JPH0817040A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0817040A
JPH0817040A JP6148351A JP14835194A JPH0817040A JP H0817040 A JPH0817040 A JP H0817040A JP 6148351 A JP6148351 A JP 6148351A JP 14835194 A JP14835194 A JP 14835194A JP H0817040 A JPH0817040 A JP H0817040A
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JP
Japan
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magnetic
weight
layer
parts
thickness
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Pending
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JP6148351A
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English (en)
Inventor
Akira Ishikawa
彰 石川
Hidehiko Nakayama
英比古 中山
Kazutaka Yamashita
和孝 山下
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度記録が可能で、特に出力特性に優れた
磁気記録媒体の提供。 【構成】 磁性支持体1と、該磁性支持体1上に設けら
れた非磁性層2と、該非磁性層2上に設けられた磁性層
3とを具備しており、上記磁性層3の表面粗さRa(n
m単位)と、上記非磁性層2の厚さの変動δと上記磁性
層3の厚さtとの比(δ/t)との積Ra×(δ/t)
が2.8以下であることを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録が可能で、
特に、出力特性に優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、磁気記録媒体は、テープ、ディスク、ドラムあるい
はシート等の形態で汎用されている。このような磁気記
録媒体は、通常、ポリエステルフィルムのような非磁性
支持体上に、磁性粉及び結合剤を主成分とする磁性層用
塗料を塗布することにより製造されている。そして、特
に近年において磁気記録媒体に対しその小型化と共に記
録の高密度化が要求されるようになり、斯る要求に応え
るために、例えば、保磁力や飽和磁化を向上させる試み
や磁性層の厚さを薄くする提案がなされている。また、
上記の要求に加えて、高品質の磁気記録媒体の要求に応
えるために、特に出力特性に優れた磁気記録媒体が強く
望まれている。従って、本発明の目的は、高密度記録が
可能で、特に出力特性に優れた磁気記録媒体を提供する
ことである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、従来使用されてきた非磁性支持体に代えて磁
性支持体を用い、且つ上記磁性層の表面粗さRaと、上
記非磁性層の厚さの変動δと上記磁性層の厚さtとの比
(δ/t)との積Ra×(δ/t)が特定範囲にある磁
気記録媒体が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0004】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、磁性支持体と、少なくとも該磁性支持体上に設けら
れた非磁性層と、該非磁性層上に設けられた磁性層とを
具備する磁気記録媒体であって、上記磁性層の厚みが1
μm以下でありかつ上記磁性層の表面粗さRa(nm単
位)と、上記非磁性層の厚さの変動δと上記磁性層の厚
さtとの比(δ/t)との積Ra×(δ/t)が2.8
以下であることを特徴とする磁気記録媒体を提供するも
のである。
【0005】以下、本発明の磁気記録媒体について詳細
に説明する。本発明に係る磁気記録媒体は、図1に示す
ように、磁性支持体1と、磁性支持体1上に設けられた
非磁性層2と、非磁性層2上に設けられた磁性層3とを
具備しており、これに必要に応じて、磁性支持体1の裏
面にバックコート層4が設けられている。
【0006】上記磁性支持体1は、少なくとも、熱可塑
性樹脂からなるマトリックス成分と磁性粉からなるフィ
ラー成分とからなる磁性部分A(図2a〜e参照)を具
備するものである。
【0007】上記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレン
テレフタレート、ポリエチレンビスフェノキシカルボキ
シレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン類、セルロースアセテートブ
チレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセ
ルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
等のビニル系樹脂、或いはポリアミド、ポリイミド、ポ
リカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテル・エー
