JPH08174861A - インク噴射装置 - Google Patents

インク噴射装置

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Publication number
JPH08174861A
JPH08174861A JP6325286A JP32528694A JPH08174861A JP H08174861 A JPH08174861 A JP H08174861A JP 6325286 A JP6325286 A JP 6325286A JP 32528694 A JP32528694 A JP 32528694A JP H08174861 A JPH08174861 A JP H08174861A
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JP
Japan
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ink
container
ink container
holder
head holder
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JP6325286A
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English (en)
Inventor
Toyoki Sasaki
豊紀 佐々木
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク収容器のヘッドホルダへの取付方向に
自由度を持たせ、容易にインク収容器を取り付けるこ
と。 【構成】 インク収容器82の前面には、案内突部16
6が形成されている。そして、インク収容器82の前部
を後部より下側に位置させた傾斜姿勢で、ヘッドホルダ
80の底壁86の上面147に案内突部166を接触さ
せる。この案内突部166が上面147に支持されて、
インク供給口162と支持筒130との干渉が避けられ
る。この状態でインク収容器82を前進させ、ストッパ
突起150に当接させた後、後部を上面147に接近す
る向きに回動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインク噴射装置に関する
ものであり、特に、インク収容器のヘッドホルダへの取
付けに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インク噴射装置は、例えばインクジェッ
ト記録装置において用いられ、記録媒体にインクを噴射
して記録を行う。そのため、インク噴射装置は、一般
に、(a)正面にインク供給口を備え、内部にインクを収
容するインク収容器と、(b) インクを噴射する噴射ヘッ
ドと、(c) その噴射ヘッドを保持するヘッド保持部にイ
ンク供給口と連結される連結部を有し、ヘッド保持部か
ら交差方向に延びる収容器保持部においてインク収容器
を着脱可能に保持するヘッドホルダとを含むように構成
される。
【0003】インク噴射装置には、インク噴射方向が水
平方向である装置や垂直方向である装置等、種々の装置
があるが、インクが水平方向に噴射されるインク噴射装
置においてヘッドホルダは、例えば、インク収容器を下
方から支持し、収容器保持部として機能する底壁と、そ
の底壁の前後方向(インク噴射方向に平行な方向)に平
行な両縁部から立ち上がる一対の側壁と、それら一対の
側壁の間にあって底壁から立ち上がり、ヘッド保持部と
して機能する前壁と、前壁の上端部から底壁と平行にか
つ後方へ延び出させられた天壁とを有するものとされ、
連結部は前壁の後面に後方へ突出する向きに設けられ
る。
【0004】これら底壁,一対の側壁,前壁および天壁
により、後方に開口し、連結部の軸線に平行なインク収
容器嵌合穴が形成され、インク収容器は、ヘッドホルダ
の後側から、連結部の軸線に平行な姿勢でインク収容器
嵌合穴に嵌合され、そのままの姿勢で前進させられてイ
ンク供給口が連結部と嵌合され、ヘッドホルダに取り付
けられる。底壁,一対の側壁,前壁および天壁がインク
収容器をヘッドホルダに取り付ける際の案内として機能
し、インク供給口と連結部とが干渉することなく、イン
ク収容器がヘッドホルダに取り付けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このイ
ンク噴射装置においては、インク収容器をヘッドホルダ
に取り付けるとき、ヘッドホルダの後部からインク収容
器の軸線がインク収容器嵌合穴の中心線とほぼ一致する
姿勢でしか取り付けることができず、種々の不都合が生
ずる。例えば、インク噴射装置をカバーによって覆う場
合、カバーの設計の自由度が低い不都合がある。カバー
には、インク収容器をヘッドホルダに取り付けるために
開口を設けることが必要であるが、インク収容器のヘッ
ドホルダに対する取付方向が決まっているため、カバー
の開口位置が限定され、カバーのデザインが制限を受け
るのである。
【0006】また、インク収容器をヘッドホルダに取り
付ける場合、底壁の後部にクランプ装置を設けてインク
収容器のヘッドホルダからの離間を防止することが望ま
しい。しかし、ヘッドホルダの後部にクランプ装置があ
ればインク収容器の取付けの邪魔になるため、クランプ
装置を、インク収容器のヘッドホルダへの取付け時には
退避位置へ退避させ、取付け後、クランプ位置へ戻して
インク収容器をクランプさせ得るものとしなければなら
ず、構造が複雑になる問題もある。これらの問題は、イ
ンク噴射方向が垂直方向あるいは傾斜方向であるインク
噴射装置においても同様に生ずる。
【0007】請求項1の発明は、インク収容器のヘッド
ホルダへの取付方向に自由度を持たせることができると
ともに、簡単な構造のクランプ装置によってインク収容
器をヘッドホルダに取り付けることができるインク噴射
装置を提供することを課題として為されたものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係るインク
噴射装置の構造を一層簡単にすることを課題とし、請求
項3の発明は、請求項1または2の発明に係るインク噴
射装置においてインク収容器のヘッドホルダへの固定を
容易にすることを課題として為されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
の課題を解決するために、前記(a) インク収容器,(b)
噴射ヘッド,(c)ヘッド保持部,連結部および収容器保持
部を有するヘッドホルダを含むインク噴射装置のインク
収容器に案内突部を設ける一方、ヘッドホルダに、連結
部の軸線にほぼ平行に延びて案内突部を支持し、案内す
る支持案内面を設け、それら案内突部および支持案内面
を、インク収容器が、インク収容器の前記正面から遠い
部分ほど前記収容器保持部から離れる向きに傾斜した傾
斜姿勢で、案内突部を支持案内面に案内されて移動限度
まで移動させられ、かつ移動限度位置において傾斜姿勢
から収容器保持部に保持される取付姿勢まで回動させら
れる間、インク供給口が連結部と干渉しない相対位置お
よび形状で形成したことを要旨とするものである。上記
移動限度は、インク収容器の収容器保持部から遠い側の
端部をヘッドホルダのヘッド保持部に当接させること、
上記案内突部を支持案内面の終端に当接させること、イ
ンク収容器のインク供給口周辺をヘッドホルダに保持さ
れたシール部材に当接させること等により規定可能であ
る。
【0009】請求項2の発明は、前記案内突部を、イン
ク収容器の正面の収容器保持部に近い側の端部から前方
へ突出しかつ収容器保持部側の側面がインク収容器の収
容器保持部側の側面と同一平面内に位置する状態で設
け、前記支持案内面を、ヘッドホルダの収容器保持部の
インク収容器側の面としたことを要旨とするものであ
る。請求項3の発明は、前記ヘッドホルダのヘッド保持
部に前記案内突部と嵌合する係合凹部を設けたことを要
旨とするものである。
【0010】
【作用】請求項1の発明に係るインク噴射装置において
インク収容器は、傾斜姿勢で案内突部を支持案内面に案
内されて移動限度まで移動させられた後、回動させら
れ、インク供給口が連結部と干渉することなく、ヘッド
ホルダに取り付けられる。例えば、請求項2に記載の発
