JPS5924439Y2 - ドライビングフイクスチヤ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 こ 考案はロータリーステーションマシン等において加
工ワークを保持するためのドライビングフイクスチャに
関するものである。

例えば今日汎用されているロータリーステーションマシ
ンにおいては、ワークを保持するためのフイクスチャは
ロータリーテーブルに固定されており、このために各加
工ステージョンにおける加工はあくまでも刃物回転型の
加工のみに限定され、ワーク自体に回転や送りを与えて
加工するいわゆる旋削やねじ切りあるいは長穴加工等を
行なうことは全く不可能であり、したがってこれらのこ
とがロータリーステーションマシンの用途を著しく制約
する原因となっている。

これら従来のロータリーステーションマシンの具備する
問題点を解決する手段として、本考案者は先に、従来不
可能とされていたワーク回転型の加工をも可能とした新
規なロータリーステーションマシンを開発し、すでに出
願している。

このロータリーステーションマシンは、ロータリーテー
ブル上の均等分割位置には複数のドライビングフイクス
チャをそれぞれ取付けるとともに、上記ロータリーテー
ブルの下面における各ステーション位置には上記ドライ
ビングフイクスチャの回転部の要する回転駆動を司るＮ
Ｃ制御のドライブユニットを配設し、各ステーションの
加工に応じてこれらドライブユニットを連続回転させた
りあるいはインチ゛ツクス回転させ、この回転力を所望
の伝達手段を介して上記ドライビングフイクスチャに伝
達することによって従来不可能とされていた旋削やねじ
切り等を可能としたもので、これによればロータリース
テーションマシンの汎用性を一段と向上させることがで
きる点で大いに期待できる。

この考案は主に上述のロータリーステーションマシンに
適用して、それをより有効に実現せしめる一手段として
考案されたもので、ドライビングフイクスチャの回転体
における回転方向の位置決めを機械的に行なう機能と、
上記位置決めを解除すると同時にドライブユニットの回
転を上記ドライビングフイクスチャに伝達すべく両者を
機械的に連結する機能、ならびに上記二状態を選択的に
切換えるための機構とを備えたものである。

すなわち本考案に係るドライビングフイクスチャは、テ
ーブル等の移動体に固定された基体に対して回転可能に
垂設され、その上面にはワークチャッキング機構を搭載
するとともにその下端部にはフランジ部を有する回転体
と、この回転体のフランジ部に上下動可能に取付けられ
、上記基体の下面部に形成された係合溝ならびに上記回
転体に対向するドライブユニットの駆動板にそれぞれ選
択的に係合し、上記回転体の定価停止位置決めならびに
上記ドライブユニットから回転体への動力伝達を司る位
置決めピンと、この位置決めピンを上下動せしめてその
係合状態を選択的に切換えるための機構とを備えたもの
である。

以下、この考案の一実施例をロータリーステーションマ
シンに適用した場合について図面に基づき説明する。

図において、１は所望のインデックス機構によってイン
チ゛ツクス回転されるロータリーテーブルであり、この
ロータリーテーブル１の周縁部には加工ワークを保持す
るためのドライビングフイクスチャ２が取付けられてお
り、これに対向するようにしてロータリーテーブル１の
下面の各加工ステージョン位置には、上記ドライビング
フイクスチャの要する連続回転やインデックス回転を司
るＮＣ制御のドライブユニット３が配設されている。

４は上記ドライビングフイクスチャ２の基体であり、こ
の基体４は複合筒構造をなすべくスリーブ５を有してい
るとともに、このスリーブ５内にはフランジ部６ａを有
する回転体６かベアリング７．７を介して自由回転可能
に支持されており、上記フランジ部６ａ上に図示しない
ワークチャッキング機構が搭載される。

また上記回転体６の下端部にはスリーブ５とほぼ同径の
従動体８が一体に取付けられており、この従動体８には
これを上下に貫通する両端くさび状の位置決めピン９が
上記回転体６の軸心とはその中心を異にして上下動可能
に装入支持されているとともに、前記回転体６との間に
介在されたコイルばｊａｌＯによって常時下方に向がっ
て付勢されている。

この位置決めピン９は基体４に対する回転体６の回転方
向の位置決めすなわち相対的に回転可能な関係にある基
体４に対して回転体６をその定角停止位置に位置決め停
止させるための機能、ならびに上記の位置決めを解除し
てドライブユニット３の回転力を上記回転体６に伝達す
るための機能とを有しており、そのために上記スリーブ
５の下端面には前記位置決めピン９が係合可能が係合溝
１１が形成されており、さらにドライブユニット３の駆
動板１２にも上記位置決めピン９の下端部が保合可能な
係合溝１２ａが形成されている。

すなわち、上記位置決めピン９はその往復動ストローク
の上千二位置においてそれぞれ別個の機能を有しており
、図に示すように位置決めピン９がスリーブ５側の係合
溝１１に係合している時には基体４と回転体６との定常
的かつ機械的な位置決めがなされ、このような状態で刃
物回転型の加工ならびにロータリーテーブル１のインチ
゛ツクス回転がなされるようになっている。

また、これとは逆に位置決めピン９が下動して駆動板１
２側の係合溝１２ ａに係合している場合には、上記の
位置決めが解除されて回転体６は基体４に対して自由回
転可能な状態にある。

