JPH0816657B2 - 交流加熱による熱拡散率の測定方法および装置 - Google Patents

交流加熱による熱拡散率の測定方法および装置

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JPH0816657B2
JPH0816657B2 JP4268642A JP26864292A JPH0816657B2 JP H0816657 B2 JPH0816657 B2 JP H0816657B2 JP 4268642 A JP4268642 A JP 4268642A JP 26864292 A JP26864292 A JP 26864292A JP H0816657 B2 JPH0816657 B2 JP H0816657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体状の物質の熱拡散率
の測定方法およびこれに用いられる装置に関し、特に、
液体状の難導電性物質例えば高分子化合物やセラミック
ス等の厚み方向の熱拡散率を精度良く測定する非定常法
(温度を一律に保たず変化させる方法)による測定方法
および装置と、その熱拡散率測定方法より得られる熱拡
散率の測定値を用いて熱伝導率を求める熱伝導率の測定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱拡散率および熱伝導率は、高分子化合
物等の各種の物質の材料設計、製品設計を行う際の加工
条件、使用条件を決定する上で重要な物性値の一つであ
る。近年、コンピュ−タ化の発達にともない各種シミュ
レ−ション・プログラムが数多く開発され、それらを利
用した材料設計、製品設計が頻繁に行われている。例え
ば、加工製品や構造物の応力や変形を解析する構造解
析、熱移動現象を解析する熱伝導解析等は既に世の中で
広く活用されており、最近では射出成形における金型内
の樹脂挙動を解析する熱流動解析等も数多く利用されて
きている。それらのシミュレ−ション・プログラムの解
析精度は、プログラムの内容もさることながら、解析に
用いる物性値の精度により大きく左右される。従って、
それらの解析精度を向上させ、材料設計、製品設計を的
確に行う為に対象物質の高精度な物性測定が望まれてい
る。
【0003】実際に加工された製品は、室温下で使用さ
れるだけではなく、高温下で使用される場合が数多くあ
り、また、高分子材料等の多くは、加工する際に高温下
で溶融した後に室温まで冷却するという成形過程を経
る。このため、製品の実際の使用条件、加工条件を考慮
しての材料設計、製品設計を行なう場合や、実現象に基
づいた解析を行なう場合、室温から溶融温度以上の幅広
い温度範囲での物性を知ることが必要である。
【0004】近年では、加工材料の複合形態での利用が
頻繁に行われるようになってきており、その組合せは多
岐にわたり複雑化してきている。そのような、特殊な加
工材料の材料開発、材料設計を行なうための物性を測定
するにあたり、大量の被測定試料を入手するのが困難な
場合が数多くある。また、物性値を素早く知り、その結
果を開発内容や設計内容に、時間的遅れ無く反映させる
ことが必要とされてきており、小量の試料で迅速に物性
測定を行うことが要求されている。
【0005】熱拡散率の測定方法としては、大きく分け
て定常法と非定常法がある。非定常法による熱拡散率の
測定方法の特徴は、試料内に熱的非平衡の状態を強制的
に作り、その緩和にともなって起こる試料の温度変化を
測定することによって熱拡散率を求めるものであり、定
常法に比べて測定時間が大幅に短い等の利点がある。従
来の非定常法による熱拡散率測定方法の代表的なものと
しては、オングストロ−ム法、フラッシュ法、PAS法
がある。オングストロ−ム法とは、その長さに較べて断
面積が充分に小さいロッド状の試料の一部を周期的に加
熱、冷却を行う熱源に接触させることにより、試料の一
端に周期的な温度変化を起こさせ、結果的に試料内に温
度の波動を起こし、この温度の波動が試料内を伝播する
状態を波動の伝播方向に対して加熱点よりの距離の異な
った2点以上の測定点において温度を測定することによ
り観測し、各測定点で得られる温度の波動の振幅と位相
