JPH08169872A - α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造における回収溶媒の精留方法 - Google Patents
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造における回収溶媒の精留方法Info
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- JPH08169872A JPH08169872A JP33434994A JP33434994A JPH08169872A JP H08169872 A JPH08169872 A JP H08169872A JP 33434994 A JP33434994 A JP 33434994A JP 33434994 A JP33434994 A JP 33434994A JP H08169872 A JPH08169872 A JP H08169872A
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- Japan
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- alkyl ester
- acid alkyl
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を製造
する工程から回収された使用済みのメタノール等の低級
アルコールなどの溶媒を精留塔に供給して精製するに際
し、精留塔の濃縮部の中間段から塔内液の一部を液抜き
する。 【効果】 長期間にわたって精製・回収される精製溶媒
およびボトム水の品質を高レベルに維持し、長期間にわ
たる溶媒循環使用が可能になり、また、長期間にわたっ
て精留塔の安定な運転が可能となった。従来は、短期間
で精留塔を運転停止し塔内液を抜き出して焼却してたい
ことに比較し、本発明方法は極めて経済的効果が高く工
業的に有利な方法である。
する工程から回収された使用済みのメタノール等の低級
アルコールなどの溶媒を精留塔に供給して精製するに際
し、精留塔の濃縮部の中間段から塔内液の一部を液抜き
する。 【効果】 長期間にわたって精製・回収される精製溶媒
およびボトム水の品質を高レベルに維持し、長期間にわ
たる溶媒循環使用が可能になり、また、長期間にわたっ
て精留塔の安定な運転が可能となった。従来は、短期間
で精留塔を運転停止し塔内液を抜き出して焼却してたい
ことに比較し、本発明方法は極めて経済的効果が高く工
業的に有利な方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−スルホ脂肪酸アル
キルエステル塩の製造工程から回収された使用済み溶媒
の精留方法に関する。
キルエステル塩の製造工程から回収された使用済み溶媒
の精留方法に関する。
【0002】
【従来の技術】良好な品質のα−スルホ脂肪酸アルキル
エステル塩を製造するためには、製造工程において溶媒
を使用する必要があり、その代表的な工程として漂白工
程がある。α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、一
般に脂肪酸アルキルエステルのスルホン化、中和を経て
水性溶液ないしはスラリーとして製造されるが、反応速
度が遅いために苛酷な条件でのスルホン化が必要であ
る。そのため、得られたスルホン化物は着色しており漂
白する必要があるが、副生物の発生を抑えてこの漂白を
効率良く行なうために、炭素数1〜12の低級アルコー
ルを添加する技術が開発され、確立されている(特公昭
53−46825号公報、特公昭60−36421号公
報、特公平1−41138号公報、特公平2−1014
4号公報、特公平2−10145号公報、特公平5−1
022号公報)。
エステル塩を製造するためには、製造工程において溶媒
を使用する必要があり、その代表的な工程として漂白工
程がある。α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩は、一
般に脂肪酸アルキルエステルのスルホン化、中和を経て
水性溶液ないしはスラリーとして製造されるが、反応速
度が遅いために苛酷な条件でのスルホン化が必要であ
る。そのため、得られたスルホン化物は着色しており漂
白する必要があるが、副生物の発生を抑えてこの漂白を
効率良く行なうために、炭素数1〜12の低級アルコー
ルを添加する技術が開発され、確立されている(特公昭
53−46825号公報、特公昭60−36421号公
報、特公平1−41138号公報、特公平2−1014
4号公報、特公平2−10145号公報、特公平5−1
022号公報)。
【0003】漂白工程で使用されたアルコールは、中和
後のアルコールトッピング、薄膜式濃縮器、フラッシュ
蒸発器などによる濃縮工程から水との混合溶液として回
収されるが、経済的観点からアルコールを回収し、精製
・循環使用することが重要である。一般に、回収された
使用済みの溶媒(多くは水を含む)は、精留操作によっ
て精製される。
後のアルコールトッピング、薄膜式濃縮器、フラッシュ
蒸発器などによる濃縮工程から水との混合溶液として回
収されるが、経済的観点からアルコールを回収し、精製
・循環使用することが重要である。一般に、回収された
使用済みの溶媒(多くは水を含む)は、精留操作によっ
