JPH0816941A - 物体検知方法、物体検知システム及びそれに用いる焦電素子 - Google Patents
物体検知方法、物体検知システム及びそれに用いる焦電素子Info
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- JPH0816941A JPH0816941A JP14963894A JP14963894A JPH0816941A JP H0816941 A JPH0816941 A JP H0816941A JP 14963894 A JP14963894 A JP 14963894A JP 14963894 A JP14963894 A JP 14963894A JP H0816941 A JPH0816941 A JP H0816941A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 焦電素子を用いて静止物体をも検知できるよ
うにする。 【構成】 焦電素子10は所定の視野に向けられてい
る。焦電体1の一方の電極は抵抗体11で形成されてい
る。制御回路13は一定周期毎に焦電素子10を基準温
度まで加熱する。従って、非加熱期間から加熱期間に移
行した時及び加熱期間から非加熱期間に移行した時に
は、視野温度と基準温度の温度差に対応した出力電圧V
OUT が得られることになる。視野温度は、静止体がある
ときとないときとで異なるので、出力電圧VOUT のレベ
ルによって、視野内の静止体の存否を検知することがで
きる。
うにする。 【構成】 焦電素子10は所定の視野に向けられてい
る。焦電体1の一方の電極は抵抗体11で形成されてい
る。制御回路13は一定周期毎に焦電素子10を基準温
度まで加熱する。従って、非加熱期間から加熱期間に移
行した時及び加熱期間から非加熱期間に移行した時に
は、視野温度と基準温度の温度差に対応した出力電圧V
OUT が得られることになる。視野温度は、静止体がある
ときとないときとで異なるので、出力電圧VOUT のレベ
ルによって、視野内の静止体の存否を検知することがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焦電素子を用いて物体
を検知するシステム、特に静止している人間をも検知で
きるシステム及びそれに用いる焦電素子に関する。
を検知するシステム、特に静止している人間をも検知で
きるシステム及びそれに用いる焦電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】人体から輻射される赤外線を検知して視
野内に人間が存在するか否かを検知する、いわゆる受動
型赤外線センサは自動ドアの開閉の制御を行うためのド
アスイッチや防犯システムにおいて侵入者を検知するた
めに広く使用されているが、このような受動型赤外線セ
ンサに用いる赤外線受光素子としては、従来においては
焦電素子が広く用いられている。なお、ここで焦電素子
とは、焦電効果を有する素子をいい、TGS,PZT,
チタン酸鉛(PbTiO3 )等が知られている。
野内に人間が存在するか否かを検知する、いわゆる受動
型赤外線センサは自動ドアの開閉の制御を行うためのド
アスイッチや防犯システムにおいて侵入者を検知するた
めに広く使用されているが、このような受動型赤外線セ
ンサに用いる赤外線受光素子としては、従来においては
焦電素子が広く用いられている。なお、ここで焦電素子
とは、焦電効果を有する素子をいい、TGS,PZT,
チタン酸鉛(PbTiO3 )等が知られている。
【0003】このように受動型赤外線センサとして広く
焦電素子が用いられている理由は次のようである。
焦電素子が用いられている理由は次のようである。
【0004】赤外線を検知する素子は、量子型と熱形に
大別される。量子型の素子は応答速度も速く、感度も高
いが、使用する場合には液体窒素を用いて冷却する必要
があるので高価なものとなり、ドアスイッチや侵入者の
検知のために用いるのには適当ではない。
大別される。量子型の素子は応答速度も速く、感度も高
いが、使用する場合には液体窒素を用いて冷却する必要
があるので高価なものとなり、ドアスイッチや侵入者の
検知のために用いるのには適当ではない。
【0005】また、熱形には主なものとして、サーミス
タボロメータ等の熱導電効果によるもの、サーモパイル
等の熱起電力効果によるもの、そして焦電効果によるも
のの3種類があるが、熱導電効果によるもの、及び熱起
電力効果によるものは共にドアスイッチや侵入者を検知
する目的に使用するには感度が低すぎるものである。
タボロメータ等の熱導電効果によるもの、サーモパイル
等の熱起電力効果によるもの、そして焦電効果によるも
のの3種類があるが、熱導電効果によるもの、及び熱起
電力効果によるものは共にドアスイッチや侵入者を検知
する目的に使用するには感度が低すぎるものである。
【0006】これに対して、焦電素子は、熱導電効果に
よるもの及び熱起電力効果によるものに比較すれば安価
であり、しかもドアスイッチや侵入者を検知する目的に
使用するに必要な感度を有しているので、従来、ドアス
イッチや侵入者の検知のために広く用いられているので
ある。
よるもの及び熱起電力効果によるものに比較すれば安価
であり、しかもドアスイッチや侵入者を検知する目的に
使用するに必要な感度を有しているので、従来、ドアス
イッチや侵入者の検知のために広く用いられているので
ある。
【0007】しかし、焦電素子をそのまま用いたのでは
人間が移動している場合(以下、移動体と称す。)には
検知することができるが、静止している人間(以下、静
止体と称す。)は検知できないという問題がある。その
理由は次のようである。
人間が移動している場合(以下、移動体と称す。)には
検知することができるが、静止している人間(以下、静
止体と称す。)は検知できないという問題がある。その
理由は次のようである。
【0008】図5は焦電素子の動作原理を説明するため
の図であるが、焦電体1は自発分極を有しており、視野
の温度(以下、視野温度と称す。)が変化しない場合に
は図5Aに示すように焦電体1の表面は大気中の浮遊電
荷を捕獲して電気的な中和を保っている。
の図であるが、焦電体1は自発分極を有しており、視野
の温度(以下、視野温度と称す。)が変化しない場合に
は図5Aに示すように焦電体1の表面は大気中の浮遊電
荷を捕獲して電気的な中和を保っている。
【0009】この自発分極の大きさは温度によって決ま
り、温度変化によって増減するので、視野温度がT°K
から(T+△T)°Kに変化したとすると、図5Bに示
すように焦電体1の内部の自発分極の大きさが変わるこ