を用いて熱拡散率を算出するものである。
【0006】フラッシュ法は、平面板の試料の一方の表
面に光吸収膜を設け、これに例えばレ−ザ・パルス等を
照射して光吸収による瞬間的な加熱を行い、この時に起
こる吸収層での温度上昇が試料の厚さ方向に伝播されて
照射面と反対側の試料表面に起こす温度変化をフラッシ
ュ照射後の時間の関数として測定し、この時に得られる
温度と時間の曲線より熱拡散率を測定する方法である。
【0007】PAS法は、光を透過する窓のついた密閉
したセルに音圧測定のためのマイク等を設置し、セル内
の平面板の試料の一方に光吸収膜を設けて変調した光ビ
−ムを窓を通して照射して周期的な温度変化を与え、こ
の温度の波動が伝播することによって試料の反対側が周
期的な温度変化を起こすことによりセル内に発生する圧
力波の変動を測定し、その位相と振幅を用いて熱拡散率
を求める方法である。我々は、少量の試料で、迅速に精
度の良く熱拡散率の測定を行う方法として、交流加熱法
を提案した(USP 5, 080, 495)。この方法
は、微小な被測定試料板に微小な導電性薄膜を形成して
いるだけの単純な構造なので、測定環境を均一に加熱、
冷却することが容易にでき、測定雰囲気温度を任意に変
えて熱拡散率の温度依存性を容易に測定することができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の測定方
法は下記のような問題点がある。オングストロ−ム法は
試料を長いロッド状に成形する必要があるため試料物質
が大量に必要であり、試料表面からの熱損失を最小に押
さえるための断熱系の設備が大がかりになる。また、測
定に比較的長時間を要し、測定対象は比較的熱拡散率の
大きい物質に限られる。
【0009】フラッシュ法は光吸収による加熱を行うた
め、透明試料や光吸収の少ない試料を測定する場合、試
料表面に光吸収のための吸収層を塗布する必要がある。
そのため、吸収層と試料の界面で熱損失や加熱むらが起
き誤差の原因となる。また、測定が短時間であるため熱
損失を考慮しないで良いとの仮定のもとになされてお
り、金属等の熱拡散率の大きなものではこの仮定を良く
満たすが、高分子化合物等の熱拡散率の小さなものにな
るほど誤差が大きくなる。PAS法も光吸収による加熱
を行うため、フラッシュ法と同様の問題が生じ、また、
音圧検出器により音圧を測定する測定法のため、振動、
騒音等によるノイズの影響が大きい。さらに、これらの
測定方法では、熱拡散率の温度依存性を測定するのが困
難であり、測定するとしても大がかりな装置が必要であ
る。また、これらの測定方法は、液体状の被測定試料を
測定するのが困難であり、溶融した高分子の熱拡散率測
定等に不適当である。
【0010】我々が提案してきた交流通電加熱法は、少
量の試料で迅速な測定ができ、温度依存性の測定も容易
であるすぐれた方法である。しかしながら、従来の交流
加熱法は、板状の固体の被測定試料についての熱拡散率
測定方法であったため、そのまま液体状の被測定試料の
測定には適用が困難であった。
【0011】本発明は上述した問題点を解決し、熱拡散
率の小さい物質でも精度良い測定ができ、被測定試料が
微量ですみ、小規模な装置で迅速に、温度依存性を含め
た測定ができ、特に溶融高分子等の液体状の被測定試料
の測定が可能な熱拡散率の測定方法および装置を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、液
体状の被測定試料の厚み方向の熱拡散率の測定方法であ
って、対向する二枚の導電性薄膜間に流体状の被測定試
料を挿入せしめ、すなわち、該液体状の被測定試料の両
面に導電性の薄膜を密着固定した試料ユニットを形成
し、該薄膜の一方を電流を流すことによってそのジュー
ル熱により発熱する交流熱源とし、他方の薄膜を温度に
よりその抵抗値が変化することを利用する抵抗式温度計
とした測定系を用い、該被測定試料の前記交流熱源に所
定の変調周波数で変調を加えた交流電流を流して交流発
熱させることにより、該抵抗式温度計に該交流発熱に対
応する温度変化を起こさせ、該温度変化の位相を、該変
調周波数を少なくとも2点以上変化させて測定し、該交
流熱源の温度変化と該抵抗式温度計により測定された温
