JPH0817464A - 二次電池電力貯蔵システム及び真空断熱容器 - Google Patents

二次電池電力貯蔵システム及び真空断熱容器

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JPH0817464A
JPH0817464A JP15184694A JP15184694A JPH0817464A JP H0817464 A JPH0817464 A JP H0817464A JP 15184694 A JP15184694 A JP 15184694A JP 15184694 A JP15184694 A JP 15184694A JP H0817464 A JPH0817464 A JP H0817464A
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JP
Japan
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vacuum
vacuum heat
heat insulating
adsorbent
secondary battery
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Application number
JP15184694A
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English (en)
Inventor
Shigeoki Nishimura
成興 西村
Masanori Yoshikawa
正則 吉川
Masaaki Mukaide
正明 向出
Yasushi Sato
康司 佐藤
Tetsuo Nakazawa
哲夫 中沢
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空断熱容器の真空度を機械的な駆動部を用
いることなく調節可能にして、高温二次電池の運転温度
を所定の範囲に維持する。 【構成】 真空断熱容器(2)の真空断熱層(3)に真
空度調整用の気体を入れ、その気体を吸着又は吸収する
吸着材又は吸収材を真空断熱層に連通する容器(5)内
に充填する。その吸着材又は吸収材を加熱又は冷却して
(7,8)、吸着能又は吸収能を変化させ、真空断熱層
内の真空調整用気体を吸着又は放出することにより真空
度を調整し、これによって真空断熱層からの放熱量変化
させることにより、高温二次電池(1)の運転温度を所
定の範囲に維持する。吸着材又は吸収材を真空断熱層3
に直接充填し、吸着材等の脱着温度を真空断熱容器内の
目標温度に応じて選択する。これにより、加熱又は冷却
手段を設けなくても、その脱着温度に応じて容器内温度
を自動的に維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二次電池電力貯蔵シス
テムに係り、特に運転温度が高い高温二次電池モジュ−
ルを格納する真空断熱容器に関する。
【0002】
【従来の技術】電解質が固体で電極活物質が液体の二次
電池は、反応生成物が固化しないように高い温度で運転
される(以下、高温二次電池という)。これらの高温二
次電池には、負極活物質にナトリウムを用い正極活物質
に硫黄を用いるナトリウム−硫黄電池(以下NaS電池
という)、負極活物質にナトリウムを用い正極活物質に
「セレンと塩化アルミニウム」又は「セレンと塩化ニッ
ケル」を用いるNaX電池等が知られている。特に、N
aS電池は、エネルギ-密度が高く、電力貯蔵用の二次
電池として注目され、その開発が進められている。
【0003】これらの高温二次電池は、固体電解質の電
気抵抗は高温で低下することから効率向上のため、また
反応生成物の固化を防止するため高い温度で運転するの
が好ましい。しかし、温度が高くなり過ぎると電解質等
の電池の損傷が激しくなるので一定の温度範囲で運転す
ることが望ましい。例えば、NaS電池は240〜40
0℃好ましくは300〜350℃程度の高温で、NaX
電池も約250℃程度で運転する。このような高温の運
転を効率よく実現するため、二次電池を真空断熱容器の
中に収納して運転することが行われている。
【0004】ところが、電池は充電時に吸熱反応とな
り、放電時に発熱反応となることから、断熱効果の高い
真空断熱容器に収納すると、放電時には電池の温度が上
