JPH08174614A - 射出圧縮成形方法および装置 - Google Patents
射出圧縮成形方法および装置Info
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- JPH08174614A JPH08174614A JP32561294A JP32561294A JPH08174614A JP H08174614 A JPH08174614 A JP H08174614A JP 32561294 A JP32561294 A JP 32561294A JP 32561294 A JP32561294 A JP 32561294A JP H08174614 A JPH08174614 A JP H08174614A
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 成形中の成形条件の変動に影響されない射出
圧力と型締圧力の圧力制御のみの簡単な制御で射出圧縮
成形を行う。 【構成】 射出充填工程時に射出機構側であらかじめ樹
脂の冷却固化収縮量を算出しておきこの収縮量を加えた
樹脂量を金型内に充填可能な射出圧力で射出圧力制御を
行うとともに、型締機構側では金型のキャビティ中に充
填された樹脂圧によって前記樹脂の冷却固化収縮量に相
当する型開量まで金型が開くことを許容する型締力をあ
らかじめ金型に付加させておき、射出充填完了後も引続
き前記型締力を樹脂の冷却固化するまで保持する。
圧力と型締圧力の圧力制御のみの簡単な制御で射出圧縮
成形を行う。 【構成】 射出充填工程時に射出機構側であらかじめ樹
脂の冷却固化収縮量を算出しておきこの収縮量を加えた
樹脂量を金型内に充填可能な射出圧力で射出圧力制御を
行うとともに、型締機構側では金型のキャビティ中に充
填された樹脂圧によって前記樹脂の冷却固化収縮量に相
当する型開量まで金型が開くことを許容する型締力をあ
らかじめ金型に付加させておき、射出充填完了後も引続
き前記型締力を樹脂の冷却固化するまで保持する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は閉鎖された金型内に溶融
樹脂を充填し、充填された樹脂圧によって金型が若干開
き、その後型締側で圧縮を行うようにした射出圧縮成形
方法および装置に関するものである。
樹脂を充填し、充填された樹脂圧によって金型が若干開
き、その後型締側で圧縮を行うようにした射出圧縮成形
方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形機における射出圧縮成形は、 (1)射出充填された樹指圧によって金型が開く時の金
型の移動後退限を機械的に制御する。 (2)金型の型開量(型開量とは充填された樹脂圧によ
って金型が後退する移動量あるいは圧縮量を見込んだ型
開位置に保持された金型の位置をいう)を検出し、設定
した型開量および型開速度になるように型締圧力あるい
は射出速度を制御する。 (3)圧縮工程においては、金型の型開量を検出し、設
定した金型の圧縮移動量および金型の圧縮移動速度にな
るように型締速度あるいは型締圧力を変化させるなどに
よって精密成形や複雑形状あるいは薄肉形状の成形を行
っている。
型の移動後退限を機械的に制御する。 (2)金型の型開量(型開量とは充填された樹脂圧によ
って金型が後退する移動量あるいは圧縮量を見込んだ型
開位置に保持された金型の位置をいう)を検出し、設定
した型開量および型開速度になるように型締圧力あるい
は射出速度を制御する。 (3)圧縮工程においては、金型の型開量を検出し、設
定した金型の圧縮移動量および金型の圧縮移動速度にな
るように型締速度あるいは型締圧力を変化させるなどに
よって精密成形や複雑形状あるいは薄肉形状の成形を行
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の射出圧縮成形で
は、次のような問題があった。まず、 (1)金型の後退限を機械的に制限する方法では、 成形中に樹脂温度などの成形条件が変動した場合の
対応が困難であるため、成形品の品質のバラツキが生じ
る。 充填完了後から圧縮工程に移行するに際してタイム
ラグが生じるため、金型内の樹脂流速が不連続となり、
その結果フローマークなどの欠陥が生じる。 また、フローマークなどの欠陥を防止するために、
射出機構側と型締機構側のバランスをとるための連動動
作が必要となり、制御のソフト面とハード面とも複雑化
し操作性が低下する。
は、次のような問題があった。まず、 (1)金型の後退限を機械的に制限する方法では、 成形中に樹脂温度などの成形条件が変動した場合の
対応が困難であるため、成形品の品質のバラツキが生じ
る。 充填完了後から圧縮工程に移行するに際してタイム
ラグが生じるため、金型内の樹脂流速が不連続となり、
その結果フローマークなどの欠陥が生じる。 また、フローマークなどの欠陥を防止するために、
射出機構側と型締機構側のバランスをとるための連動動
作が必要となり、制御のソフト面とハード面とも複雑化
し操作性が低下する。
【0004】(2)金型の型開量を検出し、この検出信
号に基づいて制御する方法では、 金型のキャビティ内に充填した樹脂流速の不連続に
起因したフローマークなどの欠陥についてはかなり解決
できるものの、逆に、その分だけソフト面およびハード
面ともにかなり複雑化し操作性が極めて難しくなる。
号に基づいて制御する方法では、 金型のキャビティ内に充填した樹脂流速の不連続に
起因したフローマークなどの欠陥についてはかなり解決
できるものの、逆に、その分だけソフト面およびハード
面ともにかなり複雑化し操作性が極めて難しくなる。
【0005】 また、逆に設定値通りに型開きまたは
圧縮工程が制御できるため、最適設定値の選択が極めて
難しい上に、成形中の成形条件の変動を吸収するような
柔軟性が縮小されるため、良品率が大幅に低下する可能
性を含んでいる。
圧縮工程が制御できるため、最適設定値の選択が極めて
難しい上に、成形中の成形条件の変動を吸収するような
柔軟性が縮小されるため、良品率が大幅に低下する可能
性を含んでいる。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、射出圧力と型締圧力の圧力制御のみの簡単な制御
で成形中の成形条件の変動に影響されず、安定して良品
を供給することを目的とするものである。
ので、射出圧力と型締圧力の圧力制御のみの簡単な制御
で成形中の成形条件の変動に影響されず、安定して良品
を供給することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、射出充填工程時に射
出機構側であらかじめ樹脂の冷却固化収縮量を算出して
おきこの収縮量を加えた樹脂量を金型内に充填可能な射
出圧力で射出圧力制御を行うとともに、型締機構側では
金型のキャビティ中に充填された樹脂圧によって前記樹
脂の冷却固化収縮量に相当する型開量まで金型が開くこ
とを許容する型締力をあらかじめ金型に付加させてお
き、射出充填完了後も引続き前記型締力を樹脂の冷却固
化するまで保持し、第2の発明では射出圧力制御を射出
充填開始から射出充填完了までを充填可能な1次圧の圧
力制御で行い収縮量を残さずに充填し、第3の発明で
は、型締力の保持を射出充填完了を示す射出機構の射出
駆動力が急激に上昇し始めた時に起動するタイマのタイ
ムアウト信号に達した時まで継続するようにした。
に、本発明に係る第1の発明では、射出充填工程時に射
出機構側であらかじめ樹脂の冷却固化収縮量を算出して
おきこの収縮量を加えた樹脂量を金型内に充填可能な射
出圧力で射出圧力制御を行うとともに、型締機構側では
金型のキャビティ中に充填された樹脂圧によって前記樹
脂の冷却固化収縮量に相当する型開量まで金型が開くこ
とを許容する型締力をあらかじめ金型に付加させてお
き、射出充填完了後も引続き前記型締力を樹脂の冷却固
化するまで保持し、第2の発明では射出圧力制御を射出
充填開始から射出充填完了までを充填可能な1次圧の圧
力制御で行い収縮量を残さずに充填し、第3の発明で
は、型締力の保持を射出充填完了を示す射出機構の射出
駆動力が急激に上昇し始めた時に起動するタイマのタイ
ムアウト信号に達した時まで継続するようにした。
【0008】また、第4の発明では、型締力の保持を射
出充填完了を示す射出機構の射出駆動部の移動が停止し
た時に起動するタイマのタイムアウト信号に達した時ま
で継続し、第5の発明では、型締力の保持は樹脂を射出
充填する前の金型閉鎖位置に復帰した時に起動するタイ
マのタイムアウト信号に達した時まで継続するようにし
た。
出充填完了を示す射出機構の射出駆動部の移動が停止し
た時に起動するタイマのタイムアウト信号に達した時ま