度変化との位相差と、該変調周波数との相関関係から該
被測定試料の厚み方向の熱拡散率を求める薄い液体状の
被測定試料の熱拡散率の測定方法、および、両面に導電
性薄膜を密着させた液体状の被測定試料の厚み方向の熱
拡散率を測定する装置であって、一方の導電性薄膜に一
定振幅の変調を加えた交流電流を供給する交流電流発生
手段と、該交流電流の変調周波数を少なくとも2点以上
変化させる手段と、他方の導電性薄膜に所定の直流電流
を供給する直流電流供給手段と、前記他方の導電性薄膜
の抵抗値の温度依存性に起因して変化する電圧を増幅す
るロックイン増幅器とを有することを特徴とする交流加
熱による熱拡散率測定装置、を要旨とするものである。
【0013】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
ける被測定試料は液体状または測定条件において液体状
となしうる難導電性の物質であり、例えば、 I.フェノール、ユリア、メラミン、ポリエステル、エ
ポキシ、ポリウレタン、セルロース、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、 塩化ビニルデン、ポリ
アミド、ポリアセタール、ポリカーボネイト、ポリサル
ホン、ABS、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテ
ルサルホン、ポリアリレート、アクリル、アクリルニト
リル、ポリアクリルニトリル、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリオレフィ
ン等の高分子化合物 II.シアニン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ニ
ッケル酢体、スピロ化合物、フェロセン、フルギド、イ
ミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、
ポリエン、アゾ化合物、キノン、インジゴ、ジフェニル
メタン、トリフェニルメタン、ポリメチン、アクリジ
ン、アクリジノン、カルボスチリル、クマリン、ジフェ
ニルアミン、キナクリドン、キノフタロン、フェノサキ
ジン、フタロペリノン等の有機色素 等であり、その厚みは面方向の熱拡散を無視できる程度
に充分薄いもので、従って面方向には断熱と考えられ
る。
【0014】本発明において、交流熱源に用いる導電性
物質は、電流を流すことでジュ−ル熱により発熱するも
ので、例えば、金、銀、白金、銅、鉄、亜鉛、アンチモ
ン、イリジウム、クロメル、コンスタンタン、ニクロ
ム、アルミニウム、クローム、ニッケル、カ−ボン等で
ある。また、抵抗式温度計に用いる導電性薄膜は、温度
により抵抗値が変化するもので、例えば、金、銀、白
金、銅、鉄、亜鉛、アンチモン、イリジウム、クロメ
ル、コンスタンタン、ニクロム、アルミニウム、クロー
ム、ニッケル、カ−ボン等である。
【0015】それらの交流熱源および抵抗式温度計に用
いる導電性薄膜は、被測定試料との界面が無視できる程
度に、その厚みは被測定試料に比べて充分薄く、その熱
容量は被測定試料に比べて充分小さく、被測定試料に完
全に密着しており、従って被測定試料の一方の面自体が
交流熱源の変調周波数で交流発熱し、他方の面の温度変
化の交流成分を直接測定していると考えられる。
【0016】本発明における導電性薄膜は、 I.イオンを固体表面に照射することにより、固体を構
成する原子が飛び出す現象を利用して、表面上に吸着さ
せることにより薄膜を生成するスパッタ II.真空中で物質を蒸発させ、これを表面上に吸着させ
ることにより薄膜を生成する蒸着 III.液体、半液体状態の物質を表面上に塗りつける塗布 IV.同種あるいは異種物質からなる接着剤により、表面
を接合する接着 等によりガラス板等の上に形成するが、スパッタまた
は、蒸着による方法が最も好ましい。
【0017】スパッタによりガラス板等に導電性薄膜を
形成する場合は、例えば金を用いる場合、ガラス板等に
ポリエステル・フィルム等でマスクを施した後、真空下
において、1.2KV、3.5mA程度の電圧および電
流で、30分程度にわたりガラス板等の上に金を吸着さ
せ、厚さ10〜5000オングストローム、抵抗値0.
