JPH08168986A - メカニカルハンドを用いた搬送装置 - Google Patents

メカニカルハンドを用いた搬送装置

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JPH08168986A
JPH08168986A JP31166994A JP31166994A JPH08168986A JP H08168986 A JPH08168986 A JP H08168986A JP 31166994 A JP31166994 A JP 31166994A JP 31166994 A JP31166994 A JP 31166994A JP H08168986 A JPH08168986 A JP H08168986A
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cam
motion
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬送経路においてメカニカルハンドにクラン
プされることとなるワークの全面に対し、各種作業の実
施が可能なメカニカルハンドを用いた搬送装置を提供す
る。 【構成】 ワーク3に対して一方向から近接し、当該ワ
ーク3を含む第1の平面内で挟み込み動作されて、ワー
ク3をクランプする第1のメカニカルハンド74と、ワ
ーク3に対して反対方向から近接し、当該ワーク3を含
む、上記第1の平面とは交わる第2の平面内で挟み込み
動作されて、ワーク3をクランプする第2のメカニカル
ハンド174とを備え、一方のメカニカルハンド74の
解除動作と、他方のメカニカルハンド174の挟み込み
動作で、ワーク3を一方から他方へ受け渡す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメカニカルハンドを用い
た搬送装置に係り、特に当該装置の搬送経路において、
メカニカルハンドにクランプされることとなるワークの
全面に対し、各種作業の実施が可能なメカニカルハンド
を用いた搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、搬送装置の一種であるピ
ックアンドプレースユニットに、メカニカルハンドを組
み込んだ装置を既に提案している(実開平5−2628
2号公報)。この提案では、揺動回転運動と軸方向往復
直線運動とを組み合わせた複合運動を行う出力軸に、単
一のメカニカルハンドを取り付け、このメカニカルハン
ドを正逆方向に旋回運動させると共に出力軸の軸方向へ
往復運動させ、この運動によって旋回角度範囲の一方の
搬入端から、他方の搬出端へメカニカルハンドでワーク
を搬送するようになっている。そしてこの提案のメカニ
カルハンド1は、概略を図19に示すように、先端部2
aが互いに接離自在なハサミ様の1対のクランプ片2を
備え、これらクランプ片2を相互に近づけたり離隔させ
たりして、ワーク3を挟み込んだり離したりするクラン
プ動作を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記提案の
装置等の搬送装置に採用されているメカニカルハンド1
にあっては、ワーク3に対して一方向から近接し、当該
ワーク3を含む一つの平面P内で挟み込み動作されてワ
ーク3をクランプするようになっていた。ここで例えば
6面体のワーク、具体的にはサイコロ3を考えると、メ
カニカルハンド1の挟み込み動作によってサイコロ3の
相対向する2面(,)は1対のクランプ片2の先端
部2aに当接され、また、メカニカルハンド1が近接す
る側の面()がクランプ片2の基端部側に近接され、
結局これら3面は、メカニカルハンド1でクランプされ
る搬送経路途上において隠された面となる。従って、搬
送途中においてワーク3の表面に対して何らかの作業を
施したいという要求に対しては、残りの3つの面(,
,)に対してしか作業を行えないという課題があっ
た。
【0004】このような状況は、メカニカルハンド1の
挟み込み動作によるもので、ワーク3が板状、ブロック
体状、球体状等、あらゆるいずれの形態のワーク3であ
っても同様であり、この種のメカニカルハンド1を用い
た搬送装置では、搬送途中においてワーク3の任意の面
に対して各種作業を施すことは難しいという課題があっ
た。
【0005】本発明は、上述したような従来の課題に鑑
みて創案されたものであり、その目的は、搬送経路にお
いてメカニカルハンドにクランプされることとなるワー
クの全面に対し、各種作業の実施が可能なメカニカルハ
ンドを用いた搬送装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るメカニカル
ハンドを用いた搬送装置は、ワークに対して一方向から
近接し、当該ワークを含む第1の平面内で挟み込み動作
されて、該ワークをクランプする第1のメカニカルハン
ドと、上記ワークに対して反対方向から近接し、当該ワ
ークを含む、上記第1の平面とは交わる第2の平面内で
挟み込み動作されて、該ワークをクランプする第2のメ
カニカルハンドとを備え、一方のメカニカルハンドの解
除動作と、他方のメカニカルハンドの挟み込み動作で、
上記ワークを一方から他方へ受け渡すようにしたことを
特徴とする。
【0007】また上記構成において、少なくともいずれ
か一方の前記メカニカルハンドは、前記ワークが受け渡
しされる受け渡し位置から退避位置へと移動可能に設け
られることを特徴とする。
【0008】さらに前記第1のメカニカルハンドが第1
の搬送ユニットに搭載され、該第1の搬送ユニットは、
カム機構から、回転運動と軸方向レシプロ運動とを独立
に生ずる複合運動が伝達される出力軸と、該出力軸に設
けられた入力部材および該入力部材に対して相対回転可
能な出力部材を有し、これら入・出力部材間に発生する
回転負荷に応じて断続されるクラッチ手段と、上記出力
軸の軸方向レシプロ運動に伴って運動する上記クラッチ
手段の上記出力部材が係脱自在に係合して、該クラッチ
手段を断続作動させるクラッチ作動手段と、上記クラッ
チ手段の切り離しによる上記出力部材に対する上記出力
軸の相対回転運動が伝達されて上記第1のメカニカルハ
ンドをクランプ動作させる駆動手段と、を備えているこ
とを特徴とする。
【0009】他方、前記第2のメカニカルハンドが第2
の搬送ユニットに搭載され、該第2の搬送ユニットは、
入力回転軸の回転運動を、停留期間を有する間欠的なオ
シレート運動に変換する第1のカム機構と、上記入力回
転軸の回転運動を、上記停留期間で生じるレシプロ運動
に変換する第2のカム機構と、上記第1のカム機構の上
記オシレート運動が伝達される出力軸と、該出力軸に設
けられた入力部材および該入力部材に対して相対回転可
能な出力部材を有し、これら入・出力部材間に発生する
負荷に応じて断続されるクラッチ手段と、上記第2のカ
ム機構の上記レシプロ運動が伝達され、上記クラッチ手
段の上記出力部材に係脱自在に係合して、該クラッチ手
段を断続作動させるクラッチ作動手段と、上記クラッチ
手段の切り離しによる上記出力部材に対する上記出力軸
の相対回転運動が伝達されて上記第2のメカニカルハン
ドをクランプ動作させる駆動手段と、を備えていること
を特徴とする。
【0010】さらに前記駆動手段は、前記出力軸に設け
られた駆動カムによって駆動されることを特徴とする。
【0011】また、前記第1及び第2の搬送ユニットの
少なくともいずれか一方は、前記クラッチ手段の継続に
よる前記出力部材の回転運動が伝達されて前記第1及び
第2のメカニカルハンドのいずれか一方を反転させる反
転手段を有し、該反転手段は、上記メカニカルハンドに
その反転軸回りに設けられた第1の回転要素と、該第1
の回転要素に係合され、前記出力部材の回転運動を伝達
する第2の回転要素とからなることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1に係る発明の作用について説明する
と、ワークは、第1及び第2のメカニカルハンドの間で
受け渡しされるステップを経て、搬送されることにな
る。この際、第1のメカニカルハンドと第2のメカニカ
ルハンドとは、ワークに対して互いに異なる反対方向か
ら近接し、かつワークを含む異なる平面内でそれぞれ挟
み込み動作されることから、挟み込みのために隠される
ワークの面が異なって、結局メカニカルハンドでクラン
プした搬送経路において、ワークの全面が隠されること
なく、表出されることになる。これにより、メカニカル
ハンドにクランプして搬送する形態でありながら、搬送
経路途上でワークの全面に対して各種の作業を実施する
ことが可能となる。
【0013】ワークの全面に対する作業内容としては、
例えば、加工、組立、挿入、充填、印刷、塗装、溶接、
接着、移送、選別、整列、計測、外観検査、巻線など様
々な作業があり、これら作業を搬送途中で行う自動化機
械の搬送装置として、本発明の装置を利用することが可
能である。
【0014】請求項2の発明の作用について説明する
と、請求項1の発明による第1及び第2のメカニカルハ
ンド相互間におけるワークの受け渡しに際し、受け渡し
位置において一旦両方のメカニカルハンドがワークを挟
み込む状態となる。その後、いずれか一方のメカニカル
ハンドの解除動作により、他方のメカニカルハンドが単
独でワークをクランプし、その後ワークを搬送すること
になる。この受け渡し位置からのワークの搬出や、また
この受け渡し位置へのワークの搬入に際して、ワークの
搬送方向の設定によっては第1及び第2のメカニカルハ
ンド同士がワークの受け渡し位置で干渉する場合がある
が、少なくともいずれか一方のメカニカルハンドを、受
け渡し位置から退避位置へと移動可能としているので、
メカニカルハンド同士が干渉することはなく、ワークの
搬送方向を自由に設定することができる。
【0015】請求項3に係る発明の作用について説明す
ると、第1のメカニカルハンドは、次のような作動を行
う第1の搬送ユニットに搭載される。第1の搬送ユニッ
トにおいては、出力軸は、カム機構から伝達される回転
運動とその軸方向に沿うレシプロ運動とを独立して個別
に行うように運動される。具体的には出力軸は、カム機
構から伝達される回転運動によって一定回転角度で回転
された後、一定期間停止され、その後さらに一定回転角
度で回転された後、さらに一定期間停止されるという、
間欠的な回転運動を繰り返す。他方、出力軸はさらに、
このような間欠的な回転運動における停留期間において
一方向に進出する軸方向のレシプロ運動を行った後一定
期間停止され、次の停留期間において反対方向に後退す
る軸方向のレシプロ運動を行った後に一定期間停止され
るという、レシプロ運動を繰り返す。
【0016】このような運動を行う出力軸には、断続制
御されるクラッチ手段が設けられる。このクラッチ手段
は、出力軸に設けられた入力部材と、この入力部材に対
して相対回転可能な出力部材とを備えていて、これら入
・出力部材間に発生する回転負荷に応じて、すなわち回
転負荷が小さいときには入・出力部材を一体に接続し、
他方、回転負荷が大きいときには、両者を切り離して出
力部材の入力部材に対する相対回転を許容するようにな
っている。従ってこのクラッチ手段は、回転負荷が小さ
いときには入力部材と出力部材とを共に出力軸の回転に
従って回転運動させ、他方、回転負荷が大きいときに
は、出力軸に従って回転運動する入力部材に対し、出力
部材を相対的に回転させるように断続されるようになっ
ている。
【0017】このように作動されるクラッチ手段にその
断続動作を行わせるべく、その入・出力部材間の回転負
荷を制御する操作がクラッチ作動手段によって行われ
る。すなわち、回転運動の停留期間の際、出力軸がその
軸方向にレシプロ運動するのに伴ってクラッチ手段も移
動され、このクラッチ手段の移動によってその出力部材
がクラッチ作動手段に対して係合され、若しくは離脱さ
れるようになっている。具体的には、回転運動の停留期
間に出力部材をクラッチ作動手段に向かって進出させる
出力軸の一方向へのレシプロ運動とその停止によって、
出力部材がクラッチ作動手段に係合しているときには、
出力軸の回転運動の再開により出力軸とともに出力部材
が回転しようとしても、その回転運動はクラッチ作動手
段によって制止される。この制止作用により、入力部材
と出力部材との間に大きな回転負荷を発生させることが
でき、クラッチ手段は切り離される。このクラッチ手段
の切断より、入力部材が出力軸とともに回転運動する一
方で、出力部材は入力部材に対する相対回転が許容され
て、制止されたままとなる。他方、回転運動の次の停留
期間における、出力部材をクラッチ作動手段から後退さ
せる出力軸の反対方向へのレシプロ運動とその停止によ
って、出力部材がクラッチ作動手段から離脱している場
合には、出力部材と入力部材との間にクラッチ作動手段
による回転負荷の発生はなく、従ってクラッチ手段は接
続状態となる。このクラッチ手段の接続状態では、出力
軸の回転運動の再開により、出力部材は入力部材ととも
に出力軸の回転角度で回転することになる。
【0018】このように、出力軸はカム機構から伝達さ
れる回転運動を継続する一方で、出力部材は、カム機構
による出力軸のレシプロ運動に基づく、クラッチ作動手
段によるクラッチ手段の断続制御によって、制止動作と
回転動作とを繰り返すこととなり、これにより間欠回転
運動されることになる。そして、この間欠回転運動の際
の位置割り出しは、カム機構のカム曲線と、上下動され
るクラッチ手段の出力部材に係合しこれを制止させるク
ラッチ作動手段とによって的確に確保されることとな
り、これにより確動の間欠割り出し運動を得ることがで
きる。
【0019】そして上述のように、出力軸は常にカム機
構から伝達される運動に従って回転運動を行い、またそ
れと同時に出力部材は、クラッチ手段の断続制御に従っ
て間欠回転運動を行うもので、これらの2種類の運動が
単一の出力軸から同軸で出力されることになる。そして
このような2種類の運動系において、クラッチ手段の切
り離しにより割り出し位置で制止されている出力部材に
対し、出力軸を相対回転運動させるようにし、この相対
回転運動の出力を駆動手段に伝達してこの駆動手段によ
り、割り出し位置で第1のメカニカルハンドをクランプ
動作させることができるようになっている。これによ
り、第1のメカニカルハンドは、出力部材が制止される
間欠割り出し運動の割り出し位置においてクランプ、ア
ンクランプのクランプ動作を行うことができる。間欠割
り出し運動における割り出し位置は、出力軸回りに多数
設定することができると共に、この割り出し位置の全
て、若しくはいずれかに対応させて多数のメカニカルハ
ンドを備えることができて、多数の割り出し位置で作動
する多数のメカニカルハンドを配設することができる。
これにより、出力軸回りの回転軌跡に従うワークの搬送
経路に多数のメカニカルハンドを備えるとともにこの搬
送経路に多数の停止位置を設定して、多数のメカニカル
