JPH0816108B2 - 3,4−ジヒドロ−2h−ベンゾピラン誘導体及びその医薬用途 - Google Patents

3,4−ジヒドロ−2h−ベンゾピラン誘導体及びその医薬用途

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JPH0816108B2
JPH0816108B2 JP3715687A JP3715687A JPH0816108B2 JP H0816108 B2 JPH0816108 B2 JP H0816108B2 JP 3715687 A JP3715687 A JP 3715687A JP 3715687 A JP3715687 A JP 3715687A JP H0816108 B2 JPH0816108 B2 JP H0816108B2
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勝司 江尻
浩一 金平
万蔵 塩野
芳司 藤田
條二 山原
裕 丸山
道夫 寺沢
宏 越智
哲冶 田原
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医薬として有用なクロマン骨格を有する新規
な化合物及びその医薬用途に関する。
〔従来の技術〕
従来、クロマン骨格を有する化合物の中にはいくつか
の薬理作用を有する化合物があることが見出されてい
る。例えば、2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−(2−グ
アニジノエトキシ)クロマンは血圧降下作用を有してお
り〔Cesk.Farm.,第29巻、第5号、第125頁(1980年)参
照〕、また2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル−2−
(2,2,5,7,8−ペンタメチル−6−クロマニルオキシ)
イソブチレート、2−(2,2,5,7,8−ペンタメチル−6
−クロマニルオキシ)イソブチルニコチネートなどはコ
レステロール低下作用を有している(特開昭55-94382号
公報参照)。さらにクロマン骨格を有するビタンEは生
体内における種々の生理作用に関与していることが知ら
れている。
近年、アラキドン酸から5−リポキシゲナーゼの作用
によりロイコトリエン類が生成し、これらのロイコトリ
エン類がアレルギー発症因子となることが解明されて以
来、5−リポキシゲナーゼ作用阻害剤についての研究が
活発化してきた。3−アミノ−1−(3−トリフルオロ
メチルフェニル)ピラゾール(BW755C)などのピラゾー
ル誘導体にリポキシゲナーゼ作用阻害活性のあることが
報告されたが〔Biochem.Pharmacol.,第28巻、第1959頁
(1979年)参照〕、これらのピラゾール誘導体の酵素選
択性は低い。一方、(12−ヒドロキシ−5,9−ドデカジ
イン−1−イル)トリメチルベンゾキノン(AA-861)は
5−リポキシゲナーゼの作用を選択的に阻害し、ロイコ
トリエンの生成を抑制することが報告されており〔Bioc
him.Biophys.Acta,第713巻、第470頁(1982年)参
照〕、臓器梗塞などの炎症反応の治療薬剤として有望視
されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述のようにアレルギー性の疾患であるアレルギー性
喘息、アレルギー性鼻炎の発症にはアラキドン酸から5
−リポキシゲナーゼの作用によって生成するロイコトリ
エンC4(LTC4)、ロイコトリエンD4(LTD4などのロイコ
トリエン類が重要な因子として関与していることから、
5−リポキシゲナーゼを失活させ、その作用を阻害する
活性を有する薬剤の出現が強く望まれているのが現状で
ある。
しかして、本発明の目的は、優れた5−リポキシゲナ
ーゼ作用阻害活性を有し、かつ安全性の高いクロマン骨
格を有する新規な化合物を提供するにあり、また5−リ
ポキシゲナーゼ作用阻害活性に加えて抗アレルギー作
用、抗ヒスタミン作用、脂質過酸化防止作用、血小板凝
集抑制作用などの薬理作用をも有する新規な化合物を提
供するにある。
本発明の他の目的は当該新規な化合物の医薬用途、即
ち当該化合物を有効成分とする気管支喘息治療用組成物
を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、上記の目的は、一般式 (式中、nは1、2又は3の整数を表わし、Rは から成る群から選ばれる含窒素複素環基を表わし、ここ
でR1及びR2はそれぞれ水素原子又は置換基を有していて
もよいアルキル基、アラルキル基、アリールアルケニル
基、アリール基若しくはアシル基を表わし、R3は水素原
子又はアルキル基を表わす) で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体及
びその薬理学的に許容される塩〔以下、これらの化合物
を3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)と
総称することもある〕、及び治療上有効な量の3,4−
ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)の少なくと
も一種と医薬上許容される添加剤とからなる気管支喘息
治療用組成物を提供することによって達成される。
上記一般式(I)においてRが表わす含窒素複素環基
を次に詳しく説明する。含窒素複素環基は前記のとお
り、 から成る群から選ばれる。ここで、R1及びR2はそれぞれ
水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基、ア
ラルキル基、アリールアルケニル基、アリール基若しく
はアシル基を表わす。アルキル基はその炭素数が1〜1
8、好ましくは1〜6であり、直鎖状、分岐状のいずれ