1Ω〜10KΩ程度の導電性薄膜にするのが好ましい。
蒸着によりガラス板等に導電性薄膜を形成する場合は、
例えば金を用いる場合、ガラス板等にポリエステル・フ
ィルム等でマスクを施した後、真空下において金をその
融点以上まで通電加熱して蒸発させ、30分程度にわた
りガラス板等の上に金を吸着させ、厚さ10〜5000
オングストローム、抵抗値0.1Ω〜10KΩ程度の導
電性薄膜にするのが好ましい。
【0018】塗布によりガラス板等に導電性薄膜を形成
する場合は、銀ペースト等の導電性ペーストをガラス板
等に、厚さ10〜5000オングストローム、抵抗値
0.1Ω〜10KΩ程度になるように均一に塗るのが好
ましい。接着によりガラス板等に導電性薄膜を形成する
場合は、厚さ10〜5000オングストローム、抵抗値
0.1Ω〜10KΩ程度の銅箔、金箔等の導電性薄膜
に、接着剤を塗り、ガラス板等からはがれないように完
全に密着させるのが好ましい。
【0019】前記いずれかの方法によりガラス板等に形
成された2枚の導電性薄膜で、液体状の被測定試料をは
さんで封入し、導電性薄膜と被測定試料との界面の影響
が無視できる程度に完全に密着させる。
【0020】以下、本発明の基本的構成とその特徴を図
面を参照して説明する。図1(b) において、1は被測定
試料であり、4のスペーサによりその厚みが実質的に一
定に保持され、面方向の熱拡散を無視できる程度に厚み
は充分薄い。例えば被測定試料の熱拡散率測定部分が正
方形の場合、一辺の長さ(l)と厚み(d)の比(l/
d)が10以上、好ましくは50以上、さらに好ましく
は100以上で、厚み(d)の上限は2000μm以
下、好ましくは1500μm以下、さらに好ましくは1
000μm以下であり、厚みの下限は両面に形成された
導電性薄膜の熱容量が無視できる範囲で、0.01μm
以上、好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは1
μm以上の液体状のものである。また、被測定試料1は
高分子化合物、有機色素等の難導電性物質で、その抵抗
率が1×104 Ω・cm以上、好ましくは1×106 Ω
・cm以上、さらに好ましくは1×107 Ω・cm以上
であり、抵抗率の上限についてはいくら大きくてもかま
わないが、例えば1×1021Ω・cm以下、好ましくは
1×1022Ω・cm以下、さらに好ましくは1023Ω・
cm以下である。
【0021】2は変調を加えた電流により被測定試料の
一面を交流加熱するための交流熱源となる導電性薄膜
で、その抵抗値は0.01Ω〜100KΩ、好ましくは
0.05Ω〜50KΩ、さらに好ましくは0.1Ω〜1
0KΩである。交流熱源となる導電性薄膜はガラス板5
等の上に形成され、被測定試料と交流熱源の界面が無視
できる程度に被測定試料に完全に密着しており、その厚
みは被測定試料に比べて充分薄く、例えば50000オ
ングストロ−ム以下、好ましくは10000オングスト
ロ−ム以下、さらに好ましくは5000オングストロ−
ム以下で、厚みの下限は交流電流が通電可能であればい
くらでも良いが、例えば1オングストローム以上、好ま
しくは5オングストローム以上、さらに好ましくは10
オングストローム以上である。
【0022】3は交流熱源と反対の面の温度変化の交流
成分を測定するための抵抗式温度計となる導電性薄膜
で、その抵抗値は0.01Ω〜100KΩ、好ましくは
0.05Ω〜50KΩ、さらに好ましくは0.1Ω〜1
0KΩである。抵抗式温度計となる導電性薄膜はガラス
板5の上に形成され、被測定試料と抵抗式温度計の界面
が無視できる程度に被測定試料に完全に密着しており、
その厚みは被測定試料に比べて充分薄く、例えば500
00オングストロ−ム以下、好ましくは10000オン
グストロ−ム以下、さらに好ましくは5000オングス
トロ−ム以下で、厚みの下限は直流電流を通電し抵抗値
の温度依存性に起因して起こる電圧の変化を読み取るこ
とが可能であればいくらでも良いが、例えば1オングス
トローム以上、好ましくは5オングストローム以上、さ
らに好ましくは10オングストローム以上である。
【0023】試料の調整法は例えば、図1(a) のごとく
行う。まず二枚のガラス板5を準備し、金または銀等を
スパッタまたは蒸着等により試料の大きさに略等しい導
電性薄膜2または3をそれぞれ形成する。なお、図のご