ハンドを、一挙に旋回移動させると共に多数の停止位置
で一挙に作動させることができる。従って、多数のワー
クを多数位置から受け入れ、かつまた多数位置で排出す
ることを可能として、一台のユニットで一挙に多数のワ
ークを搬送処理することができる。
【0020】要するに、カム機構とクラッチ手段とを用
いて、回転運動から間欠割り出し運動を合理的な構成で
得、このようにして得られた間欠割り出し運動をワーク
の搬入・搬出を含む搬送動作に利用できると共に、この
間欠割り出し運動に対応してクランプ作動する多数のメ
カニカルハンドを組み込んで、多数のワークを一挙にハ
ンドリングすることができる。
【0021】請求項4に係る発明の作用について説明す
ると、第2のメカニカルハンドは、次のような作動を行
う第2の搬送ユニットに搭載される。第2の搬送ユニッ
トにおいては、入力回転軸の回転運動は、第1のカム機
構によって、停留期間を有する間欠的なオシレート運動
に変換されると同時に、第2のカム機構によって、第1
のカム機構におけるオシレート運動の停留期間中に行わ
れるレシプロ運動に変換される。すなわち、第1のカム
機構は、入力回転軸から入力される回転運動によって、
一方向に一定の揺動回転角度で回転運動を行った後一定
期間停止し、その後反対方向に戻る回転運動を行った後
さらに一定期間停止するという間欠的なオシレート運動
を出力する。他方、第2のカム機構は、同一の入力回転
軸の回転運動によって、第1のカム機構が作り出す停留
期間において一方向に進出する運動を行った後一定期間
停止し、次の停留期間において反対方向に後退する運動
を行った後に一定期間停止するというレシプロ運動を出
力する。すなわち、第2のカム機構は、第1のカム機構
の停留期間中において、いずれか一方向に進退するレシ
プロ運動を生じることになる。
【0022】上記第1のカム機構からオシレート運動が
伝達される出力軸には、上記第1の搬送ユニットと同様
な構成、同様な作動を行うクラッチ手段及びクラッチ作
動手段が備えられる。クラッチ手段に対するクラッチ作
動手段の作用について、第1の搬送ユニットの場合と異
なる点を説明すると、クラッチ手段にその断続動作を行
わせるクラッチ作動手段の作動は、上記の第2のカム機
構によって行われる。第2のカム機構からそのレシプロ
運動が伝達されるクラッチ作動手段は、クラッチ手段の
出力部材に対して係脱自在とされる。そして第1のカム
機構の停留期間であって、出力軸が停止しており、従っ
てクラッチ手段の出力部材が停止しているときにレシプ
ロ運動を出力する第2のカム機構により、クラッチ作動
手段は、当該出力部材に対して係合され、若しくは離脱
されるようになっている。そして、第2のカム機構から
の運動伝達とその停止によって、クラッチ作動手段が出
力部材に係合しているときには、第1のカム機構のオシ
レート運動の再開により出力軸とともに出力部材が回転
しようとしても、その回転運動はクラッチ作動手段によ
って制止され、入力部材と出力部材との間に大きな負荷
が発生してクラッチ手段は切り離される。このクラッチ
手段の切断により、入力部材が出力軸とともに回転する
一方で、出力部材は、入力部材に対する相対回転が許容
されて、制止されたままとなる。他方、第2のカム機構
からの運動伝達とその停止によって、クラッチ作動手段
が出力部材から離脱している場合には、出力部材と入力
部材との間にクラッチ作動手段による負荷の発生はな
く、従ってクラッチ手段は接続状態となり、第1のカム
機構のオシレート運動の再開により、出力部材は入力部
材や出力軸とともに、第1のカム機構の揺動回転角度で
回転することになる。
【0023】このように、出力軸は第1のカム機構から
伝達されるオシレート運動を継続する一方で、出力部材
は、クラッチ作動手段によるクラッチ手段の断続制御に
よって、制止動作と回転動作とを繰り返すこととなり、
これにより間欠回転運動されることになる。そして、こ
の間欠回転運動の際の位置割り出しは、第1のカム機構
のカム曲線と、第2のカム機構に駆動されて出力部材に
係合しこれを制止させるクラッチ作動手段とによって的
確に確保されることとなり、これにより確動の間欠割り
出し運動を得ることができる。
【0024】そしてこのように構成された第2の搬送ユ
ニットにも、第2のメカニカルハンドをクランプ作動さ
せるために、第1の搬送ユニットと同様に駆動手段が備
えられ、同様な作用が発揮されることとなる。
【0025】他方また、請求項5の発明の作用について
述べると、第1の搬送ユニット及び第2の搬送ユニット
いずれにおいても、第1及び第2のメカニカルハンド
を、出力軸に設けた駆動カムによって駆動される駆動手
段によってクランプ動作させるように構成したので、メ
カニカルハンドの作動を、空気圧や油圧・電気駆動機構
などのその他一切の別の動力源を用いることなく、カム
構成の運動伝達系のみによって、且つ単一の出力軸から
の運動出力で行わせることができ、複雑な運動を極めて
合理的な構成で得ることができる。
【0026】さらに請求項6の発明の作用について述べ
ると、上述したように第1の搬送ユニット及び第2の搬
送ユニットいずれにおいても、出力軸は常にカム機構か
ら伝達される運動に従って回転運動を行い、またそれと
同時に出力部材は、クラッチ手段の断続制御に従って間
欠回転運動を行うもので、これらの2種類の運動が単一
の出力軸から同軸で出力されることになる。そしてこの
ような2種類の運動系において、クラッチ手段の継続に
より出力軸と共に出力部材を一体的に回転運動させる際
に、この出力部材の回転運動の出力を反転手段に伝達
し、当該割り出し回転期間中を利用して第1及び第2の
メカニカルハンドに反転動作を行わせることができるよ
うになっている。これにより、これらメカニカルハンド
自体は、出力部材が割り出し回転される期間中、すなわ
ちワークの搬送途上で反転動作を行うことができる。1
回の割り出し回転中におけるメカニカルハンドの反転角
は適宜に設定することができ、1回の割り出し回転で所
望の反転角で反転させることも、数回の割り出し回転を
経て所望の反転角で反転させることもできる。すなわ
ち、搬入端から搬出端に至るまでの割り出し回数で所望
の反転角を除算することで、メカニカルハンドが受け入
れたワークを、望ましい姿勢で排出することができる。
またワークを受け入れる際にも、メカニカルハンドを所
望の姿勢に調整することができる。これにより、出力軸
回りの回転軌跡に従うワークの搬送経路において、ワー
クの受け入れ姿勢、クランプしているワークの姿勢変
更、ワークの排出姿勢というワークのオリエンテーショ
ンを、単一構成のユニットで必要に応じて設定すること
ができる。この反転手段は、第1の搬送ユニット、第2
の搬送ユニットのいずれか一方に設けても、また双方に
設けてもよいことは勿論である。
【0027】また、反転手段を互いに係合する単純な回
転要素の組み合わせで構成したので、回転運動を簡単な
構成で確実にメカニカルハンドに伝達することができ、
ワークの姿勢制御を、単一のユニット内の一貫した回転
運動作用によって的確に行うことができる。
【0028】
【実施例】以下に本発明の好適な実施例を、添付図面に
従って詳述する。図1〜図3には、本実施例に係るメカ
ニカルハンドを用いた搬送装置の概略構成が示されてい
る。本実施例の搬送装置は、互いに隣接させて配置され
ベース板9を介して結合された第1の搬送ユニット4及
び第2の搬送ユニット104から主に構成され、これら
搬送ユニット4,104それぞれに備えられた第1及び
第2インデックステーブル55,155には、第1のメ
カニカルハンド74及び第2のメカニカルハンド174
が各々に複数搭載される。第1の搬送ユニット4は、ワ
ーク3を順次供給するワーク供給経路5に接して配置さ
れると共に、他方第2の搬送ユニット104は、ワーク
3を順次搬出するワーク取り出し経路6に接して配置さ
れ、さらにこれら搬送ユニット4,104同士は、ワー
ク受け渡し位置(ポジションY)を共有するように構成
されている。
【0029】構造の詳細については後述するが、第1の
搬送ユニット4では、ハウジング30に設けた出力軸4
0に連結された第1のインデックステーブル55がその
周方向に沿って間欠回転運動されると共に、停留期間に
おいて出力軸40の軸方向に沿って上下方向にレシプロ
運動されるようになっており、これにより、第1のイン
デックステーブル55に配列された第1のメカニカルハ
ンド74は、当該第1のインデックステーブル55の周
りに間欠的に回転移動されると共に、停留期間において
上下移動されるようになっている。他方、第2の搬送ユ
ニット104では、ハウジング130に設けた出力軸1
40に連結された第2のインデックステーブル155が
その周方向に沿って単に間欠回転運動されるようになっ
ており、これにより第2のインデックステーブル155
に配列された第2のメカニカルハンド174は、当該第
2のインデックステーブル155の周りに間欠的に回転
移動されるようになっている。
【0030】またこれらインデックステーブル55,1
55に配列された第1及び第2のメカニカルハンド7
4,174は一対のクランプ片75で構成され、これら
クランプ片75は、インデックステーブル55,155
から外方へ突出されたそれらの先端が接離されて開かれ
閉じられるようになっている。これらメカニカルハンド
74,174でワーク3をクランプする際には、例えば
ワーク供給経路5からワーク3を受け入れする第1のメ
カニカルハンド74にあっては、第1のインデックステ
ーブル55から突出されたクランプ片75が、供給され
るワーク3との相対関係において、ワーク3に対し一方
向から近接し、当該ワーク3を含む水平面でその先端が
閉じる際の挟み込み動作で、ワーク3をクランプするこ
とになる。また受け渡し位置Yで第1のメカニカルハン
ド74からワーク3を受け入れする第2のメカニカルハ
ンド174にあっては、第2のインデックステーブル1
55から突出されたクランプ片75は、第1のメカニカ
ルハンド74にクランプされているワーク3との相対関
係において、ワーク3に対し第1のメカニカルハンド7
4とは反対の方向から近接し、当該ワーク3を含む水平
面でその先端が閉じる際の挟み込み動作で、ワーク3を
クランプすることになる。この際、第1のメカニカルハ
ンド74は、水平面と交わる垂直面内でワーク3をクラ
ンプする姿勢をとっており、この点は後に詳述する。
【0031】概略このように構成された本実施例のメカ
ニカルハンド74,174を用いた搬送装置では、ワー
ク3は、ワーク供給経路位置(ポジションX)でワーク
供給経路5から第1のメカニカルハンド74のクランプ
作動で第1の搬送ユニット4に受け入れされ、第1のメ
カニカルハンド74にクランプされた状態で第1の搬送
ユニット4の搬送経路に従って搬送された後、ワーク受
け渡し位置Yで当該第1の搬送ユニット4の第1のメカ
ニカルハンド74から第2の搬送ユニット104の第2
のメカニカルハンド174へと受け渡しされ、その後第
2のメカニカルハンド174にクランプされた状態で第
2の搬送ユニット104の搬送経路に従って搬送された
後、ワーク取り出し経路位置(ポジションZ)で第2の
メカニカルハンド174のアンクランプ作動によりワー
ク取り出し経路6へ搬出されるようになっている。
【0032】ところで、ワーク3の挟み込み動作に関
し、上記メカニカルハンド74,174は、ワーク3に
対して一方向から近接し、当該ワーク3を含む一つの平
面内で挟み込み動作されてワーク3をクランプするもの
であるため、上述したように例えば6面体のワーク3で
あれば、3つの面は隠されず表出されるものの、メカニ
カルハンド74,174が近接する面と一対のクランプ
片75に当接される面の、他の3つの面が隠された状態
となる。ここに本実施例にあっては、図3に示した受け
渡し位置Yにおけるワーク3の受け渡し状態から理解さ
れるように、メカニカルハンドを、第1及び第2のメカ
ニカルハンド74,174という組み合わせで構成し、
ワーク3に対して一方向から近接し、当該ワーク3を含
む第1の平面内で挟み込み動作されて、ワーク3をクラ
ンプする第1のメカニカルハンド74に対し、このワー
ク3に対して第1のメカニカルハンド74とは反対方向
から近接し、当該ワーク3を含む、第1の平面とは交わ
る第2の平面内で挟み込み動作されて、ワーク3をクラ
ンプする第2のメカニカルハンド174を備えて、第1
のメカニカルハンド74の解除動作と、第2のメカニカ
ルハンド174の挟み込み動作で、ワーク3を一方から
他方へ受け渡すように構成される。
【0033】メカニカルハンド74,174の回転移動
も含めてワーク3の受け渡し動作のタイミングを詳述す
ると、図3(A)に示すように、まずアンクランプ状態
の第2のメカニカルハンド174が、第2のインデック
ステーブル155の間欠回転運動に従って回転移動され
て受け渡し位置Yに達する()一方で、ワーク3をク
ランプしている第1のメカニカルハンド74は、上下動
する出力軸40が上昇位置にあることに対応して高く位
置される第1のインデックステーブル55の間欠回転運
動に従って回転移動されて、第2のメカニカルハンド1
74直上の受け渡し位置Y上方に達する()。この
際、上述したように、第1のメカニカルハンド74は垂
直面内で挟み込み動作を行う姿勢に設定されると共に、
他方第2のメカニカルハンド174は、垂直面と交わる
水平面内で挟み込み動作を行う姿勢に設定され、両メカ
ニカルハンド74,174が異なる平面内でワーク3を
クランプするようになっている。その後第1のメカニカ
ルハンド74は、出力軸40の下降移動に従って、第1
のインデックステーブル55と共に下降し、アンクラン
プ状態の第2のメカニカルハンド174との間にワーク
3を位置させるべく受け渡し位置Yに移動される
()。このとき、これらメカニカルハンド74,17
4が近接するワーク3の面は、互いに反対側となってい
る。
【0034】次に図3(B)に示すように、第2のメカ
ニカルハンド174が水平面内で挟み込み動作されてワ
ーク3をクランプし()、その後第1のメカニカルハ
ンド74が垂直面内で解除動作されてワーク3を離し
()、これによりワーク3の受け渡しが完了する。
【0035】その後、図3(C)に示すように、ワーク
3をクランプした第2のメカニカルハンド174は、第
2のインデックステーブル155の運動に従って回転移
動されてワーク3を搬送していく()。これに対し
て、アンクランプ状態の第1のメカニカルハンド74
は、第2のメカニカルハンド174の移動後、出力軸4
0の上昇移動に従って受け渡し位置Yから上昇し
()、その後第1のインデックステーブル55の運動
に従って回転移動されることになる()。
【0036】このように、ワーク3が第1、第2のメカ
ニカルハンド74,174の間で受け渡しされる際、第
1のメカニカルハンド74と第2のメカニカルハンド1
74とが、ワーク3に対して互いに異なる反対方向から
近接し、かつワーク3を含む異なる平面内でそれぞれ挟