昇してしまい、所定の温度を維持できない。
【0005】そこで、従来は、充電時の温度上昇を抑え
るために、真空断熱容器内に冷却空気を導入したり、冷
却用の油などの冷媒を循環して冷却を行うようにしてい
た(特開昭57−74975、特開昭52−5882
2、特開昭63−175355など)。
【0006】また、真空断熱容器内の温度が上昇したと
きは、真空断熱層に連結したリーク電磁弁を開いて真空
度を低下させ、これにより容器からの放熱量を増加させ
て電池の温度を一定に保持しようとする方式が提案され
ている(特開平5−121092)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、真空断
熱容器内に冷却空気等の冷媒を導入又は循環して冷却す
る方式の場合は、空気ブロワや冷媒ポンプ等の回転機を
有する設備を設けなければならないから、それらの機械
的な駆動部等の故障を考えると信頼性に問題がある。
【0008】また、真空断熱層の真空度をリーク電磁弁
と真空ポンプとで調節する方式の場合も、機械的な駆動
部を有することから信頼性に問題がある。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、真空断
熱容器の真空度を機械的な駆動部を用いることなく調節
可能にして、真空断熱容器装置の信頼性を向上させるこ
とにある。
【0010】また、そのような真空断熱容器を用いて高
温二次電池の運転温度を所定の範囲に維持できる二次電
池電力貯蔵システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、真空断熱容器の真空断熱層に真空度調整
用の気体を入れ、その気体を吸着又は吸収する吸着材又
は吸収材(以下、適宜、吸着材等と総称する。)を真空
断熱層に連通する容器内に充填し、その吸着材等の吸着
能を変化させる加熱又は冷却手段を設けたことを特徴と
する。
【0012】吸着材等の充填塔を設ける代わりに、吸着
材等を真空断熱層内に直接充填してもよい。この場合、
真空断熱層内の吸着材等の吸着能を変化させる加熱又は
冷却手段を設けるか否かは、真空断熱容器内部の目標温
度と吸着材等の気体の脱着又は放散温度に応じて決めれ
ばよい。つまり、真空断熱層内部の吸着材等の温度は、
真空断熱容器内の温度に支配されるから、吸着材等の脱
着温度を真空断熱容器内の目標温度に応じて選択するこ
とにより、加熱又は冷却手段を設けなくても、その脱着
温度に応じた容器内温度を維持するように自動的に真空
度が増減調整される。
【0013】吸着材等として水素吸蔵合金を用い、真空
度調整用の気体として水素を用いることができる。ま
た、真空度調整用の気体として空気を用い、吸着材等と
してゼオライト又はゼオライト系の吸着材を用いること
ができる。
【0014】また、二次電池電力貯蔵システムは、二次
電池と、この二次電池を収納する真空断熱容器と、真空
断熱容器を形成する容器壁の真空断熱層に混入された真
空度調整用の気体と、この気体を吸着又は吸収する吸着
材等が充填され、真空断熱層に連通して設けられた充填
塔と、充填塔内の吸着材等を加熱する加熱手段と冷却す
る冷却手段と、真空容器内部の温度を検出する温度セン
サと、この温度センサにより検出された真空容器内部温
度とその目標値との偏差に応じて加熱手段と冷却手段を
制御するコントローラとを備えて構成できる。
【0015】この場合も、充填塔を設ける代わりに、吸
着材等を真空断熱層内に直接充填することが好ましい。
この場合、吸着材等は、気体に対する脱着又は放散の温
度が、二次電池の反応生成物質が固化する温度以上にな
る材料のものを選択することが好ましい。
【0016】
【作用】このような解決手段によれば、次の作用によ
り、課題を解決することができる。吸着材等を加熱する
と、真空調整用の気体を吸着又は吸収する能力が低下
し、吸着材等に吸着されていた真空調整用の気体が放出
されるから、真空断熱層の真空度が低下する。これによ
り、真空断熱容器の断熱能力が低下して放熱量が増加
し、容器内部の温度上昇を抑制できる。
【0017】また、逆に、吸着材等を冷却すると、真空
調整用の気体を吸着又は吸収する能力が増加し、吸着材
等に吸着される真空調整用の気体が増加するから、放出
真空断熱層の真空度が高くなる。これにより、真空断熱
容器の断熱能力が増して放熱量が減少し、容器内部の温
度の低下を防ぐことができる。