明におけるように、収容器保持部のインク収容器を保持
する側の面を支持案内面として利用することが可能であ
るが、この場合には、インク収容器を正面から遠い部分
ほど収容器保持部から離れる向きに傾斜させた状態で、
インク収容器の案内突部を収容器保持部のインク収容器
を保持する側の面に支持,案内させることになる。
【0011】この場合、仮にインク収容器に案内突部が
ないとすれば、インク収容器自体の収容器保持部側の角
部を収容器保持部のインク収容器を保持する側の面に支
持させることになるが、この支持状態においてインク収
容器を正面から遠い部分ほど収容器保持部から離れる向
きに傾斜させれば、連結部の軸線に直角な方向におい
て、インク供給口と連結部との間に位置ずれが生ずる。
インク供給口の収容器保持部から遠い側の縁部が連結部
の軸線に接近し、近い側の縁部が遠ざかるのであり、遠
い側の縁部が連結部と干渉する恐れがあるのであるが、
インク収容器の収容器保持部側の端に案内突部を設け、
インク収容器の上記傾斜に伴ってインク供給口の位置が
高められるようにしておけば、後述するように、インク
供給口の収容器保持部から遠い側の縁部および近い側の
縁部と連結部との間にそれぞれ隙間を確保し、インク供
給口と連結部とを干渉させることなく、インク供給口を
ヘッドホルダに取り付けることができる。
【0012】支持案内面が連結部の軸線と同じ高さ(収
容器保持部からの距離)の位置に形成されている場合に
も、インク収容器が傾斜させられた場合のインク供給口
の収容器保持部から遠い側の縁が連結部に接近するが、
その接近量は、案内突部がインク収容器の収容器保持部
側の端に設けられる場合より小さくなるため、案内突部
のインク収容器正面からの突出量も小さくて済む。ま
た、支持案内面がインク供給口の収容器保持部から遠い
側の縁と同じ高さの位置に形成されている場合には、イ
ンク収容器が傾斜させられた場合にもインク供給口の収
容器保持部から遠い側の縁の高さは変わらないため、案
内突部はインク収容器正面より前方へ突出させる必要が
ない。したがって、後に実施例の項において説明するよ
うに、インク収容器のホルダ移動方向に直角な2側面の
正面側端部から側方へ突出した軸状突起を支持案内面に
支持,案内される案内突部とすることも可能である。
【0013】請求項2の発明に係るインク噴射装置にお
いては、案内突部がインク収容器の正面の収容器保持部
に近い側の端部より前方へ突出させられているため、案
内突部が支持案内面に支持され、両者の係合位置を中心
にしてインク収容器が傾斜させられたとき、インク供給
口の収容器保持部からの距離が案内突部が設けられない
場合より大きくなり、インク供給口と連結部との干渉を
回避しつつインク収容器を収容器保持部に取り付けるこ
とができる。例えば、実施例の項において述べるよう
に、連結部がヘッド保持部から収容器保持部側へ延び出
す向きに突出させられた長手形状を成すとともに、先端
部が先端ほど径の小さいテーパ部とされている場合、イ
ンク供給口の収容器保持部から遠い側の縁部は、連結部
の径が大きい基端部側に位置して連結部との間の隙間が
小さいが、案内突部の作用によりその隙間が大きくされ
て連結部との干渉が回避される。この際、インク供給口
の収容器保持部に近い側の縁部が連結部に接近させられ
る傾向があるが、この縁部は連結部の先端側に位置し、
先端部は直径が小さくされているため、インク供給口の
縁部との間の隙間が大きく、両者が干渉することはな
い。したがって、インク供給口と連結部との干渉を回避
しつつインク収容器を支持案内面に沿って移動させるこ
とができる。
【0014】インク収容器は移動限度に達した後、収容
器保持部に向かって回動させられる。この回動につれ
て、インク供給口の収容器保持部に近い側の縁部は連結
部の直径が大きい基端部側へ移動するが、それにつれて
この縁部は案内突部の作用により連結部から離れる向き
に移動させられるため、連結部と干渉することはない。
また、この際、インク供給口の収容器保持部から遠い側
の縁部と連結部との間の隙間が小さくなるが、それでも
これら縁部と連結部とが干渉することはない。支持案内
面と案内突部との相対位置および形状がそのように選定
されているからであり、インク収容器を収容器保持部に
支障なく支持させることができる。傾斜角度が同じであ
れば、案内突部が長いほど、傾斜時にインク供給口の収
容器保持部から遠い側の縁部の収容器保持部からの距離
を大きくすることができ、案内突部の長さは、インク収
容器の傾斜角度に応じて、インク供給口と連結部との間
に隙間を確保して干渉を回避し得る大きさに設定され
る。
【0015】なお、連結部が長手形状を成しかつテーパ
状ではない場合であっても、インク供給口と連結部との
間の隙間が比較的大きい場合には、インク収容器が傾斜
させられてインク供給口の収容器保持部から近い側の縁
部が連結部に接近しても、インク供給口と連結部との干
渉が生ずることはなく、インク収容器をヘッドホルダに
取り付けることができる。また、連結部が短い場合、イ
ンク収容器を傾斜させてもインク供給口の収容器保持部
に近い側の周縁部が連結部と干渉することはない。イン
ク収容器が取付姿勢近くまで回動させられれば、インク
供給口の収容器保持部に近い側の縁部が連結部に接近す
るが、このときのインク収容器の姿勢は、インク収容器
を傾斜させることなくヘッドホルダに取り付ける場合の
姿勢に近く、インク供給口と連結部との干渉が生ずるこ
とはなく、インク収容器をヘッドホルダに取り付けるこ
とができる。さらに付言すれば、案内突部は、インク収
容器の正面から前方から突出するものとしてもよく、あ
るいはインク収容器の収容器保持部側の側面に隣接する
側面から側方へ突出するとともに、正面を越えて前方へ
突出するものとしてもよい。後者の態様は態様6の一態
様である。
【0016】請求項3の発明に係るインク噴射装置にお
いては、案内突部が支持案内面により支持され、案内さ
れてインク収容器が移動,回動させられることにより、
インク供給口と連結部との干渉を生ずることなく、イン
ク収容器がヘッドホルダに取り付けられるとともに、案
内突部が係合凹部に嵌合される。
【0017】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、インク収容器
が傾斜姿勢で平行移動させられた後に回動させられてヘ
ッドホルダに取り付けられるのであるが、インク収容器
の傾斜角度は、案内突部および支持案内面の相対位置,
形状の設定により、インク供給口と連結部との干渉を避
けながら取り付け得る種々の大きさに設定することが可
能であり、インク収容器の取付方向の設計の自由度が高
く、カバーを設ける場合、開口の位置が限定されず、カ
バーの設計の自由度の高いインク噴射装置が得られる。
また、インク収容器は取付け開始時にはヘッドホルダの
収容器保持部に対して傾斜させられているため、収容器
保持部のヘッド保持部から遠い側の端部にインク収容器
に係合して収容器保持部からの離間を防止するクランプ
装置を設けてもインク収容器の取付けの邪魔になること
はなく、クランプ装置を退避位置とクランプ位置とに移
動可能なものとする必要がなくなって、簡易に構成する
ことができる。インク噴射装置が移動装置により移動さ
せられるキャリッジに支持されて移動させられるもので
あって、キャリッジにクランプ装置が設けられ、これに
よりインク収容器の収容器保持部からの離間が防止され
る場合には、キャリッジがヘッドホルダの一部を構成す
ることとなるが、そのキャリッジに設けられるクランプ
装置の構成を簡易にすることができる。
【0018】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、ヘッドホルダの収容器保持部のインク
収容器側の面を案内突部の支持案内面として利用するこ
とによりインク噴射装置の構成を簡単にすることができ
る効果が得られる。
【0019】請求項3の発明によれば、請求項1または
2の発明の効果に加えて、案内突部と係合凹部との嵌合
により、インク収容器のヘッドホルダの収容器保持部か
らの離間が防止され、インク供給口と連結部との間から
のインクの漏れが良好に防止される。また、インク噴射
装置がキャリッジに搭載されて移動しつつインクを噴射
するものである場合に、移動開始時や移動停止時にイン
ク収容器がヘッドホルダに対して相対移動し、キャリッ