で継続し、第5の発明では、型締力の保持は樹脂を射出
充填する前の金型閉鎖位置に復帰した時に起動するタイ
マのタイムアウト信号に達した時まで継続するようにし
た。
【0009】さらに第6の発明では、射出充填量設定手
段と射出圧力設定手段を備え、前記2つの設定手段に基
づいて射出充填を行う射出制御部と、前記射出充填によ
って樹脂の冷却固化収縮量に相当する型開量まで金型が
開くことを許容する型締力を設定する型締力設定手段
と、前記型締力設定手段に基づいて型締を行う型締制御
部を具備するとともに、射出機構の射出駆動力が急激に
上昇し始めた時、あるいは射出駆動部の移動が停止した
時に射出充填完了信号を発生させる射出充填完了検出部
と、前記射出充填完了検出部からの検出信号に基づいて
起動するタイマと、圧縮工程における保圧・冷却時間を
設定する時間設定部と、前記時間設定部の設定値と前記
タイマのタイムアウト信号を比較して前記射出制御部お
よび型締制御部へ各々制御信号を発生させる比較制御部
を有し、第7の発明では、金型の位置を検出する金型位
置検出部と、射出充填前の金型位置を基準点として設定
する基準点設定部を備えるとともに、圧縮工程において
前記金型位置検出部の検出信号と前記基準点設定部の設
定値を比較して前記射出制御部および型締制御部あるい
はタイマへ各々制御信号を発生させる第2の比較制御部
を有した構成にした。
段と射出圧力設定手段を備え、前記2つの設定手段に基
づいて射出充填を行う射出制御部と、前記射出充填によ
って樹脂の冷却固化収縮量に相当する型開量まで金型が
開くことを許容する型締力を設定する型締力設定手段
と、前記型締力設定手段に基づいて型締を行う型締制御
部を具備するとともに、射出機構の射出駆動力が急激に
上昇し始めた時、あるいは射出駆動部の移動が停止した
時に射出充填完了信号を発生させる射出充填完了検出部
と、前記射出充填完了検出部からの検出信号に基づいて
起動するタイマと、圧縮工程における保圧・冷却時間を
設定する時間設定部と、前記時間設定部の設定値と前記
タイマのタイムアウト信号を比較して前記射出制御部お
よび型締制御部へ各々制御信号を発生させる比較制御部
を有し、第7の発明では、金型の位置を検出する金型位
置検出部と、射出充填前の金型位置を基準点として設定
する基準点設定部を備えるとともに、圧縮工程において
前記金型位置検出部の検出信号と前記基準点設定部の設
定値を比較して前記射出制御部および型締制御部あるい
はタイマへ各々制御信号を発生させる第2の比較制御部
を有した構成にした。
【0010】
【作用】射出充填工程時は充填可能な圧力制御とするこ
とで充填初期には金型のキャビティ内の樹脂流動抵抗が
小さいため高速充填となり、充填後期には樹脂流動抵抗
が大きくなるため充填速度は自然減速されるため、樹脂
充填中は自動的に連続的な速度勾配を有し、かつパック
圧を生じない理想的な自然充填流れ(ナチュラルフロ
ー)となり得る。
とで充填初期には金型のキャビティ内の樹脂流動抵抗が
小さいため高速充填となり、充填後期には樹脂流動抵抗
が大きくなるため充填速度は自然減速されるため、樹脂
充填中は自動的に連続的な速度勾配を有し、かつパック
圧を生じない理想的な自然充填流れ(ナチュラルフロ
ー)となり得る。
【0011】また、樹脂の冷却固化収縮量を加えた樹脂
量を充填し、かつ冷却固化収縮量に相当する型開量まで
許容する型締力とすることで、射出充填完了時におい
て、金型へ樹脂はほぼ満充填(ジャストパック)の状態
であるため、金型内の樹脂流速の不連続に起因するフロ
ーマークなどの欠陥発生の影響を全く受けない。射出充
填中および圧縮工程切替時においても、金型に適正型締
力を付加させているため、成形中の成形条件の変動が生
じたとしても、型締力がばねのような弾性的な作用とし
て働くといった柔軟性を持つ。
量を充填し、かつ冷却固化収縮量に相当する型開量まで
許容する型締力とすることで、射出充填完了時におい
て、金型へ樹脂はほぼ満充填(ジャストパック)の状態
であるため、金型内の樹脂流速の不連続に起因するフロ
ーマークなどの欠陥発生の影響を全く受けない。射出充
填中および圧縮工程切替時においても、金型に適正型締
力を付加させているため、成形中の成形条件の変動が生
じたとしても、型締力がばねのような弾性的な作用とし
て働くといった柔軟性を持つ。
【0012】圧縮工程において、初期の型締力で保持す
ることで必要以上の型締力を樹脂に付加させないので、
樹脂の冷却固化収縮挙動に対応した圧縮作用となるた
め、残留歪や変形を極めて小さくできる。
ることで必要以上の型締力を樹脂に付加させないので、
樹脂の冷却固化収縮挙動に対応した圧縮作用となるた
め、残留歪や変形を極めて小さくできる。
【0013】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例の詳
細について説明する。
細について説明する。
【0014】図1は本発明に係る実施例の制御概念図、
図2は型締装置の平面図、図3はねじ噛合調整装置の断
面図、図4は半割ナットの動作状態を示す説明図、図5
は金型の型開量と型締圧力との関係を示す関係図、図6
は射出装置の射出充填開始から射出充填完了までの射出
充填工程および圧縮工程を含んだ射出圧縮成形の状態を
示す説明図、図7は本発明に類似したその他の実施例を
示す制御概念図をそれぞれ示す。
図2は型締装置の平面図、図3はねじ噛合調整装置の断
面図、図4は半割ナットの動作状態を示す説明図、図5
は金型の型開量と型締圧力との関係を示す関係図、図6
は射出装置の射出充填開始から射出充填完了までの射出
充填工程および圧縮工程を含んだ射出圧縮成形の状態を
示す説明図、図7は本発明に類似したその他の実施例を
示す制御概念図をそれぞれ示す。
【0015】本実施例における射出圧縮成形装置は型締
装置1、射出装置40および制御部60から構成されて
いる。まず、図2ないし図4を用いて型締装置を説明す
る。図2に示す型締装置1は移動シリンダ2、型締シリ
ンダ3、タイバ7、固定盤10、ねじ噛合調整装置1
1、可動盤20、ナットボックス21、半割ナット2
2、タイバ係止装置26、固定金型30a、可動金型3
0bおよび連結板50などから構成される。
装置1、射出装置40および制御部60から構成されて
いる。まず、図2ないし図4を用いて型締装置を説明す
る。図2に示す型締装置1は移動シリンダ2、型締シリ
ンダ3、タイバ7、固定盤10、ねじ噛合調整装置1
1、可動盤20、ナットボックス21、半割ナット2
2、タイバ係止装置26、固定金型30a、可動金型3
0bおよび連結板50などから構成される。
【0016】固定金型30aはマシンベース1aの一端
部上に固着された固定盤10へ取付けられており、一
方、マシンベース1aの他端部側上には前記固定盤10
と対向して可動金型30bが可動盤20へ取付けられて
いる。この固定金型30aと可動金型30bの対向面は
凹凸に係合した構成をなし前記固定金型30aと可動金
型30b間にキャビティ28を画成している。固定盤1
0の両側面部にそれぞれ固設された移動シリンダ2のピ
ストンロッド6の先端は可動盤20に取付けられ、固定
盤10に対してマシンベース1a上を摺動し進退するこ
とができる。符号4は内部ピストン、4aはピストンロ
ッド室側、4bはピストンヘッド室側をそれぞれ示す。
部上に固着された固定盤10へ取付けられており、一
方、マシンベース1aの他端部側上には前記固定盤10
と対向して可動金型30bが可動盤20へ取付けられて
いる。この固定金型30aと可動金型30bの対向面は
凹凸に係合した構成をなし前記固定金型30aと可動金
型30b間にキャビティ28を画成している。固定盤1
0の両側面部にそれぞれ固設された移動シリンダ2のピ
ストンロッド6の先端は可動盤20に取付けられ、固定
盤10に対してマシンベース1a上を摺動し進退するこ
とができる。符号4は内部ピストン、4aはピストンロ
ッド室側、4bはピストンヘッド室側をそれぞれ示す。
【0017】前記可動盤20を貫通するタイバ7は、全
長同一径に製作されたものが複数個(本発明では4個)
設けられており、その一端は型締シリンダ3の内部ピス
トン5に固着され、他端は連結板50と略直角方向に貫
通した後、ナットまたはエンドプレート51にて締付け
て固定されると同時に、タイバ7と連結板50とはキー
などを用いてタイバ7の廻り止め防止がされている。
長同一径に製作されたものが複数個(本発明では4個)
設けられており、その一端は型締シリンダ3の内部ピス
トン5に固着され、他端は連結板50と略直角方向に貫
通した後、ナットまたはエンドプレート51にて締付け
て固定されると同時に、タイバ7と連結板50とはキー
などを用いてタイバ7の廻り止め防止がされている。
【0018】型締シリンダ3内に前後摺動自在に内部ピ