よってこのような状態でワーク回転型の旋削等のための
連続回転やインデックス回転がドライブユニット３側の
ＮＣ制御によって回転体６に付与されるようになってい
る。

尚、ドライブユニット３側の回転が停止される場合には
、近接スイッチ１３の検出出力とドライブユニット３側
のＮＣ制御とによって、保合溝１１と１２ ａならびに
位置決めピン９とが常に同一軸線上に一致するような位
置で停止される。

１４は上記基体４内において回転体６と平行に、かつコ
イルばね１５を介して上下動可能に配設されたスライド
軸であり、このスライド軸１４の下端部は前述した位置
決めピン９に突設されたピン１６に係合しているととも
に、その上端部はこれの往復駆動源であるエアシリンダ
のピストンロッドに連結されている（図示路）。

そして、上記スライド軸１４を上下動せしめることによ
って位置決めピン９を媒体として回転体６を位置決め停
止させるか、あるいはドライブユニット３からの回転伝
達を受けて回転駆動させるかを二者択一的に切換えるこ
とができるようになっている。

尚、１７は位置決めピン９が係合溝１２ａに係合したこ
とを検出する近接スイッチであり、一方位置決めピン９
とスリーブ５側の係合溝１１との係合状態は、前述した
スライド軸の駆動源であるエアシリンダ側に設けられた
りミツトスイッチによって検出される。

したがって上記構成の結果、ロータリーテーブル１その
ものをインデックス回転させる場合ならびにドライビン
グフイクスチャ２の回転体６を位置決め固定して刃物回
転型の加工等を行なう場合には、図に示す位置決めピン
９と保合溝１１とが係合した状態のままで行なわれる。

また他の加工ステージョンにおいて、回転体６に旋削あ
るいはねじ切りのための連続回転あるいは回転体６自体
をインデックス回転させる場合等、ワーク回転型の加工
を行なう場合には、ロータリーテーブル１のインデック
ス位置が定まった状態で制御系からの制御信号によって
スライド軸１４の駆動源であるエアシリンダが駆動され
、位置決めピン９は係合溝１１から離脱してその位置決
め停止状態が解除されると同時に、その位置決めピン９
の下端部が駆動板１２上の係合溝１２ ａに係合し、こ
れによって回転体６が駆動板１２に連結され、かつその
状態を近接スイッチ１７が検出する。

そしてこの検出信号に基づいてドライブユニット３が回
転駆動され、よって回転体６は所望の連続回転あるいは
インデックス回転がなされることになる。

尚、位置決めピン９を付勢するコイルばね１０とスライ
ド軸１４に貫挿されたコイルばね１５とでは、コイルば
ね１０の方かばね張力が小さく、かつ両コイルばねは互
いに対抗するようになっているため、位置決めピン９の
上下いずれの保合状態においても、その最終的な゛係合
力は上述のコイルばねによって決定される。

以上の説明から明らかなようにこの考案におけるフイク
スチャによれば、回転体の回転方向の位置決めならびに
ドライブユニッ）・がら上記回転体への回転伝達を司る
位置決めピンと、この位置決めピンを選択的に切換え係
脱する機構とを備えており、しかも比較的コンパクトに
まとめられているので、とかくスペース的な制約を受は
易いロータリーステーションマシンにも十二分に適用す
ることができ、また上記機構を例えばドライブユニット
側に設けた場合に比して構造そのものを簡略化できるほ
か、その分だけドライブユニット側の機能的負担ならび
にコストを削減することができる。

さらに上記位置決めピンが基体側に係合している状態で
は回転体そのものは独自に位置決めされるので、信頼性
の高い高精度加工を行なうことができる。

したがって本案ドライビングフイクスチャを上述のロー
タリーステーションマシンに適用すればその機能を一層
有効化ならしめることができるのである。

尚、本案フイクスチャは、その要旨を変更しない程度の
設計変更のみでロータリーステーションマシンのみなら
ず、リニアトランスファマシン等にも適用することが可
能である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係るドライビングフイクスチャの位置
決め状態を示す断面説明図である。 １・・・・・・ロータリーテーブル、２・・・・・・ド
ライビングフイクスチャ、３・・・・・・ドライブユニ
ット、４・・・・・・基体、６・・・・・・回転体、８
・・・・・・従動体（フランジ部）、９・・・・・・位
置決めピン、１１・・・・・・係合溝、１２・・・・・
・駆動板、１４・・・・・・スライド軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 後述の回転体の要する回転駆動を司るドライブユニット
   が配設された搬送路上を所望の搬送機構によって順次移
   送されるテーブル等の移動体に固定された基体と、この
   基体に対して回転可能に垂設され、その上面にはワーク
   チャッキング機構を搭載するとともにその下端部にはフ
   ランジ部を有する回転体と、この回転体のフランジ部に
   上下動可能に取付けられるとともに、上記基体の下面部
   に形成された保合溝ならびに上記回転体に対向するドラ
   イブユニットの駆動板に選択的に係合し、上記回転体？
   定角停止位置決めならびに上記ドライブユニツＡ−から
   回転体への動力伝達を司る位置／ 決めピンと、この位置決めピンを上下動せしめてその保
   合状態を選択的に切換えるための機構とを備えたドライ
   ビングフイクスチャ。