とになり、この自発分極の変化によって電荷の平衡状態
が崩れることになる。
り、温度変化によって増減するので、視野温度がT°K
から(T+△T)°Kに変化したとすると、図5Bに示
すように焦電体1の内部の自発分極の大きさが変わるこ
とになり、この自発分極の変化によって電荷の平衡状態
が崩れることになる。
【0010】そこで、従来においては図5Cに示すよう
に、電極2の間に高インピーダンスの負荷3を接続し
て、温度変化によって自発分極の変化した分、即ち図5
Bにおいて破線で囲まれていない電荷を出力電圧として
検出しているのである。
に、電極2の間に高インピーダンスの負荷3を接続し
て、温度変化によって自発分極の変化した分、即ち図5
Bにおいて破線で囲まれていない電荷を出力電圧として
検出しているのである。
【0011】なお、実際には焦電体1は反射鏡やレンズ
等の光学系によって所定の視野に向けられているのであ
るが、図5においては光学系は省略している。以下にお
いても、同様である。
等の光学系によって所定の視野に向けられているのであ
るが、図5においては光学系は省略している。以下にお
いても、同様である。
【0012】このように焦電素子で検出できるのは温度
が変化したときの短い時間だけであるので、移動体につ
いては温度変化があるので検知できるが、人間が視野内
で立ち止まっている場合には温度変化がないので検知で
きないのである。
が変化したときの短い時間だけであるので、移動体につ
いては温度変化があるので検知できるが、人間が視野内
で立ち止まっている場合には温度変化がないので検知で
きないのである。
【0013】しかし、ドアスイッチや侵入者検知におい
ては人間が静止している場合にも検知できることが要求
される。なぜなら、例えばドアスイッチに用いる場合を
考えると、人間がドアの近くまで進んで立ち止まること
があるが、このような場合に移動しているときには検知
できるのでドアは開くことになるが、立ち止まってしま
うと検知できないのでドアは閉まってしまうことにな
り、人間がドアに挟まれてしまう危険性がある。また侵
入者検知に用いる場合を考えると、侵入者が立ち止まっ
た場合に検知できないのでは防犯警報システムとしては
不十分であることは明らかである。
ては人間が静止している場合にも検知できることが要求
される。なぜなら、例えばドアスイッチに用いる場合を
考えると、人間がドアの近くまで進んで立ち止まること
があるが、このような場合に移動しているときには検知
できるのでドアは開くことになるが、立ち止まってしま
うと検知できないのでドアは閉まってしまうことにな
り、人間がドアに挟まれてしまう危険性がある。また侵
入者検知に用いる場合を考えると、侵入者が立ち止まっ
た場合に検知できないのでは防犯警報システムとしては
不十分であることは明らかである。
【0014】これに対して、焦電素子と機械的チョッパ
を組み合わせることによって移動体に限らず静止体をも
検知できる方式が知られている。
を組み合わせることによって移動体に限らず静止体をも
検知できる方式が知られている。
【0015】図6Aはその概略の構成例を示す図であ
り、焦電素子10の前にはチョッパ4が配置されてお
り、そのチョッパ4の一部には窓5が開けられている。
そして、このチョッパ4はモータ6により所定の速度で
回転される。
り、焦電素子10の前にはチョッパ4が配置されてお
り、そのチョッパ4の一部には窓5が開けられている。
そして、このチョッパ4はモータ6により所定の速度で
回転される。
【0016】従って、例えば図6BにおいてAで示す期
間に焦電素子10は窓5を通して所定の視野からの赤外
線を受光するものとすると、図6BにおいてBで示す期
間には焦電素子10はチョッパ4によってマスクされる
ことになる。
間に焦電素子10は窓5を通して所定の視野からの赤外
線を受光するものとすると、図6BにおいてBで示す期
間には焦電素子10はチョッパ4によってマスクされる
ことになる。
【0017】ここで、チョッパ4は周囲の環境の温度
(以下、環境温度と称す。)と略同じ温度にあるから、
視野内に人間が存在しない場合には視野温度は環境温度
と略等しいので焦電素子10の出力電圧は非常に小さな
ものとなるが、視野内に静止体が存在する場合には視野
温度は環境温度とは異なるから、チョッパ4による環境
温度と視野温度との温度変化によって、図6Bのt1 ,
t2 ,t3 ,t4 ,t5,t6 で示す時には焦電素子1
0から有意の出力電圧が得られることになる。
(以下、環境温度と称す。)と略同じ温度にあるから、
視野内に人間が存在しない場合には視野温度は環境温度
と略等しいので焦電素子10の出力電圧は非常に小さな
ものとなるが、視野内に静止体が存在する場合には視野
温度は環境温度とは異なるから、チョッパ4による環境
温度と視野温度との温度変化によって、図6Bのt1 ,
t2 ,t3 ,t4 ,t5,t6 で示す時には焦電素子1
0から有意の出力電圧が得られることになる。
【0018】従って、焦電素子10の出力電圧を閾値と
比較することによって静止体があるかどうかを検知する
ことができる。
比較することによって静止体があるかどうかを検知する
ことができる。
【0019】なお、図6Bのt1 ,t3 ,t5 は焦電素
子10がチョッパ4でマスクされている状態から窓5を
通して視野に向けられる状態に移行する時であり、図6
Bのt2 ,t4 ,t6 は焦電素子10が窓5を通して視
野に向けられている状態からチョッパ4によりマスクさ
れる状態に移行する時であることは明らかである。
子10がチョッパ4でマスクされている状態から窓5を
通して視野に向けられる状態に移行する時であり、図6
Bのt2 ,t4 ,t6 は焦電素子10が窓5を通して視
野に向けられている状態からチョッパ4によりマスクさ
れる状態に移行する時であることは明らかである。
【0020】また、図6Aの構成において移動体の検知
は、図6BのAで示す期間、即ち焦電素子10が窓5を
介して視野に向けられている期間に行うことができるこ
とは明らかである。
は、図6BのAで示す期間、即ち焦電素子10が窓5を
介して視野に向けられている期間に行うことができるこ
とは明らかである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6A
に示す機械的チョッパを用いる方式はモータや機械的チ
ョッパを用いるので装置が大きくなってしまうばかりで
なく、高価になるという問題があり、また、装置の寿命
がモータの寿命によって大きく影響されてしまうという
問題もある。
に示す機械的チョッパを用いる方式はモータや機械的チ