ストン5を設けるとともに、内部ピストン5の外周に油
もれ防止用のパッキンを配設し、内部ピストン5のロッ
ド側にはタイバ7が固着され、ヘッド側にはラム53を
内部ピストン5の略中心上に固着して凸状に設けた。さ
らに、ラム53と係合したラムシリンダ52をラム53
が前後摺動自在に設けるとともに、ラム53外周の摺動
部にパッキンを配設してラム室5cからの油がピストン
ヘッド室側5bにもれないような構造になっている。符
号5aはピストンロッド室側を示す。
ストン5を設けるとともに、内部ピストン5の外周に油
もれ防止用のパッキンを配設し、内部ピストン5のロッ
ド側にはタイバ7が固着され、ヘッド側にはラム53を
内部ピストン5の略中心上に固着して凸状に設けた。さ
らに、ラム53と係合したラムシリンダ52をラム53
が前後摺動自在に設けるとともに、ラム53外周の摺動
部にパッキンを配設してラム室5cからの油がピストン
ヘッド室側5bにもれないような構造になっている。符
号5aはピストンロッド室側を示す。
【0019】ラム53の外径は、例えば、タイバ7の外
径の1/2以下、または内部ピストン5の外径の1/3
〜1/4以下とし、ラム53の長さは、型締時に内部ピ
ストン5のヘッド端両側がラムシリンダ52の端面に当
接する前に、ラム53の先端がラムシリンダ52の奥部
に当接するような構成になっている。
径の1/2以下、または内部ピストン5の外径の1/3
〜1/4以下とし、ラム53の長さは、型締時に内部ピ
ストン5のヘッド端両側がラムシリンダ52の端面に当
接する前に、ラム53の先端がラムシリンダ52の奥部
に当接するような構成になっている。
【0020】タイバ7の略中位部には、型閉動作時に可
動金型30bと固定金型30aが接触した時に後述する
半割ナット22と噛合して可動盤20をタイバ7に係止
するためのねじ部または溝部8が形成されている。可動
盤20に一端を固設され、他端を後で述べるねじ噛合調
整装置11の調整軸13のねじ部12と螺合するととも
に半割ナット22を内装している。ここで、ねじ噛合調
整装置11は、ねじ部12、調整軸13、押圧部材1
7、すべりキー18、スプロケット19および押え板2
5などから構成されている。
動金型30bと固定金型30aが接触した時に後述する
半割ナット22と噛合して可動盤20をタイバ7に係止
するためのねじ部または溝部8が形成されている。可動
盤20に一端を固設され、他端を後で述べるねじ噛合調
整装置11の調整軸13のねじ部12と螺合するととも
に半割ナット22を内装している。ここで、ねじ噛合調
整装置11は、ねじ部12、調整軸13、押圧部材1
7、すべりキー18、スプロケット19および押え板2
5などから構成されている。
【0021】つぎに、タイバ係止装置26を図3を用い
て説明する。タイバ係止装置26は、半割ナット開閉シ
リンダ14、ピストン15、ピストンロッド16、半割
ナット22、連結棒101、ストッパ102、103か
ら構成される。
て説明する。タイバ係止装置26は、半割ナット開閉シ
リンダ14、ピストン15、ピストンロッド16、半割
ナット22、連結棒101、ストッパ102、103か
ら構成される。
【0022】半割ナット22は可動盤20に隣接して設
けられ、タイバ7毎に上下に2分割された各1組の半割
ナット22を有しており、半割ナット22aの反噛合側
端面にピストンロッド16の一端が固着されている。さ
らにピストンロッド16の他端に半割ナット開閉シリン
ダ14に係合して上下に摺動するピストン15を配設
し、半割ナット開閉シリンダ14の下端部に調整板10
0が固着されている。半割ナット22aと22bの中を
通して連結した連結棒101がピストンロッド16の左
右に配してあり、連結棒101の一端は前記した調整板
100に固着され、また他端は半割ナット22bに固着
されている。
けられ、タイバ7毎に上下に2分割された各1組の半割
ナット22を有しており、半割ナット22aの反噛合側
端面にピストンロッド16の一端が固着されている。さ
らにピストンロッド16の他端に半割ナット開閉シリン
ダ14に係合して上下に摺動するピストン15を配設
し、半割ナット開閉シリンダ14の下端部に調整板10
0が固着されている。半割ナット22aと22bの中を
通して連結した連結棒101がピストンロッド16の左
右に配してあり、連結棒101の一端は前記した調整板
100に固着され、また他端は半割ナット22bに固着
されている。
【0023】そして、図4(a)に示すように、前記半
割ナット開閉シリンダ14のピストンロッド側室15b
に圧油を供給することにより、ピストン15を押上げる
とともに半割ナット開閉シリンダ14が下方に押下げら
れて、上下1組の半割ナット22aと22bがナットボ
ックス21を摺動しつつ移動して半割ナット22とタイ
バ7との噛合状態が解除され、それぞれストッパ10
2、103に当接することで停止することになってい
る。
割ナット開閉シリンダ14のピストンロッド側室15b
に圧油を供給することにより、ピストン15を押上げる
とともに半割ナット開閉シリンダ14が下方に押下げら
れて、上下1組の半割ナット22aと22bがナットボ
ックス21を摺動しつつ移動して半割ナット22とタイ
バ7との噛合状態が解除され、それぞれストッパ10
2、103に当接することで停止することになってい
る。
【0024】また、半割ナット22をタイバ7と噛合さ
せたい時は、図4(b)に示すように、前記半割ナット
開閉シリンダ14のピストンヘッド室側15aに圧油を
供給することにより、ピストン15を押下げるとともに
半割ナット開閉シリンダ14が上方に押上げられて、半
割ナット22a、22bがナットボックス21を摺動し
つつ移動して最後には接触し、タイバ7との噛合状態が
行われるような構成になっている。
せたい時は、図4(b)に示すように、前記半割ナット
開閉シリンダ14のピストンヘッド室側15aに圧油を
供給することにより、ピストン15を押下げるとともに
半割ナット開閉シリンダ14が上方に押上げられて、半
割ナット22a、22bがナットボックス21を摺動し
つつ移動して最後には接触し、タイバ7との噛合状態が
行われるような構成になっている。
【0025】さらに、前記した半割ナット22の左右1
80度方向では、半割ナット22の一端は、タイバ7を
挿通して配された調整軸13の端部に固設されたスプロ
ケット部19を廻すことにより、反スプロケット部19
側の調整軸13の端部が半割ナット22と常時当接して
摺動するようになっている。
80度方向では、半割ナット22の一端は、タイバ7を
挿通して配された調整軸13の端部に固設されたスプロ
ケット部19を廻すことにより、反スプロケット部19
側の調整軸13の端部が半割ナット22と常時当接して
摺動するようになっている。
【0026】また、半割ナット22の他端には、可動盤
20の反固定盤10側の一部に押圧部材17の挿入室を
2個1組の半割ナット22毎に数ヶ所設けて、たえず半
割ナット22をタイバ7の軸方向に押圧するようになっ
ており、前記した調整軸13が固定盤10側へ移動する
時は押圧部材17のスプリングは圧縮され、反固定盤1
0側へ移動する時は伸張されるように配されている。
20の反固定盤10側の一部に押圧部材17の挿入室を
2個1組の半割ナット22毎に数ヶ所設けて、たえず半
割ナット22をタイバ7の軸方向に押圧するようになっ
ており、前記した調整軸13が固定盤10側へ移動する
時は押圧部材17のスプリングは圧縮され、反固定盤1
0側へ移動する時は伸張されるように配されている。
【0027】調整軸13の反半割ナット22側の端部近
傍の外周部にはスプロケット部19を有し、すべりキー
18を用いて調整軸13と廻り止め防止がなされてい
る。スプロケット部19を図示しないチエーンで連結す
るとともに、チエーンに図示しないモータの出力軸と一
体のスプロケットを連結し、モータの回転によりチエー
ンを駆動して調整軸13をタイバ7の軸方向に前後移動
させることで、調整軸13と当接した半割ナット22を
タイバ7上のねじ部または溝部8と噛合させるように半
割ナット22の位置を調整可能に構成されている。
傍の外周部にはスプロケット部19を有し、すべりキー
18を用いて調整軸13と廻り止め防止がなされてい
る。スプロケット部19を図示しないチエーンで連結す
るとともに、チエーンに図示しないモータの出力軸と一
体のスプロケットを連結し、モータの回転によりチエー
ンを駆動して調整軸13をタイバ7の軸方向に前後移動
させることで、調整軸13と当接した半割ナット22を
タイバ7上のねじ部または溝部8と噛合させるように半
割ナット22の位置を調整可能に構成されている。
【0028】また、スプロケット部19の軸部の外周部
については、一端部をナットボックス21の端部と、さ