テルケトン、ポリウレタン等が用いられる。これらの樹
脂成分は、単独、若しくは併用して使用することもでき
る。
【0008】上記磁性粉体としては、金属磁性粉や酸化
物系の磁性粉体等の強磁性粉末を使用することができ
る。上記の酸化物系の磁性粉体の具体例としては、例え
ば下記のものが挙げられる。γ−酸化鉄、マグネタイト
等の酸化鉄系磁性粉;該酸化鉄系磁性粉にCr、Mn、
Co、Ni等の金属を添加した強磁性粉末;二酸化クロ
ム;該二酸化クロムにNa、K、Fe、Mn等の金属、
P等の非金属元素若しくはこれらの酸化物を添加した強
磁性粉末;微小平板状のバリウムフェライト;該バリウ
ムフェライトのFe原子の一部をTi、Co、Zn、V
等の原子で置換した強磁性粉末。また、上記金属磁性粉
の具体例としては、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−A
l、Fe−Ni−Al、Co−Ni、Fe−Co−N
i、Fe−Ni−Al−Zn、Fe−Al−Si等が挙
げられる。
【0009】更に、本発明においては、上記磁性粉体と
して、軟磁性粉末、又は磁性トナー等で用いられる残留
磁化の低い酸化鉄粉末(以下、「低残留磁化酸化鉄粉
末」という)等を用いてもよい。上記軟磁性粉末は、金
属、金属酸化物、合金、アモルファス合金等からなる高
透磁率で低保磁力の粉末として知られている磁性粉末で
ある。本発明においては、軟磁性粉末であればいかなる
ものでも用いることができるが、特に磁気ヘッドや電子
回路等のいわゆる弱電機器に用いられるものが好まし
く、例えば近角聡信著「強磁性体の物理(下)磁気特性
と応用」(裳華房,1984年)368〜376頁に記
載されているソフト磁性材料が使用できる。本発明にお
いて好ましく用いられる軟磁性粉末の具体例としては、
鉄−珪素合金、鉄−アルミニウム合金、鉄−ニッケル合
金、鉄−コバルト合金、鉄−コバルト−ニッケル合金、
ニッケル−コバルト合金、センダスト、マンガン−亜鉛
系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マグネシ
ウム−亜鉛系フェライト、マグネシウム−マンガン系フ
ェライト等が挙げられる。また、上記低残留磁化酸化鉄
粉末としては、残留磁化が10emu/g程度であり、
保磁力が150Oe以下のマグネタイト粉末等が挙げら
れる。
【0010】なお、本発明においては、上記強磁性粉
末、上記軟磁性粉末、上記低残留磁化酸化鉄粉末等の上
記磁性粉体の分散性等を向上させるために、該磁性粉体
に表面処理を施してもよい。上記表面処理は、「Charac
terization of Powder Surfaces 」;Academic Pressに
記載されている方法等と同様の方法により行うことがで
き、例えば上記磁性粉体の表面を無機質酸化物で被覆す
る方法が挙げられる。この際、用いることができる上記
無機質酸化物としては、Al2 3 、SiO2 、TiO
2 、ZrO2、SnO2 、Sb2 3 、ZnO等が挙げ
られ、使用に際しては、単独若しくは2種以上混合して
用いることができる。上記表面処理は、上記の方法以外
に、シランカップリング処理、チタンカップリング処理
及びアルミナカップリング処理等の有機処理により行う
こともできる。
【0011】上記磁性支持体1は、図2aのように磁性
部分Aのみの単一層で構成したものでもよく、また、図
2b〜eに示すように、磁性部分Aと非磁性部分Bの多
層構造であってもよい。即ち、上記磁性支持体1は、下
記a〜eの構成とすることができる。 a.図2aに示すように、磁性部分Aのみの単一層から
なる構成。 b.図2bに示すように、磁性部分Aの表面(磁気記録
媒体における上記磁性層3側に位置する面)に非磁性部
分Bが設けられてなる構成。 c.図2cに示すように、非磁性部分Bの表面に磁性部
分Aが設けられてなる構成。 d.図2dに示すように、磁性部分Aの表面及び裏面
に、それぞれ非磁性部分Bが設けられてなる構成。 e.図2eに示すように、非磁性部分Bの表面及び裏面
に、それぞれ磁性部分Aが設けられてなる構成。
【0012】ここで、図2a〜eに示す構成の磁性支持
体全体の好ましい厚さは、1〜300μmである。ま
た、図2b〜eに示す構成の磁性支持体における上記磁
性部分Aの厚みと上記非磁性部分Bとの厚みの比率は、
1:99〜99:1、好ましくは2:98〜98:2、
更に好ましくは5:95〜95:5であるのが望まし
い。
【0013】上記非磁性部分Bの形成材料は、非磁性材
料であれば特に制限されないが、上記磁性部分Aのマト
リックス成分として用いられる上記熱可塑性樹脂を好ま
しく使用することができ、該熱可塑性樹脂のみにより非
磁性部分Bを形成することもできるが、非磁性部分Bの
外表面の表面性及び走行性等を所定のものに制御する上
で、非磁性部分Bの形成材料としては、該形成材料に種
々のフィラーを添加したものを用いるのが好ましい。こ
の際に用いられるフィラーとしては、非磁性層の形成に
用いられる後述の非磁性粉体が挙げられるが、その粒径
は、好ましくは0.8μm以下、更に好ましくは0.0
2〜0.2μmのものであり、その含有量(配合量)
は、好ましくは非磁性部分中5重量%以下、更に好まし
くは0.01〜2重量%である。
【0014】上記磁性部分Aにおける上記熱可塑性樹脂
と上記磁性粉体との組成は、所望の保磁力、飽和磁化等
に応じて適宜変更できるが、図2a〜eに示す構成の磁
性支持体においては、熱可塑性樹脂100重量部に対し
て、磁性粉体0.1〜1000重量部、好ましくは0.