【0018】このような真空断熱容器内に高温二次型二
次電池を設置して電力貯蔵システムを構成する。電池の
放電時の発熱により真空断熱容器内の温度が上昇した場
合は、吸着材等を電気ヒータなどにより加熱して、真空
断熱層の真空度を低下させる。これにより、真空断熱容
器の放熱量が増加して、真空断熱容器内部の温度上昇を
抑制することができる。逆に、真空断熱容器内部の温度
が低下したときは、吸着材等の加熱を停止するととも
に、空気などにより冷却してり吸着材等の吸着能を高め
て、真空断熱層の真空度を増加させる。これにより、真
空断熱容器の放熱量が低下して保温性能が向上し、電池
からの発熱がなければ真空断熱容器内部の温度、すなわ
ち電池の温度を一定に維持できる。つまり、真空ポンプ
やリーク電磁弁等の機械的な駆動部を用いることなく、
真空度を調整することができる。
【0019】また、吸着材等を真空断熱層内に充填した
ものによれば、真空断熱容器内の温度の上昇又は下降に
応じて吸着材等の温度が変化して吸着能が低下又は増加
し、これにより放熱量を増又は減ずる方向に真空度が調
整されるから、自動的に容器内の温度が一定の範囲に保
持される。つまり、真空断熱容器内の温度を測定し、目
標温度との偏差に応じて吸着材等を加熱又は冷却制御す
る必要がなく、構成を簡単にできる。
【0020】これに対し、吸着材等の充填塔を真空断熱
層に連通させて設けたものによれば、吸着材等の脱着、
放散温度は、真空断熱容器内部の目標温度とは無関係に
決めることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に基づいて説明す
る。 (実施例1)図1に、本発明を適用した二次電池電力貯
蔵システムの一実施例の構成図を示す。本実施例は、N
aS電池を用いた例であり、192本のNaS単電池1
からなる10kW電池モジュ−ルを断面で示した真空断
熱容器2内に配置して構成する。真空断熱容器2の真空
断熱層部3に水素を混入するとともに、開閉バルブ4を
介して充填塔5が連通されている。この充填塔5内に水
素吸蔵合金粉末の充填層6が形成されている。この充填
塔5には、充填層6の水素吸蔵合金粉末を加熱する電気
ヒータ7と、冷却する冷却コイル8が設けられている。
電気ヒータ7はヒータ電源9によりコントロールされ
る。冷却コイル8には制御弁10により制御された冷媒
11が通流される。
【0022】また、真空断熱容器2には、その内部温度
を計測する温度センサ12と、真空断熱層部3の真空度
を計測する真空センサ13が取り付けられ、それらの計
測信号はコントローラ14に入力されている。
【0023】コントローラ14は、温度センサ12によ
り計測された真空断熱容器2の内部温度Tとその目標温
度Trefとを比較して偏差ΔT(=T−Tref)を求め、
その偏差をなくすようにヒータ電源9又は制御弁10を
制御する。すなわち、ΔTが正のときは電気ヒータ7を
オンして水素吸蔵合金粉末の充填層6を加熱する。ま
た、ΔTが負のときは制御弁10を開いて冷媒11を冷
却コイル8に通流して水素吸蔵合金粉末の充填層6を冷
却する。つまり、ΔTの正負に応じて加熱又は冷却を切
り替える。なお、ΔTの正負により制御を切り替えるに
あたり、ΔTが一定幅よりも大きいことを条件にするこ
と、つまり不感帯を設けることが、制御安定の点から好
ましい。
【0024】また、コントローラ14は、前記温度偏差
ΔTを低減する真空断熱層部3の目標真空度Prefを、
ΔTとPrefの相関データとして保有している。そし
て、上記で求めたΔTに対応させて目標真空度Prefを
設定し、真空センサ13により計測された真空断熱層部
3の内部の真空度Pを目標真空度Prefに近付けるよう
に電気ヒータ7と制御弁10を制御するように構成して
いる。
【0025】なお、上述した温度によるフィードバック
制御と、真空度によるフィードバック制御は、いずれか
一方だけ設けてもよい。この場合、真空度によるフィー
ドバック制御の方が応答性に優れていることを考慮し
て、2つの方式を組み合わせることが好ましい。
【0026】図1において、複数のNaS単電池1は支
持架台15の上に設置され、母線16により適宜接続さ
れている。母線16は絶縁物を介して真空断熱容器2か
ら引き出された正極端子17と負極端子18に接続され
ている。この端子17,18は図示していない電力系統
に接続されている。また、真空断熱容器2の底部に電気
ヒータ19が設けられている。
