JPH0816718A - 図形情報入力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】磁界レベルの異なる磁性パターンの図形を区別
して入力する。 【構成】ホール素子１２をマトリックス状に配列したマ
トリックス回路１１を設け、このマトリックス回路の上
に載置台を配置し、その載置台の上に図形情報を磁性パ
ターンとして記録した図形情報記録物体を載置したとき
の各ホール素子の出力信号レベルをコンパレータ１７に
おいて、２つの比較器により、異なる基準電圧レベルと
比較する。そして磁性パターンの磁界強度が強いときに
は両方の比較器から出力信号を取出し、また磁性パター
ンの磁界強度が弱いときには一方の比較器からのみ出力
信号を取出する。これにより磁界レベルの異なる磁性パ
ターンを判別する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マトリックス状に配置
したホール素子を使用して図形情報記録物体の磁性パタ
ーンを判別して図形情報入力を行う図形情報入力装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】マトリックス状に配置したホール素子を
使用して図形情報入力を行う図形情報入力装置として
は、例えば特公昭５２−３５５６号公報が知られてい
る。これは図９に示すようにホール素子Ｈをマトリック
ス状に配列し、各ホール素子ＨのＸ軸を直列に接続して
これにそれぞれ異なるパルス信号を流し、各ホール素子
ＨのＹ軸を直列に接続してこれを増幅器ＤＡに接続し、
マトリックス面に接近する磁性体により図形情報を画く
ものである。なお、図中ＰＧは発振器である。

【０００３】また、特開昭５０−８１４８２号公報のも
のは、図１１に示すように、３端子化されたホール素子
１の複数個が、電源側もしくは出力側またはその双方で
並列に接続され、それら各ホール素子１の動作もしくは
出力の取出し、あるいはその双方を選択的に行わせる手
段によって、いずれか１個のホール素子から出力された
信号のみが取出されるように構成したものである。な
お、図中２は電源側の選択スイッチ、３は電源、４は出
力側の選択スイッチ、５は増幅器である。

【０００４】また、特開昭５４−１６１２３４号公報の
ものは、図１０に示すように、ホール素子スイッチ６を
配置したキーマトリックス７を設け、ホール素子スイッ
チ６の電源をエンコーダでドライブすることによりスイ
ッチ出力形態を電源と１出力とし、エンコーダのＸ側出
力でスイッチをドライブさせ、Ｙ側出力でキーマトリッ
クス上の押下スイッチの出力を読み込み位置検出を行う
ものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この各公報に
示すような従来装置では、磁界レベルの異なる磁性パタ
ーンの図形を区別して入力することができなかった。

【０００６】そこで本発明は、マトリックス状にホール
素子を配列し、図形情報記録物体の磁性パターンを判別
して図形情報を入力するものにおいて、磁界レベルの異
なる磁性パターンの図形を区別して入力できる図形情報
入力装置を提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、ホール素子を
マトリックス状に多数並べ、このマトリックス状に配列
したホール素子の上に図形情報を磁性パターンとして記
録した図形情報記録物体を載置する載置台を配置し、各
ホール素子をマトリックス駆動することにより、図形情
報記録物体の磁性パターンを判別して図形情報を入力す
る図形情報入力装置において、各ホール素子の出力信号
レベルを基準電圧と比較する比較器をそれぞれ基準電圧
のレベルを異ならせて複数設け、各ホール素子の出力信
号レベルを前記各比較器でそれぞれ基準電圧と比較する
ことにより、磁界レベルの異なる磁性パターンを判別す
るものである。

【０００８】

【作用】このような構成の本発明においては、磁界レベ
ルの異なる磁性パターンを記録した複数の図形情報記録
物体を載置台に載置した状態で、各ホール素子をマトリ
ックス駆動し、その各ホール素子の出力信号レベルを複
数の比較器で、それぞれ異なるレベルの基準電圧と比較
する。そして各比較器出力により磁性パターンを判別す
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

【００１０】図１において１１は２５６個のホール素子
１２を１６×１６のマトリックス状に配列したマトリッ
クス回路、１３はパーソナルコンピュータ側のＩ／Ｏポ
ートである。

【００１１】前記マトリックス回路１１の各ホール素子
１２を等価回路で示すと、図２に示すように抵抗ブリッ
ジ回路で示すことができる。

【００１２】パーソナルコンピュータ側のＩ／Ｏポート
１３から４ビットの信号が行セレクタ１４に入力し、こ
の行セレクタ１４で１６行の行セレクト信号に変換され
てドライバ１５に入力している。

【００１３】前記ドライバ１５は、各行のホール素子１
２に対して電流を供給するために順次スイッチング信号
を入力するようになっている。

【００１４】前記マトリックス回路１１の各列からの出
力信号は差動増幅器１６に入力している。前記差動増幅
器１６は１６個の差動増幅器で構成され、各列からの出
力信号を個々の差動増幅器に入力している。