み込み動作されることから、挟み込みのために隠される
ワーク3の面が異なって、結局第1の搬送ユニット4か
ら第2の搬送ユニット104に亘る搬送経路において、
ワーク3の全面が隠されることなく、表出されることに
なる。これにより、メカニカルハンド74,174にク
ランプして搬送する形態でありながら、搬送経路途上で
ワーク3の全面に対して各種の作業を実施することが可
能となる。
【0037】上記実施例にあっては、第1の平面と第2
の平面とが垂直関係となる組み合わせであったが、これ
ら平面の設定は、互いに交わる関係であれば、交差角度
は問われない。また、第1の平面及び第2の平面とは、
メカニカルハンド74,174のクランプ片75がワー
ク3をクランプしている状態で特定される平面を意味
し、クランプするまでにクランプ片75がいかなる運動
軌跡で移動されるかも問われることはない。従って、本
実施例のメカニカルハンド74,174は、ワーク3が
板状、ブロック体状、球体状等、あらゆるいずれの形態
のワーク3に対しても、搬送途中においてワーク3の任
意の面に対して各種作業を施すことができる。
【0038】また上記実施例にあっては、第1のメカニ
カルハンド74が、第2のメカニカルハンド174との
ワーク受け渡し位置Yから上方へ移動され、退避される
ようになっている。上述した第1及び第2のメカニカル
ハンド74,174相互間におけるワーク3の受け渡し
に際しては、受け渡し位置Yにおいて一旦両方のメカニ
カルハンド74,174がワーク3を挟み込む状態とな
る(図3(B),参照)。そしてその後、第1のメ
カニカルハンド74の解除動作により、第2のメカニカ
ルハンド174が単独でワーク3をクランプし、その後
ワーク3を搬送することになる。この受け渡し位置Yか
らのワーク3の搬出や、またこの受け渡し位置Yへのワ
ーク3の搬入に際して、ワーク3の搬送方向の設定によ
っては、例えば上記例で両メカニカルハンド74,17
4を同一高さにおいて回転移動させるように構成した場
合には、これらメカニカルハンド74,174同士がワ
ークの受け渡し位置Yで干渉してしまうことになる。こ
れに対し本実施例では、第1のメカニカルハンド74
を、受け渡し位置Yから上方の退避位置へと移動可能と
しているので、メカニカルハンド74,174同士が干
渉することはなく、メカニカルハンド74,174の移
動方向、すなわちワーク3の搬送方向を自由に設定する
ことができる。
【0039】以下に、以上説明したメカニカルハンド7
4,174を搭載する第1の搬送ユニット4、並びに第
2の搬送ユニット104の構成について、詳細に説明す
る。
【0040】図4〜図8には、第1の搬送ユニット4が
示されている。図示するように、30は、中空箱体状の
ハウジングであり、このハウジング30には、その一側
壁30aから相対向する他側壁30bに亘って水平に貫
通させて入力回転軸31が設けられる。この入力回転軸
31は、ハウジング30のこれら側壁30a,30bに
軸受71等を介して回転自在に支持され、モータ等の駆
動源によって一方向に回転駆動されるようになってい
る。
【0041】この入力回転軸31には、ハウジング30
内部においてカム機構32が設けられる。このカム機構
32は、入力回転軸31に固定された、揺動回転カム3
3と上下動カム36とを一体的に備える複合カム35
と、揺動回転カム33の従節となるターレット34およ
び上下動カム36の従節となるリフトアーム37とから
構成される。
【0042】まず、従節となるターレット34とその取
付支持構造について説明すると、図4に示したように、
このターレット34は、下端部が径方向外方へ膨出され
た中空筒体状に形成され、ハウジング30の上下方向に
沿って配設されるようになっている。一方、ハウジング
30の天井面30cには、開口部30dが形成され、こ
の開口部30dの下縁部には、その周方向に沿って径方
向内方へ突出させてリング状の鍔部30eが形成され
る。そしてこの開口部30dには、ターレット34を支
持するための中空円筒体状のスリーブ41が装着され
る。円筒体状のスリーブ41の上端部外周縁には、その
周方向に沿って径方向外方へ突出させてフランジ部41
aが形成され、このフランジ部41aが開口部30d内
の鍔部30eに上方から重ね合わされ、これらフランジ
部41aと鍔部30eとがボルト42で締結されて、ハ
ウジング30にスリーブ41が固定される。この中空円
筒体状のスリーブ41内には、その上端開口から下端鍔
部との間に、リング状のスペーサ43によってスリーブ
41の軸方向に間隔を隔てて、リング状の軸受44が一
対装着される。そして、ターレット34は、このスリー
ブ41内に挿入されこれら軸受44によって回転自在に
支持されて、取り付けられる。なお、スリーブ41の上
端開口に位置されるスペーサ43とターレット34との
間には、リング状のシール材45が装着されている。そ
してこのようにハウジング30に回転自在に支持された
中空筒体状のターレット34は、その膨出された下端部
から水平方向外方へ突出させて配設されたローラ34a
を介して揺動回転カム33の運動が伝達されて、回転駆
動されるようになっている。
【0043】複合カム35に備えられる揺動回転カムと
して、本実施例にあっては、いわゆるローラギヤカム3
3が採用されている。このローラギヤカム33には、図
5に示したように、入力回転軸31回りの外周表面にそ
の周方向に沿って、1つのテーパリブ33aが形成さ
れ、このテーパリブ33aの両側壁に一対のリブ面33
bが形成されて、これらリブ面33bがローラ34aの
摺接面として構成されるようになっている。
【0044】他方、上述したターレット34のローラ3
4aは、ターレット34の周りに当該ローラギヤカム3
3のテーパリブ33a側に向かってそれぞれ突出されて
いる。これらローラ34aは、ターレット34に回転自
在に取り付けられており、ローラギヤカム33に形成さ
れた一対のリブ面33bそれぞれに摺動回転自在に摺接
されるようになっている。そしてこれらローラ34a
は、テーパリブ33aに拘束されつつ案内されて、テー
パリブ33aによってローラギヤカム33に創出された
カム曲線に沿って移動され、この移動に従ってターレッ
ト34がオシレート運動されるように構成される。
【0045】具体的には、図17に示したように入力回
転軸31の360°の1回転の期間において、揺動回転
カムとしてのローラギヤカム33には、入力回転軸31
の回転運動に伴いその回転角の増加に従ってターレット
34を旋回させて任意の旋回角βまで回転させ(0−A
期間)、その後ドエルによって一定期間ターレット34
を停止させ(A−C期間)、その後さらに入力回転軸3
1の回転角の増加に従ってターレット34を戻り方向に
旋回させて旋回角0°まで戻し回転させ(C−D期
間)、その後再びドエルによって一定期間ターレット3
4を停止させる(D−G(0)期間)動作を反復するよ
うにカム曲線が設定されている。すなわち、揺動回転カ
ム33は、入力回転軸31の回転運動を、停留期間を有
する間欠的なオシレート運動に変換するように構成され
る。
【0046】殊に本実施例で採用しているローラギヤカ
ム33のテーパリブ33aとローラ34aとからなる構
造は、拘束型でしかも予圧構造になっているため、バッ
クラッシがなく、剛性が高く、高速駆動に適しており、
特に割り出し装置の駆動用カムとして好ましい。しかし
ながら、揺動回転カム33としては、上記ローラギヤカ
ムに限定されることなく、その他の平面カムや立体カ
ム、例えば板カム、溝カム、端面カム、円筒リブカム、
円筒溝カム、円錐端面カム、円錐溝カム、樽形溝カム、
鼓形溝カムなど、いずれのカムを適用してもよいことは
もちろんである。
【0047】他方、図4および図5に示すように、上記
複合カム35にはさらに、上記ローラギヤカム33と一
体的に上下動カム36が備えられる。本実施例にあって
は、上下動カムとしていわゆる平面溝カム36が採用さ
れている。この平面溝カム36は、ローラギヤカム33
の側壁面に、入力回転軸31回りに沿って所定のカムプ
ロフィールで溝36aが刻設されて構成される。
【0048】この平面溝カム36の従節となるリフトア
ーム37は、ハウジング30内部で入力回転軸31に干
渉しないその下方位置に、ほぼ水平に配設される。そし
てリフトアーム37は、その一端の回動中心37aがハ
ウジング30に支持ピン72で回転自在に支持されると
ともに、他端のリフト端37bが後述する出力軸40の
下端に係合されて、ハウジング30内でリフト自在に取
り付けられる。さらにリフトアーム37の中間部分に
は、平面溝カム36の溝36aに向かって突出させてロ
ーラ37cが回転自在に設けられ、このローラ37c
は、平面溝カム36の溝36aに摺動回転自在に係合さ
れるようになっている。そしてこのローラ37cは、溝
36aに案内されつつ平面溝カム36に創出されたカム
曲線に沿って移動され、この移動に従ってリフトアーム
37はその回動中心37a回りに上下に運動されるよう
に構成される。
【0049】具体的には、図17に示したように入力回
転軸31の360°の1回転の期間において、上下動カ
ムとしての平面溝カム36には、入力回転軸31の回転
運動に伴い最初はドエルに従って一定期間リフトアーム
37を停止させ(0−A期間)、その後の回転角の増加
に従ってリフトアーム37を所定の変位量δで下方へ進
出運動させ(A−B期間)、その後さらにドエルによっ
て一定期間リフトアーム37を停止させ(B−F期
間)、その後再び回転角の増加に従ってリフトアーム3
7を変位量0の位置まで上方へ後退運動させる(F−G
(0)期間)動作を反復するようにカム曲線が設定され
ている。
【0050】このようなカム曲線によるリフトアーム3
7の運動は、図17のカム線図から明らかなように、順
次間欠的に生成される揺動回転カム33の各停留期間に
対し、リフトアーム37の上昇運動と下降運動とのいず
れか一方の運動を交互に生じさせることになる。
【0051】上下動カム36としては、上記平面溝カム
に限定されることなく、その他の平面カムや立体カム、
例えば溝カム、端面カム、円筒リブカム、円筒溝カム、
円錐端面カム、円錐溝カム、樽形溝カム、鼓形溝カム、
ローラギヤカムなど、いずれのカムを適用してもよいこ
とはもちろんである。
【0052】このように構成されたカム機構32から、
回転運動と軸方向レシプロ運動とを独立に生ずる複合運
動、具体的には間欠的なオシレート運動と、当該オシレ
ート運動の停留期間での軸方向レシプロ運動とが伝達さ
れる出力軸40について説明する。出力軸40は図4に
示すように、ハウジング30内部からその天井部30c
を貫通して外方へ延出される軸体状に形成され、その下
端にリフトアーム37のリフト端37bが係合される係
合部40aを有する。またこの出力軸40は、係合部4
0aの上方がターレット34の中空部に軸方向に沿って
スプライン嵌合されて取り付けられる。そしてこのスプ
ライン嵌合によって、出力軸40はターレット34に対
し、軸方向にスライド自在であって、かつ回転方向に一
体に装着されることになる。またこの出力軸40の下端
部の係合部40aは、上下一対の係合フランジ40bに
よって出力軸40回りに区画形成された環状の案内摺動
溝40cで構成される。そしてリフトアーム37のリフ
ト端37bに回転自在に設けられたローラ37dが、こ
れら係合フランジ40bに上下方向から拘束されつつ案
内摺動溝40cに回転摺動自在に係合される。そして平
面溝カム36によってリフトアーム37がその回動中心
37a回りに上下動する運動が、ローラ37dを介して
出力軸40に入力され、これにより出力軸40がターレ
ット34に対し軸方向に沿ってスライドして、往復上下
運動するようになっている。
【0053】このようにしてハウジング30に回転自在
かつ上下レシプロ運動自在に取り付けられた出力軸40
のハウジング30外方へ延出された端部側には、図4,
図6,図9および図10に示すように、クラッチ装置4
6が設けられる。このクラッチ装置46は、出力軸40
に設けられた入力部材としての筒体47と、この筒体4
7に対して相対回転可能な出力部材としての円盤48と
を有し、これら筒体47と円盤48との間に発生する回
転負荷に応じて断続されるように構成される。
【0054】詳述すると、図6および図9に示すよう
に、出力軸40のハウジング30外方へ延出された部分
には、当該出力軸40を囲繞する円筒状部材49がキー
部材50によって一体的に固設される。この円筒状部材
49には、さらにその外側に入力部材としての筒体47
が一体的に装着される。この筒体47には、その下端部
側にその周方向に沿ってこれより外側に突出させて外フ
ランジ部47aが形成されるとともに、上端部には、後
述するコイルスプリング51の上端を支持するリング状
の上部リテーナ52が取り付けられる。他方、筒体47
の外フランジ部47a回りには、その上面側から側面側
を取り囲むドラム状に形成され、さらにその内周縁側に
コイルスプリング51の下端が係止される内鍔部53a
を有する下部リテーナ53が設けられる。そして出力軸
40を囲繞しつつこれらリテーナ52,53間に装着さ
れるコイルスプリング51は、上部リテーナ52に反力
をとって下部リテーナ53を常時下方へ付勢するように
構成される。
【0055】他方、筒体47の下部には、外フランジ部
47aにその下方から重ね合わせて出力部材である円盤
48が設けられる。この円盤48は、円筒状部材49と
筒体47とによって上下方向から挟み込まれる配置で、
かつ円筒状部材49を取り囲むようにして設けられ、ま
たこの円盤48と当該円筒状部材49および筒体47と
の間にはそれぞれ、ベアリング54が介設される。従っ
て、円盤48は、出力軸40に一体的に設けられてこれ
とともに回転運動する円筒状部材49および筒体48に
対して、出力軸40回りに相対回転可能に取り付けられ
ている。そしてこのように構成された円盤48の下側に
は、これに重ねて第1のインデックステーブル55が設
けられ、両者はボルト56で締結される。このインデッ
クステーブル55は、上方部分55bが大径で、下方部
分55cが小径な短筒体状に形成され、かつこの上方部
分55bの外周には周方向に沿って等間隔で8つの突出
端が形成され、この突出端部分それぞれに後述する8つ
の第1のメカニカルハンド74の収容空間90が形成さ
れると共に、下方部分55cには、この収容空間90に
連通させて、これも後述する反転手段91の収容空間9
2が形成される。また、インデックステーブル55に
は、その中央部に、円筒状部材49を含めて出力軸40
を貫通突出させるための穴部55aが形成されている。
【0056】このように構成された円盤48と、筒体4
7の外フランジ部47aと、下部リテーナ53との間に
おいて、外フランジ部47aには図9および図10に示
すように、出力軸40回りのその周方向に沿って間隔を
隔てて複数個の切欠部47bが形成され、これら切欠部