ョッパを用いるので装置が大きくなってしまうばかりで
なく、高価になるという問題があり、また、装置の寿命
がモータの寿命によって大きく影響されてしまうという
問題もある。
【0022】更には、機械的チョッパが空気を切る音や
モータの回転音等の動作音は避けられないのでドアスイ
ッチや侵入者検知のために用いた場合には耳障りになる
等の問題がある。特に侵入者検知に用いた場合には、こ
の動作音により侵入者に気付かれてしまうという可能性
もあるものである。
モータの回転音等の動作音は避けられないのでドアスイ
ッチや侵入者検知のために用いた場合には耳障りになる
等の問題がある。特に侵入者検知に用いた場合には、こ
の動作音により侵入者に気付かれてしまうという可能性
もあるものである。
【0023】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、焦電素子を用いて移動体は勿論のこと、静止体を
も検知することができる物体検知方法を提供することを
目的とするものである。
って、焦電素子を用いて移動体は勿論のこと、静止体を
も検知することができる物体検知方法を提供することを
目的とするものである。
【0024】また、本発明は、焦電素子を用いて移動体
は勿論のこと、静止体をも検知することができる物体検
知システムを提供することを目的とするものである。
は勿論のこと、静止体をも検知することができる物体検
知システムを提供することを目的とするものである。
【0025】更に本発明は、これら物体検知方法、物体
検知システムに用いて好適な焦電素子を提供することを
目的とするものである。
検知システムに用いて好適な焦電素子を提供することを
目的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の物体検知方法は、焦電素子を所定
の周期毎に所定の温度まで加熱し、加熱時と非加熱時の
温度差に基づいて焦電素子の視野内の物体の有無を検知
することを特徴とする。
めに、請求項1記載の物体検知方法は、焦電素子を所定
の周期毎に所定の温度まで加熱し、加熱時と非加熱時の
温度差に基づいて焦電素子の視野内の物体の有無を検知
することを特徴とする。
【0027】また、請求項2記載の物体検知システム
は、視野が常時マスクされている第1の焦電素子と、第
1の焦電素子を所定の周期毎に所定の温度まで加熱する
第1の加熱手段と、所定の視野に向けられている第2の
焦電素子と、第2の焦電素子を所定の周期毎に所定の温
度まで加熱する第2の加熱手段と、第1の焦電素子の出
力信号と第2の焦電素子の出力信号との差分を得る演算
手段と、演算手段の出力に基づいて第2の焦電素子の視
野内に物体があるか否かを判定する判定手段とを備える
ことを特徴とする。
は、視野が常時マスクされている第1の焦電素子と、第
1の焦電素子を所定の周期毎に所定の温度まで加熱する
第1の加熱手段と、所定の視野に向けられている第2の
焦電素子と、第2の焦電素子を所定の周期毎に所定の温
度まで加熱する第2の加熱手段と、第1の焦電素子の出
力信号と第2の焦電素子の出力信号との差分を得る演算
手段と、演算手段の出力に基づいて第2の焦電素子の視
野内に物体があるか否かを判定する判定手段とを備える
ことを特徴とする。
【0028】請求項3記載の焦電素子は、一方の電極が
加熱用抵抗体で形成されてなることを特徴とし、請求項
4記載の焦電素子は、一方の電極面に加熱用の抵抗体が
形成されてなることを特徴とする。
加熱用抵抗体で形成されてなることを特徴とし、請求項
4記載の焦電素子は、一方の電極面に加熱用の抵抗体が
形成されてなることを特徴とする。
【0029】
【作用及び発明の効果】まず、請求項1記載の物体検知
方法については次のようである。この方法においては、
焦電素子を所定の周期毎に所定の温度まで加熱する。非
加熱時には焦電素子は視野に向けられているから、非加
熱の状態から加熱の状態に移行した時、及び加熱の状態
から非加熱の状態に移行した時には、焦電素子からは当
該所定の温度と視野温度の温度差に応じた出力電圧を得
ることができる。
方法については次のようである。この方法においては、
焦電素子を所定の周期毎に所定の温度まで加熱する。非
加熱時には焦電素子は視野に向けられているから、非加
熱の状態から加熱の状態に移行した時、及び加熱の状態
から非加熱の状態に移行した時には、焦電素子からは当
該所定の温度と視野温度の温度差に応じた出力電圧を得
ることができる。
【0030】つまり、視野内に人間が存在するときと存
在しなときとでは焦電素子の出力電圧が異なることにな
るので、焦電素子の出力電圧によって静止体の存否を検
知することができるのである。
在しなときとでは焦電素子の出力電圧が異なることにな
るので、焦電素子の出力電圧によって静止体の存否を検
知することができるのである。
【0031】また、この物体検知方法においては、非加
熱時には従来と同様に移動体を検知することもできる。
熱時には従来と同様に移動体を検知することもできる。
【0032】このように、この物体検知方法によれば、
安価な焦電素子を用いて移動体及び静止体を検知するこ
とができる。
安価な焦電素子を用いて移動体及び静止体を検知するこ
とができる。
【0033】また、焦電素子を加熱する手段としては、
焦電素子を所定の周期毎に所定の温度まで加熱すること
ができればどのような手段でも使用可能であるが、請求
項3記載の一方の電極が加熱用抵抗体で形成されてなる
焦電素子、あるいは請求項4記載の一方の電極面に加熱
用の抵抗体が形成されてなる焦電素子を用いれば安価に
構成でき、温度制御も容易である。
焦電素子を所定の周期毎に所定の温度まで加熱すること
ができればどのような手段でも使用可能であるが、請求
項3記載の一方の電極が加熱用抵抗体で形成されてなる
焦電素子、あるいは請求項4記載の一方の電極面に加熱
用の抵抗体が形成されてなる焦電素子を用いれば安価に
構成でき、温度制御も容易である。
【0034】次に、請求項2記載の物体検知システムに
ついては次のようである。この物体検知システムにおい
ては、第1、第2の二つの焦電素子を用いる。第1の焦
電素子は視野が常時マスクされており、第2のマスクは
所定の視野に向けられている。
ついては次のようである。この物体検知システムにおい
ては、第1、第2の二つの焦電素子を用いる。第1の焦
電素子は視野が常時マスクされており、第2のマスクは
所定の視野に向けられている。
【0035】そして、第1、第2の焦電素子は、それぞ
れ第1の加熱手段、第2の加熱手段によって所定の温度
まで加熱される。第1の焦電素子の加熱と第2の焦電素
子の加熱は同期して行われもよいし、同期していなくて
もよい。