て精製される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、α−スルホ
脂肪酸アルキルエステル塩製造工程からの溶媒を精留す
ると、得られる精製溶媒およびボトム水の品質がしだい
に劣化し、長期間運転では精留塔が運転不能になること
が判明した。
脂肪酸アルキルエステル塩製造工程からの溶媒を精留す
ると、得られる精製溶媒およびボトム水の品質がしだい
に劣化し、長期間運転では精留塔が運転不能になること
が判明した。
【0005】本発明者らがこの原因について検討したと
ころ、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造の原料
高級脂肪酸アルキルエステルに由来する低級脂肪酸アル
キルエステルを主体とする油分(オイル)が原因である
ことが明らかになった。この対策として、使用済みの回
収溶媒を前処理して油分を除いた後に精留する方法が考
えられ、この前処理法としては、静置分離法、活性炭吸
着法、鹸化・蒸発法などがある。
ころ、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造の原料
高級脂肪酸アルキルエステルに由来する低級脂肪酸アル
キルエステルを主体とする油分(オイル)が原因である
ことが明らかになった。この対策として、使用済みの回
収溶媒を前処理して油分を除いた後に精留する方法が考
えられ、この前処理法としては、静置分離法、活性炭吸
着法、鹸化・蒸発法などがある。
【0006】しかし、回収溶媒中の油分が低級脂肪酸ア
ルキルエステル主体であり回収溶媒に多くが溶解してし
まうため、静置分離法では油分の除去率が十分でなく、
また余計な設備も必要となる。活性炭吸着法は、予じめ
油分を吸着・除去した後に精留するものであり、油分の
除去については問題がないが、設備費用が掛かり、ラン
ニングコストも多大なものとなる。
ルキルエステル主体であり回収溶媒に多くが溶解してし
まうため、静置分離法では油分の除去率が十分でなく、
また余計な設備も必要となる。活性炭吸着法は、予じめ
油分を吸着・除去した後に精留するものであり、油分の
除去については問題がないが、設備費用が掛かり、ラン
ニングコストも多大なものとなる。
【0007】鹸化蒸発法は、鹸化によりエステル(油
分)を分解して、蒸発により回収溶媒を分離した後、さ
らに精留する方法であり、設備コスト、ランニングコス
ト共に膨大なものとなる。本発明は、設備コスト、ラン
ニングコストの増大を抑え、しかも、油分による弊害を
防止してα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造工
程から回収される使用済み溶媒を精留して、溶媒を再生
することを目的とする。
分)を分解して、蒸発により回収溶媒を分離した後、さ
らに精留する方法であり、設備コスト、ランニングコス
ト共に膨大なものとなる。本発明は、設備コスト、ラン
ニングコストの増大を抑え、しかも、油分による弊害を
防止してα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造工
程から回収される使用済み溶媒を精留して、溶媒を再生
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のα−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩製造における回収溶媒の精留方法
は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を製造する工
程から回収された使用済みの溶媒を精留塔に供給して精
製するに際し、精留塔の濃縮部の中間段から塔内液の一
部を液抜きすることを特徴とする。
酸アルキルエステル塩製造における回収溶媒の精留方法
は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を製造する工
程から回収された使用済みの溶媒を精留塔に供給して精
製するに際し、精留塔の濃縮部の中間段から塔内液の一
部を液抜きすることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施態様】本発明で製造されるα−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩は、脂肪酸アルキルエステルのス
ルホン化物の塩であるが、脂肪酸残基の炭素数としては
10〜20が好適であり、また、エステルを構成するア
ルキル基の炭素数は1〜5が好適である。塩としては、
ナトリウム塩等のアルカリ金属塩など、α−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩に水溶性を与える塩が用いられ
る。α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造におい
ては、原料脂肪酸アルキルエステルをスルホン化し、得
られたスルホン化物を炭素数1〜12の低級アルコ〜ル
の存在下に過酸化水素などの漂白剤により漂白し、つい
で中和することにより、低級アルコールを含むα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩の水溶液ないしは水性スラ
リーとして得られ、この水溶液からのトッピングによる