ジの移動速度の制御に悪影響を及ぼすことを回避し得
る。
【0020】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様を列挙するとともに、必要に応じて関連説明を行
う。 (1)前記ヘッドホルダの前記係合凹部の、前記ヘッドホ
ルダの幅方向とインク噴射方向とに直角な方向の内のり
寸法が奥側ほど小さくされている請求項3に記載のイン
ク噴射装置。
【0021】(2)前記ヘッドホルダの前記係合凹部の、
前記収容器保持部の前記インク収容器側の面に連続する
内面が奥側ほど上昇する傾斜内面とされた態様1に記載
のインク噴射装置。係合凹部の、収容器保持部のインク
収容器側の面に連続する内面は、奥側ほど高くなる傾斜
平面でもよく、部分円筒面等の曲面でもよい。また、ヘ
ッド保持部のインク収容器側の面の、係合凹部の傾斜内
面に連続する部分も係合凹部に近い部分ほど高くなる傾
斜面とされてもよい。逆に係合凹部の内面の一部のみが
奥側ほど高くなる傾斜面とされてもよい。
【0022】態様1,2のインク噴射装置においては、
案内突部の、インク収容器の幅方向とインク噴射方向と
に直角な方向の寸法が一定である場合に、案内突部が係
合凹部に深く嵌入するほど両者のヘッドホルダの幅方向
とインク噴射方向とに直角な方向における隙間が小さく
なり、案内突部が係合凹部に完全に係合された状態にお
ける両者のヘッドホルダの幅方向とインク噴射方向とに
直角な方向の隙間を小さくし、あるいは実質的に0にす
ることができ、取付状態におけるインク収容器のヘッド
ホルダからの浮き上がりを良好に防止することができ
る。インク収容器を回動させつつ案内突部を係合凹部に
嵌合する場合には、案内突部と係合凹部との嵌合開始時
には両者が相対的に傾いているため、両者のヘッドホル
ダの幅方向とインク噴射方向とに直角な方向の隙間を大
きくしなければ両者を嵌合させることができないが、単
純にヘッドホルダの幅方向とインク噴射方向とに直角な
方向の隙間を大きくすればインク収容器の浮き上がり防
止が不可能になる。本態様によればこの不都合を回避で
きるのである。
【0023】また、態様2の装置においては、インク収
容器の正面の収容器保持部から遠い側の部分がヘッド保
持部に当接した後、インク収容器が取付姿勢まで回動さ
せられるにつれて、支持案内面の案内突部を支持する部
分の位置が収容器保持部から遠ざかる。この位置の変化
と、インク収容器の正面の傾斜角度の減少に伴うインク
供給口の収容器保持部から遠い側の縁部と近い側の縁部
との位置の変化とを組み合わせて、インク供給口と連結
部との干渉を回避することも可能である。この態様は、
態様4の装置の被支持突起が少なくともインク収容器の
ヘッド保持部に近い側には設けられず、案内突部が係合
凹部の収容器保持部のインク収容側の面に連続する面に
よって支持される場合に特に有効であるが、被支持突起
と組み合わせて採用することも可能である。
【0024】(3)前記案内突部が、前記インク収容器の
前記正面の前記収容器保持部に近い側の端部より前方へ
突出している請求項1,3,態様1,2のいずれか1つ
に記載のインク噴射装置。
【0025】(4)前記案内突部が、前記インク収容器の
前記正面の前記収容器保持部側の端部の前記インク供給
口の両側に位置する2個所にそれぞれ、前方へ突出し、
かつ前記収容器保持部側の面がインク収容器の収容器保
持部側の面と同一平面内に位置する状態で設けられてい
る請求項2,3,態様1〜3のいずれか1つに記載のイ
ンク噴射装置。この態様の装置によれば、インク収容器
は2個の案内突部において支持案内面により支持される
ため、インク収容器を傾斜させても姿勢が安定し、取付
操作を容易に行うことができる。また、案内突部の収容
器保持部側の面がインク収容器の収容器保持部側の面と
同一平面内に位置させられているため、取付姿勢におい
て案内突部がインク収容器の収容器保持部側の面から突
出することを回避しつつ最も収容器保持部側の位置に案
内突部を設けることができ、案内突部を長くして係合凹
部との係合を確実にすることができる。案内突部の設置
位置をインク収容器の収容器保持部側の面に近づけるほ
ど、インク収容器を傾斜させた場合の案内突部のインク
供給口と連結部との干渉を回避するのに適した長さが長
くなるからである。また、収容器保持部のインク収容器
側の面を支持案内面として利用することができる。
【0026】(5)前記インク収容器の前記収容器保持部
側の面に、その収容器保持部側の面から突出して前記収
容器保持部のインク収容器側の面に支持される被支持突
起が形成され、その被支持突起の突出量が、その被支持
突起が収容器保持部のインク収容器側の面に支持された
状態で、前記案内突部の前記収容器保持部側とは反対側
の側面と前記係合凹部の対応する内面とがほぼ接触する
量に設定されている請求項3,態様1〜4のいずれか1
つに記載のインク噴射装置。この態様の装置においてイ
ンク収容器は、取付姿勢では被支持突起において収容器
保持部のインク収容器側の面により支持される。
【0027】案内突部がインク収容器の正面の収容器保
持部に近い側の端部から前方へ突出させられるとともに
係合凹部に嵌合される場合には、被支持突起の突出量
を、被支持突起が収容器保持部のインク収容器側の面に
より支持された状態で案内突部が係合凹部の収容器保持
部から遠い側の内面に近接し、インク収容器の収容器保
持部からの離間が実質的に防止されるように設定するこ
とも、また、インク収容器が僅かに撓み、案内突部が係
合凹部の収容器保持部から遠い側の内面に弾性的に押し
付けられるように設定することも可能である。
【0028】(6)さらに、移動装置により移動させられ
るキャリッジと、そのキャリッジに前記ヘッドホルダを
取外し可能にクランプするクランプ装置とを含む請求項
1〜3,態様1〜5のいずれか1つに記載のインク噴射
装置。
【0029】(7)前記案内突部が前記インク収容器の前
記正面側の部分に、そのインク収容器の前記収容器保持
部側の側面に隣接する2側面からそれぞれ側方へ突出し
た状態で2個設けられた請求項1〜3,態様1,2,
5,6のいずれか1つに記載のインク噴射装置。この態
様の装置において案内突部は、インク収容器の収容器保
持部側の側面に隣接する2側面から突出し、インク収容
器の正面を越えて前方へ突出するものとしてもよく、正
面より前方へは突出しないものとしてもよい。
【0030】前者の場合、収容器保持部のインク収容器
側の面を支持案内面としてもよく、あるいは収容器保持
部の連結部の軸線に平行な方向の両縁部に突設された側
壁に支持案内面を設けてもよい。後者の場合、ヘッドホ
ルダのヘッド保持部とインク収容器保持部とを互いに直
角とするとともに、インク収容器の案内突部を収容器保
持部に直角な方向においてインク供給口の中心とほぼ一
致する位置に設ければ、インク収容器を傾斜させたと
き、インク供給口の収容器保持部から遠い側の縁部と近
い側の縁部とがいずれも連結部に接近し、連結部との間
の隙間が少なくなるが、この状態においても両縁部と連
結部との間に干渉を避け得る隙間が確保されるように傾
斜角度を設定することにより、インク供給口と連結部と
を干渉させることなく、インク収容器をヘッドホルダに
取り付けることができる。
【0031】(8)前記ヘッドホルダと前記インク収容器
との少なくとも一方が、インク収容器が前記案内突部に
おいて前記支持案内面に支持,案内されている間、イン
ク収容器のヘッドホルダに対する幅方向の位置決めを行
う位置決め部を有する請求項1〜3,態様1〜7のいず
れか1つに記載のインク噴射ヘッド。位置決め部によ
り、インク収容器の幅方向の位置が決められていれば、
インク収容器の取付時にインク供給口と連結部とが幅方
向においてずれることがなく、取付作業が容易になる。
【0032】(9)前記位置決め部が、前記支持案内面に
隣接して延び、支持案内面にほぼ直角な位置決め面を含
む態様7に記載のインク噴射ヘッド。インク収容器がヘ
ッドホルダに取り付けられる際、最初に係合させられる
のが案内突部と支持案内面とであるため、支持案内面に
隣接して位置決め面が設けられていれば、案内突部を支
持案内面に支持させれば必然的にインク収容器のヘッド
ホルダに対する幅方向の位置決めが行われ、以後は単純
にインク収容器を平行移動させ、回動させるのみでヘッ
ドホルダへの取付けを確実に行い得て好都合である。ま