れ第1の加熱手段、第2の加熱手段によって所定の温度
まで加熱される。第1の焦電素子の加熱と第2の焦電素
子の加熱は同期して行われもよいし、同期していなくて
もよい。
【0036】これら第1、第2の焦電素子の出力は演算
手段に入力され、第1の焦電素子の出力と第2の焦電素
子の出力との差がとられる。
手段に入力され、第1の焦電素子の出力と第2の焦電素
子の出力との差がとられる。
【0037】この差分が環境温度と視野温度との温度差
に応じたものであることは明らかである。つまり、第1
の焦電素子は常時マスクされており、このマスクの温度
は環境温度にあるから、非加熱の状態から加熱の状態に
移行した時、及び加熱の状態から非加熱の状態に移行し
た時には、この第1の焦電素子からは当該所定の温度と
環境温度の温度差に応じた出力が得られる。これに対し
て、第2の焦電素子は所定の視野に向けられているか
ら、非加熱の状態から加熱の状態に移行した時、及び加
熱の状態から非加熱の状態に移行した時には、この第2
の焦電素子からは当該所定の温度と視野温度の温度差に
応じた出力電圧を得ることができる。
に応じたものであることは明らかである。つまり、第1
の焦電素子は常時マスクされており、このマスクの温度
は環境温度にあるから、非加熱の状態から加熱の状態に
移行した時、及び加熱の状態から非加熱の状態に移行し
た時には、この第1の焦電素子からは当該所定の温度と
環境温度の温度差に応じた出力が得られる。これに対し
て、第2の焦電素子は所定の視野に向けられているか
ら、非加熱の状態から加熱の状態に移行した時、及び加
熱の状態から非加熱の状態に移行した時には、この第2
の焦電素子からは当該所定の温度と視野温度の温度差に
応じた出力電圧を得ることができる。
【0038】従って、第1の焦電素子の出力と第2の焦
電素子の出力との差をとると、この差は、視野温度と環
境温度との温度差に対応したものとなり、第2の焦電素
子の視野内に人間が存在するときと存在しなときとでは
この差分が異なることになるのである。
電素子の出力との差をとると、この差は、視野温度と環
境温度との温度差に対応したものとなり、第2の焦電素
子の視野内に人間が存在するときと存在しなときとでは
この差分が異なることになるのである。
【0039】そこで、この物体検知システムにおいて
は、演算手段で求めた差分を判定回路で判定するのであ
り、このことによって第2の焦電素子の視野内の静止体
の存否を判定することができるのである。
は、演算手段で求めた差分を判定回路で判定するのであ
り、このことによって第2の焦電素子の視野内の静止体
の存否を判定することができるのである。
【0040】また、この物体検知システムにおいては、
非加熱時には従来と同様に第2の焦電素子により移動体
を検知することもできることは当然である。
非加熱時には従来と同様に第2の焦電素子により移動体
を検知することもできることは当然である。
【0041】このように、この物体検知システムによれ
ば、安価な焦電素子を用いて移動体及び静止体を検知す
ることができる。
ば、安価な焦電素子を用いて移動体及び静止体を検知す
ることができる。
【0042】また、第1、第2の焦電素子を加熱する手
段としては、これらの焦電素子を所定の周期毎に所定の
温度まで加熱することができればどのような手段でも使
用可能であるが、請求項3記載の一方の電極が加熱用抵
抗体で形成されてなる焦電素子、あるいは請求項4記載
の一方の電極面に加熱用の抵抗体が形成されてなる焦電
素子を用いれば安価に構成でき、温度制御も容易であ
る。
段としては、これらの焦電素子を所定の周期毎に所定の
温度まで加熱することができればどのような手段でも使
用可能であるが、請求項3記載の一方の電極が加熱用抵
抗体で形成されてなる焦電素子、あるいは請求項4記載
の一方の電極面に加熱用の抵抗体が形成されてなる焦電
素子を用いれば安価に構成でき、温度制御も容易であ
る。
【0043】次に、本発明に係る焦電素子について説明
する。請求項3記載の焦電素子は一方の電極が加熱用抵
抗体で形成されている。即ち、加熱用抵抗体が出力電圧
を取り出すための電極としての機能と、焦電素子を加熱
するためのヒータとしての機能の二つの機能を有してい
るものである。
する。請求項3記載の焦電素子は一方の電極が加熱用抵
抗体で形成されている。即ち、加熱用抵抗体が出力電圧
を取り出すための電極としての機能と、焦電素子を加熱
するためのヒータとしての機能の二つの機能を有してい
るものである。
【0044】従って、このような焦電素子は安価に製造
することができるばかりでなく、この加熱用抵抗体に電
流を流すことによって当該焦電素子を直接的に加熱する
ことができるので、請求項1記載の物体検知方法あるい
は請求項2記載の物体検知システムに用いて非常に好適
である。
することができるばかりでなく、この加熱用抵抗体に電
流を流すことによって当該焦電素子を直接的に加熱する
ことができるので、請求項1記載の物体検知方法あるい
は請求項2記載の物体検知システムに用いて非常に好適
である。
【0045】また、請求項4記載の焦電素子は、一方の
電極面に加熱用の抵抗体が形成されている。従ってこの
焦電素子は、従来の焦電素子の一方の電極面に加熱用の
抵抗体を形成することによって製造することができるの
で安価であり、しかもこの加熱用の抵抗体に電流を流す
ことによって当該焦電素子を直接的に加熱することがで
きるので、請求項1記載の物体検知方法あるいは請求項
2記載の物体検知システムに用いて非常に好適である。
電極面に加熱用の抵抗体が形成されている。従ってこの
焦電素子は、従来の焦電素子の一方の電極面に加熱用の
抵抗体を形成することによって製造することができるの
で安価であり、しかもこの加熱用の抵抗体に電流を流す
ことによって当該焦電素子を直接的に加熱することがで
きるので、請求項1記載の物体検知方法あるいは請求項
2記載の物体検知システムに用いて非常に好適である。
【0046】
【実施例】以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
図1は本発明に係る物体検知方法の一実施例の構成を示
す図であり、図中、1は焦電体、2は電極、10は焦電
素子、11は抵抗体、12は温度検知素子、13は制御
回路、14はFET、RL は負荷抵抗、RO は出力抵
抗、VOUT は出力電圧を示す。
図1は本発明に係る物体検知方法の一実施例の構成を示
す図であり、図中、1は焦電体、2は電極、10は焦電
素子、11は抵抗体、12は温度検知素子、13は制御
回路、14はFET、RL は負荷抵抗、RO は出力抵
抗、VOUT は出力電圧を示す。