47bにはそれぞれ円筒体状の転動体57が回転自在に
装着される。またこの切欠部47bに対応させて円盤4
8の上面には、転動体57の円筒面下部が摺接されるポ
ケット48aが形成される。殊にこのポケット48a
は、出力軸40回りの筒体47と円盤48との相対回転
方向に沿って傾斜されたテーパ面で形成され、転動体5
7を係脱自在に保持するようになっている。また下部リ
テーナ53には、外フランジ部47aの切欠部47b上
方に、筒体47と円盤48との相対回転方向に沿って環
状に、転動溝部53bが形成される。そして転動体57
は、これらポケット48aと切欠部47b内とに収容さ
れ得る外径寸法で形成され、ポケット48aから離脱さ
れた際には、切欠部47bから上方へ突出されて、下部
リテーナ53の転動溝部53b内にこれに沿って転動さ
れるようになっている。
【0057】ところで、切欠部47bおよびこれに対応
するポケット48aの形成位置は、上述した揺動回転カ
ム33によって与えられる旋回角βに一致させて設定さ
れ、一般的には、出力軸40が1回転する期間(360
°)を、割り出し回数Sで除算することによって与えら
れる旋回角βに設定される。図10(A)は、後述する
第2の搬送ユニット104に対応させたものが示されて
いるが構造としては同様であって、第1の搬送ユニット
4では、第1のメカニカルハンド74が8カ所に設けら
れることから、旋回角βは45°で設定され、従ってこ
れら切欠部47bやポケット48aも45°間隔で8カ
所に設定されている。なお、図6において、58は出力
軸40にクラッチ装置46を装着するためのフランジで
あり、このフランジ58には、上部リテーナ52の上面
に当接されるセットボルト59が螺合され、このセット
ボルト59を締め付けることでテーパ構造のチャック部
材58aが押圧されて、クラッチ装置46が出力軸40
に固定される。また、上部リテーナ52を回動すること
により、コイルスプリング51のセット荷重を調整でき
るようになっている。
【0058】クラッチ装置46の作動について説明する
と、クラッチ装置46の接続状態が図10(B)にトル
ク伝達状態として示されている。筒体47と円盤48と
の間に発生する回転負荷が小さく、従ってコイルスプリ
ング51の弾発付勢力が下部リテーナ53を筒体47の
外フランジ部47aの上面に当接させ、かつ転動体57
が外フランジ部47aの切欠部47bと円盤48のポケ
ット48aとに収容されて保持されている図示の状態で
は、入力部材である筒体47と出力部材である円盤48
とが転動体57を介して一体的に接続される。従って、
クラッチ装置46は接続状態にあって、円盤48には出
力軸40の回転トルクが筒体47を介して伝達されて、
円盤48、ひいてはインデックステーブル55は出力軸
40とともに一体的に回転運動する。
【0059】次に、クラッチ装置46の切り離し状態
が、図10(C)にトルク遮断状態として示されてい
る。円盤48と筒体47との間に大きな回転負荷が発生
すると、例えば円盤48が制止されるような負荷が加わ
ると、円盤48のポケット48aと、筒体47の外フラ
ンジ部47aの切欠部47bとの間に収容されていた転
動体57は、制止された円盤48に対し出力軸40から
の回転トルクを受けて回転を継続しようとする筒体47
に押されて、コイルスプリング51の弾発付勢力に抗し
て下部リテーナ53を押し上げつつ、ポケット48aの
テーパ面に沿って当該ポケット48aから離脱する。こ
れにより、クラッチ装置46が切断される。そして転動
体57は、コイルスプリング51の弾発付勢力により円
盤48と下部リテーナ53との間に挟み込まれた状態
で、切欠部47b内で転動しつつ下部リテーナ53の転
動溝部53b内を転がることとなり、この結果、筒体4
7は、制止された円盤48に対して相対回転していくこ
とになる。この期間中、クラッチ装置46は切り離し状
態となり、出力軸40とともに筒体47が回転する一方
で、出力軸40の回転トルクの円盤48への伝達が遮断
され、インデックステーブル55は停止する。すなわ
ち、コイルスプリング51に設定したセット荷重を超え
る負荷が円盤48と筒体47との間に発生すると、転動
体57がコイルスプリング51の付勢力に抗してポケッ
ト48aから離脱してクラッチ装置46が切断されるよ
うになり、転動体57の離脱している回転角度範囲であ
る旋回角βにおいて、筒体47と円盤48との相対回転
が発生することになる。
【0060】その後図10(D)に示したように、転動
体57が次のポケット48aに収まると、円盤48と筒
体47との間の回転負荷がコイルスプリング51のセッ
ト荷重以下であることを条件にクラッチ装置46が接続
されて、再びトルク伝達状態が得られ、出力軸40とと
もに円盤48およびインデックステーブル55が回転さ
れるようになっている。
【0061】このように構成されたクラッチ装置46に
その断続動作を行わせるべく、その入・出力部材である
筒体47と円盤48との間の回転負荷を制御する操作が
クラッチ作動手段であるストッパ38によって行われ
る。このストッパ38は図4,図6及び図8に示すよう
に、ハウジング30の天井面30c上に、出力部材であ
る円盤48に一体的に取り付けられた第1のインデック
ステーブル55に対して下方から臨ませて設けられる。
このストッパ38は、台部38aとこの台部38aの中
央から立設された縦壁38bとからなる逆T字状のブロ
ックでなり、インデックステーブル55の下方部分55
cの周縁位置に配置される。このストッパ38上方のイ
ンデックステーブル55の下方部分55cの周側壁に
は、その周方向に沿って旋回角βの間隔を隔てて、当該
ストッパ38に係脱自在に係合される係合体として一対
のローラ39が8組設けられる。これらローラ39は、
当該下方部分55cから外方へ向かって水平に突出させ
て回転自在に設けられ、ストッパ38の縦壁38bを両
側から挟み込むように、当該縦壁38bに回転摺動自在
に摺接しつつ係合するように構成される。そしてこれら
ローラ39は、出力軸40によるインデックステーブル
55の上下運動に従って、ストッパ38に対しその上方
から進退自在に進入して係脱自在に係合するようになっ
ている。
【0062】そしてハウジング30に設けられたストッ
パ38は、出力軸40によってインデックステーブル5
5が変位量δで進出移動されてそのローラ39が係合す
ることにより、第1のインデックステーブル55の移動
を制止し、これにより出力部材である円盤48側の回転
負荷を増大させて、クラッチ装置46を切り離し作動さ
せるクラッチ作動手段として機能するとともに、係合し
ているインデックステーブル55の位置を的確に保持す
る位置決め手段として機能されることになる。この作用
は、図17において入力回転軸31のB−F期間の回転
角度範囲においてなされる。他方、ローラ39は、第1
のインデックステーブル55が出力軸40によって上下
動されたり、変位量0の位置に維持されるときには、ス
トッパ38から離脱され、これによりインデックステー
ブル55、ひいては円盤48には当該ストッパ38によ
る何らの回転負荷も発生せず、クラッチ装置46を接続
状態に制御できるようになっている。この作用は、図1
7において入力回転軸31のF−G(0)−B期間の回
転角度範囲においてなされる。
【0063】このようにして間欠割り出し運動される第
1のインデックステーブル55に対して、これと相対的
にオシレート運動される出力軸40には、図4,図6及
び図7に示すように、クラッチ装置46で覆われたイン
デックステーブル55の穴部55a内に、当該インデッ
クステーブル55に対する出力軸40の相対回転運動が
伝達されて回転駆動される駆動カム73が設けられる。
本実施例にあっては、この駆動カム73として板カムが
採用されている。この板カム73は、ボルト60により
上記円筒状部材49に一体的に固設される。またインデ
ックステーブル55の上方部分55bには、8カ所に、
第1のメカニカルハンド74が配設される。図示例にあ
っては、これらメカニカルハンド74は、インデックス
テーブル55の8つの突出端それぞれに、これより水平
方向外方へ突出させて設けられている。
【0064】第1のメカニカルハンド74の取付構造に
ついて詳述すると図6および図7に示すように、インデ
ックステーブル55の上方部分55bには、その周方向
に互いに間隔を隔てて、かつ径方向外方に向かって水平
に、上記したメカニカルハンド74の収容空間90が8
個所形成される。これらの収容空間90はそれぞれ円筒
面で区画形成され、その中空内部には、スペーサ61を
介して互いに間隔を隔てて設けられた一対の軸受62に
回転自在に支持されて、反転スリーブ93が設けられ
る。反転スリーブ93は、一端がインデックステーブル
55外方へ向けて開口されると共に、他端に段違いに縮
径された縮径部93aを備えて、形成される。そしてこ
の反転スリーブ93内に、開口側に寄せてメカニカルハ
ンド74が配設されるようになっている。
【0065】メカニカルハンド74それぞれは、中央の
湾曲凹部75aを挟んで互いに鈍角の関係で反対方向に
延出されたクランプアーム部75b及び入力側アーム部
75cを備える一対のクランプ片75によって、いわゆ
る洗濯バサミのようなクリップ様に構成される。そし
て、これらクランプ片75は、その湾曲凹部75aが、
反転スリーブ93内を横切って直径方向に設けられた支
持ピン76周りに回転自在に摺接されるとともに、さら
にこの湾曲凹部75a外側の球面が、反転スリーブ93
の内周面に摺接されて、これら支持ピン76と反転スリ
ーブ93の内周面とに回転自在に狭持され、支持ピン7
6周りにクランプアーム部75b及び入力側アーム部7
5cが互いに反対に拡縮されて、これによりクランプア
ーム部75bがクランプ動作されるようになっている。
また、一対のクランプ片75の入力側アーム部75c間
には、これら両者を離隔させてクランプアーム部75b
を当接状態、すなわち閉じた状態に設定するためのバネ
78が設けられ、当該バネ78によってメカニカルハン
ド74は通常時クランプ状態とされるように構成されて
いる。なお、この設定は反対に構成することもできる。
【0066】このように構成されたメカニカルハンド7
4と上記板カム73との間には、当該板カム73に駆動
されてメカニカルハンド74を動作させるための駆動手
段79が設けられる。この駆動手段79は図6及び図7
に示すように、収容空間90と穴部55aとの間に配設
されており、板カム73側から、反転スリーブ93内の
メカニカルハンド74側に向かってスライド移動自在に
設けられたプッシャ80と、このプッシャ80の板カム
73側端部に位置され、板カム73に摺接されるローラ
フォロワ81と、このローラフォロワ81とプッシャ8
0との間に設けられたスライダ82と、インデックステ
ーブル55にその穴部55aと収容空間90とを連通さ
せて形成され、スライダ82をスライド自在に収容しつ
つその移動を案内する案内孔部83と、プッシャ80と
反転スリーブ93との間に設けられたスプリング84と
から主に構成される。
【0067】プッシャ80は全体的に、反転スリーブ9
3内に収容されてメカニカルハンド74側に臨む大径な
先端筒部80aと、反転スリーブ93から外方へ突出さ
れて板カム73側に臨む小径の後端軸部80bとから形
成される。先端筒部80aは反転スリーブ93内に摺動
自在に装着され、さらにこの先端筒部80aには、一対
のクランプ片75の入力側アーム部75cを挟み込む凹
部80cが形成されると共に、この凹部80c内面に
は、先端側から奥に向かって順次厚みが増大されてテー
パ面80dが形成される。そしてプッシャ80は、メカ
ニカルハンド74側へのスライド移動によりこの凹部8
0cのテーパ面80dでクランプ片75の入力側アーム
部75cを順次強く狭圧して、バネ78に抗してメカニ
カルハンド74をアンクランプ状態とするように構成さ
れる。他方、後端軸部80bには、その端部側に反転ス
リーブ93の縮径部93aと相対向させて係止突起80
eが形成され、これら間にスプリング84が設けられ
る。そしてこのスプリング84は、反転スリーブ93に
反力をとって後端軸部80bを板カム73側へ付勢し、
これにより板カム73とローラフォロワ81との摺接を
確実なものとすると共に、プッシャ80全体を反転スリ
ーブ93内で後退させて、クランプ片75の狭圧を解除
し、メカニカルハンド74をクランプ状態に維持するよ
うになっている。
【0068】スライダ82は、案内孔部83内でスライ
ド自在なブロック体で形成され、板カム73側後端面か
らは、その内部に軸止したベアリング構成のローラフォ
ロワ81の一端が突出される。またプッシャ80側の前
端面には、これに形成された横向きの凹陥部内に内設し
た反転用軸受94を介して、プッシャ80の後端軸部8
0bが装着される。すなわち、スライダ82では、その
前端面がプッシャ80の後端軸部80bに連結されると
共に、後端面のローラフォロワ81が板カム73に回転
摺動自在に摺接される。そしてローラフォロワ81は、
板カム73に創出されたカム曲線に沿って移動され、こ
の移動に従ってスライダ82を移動させるようになって
いる。スライド移動されるスライダ82は、スプリング
84との相互作用でプッシャ80を反転スリーブ93内
で押し引きし、プッシャ80は、その凹部80cのテー
パ面80dとバネ78との相互作用でクランプ片75の
入力側アーム部75cを順次拡縮させることとなり、こ
れに応じてクランプアーム部75bが逆に拡縮されて、
メカニカルハンド74のクランプ、アンクランプの作動
が行われることになる。
【0069】ところで、上記クランプ、アンクランプ動
作は、ワーク3を受け入れするワーク供給経路位置X、
並びにワーク3を受け渡しする受け渡し位置Yに位置す
る第1のメカニカルハンド74に対してのみ、行われる
ことになる。具体的なクランプ作動状態を、図7におい
てアンクランプ状態にある位置Xのメカニカルハンド7
4a及びクランプ状態にある位置Yのメカニカルハンド
74fについて、図17に従って説明する。入力回転軸
31の1回転の期間において、まず基本的にインデック
ステーブル55の回転運動期間中にあっては、当該メカ
ニカルハンド74a,fは初期の状態を維持し、クラン
プ動作されない。この期間中は、インデックステーブル
55と出力軸40とが一体に回転し、これら両者間に相
対回転運動が生じない期間であることから、出力軸40
の板カム73と、インデックステーブル55のメカニカ
ルハンド74a,f及び駆動手段79との間には相対的
な運動は発生せず、従って駆動手段79のプッシャ80
は移動せず、メカニカルハンド74a,fは作動されな
い(入力回転軸31の0−A期間の回転角度範囲参
照)。またその他の揺動回転カム33のドエルに従う停
留期間にあっても、出力軸40は上下運動するのみであ
り、当該出力軸40及びインデックステーブル55は回
転運動することはなく、メカニカルハンド74a,fは
そのときの状態を維持して動作されない(入力回転軸3
