軸支され、この軸支９，９ａ
の下方には架台１５が懸架されている。この架台１５に
はブレーキ付きの駆動用直流モーター１１が配設され、
カップリング１２を介して減速機１３が直結され、その
ピニオン１４が前記一方の軸９の他端部に固着された駆
動用ギヤー１０に噛合している。更に前記架台１５の下
方には電源用の蓄電池１７が懸吊されており、無線で作
動する正逆転スイッチ（図示せす）を介してモーター１
１に給電するようになっている。従って作業員が無線制
御スイッチ（図示せず）を操作してモーター１１を正逆
回転させることにより、ピニオン１４、駆動用ギヤー１
０を介してアーム６が開閉し、ワイヤー３の先端の相対
するアングル２が所望間隔で往復動する。

【００１１】前記アングル２の水平保持機構は、アング
ル２の両端水平部に固着された側板２ａの頂部が、ワイ
ヤー３の先端部の軸３ａに回動自在に軸支されている。
従って空荷重のときはアングル２の水平辺はアーム６の
開閉角度に関係なく常時水平に保持され、被玉掛物の底
面に容易に脱着できるようになっている。またこの軸３
はアーム６の先端部に牽引されるように付勢されたスプ
リング１８を介して係着され、アングル２の揺動を抑制
するようになっている。

【００１２】次にこの吊具１を使用して多数のＡＬＣパ
ネルを積み重ねた被玉掛物２０を吊り上げて移載する方
法について説明する。まずこの吊具１の吊り手１６をレ
ッカー車やクレーン等（図示せず）のフックに取り付
け、次に制御スイッチを操作して、モーター１１を始動
し吊具１のアングル２の間隔を被玉掛物２０の幅よりも
やや大きい寸法まで開かせる。それからクレーン等を操
作して吊具１を被玉掛物２０の真上に移動させてから、
吊具１のアングル２が被玉掛物２０の底面近くに達する
まで降下させる。

【００１３】そしてモーター１１を逆転させてアングル
２を閉じ、被玉掛物２０の底面を支承して挟持させる
が、アングル２は水平に保持されており、またアーム６
のガイド６ｂが被玉掛物２０の側面に沿って案内するの
で、一人の玉掛け作業員が取っ手６ａと制御スイッチを
操作して安全に玉掛け作業をすることができる。その後
クレーン等で吊り上げるが、このときワイヤー３に荷重
がかかり、被玉掛物２０を把持するのでアングル２から
脱落する恐れが無く、またスプリング８とスプリング１
８が伸びるだけでアーム６には過大な荷重がかからな
い。そして所望場所に移動させてから、被玉掛物２０を
棆木の上に卸して載置してから、モーター１１を始動し
てアーム６を開いて吊具１を上昇させて次の作業位置に
移動させる。この動作を繰り返すことにより、被玉掛物
２０を順次移載することができる。

【００１４】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の吊
具は水平に平行して相対する一対のアングルの両端部を
夫々平行なワイヤーで懸吊し、このワイヤーは基部を支
点として開閉可能なアームに係合し、前記アームは駆動
装置によって開閉するようにしたために、遠隔操作が可
能である。そしてこの駆動装置は、基部のギヤーが相互
に噛合するアームに係合させ、前記ギヤーを駆動してア
ームを開閉するようにすれば、アームの開閉角度が広範
囲に変えられるので、被玉掛物の寸法が制約されること
がない。また前記各ワイヤーは夫々複数のスプリングを
介して各アームに係合させ、荷重はワイヤーが支承する
ため、アームは簡便な構造でよいので、その駆動装置を
含め全体が軽量化できるほか、被玉掛物を吊り上げたと
きにアングルが外れることがない。

【００１５】また空荷重のときに前記アングルの一辺を
水平に保持する機構を設けたので、アングルを被玉掛物
の底面に当接させたり、取り外すときに玉掛け作業員は
一人でよい。更にこの吊具本体に、前記アームを開閉す
る駆動装置の電源を積載しておけば、電源ケーブルの必
要がなく、その巻取装置も不要であり、ケーブルの損傷
等によるトラブルも生じない。また駆動装置の制御を無
線操作とすれば、制御用のケーブルも不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の吊具の正面図である。

【図２】（Ａ）（Ｂ）は夫々図１のＡ、Ｂ部の拡大図で
ある。

【図３】本発明の吊具の平面図である。

【図４】本発明の吊具の側面図である。

【図５】従来の吊具の斜視図である。

【図６】従来の吊具を使用した玉掛け作業の説明図であ
る。

【符号の説明】

１，２１吊具１，２２アングル３，２３ワイヤー４パネル５レッカー６アーム７，１０ギヤー８，１８スプリング９軸１１モーター１２カップリング１３減速機１４ピニオン１５架台１６吊り手１７蓄電池２０被玉掛物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水平に平行して相対する一対のアングル
状の把持部材の両端部を夫々平行なワイヤーで懸吊さ
れ、このワイヤーは基部を支点として閉鎖可能なアーム
に係合されており、前記アームは駆動装置によって開閉
される玉掛吊具において、前記各ワイヤーは夫々複数の
スプリングを介して各アームに係合されており、空荷重
のときに前記把持部材の一辺を水平に保持する機構が設
けられていることを特徴とする遠隔操作玉掛吊具。
【請求項２】請求項１記載の遠隔操作玉掛吊具には、
前記アームを開閉する駆動装置の電源が積載されている
ことを特徴とする遠隔操作玉掛吊具。