【0047】焦電素子10は、図示しない反射鏡やレン
ズ等からなる光学系によって所定の視野に向けられてい
る。そして、焦電素子10は予め定められた周期毎に、
予め定められた基準温度TREF まで加熱されるが、ま
ず、この加熱の方法について説明する。
ズ等からなる光学系によって所定の視野に向けられてい
る。そして、焦電素子10は予め定められた周期毎に、
予め定められた基準温度TREF まで加熱されるが、ま
ず、この加熱の方法について説明する。
【0048】焦電素子10を加熱する方法としては、膨
熱式と直熱式の2通りがあるが、この物体検知方法にお
いては、後述するところから明らかなように、加熱時に
は即座に基準温度TREF に達し、加熱を終了したときに
は即座に冷めること、即ち熱に対する応答速度が速いこ
とが望ましいので、直熱式とするのがよい。
熱式と直熱式の2通りがあるが、この物体検知方法にお
いては、後述するところから明らかなように、加熱時に
は即座に基準温度TREF に達し、加熱を終了したときに
は即座に冷めること、即ち熱に対する応答速度が速いこ
とが望ましいので、直熱式とするのがよい。
【0049】そのためには、例えば、図2Aに示すよう
に、焦電体1の一方の電極を抵抗体11で形成し、その
抵抗体11の適宜な2点の間に電源15から電流を供給
するようにすればよい。焦電体1のもう一方の電極2は
従来と同じ材料で形成すればよく、当該電極2と抵抗体
11の適宜な箇所とからリード線を引き出し、そのリー
ド線の間に負荷抵抗RL を接続することによって出力電
圧を取り出すことができる。
に、焦電体1の一方の電極を抵抗体11で形成し、その
抵抗体11の適宜な2点の間に電源15から電流を供給
するようにすればよい。焦電体1のもう一方の電極2は
従来と同じ材料で形成すればよく、当該電極2と抵抗体
11の適宜な箇所とからリード線を引き出し、そのリー
ド線の間に負荷抵抗RL を接続することによって出力電
圧を取り出すことができる。
【0050】また、図2Bに示すように、従来の焦電素
子10の一方の電極面上に抵抗体11を形成し、その抵
抗体11の適宜な2点の間に電源15から電流を供給す
るようにすればよい。但し、この場合には、抵抗体11
は電極2の全面に形成するのではなく、出力電圧を取り
出すためのリード線を接続する部分には抵抗体11を形
成しないようにする。また、抵抗体11は、図2Cに示
すようにジグザグ状の形状に形成してもよく、他の任意
の形状に形成してもよい。なお、図2Cにおいて16は
出力電圧を取り出すためのリード線を示す。
子10の一方の電極面上に抵抗体11を形成し、その抵
抗体11の適宜な2点の間に電源15から電流を供給す
るようにすればよい。但し、この場合には、抵抗体11
は電極2の全面に形成するのではなく、出力電圧を取り
出すためのリード線を接続する部分には抵抗体11を形
成しないようにする。また、抵抗体11は、図2Cに示
すようにジグザグ状の形状に形成してもよく、他の任意
の形状に形成してもよい。なお、図2Cにおいて16は
出力電圧を取り出すためのリード線を示す。
【0051】いずれの構成を採用するにしろ、上述した
ように温度の応答速度は速い方が望ましいので、抵抗体
11の材料としては、熱容量の小さい材料、例えば白金
を用いることができる。
ように温度の応答速度は速い方が望ましいので、抵抗体
11の材料としては、熱容量の小さい材料、例えば白金
を用いることができる。
【0052】また、負荷抵抗RL は抵抗体11の抵抗値
に対して十分大きい必要があるが、通常、焦電素子の負
荷抵抗RL としては105 kΩ〜106 kΩのオーダーの抵
抗が用いられているので、この負荷抵抗RL としては従
来と同様の抵抗を用いれば問題はないものである。
に対して十分大きい必要があるが、通常、焦電素子の負
荷抵抗RL としては105 kΩ〜106 kΩのオーダーの抵
抗が用いられているので、この負荷抵抗RL としては従
来と同様の抵抗を用いれば問題はないものである。
【0053】なお、この実施例においては図2Aに示す
ように焦電体1の一方の電極を抵抗体11で形成するも
のとする。
ように焦電体1の一方の電極を抵抗体11で形成するも
のとする。
【0054】さて、図1の構成において、制御回路13
はCPU等の制御手段と、抵抗体11に加熱用の電流を
供給するための電源を含むものであり、図3Bに示すよ
うに予め定められた周期tW 毎に抵抗体11の加熱を開
始する。そして、制御回路13は、サーミスタ等から構
成される温度検知素子12から取り込んだ焦電体1の温
度が基準温度TREF になったことを検知すると、加熱を
終了する。
はCPU等の制御手段と、抵抗体11に加熱用の電流を
供給するための電源を含むものであり、図3Bに示すよ
うに予め定められた周期tW 毎に抵抗体11の加熱を開
始する。そして、制御回路13は、サーミスタ等から構
成される温度検知素子12から取り込んだ焦電体1の温
度が基準温度TREF になったことを検知すると、加熱を
終了する。
【0055】なお、基準温度TREF は、使用温度範囲よ
り高く、且つ当該焦電体1のキュリー温度TC より低い
温度に設定すればよい。このことの妥当性は明らかであ
ろう。なぜなら、基準温度TREF を使用温度範囲内に設
定すると、焦電体1の温度が使用温度の上限近傍になっ
た場合には、焦電体1を基準温度TREF にするために冷
却しなければならない事態が生じるからである。
り高く、且つ当該焦電体1のキュリー温度TC より低い
温度に設定すればよい。このことの妥当性は明らかであ
ろう。なぜなら、基準温度TREF を使用温度範囲内に設
定すると、焦電体1の温度が使用温度の上限近傍になっ
た場合には、焦電体1を基準温度TREF にするために冷
却しなければならない事態が生じるからである。
【0056】以上のことから、図3BにおいてAで示す
加熱パルスの幅、即ち焦電体1を加熱している時間は焦
電体1の温度によって異なるものである。焦電体1の視
野温度が高ければ基準温度TREF まで加熱する時間は短
く、視野温度が低ければそれだけ長い時間加熱する必要
があるからである。
加熱パルスの幅、即ち焦電体1を加熱している時間は焦
電体1の温度によって異なるものである。焦電体1の視
野温度が高ければ基準温度TREF まで加熱する時間は短
く、視野温度が低ければそれだけ長い時間加熱する必要
があるからである。
【0057】ところで、当該焦電体1の温度対自発分極
電荷量の特性が図3Aに示すようであるとすると、基準
温度TREF まで加熱されたときに焦電体1には自発分極
によってQREF の電荷量が生じて平衡状態に達してい
る。