【００１５】前記差動増幅器１６からの出力信号はコン
パレータ１７に入力している。前記コンパレータ１７
は、図４に示すように、１つの差動増幅器１６に対して
２個の比較器１７ａ，１７ｂを設け、差動増幅器１６か
らの出力信号を各比較器１７ａ，１７ｂの非反転入力端
子（＋）に入力している。

【００１６】また、＋Ｖcc電源に抵抗１８，１９，２０
の直列回路を接続し、抵抗１８，１９の接続点からハイ
レベル基準電圧を取出し前記比較器１７ａの反転入力端
子（−）に入力し、抵抗１９，２０の接続点からローレ
ベル基準電圧を取出し前記比較器１７ｂの反転入力端子
（−）に入力している。

【００１７】前記各比較器１７ａ，１７ｂの出力端子に
アナログスイッチ２１を接続し、このアナログスイッチ
２１の切替え動作により前記各比較器１７ａ，１７ｂか
らの出力信号を選択的に取出すようになっている。

【００１８】コンパレータ１７にはこのような回路が差
動増幅器１６の１６個の差動増幅器に対応して１６個設
けられている。

【００１９】前記コンパレータ１７からはこの１６個の
回路からのそれぞれの出力を１６ｂｉｔデータとして前
記Ｉ／Ｏポート１３に出力している。

【００２０】前記マトリックス回路１１、行セレクタ１
４、ドライバ１５、差動増幅器１６及びコンパレータ１
７は、図３に示すように、プリント回路基板２２の上に
実装されている。そしてプリント回路基板２２の四隅に
スペーサ２３を挟んでその上に図形情報記録物体を載置
する載置台２４を配置している。

【００２１】このような構成の実施例において、図形情
報記録物体として全く同一形状で、一方は例えば文字
「Ｔ」の形状にして比較的磁界強度の弱い永久磁石等の
磁性体を埋設したものを使用し、他方は例えば文字
「Ｈ」の形状にして比較的磁界強度の強い永久磁石等の
磁性体を埋設したものを使用する。

【００２２】この２つの図形情報記録物体を載置台２４
の上に載置して、パーソナルコンピュータ側のＩ／Ｏポ
ート１３から４ｂｉｔ信号を行セレクタ１４に入力する
と、ドライバ１５が各行に並べられたホール素子１２を
順次スイッチングする。すなわち、スキャニングする。

【００２３】このスキャニングにおいて上に磁性体が位
置しているホール素子がスイッチングされると、そのホ
ール素子から信号が列方向に出力される。この列方向に
出力される信号は差動増幅器１６の対応する差動増幅器
を介して増幅された後、コンパレータ１７に入力され
る。

【００２４】今、コンパレータ１７において、アナログ
スイッチ２１が比較器１７ｂ側を選択していればその比
較器１７ｂに入力している基準電圧のレベルは低いの
で、磁界強度の強い磁性体で構成された文字「Ｈ」の磁
性パターンに対向したホール素子１２からの出力信号は
勿論、磁界強度の弱い磁性体で構成された文字「Ｔ」の
磁性パターンに対向したホール素子１２からの出力信号
も比較器１７ｂでの比較において基準電圧レベルを越え
ることになる。

【００２５】従って、コンパレータ１７からＩ／Ｏポー
ト１３を介してパーソナルコンピュータに入力する図形
情報は、図５に示すように文字「Ｈ」及び「Ｉ」の両方
となる。

【００２６】そして次のスキャニングにおいてアナログ
スイッチ２１は比較器１７ａ側を選択するように切替え
られる。比較器１７ａに入力している基準電圧のレベル
は高いので、磁界強度の強い磁性体で構成された文字
「Ｈ」の磁性パターンに対向したホール素子１２からの
出力信号のみが比較器１７ａでの比較において基準電圧
レベルを越え、磁界強度の弱い磁性体で構成された文字
「Ｔ」の磁性パターンに対向したホール素子１２からの
出力信号は比較器１７ａでの比較において基準電圧レベ
ル以下となり、比較器１７ａから出力信号が送出されな
い。

【００２７】従って、コンパレータ１７からＩ／Ｏポー
ト１３を介してパーソナルコンピュータに入力する図形
情報は、図６に示すように文字「Ｈ」のみとなる。

【００２８】このように２回のスキャニングにより、外
見上全く同一形状の図形情報記録物体が載置台２４の上
に載置され、外観からはどちらの図形情報記録物体が強
磁性パターンを記録しているか分からない場合であって
も、この装置ではその判別ができる。

【００２９】従って、この装置を例えばサイコロゲーム
に適用した場合、サイコロの各目を磁性パターンで形成
し、外見上全く同一構成の２つのサイコロの磁性パター
ンの磁界強度を異ならせておけば、図形入力したサイコ
ロの目がどちらのサイコロの目であるが判別できること
になる。