アルコール除去あるいは薄膜式蒸発器、フラッシュ蒸発
器などによる濃縮化工程で水−アルコール混合溶液が回
収され、この中に油分が含まれる。この油分は、スルホ
ン化反応時の未反応脂肪酸アルキルエステルが次工程に
おいて一部分解して生じた低級脂肪酸アルキルエステル
を主体とするものである。
酸アルキルエステル塩は、脂肪酸アルキルエステルのス
ルホン化物の塩であるが、脂肪酸残基の炭素数としては
10〜20が好適であり、また、エステルを構成するア
ルキル基の炭素数は1〜5が好適である。塩としては、
ナトリウム塩等のアルカリ金属塩など、α−スルホ脂肪
酸アルキルエステル塩に水溶性を与える塩が用いられ
る。α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造におい
ては、原料脂肪酸アルキルエステルをスルホン化し、得
られたスルホン化物を炭素数1〜12の低級アルコ〜ル
の存在下に過酸化水素などの漂白剤により漂白し、つい
で中和することにより、低級アルコールを含むα−スル
ホ脂肪酸アルキルエステル塩の水溶液ないしは水性スラ
リーとして得られ、この水溶液からのトッピングによる
アルコール除去あるいは薄膜式蒸発器、フラッシュ蒸発
器などによる濃縮化工程で水−アルコール混合溶液が回
収され、この中に油分が含まれる。この油分は、スルホ
ン化反応時の未反応脂肪酸アルキルエステルが次工程に
おいて一部分解して生じた低級脂肪酸アルキルエステル
を主体とするものである。
【0010】このような油分を含む回収溶媒を図1に示
したように精留塔11に供給すると、油分が精留塔11
の特定の中間段に蓄積することが判明した。この油分は
最大でも0.1%程度と微量であるが、水に殆ど溶解し
ないために共沸混合物を形成して精留塔の濃縮部を上昇
し、精留塔上部の溶媒リッチ部分では油分が溶解状態と
なる。そのため、油分はもはや共沸混合物を形成できな
くなって、精留塔11の濃縮部の中間段の特定段に油分
が濃縮される。また、一部は塔頂から回収される精製溶
媒あるいは塔底から回収されるボトム水中に混入してこ
れら回収溶媒や水を再利用する次工程に悪影響を及ぼ
す。
したように精留塔11に供給すると、油分が精留塔11
の特定の中間段に蓄積することが判明した。この油分は
最大でも0.1%程度と微量であるが、水に殆ど溶解し
ないために共沸混合物を形成して精留塔の濃縮部を上昇
し、精留塔上部の溶媒リッチ部分では油分が溶解状態と
なる。そのため、油分はもはや共沸混合物を形成できな
くなって、精留塔11の濃縮部の中間段の特定段に油分
が濃縮される。また、一部は塔頂から回収される精製溶
媒あるいは塔底から回収されるボトム水中に混入してこ
れら回収溶媒や水を再利用する次工程に悪影響を及ぼ
す。
【0011】そこで、本発明では油分が濃縮される精留
塔11の濃縮部(回収溶媒の供給段と塔頂との間)の中
間段から、供給した回収溶媒の一部を抜き取る。この抜
取りは、精留塔の供給段から上部2〜10段目で行なう
ことが好ましく、さらに好ましくは上部2〜5段目であ
る。また、抜出し量は、供給回収溶媒量の0.1〜5重
量%が好適であり、好ましくは0.3〜2重量%であ
る。この抜き出し量が0.1重量%未満では塔内での油
分蓄積防止効果が低く、一方、5重量を超えると抜出し
液の処理負荷および溶媒ロスが大きくなり、精留塔の分
離効率が低下する。
塔11の濃縮部(回収溶媒の供給段と塔頂との間)の中
間段から、供給した回収溶媒の一部を抜き取る。この抜
取りは、精留塔の供給段から上部2〜10段目で行なう
ことが好ましく、さらに好ましくは上部2〜5段目であ
る。また、抜出し量は、供給回収溶媒量の0.1〜5重
量%が好適であり、好ましくは0.3〜2重量%であ
る。この抜き出し量が0.1重量%未満では塔内での油
分蓄積防止効果が低く、一方、5重量を超えると抜出し
液の処理負荷および溶媒ロスが大きくなり、精留塔の分
離効率が低下する。
【0012】図1で、13は濃縮器を示し一部を環流し
て塔頂に返し、また15はリボイラーを示し一部を加熱
して塔底に返すことを示しているが、本発明はこれに限
定されるものではない。本発明では留出液として、メタ
ノール等のアルコールなどの精製溶媒が回収され、一
方、缶出液として一般にボトム水が回収され、これら回
収溶媒および回収水はα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩の製造工程などで再利用される。代表的な回収溶媒
としては炭素数1〜12の低級アルコールが用いられる
が、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール
等であり、より好ましくはメタノールである。なお、本
発明はこれに限定されず、α−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩の製造に際して用いられる各種溶媒に適用でき
る。
て塔頂に返し、また15はリボイラーを示し一部を加熱
して塔底に返すことを示しているが、本発明はこれに限
定されるものではない。本発明では留出液として、メタ
ノール等のアルコールなどの精製溶媒が回収され、一
方、缶出液として一般にボトム水が回収され、これら回
収溶媒および回収水はα−スルホ脂肪酸アルキルエステ
ル塩の製造工程などで再利用される。代表的な回収溶媒
としては炭素数1〜12の低級アルコールが用いられる