電荷量の特性が図3Aに示すようであるとすると、基準
温度TREF まで加熱されたときに焦電体1には自発分極
によってQREF の電荷量が生じて平衡状態に達してい
る。
【0058】これに対して、図3BにおいてBで示す加
熱されない期間(以下、非加熱期間と称す。)には焦電
体1は視野からの赤外線を受光しており、この視野温度
がTBAC であるとすると、このときには自発分極によっ
て生じる電荷量はQBAC となる。
熱されない期間(以下、非加熱期間と称す。)には焦電
体1は視野からの赤外線を受光しており、この視野温度
がTBAC であるとすると、このときには自発分極によっ
て生じる電荷量はQBAC となる。
【0059】従って、非加熱期間から加熱期間に移行し
た時及び加熱期間から非加熱期間に移行した時には、Q
BAC とQREF の差の電荷量が負荷抵抗RL に流れること
になり、この結果出力抵抗RO には図3Cに示すような
出力電圧VOUT が得られることになる。
た時及び加熱期間から非加熱期間に移行した時には、Q
BAC とQREF の差の電荷量が負荷抵抗RL に流れること
になり、この結果出力抵抗RO には図3Cに示すような
出力電圧VOUT が得られることになる。
【0060】そして、視野温度TBAC は、静止体がある
ときとないときとで異なるので、出力電圧VOUT のレベ
ルによって、視野内の静止体の存否を検知することがで
きるものである。そのためには、後段の信号処理回路
に、視野内に静止体がある場合の出力電圧のレベル範囲
を記憶させておき、出力電圧VOUT が当該レベル範囲に
あるか否かを識別し、出力電圧VOUT が当該レベル範囲
にある場合には視野内に人間が存在することを示す信号
を出力するようにすればよい。
ときとないときとで異なるので、出力電圧VOUT のレベ
ルによって、視野内の静止体の存否を検知することがで
きるものである。そのためには、後段の信号処理回路
に、視野内に静止体がある場合の出力電圧のレベル範囲
を記憶させておき、出力電圧VOUT が当該レベル範囲に
あるか否かを識別し、出力電圧VOUT が当該レベル範囲
にある場合には視野内に人間が存在することを示す信号
を出力するようにすればよい。
【0061】また、以上の説明から図1に示す構成によ
って視野内の温度を測定することも可能であることは明
らかであり、その場合には、信号処理回路に、出力電圧
と物体温度を対応させて書き込んだテーブルを設け、出
力電圧VOUT をアドレスとして当該テーブルから対応す
る物体温度を読み出し、それを表示するようにすれば視
野内の温度を表示するようにすることができる。
って視野内の温度を測定することも可能であることは明
らかであり、その場合には、信号処理回路に、出力電圧
と物体温度を対応させて書き込んだテーブルを設け、出
力電圧VOUT をアドレスとして当該テーブルから対応す
る物体温度を読み出し、それを表示するようにすれば視
野内の温度を表示するようにすることができる。
【0062】以上、静止体の検知を主として説明した
が、移動体の検知は非加熱期間に従来と同様にして行う
ことができることは明らかである。なお、加熱期間には
移動体を検知することはできないので、加熱期間は短い
方が望ましいものである。
が、移動体の検知は非加熱期間に従来と同様にして行う
ことができることは明らかである。なお、加熱期間には
移動体を検知することはできないので、加熱期間は短い
方が望ましいものである。
【0063】以上のように、本発明の物体検知方法によ
れば、安価な焦電素子を用い、その焦電素子を定期的に
基準温度TREF まで加熱するという簡単な手法によって
静止体と移動体とを検知することができる。
れば、安価な焦電素子を用い、その焦電素子を定期的に
基準温度TREF まで加熱するという簡単な手法によって
静止体と移動体とを検知することができる。
【0064】以上、本発明に係る物体検知方法の一実施
例について説明したが、次に、本発明に係る物体検知シ
ステムについて説明する。
例について説明したが、次に、本発明に係る物体検知シ
ステムについて説明する。
【0065】図4は本発明に係る物体検知システムの一
実施例の構成を示す図であり、図1に示す構成要素と同
じものについては同一の符号を付す。図4に示す構成
は、図1に示す構成を2系統設けた構成であり、それぞ
れ符号に添字を付して区別することにする。
実施例の構成を示す図であり、図1に示す構成要素と同
じものについては同一の符号を付す。図4に示す構成
は、図1に示す構成を2系統設けた構成であり、それぞ
れ符号に添字を付して区別することにする。
【0066】図4において「1」の添字を付した第1の
系統、及び「2」の添字を付した第2の系統は、共に図
1に示す構成と同じ構成を有している。しかし、焦電素
子101 は反射鏡やレンズ等からなる光学系によって所
定の視野に向けられているが、焦電素子102 は適宜な
部材からなるマスク20により常時マスクされている。
但し、このマスク20は環境温度になされている必要が
ある。
系統、及び「2」の添字を付した第2の系統は、共に図
1に示す構成と同じ構成を有している。しかし、焦電素
子101 は反射鏡やレンズ等からなる光学系によって所
定の視野に向けられているが、焦電素子102 は適宜な
部材からなるマスク20により常時マスクされている。
但し、このマスク20は環境温度になされている必要が
ある。
【0067】制御回路131 ,132 はそれぞれ焦電体
11 、12 を基準温度TREF まで加熱する処理を行うも
のである。この制御回路131 が焦電体11 を加熱し始
めるタイミングと、制御回路132 が焦電体12 を加熱
し始めるタイミングは同一である必要はない。即ち焦電
体11 、12 の加熱は同期的に行ってもよいし、非同期
で行ってもよい。但し、この実施例においては理解を容
易にするために焦電体11 、12 の加熱を同期的に行う
ものとする。
11 、12 を基準温度TREF まで加熱する処理を行うも
のである。この制御回路131 が焦電体11 を加熱し始
めるタイミングと、制御回路132 が焦電体12 を加熱
し始めるタイミングは同一である必要はない。即ち焦電
体11 、12 の加熱は同期的に行ってもよいし、非同期
で行ってもよい。但し、この実施例においては理解を容
易にするために焦電体11 、12 の加熱を同期的に行う
ものとする。
【0068】以上のことにより、焦電素子101 に関し
ては、非加熱期間から加熱期間に移行した時及び加熱期
間から非加熱期間に移行した時には、視野温度TBAC と
基準温度TREF の差の電荷量が負荷抵抗RL1に流れるこ
とになり、出力抵抗RO1には、この差の電荷量に対応し