らに、他端部はスプロケット部19の脱落防止のために
一端をナットボックス21に固着された押え板25によ
って回動自在に支持されている。なお、符号24は挿通
孔を示す。
については、一端部をナットボックス21の端部と、さ
らに、他端部はスプロケット部19の脱落防止のために
一端をナットボックス21に固着された押え板25によ
って回動自在に支持されている。なお、符号24は挿通
孔を示す。
【0029】なお、本実施例では前述したような型締装
置を用いたのは次のような理由による。 型締機構がコンパクトとなり省スペース化が図れ
る。 小容量のラム室5cへの圧油供給量が小油量でよい
ため、射出圧縮成形の際の型開きおよび圧縮応答性が高
い。 複数(4つ)の型締シリンダ3へ供給する油圧調整
を行うことによって可動盤20の傾動補正(レベリング
制御)が可能である。
置を用いたのは次のような理由による。 型締機構がコンパクトとなり省スペース化が図れ
る。 小容量のラム室5cへの圧油供給量が小油量でよい
ため、射出圧縮成形の際の型開きおよび圧縮応答性が高
い。 複数(4つ)の型締シリンダ3へ供給する油圧調整
を行うことによって可動盤20の傾動補正(レベリング
制御)が可能である。
【0030】つぎに、射出装置40について述べる。本
実施例における射出装置40はバレル41内にスクリュ
42が配設され、ホッパ43内の樹脂原料が供給ゾー
ン、圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにお
いて溶融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル44
内へ射出されるように構成されている。
実施例における射出装置40はバレル41内にスクリュ
42が配設され、ホッパ43内の樹脂原料が供給ゾー
ン、圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにお
いて溶融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル44
内へ射出されるように構成されている。
【0031】そして、バレル41の外周面には樹脂原料
を外部加熱するためのヒータが設けられており、樹脂原
料がスクリュ42の回転によって前方へ送られるように
なっている。
を外部加熱するためのヒータが設けられており、樹脂原
料がスクリュ42の回転によって前方へ送られるように
なっている。
【0032】符号46は射出シリンダ、47は正逆転用
モータであってスクリュ42に直結されており、スクリ
ュ42を正逆回転するようになっている。
モータであってスクリュ42に直結されており、スクリ
ュ42を正逆回転するようになっている。
【0033】つぎに、制御部60について述べる。制御
部60は射出充填量設定手段61、射出圧力設定手段6
2、射出制御部63、油圧制御弁64、型締力設定手段
65、型締制御部66、油圧制御弁67、油圧供給源6
8a、68b、射出充填完了検出部69、タイマ70、
時間設定部71および比較制御部72から構成されてい
る。
部60は射出充填量設定手段61、射出圧力設定手段6
2、射出制御部63、油圧制御弁64、型締力設定手段
65、型締制御部66、油圧制御弁67、油圧供給源6
8a、68b、射出充填完了検出部69、タイマ70、
時間設定部71および比較制御部72から構成されてい
る。
【0034】射出充填量設定手段61と射出圧力設定手
段62が射出制御部63に接続され、射出制御部63は
射出シリンダ46の動作を制御する油圧制御弁64と正
逆転用モータ47の動作を制御する図示しない制御装置
および型締力設定手段65にそれぞれ接続されている。
段62が射出制御部63に接続され、射出制御部63は
射出シリンダ46の動作を制御する油圧制御弁64と正
逆転用モータ47の動作を制御する図示しない制御装置
および型締力設定手段65にそれぞれ接続されている。
【0035】型締力設定手段65は型締制御部66とも
接続され、型締制御部66は型締シリンダ3の動作を制
御する油圧制御弁67に接続されている。なお、68
a、68bは簡略化した油圧供給源である。
接続され、型締制御部66は型締シリンダ3の動作を制
御する油圧制御弁67に接続されている。なお、68
a、68bは簡略化した油圧供給源である。
【0036】射出シリンダ46に取付けてある圧力セン
サあるいは速度センサ(ともに図示しない)と射出充填
完了検出部69が接続されており、射出充填完了検出部
69はタイマ70へ接続される。時間設定部71とタイ
マ70は比較制御部72を介して接続され、比較制御部
72は型締制御部66および射出制御部63にそれぞれ
接続されている。
サあるいは速度センサ(ともに図示しない)と射出充填
完了検出部69が接続されており、射出充填完了検出部
69はタイマ70へ接続される。時間設定部71とタイ
マ70は比較制御部72を介して接続され、比較制御部
72は型締制御部66および射出制御部63にそれぞれ
接続されている。
【0037】以上のように構成された射出圧縮成形装置
の作用について述べる。
の作用について述べる。
【0038】まず、制御部60では固定金型30aと可
動金型30bで画成されるキャビティ28容積に樹脂物
性に係り算出される樹脂の冷却固化収縮量を加えた樹脂
量を計量値として射出充填量設定手段61で設定すると
ともに、キャビティ28内へ充填可能でバリを発生しな
い射出充填圧力範囲から射出効率の最もよい射出圧力条
件を射出圧力値として射出圧力設定手段62で設定す
る。
動金型30bで画成されるキャビティ28容積に樹脂物
性に係り算出される樹脂の冷却固化収縮量を加えた樹脂
量を計量値として射出充填量設定手段61で設定すると
ともに、キャビティ28内へ充填可能でバリを発生しな
い射出充填圧力範囲から射出効率の最もよい射出圧力条
件を射出圧力値として射出圧力設定手段62で設定す
る。
【0039】同時に、設定した計量値および射出圧力値
と、キャビティ28容積およびキャビティ投影面積から
射出充填完了時に樹脂の冷却固化収縮量に相当する型開
量まで可動金型30bが固定金型30aに対して離間す
ることを許容する型締力値を型締力設定手段65で設定
する。
と、キャビティ28容積およびキャビティ投影面積から
射出充填完了時に樹脂の冷却固化収縮量に相当する型開
量まで可動金型30bが固定金型30aに対して離間す
ることを許容する型締力値を型締力設定手段65で設定
する。
【0040】この場合、射出充填完了時に溶融樹脂がほ
ぼ満充填されている状態(ジャストパック)を適正型締
力値とするが、この状態を図5を用いて詳細に説明す
る。
ぼ満充填されている状態(ジャストパック)を適正型締
力値とするが、この状態を図5を用いて詳細に説明す
る。
【0041】図5は計量値および射出圧力値が一定条件
下で射出充填を行った際に型締圧力値を変化させた時の
固定金型30aに対する可動金型30bの離間量、すな
わち型開量との関係を示す。
下で射出充填を行った際に型締圧力値を変化させた時の
固定金型30aに対する可動金型30bの離間量、すな
わち型開量との関係を示す。
【0042】図5中ないしは実験によって得られた
データをグラフ化したものであり、このデータにより次
のような知見を得た。すなわち、 の場合は、250L×300W×50H×2t(投影
面積750cm2 )の箱物を成形品として得るものであ
り、キャビティ28面は比較的フラットで箱の側面に縦
リブが有るような、例えばパソコンケースや書類ケース
の成形をする場合を示す。
データをグラフ化したものであり、このデータにより次
のような知見を得た。すなわち、 の場合は、250L×300W×50H×2t(投影
面積750cm2 )の箱物を成形品として得るものであ
り、キャビティ28面は比較的フラットで箱の側面に縦
リブが有るような、例えばパソコンケースや書類ケース
の成形をする場合を示す。
【0043】の場合はキャビティ28面はフラットで
リブ構造でなく薄物などの極めて平面状の、例えばレン
ズやディスクなどのような成形品を成形する場合を示
す。
リブ構造でなく薄物などの極めて平面状の、例えばレン
ズやディスクなどのような成形品を成形する場合を示
す。
【0044】の場合は、キャビティ28面は複雑形状
をなし全体的に複雑形状、大物形状、厚肉形状の、例え
ばインパネやバンパーなどのような成形品を成形する場
合を示す。
をなし全体的に複雑形状、大物形状、厚肉形状の、例え
ばインパネやバンパーなどのような成形品を成形する場
合を示す。
【0045】前述したように図5中〜については、
型締圧力値を低圧から高圧へ増加させるにつれて型開量
は小さくなるとともに、を基準として左右に平行移動