2〜100重量部、より好ましくは0.3〜80重量部
とするのが望ましい。
【0015】また、上記磁性支持体の他の構成として
は、図2fのように、非磁性の膜体上に磁性塗料を塗工
した形態としてもよい。この場合、非磁性部分は、非磁
性の膜体B’であり、磁性部分は上記磁性粉体を含む磁
性塗料により形成された磁性の膜体A’である。図2f
に示す上記膜体A’の構成においては、熱可塑性樹脂1
00重量部に対して、磁性粉体10〜1500重量部、
好ましくは200〜1200重量部、より好ましくは5
00〜1000重量部とするのが望ましい。
【0016】次に、上記磁性支持体の好ましい製造方法
について、図2aに示す構成の磁性支持体、及び図
2b〜eに示す構成の磁性支持体に分けて説明する 図2aに示す構成の磁性支持体の好ましい製造方法;
上記熱可塑性樹脂と上記磁性粉体とを充分に乾燥した
後、上記組成範囲にて混合し、押出機を用いて溶融混合
し、粒状体の混合物(磁性部分用原料混合物)を得、こ
れを溶融押出可能な成形機を用いて成形する方法。ま
た、上記磁性粉体の混合は上記熱可塑性樹脂の重合時に
反応モノマーを添加すると同時に混合するか、または熱
可塑性樹脂の重合途中に添加して混合してもよい。
【0017】図2b〜eに示す構成の磁性支持体の好
ましい製造方法;上記磁性部分用原料混合物と主として
上記熱可塑性樹脂からなる非磁性部分用原料とを、溶融
押出可能な成形機を用いて共押出して所望の構成に成形
する方法。尚、上記の「共押出し成形法」としては、上
記磁性部分用原料混合物と上記非磁性部分用原料とを同
時に押出成形して二層又は多層の磁性支持体を形成する
方法の他に、上記磁性部分用原料混合物及び上記非磁性
部分用原料のいずれかを先に押出成形してフィルム状物
を得た後、該フィルム状物上に更に上記磁性部分用原料
混合物及び(又は)上記非磁性部分用原料を押出成形し
て二層又は多層の磁性支持体を形成する方法がある。
【0018】また、上記図2fに示す構成の磁性支持体
は、下記の如き方法で製造することができる。上記非磁
性部分用原料のみを用いて押し出し成形する過程におい
て、その成形工程中のいずれかの段階で、上記磁性塗料
を塗布して上記の磁性の膜体(磁性部分)A’を形成
し、磁性支持体を製造する方法。ただし、この場合は、
上記図2fに示す構成における上記の磁性の膜体A’
は、該膜体A’上に設けられる非磁性層及び磁性層を形
成する際に用いられる溶剤により、膨潤又は溶解しない
ものが好ましい。
【0019】また、上記磁性支持体を製造する際には、
磁性部分A又は磁性の膜体A’を形成する際に、必要に
応じ、磁場配向処理及びカレンダー処理を施すこともで
きる。
【0020】また、本発明において用いられる上記磁性
支持体は、上記図2fに示す構成の磁性支持体を上記の
方法等により製造した後、更に、該図2fに示す構成の
磁性支持体における磁性の膜体A’等の上に、上記非磁
性部分用原料等を押し出して非磁性部分B等を成形する
ことにより製造されるものでもよい。
【0021】上記磁性支持体上に設けられる上記非磁性
層は、上記磁性支持体上に非磁性塗料を塗布して形成さ
れる層である。上記非磁性層を形成する際に用いられる
上記非磁性塗料は、非磁性粉体とバインダと溶剤とから
なる塗料、又は上記バインダと上記溶剤とからなる塗料
が好ましく用いられる。上記非磁性粉体としては、非磁
性であれば特に制限されないが、カーボンブラック、グ
ラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭
酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、二硫化タングステン、二硫
化モリブデン、窒化ホウ素、二酸化錫、二酸化珪素、非
磁性の酸化クロム、アルミナ、炭化珪素、酸化セリウ
ム、コランダム、人造ダイヤモンド、非磁性の酸化鉄、
ザクロ石、ガーネット、ケイ石、窒化珪素、炭化モリブ
デン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、ケ
イソウ土、ドロマイト、樹脂性の粉末等が挙げられ、中
でも、カーボンブラック、酸化チタン、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、アルミナ、非磁性の酸化鉄等が好まし
く用いられる。また、上記非磁性粉体には、該非磁性粉
体の分散性等を向上させるために、該非磁性粉体に上述
の表面処理を施してもよい。
【0022】また、非磁性層に非磁性粉体を含有せしめ
る場合、該非磁性粉体の粒径は、好ましくは0.001
〜3μm、更に好ましくは0.005〜1μm、最も好
ましくは0.005〜0.5μmである。また、上記非
磁性粉体は、上記非磁性塗料を塗布して形成される上記
非磁性層中に、好ましくは5〜99重量%、更に好まし
くは30〜95重量%、最も好ましくは50〜95重量
%含有されるように、上記非磁性塗料中に配合するのが
望ましい。
【0023】また、上記バインダとしては、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂、及び反応型樹脂等が挙げられ、使用
に際しては単独又は混合物として用いることができる。
上記バインダとしては、具体的には、塩化ビニル系の樹
脂、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、
エポキシ樹脂等が挙げられ、その他にも、特開昭57−
162128号公報の第2頁右上欄19行〜第2頁右下
欄19行等に記載されている樹脂等が挙げられる。さら