【００３０】なお、サイコロゲームに適用する場合に
は、載置台２４の上でサイコロがころがされるので、サ
イコロの向きがランダムに変化する。そこでサイコロの
出目の認識率を上げるためには各磁性パターン（サイコ
ロの目）毎に載置台２４での様々な置き方を試み、それ
らの磁性パターンをパーソナルコンピュータに辞書とし
て登録しておき、使用時にはＩ／Ｏポート１３から入力
される磁性パターンを辞書を参照して解読する。

【００３１】次に本発明の他の実施例を図面を参照して
説明する。なお、前記実施例と同一の部分には同一の符
号を付して詳細な説明は省略する。

【００３２】図７に示すものは、マトリックス回路１１
の各列出力をアナログスイッチ２５にて順次選択して差
動増幅器２６に出力している。

【００３３】従って、前記差動増幅器２６は１個の差動
増幅器で済む。そして前記差動増幅器２６の出力をコン
パレータ２７に入力する。従って、前記コンパレータ２
７も図４に示す回路を１個設けるのみでよい。

【００３４】そして前記コンパレータ２７からの出力信
号は１ｂｉｔデータとしてＩ／Ｏポート１３に供給され
る。

【００３５】このように、アナログスイッチ２５を設け
ることにより、差動増幅器２６もコンパレータ２７も設
ける増幅器や回路は１個で済み回路構成を簡単化でき
る。

【００３６】なお、この実施例においても前記実施例と
同様の作用効果が得られるのは勿論である。

【００３７】図８に示すものは、差動増幅器２６の出力
をＲＡＭ（ランダム・アクセス・メモリ）２８に供給す
ると共に引算器２９に供給している。そして前記引算器
２９の出力をコンパレータ２７に供給している。

【００３８】すなわち、マトリックス回路１１に配列さ
れたホール素子１２にはオフセットのばらつきがある。
このばらつきが大きいとコンパレータ２７での比較にお
いて誤判定をする虞がある。

【００３９】そこで、予め無信号時にマトリックス回路
１１の各ホール素子１２をトラッキングし、各ホール素
子１２のオフセットレベルをアナログスイッチ２５及び
差動増幅器２６を介して取出しＲＡＭ２８に格納してお
く。

【００４０】そして実際の使用時に、アナログスイッチ
２５及び差動増幅器２６を介して取出される各ホール素
子１２からの出力信号から予めＲＡＭ２８に格納した該
当するホール素子のオフセットレベルを引算器２９で引
算し、その引算した結果をコンパレータ２７に供給す
る。

【００４１】こうすることにより、各ホール素子のオフ
セットのばらつきが補正でき、コンパレータ２７での比
較が正確にできるようになる。

【００４２】なお、この実施例においても前記実施例と
同様の作用効果が得られるのは勿論である。

【００４３】なお、前記各実施例は、コンパレータとし
て基準電圧レベルが異なる２つの比較器を設け、これに
より磁界強度が異なる２種類の磁性パターンを判別でき
るものについて述べたが必ずしもこれに限定するもので
はなく、基準電圧レベルが異なる３つ以上の比較器を設
け、磁界強度が異なる３種類以上の磁性パターンを判別
するものにも適用できる。

【００４４】

【発明の効果】以上、本発明によれば、マトリックス状
にホール素子を配列し、図形情報記録物体の磁性パター
ンを判別して図形情報を入力するものにおいて、磁界レ
ベルの異なる磁性パターンの図形を区別して入力できる
図形情報入力装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すブロック図。

【図２】同実施例のホール素子の等価回路図。

【図３】同実施例の外観を示す斜視図。

【図４】同実施例のコンパレータ内の１つの回路構成を
示す図。

【図５】同実施例において低い基準電圧レベルで比較し
たときの入力図形情報の例を示す図。

【図６】同実施例において高い基準電圧レベルで比較し
たときの入力図形情報の例を示す図。

【図７】本発明の他の実施例を示すブロック図。

【図８】本発明の別の他の実施例を示すブロック図。

【図９】従来例を示す回路構成図。

【図１０】別の従来例を示すブロック図。

【図１１】さらに別の従来例を示すブロック図。

【符号の説明】

１１…マトリックス回路 １２…ホール素子 １７…コンパレータ １７ａ，１７ｂ…比較器 １８，１９，２０…抵抗 ２１…アナログスイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０１Ｌ 43/06 Ａ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホール素子をマトリックス状に多数並
   べ、このマトリックス状に配列したホール素子の上に図
   形情報を磁性パターンとして記録した図形情報記録物体
   を載置する載置台を配置し、前記各ホール素子をマトリ
   ックス駆動することにより、前記図形情報記録物体の磁
   性パターンを判別して図形情報を入力する図形情報入力
   装置において、 前記各ホール素子の出力信号レベルを基準電圧と比較す
   る比較器をそれぞれ基準電圧のレベルを異ならせて複数
   設け、前記各ホール素子の出力信号レベルを前記各比較
   器でそれぞれ基準電圧と比較することにより、磁界レベ
   ルの異なる磁性パターンを判別することを特徴とする図
   形情報入力装置。