た、案内突部と支持案内面とはインク収容器の回動時に
も係合し続けるため、同じ位置決め面をインク収容器の
平行移動時と回動時との両方の位置決め手段として機能
させることができ、かつ、インク収容器の回動時に案内
突部と支持案内面とは殆ど相対移動しないため、小さな
位置決め面により目的を達成することができる。
【0033】
【実施例】以下、請求項1〜3の各発明に共通の一実施
例であるインク噴射装置を備えたインクジェット記録装
置を図面に基づいて詳細に説明する。図1において、1
0はプラテンである。プラテン10は軸方向に延びた円
筒状を成したものであり、インクジェット記録装置のケ
ーシング12内において、図示しない軸により自身の軸
線まわりに回転可能に取り付けられている。ケーシング
12はそれぞれ装置本体たるフレームの一構成要素であ
る。
【0034】プラテン10は図示しないプラテン回転駆
動装置により図1に矢印Aで示す方向に回転させられ、
記録媒体としての記録用紙28が矢印Dで示す方向に送
られる。記録用紙28は、ケーシング12の後方の図示
しない用紙供給口から矢印C方向に供給され、プラテン
10の回転により送られ、図示しない用紙排出口から排
出される。
【0035】プラテン10に対向してインク噴射装置3
0が設けられている。インク噴射装置30は、キャリッ
ジ32に搭載されている。キャリッジ32は、図2に示
すように、底壁34と、底壁34の前端部と後端部とか
らそれぞれ立ち上がる前壁36および後壁38とを有
し、底壁34の底面の前部においてプラテン10の回転
軸線に平行に配設されたガイドロッド40に摺動可能に
嵌合されるとともに、後部においてガイドロッド40と
平行に配設されたガイドレール42(図1においては図
示を省略されている)に係合させられている。
【0036】なお、ここにおいて前後方向とはインク噴
射方向と平行な方向であり、インク噴射装置30および
キャリッジ32については、インク噴射方向の下流側が
前側,上流側が後側である。本インクジェット記録装置
は、インクが水平方向に噴射されて記録が行われる装置
であり、前後方向は水平方向である。ただし、インクジ
ェット記録装置にとっては、プラテン10よりインク噴
射装置30が設けられた側、すなわちインク噴射方向の
上流側が前側であり、インク噴射装置30およびキャリ
ッジ32における前後方向とは逆である。また、本実施
例のインクジェット記録装置においては上記のようにイ
ンク噴射方向が水平方向であるため、上下方向が、イン
ク噴射方向と、インク噴射装置30の移動方向であって
インクジェット記録装置の幅方向である方向と直交する
方向となる。
【0037】キャリッジ32は、図1に示すように、一
対のプーリ44,46に巻き掛けられたタイミングベル
ト48に係合させられており、一方のプーリ44がキャ
リッジ駆動モータ50によって回転させられ、タイミン
グベルト48が送られることにより、キャリッジ32は
プラテン10に沿って矢印B方向に移動させられる。こ
れら一対のプーリ44,46,タイミングベルト48,
キャリッジ駆動モータ50がキャリッジ移動装置52を
構成している。
【0038】記録は、インク噴射装置30がキャリッジ
32の移動により予め定められた記録領域内において往
復動させられて行われるが、記録が終了すれば、記録領
域のインク噴射装置移動方向における一方の側に設けら
れた非記録領域へ移動させられる。なお、記録領域であ
る定速移動領域の両側にはそれぞれ加減速領域が設けら
れており、インク噴射装置30の移動開始時,停止時,
方向転換時にキャリッジ32が加速,減速され、記録領
域内においてはインク噴射装置30が一定の速度で移動
させられ、記録が均一に行われるようにされている。し
たがって、加減速領域は非記録領域の一部である。
【0039】記録領域のホルダ移動方向において一方の
側に設けられた非記録領域には、図1に示すように、イ
ンク噴射ヘッド清掃装置190およびキャップ装置19
2がホルダ移動方向においてプラテン10と直列に並ん
で設けられている。インク噴射ヘッド清掃装置190
は、後述する噴射ヘッドのインク噴射面に付着したイン
クを拭き取る装置であり、キャップ装置192は非記録
時にインク噴射面を覆い、ノズル先端部の乾燥やインク
流路内へのごみ等の侵入を防止する装置であるが、本発
明とは直接関係がないため、説明を省略する。
【0040】キャリッジ32には、前記前壁36のキャ
リッジ移動方向に隔たった2個所にそれぞれ、前後方向
に貫通する係合穴54が形成されている(図2には一方
のみ示されている)。後壁38には、図4に示すよう
に、キャリッジ移動方向の中央にインク収容器用フック
56が設けられている。インク収容器用フック56は図
3に示すように上方に開口するU字形を成し、Uの字の
前側のアーム部58の上端部には、前方ほど下方へ傾斜
する傾斜面60を有する係合突部62が設けられてい
る。係合突部62の下面は、下方ほど後方へ傾斜する傾
斜面63とされている。
【0041】後壁38にはまた、図4に示すように、キ
ャリッジ移動方向においてインク収容器用フック56の
両側にそれぞれ、ヘッドホルダ用フック64が設けられ
ている。ヘッドホルダ用フック64は、図2に示すよう
に上方に開口するU字形を成し、Uの字の前側のアーム
部66には、前方ほど下方へ傾斜する傾斜面68を有す
る係合突部70が設けられている。
【0042】インク噴射装置30は、図2に示すよう
に、噴射ヘッド78,ヘッドホルダ80およびインク収
容器82を有し、ヘッドホルダ80においてキャリッジ
32に取り付けられている。ヘッドホルダ80は、図5
に示すように、底壁86と、底壁86の前後方向に延び
る両縁部からそれぞれ立ち上がる側壁88と、底壁86
の前部から立ち上がる前壁90とを備えている。
【0043】前壁90には、前面の下部の幅方向に隔た
った2個所にそれぞれ、前方へ突出する係合突部94が
設けられている(図2には一方のみ示されている)。係
合突部94の底面は、前方ほど上方へ傾斜する傾斜面9
6とされている。また、底壁86の後端面の幅方向に隔
たった2個所にはそれぞれ、図5に示すように、係合突
起98が後方へ突設されている。係合突起98の突出端
面は、図2に示すように、下方ほど前方へ傾斜する傾斜
面100とされている。係合突起98にはまた、上面と
後端面とに開口する係合凹部101が形成されている。
【0044】キャリッジ32への取付けに当たっては、
ヘッドホルダ80は前部が後部より下側に位置する傾斜
姿勢とされ、係合突部94の前部がキャリッジ32の前
壁36に形成された係合穴54に嵌合され、それの係合
位置を中心にしてヘッドホルダ80の後部がキャリッジ
32の底壁34に接近する向きに回動させられる。この
回動につれて係合突部94が係合穴54内を前方へ移動
するとともに、係合突起98の傾斜面100がヘッドホ
ルダ用フック64の係合突部70の傾斜面68に係合
し、これら傾斜面100,68の斜面の作用によりアー
ム部66が後方へ撓まされ、係合突起98が係合突部7
0を乗り越えてヘッドホルダ80がキャリッジ32上に
載置される。係合突部94の底面は傾斜面96とされて
いて、突出端部ほど小形にされているため、係合穴54
の上下方向の寸法を大きくすることなく、係合突部94
を係合穴54に嵌合し、ヘッドホルダ80がキャリッジ
32に支持された状態で係合突部94の上面を係合穴5
4の対向する内側上面に接触させることができる。
【0045】係合突起98が係合突部70を乗り越えた
後、係合突部70は係合凹部101に嵌合する。そのた
め、ヘッドホルダ80は、係合突部94の上面と係合穴
54の対向する内面との係合および係合突部70と係合
凹部101の底面との係合により、キャリッジ32から
の浮き上がりを防止され、係合突部94の前後方向に平
行な2側面と係合穴54の対向する2つの内面との係合
および係合突部70と係合凹部101との嵌合によりホ
ルダ移動方向(キャリッジ移動方向と同じである)の位
置ずれを防止され、ヘッドホルダ用フック64により前
方へ付勢されてキャリッジ32の前壁36に押し付けら
れ、前後方向の位置ずれを防止される。
【0046】ヘッドホルダ80をキャリッジ32から取
り外す場合には、ヘッドホルダ用フック64のアーム部
66を後方へ撓ませ、係合突部70と係合突起98との