でもよく、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イ
ソペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラ
デシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどであり、これ
らのアルキル基が有する置換基の代表例としてはヒドロ
キシル基などが挙げられる。アラルキル基のアリール部
分は単環状、縮合環状(例、フェニル基、ナフチル基
等)のいずれでもよく、またアルキル部分はその炭素数
が1〜6、特に1又は2であることが好ましく、かかる
アラルキル基の代表例としてはベンジル基、フェネチル
基、ナフチルメチル基などが挙げられ、また置換基を有
していてもよいアラルキル基のなかで特に置換基を有し
ていてもよいベンジル基は次式で示される2つのタイプ
に分けられる。
アリールアルケニル基のアリール部分は単環状、縮合環
状(例、フェニル基、ナフチル基等)のいずれでもよ
く、またアルケニル部分はその炭素数が1〜6、特に3
であることが好ましい。アリールアルケニル基の代表例
としてはシンナミル基などが挙げられる。アリール基は
単環状、縮合環状のいずれでもよく、その代表例として
はフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、また置換基
を有していてもよいアルール基のなかで特に置換基を有
していてもよいフェニル基は次式で示される。
さらにアシル基の代表例としてはベンゾイル基、フェニ
ルアセチル基、シンナモイル基、ナフトイル基などの芳
香族アシル基;ピリジンカルボニル基、フランカルボニ
ル基、チオフェンカルボニル基などの複素環アシル基な
どが挙げられ、また置換基を有していてもよいアシル基
のなかで特に置換基を有していてもよいベンゾイル基は
次式で示される。
上記式中、Q1、Q2、Q3、Q4及びQ5はそれぞれ水素原
子;フツ素、塩素、臭素などのハロゲン原子;メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、t−ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、
オクタデシルなどのアルキル基(特に、炭素数1〜18、
就中炭素数1〜6);トリフルオロメチル基;メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、t−ブトキシなどの低級アルコキシル基(特に、炭
素数1〜6、就中炭素数1〜4);アミノ、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどの低級アルキ
ル基(特に、炭素数1〜6)で置換されていてもよいア
ミノ基;ニトロ基;シアノ基;及びフェノキシ基からな
る群から選ばれる基を表わす。
Q6は水素原子;フツ素、塩素、臭素などのハロゲン原
子;又はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、ブトキシ、t−ブトキシなどの低級アルコキシル
基(特に、炭素数1〜6、就中炭素数1〜4)を表わ
す。Aはピリジル基又は1置換基を有していてもよいフ
ェニル基を表わし、ここで置換基としてはQ6と同一又は
異なるハロゲン原子又は低級アルコキシル基を表わす。
Q7、Q8、Q9、Q10及びQ11はそれぞれ水素原子;フッ素、
塩素、臭素などのハロゲン原子;メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデ
シルなどのアルキル基(特に、炭素数1〜18、就中炭素
数1〜6);トリフルオロメチル基;メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブト
キシなどの低級アルコキシル基(特に、炭素数1〜6、
就中炭素数1〜4);アミノ、メチルアミノ、ジメチル
アミノ、ジエチルアミノなどの低級アルキル基(特に、
炭素数1〜6)で置換されていてもよいアミノ基;ニト
ロ基;シアノ基;及びフェノキシ基からなる群から選ば
れる基を表わす。Q12、Q13、Q14、Q15及びQ16はそれぞ
れ水素原子;フツ素、塩素、臭素などのハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、t−
ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デ
シル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデ
シル、オクタデシルなどのアルキル基(特に、炭素数1
〜18、就中炭素数1〜6);トリフルオロメチル基;メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブト
キシ、t−ブトキシなどの低級アルコキシル基(特に、
炭素数1〜6);アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノなどの低級アルキル基(特に、炭素
数1〜6)で置換されていてもよいアミノ基;ニトロ
基;シアノ基;及びフェノキシ基からなる群から選ばれ
る基を表わす。R3は水素原子;又はメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘプタ
デシルなどのアルキル基(特に、炭素数1〜17、就中炭
素数1〜11)を表わす。
一般式(I)で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ
ピラン誘導体の代表例として次の化合物を挙げることが
できる。
(1)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(1−ピロリジニル)エチル〕−2,5,7,8−テトラメチ