に、上記バインダは、分散性等の向上のために極性基を
含有してもよい。上記バインダの使用量は、上記非磁性
粉体100重量部に対して約5〜100重量部とするの
が好ましく、10〜30重量部とするのが特に好まし
い。
【0024】上記溶剤としては、ケトン系の溶剤、エス
テル系の溶剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素液の
溶剤、及び塩素化炭化水素系の溶剤等が挙げられ、具体
的には、特開昭57−162128号公報の第3頁右下
欄17行〜第4頁左下欄10行等に記載されている溶剤
を用いることができる。
【0025】また、上記非磁性塗料には、分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、防黴剤、及び硬化剤
等の通常磁気記録媒体に用いられている添加剤を、必要
に応じて添加することができる。上記添加剤としては、
具体的には、特開昭57−162128号公報の第2頁
左上欄6行〜第2頁右上欄10行及び第3頁左上欄6行
〜第3頁右上欄18行等に記載されている種々の添加剤
を挙げることができる。
【0026】上記非磁性塗料を調製するには、例えば、
上記非磁性粉体及び上記バインダを溶剤の一部と共にナ
ウターミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、得
られた混合物を連続式加圧ニーダー等により混練し、次
いで、それを溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用い
て分散処理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過
し、更に残りの溶剤を混合する方法を挙げることができ
る。この際の溶剤の好ましい使用量は、通常、上記非磁
性粉体及び上記バインダ等の溶剤以外の成分100重量
部に対して50〜300重量部である。
【0027】上記非磁性層上に設けられる上記磁性層
は、上記非磁性層上に磁性塗料を塗布して形成される層
である。上記磁性層を形成する際に用いられる上記磁性
塗料は、磁性粉体とバインダと溶剤とを主成分とする塗
料が好ましく用いられる。上記磁性粉体としては、強磁
性酸化鉄、強磁性二酸化クロム、及び強磁性金属粉末等
が挙げられる。
【0028】上記強磁性酸化鉄は、FeOx(1.33
≦x≦1.5)にCr、Mn、Co、Ni等の金属を添
加したものを用いることができる。また、上記強磁性二
酸化クロムは、CrO2 又は該CrO2 にNa、K、F
e、Mn等の金属若しくは該金属の酸化物、P等の非金
属元素を添加したものを用いることができる。上記強磁
性金属粉末は、金属分が75重量%以上であり、金属分
の80重量%以上が少なくとも一種の強磁性金属(例え
ば、Fe,Co,Ni等)である強磁性金属粉末が挙げ
られる。該強磁性金属粉末の具体例としては、例えば、
Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Al、Fe−Ni−A
l、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Ni−Al
−Zn、Fe−Al−Si等が挙げられる。
【0029】また、上記磁性粉体には、必要に応じて、
稀土類元素や遷移金属元素を含有せしめることもでき
る。また、上記磁性粉体としては、微小平板上のバリウ
ムフェライト及びそのFe原子の一部がTi、Co、Z
n、V等の原子で置換された磁性粉等も用いることがで
きる。なお、上記磁性粉体は、該磁性粉体の分散性等を
向上させるために上述の表面処理を施してもよい。
【0030】磁性塗料に用いられる上記バインダ及び上
記溶剤は、上記非磁性塗料に用いられる上記バインダ及
び上記溶剤と同様のものを用いることができる。また、
上記バインダの使用量は、上記磁性粉体100重量部に
対して約5〜100重量部とするのが好ましく、10〜
30重量部とするのが特に好ましい。また、上記磁性塗
料には、上記非磁性塗料に用いられる上記添加剤を添加
することもできる。
【0031】上記磁性塗料を調製するには、例えば、上
記磁性粉体及び上記バインダを溶剤の一部と共にナウタ
ーミキサー等に投入し予備混合して混合物を得、得られ
た混合物を連続式加圧ニーダー等により混練し、次い
で、溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を用いて分散処
理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過し、更に
ポリイソシアネート等の硬化剤や残りの溶剤を混合する
方法等を挙げることができる。この際の溶剤の使用量
は、通常、上記磁性粉体及び上記バインダ等の溶剤以外
の成分100重量部に対して100〜400重量部であ
る。
【0032】本発明に係る磁気記録媒体において、上記
非磁性層の乾燥厚さは、好ましくは0.5〜4μm、更
に好ましくは0.5〜3.5μm、最も好ましくは0.
5〜3μmである。また、上記磁性層の厚さtは、好ま
しくは1μm以下、更に好ましくは0.05〜1μm、
最も好ましくは0.1〜0.8μmである。上記磁性層
の厚さが1μmを超えると、厚み損失により出力が低下
するからである。
【0033】さらに、上記磁性層の表面粗さRa(nm
単位)と、上記非磁性層の厚さの変動δと上記磁性層の
厚さtの比(δ/t)との積Ra×(δ/t)は、好ま
しくは2.8以下、更に好ましくは2.2以下(実施上
の下限は0.1以上)である(図3参照)。上記Ra×
(δ/t)が2.8を超えると、記録ヘッドの磁界が充