した傾向を呈しており、型締圧力を増加する過程で突然
型開量の減少率が低下する変曲点(図5中のA、A′、
A″)が現れることが判明した。
型締圧力値を低圧から高圧へ増加させるにつれて型開量
は小さくなるとともに、を基準として左右に平行移動
した傾向を呈しており、型締圧力を増加する過程で突然
型開量の減少率が低下する変曲点(図5中のA、A′、
A″)が現れることが判明した。
【0046】このような実験結果をを代表して説明す
ると、変曲点Aよりも型締圧力値が小さいB領域では、
射出充填中の樹脂流動の運動エネルギによって可動金型
30bが固定金型30aより大きく離間するため、射出
充填完了時には充填した樹脂とキャビティ28間に大き
な隙間が生じる結果となった。
ると、変曲点Aよりも型締圧力値が小さいB領域では、
射出充填中の樹脂流動の運動エネルギによって可動金型
30bが固定金型30aより大きく離間するため、射出
充填完了時には充填した樹脂とキャビティ28間に大き
な隙間が生じる結果となった。
【0047】このような状態では、射出充填完了から圧
縮工程へ移行する際に樹脂の流動速度が不連続となり、
その結果フローマークなどの欠陥が発生する。このよう
な不良品を生ずるような原因を排除しようとすると射出
工程と圧縮工程を連動させるなどの極めて制御の難しい
成形法が要求される。
縮工程へ移行する際に樹脂の流動速度が不連続となり、
その結果フローマークなどの欠陥が発生する。このよう
な不良品を生ずるような原因を排除しようとすると射出
工程と圧縮工程を連動させるなどの極めて制御の難しい
成形法が要求される。
【0048】逆に、変曲点Aよりも型締圧力値が大きい
C領域では、射出充填中の樹脂流動の運動エネルギを可
動金型30bが固定金型30aに対して相対移動をする
ことなく吸収できるため、射出充填完了時には樹脂はキ
ャビティ28内へ満充填(ジャストパック)されてい
た。
C領域では、射出充填中の樹脂流動の運動エネルギを可
動金型30bが固定金型30aに対して相対移動をする
ことなく吸収できるため、射出充填完了時には樹脂はキ
ャビティ28内へ満充填(ジャストパック)されてい
た。
【0049】また、前述したC領域であれば圧縮工程へ
移行する際にも樹脂の再流動が生じないためフローマー
クなどの欠陥の発生はなく、射出工程と圧縮工程を連動
させながら制御することは不必要となる。
移行する際にも樹脂の再流動が生じないためフローマー
クなどの欠陥の発生はなく、射出工程と圧縮工程を連動
させながら制御することは不必要となる。
【0050】以上のような結果を踏まえて、本実施例で
はC領域に選定した。すなわち、C領域においても型締
圧力値が大きい領域は、結果的にはキャビティ28内の
樹脂圧力が高くなり、射出圧縮成形における利点の1つ
であるキャビティ28内の樹脂圧力の低圧化が達成され
なくなるので成形品の形状や樹脂の物性などから適正と
判断されるキャビティ28内の樹脂圧力の許容最大値か
ら型締圧力値の最大値(上限値)を規定し、下限値は変
曲点のA点に相当する型締圧力値との範囲、すなわちD
領域を適正な型締圧力値とした。
はC領域に選定した。すなわち、C領域においても型締
圧力値が大きい領域は、結果的にはキャビティ28内の
樹脂圧力が高くなり、射出圧縮成形における利点の1つ
であるキャビティ28内の樹脂圧力の低圧化が達成され
なくなるので成形品の形状や樹脂の物性などから適正と
判断されるキャビティ28内の樹脂圧力の許容最大値か
ら型締圧力値の最大値(上限値)を規定し、下限値は変
曲点のA点に相当する型締圧力値との範囲、すなわちD
領域を適正な型締圧力値とした。
【0051】なお、前述した適正型締圧力値の設定に際
しては、図5に示すように型開量で定義したが、成形後
の成形品の品質検査によりフローマークなどの欠陥発生
の有無を判定した上で変曲点Aを求めることも可能であ
る。
しては、図5に示すように型開量で定義したが、成形後
の成形品の品質検査によりフローマークなどの欠陥発生
の有無を判定した上で変曲点Aを求めることも可能であ
る。
【0052】以上述べたように初期設定を完了すると、
次は成形動作に入るのである。
次は成形動作に入るのである。
【0053】型閉に際して移動シリンダ2のピストンロ
ッド室側4aに圧油を供給することにより可動盤20お
よび可動盤20の側面に固着されたナットボックス21
やねじ噛合調整装置11などが固定盤10側へタイバ7
の軸線方向に一緒に移動する。まず、タイバ7の略中位
部に刻設されたねじ部または溝部8は可動盤20の挿通
孔24内へ円滑に挿入され、さらに可動盤20が前進す
ることにより、まず、可動金型30bと固定金型30a
の表面がゆっくり接触して係止し、これによって移動シ
リンダ2のピストンロッド室側4aへの圧油の供給は停
止される。
ッド室側4aに圧油を供給することにより可動盤20お
よび可動盤20の側面に固着されたナットボックス21
やねじ噛合調整装置11などが固定盤10側へタイバ7
の軸線方向に一緒に移動する。まず、タイバ7の略中位
部に刻設されたねじ部または溝部8は可動盤20の挿通
孔24内へ円滑に挿入され、さらに可動盤20が前進す
ることにより、まず、可動金型30bと固定金型30a
の表面がゆっくり接触して係止し、これによって移動シ
リンダ2のピストンロッド室側4aへの圧油の供給は停
止される。
【0054】つぎに、半割ナット22がタイバ7上のね
じ部または溝部8と噛合を開始する。まず、半割ナット
開閉シリンダ14内のピストンヘッド室側15aに図示
しない配管を通して圧油を供給すると、半割ナット22
はタイバ7に対して略直角方向に前進する。ここで、前
もって可動金型30bと固定金型30aが接触した場合
の両金型の金型厚み(ダイハイト)Hをスケールで測定
しておき、これをタイバ7上のねじ部または溝部8のピ
ッチPで除した(H/P)時、ここで、もし割切れて小
数点以下の端数が生じない時は、両金型が軽く接触した
状態で半割ナット開閉シリンダ14のピストンヘッド室
側15aに圧油を供給すれば、半割ナット22はタイバ
7上のねじ部または溝部8と完全に噛合することにな
る。
じ部または溝部8と噛合を開始する。まず、半割ナット
開閉シリンダ14内のピストンヘッド室側15aに図示
しない配管を通して圧油を供給すると、半割ナット22
はタイバ7に対して略直角方向に前進する。ここで、前
もって可動金型30bと固定金型30aが接触した場合
の両金型の金型厚み(ダイハイト)Hをスケールで測定
しておき、これをタイバ7上のねじ部または溝部8のピ
ッチPで除した(H/P)時、ここで、もし割切れて小
数点以下の端数が生じない時は、両金型が軽く接触した
状態で半割ナット開閉シリンダ14のピストンヘッド室
側15aに圧油を供給すれば、半割ナット22はタイバ
7上のねじ部または溝部8と完全に噛合することにな
る。
【0055】しかし、前記したこととは逆に、H/Pが
割切れずに小数点以下の端数が生じた時は、小数点以下
の端数にタイバ7上のねじ部または溝部8のピッチ(あ
るいは半割ナット22のねじのピッチP)を乗じた数値
が、半割ナット22とタイバ7上のねじ部または溝部8
を完全に噛合させるための移動距離Aとなる。
割切れずに小数点以下の端数が生じた時は、小数点以下
の端数にタイバ7上のねじ部または溝部8のピッチ(あ
るいは半割ナット22のねじのピッチP)を乗じた数値
が、半割ナット22とタイバ7上のねじ部または溝部8
を完全に噛合させるための移動距離Aとなる。
【0056】すなわち、両金型を軽く接触させた後は移
動距離Aに見合う分だけチエーンによって連結されたモ
ータを回転させることでスプロケット19を回転させて
調整軸13を前後進させる。ただし、モータの回転はパ
ルスで測定し、調整軸13の前後の移動距離に換算でき
るようになっている。こうして、タイバ7上のねじ部ま
たは溝部8に半割ナット22を完全に噛合させることが
可能となる。
動距離Aに見合う分だけチエーンによって連結されたモ
ータを回転させることでスプロケット19を回転させて
調整軸13を前後進させる。ただし、モータの回転はパ
ルスで測定し、調整軸13の前後の移動距離に換算でき
るようになっている。こうして、タイバ7上のねじ部ま
たは溝部8に半割ナット22を完全に噛合させることが
可能となる。
【0057】また、噛合が完了した時型締シリンダ3に
よる可動金型30bと固定金型30aの型締は開始可能
な状態に入っている。その後、型締制御部66の出力信
号に基づいて油圧制御弁67を駆動させて固定盤10に
固設された型締シリンダ3のピストンロッド室側5aへ
圧油を供給することにより固定金型30aと可動金型3
0b間の強力な型締を開始することができる。ここで固
定金型30aと可動金型30b間に付加される型締力は
先に設定した適正型締圧力値である。また、型締が完了