が、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール
等であり、より好ましくはメタノールである。なお、本
発明はこれに限定されず、α−スルホ脂肪酸アルキルエ
ステル塩の製造に際して用いられる各種溶媒に適用でき
る。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、α−スルホ脂肪酸アル
キルエステル塩の製造工程で発生する使用済み溶媒を精
留・精製するに際し、精留塔の濃縮部の中間段から一部
を液出しすることにより、長期間にわたって精製・回収
される精製溶媒およびボトム水の品質を高レベルに維持
し、長期間にわたる溶媒循環使用が可能になり、また、
長期間にわたって精留塔の安定な運転が可能となった。
従来は、短期間で精留塔を運転停止し塔内液を抜き出し
て焼却してたいことに比較し、本発明方法は極めて経済
的効果が高く工業的に有利な方法である。
キルエステル塩の製造工程で発生する使用済み溶媒を精
留・精製するに際し、精留塔の濃縮部の中間段から一部
を液出しすることにより、長期間にわたって精製・回収
される精製溶媒およびボトム水の品質を高レベルに維持
し、長期間にわたる溶媒循環使用が可能になり、また、
長期間にわたって精留塔の安定な運転が可能となった。
従来は、短期間で精留塔を運転停止し塔内液を抜き出し
て焼却してたいことに比較し、本発明方法は極めて経済
的効果が高く工業的に有利な方法である。
【0014】
【実施例】常法により脂肪酸メチルエステルのスルホ
ン化工程、メタノールの存在下での過酸化水素による
漂白工程および中和工程を経て得られたα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩水溶液を濃縮化してメタノール
−水混合物を回収した。すなわち、パーム油をメチルア
ルコールでエステル交換して得たパーム油脂肪酸メチル
エステルを分留、水添し、C12〜C18の飽和脂肪酸メチ
ルエステルを得た。この脂肪酸メチルエステルを流下型
薄膜反応器を用いて、脱湿した空気で7%に希釈したS
O3 ガスで反応モル比(SO3 /飽和脂肪酸エステル)
=1.2、反応温度80℃の条件にてスルホン化し、ス
ルホン化粗生成物を得た。得られたスルホン化粗生成物
を、熟成してスルホン化を完結し、α−スルホ脂肪酸メ
チルエステルを得た。
ン化工程、メタノールの存在下での過酸化水素による
漂白工程および中和工程を経て得られたα−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩水溶液を濃縮化してメタノール
−水混合物を回収した。すなわち、パーム油をメチルア
ルコールでエステル交換して得たパーム油脂肪酸メチル
エステルを分留、水添し、C12〜C18の飽和脂肪酸メチ
ルエステルを得た。この脂肪酸メチルエステルを流下型
薄膜反応器を用いて、脱湿した空気で7%に希釈したS
O3 ガスで反応モル比(SO3 /飽和脂肪酸エステル)
=1.2、反応温度80℃の条件にてスルホン化し、ス
ルホン化粗生成物を得た。得られたスルホン化粗生成物
を、熟成してスルホン化を完結し、α−スルホ脂肪酸メ
チルエステルを得た。
【0015】得られたα−スルホ脂肪酸メチルエステル
100重量部に対してメタノールを30重量部導入した
後、この混合物と35%過酸化水素水8.6重量部を、
混合ミキサーと熱交換器を備えた連続ループ式反応器に
導入して80℃、平均滞留時間20分で漂白を行ない、
さらに同条件で連続して第2段、第3段のループ式反応
器に導入して漂白を行なった。
100重量部に対してメタノールを30重量部導入した
後、この混合物と35%過酸化水素水8.6重量部を、
混合ミキサーと熱交換器を備えた連続ループ式反応器に
導入して80℃、平均滞留時間20分で漂白を行ない、
さらに同条件で連続して第2段、第3段のループ式反応
器に導入して漂白を行なった。
【0016】次に13.6%NaOH水溶液と上記の漂
白処理物を混合ミキサーと熱交換器とを備えたループ型
連続中和装置に導入してpHを7に調整し、中和物とし
てα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水溶液を得た。
白処理物を混合ミキサーと熱交換器とを備えたループ型
連続中和装置に導入してpHを7に調整し、中和物とし
てα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩水溶液を得た。
【0017】このα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
水溶液を薄膜式蒸発器で濃縮化し、メタノールと水の混
合物(メタノール水)を回収した。回収されたメタノー
ル水を回収溶媒として精留塔(段数=52)の塔頂から
24段目に供給し、この供給段の上部8段目の中間段か
ら、供給量の1重量%に当たる塔内液を回収して精留し
た。一方、中間段からの抜出しを行なうことなく精留を
実施し、これを比較例(ブランク)とした。
水溶液を薄膜式蒸発器で濃縮化し、メタノールと水の混
合物(メタノール水)を回収した。回収されたメタノー
ル水を回収溶媒として精留塔(段数=52)の塔頂から
24段目に供給し、この供給段の上部8段目の中間段か
ら、供給量の1重量%に当たる塔内液を回収して精留し