とく、導電性薄膜に通電するため、スペーサの外へ薄膜
の一部を延出させてリード線として使用する。この導電
性薄膜の上に、スペーサを設置する。スペーサは液体状
の試料をスペーサ内部に保持する作用を有するととも
に、スペーサにより液状試料の厚みが決定される。かか
るスペーサは、難導電性物質であれば、特に限定は無い
が、通常、0.1〜2000μm 程度の高分子フィルム
が好ましい。スペーサは液体状試料の流動性に応じて、
枠型、コの字型、二の字型等適宜選択する。
【0024】図1では、枠型のものを示す。斯くして、
設置したスペーサの枠部と導電性薄膜の表面とで形成さ
れる空間部に液体状の被測定試料を注入する。この上部
に同様に導電性薄膜を形成した別のガラス板5を、該導
電性薄膜を試料に向けるようにして図1(b) のように重
ねる。斯くして、液体状の試料は、スペーサを介して対
向する二枚のガラス板間に(言い換えれば対向する二枚
の導電性薄膜間に )薄膜状に封入され、被測定試料ユニ
ットを形成する。すなわち、このユニット内で、液体状
試料と二枚の導電性薄膜は完全に密着固定されている。
なお、取扱上、このユニット全体を適当な封止剤で封止
し、例えばエポキシ樹脂封止剤内に封入して完全に固着
することがさらに好ましい。
【0025】図2、図3に示されるごとく、交流熱源2
は交流電流発生器(ファンクション・シンセサイザ−等
であり、交流電流の変調周波数を少なくとも2点以上変
化させることができる)6により変調された交流電流を
通電され、そのジュール熱により交流加熱される。抵抗
式温度計3は7の直流電源(電池等)により一定電圧の
直流電圧が流され、その抵抗値の温度依存性によって変
化する電圧を9のロックイン増幅器で増幅し、温度変化
の交流成分を測定する。9のロックイン増幅器は、図2
のようにダミー抵抗8と並列に組み込まれるか、また
は、図3のように抵抗式温度計3と並列に組み込まれ、
温度変化の交流成分を測定する。
【0026】ロックイン増幅器9は同期整流回路とも呼
ばれ、交流電源発生器6からの参照交流波と検出波との
積をとり直流分を得るものである。所定の等価帯域幅を
有し、選択性を持つため、必要とする周波数以外のノイ
ズはほぼ完全に除去される。このロックイン増幅器9の
出力はデータ処理装置(例えば、パーソナルコンピュー
タ)10に入力され、熱拡散率が求められる。この熱拡
散率の算出法は以下のとおりである。
【0027】ジュール熱によって起きる発熱は電流の正
負を問わずそのピーク点において最大となるため、温度
の変化周期は通電された交流電流の周期の2倍となる。
従って、交流熱源2の温度変化の交流成分は、変調した
交流電流の周波数をf/2とするとfの周波数で変動す
る。その変動温度は、温度変化の交流成分の角周波数を
ω(=2πf)として、式(1)〔数1〕
【0028】
【数1】 T(t) =T0 cos( ωt ) …………… (1) により表される。被測定試料1は難導電性物質である
が、その厚さが極めて薄いため、交流熱源2のジュール
熱による熱エネルギーは厚さ方向の熱伝導のみにより伝
熱され、反対面の抵抗式温度計3で交流熱源の変調周波
数に依存する周期的な温度変化を引き起こす。被測定試
料の厚みをd、熱拡散率をαとするとその変動温度は式
(2)〔数2〕
【0029】
【数2】 となる。交流熱源2と抵抗式温度計3の温度変化の位相
差に着目すると、式(3)〔数3〕
【0030】
【数3】 となる。ここで、△θは被測定試料の熱拡散による位相
遅れ、βは装置定数である。ω=2πfを(3)式に代
入した変形すると、式(4)〔数4〕
【0031】
【数4】 従って、厚みdが既知の被測定試料に関して、少なくと
も2点以上変調周波数を変化させて、交流熱源と抵抗式
温度計により測定される温度の交流成分の位相差Δθを
測定し、変調周波数fの平方根に対するその位相差の変
化率(勾配、グラフ化した場合の傾き)を求め、(4)
式を用いて熱拡散率αを求めることができる。
【0032】この測定に適した周波数の下限は、熱拡散
長(μs =(2α/ω)1/2 )が被測定試料の厚みd以
下になる周波数であり、上限は抵抗式温度計により測定
される温度振幅がノイズより充分大きい周波数である。
被測定試料が厚さ100μmの高分子フィルムの場合そ
の最適な周波数は、0.01Hzから1000Hz、好ま
しくは0.5Hzから700Hz、さらに好ましくは0.