分に到達しないか、あるいは再生時に媒体からの磁場を
充分に読み取れないといった支障を来たし、出力が低下
するからである。また、上記非磁性層の厚さの変動δ
は、好ましくは0.04〜0.25μm、更に好ましく
は0.04〜0.2μmであり、上記非磁性層の厚さの
変動δと上記磁性層の厚さtの比(δ/t)は、好まし
くは0.4以下、更に好ましくは0.36以下(実施上
の下限は0.02以上)で、かつ上記表面粗さRaは、
好ましくは7nm以下、更に好ましくは1〜6nmであ
る(図3参照)。上記非磁性層2の厚さの変動δと上記
磁性層3の厚さtの比(δ/t)が0.4を超えると、
ヘッドの接触が不均一になり、出力が低下し、また、上
記表面粗さRaが7nmを超えると、いわゆるスペース
ロスが増大するからである。
【0034】ここで、上記非磁性層の厚さの変動δは、
上記非磁性層の厚さ方向における凸部の厚さと凹部の厚
さの差の平均であり、上記磁性層の厚さtも平均値であ
る。また、表面粗さRaは、下記式で定義される磁性層
表面(表面の凹凸曲線)の中心線からの偏差の算術平均
である。尚、yiはサンプリング長さをNで分割した際
のi番目の中心線からの偏差の絶対値である。
【0035】
【数1】
【0036】尚、上記非磁性層の厚さの変動δ、上記磁
性層の厚さt、及び上記表面粗さRaの測定方法につい
ては、実施例において詳述する。
【0037】本発明に係る磁気記録媒体は、主に、8m
mビデオテープやDATテープ等の磁気テープとして好
適であるが、フロッピーディスク等の他の記録媒体とし
ても用いることができる。
【0038】次に、本発明の磁気記録媒体を製造する方
法の概略を述べる。まず、上記磁性支持体上に上記非磁
性塗料と上記磁性塗料とを非磁性層及び磁性層の乾燥厚
みがそれぞれ前記の厚みとなるようにウエット・オン・
ウエット方式により同時重層塗布を行い、非磁性層及び
磁性層の塗膜を形成する。次いで、該塗膜に対して、磁
場配向処理を行った後、乾燥処理を行い巻き取る。この
後、必要に応じてカレンダー処理を行った後、更に必要
に応じてバックコート層を形成する。次いで、必要に応
じて、例えば、磁気テープを得る場合には、40〜70
℃下にて、6〜72時間エージング処理し、所望の幅に
スリットする。
【0039】上記同時重層塗布方法は、特開平5−73
883号公報の第42欄31行〜第43欄31行等に記
載されており、上記非磁性層を形成する上記非磁性塗料
が乾燥する前に上記磁性層を形成する上記磁性塗料を塗
布する方法であって、上記非磁性層と上記磁性層との境
界面が滑らかになると共に磁性層の表面性も良好になる
ため、ドロップアウトが少なく、高密度記録に対応でき
且つ塗膜(磁性層及び非磁性層)の耐久性にも優れた磁
気記録媒体が得られる。
【0040】また、上記磁場配向処理は、上記磁性塗料
が乾燥する前に行われ、例えば、本発明の磁気記録媒体
が磁気テープの場合には、上記磁性塗料の塗布面に対し
て平行方向に約500Oe以上、好ましくは約1000
〜10000Oeの磁界を印加する方法や、磁性塗料が
湿潤状態のうちに1000〜10000Oeのソレノイ
ド等の中を通過させる方法等により行うことができる。
【0041】上記乾燥処理は、例えば、30〜120℃
に加熱された気体の供給により行うことができ、この
際、気体の温度とその供給量を制御することにより塗膜
の乾燥程度を制御することができる。
【0042】また、上記カレンダー処理は、メタルロー
ル及びコットンロール若しくは合成樹脂ロール、メタル
ロール及びメタルロール等の2本のロールの間を通すス
ーパーカレンダー法等により行うことができる。また、
上記カレンダー処理の条件は、60〜140℃、100
〜500kg/cmとすることができる。
【0043】また、必要に応じて設けられる上記バック
コート層は、上記磁性支持体の裏面(上記非磁性層及び
上記磁性層を設けていない側の面)に設けられるもので
あり、通常バックコート層の形成に用いられているバッ
クコート塗料を上記磁性支持体上に塗布することにより
得られるものである。上記バックコート塗料は、上記非
磁性塗料において詳述した上記非磁性粉体、バインダ
ー、分散剤、潤滑剤、硬化剤及び溶剤等を適宜選択して
混合することにより得られるものである。上記バックコ
ート塗料は、通常公知のバックコート塗料の製造方法に
より調製することができる。
【0044】尚、本発明の磁気記録媒体の製造に際して
は、必要に応じ、磁性層表面の研磨やクリーニング工程
等の仕上げ工程を施すこともできる。また、上記非磁性
塗料及び上記磁性塗料の塗布は、通常公知の逐次重層塗
布方法により行うこともできる。
【0045】本発明に係る磁気記録媒体は、従来用いら
れていた非磁性支持体に代えて、上記磁性支持体を用
い、上記磁性層の厚さが1μm以下であり、且つ上記R
a×(δ/t)が2.8以下のものであれば何ら制限さ
れないが、上記Ra×(δ/t)を2.8以下とするた
めの一般的な手段としては、例えば、ウェット・オン・
ウェット方式を用い、非磁性層、磁性層の塗料の粘性、
界面張力を出来る限り近似させ、磁性層、非磁性層間の
凝集及び対流による界面の乱れを防止させ塗布する方法
等がある。
【0046】
【実施例】次に、本発明に係る磁気記録媒体を以下に示
す実施例により更に具体的に説明する。なお、本発明は
本実施例に限定されるものではない。
【0047】<実施例1> 〔磁性支持体の製造〕 (磁性支持体aの製造)固有粘度0.60のポリエチレ
ンテレフタレートの粒状体とバリウムフェライト磁性粉
末とを、該磁性粉末が10wt%となるように調整し、