【0027】このように構成される実施例の動作を説明
する。まず、電池モジュ−ルを定格運転温度(例えば、
350℃)まで電気ヒータ19により加熱した後、外部
電力系統との間で放電を開始する。そのときの真空断熱
層部3の真空度は0.1torrであった。放電により電池
の温度が上昇し、これにより真空断熱容器2の内部温度
が上昇すると、コントローラ14が動作して電気ヒータ
7により水素吸蔵合金粉末が充填された充填層6を加熱
する。これにより、水素吸蔵合金粉末に吸収されていた
水素が放出され、充填塔5に連通する真空断熱部3の真
空度が例えば10torrまで低下し、真空断熱層部3の断
熱性能が低下する。その結果、真空断熱層部3からの放
熱量が増大して、真空断熱容器2の内部温度の上昇が抑
えられる。放電による電池の温度上昇は放電末(8時間
での定格容量放電)で最大3℃であった。
【0028】逆に、放電を停止したり、充電運転になる
と、真空断熱容器2の内部温度が低下傾向になる。この
ときは、コントローラ14が動作して、制御弁10を開
き、冷媒11を冷却コイル8に通流して、充填層6を冷
却する。これにより、水素吸蔵合金粉末の水素の吸収能
が増加し、充填塔5に連通する真空断熱部3の水素を吸
収する。その結果、真空断熱層部3の真空度が0.1to
rrまで増加して断熱性能が向上し、真空断熱容器2の内
部温度の低下を抑える。例えば、8時間充電後の電池の
平均温度は350℃であった。
【0029】このように、本実施例によれば、真空断熱
層の水素ガスに接触させて設けられた水素吸蔵合金粉末
を加熱又は冷却してその水素吸蔵能力を調節し、これに
より真空断熱層の真空度を調節して、真空断熱層の放熱
量を調節するようにしたことから、電池の充放電に伴う
発熱、吸熱の変化にかかわらず、電池の温度変動を一定
の範囲に維持できる。例えば、電池内外の温度差は約1
0℃以内に抑えることができ、電池モジュ−ルの充放電
によるエネルギ−効率を高く維持できた。
【0030】また、電池を空気導入等により直接冷却し
たり、ヒ−タ−にて加熱する必要がなく、また機械的な
駆動部を不要とすることができ、信頼性を向上できる。
【0031】なお、上記実施例では、コントローラ14
等を用いて自動的に真空断熱容器内部の温度を調整する
ようにしたが、電池の充放電パターンが単純な場合、又
は予め決まっているときは、マニュアルにより調整する
ことができる。例えば、放電時には、水素吸蔵合金粉末
を充填した充填層6を加熱して、真空断熱層部3の真空
度を10torrまで下げ、放電終了と共に水素吸蔵合金粉
末を充填した充填層6を冷却して真空度を0.1torrに
戻すように運転すればよい。
【0032】水素吸蔵合金の具体例を表1,2,3に分
けて示す。それらの表は、各種の水素吸蔵合金の諸物性
比較を示す。水素吸蔵合金は温度/圧力で平衡の状態を
形成するので、所定の温度条件を設定することにより、
本発明に適用できる。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】(実施例2)本実施例は、図1に示した実
施例1の水素吸蔵合金粉末に変えて、充填塔5の充填層
6に径が約3mmのゼオライト系の吸着材を用いたもの
である。この場合は、真空断熱層部3に水素ガスを混入
する必要はないが、他の構成は実施例1と同じである。
【0037】本実施例により、実施例1と同様に真空断
熱容器2内の温度を350℃に加熱した後、放電を開始
する。そのときの真空断熱層部3の真空度は0.1torr
であった。充填塔5の温度を40℃まで加熱したとこ
ろ、真空度は10torrまでさがった。放電による電池の
温度上昇は放電末(8時間での定格容量放電)で最大3
℃であった。放電終了と共に充填塔5の温度を20℃ま
で冷却したところ、真空断熱層部3の真空度は0.1to
rrに戻った。そして、8時間の充電後の電池の平均温度
は350℃であり、部位による温度のばらつきはほとん
どなかった。
【0038】(実施例3)図4に、本発明を適用した二
次電池電力貯蔵システムの一実施例の構成図を示す。本
実施例は、基本的に実施例1と同様の電池モジュ−ルを
対象とする。図1実施例と相違する点は、充填塔5に代
えて、真空断熱容器1の真空断熱層部3に直接Mg系の
水素吸蔵合金20の破砕粒子を充填したことにある。
【0039】本実施例により、真空断熱層部3を400
℃まで加熱した後、開閉バルブ4を介して図示していな