係合を解除した状態でヘッドホルダ80の後部をキャリ
ッジ32の底壁34から離れる向きに回動させるととも
に、係合突部94を係合穴54から離脱させる。
【0047】噴射ヘッド78は、ヘッドホルダ80の前
壁90に取り付けられている。噴射ヘッド78は直方体
状を成し、図示しない多数本のインク流路と、それらイ
ンク流路に対応して設けられた多数個のノズルを含むも
のである。これらノズルは噴射ヘッド78の前面である
インク噴射面(図示省略)に開口し、かつ、一直線状に
並んで設けられている。前壁90の前面には、図2に示
すように、ヘッド嵌合突部106が突設されるととも
に、突出端面に開口する嵌合凹部108が形成されてお
り、噴射ヘッド78は、ノズルの開口が並ぶノズル列が
ホルダ移動方向に対して傾斜した姿勢で嵌合凹部108
に嵌合されている。
【0048】インク流路の壁は振動板によって形成さ
れ、その振動板が図示しない制御装置の指令に基づいて
図示しない駆動回路により変形させられると、その変形
に起因する圧力変化によりインクがノズルから噴射され
る。そのため、噴射ヘッド78には、図2に示すよう
に、FPC(Flexible Printed Circit)基板112が設
けられている。FPC基板112は、ヘッドホルダ80
の底壁86の底面に配設されたゴム製の保持部材114
により保持されており、ヘッドホルダ80がキャリッジ
32に取り付けられるとき、保持部材114により、キ
ャリッジ32の底壁34の上面に配設された回路基板
(図示省略)に押し付けられる。なお、噴射ヘッド78
の周囲にはFPC押さえ116が被せられ、FPC基板
112が保護されるようになっている。
【0049】ヘッドホルダ80の前壁90の後面の中央
には、図3に示すように、円形断面のマニホールド部1
20が後方へ突設されている。マニホールド部120内
には、マニホールド部120の軸線に平行に延び、マニ
ホールド部120の突出端面に開口するインク通路12
2が形成されており、インク通路122の開口端部は、
開口端ほど直径が大きいテーパ穴124とされている。
また、マニホールド部120の突出端面には、ステンレ
ス製の網目状フィルタ126が溶着されている。
【0050】マニホールド部120の外側には、ゴム製
の支持筒130が着脱可能に嵌合されている。支持筒1
30は、マニホールド部120に嵌合された状態でマニ
ホールド部120の突出端面から更に突出するものとさ
れるとともに、その突出部は先端側ほど直径が漸減する
テーパ部132とされている。支持筒130は先端部が
テーパ状を成すテーパ筒なのである(支持筒130を、
全体が先端ほど直径が漸減するテーパ筒としてもよ
い)。また、支持筒130の基端部には、半径方向外向
きに延び出すフランジ部134と、そのフランジ部13
4から後方側へ内のり寸法が増大しつつ延び出すフレア
部136とが設けられている。
【0051】支持筒130のマニホールド部120から
の突出部には、円柱状の多孔質体138が着脱不能に嵌
合されている。多孔質体138の一端部は支持筒130
から突出させられ、他端部は網目状フィルタ126に当
接させられている。支持筒130をマニホールド部12
0から外せば、多孔質体138も共に外されるが、網目
状フィルタ126はマニホールド部120側に残る。支
持筒130および多孔質体138が、一体かつマニホー
ルド部120に対して着脱可能な連結具140を構成
し、マニホールド部120および網目状フィルタ126
と共にインク収容器82が連結される連結部142を構
成しているのである。網目状フィルタ126,支持筒1
30および多孔質体138を分解して図6に示す。
【0052】ヘッドホルダ80の前壁90の下部のマニ
ホールド部120の両側の位置にはそれぞれ、図3およ
び図5に示すように、前壁90の後面に開口する一対の
係合凹部144が形成されている(図3および図5には
1個のみ示されている)。係合凹部144の開口周辺か
ら後方へ突部146が突設されている。また、係合凹部
144の下側内面は、図2に示すように、底壁86の上
面147に連続し、前方ほど上方へ傾斜する傾斜内面1
48とされている。上側内面149は水平面である。前
壁90の後面にはまた、上部のマニホールド部120の
両側の位置にそれぞれ、ストッパ突起150が後方へ突
設されている。これらストッパ突起150は、ホルダ移
動方向に長い板状を成す。
【0053】ヘッドホルダ80の底壁86の上面147
には、部分円板状を成す位置決め用係合突部154がホ
ルダ移動方向に直角な方向に延びる姿勢で設けられてい
る。位置決め用係合突部154は、上面147のホルダ
移動方向の中央であって、係合凹部144からのホルダ
移動方向と直角な前後方向の距離が、インク収容器82
のホルダ移動方向の寸法より大きい位置に設けられてい
る。この位置は、前記前壁90からのホルダ移動方向と
直角な方向の距離が、インク収容器82のホルダ移動方
向の寸法より大きい位置でもある。
【0054】インク収容器82は、図7に示すように箱
状を成し、前壁160の中央を貫通して円形断面のイン
ク供給口162が形成されている。インク収容器82
は、前壁160の前面である正面165(図3参照)に
インク供給口162を備えているのである。インク収容
器82内には、図示は省略するがインクが浸み込まされ
たウレタンフォーム製のインク保持部材が収容されてい
る。
【0055】インク収容器82の正面165の下部に
は、ホルダ移動方向においてインク供給口162の両側
に位置する2個所にそれぞれ、案内突部166が前方へ
突出し、かつ、図3および図8に示すように、底面16
8がインク収容器82の底面169と同一平面内に位置
する状態で設けられている。案内突部166の上面17
1は、底面168と平行な面とされている。
【0056】インク収容器82の後壁170の後面の上
部には、ホルダ移動方向に延びる板状の操作突起172
が突設され、下部には、ホルダ移動方向に延びる係合溝
174が形成されている。インク収容器82にはまた、
底面169に開口する部分円板状の位置決め用係合凹部
178が形成されている。位置決め用係合凹部178
は、案内突部166およびインク供給口162からのホ
ルダ移動方向と直角な前後方向における距離が、インク
収容器82のホルダ移動方向の寸法より大きい位置に設
けられており、かつ、位置決め用係合突部154がホル
ダ移動方向において隙間なく嵌合される寸法に精度良く
形成されている。
【0057】さらに、インク収容器82の底面169に
は、ホルダ移動方向に距離を隔てた2個所およびそれら
2個所からホルダ移動方向と直角な前後方向に距離を隔
てた2個所の合計4個所の位置にそれぞれ、半球状の被
支持突起180が突設されている。被支持突起180の
突出量、すなわち半径は、インク収容器82がヘッドホ
ルダ80の底壁86上に載せられ、被支持突起180が
上面147により支持された状態で、案内突部166の
上面171が前記係合凹部144の内側上面149に接
触する大きさとされている。
【0058】前記ケーシング12には、図2に示すよう
にカバー184が設けられている。カバー184はケー
シング12にホルダ移動方向と平行な軸線まわりに回動
可能に取り付けられており、回動軸線は、図示は省略す
るが、プラテン10に対してインク噴射装置30とは反
対側に設けられている。そのため、カバー184はイン
ク噴射装置30の上方において開閉させられ、カバー1
84を開いた状態では、インク噴射装置30の上方に開
口が生ずる。
【0059】インク収容器82をヘッドホルダ80に取
り付けるとき、図9に示すようにカバー184を開き、
インク収容器82を前部を後部より下側に位置させた傾
斜姿勢でフレーム12内へ挿入し、インク収容器82の
前部を一対の側壁88間に嵌合させ、幅方向において位
置決めするとともに案内突部166をヘッドホルダ80
の底壁86の上面147に接触させる。この状態で操作
突起172を持ってインク収容器82を前進させ、図1
0に示すようにストッパ突起150に当接した後、後部
が底壁86に接近する向きに回動させる。
【0060】インク収容器82を前部が後部より下側に
位置するように傾斜させたとき、インク収容器82の正
面165から突出する案内突部166がなければ、傾斜
によりインク供給口162の位置が下がり、インク供給
口162の上縁部が連結部142を構成する支持筒13