1Hzから500Hzの間である。
【0033】被測定試料1は加熱冷却用セル9に装着さ
れ、測定部の測定雰囲気温度は温度コントローラ10に
より温調される。測定雰囲気温度を変化させることによ
り、任意の温度で熱拡散率の温度依存性を測定すること
ができる。
【0034】図4に示すように、これらの装置は全てパ
ーソナルコンピュータで制御され、測定結果も自動的に
処理され、一括した自動化された測定システム化がなさ
れていることが好ましい。ロックイン増幅器による測定
値は、測定が終了する都度、パーソナルコンピュータに
送られて、それらの測定値はフロッピー・ディスクへ保
存される。また、測定開始時に測定温度を決めておくこ
とにより、各温度での測定が終了した後に、次の温度へ
昇温または降温され、指定した温度での測定がすべて終
了するまで自動的に測定が繰り返されうる。熱拡散率を
熱伝導率との関係式で表わすと、熱伝導率をλ、比熱を
Cp、密度をρとして、式(5)〔数5〕
【0035】
【数5】α=λ/(Cp・ρ)
………… (5)となり、変形すると、式(6)
〔数6〕
【0036】
【数6】 λ=α・Cp・ρ ………… (6) となる。従って、他の測定方法により測定された比熱と
密度の測定値を得ることで、本発明による熱拡散率の測
定値と合わせて、(6)式より熱伝導率を求めることが
できる。比熱は示差走査熱量計、断熱型熱量計等で測定
することができ、密度は体積膨張計、P−V−T測定装
置等で測定することができ、それらの測定値を熱伝導率
を求めるために用いる。
【0037】
【作用】このように本発明は、液体状の被測定試料の片
面を交流加熱したときの加熱面と加熱面に対向する他方
の面との温度変化の位相差が、加熱面の温度変化の変調
周波数に依存することを利用し、微小な液体状の被測定
試料に微小な導電性薄膜を密着し、交流電流を導電性薄
膜に通電することによってそのジュール熱により発熱さ
せ被測定試料の片面を交流加熱し、加熱面に対向する他
方の面の温度変化を電気的に測定することにより熱拡散
率を求めうる。微小な液体状の被測定試料に微小な導電
性薄膜を密着しているだけの単純な構造なので、測定環
境を均一に加熱、冷却することが容易にでき、測定雰囲
気温度を任意に変えて熱拡散率の温度依存性を測定する
ことができる。また、本発明により得られた熱拡散率と
他の方法により求めた比熱、密度の測定値から、熱伝導
率を求めることができる。
【0038】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
被測定試料には室温で溶融状態であるC12のn−アルカ
ンを用いた。13mm×20mmのガラス板に、流加熱
源は500オングストロ−ム、抵抗式温度計は800オ
ングストロ−ムの厚みに、ポリエステル・フィルムによ
り6mm×4mmにマスクして、それぞれに金をスパッ
タし、導電性薄膜を形成した。導電性薄膜を形成した2
枚のガラス板の間に厚さ50μmのポリイミド製のスペ
ーサをはさみ、被測定試料を封入し、エポキシ樹脂で被
測定試料ユニット全体を封止固着して測定した。
【0039】図5にC12のn−アルカンの熱拡散率の温
度依存性の測定結果を示す。温度の上昇に伴って、熱拡
散率が低下しているのが分かる。このように、本発明に
より、液体状の物質の熱拡散率の変化を詳細に捉えるこ
とができ、従来は評価困難であった高温下での製品設計
等を的確に行なうことができる。また、各種シミュレー
ション・プログラムを利用していく上で、実際の加工温
度、使用温度でのより精度良い解析を行なうことができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下の効果が得られ、液体状のまたは液体状にしうる高分
子化合物や有機色素等の各種材料の開発、製品設計およ
びシミュレーションによる解析等の分野に好適に適用す
ることが可能である。 (1)本発明によると、温度の交流成分の位相差を測定