ル−2H−ベンゾピラン (2)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−(2−モ
ルホリノエチル)−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベン
ゾピラン (3)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−(2−チ
オモルホリノエチル)−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
ベンゾピラン (4)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−(3−チ
オモルホリノプロピル)−2,5,7,8−テトラメチル−2H
−ベンゾピラン (5)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(4−ベンジルピペリジノ)エチル〕−2,5,7,8−テト
ラメチル−2H−ベンゾピラン (6)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔3−
(4−ベンジルピペリジノ)プロピル〕−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−ベンゾピラン (7)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(4−メチルピペリジノ)エチル〕−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−ベンゾピラン (8)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−(4−メチルピペラジニル)〕エチル〕−2,5,7,
8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (9)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニ
ル〕〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾ
ピラン (10)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−(4−ベンジルピペラジニル)〕エチル〕−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (11)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔3−
〔1−(4−ベンジルピペラジニル)〕プロピル〕−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (12)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔1−〔4−(ジフ
ェニルメチル)ピペラジニル〕〕エチル〕−6−ヒドロ
キシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (13)3,4−ジヒドロ−2−〔3−〔1−〔4−(ジフ
ェニルメチル)ピペラジニル〕〕プロピル〕−6−ヒド
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (14)2−〔2−〔1−〔4−〔α−(4−クロロフェ
ニル)ベンジル〕ピペラジニル〕〕エチル〕−3,4−ジ
ヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H
−ベンゾピラン (15)2−〔3−〔1−〔4−〔α−(4−クロロフェ
ニル)ベンジル〕ピペラジニル〕〕プロピル〕−3,4−
ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−ベンゾピラン (16)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−〔4−〔α−(4−メトキシフェニル)ベンジ
ル〕ピペラジニル〕〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチ
ル−2H−ベンゾピラン (17)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−〔4−〔α−(2−ピリジル)ベンジル〕ピペラ
ジニル〕〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベ
ンゾピラン (18)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔3−
〔1−〔4−〔α−(2−ピリジル)ベンジル〕ピペラ
ジニル〕〕プロピル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
ベンゾピラン (19)2−〔2−〔1−〔4−〔α−(4−ブロモフェ
ニル)ベンジル〕ピペラジニル〕〕エチル〕−3,4−ジ
ヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H
−ベンゾピラン (20)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テト
ラメチル−2−〔2−〔1−〔4−(3,4,5−トリメト
キシベンジル)ピペラジニル〕〕エチル〕−2H−ベンゾ
ピラン (21)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テト
ラメチル−2−〔3−〔1−〔4−(3,4,5−トリメト
キシベンジル)ピペラジニル〕〕プロピル〕−2H−ベン
ゾピラン (22)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テト