押出機を用いて溶融混合し、粒状体の混合物を得、充分
に乾燥させた。そして、上記混合物を溶融押出可能な口
金を備えた二軸延伸製膜機を用い、吐出量(厚さ)を調
整して製膜してフィルムを得た。得られたフィルムは、
長手方向に3.3倍、幅方向に3.3倍延伸し、次い
で、熱処理を行い、図2(a)に示す構成の厚さ10μ
mの磁性支持体aを得た。
【0048】(磁性支持体bの製造)固有粘度0.60
のポリエチレンテレフタレートの粒状体と針状のγ−F
23 磁性粉末とを該磁性粉末が15wt%となるよ
うに調整し、押出機を用いて溶融混合し、粒状体の混合
物を得た。そして、上記混合物を磁性材を有しないポリ
エチレンテレフタレートの粒状体とを供給して共押を行
い、二重層のフィルムを得た。得られたフィルムは、長
手方向に3.3倍、幅方向に3.3倍延伸し、次いで、
熱処理を行い、図2(b)に示す構成の、磁性支持体全
厚さ10μm(磁性部分厚さ3μm)の磁性支持体bを
得た。
【0049】(磁性支持体dの製造)固有粘度0.60
のポリエチレンテレフタレートの粒状体と針状のγ−F
23 磁性粉末とを該磁性粉末が15wt%となるよ
うに調整し、押出機を用いて溶融混合し、粒状体の混合
物を得た。そして、上記混合物を磁性材を有しないポリ
エチレンテレフタレートの粒状体とを供給して共押を行
い、非磁性部分の両面に磁性部分を有する三重のフィル
ムを得た。得られたフィルムは、延伸した後、カレンダ
ー処理を行い、その後長手方向に3.3倍、幅方向に
3.3倍延伸し、次いで、熱処理を行い、図2dに示す
構成の、磁性支持体全厚さ10μm(非磁性部分厚さ4
μm、磁性部分厚さ2μm、非磁性部分厚さ4μm)の
磁性支持体dを得た。
【0050】〔非磁性支持体の製造〕ポリエチレンテレ
フタレートのみとした以外は、上記磁性支持体aと同様
に厚さ10μmのフィルムを得、これを非磁性支持体と
した。
【0051】〔磁性塗料、非磁性塗料及びバックコート
層用塗料の調製〕それぞれ、下記の各塗料の配合のう
ち、ポリイソシアネート、脂肪酸、脂肪酸エステルを除
く成分を溶剤の一部と共にナウターミキサーに投入し予
備混合して混合物を得、得られた混合物を連続式加圧ニ
ーダーにより混練した。次いで、それぞれ、溶剤の一部
で希釈し、サンドミルにて分散処理した後、脂肪酸およ
び脂肪酸エステルを混合して、濾過し、更に残りの溶剤
(及びポリイソシアネート)を混合して、磁性塗料、非
磁性塗料及びバックコート層用塗料を得た。
【0052】 (磁性塗料の配合) 鉄を主体とする針状金属磁性粉(Fe:Al:Ca:Si:Ni:Co=85 :2:1:1:3:8、保磁力1860Oe、飽和磁化137emu/g、平均 長軸長0.1μm、比表面積61m2/g、X線粒径138オングストローム、軸 比8、水分0.9%) 100重量部 アルミナ(平均粒径0.3μm、比表面積11m2/g) 9重量部 カーボンブラック(平均一次粒径20nm) 3重量部 スルホン酸基及びエポキシ基含有塩化ビニル系樹脂(スルホン酸基含有量1. 5×10-4eq/g、エポキシ基含有量6×10-4eq/g、平均重合度250 ) 9重量部 スルホン酸基含有ポリウレタン(GPC数平均分子量25000、GPC重量 平均分子量49000、スルホン酸含有量1.9×10-4eq/g)7重量部 ステアリン酸 1.5重量部 2−エチルヘキシルオレート 2重量部 ポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製 商品名「コロネートL 」〕 4重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 50重量部 シクロヘキサノン 100重量部
【0053】 〔非磁性塗料イの配合〕 TiO2 (ルチル型、表面をAl2 3 処理、平均粒径0.03μm、比表 面積43m2/g、pH7.5) 100重量部 カーボンブラック(平均一次粒径0.02μm、比表面積220m2/g、D BP吸油量115g/100g、pH2.5) 8重量部 アルミナ(平均粒径0.3μm、比表面積11m2/g) 3重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(平均重合度350、 −N(CH3 3 + Cl- を5×10-6eq/g含有) 8重量部 スルホン酸基含有ポリウレタン(GPC数平均分子量25000、GPC重量 平均分子量49000、スルホン酸基含有量1.9×10-4eq/g) 6重量部 ポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製 商品名「コロネートH X」〕 3重量部 オレイルオレート 1重量部 ミリスチン酸 1重量部 メチルエチルケトン 80重量部 トルエン 40重量部 シクロヘキサノン 120重量部
【0054】 〔非磁性塗料ロの配合〕 針状α−Fe2 3 (平均長軸長0.07μm、軸比6、表面をAl2 3 処理) 100重量部 カーボンブラック(平均一次粒径0.023μm、比表面積125m2/g、 DBP吸油量56g/100g、pH2.5) 8重量部 アルミナ(平均粒径0.2μm、比表面積14m2/g) 3重量部 スルホン酸基及びエポキシ基含有塩化ビニル系樹脂(スルホン酸基含有量1. 5×10-4eq/g、エポキシ基含有量6×10-4eq/g、平均重合度250 ) 8重量部 スルホン酸基含有ポリウレタン(GPC数平均分子量25000、GPC重量 平均分子量49000、スルホン酸基含有量1.9×10-4eq/g) 6重量部 ポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製 商品名「コロネートH X」〕 3重量部 オレイルオレート 1重量部 ミリスチン酸 1重量部 メチルエチルケトン 80重量部 トルエン 40重量部 シクロヘキサノン 120重量部