することにより熱拡散率を求めるため、温度の絶対値が
問題にならず、誤差の少ない精度良い測定ができる。ま
た、被測定試料が微量であり、微小な導電性薄膜を被測
定試料に密着する単純な構造なので、装置の小型化、測
定の高速化が可能となる。従って、従来のオングストロ
ーム法が有していた種々の問題点、すなわち、試料が大
量に必要、熱損失を最小に抑えるための断熱系の設備が
大きい、測定に比較的長時間必要、測定対象は比較的熱
拡散率の大きい物質に限られる、という全ての問題点を
除去できる。 (2)交流熱源および抵抗式温度計となる導電性薄膜は
スパッタ等で形成され、被測定試料に完全に密着してお
り、接触界面を無視できるほどに薄いため、被測定試料
と熱源、温度計との間の熱損失が問題にならない。従っ
て、光吸収を利用するフラッシュ法やPAS法のよう
な、加熱むらや熱損失誤差の発生を抑制できる。また、
PAS法のように音圧検出器を用いて測定しないため
に、振動やノイズによる誤差を考慮する必要がない。 (3)試料ユニットが超小型であり、装置も簡素化、小
型化されているため、被測定試料ユニットを装着したセ
ル内の被測定試料部を加熱、冷却することにより、被測
定部の測定雰囲気温度を容易に変えることができ、熱拡
散率の温度依存性を測定することができる。
【0041】実際の製品の使用条件、加工条件の検討を
行なう場合や実現象に基づいた解析を行なう場合、室温
から溶融温度以上の幅広い温度範囲での熱物性を知るこ
とが必要であるが、本発明により、従来法のように、バ
ルクの処理やセルの密閉等のために装置が複雑化、大型
化することなく液体状試料の熱拡散率の温度依存性を測
定することができ、試料の熱特性を他面的に捉えられ、
近年の多用な材料特性の研究、開発に柔軟に対処でき
る。 (4)従来の測定法では、液体状の被測定試料の熱拡散
率の測定は困難であったが、本発明によると比較的簡単
な設備で、液体状の被測定試料の熱拡散率を測定するこ
とができ、射出成形等の溶融状態の高分子を用いる樹脂
加工の解析を行う場合等に有効な情報を得ることができ
る。 (5)本発明による測定値と他の方法により求めた比
熱、密度の測定値より熱伝導率を得ることができる。
【0042】材料の熱移動にともなう物性を考慮して材
料特性の研究、開発を行なう場合、熱拡散率のみならず
熱伝導率を知ることも重要であるが、本発明により、熱
拡散率と熱伝導率の両者による多面的な材料特性の研
究、開発を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被測定試料ユニットの説明図
【図2】 測定装置の説明図
【図3】測定装置の説明図
【図4】測定装置の自動化例を示すフロー図
【図5】 C12のn−アルカンの熱拡散率の温度依存性
の測定例を示す図
【符号の説明】
1 被測定試料 2 交流熱源(導電性薄膜) 3 抵抗式温度計(導電性薄膜) 4 スペーサ 5 ガラス板 6 交流電流発生器(ファンクション・シンセサイザ
ー) 7 直流電源(電池) 8 ダミー抵抗 9 ロックイン増幅器 10 データ処理装置 11 被測定試料加熱冷却用セル 12 温度コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−156351(JP,A) 特開 昭56−140246(JP,A)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体状の被測定試料の厚み方向の熱拡散
    率の測定方法であって、該液体状の被測定試料を、それ
    ぞれ導電性薄膜を形成した二枚の板を高分子フィルムか
    らなるスペーサを介して対向せしめたものの間に薄膜状
    に封入し、かつ、樹脂封止剤で固着せしめて、該液体状
    の被測定試料の両面に導電性の薄膜を密着固定した試料
    ユニットを形成し、該薄膜の一方を電流を流すことによ
    ってそのジュール熱により発熱する交流熱源とし、他方