0や多孔質体138と干渉する。しかし、案内突部16
6があってそれが上面147に支持されれば、図9にイ
ンク供給口162と支持筒130との位置関係を破線で
示すように、インク供給口162の位置が上がり、支持
筒130や多孔質体138との干渉が避けられる。案内
突部166を設ければ、インク収容器82を傾斜させた
とき、インク供給口162の上縁部は支持筒130から
離れ、支持筒130との間の距離が大きくなるのに対
し、インク供給口162の下縁部は、支持筒130との
間の距離が小さくなる。しかし、傾斜姿勢では、インク
供給口162の下縁部は、支持筒130の先端部である
テーパ部132側に位置し、もともと支持筒130との
間の距離が大きいため、インク収容器82を傾斜させる
ことによってインク供給口162の下縁部の位置が上が
っても、支持筒130と干渉することはない。
【0061】インク収容器82がストッパ突起150に
当接した後、底壁86に向かって回動させられ、取付姿
勢に近づけば、インク供給口162の位置が下がり、イ
ンク供給口162の上縁部と支持筒130との距離が短
くなるが、案内突部166が係合凹部144の傾斜内面
148に係合した後は、傾斜内面148により案内され
てインク収容器82が持ち上げられ、最終的にインク収
容器82は、ヘッドホルダ80の後部から水平に挿入さ
れた場合と同様に、インク供給口162と連結部142
とが軸線がほぼ一致する姿勢で嵌合される。回動により
インク収容器82の底面169がヘッドホルダ80の底
壁86の上面147に接近させられ、位置決め用係合凹
部178と位置決め用係合突部154とが嵌合される。
インク収容器82は被支持突起180において底壁86
の上面147により支持されるが、この状態では案内突
部166の上面171が係合凹部149の上側内面51
0に接触し、インク収容器82のヘッドホルダ80から
の浮き上がりが防止される。
【0062】傾斜角度が同じであれば、案内突部が長い
ほどインク供給口の上がり量が多い。インク収容器82
をヘッドホルダ80に取り付けるとき、図9に示すよう
に、後部をキャリッジ32の後壁38の上面に接触させ
て、インク収容器82の傾斜角度を定めることが便利で
あり、後部が後壁38の上面に接触させられ、案内突部
166が底壁86の上面147に接触させられた状態
で、インク供給口162が多孔質体138や支持筒13
0と干渉しないようなインク供給口162の上がり量が
得られる大きさとなるように、案内突部166の長さが
設定されている。
【0063】また、案内突部166がインク収容器82
の正面165から前方へ突出させられており、インク噴
射装置の大形化が回避されている。ヘッドホルダ80の
前壁90の前面には噴射ヘッド78が設けられており、
案内突部166を突設させてもヘッドホルダ80の前後
方向の寸法が長くなることはないからである。
【0064】インク収容器82が回動させられるとき、
インク収容器82の後部の下端部がインク収容器用フッ
ク56の傾斜面60に係合し、斜面の作用によりアーム
部58を後方へ撓ませ、係合突部62を乗り越える。イ
ンク収容器82がヘッドホルダ80の底壁86上に載置
された状態では、図3に示すように係合突部62がイン
ク収容器82の係合溝174に係合し、インク収容器8
2はアーム部58により底壁82からの浮き上がりを防
止される。
【0065】上記インク収容器82の取付状態では、多
孔質体138,支持筒130がインク収容器82内に嵌
入し、インクが多孔質体138に浸潤するとともにイン
ク通路122を通って噴射ヘッド78のインク流路に供
給される。また、フレア部136はインク収容器82の
正面165のインク供給口162のまわりの部分に密着
し、インクの漏れが防止される。インク収容器82は前
壁160においてフレア部136に当接し、後壁170
においてキャリッジ32の後壁38の前面に当接して前
後方向において位置決めされるとともに、フレア部13
6により後方へ付勢され、常に前後方向において位置決
めされた状態に保たれる。
【0066】このようにインク収容器82がヘッドホル
ダ80に取り付けられた状態では、案内突部166の上
面171と係合凹部144の上側内面149との係合お
よびインク収容器用フック56と係合溝174との係合
により、インク収容器82の底壁86からの浮き上がり
が防止される。さらに、位置決め用係合突部154と位
置決め用係合凹部178との係合および案内突部166
の前後方向に平行な2側面と係合凹部144の対向する
2面との係合により、インク収容器82のヘッドホルダ
80に対するホルダ移動方向の移動を防止される。係合
凹部144の開口周辺から後方へ突部146が突設され
ており、それにより案内突部166と係合凹部144と
の前後方向における係合長さが長く、両者が確実に係合
させられる。また、支持筒130のフレア部136の付
勢によりインク収容器82の前後方向の移動が防止され
る。この状態において、インク供給口162と連結部1
42とが同心になり、位置決め用係合凹部178と位置
決め用係合突部150との間に上下方向の隙間が残る。
【0067】インク収容器82をヘッドホルダ80から
取り外す場合には、カバー184を開き、インク収容器
82を後部がヘッドホルダ80から離れる向きに回動さ
せる。インク収容器82が回動させられるとき、インク
収容器82の後端部がインク収容器用フック56の係合
突部62に形成された傾斜面63に係合し、斜面の作用
によりインク収容器用フック56が後方へ撓まされ、イ
ンク収容器82を取り外すことができる。インク収容器
82の後部がインク収容器用フック56を越えた後、イ
ンク収容器82を更に回動させて多孔質体138および
支持筒130をインク供給口162から離脱させる。
【0068】インク収容器82を取り外した状態でヘッ
ドホルダ80を放置すれば、多孔質体138が乾燥する
が、網目状フィルタ126の乾燥を防止することができ
る。多孔質体138を取り外せば網目状フィルタ126
が乾燥し、付着したインクが固まってインクの流れを妨
げ、網目状フィルタ126を噴射ヘッド78ごと交換す
ることが必要となって交換コストが高くなる。そのた
め、インク収容器82を取り外した状態でヘッドホルダ
80を放置する場合、多孔質体138を付けたままで放
置し、多孔質体138が乾燥し、多孔質体138に浸み
込んだインクが乾燥した場合には、多孔質体138を支
持筒130と共にマニホールド部120から取り外し、
支持筒130に保持された新たな多孔質体138と交換
する。多孔質体138および支持筒130は交換しなけ
ればならないが、噴射ヘッド78を交換する場合に比較
して交換コストが少なくて済む。
【0069】また、インク噴射装置30が記録領域内を
移動させられて記録用紙28に記録が行われるとき、ヘ
ッドホルダ80のキャリッジ32に対するホルダ移動方
向,前後方向の各位置ずれおよび浮き上がり、ならびに
インク収容器82のヘッドホルダ80に対するホルダ移
動方向,前後方向の各位置ずれおよび浮き上がりは前述
のように防止されており、ヘッドホルダ80に位置ずれ
等が生じて記録位置がずれることがなく、また、インク
収容器82に位置ずれが生じてインク漏れが生ずる等の
不都合が生ずることもなく、記録用紙28に正確にかつ
鮮明に画像が記録される。さらに、インク噴射装置30
の移動開始時や移動停止時にインク収容器82がヘッド
ホルダ80に対して相対移動し、キャリッジ32の移動
速度の制御に悪影響を及ぼすことを回避し得る。
【0070】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ヘッドホルダ80の前壁90がヘッド保持
部を構成し、底壁86が収容器保持部を構成し、底壁8
6の上面147が支持案内面を構成し、インク収容器用
フック56がインク収容器82をヘッドホルダ82にク
ランプするクランプ装置を構成し、側壁88の内面(互
いに対向する面)がインク収容器のヘッドホルダに対す
る幅方向の位置決めを行う位置決め部の位置決め面を構
成しているのである。
【0071】上記各実施例においてインク収容器82
は、インク収容器82の底面に設けられた位置決め用係
合凹部178と、ヘッドホルダ80の底壁86の上面1
47上に突設された位置決め用係合突部154との嵌合
により、ホルダ移動方向の位置ずれを防止されるように