1のA−C期間及びD−G(0)期間の回転角度範囲参
照)。これに対し、出力軸40とインデックステーブル
55との間に相対回転を発生させるためのストッパ38
によるクラッチ装置46の切り離し操作がなされて、イ
ンデックステーブル55が停止されている状態で出力軸
40が回転運動されると、ここで初めて出力軸40の板
カム73とインデックステーブル55の駆動手段79と
の間に相対回転運動が発生し、板カム73のカム曲線に
応じて駆動手段79が作動する。位置Yのメカニカルハ
ンド74fにあっては、板カム73によってローラフォ
ロワ81がプッシャ80を順次クランプ片75側へ移動
させて、当該メカニカルハンド74fをクランプ状態か
らアンクランプ状態へと動作させていく。他方、位置X
のメカニカルハンド74aにおいては、ローラフォロワ
81が板カム73側へ後退移動可能となり、スプリング
84がプッシャ80を順次ローラフォロワ81側へ移動
させて、バネ78の作用により当該メカニカルハンド7
4をアンクランプ状態からクランプ状態へと動作させて
いく(入力回転軸31のC−D期間の回転角度範囲参
照)。このクランプ動作は、クラッチ装置46の切り離
し状態において完了され、その後出力軸40とインデッ
クステーブル55との相対回転が終了しクラッチ装置4
6が接続される際には、クランプ状態が安定化した状態
となるように設定されている。他方、これらメカニカル
ハンド74a,f以外のメカニカルハンド74b〜e,
g,hはクランプ作動されることはなく、位置X〜位置
Y間のメカニカルハンド74b〜eはクランプ状態にあ
り、また位置Y〜位置X間のメカニカルハンド74g,
hはアンクランプ状態にある。換言すれば、メカニカル
ハンド74aは、ワーク供給経路位置Xからワーク受け
渡し位置Yまでの間クランプ状態が維持され、ワーク受
け渡し位置Yでアンクランプ動作されてその状態がワー
ク供給経路位置Xまで維持されるようになっている。こ
のようなクランプ動作を行わせるカム曲線が板カム73
に形成される。
【0070】駆動カム73としては、上記板カムに限定
されることなく、その他の平面カムや立体カム、例えば
溝カム、端面カム、円筒リブカム、平面溝カム、円筒溝
カム、円錐端面カム、円錐溝カム、樽形溝カム、鼓形溝
カム、ローラギヤカムなど、いずれのカムを適用しても
よいことはもちろんである。
【0071】そしてさらにこのようなクランプ動作を行
う第1のメカニカルハンド74に、クラッチ装置46の
継続による円盤48、すなわち第1のインデックステー
ブル55の回転運動を伝達して、これらメカニカルハン
ド74を反転させる反転手段91が当該搬送ユニット4
に備えられる。図6及び図8に示すように、この反転手
段91は、主にメカニカルハンド74にその反転軸回り
に設けられた第1の回転要素としてのベベルギヤ95
と、このベベルギヤ95に噛合され、インデックステー
ブル55の回転運動を伝達する第2の回転要素としての
平歯車96とからなるギヤ機構で構成される。
【0072】さらに詳述すると、まずハウジング30の
天井部30cにおいて、出力軸40には、これを囲繞す
るスリーブ状の軸カバー63が両者間をシールするシー
ル材を介して配設され、この軸カバー63はボルトで天
井部30cに固定される。そしてこの軸カバー63の縮
径された上端部には、インデックステーブル55の下方
部分55cの反転手段91を収納する上記の収納空間9
2に臨ませて、平歯車96がボルトで固設される。この
ように構成すれば、固定された平歯車96に対してイン
デックステーブル55が回転運動すると、両者間におい
て相対回転が発生することとなり、インデックステーブ
ル55にこの平歯車96と噛合する歯車を設けておくこ
とにより、この第2の回転要素としての平歯車96を利
用してインデックステーブル55の回転運動を取り出す
ことができる。ここに、インデックステーブル55の円
環状に形成された収容空間92内には、インデックステ
ーブル55に担持させてこの平歯車96と噛合する中間
歯車64が配列される。これら中間歯車64は、その下
端部に形成され平歯車96に噛合する平歯車部64a
と、その上端部に形成されたベベルギヤ部64bとを備
えて、中空軸体状に形成される。そしてこの中間歯車6
4は、インデックステーブル55の下面にボルトで取り
付けられ、中間歯車64の中空軸芯部に挿通される支持
軸65に軸受66を介して回転自在に支持される。従っ
て、この中間歯車64は、インデックステーブル55の
回転運動によって平歯車96側から回転駆動されるよう
になっている。本実施例にあっては、インデックステー
ブル55が上下移動されることから、この動きを保証す
るために中間歯車64の平歯車部64aの上下移動を許
容する平歯車96が採用されているが、インデックステ
ーブル55が上下移動されない構成の場合には、第2の
回転要素96を平歯車とする必要はなく、その他の種々
の回転要素を採用できることは勿論である。
【0073】他方、メカニカルハンド74側において
は、これを収容する反転スリーブ93の軸心が反転軸と
して設定され、この反転スリーブ93の縮径部93aに
は当該反転軸周りに、第1の回転要素としてベベルギヤ
95が設けられる。そしてこのベベルギヤ95は、上記
の中間歯車64のベベルギヤ部64bに噛合され、この
ベベルギヤ構成によって出力軸40回りのインデックス
テーブル55の回転運動がこれと直交する反転軸周りの
回転運動に変換され、これにより反転スリーブ93が反
転されるように構成されている。この反転スリーブ93
の反転動作において、これと共に反転するプッシャ80
の反転は、上記の反転用軸受94によって保証される。
また中間歯車64のベベルギヤ部64b側と、支持軸6
5との間には、ベベルギヤ構成で発生するスラストを受
けるためのスラスト受け67が介装されている。
【0074】具体的な反転作動状態を、図7のワーク供
給経路位置Xの第1のメカニカルハンド74aを例にと
って図17に従って説明すると、クラッチ装置46の切
り離し時、並びにその他の揺動回転カム33のドエルに
従う停留期間における出力軸40の上下運動時に対応す
るインデックステーブル55の停止期間中にあっては、
当該メカニカルハンド74aは初期の姿勢を維持し、反
転動作されない(入力回転軸31のA−G(0)期間の
回転角度範囲参照)。この期間中は、固定されている軸
カバー63の平歯車96と、停止しているインデックス
テーブル55との両者間に相対運動が生じない期間であ
ることから、中間歯車64を介しての運動伝達はなく、
従って反転スリーブ93は作動せず、メカニカルハンド
74aは反転されない。これに対し、出力軸40とイン
デックステーブル55とを一体的に回転運動させるため
のクラッチ装置46の接続操作がなされて、インデック
ステーブル55が出力軸40とともに回転運動される
と、ここで初めて平歯車96とインデックステーブル5
5との間に相対回転運動が発生し、中間歯車64によっ
てインデックステーブル55の回転運動が反転スリーブ
93に伝達され、これにより反転角θでメカニカルハン
ド74aの姿勢を反転させていく(入力回転軸31の0
−A期間の回転角度範囲参照)。この反転動作は、クラ
ッチ装置46の接続状態において完了され、その後クラ
ッチ装置46の制御のために出力軸40が上下動される
際には、反転姿勢が安定化した状態となるように設定さ
れている。1回の反転動作の反転角θの設定はギヤ機構
の選定によって任意であるが、本実施例では、反転角θ
を90°に設定して説明しており、従って、メカニカル
ハンド74aは1回の反転で横向きに、2回目の反転で
逆さまに、3回目の反転で逆の横向きに、さらに4回目
の反転で元の姿勢に戻るように、すなわち入力回転軸3
1の4回転で1ローテーションするようになっている。
従って図7にあっては、8つの全メカニカルハンド74
はインデックステーブル55の回転方向に沿って順次9
0°づつ異なる姿勢となっている。そしてメカニカルハ
ンド74aは、ワーク供給経路位置Xで水平面内でワー
ク3を挟み込み動作する一方で、ワーク受け渡し位置Y
では垂直面内で解除動作するように設定されている。
【0075】以上の第1の搬送ユニット4の構成の作用
について、主として図16と図17のカム線図を参照し
つつ、第1のメカニカルハンド74によるワーク3の搬
送状態を想定して説明する。図16では、位置Yがクラ
ンプからアンクランプとされるワーク受け渡し位置とさ
れ、位置Xがアンクランプからクランプとされるワーク
供給経路位置とされて、ワーク3を第1のメカニカルハ
ンド74で位置Xから位置Yへ搬送する例が示されてい
る。またポジション〜は、第1の搬送ユニット4の
搬送経路において各種作業が実施可能な作業ステーショ
ンとなっている。従って、ポジション〜の位置で
は、ワーク3を搬送するメカニカルハンド74のクラン
プ状態が維持される一方、ポジション,の位置で
は、メカニカルハンド74はワーク3を搬送しないアン
クランプ状態が維持されるようになっている。またワー
ク3にオリエンテーションを与える反転動作について
は、位置Xで受け入れたワーク3を、位置Yで90°反
転させた垂直の姿勢で受け渡しする例が示されており、
したがってインデックステーブル55周りに全ワーク3
が90°づつ反転されるような設定となっている。
【0076】このワーク搬送状態をメカニカルハンド7
4aを中心にして説明する。まず位置Xでは、メカニカ
ルハンド74aはワーク供給経路5から順次供給される
ワーク3を挟み込む準備のためにアンクランプ状態にあ
る。このとき、メカニカルハンド74b〜eは、ワーク
3をそれぞれ90°づつ反転させてクランプしつつ位置
Xから位置Yに向かって搬送している状態にある。また
メカニカルハンド74fは、位置Yで、90°反転させ
たワーク3を第2のメカニカルハンド174に受け渡す
べく、クランプ状態にある。さらにメカニカルハンド7
4g,hは、次のワーク3の受け入れのためにアンクラ
ンプ状態で位置Yから位置Xに移動している状態にあ
る。
【0077】この状態は、図17のカム線図に示されて
いる入力回転軸31の1回転360°の回転運動におい
て、Cの位置に相当することになる。
【0078】そして、入力回転軸31がC−D期間で回
転するときには、揺動回転カム33は、旋回角βでワー
ク搬送方向とは反対方向の戻り方向への回転を出力して
旋回角を0°とし、出力軸40を戻し回転させる。この
ときは、上下動カム36はドエルによって出力軸40を
変位量δの下降位置に停止させている。これによりクラ
ッチ装置46には大きな回転負荷が発生し、従ってクラ
ッチ装置46は切り離し状態となり、筒体47と円盤4
8との間に相対回転が発生することになる。すなわち、
出力軸40は戻り回転される一方で、インデックステー
ブル55はローラ39とストッパ38との係合作用も相
俟って、旋回角βの位置に停止される。この相対回転運
動が発生すると、駆動カム73によって駆動手段79を
介し位置X,Yのメカニカルハンド74a,74fがク
ランプ作動される一方で、残りのメカニカルハンド74
b〜e,74g,hのクランプ作動は行われない。すな
わち、位置Y及び位置Xに位置されたメカニカルハンド
74f,74aは、下降位置においてクランプ、アンク
ランプのクランプ動作を行う。これにより、第2のメカ
ニカルハンド174との間でワーク3の受け渡しが達成
されるとともに、ワーク供給経路5からのワーク3の受
け入れが達成されることになる。またこのクランプ動作
時にあっては、反転手段91は作動せず、ワーク3の姿
勢を保ったままでのクランプ、アンクランプ動作が行わ
れる。これに対して、ワーク搬送中のメカニカルハンド
74b〜eはクランプ動作されないと共に、受け入れ準
備態勢のメカニカルハンド74g,hも受け渡し時のア
ンクランプ状態を維持している。
【0079】次に、入力回転軸31がD−F期間で回転
するときには、このときも揺動回転カム33も上下動カ
ム36もドエルによって運動を出力せず、これにより出
力軸40もインデックステーブル55も停止状態とな
る。従ってこの期間では、全メカニカルハンド74は回
転移動も上下動もされず、下降された定位置に維持され
る。この際、各作業ステーション〜でのワーク3に
対する各種の作業が実施可能とされることになる。
【0080】次に、入力回転軸31がF−G(0)期間
で回転するときには、揺動回転カム33はドエルによっ
て回転を出力せず、出力軸40の旋回角0°を維持した
ままで停留期間にある。従って、インデックステーブル
55には何らの回転トルクも伝達されず、停止状態を維
持している。他方、この停留期間では、上下動カム36
はリフトアーム37を駆動して出力軸40を変位量δで
上方へ後退移動させることとなり、インデックステーブ
ル55が上昇移動されてそのローラ39は、ストッパ3
8から離脱して変位量0の位置に戻されてクラッチ装置
46が接続される。このときも全メカニカルハンド74
は、回転移動も反転もされない一方で、インデックステ
ーブル55と同様の変位量で上昇移動されることにな
る。これにより上述した、第1のメカニカルハンド74
fの第2のメカニカルハンド174に対する退避動作が
得られることになる。
【0081】次に、入力回転軸31が0−A期間で回転
する間にカム機構32の揺動回転カム33はターレット
34を介して、出力軸40に旋回角βの一方向への回転
を出力する。このときは、上下動カム36はドエルによ
ってリフトアーム37を停止させており、出力軸40を
変位量0の位置に停止させている。これによりクラッチ
装置46には大きな回転負荷は発生せず、従ってクラッ
チ装置46は接続状態で筒体47と円盤48とが一体的
に回転駆動されて、インデックステーブル55は出力軸
40とともに旋回角βで一方向に回転される。これによ
りメカニカルハンド74aはポジションに移動されて
ワーク3を搬送する。このときメカニカルハンド74e
はワーク受け渡し位置Yに達するとともに、メカニカル
ハンド74hはワーク供給経路位置Xに達する。そして
この搬送期間中において、インデックステーブル55の
回転運動により反転手段91を介して反転スリーブ93
が反転角θ(=90°)で反転し、これにより全てのメ
カニカルハンド94が反転されて、ワーク3の姿勢を変
更させる。
【0082】次に、入力回転軸31がA−B期間で回転
するときには、揺動回転カム33はドエルによって回転
を出力せず、出力軸40は旋回角βを維持したままで停
留期間に入る。この際、インデックステーブル55も停
止する。この停止位置では、ストッパ38の上方には、
揺動回転カム33のカム曲線に従ってインデックステー
ブル55のローラ39が旋回角βの位置割り出しで位置
しており、この状態において上下動カム36はリフトア
ーム37を介して出力軸40を変位量δで下方へ進出移
動させることとなり、ローラ39はストッパ38に進入
して係合し、インデックステーブル55をハウジング3
0側に固定する。そしてこの係合状態は、その後上下動