    の薄膜を温度によりその抵抗値が変化することを利用す
    る抵抗式温度計とした測定系を用い、該被測定試料の前
    記交流熱源に所定の変調周波数で変調を加えた交流電流
    を流して交流発熱させることにより、該抵抗式温度計に
    該交流発熱に対応する温度変化を起こさせ、該温度変化
    の位相を、該変調周波数を少なくとも2点以上変化させ
    て測定し、該交流熱源の温度変化と該抵抗式温度計によ
    り測定された温度変化との位相差と、該変調周波数との
    相関関係から該被測定試料の厚み方向の熱拡散率を求め
    る薄い液体状の被測定試料の熱拡散率の測定方法。
  2. 【請求項2】 液体状の被測定試料が高分子化合物、有
    機色素から選択される難導電性物質である請求項1記載
    の交流加熱による熱拡散率の測定方法。
  3. 【請求項3】 交流熱源となる導電性薄膜が、ジュール
    熱により発熱する導電性物質からなる請求項1記載の交
    流加熱による熱拡散率の測定方法。
  4. 【請求項4】 抵抗式温度計となる導電性薄膜が、温度
    により抵抗の変化する導電性物質からなる請求項1記載
    の交流加熱による熱拡散率の測定方法。
  5. 【請求項5】 交流熱源および抵抗式温度計となる導電
    性薄膜を、スパッタ、蒸着、塗布、接着、圧着、融着、
    接触のうちのいずれかより選択される方法により形成す
    る請求項1記載の交流加熱による熱拡散率の測定方法。
  6. 【請求項6】 被測定試料を加熱または冷却することに
    より、被測定試料の測定雰囲気温度を所望の温度に変え
    て、熱拡散率の温度依存性を測定する請求項1記載の交
    流加熱による熱拡散率の測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の交流加熱による熱拡
    散率測定方法で得られた被測定試料の熱拡散率と、該被
    測定試料の比熱および密度の測定値から、熱伝導率を求
    める液体状の被測定試料の熱伝導率の測定方法。
  8. 【請求項8】 両面に導電性薄膜を密着させた液体状の
    被測定試料の厚み方向の熱拡散率を測定する装置であっ
    て、該液体状の被測定試料を、それぞれ導電性薄膜を形成し
    た二枚の板を高分子フィルムからなるスペーサを介して
    対向せしめたものの間に薄膜状に封入し、かつ、樹脂封
    止剤で固着せしめて、該液体状の被測定試料の両面に導
    電性の薄膜を密着固定した試料ユニットを形成し 、 一方の導電性薄膜に一定振幅の変調を加えた交流電流を
    供給する交流電流発生手段と、 該交流電流の変調周波数を少なくとも2点以上変化させ
    る手段と、 他方の導電性薄膜に所定の直流電流を供給する直流電流
    供給手段と、 前記他方の導電性薄膜の抵抗値の温度依存性に起因して
    変化する電圧を増幅するロックイン増幅器とを有するこ
    とを特徴とする交流加熱による熱拡散率測定装置。
  9. 【請求項9】 液体状の被測定試料に導電性薄膜を密着
    させる手段を備え、セルを形成する二枚の板がガラス板
    である請求項8記載の交流加熱による熱拡散率測定装
    置。
  10. 【請求項10】 被測定試料を収納する加熱冷却用のた
    めのセルをさらに備えた請求項8記載の交流加熱による
    熱拡散率測定装置。
  11. 【請求項11】 被測定試料を収納した加熱冷却用のた
    めのセル内の被測定試料部を所望の温度に加熱または冷
    却する手段をさらに備え、測定雰囲気温度を所望の温度
    に変えて、熱拡散率の温度依存性を測定しうるようにし
    た請求項8記載の交流加熱による熱拡散率測定装置。
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