ラメチル−2−〔2−〔1−〔4−(2,3,4−トリメト
キシベンジル)ピペラジニル〕〕エチル〕−2H−ベンゾ
ピラン (23)2−〔2−〔1−(4−ベンゾイルピペラジニ
ル)〕エチル〕−3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (24)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テト
ラメチル−2−〔2−〔1−〔4−(3,4,5−トリメト
キシベンゾイル)ピペラジニル〕エチル〕−2H−ベンゾ
ピラン (25)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テト
ラメチル−2−〔3−〔1−〔4−(3,4,5−トリメト
キシベンゾイル)ピペラジニル〕〕プロピル〕−2H−ベ
ンゾピラン (26)2−〔2−〔1−〔4−(4−クロロベンジル)
ピペラジニル〕〕エチル〕−3,4−ジヒドロ−6−ヒド
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (27)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−〔4−(4−メトキシベンジル)ピペラジニ
ル〕〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾ
ピラン (28)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔1−〔4−〔α−
(4−フルオロフェニル)ベンジル〕ピペラジニル〕〕
エチル〕−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2
H−ベンゾピラン (29)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔1−〔4−(4−
ジメチルアミノベンジル)ピペラジニル〕〕エチル〕−
6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾ
ピラン (30)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−〔1H−イミダゾリル)〕エチル〕−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−ベンゾピラン (31)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔3−
〔1−〔1H−イミダゾリル)〕プロピル〕−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−ベンゾピラン (32)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−(2−ピ
ペラジノエチル)−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベン
ゾピラン (33)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(1−ピペラジニル)エチル〕−2,5,7,8−テトラメチ
ル−2H−ベンゾピラン (34)2−〔2−〔1−〔4−(4−クロロベンゾイ
ル)ピペラジニル〕〕エチル〕−3,4−ジヒドロ−6−
ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラ
ン (35)2−〔3−〔1−〔4−(4−クロロベンゾイ
ル)ピペラジニル〕〕プロピル〕−3,4−ジヒドロ−6
−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピ
ラン (36)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−〔4−(4−メトキシベンゾイル)ピペラジニ
ル〕〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾ
ピラン (37)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(4−フェニルピペリジノ)エチル〕−2,5,7,8−テト
ラメチル−2H−ベンゾピラン (38)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(4−メトキシフェニル)ピペリジノ〕エチル〕
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (39)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−(4−フェニルピペラジニル)〕エチル〕−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (40)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔1−〔4−(4−メトキシフェニル)ピペラジニ
ル〕〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾ
ピラン (41)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(2−ウンデシルイミダゾール−1−イル)エチル〕−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (42)2−〔2−(4−シンナモイルピペラジン−1−
イル)エチル〕−3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (43)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(4−(4−メチルベンゾイル)ピペラジン−1−イ