カム36がドエルによってリフトアーム37を停止さ
せ、出力軸40がその変位量δを維持して停止されるこ
とから、維持される。このとき全メカニカルハンド74
は回転移動されず、ワーク受け渡し位置Y及びワーク供
給経路位置Xのメカニカルハンド74e,74hを含む
全てのメカニカルハンド74が、同様の変位量で下降移
動されることになる。
【0083】次に、入力回転軸31がB−C期間で回転
するときには、揺動回転カム33も上下動カム36もド
エルによって運動を出力せず、これにより出力軸40も
インデックステーブル55も停止状態となる。従ってこ
の期間では、全メカニカルハンド74は回転移動も上下
動もされず、下降された定位置に維持される。これによ
り上述した、第1のメカニカルハンド74eから第2の
メカニカルハンド174へのワーク3の受け渡し準備、
並びにメカニカルハンド74hによるワーク供給経路5
からのワーク3の受け入れ準備が整うとともに、他方各
作業ステーション〜でのワーク3に対する各種の作
業が実施可能とされることになる。以上の作動が、入力
回転軸31の1回転で達成される。
【0084】入力回転軸31の2回転目には、同様な作
動の下、メカニカルハンド74aが上記のメカニカルハ
ンド74bに代わってポジションでさらに90°反転
した状態でワーク3をクランプし続け、位置Yではメカ
ニカルハンド74eがワーク3を受け渡しした後移動さ
れ、他方、メカニカルハンド74hが位置Xでクランプ
動作されてワーク供給経路5からワーク3を受け入れた
後に移動されることになる。
【0085】すなわち、メカニカルハンド74は、旋回
角βの割り出し間隔で、入力回転軸31の8回転によっ
て一回りのワーク3の搬送と必要な反転動作とを完了す
ることになる。
【0086】次に第2の搬送ユニット104の構成につ
いて、図11〜図15を参照して説明する。第2の搬送
ユニット104に関して、第1の搬送ユニット4に備え
た構成と同様な構成部分については、同一符号を付して
その説明を省略する。130は中空箱体状のハウジング
であり、このハウジング130には、モータ等の駆動源
によって一方向に回転駆動される入力回転軸131が設
けられる。
【0087】この入力回転軸131には、ハウジング1
30内部において第1のカム機構132が設けられる。
この第1のカム機構132は、図11および図13に示
すように、入力回転軸131に固定された原節となる揺
動回転カム133と、この揺動回転カム133の従節と
なるターレット134とから構成される。本実施例にあ
っては、揺動回転カムとして、いわゆるローラギヤカム
133が採用されている。ターレット134には、これ
よりローラギヤカム133側に向かってそれぞれ突出さ
せて一対のローラ134aが設けられる。そしてこれら
ローラ134aは、ローラギヤカム133に創出された
カム曲線に沿って移動され、この移動に従ってターレッ
ト134がオシレート運動されるように構成される。詳
細構造は、第1の搬送ユニット4の場合と同様である。
【0088】オシレート運動は具体的には、図18に示
した位置Eをスタートとして、ローラギヤカム133
は、入力回転軸131の回転運動に伴いその回転角の増
加に従ってターレット134を旋回させて任意の旋回角
αまで回転させ(E−F期間)、その後ドエルによって
一定期間ターレット134を停止させ(F−G(0)−
B期間)、その後さらに入力回転軸131の回転角の増
加に従ってターレット134を戻り方向に旋回させて旋
回角0°まで戻し回転させ(B−C期間)、その後再び
ドエルによって一定期間ターレット134を停止させる
(C−E期間)動作を反復するようにカム曲線が設定さ
れている。すなわち、第1のカム機構132は、入力回
転軸131の回転運動を、停留期間を有する間欠的なオ
シレート運動に変換するように構成される。
【0089】他方、図12に示すように、上記入力回転
軸131には、ハウジング130の外方に延出された端
部に、第2のカム機構135が設けられる。本実施例で
は第2のカム機構135としては、入力回転軸131に
取り付けられてこれと一体的に回転される原節としての
上下動カム136と、この上下動カム136に創出され
たカム曲線に沿って駆動される従節としてのロッド体1
37と、これら間で駆動力を伝達する揺動レバー107
とから構成されている。本実施例にあっては、上下動カ
ムとして平面溝カム136が採用されている。ロッド体
137は、ハウジング130の側壁にこれより水平方向
に突設されたガイド部材138に形成されている縦孔1
38a内に挿通されて、その上下往復移動が案内される
ようになっている。そしてこのロッド体137と平面溝
カム136との間に介設された揺動レバー107は、そ
の中央部がハウジング130に回転軸108で回転自在
に支持されると共に、一端には平面溝カム136の溝部
136a内に回転摺動自在に係合されるローラ107a
が設けられ、他端にはロッド体137の下端部に回転自
在に結合されるピン107bが設けられている。ロッド
体137の下端部には、水平方向に沿ってスライド溝1
37aが形成されると共に、このスライド溝137a内
には、揺動レバー107の回転対偶と、ロッド体137
に対する滑り対偶とを保証するスライドコマ137bが
設けられ、このスライドコマ137bにより揺動レバー
107を介して伝達される揺動運動が上下運動に変換さ
れてロッド体137に確動で伝達されるようになってい
る。そしてこのロッド体137は、平面溝カム136に
創出されたカム曲線に沿って移動され、この移動に従っ
てレシプロ運動されるように構成される。
【0090】レシプロ運動は具体的には、図18に示し
た位置Eをスタートとして、平面溝カム136には、入
力回転軸131の回転運動に伴い最初はドエルに従って
一定期間ロッド体137を停止させ(E−G(0)−A
期間)、その後の回転角の増加に従ってロッド体137
を所定の変位量εで上方へ進出運動させ(A−B期
間)、その後さらにドエルによって一定期間ロッド体1
37を停止させ(B−D期間)、その後再び回転角の増
加に従ってロッド体137を変位量0の位置まで下方へ
後退運動させる(D−E期間)動作を反復するようにカ
ム曲線が設定されている。
【0091】このようなカム曲線によるロッド体137
の運動は、図18のカム線図から明らかなように、順次
間欠的に生成される第1のカム機構132の各停留期間
に対して交互に、ロッド体137の進出運動と後退運動
とのいずれか一方の運動を生じさせることになる。
【0092】第2のカム機構135としては、上記平面
溝カム136に限定されることなく、その他の平面カム
や立体カム、例えば板カム、端面カム、円筒リブカム、
円筒溝カム、円錐端面カム、円錐溝カム、樽形溝カム、
鼓形溝カム、ローラギヤカムなど、いずれのカムを適用
してもよいことはもちろんである。
【0093】上記第1のカム機構132のターレット1
34には、図11に示したように、その回転運動中心位
置に、入力回転軸131に対し垂直に出力軸140が設
けられる。この出力軸140の取付構造については、第
1の搬送ユニット4におけるターレット34の取付構造
と同様である。そしてこの出力軸140は、第1のカム
機構132のオシレート運動が伝達されて、それに従っ
て揺動回転運動されるようになっている。
【0094】このようにしてハウジング130に回転自
在に取り付けられた出力軸140のハウジング130外
方へ延出された端部側には、クラッチ装置146が設け
られる。このクラッチ装置146の構造及び作用にあっ
ても、上記第1の搬送ユニット4のクラッチ装置46と
同様である。なお、第2の搬送ユニット104にあって
は、切欠部47bおよびこれに対応するポケット48a
の形成位置は、上述した第1のカム機構132によって
与えられる旋回角αに一致させて設定され、一般的に
は、出力軸140が1回転する期間(360°)を、割
り出し回数Sで除算することによって与えられる旋回角
αに設定される。本実施例では図10(A)に示したよ
うに、旋回角αが90°の場合が示されており、従って
90°間隔で4カ所に設定されている。そして第2の搬
送ユニット104にあっては上述したように、旋回角α
が90°の設定とされていることから、図10に示した
ように、一回のトルク遮断状態(クラッチ切断状態)は
90°の回転角度範囲で生ずるようになっている。
【0095】このように構成されたクラッチ装置146
にその断続動作を行わせるべく、その入・出力部材であ
る筒体47と円盤48との間の負荷を制御する操作が上
記の第2のカム機構135によって行われる。第2のカ
ム機構135からそのレシプロ運動が伝達されるロッド
体137の上方には、円盤48に一体的に設けられた、
第1のインデックステーブル55と同様な構成の第2の
インデックステーブル155が位置され、このインデッ
クステーブル155には、ロッド体137がその下方か
ら進退自在に進入して係脱自在に係合する位置決め孔部
155dがその周方向に沿って上記旋回角αの間隔を隔
てて形成される。そしてロッド体137は、第2のカム
機構135によって変位量εで進出移動されると、イン
デックステーブル155の位置決め孔部155dに係合
してその移動を制止し、これにより出力部材である円盤
48側の負荷を増大させて、クラッチ装置146を切り
離し作動させるクラッチ作動手段として機能するととも
に、係合しているインデックステーブル155の位置を
的確に保持する位置決め手段として機能されることにな
る。この作用は、図18において入力回転軸131のB
−D期間の回転角度範囲においてなされる。他方、ロッ
ド体137は、第2のカム機構135によって変位量0
の位置に維持されるときには、インデックステーブル1
55の位置決め孔部155bから離脱されており、これ
によりインデックステーブル155、ひいては円盤48
には当該ロッド体137による何らの負荷も発生せず、
これによりクラッチ装置146を接続状態に制御するよ
うになっている。この作用は、図18において入力回転
軸131のD−G(0)−Bの期間の回転角度範囲にお
いてなされる。
【0096】このようにして間欠割り出し運動されるイ
ンデックステーブル155よりも上方へ突出されてオシ
レート運動される出力軸140の軸端部には、図11、
図12及び図14に示すように、インデックステーブル
155に対する当該出力軸140の相対回転運動が伝達
されて回転駆動される駆動カム173が設けられる。当
該構成及び作動も第1の搬送ユニット4の第1のメカニ
カルハンド74のクランプ機構と同様である。本実施例
にあっては、第2のインデックステーブル155には、
上述した第1のカム機構132によって与えられる旋回
角αに一致させて、具体的には図10(A)で説明した
ように90°間隔で4カ所に、メカニカルハンド174
が配設される。クランプ作動のタイミングは図18に示
したように、第1のメカニカルハンド74の作動タイミ
ングであるC−D期間直前のB−C期間に設定される。
【0097】そしてさらにこのようなクランプ動作を行
う第2のメカニカルハンド174に、クラッチ装置14
6の継続による円盤48、すなわち第2のインデックス
テーブル155の回転運動を伝達して、これらメカニカ
ルハンド174を反転させる反転手段191が当該ユニ
ット104に備えられる。当該構成も第1の搬送ユニッ
ト4の反転手段91とほぼ同様である。異なる点は、第
2の回転要素196としてカム機構が用いられ、このカ
ム機構位置を経過するときのみ反転されることにある。
図11、図12及び図15に示すように、この反転手段
191は、主にメカニカルハンド174にその反転軸回
りに設けられた第1の回転要素としてのベベルギヤ19
5と、このベベルギヤ195に係合され、インデックス
テーブル155の回転運動を伝達する第2の回転要素と
してのパラレルカム196とからなる機構で構成され
る。
【0098】さらに詳述すると、まずハウジング130
の天井部130cには、出力軸140を囲繞するリング
状のカバー163がボルトで天井部130cに固定され
る。そしてこのカバー163上には、スリーブの形態
で、かつその周方向の2個所に90°間隔で、上下2段
で互いに位置ずれさせて突出されたカムプロフィール1
96a,196bを備えるパラレルカム196がボルト
で固定される。このように構成すれば、固定されたパラ
レルカム196に対してインデックステーブル155が
回転運動すると、両者間において相対回転が発生するこ
ととなり、インデックステーブル155にこのパラレル
カム196と係合するカムフォロワを設けておくことに
より、この第2の回転要素としてのパラレルカム196
を利用してインデックステーブル155の回転運動を取
り出すことができる。ここに、インデックステーブル1
55の円環状に形成された収容空間192内には、イン
デックステーブル155に担持させてこのパラレルカム
196に摺接する中間回転要素164が、メカニカルハ
ンド174に対応させて4組配列される。これら中間回
転要素164は、その下端部に形成された円板部分の表
裏それぞれに、パラレルカム196の上下2段のカムプ
ロフィール196a,196bにそれぞれ摺接するロー
ラフォロワ164a,164cと、その上端部に形成さ
れたベベルギヤ部164bとを備えて、中空軸体状に形
成される。そしてこの中間回転要素164は、インデッ
クステーブル155に取り付けられ、中間回転要素16
4の中空軸芯部に挿通される支持軸165に軸受166
を介して回転自在に支持される。従って、この中間回転
要素164は、インデックステーブル155の回転運動
によってパラレルカム196側から回転駆動されるよう
になっている。他方、メカニカルハンド174側におい
ては、反転スリーブ193の縮径部193aには当該反
転軸周りに、第1の回転要素としてベベルギヤ195が
設けられる。そしてこのベベルギヤ195は、上記の中
間回転要素164のベベルギヤ部164bに噛合され、
このベベルギヤ構成によって出力軸140回りのインデ
ックステーブル155の回転運動がこれと直交する反転
軸周りの回転運動に変換され、これにより反転スリーブ
193が反転されるように構成されている。
【0099】具体的な反転作動状態も上記第1の搬送ユ
ニット4におけるものと同様であり、第2のメカニカル
ハンド174は、90°間隔で2個所のパラレルカム1
96によって図18に示すように期間E−Fにおいて反
転角γで反転運動されることになる。
【0100】以上の第2の搬送ユニット104の構成の
作用について、主として図16と図18のカム線図を参
照しつつ、第2のメカニカルハンド174によるワーク
3の搬送状態を想定して説明する。図16では、位置Y
がアンクランプからクランプとされるワーク受け渡し位
置とされ、位置Zがクランプからアンクランプとされる
ワーク供給経路位置とされて、ワーク3を第2のメカニ
カルハンド174で位置Yから位置Zへ搬送する例が示
されている。またポジションは、第2の搬送ユニット