【0055】 〔非磁性塗料ハの配合〕 針状α−Fe2 3 (平均長軸長0.07μm、軸比6、表面をAl2 3 処 理) 100重量部 カーボンブラック(平均一次粒径0.023μm、比表面積125m2/g、D BP吸油量56g/100g、pH2.5) 2重量部 アルミナ(平均粒径0.2μm、比表面積14m2/g) 3重量部 スルホン酸基及びエポキシ基含有塩化ビニル系樹脂(スルホン酸基含有量1. 5×10-4eq/g、エポキシ基含有量6×10-4eq/g、平均重合度250 ) 10重量部 スルホン酸基含有ポリウレタン(GPC数平均分子量25000、GPC重量 平均分子量49000、スルホン酸基含有量1.9×10-4eq/g) 7重量部 ポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製 商品名「コロネートH X」〕 3重量部 オレイルオレート 1重量部 ミリスチン酸 1重量部 メチルエチルケトン 80重量部 トルエン 40重量部 シクロヘキサノン 120重量部
【0056】 〔バックコート層用塗料の配合〕 カーボンブラック(平均一次粒径0.028μm、比表面積65m2/g、DB P吸油量53g/100g、pH2.5) 32重量部 カーボンブラック(平均一次粒径0.062μm、比表面積35m2/g、DB P吸油量62g/100g、pH8.0) 8重量部 日本ポリウレタン(株)社製 商品名「ニッポラン2301」 20重量部 ニトロセルロース(Hercules Powder Co.製の粘度表示1 /2秒のもの) 20重量部 ポリイソシアネート〔武田薬品工業(株)製 商品名「D−250N」〕 4重量部 銅フタロシアニン 5重量部 ステアリン酸 1重量部 メチルエチルケトン 120重量部 トルエン 120重量部 シクロヘキサノン 120重量部
【0057】〔磁気記録媒体の製造〕上記磁性支持体d
の一面上に上記非磁性塗料を乾燥厚み1.2μmとなる
ように、かつ上記磁性塗料が乾燥厚みが表1に示す値と
なるように、ウエット・オン・ウエット方式により同時
重層塗布を行い、非磁性層及び磁性層の塗膜を形成し
た。次いで、塗膜が湿潤状態のうちに5000Oeのソ
レノイド中を通過させて磁場配向処理を行い、80℃に
て乾燥処理を行った後巻き取った。次いで、85℃、3
50kg/cmの条件でカレンダー処理を行い、非磁性
層及び磁性層を構成した後、上記磁性支持体dの裏面上
にバックコート層用塗料を乾燥厚さが0.5μmになる
よう塗布し、90℃にて乾燥処理を行った後、巻き取っ
た。その後、50℃下にて、16時間エージング処理
し、3.81mm幅にスリットして、3.81mm幅の磁気
テープを得た。得られた磁気テープについて、下記測定
方法に従って、磁性層厚さt、非磁性層の厚み変動δ、
磁性層表面粗さRa及び出力(4.7MHz)を、それ
ぞれ測定した。その結果を〔表1〕に示す。
【0058】〔測定方法〕 ◎磁性層の厚さt 磁性層の厚さtは、以下の手法により測定した。先ず、
得られた磁気テープを長手方向にわたってダイアモンド
カッターで約0.1μmの厚みに切り出し、透過型電子
顕微鏡で倍率10000〜100000倍、好ましくは
20000〜50000倍で観察し、その写真撮影を行
った後、市販の印画紙に焼き付けた。そして、上記磁性
層及び非磁性層内の磁性粉末や非磁性粉末の形状の差に
注目して界面を上記写真上で目視判断し、界面に黒で縁
取り線を引いた。また、上記磁性層表面も縁取り線を引
き、その後これら縁取り線間の距離を画像処理装置にて
測定した。上記縁取り線間の距離は、長さ21cmの間
隔を100〜300にセグメント化してその長さを測定
した。
【0059】◎非磁性層の厚さの変動δ 得られた磁気テープについて、長さ20μm(実長)中
の上記磁性層と上記非磁性層の前記縁取り線を引いた界
面の山の頂と谷の底部の厚さ方向の距離を10〜20ヶ
所(20μm中全て)求め、その総和の平均値を非磁性
層の厚さの変動δとした。
【0060】◎磁性層の表面粗さRa 得られた磁気テープについて、Zygo製 商品名「L
aser Interferometric Micr
oscope Maxim 3D Model570
0」により、Fizeau40、Filter off
の条件で測定を行い、サンプリング長さを180μm、
Nを260として、上記数式1において表面粗さRaを
算出した
【0061】◎出力 得られた3.81mm幅の磁気テープをDAT用カセット
に装填し、試験用DATテープカセットを得た。得られ
た試験用DATテープカセットとMediaLogic
製 商品名「Tape Evaluator Mode
l 4500」とを用いて、上記磁気テープに4.7M
Hzの信号を記録し、これを再生した際の出力(再生出
力)を測定した。尚、4.7MHzの記録波長は0.6
7μmであった。
【0062】<実施例2>非磁性層を上記非磁性塗料ロ
を用いて形成した以外は、実施例1と同様にして得られ
た磁気テープを実施例1の方法に準じて評価した。その
結果を〔表1〕に示す。
【0063】<実施例3>非磁性層を上記非磁性塗料ロ
を用いて形成した以外は、実施例2と同様にして得られ
て磁気テープを実施例1の方法に準じて評価した。その
結果を〔表1〕に示す。
【0064】<比較例1>上記実施例1の非磁性塗料イ
に代えて、下記配合物からなる非磁性塗料を用いた以外
は、実施例1と同様にして得られた磁気テープを実施例