ル)エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピ
ラン (44)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(4−フェニルアセチルピペラジン−1−イル)エチ
ル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (45)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(4−ニコチノイルピペラジン−1−イル)エチル〕−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (46)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−(1−イ
ミダゾリル)メチル−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベ
ンゾピラン (47)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(オキサゾリン−2−イル)エチル〕−2,5,7,8−テト
ラメチル−2H−ベンゾピラン (48)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(ピラゾール−1−イル)エチル〕−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−ベンゾピラン (49)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(イミダゾリン−2−イル)エチル〕−2,5,7,8−テト
ラメチル−2H−ベンゾピラン (50)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(4−トリフルオロメチルベンジル)ピペラジン
−1−イル〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
ベンゾピラン (51)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(2,4−ジクロロベンジル)ピペラジン−1−イ
ル〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピ
ラン (52)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(3,4−ジクロロベンジル)ピペラジン−1−イ
ル〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピ
ラン (53)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(4−フルオロベンジル)ピペラジン−1−イ
ル〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピ
ラン (54)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(4−ブロモベンジル)ピペラジン−1−イル〕
エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (55)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(3−フェノキシベンジル)ピペラジン−1−イ
ル〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピ
ラン (56)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(4−テニルピペラジン−1−イル〕エチル〕−2,5,7,
8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (57)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(4−シアノ
ベンジル)ピペラジン−1−イル〕エチル〕−6−ヒド
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (58)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(1−ナフチルメチル)ピペラジン−1−イル〕
エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (59)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(2−ナフチルメチル)ピペラジン−1−イル〕
エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (60)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
(4−ニコチニルピペラジン−1−イル)エチル〕−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (61)3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−
〔4−(4−ニトロベンジル)ピペラジン−1−イル〕
エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (62)3,4−ジヒドロ−2−〔2−(4−シンナミルピ