しているかどうかの確認はピストンロッド室側5aに配
設した圧力センサの検出値と設定値とを比較することに
よって行うことができる。
よる可動金型30bと固定金型30aの型締は開始可能
な状態に入っている。その後、型締制御部66の出力信
号に基づいて油圧制御弁67を駆動させて固定盤10に
固設された型締シリンダ3のピストンロッド室側5aへ
圧油を供給することにより固定金型30aと可動金型3
0b間の強力な型締を開始することができる。ここで固
定金型30aと可動金型30b間に付加される型締力は
先に設定した適正型締圧力値である。また、型締が完了
しているかどうかの確認はピストンロッド室側5aに配
設した圧力センサの検出値と設定値とを比較することに
よって行うことができる。
【0058】次に型締完了後、射出充填動作に入る。
【0059】射出制御部63の出力信号に基づいて油圧
制御弁64を作動させて射出シリンダ46のピストン4
8を前進させるが、この時の前進は先に設定した射出圧
力値に基づき圧力制御される。
制御弁64を作動させて射出シリンダ46のピストン4
8を前進させるが、この時の前進は先に設定した射出圧
力値に基づき圧力制御される。
【0060】すなわち、射出初期にはキャビティ28内
の流動抵抗が小さいので高速充填となり、射出後期には
キャビティ28内の流動抵抗の増加に伴い、充填速度は
自然減速し、その結果連続的な速度勾配を有し、かつパ
ック圧を発生しない理想的な自然充填流れ(ナチュラル
フロー)となる。
の流動抵抗が小さいので高速充填となり、射出後期には
キャビティ28内の流動抵抗の増加に伴い、充填速度は
自然減速し、その結果連続的な速度勾配を有し、かつパ
ック圧を発生しない理想的な自然充填流れ(ナチュラル
フロー)となる。
【0061】なお、次ショット分の計量動作は、射出装
置40側にて圧縮工程中と併行して行うことによりすで
に完了しており、射出制御部63の出力信号に基づいて
正逆転用モータ47を駆動しながら先に設定した計量値
分だけ溶融樹脂の計量を行うのである。
置40側にて圧縮工程中と併行して行うことによりすで
に完了しており、射出制御部63の出力信号に基づいて
正逆転用モータ47を駆動しながら先に設定した計量値
分だけ溶融樹脂の計量を行うのである。
【0062】さらに射出充填工程時には射出シリンダ4
6の圧力制御よりスクリュ42が前進限に至るまでのい
わゆるクッション量を残さない射切り状態、すなわち収
縮量を残さずに射出制御される。
6の圧力制御よりスクリュ42が前進限に至るまでのい
わゆるクッション量を残さない射切り状態、すなわち収
縮量を残さずに射出制御される。
【0063】こうすることにより、後述する射出充填完
了の確認のための検知が極めて容易かつ正確となる上に
計量および射出充填制御も簡単となる。
了の確認のための検知が極めて容易かつ正確となる上に
計量および射出充填制御も簡単となる。
【0064】また、射切り状態であってもノズル44内
およびキャビティ28までの通路中には溶融樹脂が設定
射出圧力値を有した状態で充満されているため逆流する
ことはない。
およびキャビティ28までの通路中には溶融樹脂が設定
射出圧力値を有した状態で充満されているため逆流する
ことはない。
【0065】なお、クッション量を残した射出充填も可
能であるが、この場合には射出側における保圧設定値を
充填完了後に可動金型30bが動かないようにする必要
がある。
能であるが、この場合には射出側における保圧設定値を
充填完了後に可動金型30bが動かないようにする必要
がある。
【0066】射出充填に対応して可動金型30bは固定
金型30aに対して離間する方向へ後退(型開き)す
る。射出充填完了時には型開量は最大となり、キャビテ
ィ28内へは溶融樹脂はほぼ満充填(ジャストパック)
状態であることと、型締圧力値が常に弾性力を付加した
ようないわゆるあたかもバネのように弾力的に作用して
いることから、射出工程から圧縮工程への切替に際して
もフローマークなどの欠陥発生の心配は皆無となるた
め、特別な切替タイミング制御は不要となる。
金型30aに対して離間する方向へ後退(型開き)す
る。射出充填完了時には型開量は最大となり、キャビテ
ィ28内へは溶融樹脂はほぼ満充填(ジャストパック)
状態であることと、型締圧力値が常に弾性力を付加した
ようないわゆるあたかもバネのように弾力的に作用して
いることから、射出工程から圧縮工程への切替に際して
もフローマークなどの欠陥発生の心配は皆無となるた
め、特別な切替タイミング制御は不要となる。
【0067】さらに、型締が弾力的に作用していること
で成形中に樹脂温度などの成形条件が変動しても変動を
吸収する働きとして作用するために品質のバラツキは皆
無となる。
で成形中に樹脂温度などの成形条件が変動しても変動を
吸収する働きとして作用するために品質のバラツキは皆
無となる。
【0068】つぎに射出充填完了後は型締機構側で圧縮
工程を行う。
工程を行う。
【0069】射出充填完了したかどうかの確認の検知
は、前述した射切り状態において射出シリンダ46内の
作動油圧値の変化、あるいはピストン48の前進動作の
変化により求まる。これらの状態を図6を用いて説明す
る。
は、前述した射切り状態において射出シリンダ46内の
作動油圧値の変化、あるいはピストン48の前進動作の
変化により求まる。これらの状態を図6を用いて説明す
る。
【0070】図6において、射出充填開始から射出完了
直前までは射出充填圧力が一定となるようにスクリュ4
2の前進動作と合せて射出シリンダ46内の作動油圧値
は一定に制御されている。
直前までは射出充填圧力が一定となるようにスクリュ4
2の前進動作と合せて射出シリンダ46内の作動油圧値
は一定に制御されている。
【0071】射出完了時、すなわちスクリュ42が前進
限に達するとスクリュ42の前進動作は停止するために
射出シリンダ46内の作動油圧値は一時的に急激に上昇
する。すなわち、射出シリンダ46内の作動油圧値を検
出することにより射出充填完了が正確に検知できる。し
かしながら、これに限定するものでなくスクリュ42の
前進動作あるいはピストン48の前進動作を停止した時
を射出充填完了として検知してもよい。さらに、前記の
ような射出充填完了を確認検知する方法を組合せて使う
ことも可能である。
限に達するとスクリュ42の前進動作は停止するために
射出シリンダ46内の作動油圧値は一時的に急激に上昇
する。すなわち、射出シリンダ46内の作動油圧値を検
出することにより射出充填完了が正確に検知できる。し
かしながら、これに限定するものでなくスクリュ42の
前進動作あるいはピストン48の前進動作を停止した時
を射出充填完了として検知してもよい。さらに、前記の
ような射出充填完了を確認検知する方法を組合せて使う
ことも可能である。
【0072】こうして射出充填完了検出部69で射出充
填完了を検知するとタイマ70が起動して圧縮工程を制
御するのである。
填完了を検知するとタイマ70が起動して圧縮工程を制
御するのである。
【0073】ここで、時間設定部71にあらかじめ保圧
冷却時間または計量開始時間を入力するのであるが、保
圧冷却時間を入力する場合には樹脂温度、金型冷却能力
および成形品形状などにより樹脂の冷却固化時間を算出
した後保圧冷却時間(圧縮完了時間)として設定する。
冷却時間または計量開始時間を入力するのであるが、保
圧冷却時間を入力する場合には樹脂温度、金型冷却能力
および成形品形状などにより樹脂の冷却固化時間を算出
した後保圧冷却時間(圧縮完了時間)として設定する。
【0074】また、計量開始時間を入力する場合は、ゲ
ートがシールされる時間を基準とするが、シャットオフ
バルブが組込まれている成形機においては、シャットオ
フバルブ閉動作完了時間を基準として設定するのであ
る。
ートがシールされる時間を基準とするが、シャットオフ
バルブが組込まれている成形機においては、シャットオ
フバルブ閉動作完了時間を基準として設定するのであ
る。
【0075】タイマ70のタイムアウト信号と時間設定
部71の設定値を比較制御部72で比較して各々の設定
値に達していることが判明すると射出制御部63には計
量開始信号を、また型締制御部66には圧縮完了信号を
出力して型開きに引続き製品取出しを行った後次の成形
動作に入る。
部71の設定値を比較制御部72で比較して各々の設定
値に達していることが判明すると射出制御部63には計
量開始信号を、また型締制御部66には圧縮完了信号を
出力して型開きに引続き製品取出しを行った後次の成形
動作に入る。
【0076】このようにして、圧縮工程においては、前
記適正型締圧力値を保持することによって樹脂の冷却固
化収縮挙動に対応した圧縮動作が実現でき、極めて低歪
の高品質な成形体を得ることができるのである。