1の方法に準じて評価した。その結果を〔表1〕に示
す。 非磁性塗料の配合 TiO2 (ルチル型、表面をAl2 3 処理、平均粒径0.03μm、比表 面積43m2/g、pH7.5) 100重量部 カーボンブラック(平均一次粒径0.02μm、比表面積220m2/g、D BP吸油量115g/100g、pH2.5) 40重量部 アルミナ(平均粒径0.3μm、比表面積11m2/g) 3重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合樹脂(平均重合度350、 −N(CH3 3 + Cl- を5×10-6eq/g含有) 8重量部 スルホン酸基含有ポリウレタン(GPC数平均分子量25000、GPC重量 平均分子量49000、スルホン酸基含有量1.9×10-4eq/g) 6重量部 ポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製 商品名「コロネートH X」〕 3重量部 オレイルオレート 1重量部 ミリスチン酸 1重量部 メチルエチルケトン 90重量部 トルエン 45重量部 シクロヘキサノン 135重量部
【0065】<比較例2>上記実施例1の磁性支持体d
に代えて、上記非磁性支持体を用いた以外は、実施例1
と同様にして得られた磁気テープを実施例1の方法に準
じて評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0066】<比較例3>上記実施例1の非磁性塗料ロ
に代えて、下記配合物からなる非磁性塗料を用いるとと
もに、該非磁性塗料と上記磁性塗料とを上記磁性支持体
上に逐次重層塗布した以外は、実施例1と同様にして得
られた磁気テープを実施例1の方法に準じて評価した。
その結果を〔表1〕に示す。 非磁性塗料の配合 針状α−Fe2 3 (平均長軸長0.07μm、軸比6、表面をAl2 3 処 理) 100重量部 カーボンブラック(平均一次粒径0.023μm、比表面積125m2/g、D BP吸油量56g/100g、pH2.5) 2重量部 アルミナ(平均粒径0.2μm、比表面積14m2/g) 3重量部 スルホン酸基及びエポキシ基含有塩化ビニル系樹脂(スルホン酸基含有量1. 5×10-4eq/g、エポキシ基含有量6×10-4eq/g、平均重合度250 ) 12重量部 スルホン酸基含有ポリウレタン(GPC数平均分子量25000、GPC重量 平均分子量49000、スルホン酸基含有量1.9×10-4eq/g) 8重量部 ポリイソシアネート〔日本ポリウレタン工業(株)製 商品名「コロネートH X」〕 5重量部 オレイルオレート 1重量部 ミリスチン酸 1重量部 メチルエチルケトン 80重量部 トルエン 40重量部 シクロヘキサノン 120重量部
【0067】
【表1】
【0068】表1に示したように、磁性支持体を具備す
るとともに、上記磁性層の表面粗さRa及び上記非磁性
層の厚さの変動δと上記磁性層の厚さtの比(δ/t)
の積Ra×(δ/t)が2.8以下にある上記各実施例
の磁気テープは、その出力特性が+0.8〜+1.1d
Bと優れているのに対して、上記非磁性層の厚さの変動
δと上記磁性層の厚さtの比(δ/t)が0.4以下で
あり、かつ上記表面粗さRaが7nm以下である上記各
比較例(比較例1、3)のものは、それぞれ出力特性
が、−2.5、−0.9dBであり、また、従来使用さ
れている非磁性支持体を使用したもの(比較例2)は、
その出力特性が0dBであり、本実施例に係る磁気テー
プの出力特性が優れたものであることが確認された。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る磁気記録媒体によれば、従
来に較べて、優れた出力特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気記録媒体の概略構成を示す断
面図である。
【図2】上記磁気記録媒体の磁性支持体の構成を示す概
略図であり、(a)は磁性部分単一層で構成する場合、
(b)は磁性部分の表面に非磁性部分を設けた多層で構
成する場合、(c)は磁性部分の裏面に非磁性部分を設
けた多層で構成する場合、(d)は磁性部分の表裏両面
に非磁性部分を設けた多層で構成する場合、(e)は非
磁性部分の表裏両面に磁性部分を設けた多層で構成する
場合、(f)は磁性部分の表面に非磁性部分を塗布して
設けた多層で構成する場合を示す概略断面図である。
【図3】上記磁性層の表面粗さRaと、上記非磁性層の
厚さの変動δと上記磁性層の厚さtとの比(δ/t)と
の関係を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性支持体と、少なくとも該磁性支持体
    上に設けられた非磁性層と、該非磁性層上に設けられた
    磁性層とを具備する磁気記録媒体であって、 上記磁性層の厚みが1μm以下でありかつ上記磁性層の
    表面粗さRa(nm単位)と、上記非磁性層の厚さの変
    動δと上記磁性層の厚さtとの比(δ/t)との積Ra
    ×(δ/t)が2.8以下であることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記非磁性層の厚さの変動δと上記磁性
    層の厚さtの比(δ/t)が0.4以下であり、かつ上
    記表面粗さRaが7nm以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の磁気記録媒体。
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