ペラジン−1−イル)エチル〕−6−ヒドロキシ−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (63)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(2−ナフト
イル)ピペラジン−1−イル〕エチル〕−6−ヒドロキ
シ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (64)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(4−シアノ
ベンゾイル)ピペラジン−1−イル〕エチル〕−6−ヒ
ドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (65)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(4−トリフ
ルオロメチルベンゾイル)ピペラジン−1−イル〕エチ
ル〕−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−
ベンゾピラン (66)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(2−フェニ
ルエチル)ピペラジン−1−イル〕エチル〕−6−ヒド
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (67)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(4−ジメチ
ルアミノベンゾイル)ピペラジン−1−イル〕エチル〕
−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベン
ゾピラン (68)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(1−ナフト
イル)ピペラジン−1−イル〕エチル〕−6−ヒドロキ
シ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (69)3,4−ジヒドロ−2−〔2−(4−テノイルピペ
ラジン−1−イル)エチル〕−6−ヒドロキシ−2,5,7,
8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (70)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(3−クロロ
ベンジル)ピペラジン−1−イル〕エチル〕−6−ヒド
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン (71)3,4−ジヒドロ−2−〔2−〔4−(2−クロロ
ベンジル)ピペラジン−1−イル〕エチル〕−6−ヒド
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン 一般式(I)で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ
ピラン誘導体の薬理学的に許容される塩としては塩酸、
硫酸などの鉱酸の塩;メタンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸などの有機スルホン酸の塩;酢酸、プロピオ
ン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、乳
酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機カルボン酸
の塩などが挙げられる。
一般式(I)で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ
ピラン誘導体は例えば次の方法(i)〜(iv)により製
造することができる。
(式中、nは前記定義のとおりであり、R4 で示される含窒素複素環基を表わし、ここでR1、R2及び
R3は前記定義のとおりであり、Zは反応活性な原子又は
基、例えば塩素、臭素などのハロゲン原子;メタンスル
ホニルオキシなどの低級アルカンスルホニルオキシ基;
ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオ
キシなどのアレンスルホニルオキシ基などを表わす) すなわち、一般式(II-1)で示される化合物と該化合
物1モルに対して約1〜20モルの一般式(III)で示さ
れる含窒素複素環化合物とをトルエン、キシレン、ジメ
チルホルムアミドなどの不活性溶媒の存在下又は不存在
下に約50〜250℃、好ましくは約80〜200℃の範囲の温度
で反応させることにより、一般式(I-1)で示される3,4
−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を製造することが
できる。
(式中、n、R4及びZは前記定義のとおりであり、R5
ベンジル、アセチル、ベンゾイルなどの水酸基の保護基
を表わし、R6は水素原子又はR5と同一の水酸基の保護基
を表わす) すなわち、一般式(II-2)で示される化合物と該化合
物1モルに対して約1〜20モルの一般式(III)で示さ
れる含窒素複素環化合物該化合物とをトルエン、キシレ
ン、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどの不活性溶
媒の存在下若しくは不存在下に約50〜250℃、好ましく
は約80〜200℃の範囲の温度で反応させるか、又は一般
式(III)で示される含窒素複素環化合物に該含窒素複
素環化合物1モルに対して約0.5〜1モルのn−ブチル
リチウム、水素化ナトリウムなどの塩基をトルエン、テ
トラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの不活性
溶媒中、−78℃〜約100℃、好ましくは約−20℃〜+80
℃の範囲の温度で反応させたのち、該含窒素複素環化合