なっていたが、図11に示すインク収容器430のよう
に、後壁432の後面に設けた部分円板状の位置決め用
係合突部434と、ヘッドホルダ436に底壁438の
後縁から立ち上がる係合壁440に上下方向に延びて前
面と上面とに開口する姿勢で設けた位置決め用係合凹部
442とを係合させて、ホルダ移動方向の位置ずれを防
止してもよい。
【0072】インク収容器430の後壁432の後面に
は、下部のホルダ移動方向の中間部に、キャリッジに設
けられたインク収容器用フックが係合する係合溝444
が形成されており、係合溝444に隣接する位置に位置
決め用係合突部432が上下方向に延びる姿勢で突設さ
れている。また、ヘッドホルダ436の底壁438の後
縁には、キャリッジに設けられた一対のヘッドホルダ用
フックと係合する係合凹部446を有する一対の係合突
起448が突設されており、一方の係合突起448に隣
接する位置に係合壁440が上方へ突設されている。位
置決め用係合突部432および位置決め用係合凹部44
6は、インク収容器用フックによるインク収容器430
の保持,ヘッドホルダ用フックによるヘッドホルダ43
6の保持を妨げない位置に設けられているのである。そ
の他の構成は図1〜図10に示す実施例と同じであり、
説明は省略する。
【0073】インク収容器430が回動させられてヘッ
ドホルダ436に取り付けられるとき、図12に示すよ
うに、位置決め用係合突部432が位置決め係合凹部4
42に嵌合されるとともに係合溝444にインク収容器
用フックが係合させられ、ホルダ収容器430は、ヘッ
ドホルダ436からの浮き上がりを防止される。
【0074】上記実施例において案内突部488は底面
490がインク収容器480の底面492と同一平面内
に位置するように設けられていたが、図13に示す案内
突部520のように、インク収容器522の上下方向の
中間部に設けてもよい。案内突部520は、インク収容
器522のホルダ移動方向に直角な両側面の上下方向の
中間位置から、インク収容器522の正面524を越え
て前方へ突出させられている。インク収容器522の底
面には、半球状を成す4個の被支持突起526が設けら
れている。
【0075】ヘッドホルダ530には、ホルダ移動方向
に直角な2つの側壁532の内面の前部にそれぞれ、前
後方向に平行な案内板534が設けられ、案内板534
の上面が案内突部520を支持する支持案内面536を
構成している。ヘッドホルダ530の前壁540の連結
部542を間に挟み、ホルダ移動方向に隔たった両側に
はそれぞれ、係合凹部544が形成されている。係合凹
部544の下側内面は、支持案内面536に連続し、奥
側ほど上方へ傾斜する傾斜内面546とされている。ま
た、前壁540の後面には、連結部542の両側のホル
ダ移動方向に隔たった2個所にそれぞれ、ストッパ突起
548が突設されている。
【0076】インク収容器522のヘッドホルダ530
への取付け時には、インク収容器522が前部が後部よ
り下側に位置する傾斜姿勢とされ、案内突部520の先
端部が支持案内面536に接触させられる。この姿勢で
インク収容器522はストッパ突起548に当接するま
で前進させられるが、この際、多孔質体138や支持筒
130がインク供給口162の開口周縁部と干渉するこ
となく、インク供給口162に嵌入するように案内突部
520の下面の位置および形状が決定されている。例え
ば、案内板534の支持案内面536が連結部542の
軸線と同じ高さ(正確には、インク収容器522の回動
軸線が連結部542の軸線と同じ高さに位置する高さ)
に形成されている場合にも、インク収容器522が傾斜
させられた場合のインク供給口162の上縁部の位置は
下がるが、その低下量は案内突部486がインク収容器
480の下端に設けられる図1〜10の実施例における
より小さくなるため、案内突部520のインク収容器5
22の正面524からの突出量も小さくて済む。したが
って、案内突部520のインク収容器522の正面52
4からの突出量を現実に小さくしてもよいのであるが、
案内突部520が係合凹部544と係合してインク収容
器522のヘッドホルダ530からの浮き上がりを防止
するために案内突部520を短くすることが望ましくな
い場合には、案内突部520の先端部の下面は支持案内
面536に接触しない形状にされるのである。
【0077】また、案内板534の支持案内面536が
インク供給口162の上縁部と同じ高さ(正確には、イ
ンク収容器522の回動軸線がインク供給口162の上
縁部と同じ高さに位置する高さ)に形成されている場合
には、インク収容器522が傾斜させられた場合にもイ
ンク供給口162の上縁部の位置は下がらないため、案
内突部520はインク収容器正面から突出させる必要が
ない。したがって、次に図14において図示するよう
に、インク収容器のヘッド移動方向に直角な2側面の前
端部から側方へ突出した軸状突起を支持案内面に支持,
案内される案内突部とすることも可能である。
【0078】前述のようにインク収容器522がストッ
パ突起548に当接するまで前進させられた後、ヘッド
ホルダ530の底壁550に接近する向きに回動させら
れる。このとき、インク供給口162の上縁部の位置が
下がるが、案内突部520が係合凹部544の傾斜内面
546に係合するに至れば、傾斜内面546に案内され
て持ち上げられ、インク収容器522は、ヘッドホルダ
530に後部から水平に挿入される場合と同様に、イン
ク供給口162と連結部142との軸線がほぼ一致する
姿勢でヘッドホルダ530に取り付けられる。インク収
容器522は、被支持突起526において、底壁550
の上面552上に支持されるとともに、案内突部520
の上面が係合凹部544の上側内面に接触させられてイ
ンク収容器522の浮き上がりが防止される。
【0079】インク収容器のホルダ移動方向に直角な2
側面の前端部から側方へ軸状突起を突出させ、案内突部
とした例を図14に示す。インク収容器560のホルダ
移動方向に直角な2つの側面562の各前端部にはそれ
ぞれ、側方へ突出する軸状突起564が突設されてい
る。これら軸状突起564はそれぞれ、軸線がインク供
給口566の上縁部と同じ高さに位置するように設けら
れている。また、インク収容器560の正面の下部のイ
ンク供給口566を間に挟んだ両側にはそれぞれ、係合
突起568が前方へ突設され、上部のインク供給口56
6を間に挟んだ両側にはそれぞれストッパ突起569が
突設されている。さらに、インク収容器560の底面に
は4個の被支持突起570が突設されている。
【0080】ヘッドホルダ572の一対の側壁574の
前端部はそれぞれ、前後方向に平行に切り欠かれ、前後
方向に平行に延び、水平な支持案内面576が形成され
ている。これら支持案内面574は、軸状突起564の
軸線から、軸状突起564の半径分、下方へ下がった高
さに形成されている。軸状突起564の軸線がインク供
給口566の上縁部と同じ高さになるように、支持案内
面572が形成されているのである。ヘッドホルダ57
2の前壁578の後面582の下部の連結部580を間
に挟んだ両側にはそれぞれ、係合凹部584が形成され
ている。係合凹部584のヘッドホルダ572の底壁5
86の上面588に連続する下側内面は、前方ほど上方
へ傾斜する傾斜内面590とされている。
【0081】インク収容器560のヘッドホルダ572
への取付け時には、インク収容器560が前部が後部よ
り下側に位置する傾斜姿勢とされ、軸状突起564が支
持案内面576上に載置され、この姿勢でインク収容器
560がストッパ突起569がヘッドホルダ572の前
壁578の後面582に当接するまで前進させられた
後、回動させられてヘッドホルダ572上に載置され
る。支持案内面576が、軸状突起564の軸線がイン
ク供給口566の上縁部と同じ高さになるように設けら
れているため、インク収容器560が前進,回動させら
れるとき、多孔質体138や支持筒130がインク供給
口566の開口周縁部と干渉することなく、インク供給
口566に嵌入させられる。インク収容器560は、係
合突起568が係合凹部584内に進入し、傾斜内面5
90に当接すれば、軸状突起564が支持案内面576
との係合から外れ、以後、係合突起568が傾斜内面5
90により案内され、傾斜内面590の傾斜によりイン
ク収容器560は僅かに上方へ持ち上げられつつ移動さ