104の搬送経路において各種作業が実施可能な作業ス
テーションとなっている。従って、ポジションの位置
では、ワーク3を搬送するメカニカルハンド174のク
ランプ状態が維持される一方、ポジションの位置で
は、メカニカルハンド174はワーク3を搬送しないア
ンクランプ状態が維持されるようになっている。またワ
ーク3にオリエンテーションを与える反転動作について
は、位置Yで受け渡しされたワーク3を、位置Zで逆さ
まに反転させた姿勢で搬出する例が示されており、した
がって第2のインデックステーブル155では、ワーク
3は位置Yから位置Zに至る間で90°づつ反転され、
位置Zから位置Yに至る間では反転されないような設定
となっている。
【0101】このワーク搬送状態をメカニカルハンド1
74jを中心にして説明する。まず位置Yでは、メカニ
カルハンド174jは第1の搬送ユニット4から順次供
給されるワーク3を挟み込む準備のためにアンクランプ
状態にある。このとき、メカニカルハンド174kは、
ワーク3を90°反転させてクランプしつつ位置Yから
位置Zに向かって搬送している状態にある。またメカニ
カルハンド174mは、位置Zでワーク3をワーク取り
出し経路6へ搬出すべく、クランプ状態にある。さらに
メカニカルハンド174nは、次のワーク3の受け入れ
のためにアンクランプ状態で位置Zから位置Yに移動し
ている状態にある。
【0102】この状態は、図18のカム線図に示されて
いる入力回転軸131の1回転360°の回転運動にお
いて、Bの位置に相当することになる。
【0103】そして、入力回転軸131がB−C期間で
回転するときには、揺動回転カム133は、旋回角αで
ワーク搬送方向とは反対方向の戻り方向への回転を出力
して旋回角を0°とし、出力軸140を戻し回転させ
る。このときは、上下動カム136はドエルによってロ
ッド体137を変位量εの上昇位置に停止させ、第2の
インデックステーブル155の位置決め孔部155dに
係合させている。これによりクラッチ装置146には大
きな回転負荷が発生し、従ってクラッチ装置146は切
り離し状態となり、筒体47と円盤48との間に相対回
転が発生することになる。すなわち、出力軸140は戻
り回転される一方で、第2のインデックステーブル15
5はその位置決め孔部155aとロッド体137との係
合作用も相俟って、旋回角αの位置に停止される。この
相対回転運動が発生すると、駆動カム173によって駆
動手段179を介し位置Y,Zのメカニカルハンド17
4j,174mがクランプ、アンクランプのクランプ作
動される一方で、残りのメカニカルハンド174k,1
74nのクランプ作動は行われない。これにより、第1
のメカニカルハンド74との間でワーク3の受け渡しが
達成されるとともに、ワーク取り出し経路6へのワーク
3の搬出が達成されることになる。またこのクランプ動
作時にあっては、反転手段191は作動せず、ワーク3
の姿勢を保ったままでのクランプ、アンクランプ動作が
行われる。これに対して、ワーク搬送中のメカニカルハ
ンド174kはクランプ動作されないと共に、受け入れ
準備態勢のメカニカルハンド174nも受け渡し時のア
ンクランプ状態を維持している。
【0104】次に、入力回転軸131がC−D期間で回
転するときには、揺動回転カム133も上下動カム13
6もドエルによって運動を出力せず、これにより出力軸
140も第2のインデックステーブル155も停止状態
となる。従ってこの期間では、全メカニカルハンド17
4は回転移動も反転もされず、定位置に維持される。従
って、この期間において、作業ステーションでのワー
ク3に対する各種の作業が実施可能とされることにな
る。
【0105】次に、入力回転軸131がD−E期間で回
転するときには、揺動回転カム133はドエルによって
回転を出力せず、出力軸140の旋回角0°を維持した
ままとなる。従って、インデックステーブル155には
何らの回転トルクも伝達されず、停止状態を維持してい
る。他方、この停留期間では、上下動カム136は揺動
レバー107を駆動してロッド体137を変位量εで下
方へ後退移動させることとなり、従ってロッド体137
は、位置決め孔部155aから離脱して変位量0の位置
に戻されてクラッチ装置146が接続される。このとき
も全メカニカルハンド174は、回転移動も反転もされ
ない。
【0106】次に、入力回転軸131がE−F期間で回
転する間にカム機構132の揺動回転カム133はター
レット134を介して、出力軸140に旋回角αの一方
向への回転を出力する。このときは、上下動カム136
はドエルによって揺動レバー107を停止させており、
ロッド体137を変位量0の位置に停止させている。こ
れによりクラッチ装置146には大きな回転負荷は発生
せず、従ってクラッチ装置146は接続状態で筒体47
と円盤48とが一体的に回転駆動されて、インデックス
テーブル155は出力軸140とともに旋回角αで一方
向に回転される。これによりメカニカルハンド174j
はポジションに移動されてワーク3を搬送する。この
ときメカニカルハンド174nはワーク受け渡し位置Y
に達するとともに、メカニカルハンド174kはワーク
取り出し経路位置Zに達する。そしてこの搬送期間中に
おいて、インデックステーブル155の回転運動により
反転手段191を介して反転スリーブ93が反転角γ
(=90°)で反転し、これによりメカニカルハンド1
74j,174kが反転されて、ワーク3の姿勢を変更
させる。
【0107】次に、入力回転軸131がF−G(0)−
A期間で回転するときには、このときも揺動回転カム1
33も上下動カム136もドエルによって運動を出力せ
ず、これにより出力軸140もインデックステーブル1
55も停止状態となる。従ってこの期間では、全メカニ
カルハンド174は回転移動も反転もされず、定位置に
維持される。この際、作業ステーションでワーク3に
対する各種の作業を行ってもよい。
【0108】次に、入力回転軸131がA−B期間で回
転するときには、揺動回転カム133はドエルによって
回転を出力せず、出力軸140は旋回角αを維持したま
まで停留期間に入る。この際、インデックステーブル1
55も停止する。この停止位置では、ロッド体137の
上方には、揺動回転カム133のカム曲線に従ってイン
デックステーブル155の位置決め孔部155dが旋回
角αの位置割り出しで位置しており、この状態において
上下動カム136は揺動レバー107を介してロッド体
138を変位量εで上方へ進出移動させることとなり、
ロッド体138は位置決め孔部155dに進入して係合
し、インデックステーブル155をハウジング130側
に固定する。そしてこの係合状態は、その後上下動カム
136がドエルによって揺動レバー107を停止させ、
ロッド体137がその変位量εを維持して停止されるこ
とから、維持される。このとき全メカニカルハンド17
4は回転移動も反転もされない。以上の作動が、入力回
転軸131の1回転で達成される。
【0109】入力回転軸131の2回転目には、同様な
作動の下、位置Yではメカニカルハンド174nがワー
ク3を受け入れした後移動され、他方、メカニカルハン
ド174kが位置Zでクランプ動作されてワーク取り出
し経路6へワーク3を排出した後に移動され、メカニカ
ルハンド174jが上記のメカニカルハンド174kに
代わって位置Zへ、さらに90°反転した状態でワーク
3を搬送することになる。
【0110】すなわち、メカニカルハンド174は、旋
回角αの割り出し間隔で、入力回転軸131の4回転に
よって一回りのワーク3の搬送と必要な反転動作とを完
了することになる。
【0111】以上のような第1の搬送ユニット4と、第
2の搬送ユニット104との作動で、図3に示した動作
が達成されることになる。
【0112】上述してきたように本実施例の間欠割り出
し作用に関しては、出力軸40,140は揺動回転カム
33,133から伝達されるオシレート運動を継続する
一方で、インデックステーブル55,155は、ストッ
パ38及びロッド体137によるクラッチ装置46,1
46の断続制御によって、制止動作と回転動作とを繰り
返すこととなり、これにより間欠回転運動されることに
なる。そして、この間欠回転運動の際の位置割り出し
は、揺動回転カム33,133のカム曲線と、上下動カ
ム36,136による、第1のインデックステーブル5
5のローラ39及び第2のインデックステーブル155
の位置決め孔部155dに係合しこれを制止させるスト
ッパ38及びロッド体137とによって的確に確保され
ることとなり、これにより確動の間欠割り出し運動を得
ることができる。さらに本実施例にあっては、クラッチ
装置46,146を構成する筒体47の切欠部47bお
よび円盤48のポケット48aを旋回角α,βに一致さ
せていることから、このクラッチ装置46の断続動作自
体が割り出し位置において行われるようになっており、
従ってこのクラッチ装置46,146によっても割り出
し位置を適切に保持することができる。すなわち本実施
例では、揺動回転カム33,133の旋回角α,β、ク
ラッチ装置46,146の切欠部47bおよびポケット
48aの配置角度α,β、インデックステーブル55,
155のローラ39及び位置決め孔部155bの配置角
度α,βが全て一致されていて、極めて高い位置割り出
し精度が得られるようになっている。
【0113】また本実施例では、入力回転軸31,13
1の1回転においては、出力軸40,140が1往復の
オシレート運動を行うのに対して、インデックステーブ
ル55は、旋回角α,βだけ一方向へ送り出される回転
運動を行うことになる。また、上下動カム36,136
は、入力回転軸31,131の1回転における揺動回転
カム33,133の2回の停留期間それぞれにおいて、
ストッパ38及びロッド体137とインデックステーブ
ル55,155との係合のための進出運動と離脱のため
の後退運動とのいずれか一方の運動を交互に、出力軸4
0,140に伝達することになる。
【0114】ところで以上説明した本実施例のメカニカ
ルハンドを用いた搬送装置は基本的に、ドエルによって
確実な停留状態を創出することができて運動全体の確動
を容易かつ確実に得ることができる、高速運動安定性及
び高い信頼性を有するカム機構32,132,135及
び駆動カム73という機械要素を用いて構成され、揺動
回転カム33,133によって得られた間欠的なオシレ
ート運動から、ストッパ38及びロッド体137により
制御されるクラッチ装置46,146の断続によって間
欠回転運動が取り出され、この間欠回転運動においてさ
らにストッパ38及びロッド体137に対するインデッ
クステーブル55,155の係合動作で割り出し位置が
保持されて、確動の間欠割り出し運動を合理的に高精度
で得ることができる。
【0115】また、インデックステーブル55,155
の位置割り出し精度は本質的に、揺動回転カム33,1
33に備えられるカム曲線によって高い精度で確保さ
れ、さらにこの揺動回転カム33,133によって位置
割り出しされたインデックステーブル55,155の不
必要な回りを、ストッパ38及びロッド体137によっ
て完全に阻止することができる。
【0116】そしてまた他方、上述してきたように、出
力軸40,140は常にカム機構32,132,135
から伝達される運動に従ってオシレート運動を行い、ま
たそれと同時にインデックステーブル55,155は、
クラッチ装置46,146の断続制御に従って間欠回転
運動を行うもので、これらの2種類の運動が単一の出力
軸40,140から同軸で出力されることになる。そし
てこのような2種類の運動系において、第1にクラッチ
装置46,146の切り離しにより割り出し位置で制止
されているインデックステーブル55,155に対し、
出力軸40,140を相対回転運動させるようにし、こ
の相対回転運動の出力をメカニカルハンド74,174
に伝達して割り出し位置でのクランプ動作に利用できる
ようになっている。また第2に、クラッチ装置46,1
46の継続により出力軸40,140と共にインデック
ステーブル55,155を一体的に回転運動させる際
に、このインデックステーブル55,155の回転運動
の出力を反転手段91,191に伝達し、当該割り出し
回転期間中を利用してメカニカルハンド74,174に
反転動作を行わせることができるようになっている。
【0117】これにより、第1に、メカニカルハンド7
4,174は、インデックステーブル55,155が制
止される間欠割り出し運動の割り出し位置においてクラ
ンプ、アンクランプのクランプ動作を行うことができ
る。そして間欠割り出し運動における割り出し位置は、
出力軸40,140回りに多数設定することができると
共に、この割り出し位置の全て、若しくはいずれかに対
応させて多数のメカニカルハンド74,174を備える
ことができて、多数の割り出し位置で作動する多数のメ
カニカルハンド74,174を配設することができる。
これにより、出力軸40,140回りの回転軌跡に従う
ワークの搬送経路に多数のメカニカルハンド74,17
4を備えるとともにこの搬送経路に多数の停止位置を設
定して、多数のメカニカルハンド74,174を、一挙
に旋回移動させると共に多数の停止位置で一挙に作動さ
せることができる。従って、多数のワーク3を多数位置
から受け入れ、かつまた多数位置で排出することを可能
として、一台の装置で一挙に多数のワークを搬送処理で
きる。
【0118】また第2に、メカニカルハンド74,17
4自体は、インデックステーブル55,155が割り出
し回転される期間中、すなわちワーク3の搬送途上で反
転動作を行うことができる。1回の割り出し回転中にお
けるメカニカルハンド74,174の反転角γ,θは適
宜に設定することができ、1回の割り出し回転で所望の
反転角で反転させることも、数回の割り出し回転を経て
所望の反転角で反転させることもできる。すなわち、搬
入端から搬出端に至るまでの割り出し回数で所望の反転
角を除算することで、メカニカルハンド74,174が
搬入端から受け入れたワーク3を、望ましい姿勢で搬出
端から排出することができる。また搬入端でワーク3を
受け入れる際にも、メカニカルハンド74,174を所
望の姿勢に調整することができる。これにより、出力軸
40,140回りの回転軌跡に従うワークの搬送経路に
おいて、ワーク3の受け入れ姿勢、クランプしているワ
ーク3の姿勢変更、ワーク3の排出姿勢というワーク3
のオリエンテーションを、単一構成の装置で必要に応じ
て設定することもできる。
【0119】要するに、カム機構32,132,135
とクラッチ装置46,146とを用いて、オシレート運
動から間欠割り出し運動を合理的な構成で得、このよう
にして得られた間欠割り出し運動をワーク3の搬入・搬
出を含む搬送動作に利用できると共に、この間欠割り出
し運動に対応してクランプ作動しかつ反転する多数のメ
カニカルハンド74,174を組み込んで、多数のワー
ク3を一挙にハンドリングすることができる。