物に対して約0.1〜1モル当量の一般式(II-2)で示さ
れる化合物を約−20℃〜+100℃、好ましくは約0〜80
℃の範囲の温度で反応させる。次いで、必要に応じて一
般式(I′‐1)で示される生成物から水酸基の保護基
を常法に従い脱離させることにより、一般式(I-1)で
示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を製
造することができる。
(式中、n、R2及びR6は前記定義のとおりであり、Xは
ハロゲン原子を表わす) すなわち、一般式(I′‐2)で示される化合物と一
般式(IV)で示されるハロゲン化物とをトルエン、ベン
ゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロルエタンなどの不活
性溶媒中、ピリジン、トリエチルアミン、炭酸カリウム
などの塩基の存在下又は不存在下に約−20℃〜+150
℃、好ましくは約0〜80℃の範囲の温度で反応させたの
ち、必要に応じて生成物から水酸基の保護基を常法に従
い脱離させることにより、一般式(I-2)で示される3,4
−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を製造することが
できる。
(式中、nは前記定義のとおりであり、Yは−O−又は
−NH−で示される基を表わす) すなわち、一般式(II-3)で示されるニトリルと該ニ
トリルに対して約1〜3モル当量の一般式(V)で示さ
れる置換エチルアミンとを、該ニトリルに対して約0.01
〜0.1モル当量の塩化亜鉛、塩化第二スズ、塩化第二鉄
などのルイス酸の存在下に約150〜250℃の範囲の温度で
反応させたのち、必要に応じてさらに生成物をジオキサ
ン、エチレングリコールジメチルエーテルなどの不活性
溶媒中、約等モル量の三フッ化ホウ素と加熱還流するこ
とにより、一般式(I-3)で示される3,4−ジヒドロ−2H
−ベンゾピラン誘導体を製造することができる。
上記の方法(i)〜(iv)で得られた反応混合物から
の一般式(I)で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ
ピラン誘導体の分離、精製は一般有機合成反応により得
られる生成物の反応混合物からの分離、精製に用いられ
る方法により同様に行われる。
一般式(I)で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ
ピラン誘導体はクロマン骨格の2位に不斉炭素原子を有
しており、その不斉炭素原子に基づく2種の光学異性体
(対掌体)を有する。また、当該3,4−ジヒドロ−2H−
ベンゾピラン誘導体が不斉炭素原子を2個以上有する場
合にはこれらの不斉炭素原子に由来するジアステレオマ
ーを有する。これらの異性体はそれぞれ文献公知の対応
する一般式(IV-1)で示される光学活性な化合物を原料
として用いて、常法により一般式(IV-2)で示される化
合物を経由して前記の一般式(II-2)で示される化合物
に変換したのち、前記(ii)の方法に従って反応及び分
離、精製を行うことにより取得することができる〔Helv
etica Chimica Acta,第62巻、第2384頁(1979年);J.Or
g.Chem.,第41巻、第3505頁(1976年)等参照〕。
(式中、n、R5、X及びZは前記定義のとおりである) 一般式(I)で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ
ピラン誘導体の薬理学的に許容される塩は通常の塩生成
反応に従って一般式(I)で示される3,4−ジヒドロ−2
H−ベンゾピラン誘導体と所望の酸とから容易に製造さ
れる。
以下、本発明の3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘
導体類(I)についての5−リポキシゲナーゼ作用阻害
活性、SRS-A関与アナフイラキシー性気道収縮に対する
作用、抗ヒスタミン作用、脂質過酸化防止作用及び血小
板凝集抑制作用の試験及びそれらの結果を示す。
なお、表中の被検化合物欄における、たとえば化合物
(3)は、前記に代表例として挙げた71個の各化合物群
の冒頭に示した番号(3)の化合物を意味し、他の化合
物番号もこれに準ずる。
試験例1 5−リポキシゲナーゼ作用阻害活性 試験 越智らの方法〔J.Biol.Chem.,第258巻、第5754〜5758
頁(1983年)参照〕に準じて、モルモット腹腔多形核白
血球105,000×g上清画分を調製し、アラキドン酸から
の5−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(5-HETE)産生
能を測定した。
体重約500gの雄性モルモットに1/10量(10ml/100g体
重)の2%カゼイン溶液を腹腔内注射し、16〜18時間後
に開腹し、腹腔内浸出液を採取し、次いで10mMリン酸緩
衝液(pH7.4)を含む生理食塩水で2回腹腔内を洗浄し
た。得られた浸出液と洗浄液を集め、150×gで5分間
遠心し、沈渣に0.2%食塩水を加え、低張処理をして混
入した赤血球を溶血させた。これに1.6%食塩水を加え
て等張に戻してから同様に遠心し、50mM Hepes緩衝液
(pH8.0)に懸濁後、超音波処理(Branson sonifier,mo
del 185)を行った。10,000×gで10分間遠心し、その
上清をさらに105,000×gで60分間遠心分離し、得られ
た上清を5−リポキシゲナーゼ画分とし、使用まで−70
℃にて凍結保存した。
反応液は、50mM Tris−塩酸緩衝液(pH7.3)中に、5
−リポキシゲナーゼ画分(0.5mg蛋白)、3.4μM〔1−
14C〕アラキドン酸(40nCi、Amersham Internationa
l)、1mM塩化カルシウム、2mMのATP及び1mMグルタチオ
ンを含み、全量を0.2mlとした。ジメチルスルホキシド