た出力電圧VOUT1が得られることになる。
ては、非加熱期間から加熱期間に移行した時及び加熱期
間から非加熱期間に移行した時には、視野温度TBAC と
基準温度TREF の差の電荷量が負荷抵抗RL1に流れるこ
とになり、出力抵抗RO1には、この差の電荷量に対応し
た出力電圧VOUT1が得られることになる。
【0069】また、焦電素子102 に関しては、非加熱
期間から加熱期間に移行した時及び加熱期間から非加熱
期間に移行した時には、環境温度と基準温度TREF の差
の電荷量が負荷抵抗RL2に流れることになり、出力抵抗
RO2には、この差の電荷量に対応した出力電圧VOUT2が
得られることになる。
期間から加熱期間に移行した時及び加熱期間から非加熱
期間に移行した時には、環境温度と基準温度TREF の差
の電荷量が負荷抵抗RL2に流れることになり、出力抵抗
RO2には、この差の電荷量に対応した出力電圧VOUT2が
得られることになる。
【0070】これらの二つの出力VOUT1,VOUT2は差動
増幅器21に入力され、その差が演算される。この差を
温度で表現すれば (視野温度TBAC −基準温度TREF )−(環境温度−基
準温度TREF )=視野温度TBAC −環境温度 となり、結局、差動増幅器21には視野温度と環境温度
の温度差に対応した電圧が出力されることになるが、焦
電素子101 の視野内に静止体が存在しない場合には、
視野温度TBAC は環境温度に略等しいと考えられるか
ら、差動増幅器21の出力は非常に小さな値となるが、
焦電素子101 の視野内に静止体が存在する場合には、
視野温度TBAC は環境温度より高くなるから、差動増幅
器21には有意の出力、即ち静止体が存在しない場合の
出力とは明らかに異なる出力が得られることになる。
増幅器21に入力され、その差が演算される。この差を
温度で表現すれば (視野温度TBAC −基準温度TREF )−(環境温度−基
準温度TREF )=視野温度TBAC −環境温度 となり、結局、差動増幅器21には視野温度と環境温度
の温度差に対応した電圧が出力されることになるが、焦
電素子101 の視野内に静止体が存在しない場合には、
視野温度TBAC は環境温度に略等しいと考えられるか
ら、差動増幅器21の出力は非常に小さな値となるが、
焦電素子101 の視野内に静止体が存在する場合には、
視野温度TBAC は環境温度より高くなるから、差動増幅
器21には有意の出力、即ち静止体が存在しない場合の
出力とは明らかに異なる出力が得られることになる。
【0071】差動増幅器21の出力は信号処理回路22
に入力される。信号処理回路22は予め設定されている
閾値と入力信号のレベルとを比較し、入力信号のレベル
が閾値以上である場合には焦電素子101 の視野内に静
止体が存在すると判定して、視野内に静止体があること
を示す信号を出力する。なお、この閾値は焦電素子10
1 の視野内の状況に応じて適宜定めることができること
は当然である。
に入力される。信号処理回路22は予め設定されている
閾値と入力信号のレベルとを比較し、入力信号のレベル
が閾値以上である場合には焦電素子101 の視野内に静
止体が存在すると判定して、視野内に静止体があること
を示す信号を出力する。なお、この閾値は焦電素子10
1 の視野内の状況に応じて適宜定めることができること
は当然である。
【0072】なお、上述した物体検知方法においても静
止体の存否を検知できると説明したが、それにも拘わら
ず図4に示すように図1に示す構成を2系統設けるのは
次のような理由による。
止体の存否を検知できると説明したが、それにも拘わら
ず図4に示すように図1に示す構成を2系統設けるのは
次のような理由による。
【0073】静止体を検知するためには、静止体がある
ときの視野温度と、静止体がないときの視野温度、即ち
環境温度とを比較する必要がある。確かに、上述したよ
うに図1に示す構成においては視野の温度を検出するこ
ともできるので理論的には静止体の存否を検知できるの
ではあるが、視野温度はかなりの範囲で変化するので、
図1の構成で静止体と判断できる視野温度が検知できた
としても、それが必ずしも静止体の温度とは限らないの
である。
ときの視野温度と、静止体がないときの視野温度、即ち
環境温度とを比較する必要がある。確かに、上述したよ
うに図1に示す構成においては視野の温度を検出するこ
ともできるので理論的には静止体の存否を検知できるの
ではあるが、視野温度はかなりの範囲で変化するので、
図1の構成で静止体と判断できる視野温度が検知できた
としても、それが必ずしも静止体の温度とは限らないの
である。
【0074】具体的には次のようである。環境温度は天
候、季節等によって変化するものであり、従ってドアス
イッチや侵入者検知に用いる場合には使用温度範囲とし
ては氷点下20℃程度から40℃程度までは見込んでおく必
要がある。そうしてみると、例えば視野温度が36℃程度
であったとしても、そのときの環境によっては必ずしも
視野内に静止体が存在するとはいえないことになる。
候、季節等によって変化するものであり、従ってドアス
イッチや侵入者検知に用いる場合には使用温度範囲とし
ては氷点下20℃程度から40℃程度までは見込んでおく必
要がある。そうしてみると、例えば視野温度が36℃程度
であったとしても、そのときの環境によっては必ずしも
視野内に静止体が存在するとはいえないことになる。
【0075】つまり、図1に示す構成では基準温度T
REF と視野温度の差に対応した出力電圧しか取り出せな
いので、この出力電圧によってのみ静止体の存否を判定
しようとすると、視野内に静止体が存在しないのにも拘
わらず、静止体が存在すると誤って判定されてしまう可
能性があるのである。
REF と視野温度の差に対応した出力電圧しか取り出せな
いので、この出力電圧によってのみ静止体の存否を判定
しようとすると、視野内に静止体が存在しないのにも拘
わらず、静止体が存在すると誤って判定されてしまう可
能性があるのである。
【0076】そこで、図4に示すような構成によって、
環境温度と視野温度との温度差に対応した電圧を出力す
るのであり、これによって視野内の静止体の存否を確実
に検知することができるのである。
環境温度と視野温度との温度差に対応した電圧を出力す
るのであり、これによって視野内の静止体の存否を確実
に検知することができるのである。
【0077】以上、静止体の検知を主として説明した
が、移動体の検知は非加熱期間に従来と同様にして行う
ことができることは明らかである。
が、移動体の検知は非加熱期間に従来と同様にして行う
ことができることは明らかである。