い真空ポンプにより真空排気する。その後、微少量の水
素を導入して真空封止して、運転に供する。
【0040】本実施例により充放電運転をしたところ、
電池の運転温度330℃における真空断熱層部3の外壁
温度は約40〜50℃であり、真空度は0.1torrであ
った。放電で電池温度が上昇すると、真空断熱層部3へ
の入熱も増加する。これにより、真空断熱層部3の水素
吸蔵合金20から水素が放出され、真空断熱層部3の真
空度が低下する。その結果、真空断熱層部3の断熱性能
が低下し、真空断熱容器2からの放熱量が増大して、電
池温度が降下する。定格電流の運転では、電池温度は3
45℃で安定した。
【0041】本実施例の場合、真空断熱層部3に充填し
た水素吸蔵合金20の水素吸収又は放散の切り替わり温
度は、約20〜80℃程度となるので、表1,2,3に
示した水素吸蔵合金のうちのMg系のものが好ましい。
【0042】(比較例1)比較のため、NaS単電池を
192本配置した10kW電池モジュ−ルを、図1と同
一の真空断熱容器1内に納めるとともに、真空断熱容器
2の扉に冷却用の空気導入用ファンと加熱空気取り出し
用のダクトを取り付けて二次電池電力貯蔵システムを形
成した。これにより、電池運転温度330℃に昇温した
後、放電を開始したところ、電池モジュ−ルの温度が上
昇を開始した。そこで、ファンを運転して外気を真空断
熱容器2内に導入したところ、個々のNaS単電池1の
外部と内部との温度差が約30℃程度ついた。このよう
にして、放電時の電池温度の平均値を330℃とした
後、充電を開始したところ、充電と共に電池の温度が低
下し始めた。そこで、真空断熱容器1の内部に設置した
電気ヒータ19にて、電池を加熱し、電池温度を330
℃に保持するようにした。
【0043】この比較例1によれば、電池温度の変動幅
が大きくなってしまうことなどから、電力貯蔵を行った
時の電池モジュ−ルのエネルギ効率は90%に至らなか
った。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果を奏することができる。第1に、二次電池冷却
のために外部から空気を導入しないことから、放電によ
るエネルギ効率を高くできる。
【0045】吸着材又は吸収材を用いて真空断熱層部の
真空度を調整し、これにより電池の周囲温度を調整する
ようにしたことから、回転子等の駆動部をなくすことが
でき、システムとしての信頼性を高くできる。
【0046】また、吸着材又は吸収材を真空断熱層部に
直接充填したものによれば、自動的な温度調節が可能と
なり、システム構成部品の点数を大幅に削減でき、コン
パクトな電力貯蔵システムを提供できる。
【0047】さらに、真空断熱層部に吸着材又は吸収材
を直接配したときには、構造体としての強度が充填され
た材料にて分散されるために、容器材料の肉厚を薄くす
ることが可能である。その結果、モジュ−ル重量を削減
できるとともに、吸着材又は吸収材への伝熱を良好とす
ることができ、温度による吸脱着の感度を向上できるか
ら、温度調節が一層容易となる。
【0048】本発明の電力貯蔵用NaS電池モジュ−ル
は、規模の大きい電力貯蔵システムに用いるが、電気自
動車用または規模の小さい分散型電力貯蔵システムにも
適用可能である。
【0049】さらに、電池に限らず、断熱容器内の物品
が発熱及び吸熱するときの温度調節用真空断熱容器とし
ても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次電池電力貯蔵システムの一実施例
の全体構成図である。
【図2】本発明の二次電池電力貯蔵システムの他の一実
施例の全体構成図である。
【符号の説明】
1 NaS単電池 2 真空断熱容器 3 真空断熱層部 4 開閉バルブ 5 充填塔 6 充填層 7 電気ヒータ 8 冷却コイル 9 ヒータ電源 10 制御弁 11 冷媒 12 温度センサ 13 真空センサ 14 コントローラ 20 水素吸蔵合金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 康司 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 中沢 哲夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空断熱容器内に収納された二次電池の
    充放電に伴う当該二次電池の温度変動を、前記真空断熱