【0120】また、揺動回転カム33,133における
カム曲線では、オシレート運動の揺動回転角度範囲に制
限はなく、従って180°以上の角度範囲のオシレート
運動を創り出すこともできる。
【0121】さらに、反転手段91,191を回転要素
機構で構成したので、回転運動を簡単な構成で確実にメ
カニカルハンド74,174に伝達することができ、ワ
ーク3の姿勢制御を、単一の装置内の一貫した回転運動
作用によって的確に行うことができる。
【0122】他方また、メカニカルハンド74,174
を、カム機構32,132によって運動される出力軸4
0,140に設けた駆動カム73,173により駆動さ
れる駆動手段79,179によってクランプ動作させる
ように構成したので、メカニカルハンド74,174の
作動を、空気圧や油圧・電気・磁気駆動機構などのその
他一切の別の動力源を用いることなく、カム構成の運動
伝達系のみによって、且つ単一の出力軸40,140か
らの運動出力で行わせることができ、複雑な運動を極め
て簡単な構成で得ることができる。
【0123】また上記実施例では、揺動回転カム33,
133の各回の停留期間に対して交互に、出力軸40,
140を進出・後退のいずれか一方向へのみ運動させる
ようにしたが、揺動回転カム33,133の停留期間に
対する出力軸40,140の制御はこれに限られるもの
ではない。間欠割り出し運動の設定については、上下動
カム36,136による出力軸40及びロッド体137
のレシプロ駆動に関し、揺動回転カム33,133が作
り出すいずれかの停留期間において少なくとも一方向に
進出する運動を生じさせて一定期間停止させ、その後の
いずれかの停留期間において少なくとも反対方向に後退
する運動を生じさせて一定期間停止させるカム曲線を創
出するようにしてもよい。これにより、出力軸40,1
40は、揺動回転カム33,133のいずれかの停留期
間中において、少なくともいずれか一方向に進退するレ
シプロ運動を生じることになり、これによって得られる
間欠割り出し運動は多種多様のものとなる。
【0124】
【発明の効果】以上要するに請求項1の発明によれば、
ワークは、第1及び第2のメカニカルハンドの間で受け
渡しされるステップを経て、搬送されることになる。こ
の際、第1のメカニカルハンドと第2のメカニカルハン
ドとは、ワークに対して互いに異なる反対方向から近接
し、かつワークを含む異なる平面内でそれぞれ挟み込み
動作されることから、挟み込みのために隠されるワーク
の面が異なって、結局メカニカルハンドでクランプした
搬送経路において、ワークの全面が隠されることなく、
表出されることになる。これにより、メカニカルハンド
にクランプして搬送する形態でありながら、搬送経路途
上でワークの全面に対して各種の作業を実施することが
可能となる。ワークの全面に対する作業内容としては、
例えば、加工、組立、挿入、充填、印刷、塗装、溶接、
接着、移送、選別、整列、計測、外観検査、巻線など様
々な作業があり、これら作業を搬送途中で行う自動化機
械の搬送装置として、本発明の装置を利用することが可
能である。
【0125】また請求項2の発明によれば、請求項1の
発明による第1及び第2のメカニカルハンド相互間にお
けるワークの受け渡しに際し、受け渡し位置において一
旦両方のメカニカルハンドがワークを挟み込む状態とな
る。その後、いずれか一方のメカニカルハンドの解除動
作により、他方のメカニカルハンドが単独でワークをク
ランプし、その後ワークを搬送することになる。この受
け渡し位置からのワークの搬出や、またこの受け渡し位
置へのワークの搬入に際して、ワークの搬送方向の設定
によっては第1及び第2のメカニカルハンド同士がワー
クの受け渡し位置で干渉する場合があるが、少なくとも
いずれか一方のメカニカルハンドを、受け渡し位置から
退避位置へと移動可能としているので、メカニカルハン
ド同士が干渉することはなく、ワークの搬送方向を自由
に設定することができる。
【0126】また請求項3に係る発明によれば、出力軸
はカム機構から伝達される回転運動を継続する一方で、
出力部材は、カム機構による出力軸のレシプロ運動に基
づく、クラッチ作動手段によるクラッチ手段の断続制御
によって、制止動作と回転動作とを繰り返すこととな
り、これにより間欠回転運動されることになる。そし
て、この間欠回転運動の際の位置割り出しは、カム機構
のカム曲線と、上下動されるクラッチ手段の出力部材に
係合しこれを制止させるクラッチ作動手段とによって的
確に確保されることとなり、これにより確動の間欠割り
出し運動を得ることができる。
【0127】そして上述のように、出力軸は常にカム機
構から伝達される運動に従って回転運動を行い、またそ
れと同時に出力部材は、クラッチ手段の断続制御に従っ
て間欠回転運動を行うもので、これらの2種類の運動が
単一の出力軸から同軸で出力されることになる。そして
このような2種類の運動系において、クラッチ手段の切
り離しにより割り出し位置で制止されている出力部材に
対し、出力軸を相対回転運動させるようにし、この相対
回転運動の出力を駆動手段に伝達してこの駆動手段によ
り、割り出し位置で第1のメカニカルハンドをクランプ
動作させることができるようになっている。これによ
り、第1のメカニカルハンドは、出力部材が制止される
間欠割り出し運動の割り出し位置においてクランプ、ア
ンクランプのクランプ動作を行うことができる。
【0128】請求項4に係る発明によれば、出力軸は第
1のカム機構から伝達されるオシレート運動を継続する
一方で、出力部材は、クラッチ作動手段によるクラッチ
手段の断続制御によって、制止動作と回転動作とを繰り
返すこととなり、これにより間欠回転運動されることに
なる。そして、この間欠回転運動の際の位置割り出し
は、第1のカム機構のカム曲線と、第2のカム機構に駆
動されて出力部材に係合しこれを制止させるクラッチ作
動手段とによって的確に確保されることとなり、これに
より確動の間欠割り出し運動を得ることができる。
【0129】そしてこのように構成された第2の搬送ユ
ニットにも、第2のメカニカルハンドをクランプ作動さ
せるために、第1の搬送ユニットと同様に駆動手段が備
えられ、同様な効果を奏することとなる。
【0130】他方また、請求項5の発明によれば、第1
の搬送ユニット及び第2の搬送ユニットいずれにおいて
も、第1及び第2のメカニカルハンドを、出力軸に設け
た駆動カムによって駆動される駆動手段によってクラン
プ動作させるように構成したので、メカニカルハンドの
作動を、空気圧や油圧・電気駆動機構などのその他一切
の別の動力源を用いることなく、カム構成の運動伝達系
のみによって、且つ単一の出力軸からの運動出力で行わ
せることができ、複雑な運動を極めて合理的な構成で得
ることができる。
【0131】さらに請求項6の発明によれば、上述した
ように第1の搬送ユニット及び第2の搬送ユニットいず
れにおいても、出力軸は常にカム機構から伝達される運
動に従って回転運動を行い、またそれと同時に出力部材
は、クラッチ手段の断続制御に従って間欠回転運動を行
うもので、これらの2種類の運動が単一の出力軸から同
軸で出力されることになる。そしてこのような2種類の
運動系において、クラッチ手段の継続により出力軸と共
に出力部材を一体的に回転運動させる際に、この出力部
材の回転運動の出力を反転手段に伝達し、当該割り出し
回転期間中を利用して第1及び第2のメカニカルハンド
に反転動作を行わせることができるようになっている。
これにより、これらメカニカルハンド自体は、出力部材
が割り出し回転される期間中、すなわちワークの搬送途
上で反転動作を行うことができる。これにより、出力軸
回りの回転軌跡に従うワークの搬送経路において、ワー
クの受け入れ姿勢、クランプしているワークの姿勢変
更、ワークの排出姿勢というワークのオリエンテーショ
ンを、単一構成のユニットで必要に応じて設定すること
ができる。
【0132】また、反転手段を互いに係合する単純な回
転要素の組み合わせで構成したので、回転運動を簡単な
構成で確実にメカニカルハンドに伝達することができ、
ワークの姿勢制御を、単一のユニット内の一貫した回転
運動作用によって的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメカニカルハンドを用いた搬送装
置の好適な一実施例を示す側断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】メカニカルハンドによるワークの受け渡し状態
を説明するための説明図である。
【図4】第1の搬送ユニットを示す側断面図である。
【図5】図4の平面断面図である。
【図6】第1の搬送ユニットのハウジングよりも上方に
位置する、第1のインデックステーブルや第1のメカニ
カルハンドを拡大して示す側断面図である。
【図7】図6の第1のインデックステーブルの上方部分
の平面断面図である。
【図8】図6の第1のインデックステーブルの下方部分
の平面断面図である。
【図9】搬送ユニットに採用されたクラッチ装置を示す
側断面図である。
【図10】上記クラッチ装置の構造および作動を示す説
明図である。
【図11】第2の搬送ユニットを示す側断面図である。
【図12】第2の搬送ユニットを示す側面図である。
【図13】図11の平面断面図である。
【図14】図11の第2のインデックステーブルの上方
部分の平面断面図である。
【図15】図11の第2のインデックステーブルの下方
部分の平面断面図である。
【図16】上記実施例の搬送動作及びメカニカルハンド
の作動を説明するための平面図である。
【図17】第1の搬送ユニットのタイミングチャートで
ある。
【図18】第2の搬送ユニットのタイミングチャートで
ある。
【図19】従来の技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
3 ワーク 4 第1の搬送ユニット 32 カム機構 38 ストッパ 40 出力軸 46 クラッチ装置 47 筒体 48 円盤 73 駆動カム 74 第1のメカニカルハンド 79 駆動手段 91 反転手段 95 第1の歯車 96 第2の歯車 104 第2の搬送ユニット 132 第1のカム機構 135 第2のカム機構 137 ロッド体 140 出力軸 146 クラッチ装置 173 駆動カム 174 第2のメカニカルハンド 179 駆動手段 191 反転手段 195 ベベルギヤ 196 パラレルカム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークに対して一方向から近接し、当該
    ワークを含む第1の平面内で挟み込み動作されて、該ワ
    ークをクランプする第1のメカニカルハンドと、上記ワ
    ークに対して反対方向から近接し、当該ワークを含む、
    上記第1の平面とは交わる第2の平面内で挟み込み動作
    されて、該ワークをクランプする第2のメカニカルハン
    ドとを備え、 一方のメカニカルハンドの解除動作と、他方のメカニカ
    ルハンドの挟み込み動作で、上記ワークを一方から他方
    へ受け渡すようにしたことを特徴とするメカニカルハン
    ドを用いた搬送装置。
  2. 【請求項2】 少なくともいずれか一方の前記メカニカ
    ルハンドは、前記ワークが受け渡しされる受け渡し位置
    から退避位置へと移動可能に設けられることを特徴とす
    る請求項1に記載のメカニカルハンドを用いた搬送装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1のメカニカルハンドが第1の搬
    送ユニットに搭載され、 該第1の搬送ユニットは、カム機構から、回転運動と軸
    方向レシプロ運動とを独立に生ずる複合運動が伝達され
    る出力軸と、該出力軸に設けられた入力部材および該入
    力部材に対して相対回転可能な出力部材を有し、これら
    入・出力部材間に発生する回転負荷に応じて断続される
    クラッチ手段と、上記出力軸の軸方向レシプロ運動に伴
    って運動する上記クラッチ手段の上記出力部材が係脱自
    在に係合して、該クラッチ手段を断続作動させるクラッ
    チ作動手段と、上記クラッチ手段の切り離しによる上記
    出力部材に対する上記出力軸の相対回転運動が伝達され
    て上記第1のメカニカルハンドをクランプ動作させる駆
    動手段と、 を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載
    のメカニカルハンドを用いた搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のメカニカルハンドが第2の搬
    送ユニットに搭載され、 該第2の搬送ユニットは、入力回転軸の回転運動を、停
    留期間を有する間欠的なオシレート運動に変換する第1
    のカム機構と、上記入力回転軸の回転運動を、上記停留
    期間で生じるレシプロ運動に変換する第2のカム機構
    と、上記第1のカム機構の上記オシレート運動が伝達さ
    れる出力軸と、該出力軸に設けられた入力部材および該
    入力部材に対して相対回転可能な出力部材を有し、これ
    ら入・出力部材間に発生する負荷に応じて断続されるク
    ラッチ手段と、上記第2のカム機構の上記レシプロ運動
    が伝達され、上記クラッチ手段の上記出力部材に係脱自
    在に係合して、該クラッチ手段を断続作動させるクラッ
    チ作動手段と、上記クラッチ手段の切り離しによる上記
    出力部材に対する上記出力軸の相対回転運動が伝達され
    て上記第2のメカニカルハンドをクランプ動作させる駆
    動手段と、 を備えていることを特徴とする請求項1〜3いずれかの
    項に記載のメカニカルハンドを用いた搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段は、前記出力軸に設けられ
    た駆動カムによって駆動されることを特徴とする請求項
    3または4に記載のメカニカルハンドを用いた搬送装
    置。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第2の搬送ユニットの少な
    くともいずれか一方は、前記クラッチ手段の継続による
    前記出力部材の回転運動が伝達されて前記第1及び第2
    のメカニカルハンドのいずれか一方を反転させる反転手
    段を有し、 該反転手段は、上記メカニカルハンドにその反転軸回り
    に設けられた第1の回転要素と、該第1の回転要素に係
    合され、前記出力部材の回転運動を伝達する第2の回転
    要素とからなることを特徴とする請求項3〜5いずれか
    の項に記載のメカニカルハンドを用いた搬送装置。
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