た。一方、中間段からの抜出しを行なうことなく精留を
実施し、これを比較例(ブランク)とした。
【0018】得られた精製メタノール(塔頂液)および
ボトム水(塔底液)の品質を1ケ月連続運転ベースで評
価し、その結果を表1に示した。1ケ月運転ベースで
は、従来法の比較例では精留塔内のオイル(油分)の濃
縮が激しくなり、精製メタノールおよびボトム水中の脂
肪酸メチル濃度が上昇し、特にボトム水では次工程に大
きく影響を及ぼす。また、塔内に大量の油分が蓄積する
ため、段効率が低下して精留塔運転が不能の状態に至
る。
ボトム水(塔底液)の品質を1ケ月連続運転ベースで評
価し、その結果を表1に示した。1ケ月運転ベースで
は、従来法の比較例では精留塔内のオイル(油分)の濃
縮が激しくなり、精製メタノールおよびボトム水中の脂
肪酸メチル濃度が上昇し、特にボトム水では次工程に大
きく影響を及ぼす。また、塔内に大量の油分が蓄積する
ため、段効率が低下して精留塔運転が不能の状態に至
る。
【0019】これに対して、中間段液抜出しを行なう本
発明方法では塔内の油分蓄積を防止でき、精製メタノー
ルおよびボトム水の品質が極めて良好であるという結果
が得られた。
発明方法では塔内の油分蓄積を防止でき、精製メタノー
ルおよびボトム水の品質が極めて良好であるという結果
が得られた。
【0020】
【表1】 表1:精留塔の運転条件および評価結果 ブランク 中間段液抜き出し 条件 中間段抜き出し量(対フィード%) 0 1 品質 精製メタノール 水分(%) 0.1 0.1 ギ酸メチル(ppm) トレース トレース 酢酸メチル(ppm) 1000 1000 脂肪酸メチル(ppm)*1 約2000 500〜700 ボトム水 メタノール(ppm) 100〜200 20〜30 脂肪酸メチル(ppm) 2000〜3000 300〜700 精留塔安定運転*2 × ○ *1)主に炭素鎖長C4 〜C16の脂肪酸メチルエステル(ガスクロマトグラフ ィーで分析) *2)×は5日後に運転不能の状態となり、運転停止した。
【図1】本発明の精留方法を示す説明図である。
【符号の説明】 11 精留塔 13 濃縮器 15 リボイラー
Claims (2)
- 【請求項1】 α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩を
製造する工程から回収された使用済みの溶媒を精留塔に
供給して精製するに際し、 精留塔の濃縮部の中間段から塔内液の一部を液抜きする
ことを特徴とするα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩
製造における回収溶媒の精留方法。 - 【請求項2】 回収溶媒を精留塔に供給する供給段より
上部の2〜10段目から、供給液量の0.1〜5重量%
の塔内液を液抜きする請求項1に記載の精留方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33434994A JPH08169872A (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造における回収溶媒の精留方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33434994A JPH08169872A (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造における回収溶媒の精留方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08169872A true JPH08169872A (ja) | 1996-07-02 |
Family
ID=18276379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33434994A Pending JPH08169872A (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩製造における回収溶媒の精留方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08169872A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2801604B1 (en) | 2013-05-07 | 2017-04-12 | Groupe Novasep | Chromatographic process for the production of highly purified polyunsaturated fatty acids |
-
1994
- 1994-12-16 JP JP33434994A patent/JPH08169872A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2801604B1 (en) | 2013-05-07 | 2017-04-12 | Groupe Novasep | Chromatographic process for the production of highly purified polyunsaturated fatty acids |
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