せられて底壁586の上面588上に載置される。イン
ク収容器560は、被支持突起570において上面58
8上に載置され、係合突起568が係合凹部584に嵌
合されるとともに、係合突起568の上面と係合凹部5
84の上側内面とが係合させられ、それによりインク収
容器560のヘッドホルダ572からの浮き上がりが防
止される。
【0082】図14に示す実施例において、支持案内面
576の前端縁から垂直に立ち上がる垂直面をストッパ
面とし、軸状突起564をストッパ面に係合させること
により、インク収容器560の取付け時の前進を止める
ようにしてもよい。また、ストッパ突起569を省略
し、インク収容器560の正面をヘッドホルダ572の
前壁578の後面582に当接させてインク収容器56
0の前進を止めるようにしてもよく、あるいはインク収
容器560の正面を連結部580のフランジ部136に
当接させて前進を止めるようにしてもよい。
【0083】また、上記各実施例においてインク収容器
82のヘッドホルダ80への取付け時には、インク収容
器82のホルダ移動方向(幅方向)における位置は、ヘ
ッドホルダ80の一対の側壁88により決められるよう
になっていたが、ヘッドホルダの前後方向に平行な両縁
からそれぞれ立ち上がる短いリブを設け、インク収容器
82の幅方向の位置を決めるようにしてもよい。側壁8
8は、ヘッドホルダ80の底壁86から上方へ立ち上が
り、インク収容器82の上部に至る高さを有しており、
インク収容器82を幅方向において位置決めする位置決
め手段として機能するとともにヘッドホルダ80を補強
する補強手段としても機能するようにされているが、ヘ
ッドホルダ80が一対の側壁88を設けなくても十分に
強度が確保されるのであれば、短い一対のリブを設けて
インク収容器の取付け時の位置決め手段とすることがで
きるのである。また、位置決め手段は、ヘッドホルダの
底壁により構成される収容器保持部に突設されたもので
あることは不可欠ではなく、例えば、連結部が設けられ
た連結部保持部に突設され、支持案内面にほぼ直角な位
置決め面を有するものとしてもよい。
【0084】さらに、インク収容器の底面に被支持突起
を設けてヘッドホルダの底壁の上面により支持させるこ
とは不可欠ではなく、被支持突起を省略し、インク収容
器の底面が直接ヘッドホルダの底壁の上面に支持される
ようにしてもよい。また、被支持突起のないインク収容
器の正面に前記第二係合突起166と同様の係合突起を
設け、係合突起とその係合突起が係合させられる係合凹
部とを精度良く形成し、係合突起が係合凹部に嵌合さ
れ、係合突起の上面と係合凹部の上側内面とが接触した
状態で、ちょうど係合突起の下面と係合凹部の下側内面
とが接触し、インク収容器の上下方向の位置ずれが防止
されるようにすることも可能である。この場合、図5の
位置決め用係合突部154が位置決め用係合凹部178
の底面に接触してインク収容器82の後部を支持するよ
うにすることも可能である。
【0085】さらに、図1〜図10,図13,図14に
示す各実施例において、インク収容器82,522,5
60の前方への移動を止める一対のストッパ突起15
0,548,569は、インク収容器の回動軸線に平行
な方向に延びる1つの突起としてもよい。
【0086】また、本発明は、インク流路内の発熱体が
設けられ、インク中の空気を加熱してインクを噴射させ
るサーマル式のインク噴射装置にも適用することができ
る。さらに、本発明は、インク噴射方向が水平方向では
なく垂直方向は傾斜方向であるインク噴射装置およびイ
ンク噴射装置用カートリッジにも適用することができ
る。さらにまた、本発明は、上記各実施例の構成要素の
組合わせを変えた態様で実施することができる。その
他、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識
に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜3の各発明に共通の一実施例である
インク噴射装置を備えたインクジェット記録装置を概略
的に示す斜視図である。
【図2】上記インクジェット記録装置のインク噴射装置
がキャリッジに搭載された状態を示す側面断面図であ
る。
【図3】上記インクジェット記録装置のインク噴射装置
がキャリッジに搭載された状態を図2とは別の切断平面
で切断した場合の側面断面図である。
【図4】上記インク噴射装置を示す背面図である。
【図5】上記インク噴射装置のインク収容器およびヘッ
ドホルダを示す分解斜視図である。
【図6】上記ヘッドホルダを連結部を分解して示す斜視
図である。
【図7】上記インク収容器を正面側から見た状態を示す
斜視図である。
【図8】上記インク収容器を底面側から見た状態を示す
斜視図である。
【図9】上記インク収容器のヘッドホルダへの取付けを
説明する図である。
【図10】上記インク収容器のヘッドホルダへの取付け
の別の状態を示す図である。
【図11】インク収容器とヘッドホルダとのホルダ移動
方向の位置ずれを防止する第一係合突部および第一係合
凹部の別の例を示す斜視図である。
【図12】図11に示す第一係合突部および第一係合凹
部としての位置決め用係合突部および位置決め用係合凹
部が嵌合された状態を示す正面断面図である。
【図13】請求項1〜3の各発明に共通の別の実施例で
あるインク噴射装置のインク収容器およびヘッドホルダ
を示す斜視図である。
【図14】請求項1〜3の各発明に共通の更に別の実施
例であるインク噴射装置のインク収容器およびヘッドホ
ルダを示す斜視図である。
【符号の説明】
28 記録用紙 30 インク噴射装置 32 キャリッジ 52 キャリッジ移動装置 78 噴射ヘッド 80 ヘッドホルダ 82 インク収容器 144 係合凹部 147 上面 148 傾斜内面 149 上側内面 166 案内突部 168,169 底面 180 被支持突起 430 インク収容器 436 ヘッドホルダ 522 インク収容器 526 被支持突起 536 支持案内面 546 傾斜内面 508 上面 560 インク収容器 564 軸状突起 572 ヘッドホルダ 576 支持案内面 568 係合突起

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正面にインク供給口を備え、内部にイン
    クを収容するインク収容器と、 インクを噴射する噴射ヘッドと、 その噴射ヘッドを保持するヘッド保持部に前記インク供
    給口と連結される連結部を有し、ヘッド保持部から交差
    方向に延びる収容器保持部において前記インク収容器を
    着脱可能に保持するヘッドホルダとを含むインク噴射装
    置において、 前記インク収容器に案内突部を設ける一方、前記ヘッド
    ホルダに、前記連結部の軸線にほぼ平行に延びて前記案
    内突部を支持し、案内する支持案内面を設け、それら案
    内突部および支持案内面を、前記インク収容器が、前記
    正面から遠い部分ほど前記収容器保持部から離れる向き
    に傾斜した傾斜姿勢で、前記案内突部を前記支持案内面
    に案内されて移動限度まで移動させられ、かつ移動限度
    位置において前記傾斜姿勢から前記収容器保持部に保持
    される取付姿勢まで回動させられる間、前記インク供給
    口が前記連結部と干渉しない相対位置および形状で形成
    したことを特徴とするインク噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記案内突部が、前記インク収容器の前
    記正面の前記収容器保持部に近い側の端部より前方へ突
    出しかつ収容器保持部側の側面がインク収容器の収容器
    保持部側の側面と同一平面内に位置する状態で設けら
    れ、前記支持案内面が、前記ヘッドホルダの前記収容器
    保持部のインク収容器側の面であることを特徴とする請
    求項1に記載のインク噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記ヘッドホルダの前記ヘッド保持部に
    前記案内突部と嵌合する係合凹部を設けたことを特徴と
    する請求項1または2に記載のインク噴射装置。
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