【0078】以上のように、本発明の物体検知システム
によれば、安価な焦電素子を用い、その焦電素子を定期
的に基準温度TREF まで加熱するという簡単な手法によ
って静止体と移動体とを検知することができる。
によれば、安価な焦電素子を用い、その焦電素子を定期
的に基準温度TREF まで加熱するという簡単な手法によ
って静止体と移動体とを検知することができる。
【0079】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の変形が可能であることは当業者に明らかであろう。
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の変形が可能であることは当業者に明らかであろう。
【図1】 本発明に係る物体検知方法の一実施例の構成
を示す図である。
を示す図である。
【図2】 抵抗体11の形成を説明するための図であ
る。
る。
【図3】 図1に示す構成の動作を説明するための図で
ある。
ある。
【図4】 本発明に係る物体検知システムの一実施例の
構成を示す図である。
構成を示す図である。
【図5】 焦電素子の動作原理を説明するための図であ
る。
る。
【図6】 焦電素子を用いて静止体を検知する従来の方
式の概略の構成例及びその動作を説明するための図であ
る。
式の概略の構成例及びその動作を説明するための図であ
る。
1…焦電体、2…電極、10…焦電素子、11…抵抗
体、12…温度検知素子、13…制御回路、14…FE
T、RL …負荷抵抗、RO …出力抵抗、VOUT …出力電
圧。
体、12…温度検知素子、13…制御回路、14…FE
T、RL …負荷抵抗、RO …出力抵抗、VOUT …出力電
圧。
Claims (4)
- 【請求項1】 焦電素子を所定の周期毎に所定の温度ま
で加熱し、加熱時と非加熱時の温度差に基づいて焦電素
子の視野内の物体の有無を検知することを特徴とする物
体検知方法。 - 【請求項2】視野が常時マスクされている第1の焦電素
子と、 第1の焦電素子を所定の周期毎に所定の温度まで加熱す
る第1の加熱手段と、 所定の視野に向けられている第2の焦電素子と、 第2の焦電素子を所定の周期毎に所定の温度まで加熱す
る第2の加熱手段と、 第1の焦電素子の出力信号と第2の焦電素子の出力信号
との差分を得る演算手段と、 演算手段の出力に基づいて第2の焦電素子の視野内に物
体があるか否かを判定する判定手段とを備えることを特
徴とする物体検知システム。 - 【請求項3】 一方の電極が加熱用抵抗体で形成されて
なることを特徴とする焦電素子。 - 【請求項4】 一方の電極面に加熱用の抵抗体が形成さ
れてなることを特徴とする焦電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14963894A JPH0816941A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 物体検知方法、物体検知システム及びそれに用いる焦電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14963894A JPH0816941A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 物体検知方法、物体検知システム及びそれに用いる焦電素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0816941A true JPH0816941A (ja) | 1996-01-19 |
Family
ID=15479609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14963894A Pending JPH0816941A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 物体検知方法、物体検知システム及びそれに用いる焦電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0816941A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10104080A (ja) * | 1996-09-25 | 1998-04-24 | Shuchi Koden Kagi Kofun Yugenkoshi | 絶対放射温度計および温度計測方法 |
US6056105A (en) * | 1997-05-26 | 2000-05-02 | Asahi Seiko Co., Ltd. | Device and method for discriminating a circular plate body such as a coin |
JP2008236062A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Toyota Central R&D Labs Inc | 撮像素子、障害物検出装置及び方法 |
JP2010032292A (ja) * | 2008-07-28 | 2010-02-12 | Seiko Instruments Inc | 焦電型赤外線検出器 |
-
1994
- 1994-06-30 JP JP14963894A patent/JPH0816941A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10104080A (ja) * | 1996-09-25 | 1998-04-24 | Shuchi Koden Kagi Kofun Yugenkoshi | 絶対放射温度計および温度計測方法 |
US6056105A (en) * | 1997-05-26 | 2000-05-02 | Asahi Seiko Co., Ltd. | Device and method for discriminating a circular plate body such as a coin |
JP2008236062A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Toyota Central R&D Labs Inc | 撮像素子、障害物検出装置及び方法 |
JP2010032292A (ja) * | 2008-07-28 | 2010-02-12 | Seiko Instruments Inc | 焦電型赤外線検出器 |
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