記適正型締圧力値を保持することによって樹脂の冷却固
化収縮挙動に対応した圧縮動作が実現でき、極めて低歪
の高品質な成形体を得ることができるのである。
【0077】すなわち、型締側で圧縮を行う際の型締力
の最大値は、射出充填工程時に型開量を規定する初期設
定型締力であり、また圧縮工程中の型締力は初期型締力
と同程度で十分であるというテスト結果を得ている。
の最大値は、射出充填工程時に型開量を規定する初期設
定型締力であり、また圧縮工程中の型締力は初期型締力
と同程度で十分であるというテスト結果を得ている。
【0078】このため、圧縮工程においても引続き初期
型締力を保持することにより、樹脂に最も適切な圧縮作
用が得られるとともに、制御においても型締力の増圧の
タイミング制御や最適型締力の設定などの複雑な制御が
不要となる。
型締力を保持することにより、樹脂に最も適切な圧縮作
用が得られるとともに、制御においても型締力の増圧の
タイミング制御や最適型締力の設定などの複雑な制御が
不要となる。
【0079】さらに、型締力の増圧ライン不要によって
成形機の低コスト化が図れ、不必要な型締力の付加によ
る金型や成形機の故障が防止できるなど、メリットは極
めて大きい。
成形機の低コスト化が図れ、不必要な型締力の付加によ
る金型や成形機の故障が防止できるなど、メリットは極
めて大きい。
【0080】次に、図7を用いて本発明に係る実施例に
類似したその他の制御方法を説明する。なお、図1で述
べた同一のものは説明を省略し異なる部分を中心に説明
する。
類似したその他の制御方法を説明する。なお、図1で述
べた同一のものは説明を省略し異なる部分を中心に説明
する。
【0081】圧縮工程時における型締力の保持について
は可動金型30bの前後変動状態を検出して行うことも
可能である。
は可動金型30bの前後変動状態を検出して行うことも
可能である。
【0082】すなわち、本実施例では可動盤20に取付
けたエンコーダなどの変位検出器(図示略)からの検出
信号を受けて可動金型30bの現在位置を検出する金型
位置検出部74と、初期型締力で型締した射出充填工程
前の可動金型30bの位置を基準点として設定する基準
点設定部75と、金型位置検出部74からの出力信号と
基準点設定部75の設定値とを比較してタイマ70起動
信号を出力する比較制御部72を備えた制御部を有して
いる。なお、可動金型30bまたは型締シリンダ3に直
接変位検出器を取付けても同様な結果が得られる。
けたエンコーダなどの変位検出器(図示略)からの検出
信号を受けて可動金型30bの現在位置を検出する金型
位置検出部74と、初期型締力で型締した射出充填工程
前の可動金型30bの位置を基準点として設定する基準
点設定部75と、金型位置検出部74からの出力信号と
基準点設定部75の設定値とを比較してタイマ70起動
信号を出力する比較制御部72を備えた制御部を有して
いる。なお、可動金型30bまたは型締シリンダ3に直
接変位検出器を取付けても同様な結果が得られる。
【0083】つぎに、図7に基づいた射出圧縮成形装置
の作用について述べる。
の作用について述べる。
【0084】まず、金型位置検出部74によって射出充
填前の型締した状態下の可動金型30bの位置を検出し
た後、この検出値を基準点設定部75へ基準点として設
定する。
填前の型締した状態下の可動金型30bの位置を検出し
た後、この検出値を基準点設定部75へ基準点として設
定する。
【0085】なお、射出充填完了までの動作は、前述し
たように図1に基づいて説明した制御手順と同一である
ので、引続く圧縮工程について述べる。
たように図1に基づいて説明した制御手順と同一である
ので、引続く圧縮工程について述べる。
【0086】圧縮工程において、金型位置検出部74の
出力信号と基準点設定部75の設定値を比較制御部72
で比較し、可動金型30bが射出充填前と同じ状態に復
帰していることを確認後タイマ70を起動させるのであ
る。
出力信号と基準点設定部75の設定値を比較制御部72
で比較し、可動金型30bが射出充填前と同じ状態に復
帰していることを確認後タイマ70を起動させるのであ
る。
【0087】すなわち、射出充填完了時には樹脂の冷却
固化収縮量を加えた樹脂量がキャビティ28内に満充填
(ジャストパック)されており、さらに、圧縮工程時に
は樹脂の冷却固化収縮に対応した圧縮動作であることか
ら、可動金型30bが射出充填前と同じ位置へ復帰した
時点が樹脂の冷却固化が完了したことを示している。
固化収縮量を加えた樹脂量がキャビティ28内に満充填
(ジャストパック)されており、さらに、圧縮工程時に
は樹脂の冷却固化収縮に対応した圧縮動作であることか
ら、可動金型30bが射出充填前と同じ位置へ復帰した
時点が樹脂の冷却固化が完了したことを示している。
【0088】ここで、タイマ70の設定をゼロとする
と、直ちに型開きし製品取出し動作に入るのである。そ
して、製品取出後は、成形品が大気中の空気に触れて空
冷される間に変形などが予想される場合にはタイマ70
の設定値を大きくすることにより防止できる。
と、直ちに型開きし製品取出し動作に入るのである。そ
して、製品取出後は、成形品が大気中の空気に触れて空
冷される間に変形などが予想される場合にはタイマ70
の設定値を大きくすることにより防止できる。
【0089】なお、本実施例における型締装置1では、
可動盤20を前後動させるのに移動シリンダ2を用いた
後型締シリンダ3によって型締を行うようにしたが、こ
れに限定することなく、可動盤20の後方に型締シリン
ダ3を設けるか、電動式の型締機構にしてもよい。ま
た、型締装置1そのものを本実施例のように横型でなく
縦型にしても同様な効果が得られる。
可動盤20を前後動させるのに移動シリンダ2を用いた
後型締シリンダ3によって型締を行うようにしたが、こ
れに限定することなく、可動盤20の後方に型締シリン
ダ3を設けるか、電動式の型締機構にしてもよい。ま
た、型締装置1そのものを本実施例のように横型でなく
縦型にしても同様な効果が得られる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明においては 射出充填工程および圧縮工程は射出圧力と型締圧力
の圧力制御のみの簡単な制御方法でよいため、操作性は
極めて容易となる。さらに、圧力制御であるため、成形
中の圧力以外の成形条件の変動に影響されることなく高
品質な成形品を安定して供給することができる。 また、射出充填可能な射出圧力制御とすることで、
製品形状に応じた連続的な速度勾配を有し、パック圧の
発生のない、かつ短時間充填が可能な理想的な射出充填
制御が極めて簡単に自動設定できるため、制御の操作性
が極めて容易である。 射出充填完了時においても、溶融樹脂はジャストパ
ック状態であるため、樹脂流れの不連続に起因するフロ
ーマークなどの欠陥発生が皆無となり、その結果、射出
充填工程から圧縮工程切替に際しての極めて高度なタイ
ミング制御が不要となるため、さらに制御の操作性を簡
単とすることができる。 圧縮工程においても、樹脂の冷却固化収縮に対応し
た圧縮作用となるため、残留歪や変形を極めて小さくで
き、極めて高品質な成形品を得ることができる。 射出充填制御から保圧切替および保圧制御が不要と
なり、操作性が簡単となる上に、射出充填完了検知が簡
単かつ正確に検出できるため、制御システムが極めてシ
ンプルとなる。 射出充填完了から圧縮工程の切替に際しても、連続
的かつ流動的に型締側からの圧縮作用が付加されている
ことから、切替以降の圧縮工程および計量開始などの制
御は、タイマによる簡単な制御で可能となり、その結
果、制御システムは極めてシンプルかつ成形の制御操作
性は極めて容易である。 さらに、圧縮工程の型締力保持制御を金型位置が射
出充填前に復帰した時点を基準にして行うことで、より
樹脂の冷却固化収縮挙動が正確に把握できるので、適切
な冷却時間の設定によるさらなる成形サイクルの短縮化
および成形品の品質アップができる。
に、本発明においては 射出充填工程および圧縮工程は射出圧力と型締圧力
の圧力制御のみの簡単な制御方法でよいため、操作性は
極めて容易となる。さらに、圧力制御であるため、成形
中の圧力以外の成形条件の変動に影響されることなく高
品質な成形品を安定して供給することができる。 また、射出充填可能な射出圧力制御とすることで、
製品形状に応じた連続的な速度勾配を有し、パック圧の
発生のない、かつ短時間充填が可能な理想的な射出充填
制御が極めて簡単に自動設定できるため、制御の操作性
が極めて容易である。 射出充填完了時においても、溶融樹脂はジャストパ
ック状態であるため、樹脂流れの不連続に起因するフロ
ーマークなどの欠陥発生が皆無となり、その結果、射出
充填工程から圧縮工程切替に際しての極めて高度なタイ