    容器の真空断熱層の真空度を変化させて調整する二次電
    池電力貯蔵システムの温度制御方法において、前記真空
    断熱層に真空度調整用の気体を入れ、該気体を吸着又は
    吸収する吸着材又は吸収材を該気体に接触させ、該吸着
    材又は吸収材の吸着能又は吸収能を変化させて前記真空
    断熱層の真空度を調整することを特徴とする二次電池電
    力貯蔵システムの温度制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の二次電池電力貯蔵シス
    テムの温度制御方法において、前記吸着材又は吸収材の
    吸着能又は吸収能を、当該吸着材又は吸収材を加熱又は
    冷却して変化させることを特徴とする二次電池電力貯蔵
    システムの温度制御方法。
  3. 【請求項3】 二次電池を真空断熱層により画成された
    真空断熱容器内に収納し、前記真空断熱層に真空度調整
    用の気体を入れ、該気体を吸着又は吸収する吸着材又は
    吸収材を充填した充填塔を前記真空断熱層に連通して設
    け、該充填塔内の吸着材又は吸収材を加熱又は冷却する
    手段を設けてなる二次電池電力貯蔵システム。
  4. 【請求項4】 二次電池と、該二次電池を収納する真空
    断熱容器と、前記真空断熱容器を形成する容器壁の真空
    断熱層に混入した真空度調整用の気体と、該気体を吸着
    又は吸収する吸着材又は吸収材を充填し前記真空断熱層
    に連通して設けた充填塔と、該充填塔内の吸着材又は吸
    収材を加熱する加熱手段と、前記充填塔内の吸着材又は
    吸収材を冷却する冷却手段と、前記真空容器内部の温度
    を検出する温度センサと、該温度センサにより検出され
    た真空容器内部温度とその目標値との偏差に応じて前記
    加熱手段と前記冷却手段を制御するコントローラとを備
    えてなる二次電池電力貯蔵システム。
  5. 【請求項5】 二次電池を真空断熱層により画成された
    真空断熱容器内に収納し、前記真空断熱層に真空度調整
    用の気体と該気体を吸着又は吸収する吸着材又は吸収材
    を入れてなる二次電池電力貯蔵システム。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれかに記載の二次
    電池電力貯蔵システムにおいて、前記二次電池が、ナト
    リウム−硫黄電池、ナトリウム−セレン・塩化アルミニ
    ウム電池、ナトリウム−セレン・塩化ニッケル電池のい
    ずれか1つであることを特徴とする二次電池電力貯蔵シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の二次電池電力貯蔵シス
    テムにおいて、前記真空度調整用の気体が水素で、前記
    吸着材又は吸収材が水素吸蔵合金であることを特徴とす
    る二次電池電力貯蔵システム。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の二次電池電力貯蔵シス
    テムにおいて、前記吸着材又は吸収材がゼオライト又は
    ゼオライト系の吸着材であることを特徴とする二次電池
    電力貯蔵システム。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の二次電池電力貯
    蔵システムにおいて、前記吸着材又は吸収材として、前
    記気体を脱着又は放散する温度が前記二次電池の反応生
    成物質が固化する温度以上の材料を選択したことを特徴
    とする二次電池電力貯蔵システム。
  10. 【請求項10】 真空断熱容器の真空断熱層に真空度調
    整用の気体を入れ、該気体を吸着又は吸収する吸着材又
    は吸収材を前記真空断熱層に連通する容器内に充填し、
    該吸着材又は吸収材を加熱する加熱手段と、該吸着材又
    は吸収材を冷却する冷却手段を設けてなる真空断熱容
    器。
  11. 【請求項11】 真空断熱容器の真空断熱層に真空度調
    整用の気体を入れ、該気体を吸着又は吸収する吸着材又
    は吸収材を前記真空断熱層内に充填してなる真空断熱容
    器。
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