ミング制御が不要となるため、さらに制御の操作性を簡
単とすることができる。 圧縮工程においても、樹脂の冷却固化収縮に対応し
た圧縮作用となるため、残留歪や変形を極めて小さくで
き、極めて高品質な成形品を得ることができる。 射出充填制御から保圧切替および保圧制御が不要と
なり、操作性が簡単となる上に、射出充填完了検知が簡
単かつ正確に検出できるため、制御システムが極めてシ
ンプルとなる。 射出充填完了から圧縮工程の切替に際しても、連続
的かつ流動的に型締側からの圧縮作用が付加されている
ことから、切替以降の圧縮工程および計量開始などの制
御は、タイマによる簡単な制御で可能となり、その結
果、制御システムは極めてシンプルかつ成形の制御操作
性は極めて容易である。 さらに、圧縮工程の型締力保持制御を金型位置が射
出充填前に復帰した時点を基準にして行うことで、より
樹脂の冷却固化収縮挙動が正確に把握できるので、適切
な冷却時間の設定によるさらなる成形サイクルの短縮化
および成形品の品質アップができる。
【図1】本発明に係る実施例の制御概念図である。
【図2】型締装置の平面図である。
【図3】ねじ噛合調整装置の断面図である。
【図4】半割ナットの動作状態を示す説明図である。
【図5】金型の型開量と型締圧力の関係を示す関係図で
ある。
ある。
【図6】射出装置の射出充填開始から射出充填完了まで
の射出充填工程および圧縮工程を含んだ射出圧縮成形の
状態を示す説明図である。
の射出充填工程および圧縮工程を含んだ射出圧縮成形の
状態を示す説明図である。
【図7】本発明に類似したその他の実施例を示す制御概
念図である。
念図である。
1 型締装置 2 移動シリンダ 3 型締シリンダ 4、5 内部ピストン 4a、5a ピストンロッド室側 4b、5b ピストンヘッド室側 5c ラム室 7 タイバ 8 ねじ部または溝部 10 固定盤 11 ねじ噛合調整装置 14 半割ナット開閉シリンダ 17 押圧部材 20 可動盤 22(22a、22b) 半割ナット 24 挿通孔 26 タイバ係止装置 28 キャビティ 30a 固定金型 30b 可動金型 40 射出装置 41 バレル 42 スクリュ 44 ノズル 46 射出シリンダ 47 正逆転用モータ 48 ピストン 50 連結板 51 エンドプレート 52 ラムシリンダ 53 ラム 60 制御部 61 射出充填量設定手段 62 射出圧力設定手段 63 射出制御部 64 油圧制御弁 65 型締力設定手段 66 型締制御部 67 油圧制御弁 68a、68b 油圧供給源 69 射出充填完了検出部 70 タイマ 71 時間設定部 72 比較制御部 74 金型位置検出部 75 基準点設定部 100 調整板 101 連結棒 102、103 ストッパ
Claims (7)
- 【請求項1】 射出充填工程時に射出機構側であらかじ
め樹脂の冷却固化収縮量を算出しておきこの収縮量を加
えた樹脂量を金型内に充填可能な射出圧力で射出圧力制
御を行うとともに、型締機構側では金型のキャビティ中
に充填された樹脂圧によって前記樹脂の冷却固化収縮量
に相当する型開量まで金型が開くことを許容する型締力
をあらかじめ金型に付加させておき、射出充填完了後も
引続き前記型締力を樹脂の冷却固化するまで保持するこ
とを特徴とする射出圧縮成形方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の射出圧力制御を射出充填
開始から射出充填完了までを充填可能な1次圧の圧力制
御で行い収縮量を残さずに充填することを特徴とする射
出圧縮成形方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の型締力の保持を射出充填
完了を示す射出機構の射出駆動力が急激に上昇し始めた
時に起動するタイマのタイムアウト信号に達した時まで
継続することを特徴とする射出圧縮成形方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の型締力の保持を射出充填
完了を示す射出機構の射出駆動部の移動が停止した時に
起動するタイマのタイムアウト信号に達した時まで継続
することを特徴とする射出圧縮成形方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の型締力の保持は樹脂を射
出充填する前の金型閉鎖位置に復帰した時に起動するタ
イマのタイムアウト信号に達した時まで継続することを
特徴とする射出圧縮成形方法。 - 【請求項6】 射出充填量設定手段と射出圧力設定手段
を備え、前記2つの設定手段に基づいて射出充填を行う
射出制御部と、前記射出充填によって樹脂の冷却固化収
縮量に相当する型開量まで金型が開くことを許容する型
締力を設定する型締力設定手段と、前記型締力設定手段
に基づいて型締を行う型締制御部を具備するとともに、
射出機構の射出駆動力が急激に上昇し始めた時、あるい
は射出駆動部の移動が停止した時に射出充填完了信号を
発生させる射出充填完了検出部と、前記射出充填完了検
出部からの検出信号に基づいて起動するタイマと、圧縮
工程における保圧・冷却時間を設定する時間設定部と、
前記時間設定部の設定値と前記タイマのタイムアウト信
号を比較して前記射出制御部および型締制御部へ各々制
御信号を発生させる比較制御部を有することを特徴とす
る射出圧縮成形装置。 - 【請求項7】 金型の位置を検出する金型位置検出部
と、射出充填前の金型位置を基準点として設定する基準
点設定部を備えるとともに、圧縮工程において前記金型
位置検出部の検出信号と前記基準点設定部の設定値を比
較して前記射出制御部および型締制御部あるいはタイマ
へ各々制御信号を発生させる第2の比較制御部を有する
ことを特徴とする射出圧縮成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32561294A JP3188908B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 射出圧縮成形方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32561294A JP3188908B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 射出圧縮成形方法および装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08174614A true JPH08174614A (ja) | 1996-07-09 |
JP3188908B2 JP3188908B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=18178815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32561294A Expired - Fee Related JP3188908B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 射出圧縮成形方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3188908B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022142715A (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-30 | 株式会社日本製鋼所 | 成形装置 |
US11780128B2 (en) | 2021-03-16 | 2023-10-10 | The Japan Steel Works, Ltd. | Molding machine |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP32561294A patent/JP3188908B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022142715A (ja) * | 2021-03-16 | 2022-09-30 | 株式会社日本製鋼所 | 成形装置 |
US11780128B2 (en) | 2021-03-16 | 2023-10-10 | The Japan Steel Works, Ltd. | Molding machine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3188908B2 (ja) | 2001-07-16 |
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