に溶解した被検化合物と上清画分を30℃、2分間プレイ
ンキュベーションした後、14C−アラキドン酸を添加
し、30℃、3分間インキュベーションした。0.4Mクエン
酸溶液20μlを加えて反応を停止させ、反応生成物をエ
チルエーテル1mlにて抽出した後、無水硫酸ナトリウム
0.5gを混和し軽く遠心した。その上清0.6mlを別の試験
管に移し、乾固後、クロロホルム−メタノール(2:1)5
0μlに溶解し、シリカゲルプレート(Whatman,LK5DF)
にスポットした。プレートには予め標準品のアラキドン
酸、プロスタグランジンB2、5−及び12-HETEをマーカ
ーとしてスポットした。エチルエーテル−石油エーテル
−酢酸(85:15:0.1)の展開溶媒を用いて薄層クロマト
を行い、リニア・アナライザー(Berthold,model LB28
2)により5-HETE生成量を求めた。
結果 被検化合物の5−リポキシゲナーゼ阻害作用を5-HETE
産生に対する50%抑制濃度(IC50,μM)で求め、結果
を第1表にまとめた。
第1表から明らかなように、本発明の化合物はいずれ
も対照薬のBW755C、カフエー酸に比べ顕著に優れた5−
リポキシゲナーゼ作用阻害活性を示した。
試験例2 SRS-A関与アナフイラキシー性気道収縮に対する作用 試験及び結果 本発明化合物のSRS-A関与アナフイラキシー性気道収
縮に対する作用をコンチエットとレスラーの方法〔Naun
yn Schmiederbergs Arch.Exp.Pathol.Pharmak.,第195
巻、第71頁(1940年)参照〕を改変して試験した。すな
わち、体重350〜450gの雌性モルモットに生理食塩液を
溶解した10%卵白アルブミン1mlを、それぞれ腹腔内投
与及び皮下投与して感作させた。感作して20〜25日後、
この感作動物にウレタン1.5g/kgを腹腔内投与して麻酔
した後、背位に固定し、気管を切開してカニューレを挿
入した。人工呼吸を50strokes/分の割合で陽圧的に行
い、気道への送気圧は気管カニューレに接続した圧トラ
ンスジューサーを介してオシログラフ上に記録した。基
線が一定した後、メピラミン2.5mg/kg、インドメタシン
1mg/kg及びプロプラノロール0.05mg/kgをそれぞれ総頸
静脈から投与し、3分後に被検化合物を総頸静脈から投
与した。次いで、2分後に卵白アルブミン10mg/kgを総
頸静脈から投与してアナフイラキシー性気管支収縮を惹
起させ、気道抵抗の上昇を10〜15分測定した。クレンメ
で気道を完全に閉塞したときの送気圧を最大収縮(100
%)とし、気道収縮率(%)を求めた。結果を対照群の
気道収縮に対する被検化合物の抑制率(%)で表わす
と、化合物(30)は1mg/kgの投与量で52%の抑制率を、
また3mg/kgの投与量で64%の抑制率をそれぞれ示した。
試験例3 抗ヒスタミン作用 試験 本発明化合物の抗ヒスタミン作用をファン・ロッサム
の方法(Arch.Int.Pharmacodyn Ther.,第143巻、第299
頁(1963年)参照〕により行った。すなわち、常法によ
り雄性モルモット回腸標本を作成し、空気を通した37℃
のタイロード液を満たしたマグヌス管に懸垂し、ヒスタ
ミンによる収縮を累積的に等張性ヘーベルを介して記録
した。被検化合物を試験3分前にタイロード液に添加
し、競合的拮抗作用及び非競合的拮抗作用をpA2及びp
D′2として求めたところ、それぞれpA2=6.28、pD′2
4.24であった。
結果 被検化合物のpA2及びpD′2を求めた結果を第2表にま
とめた。
試験例4 脂質過酸化防止作用 試験 本発明化合物の脂質過酸化防止作用を島田及び安田の
方法〔Biochim.Biophys.Acta,第489巻、第163頁(1977
年)参照〕により行った。すなわち、体重200g前後の雄
性ラットを用い、常法により肝ミクロゾーム懸濁液を調
製し、これをアスコルビン酸100μM及び硫酸第一鉄20
μMの存在下に、37℃で60分間インキュベーションした
後、生成したマロンジアルデヒドの量をチオバルビツー
ル酸法により測定した。被検化合物はインキュベーショ
ン前に添加した。
結果 被検化合物の脂質過酸化防止作用を対照群のマロンジ
アルデヒド生成に対する50%抑制濃度(IC50,μM)で
求め、結果を第3表にまとめた。
第3表から明らかなように、本発明の化合物は優れた
脂質過酸化防止作用を示した。
試験例5 血小板凝集抑制作用 試験及び結果 (i)試験管内血小板凝集に対する作用 ウサギから血液を採取し、1/10量の3.8%クエン酸ナ
トリウム溶液を混和した。このクエン酸添加血液を200
×gで10分間遠心分離することにより、血小板に富んだ
血漿を得た。このようにして得た血小板に富んだ血漿に
被検化合物を加え、37℃で2分間保持した後、アラキド
ン酸2.5×10-4M(最終濃度)を加え、血小板凝集を起こ
させ、ボーン型6チャンネル凝集測定装置〔J.Physiolo
gy,第168巻、第178〜195頁(1963年)参照〕により測定
した。対照群に対する化合物(30)の50%抑制濃度(IC
50,μg/ml)を求めたところ、0.11μg/mlであった。
(ii)生体外血小板凝集に対する作用 被検化合物を3匹のウサギに経口投与した。投与前及
び1時間後、血液を採取し、1/10量の3.8%クエン酸ナ
トリウム溶液を混和した。このクエン酸添加血液を200
×gで10分間遠心分離することにより、血小板に富んだ
血漿を得た。アラキドン酸2.5×10-4M(最終濃度)を加
え、血小板凝集を起こさせ、前記方法に記載されている
ものと同一の凝集測定装置により測定した。被検化合物
投与前に対する抑制率(%)を求めたところ、化合物
(30)は100mg/kg経口投与で41±17%の抑制率を示し
た。
このように本発明の3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラ
ン誘導体類(I)はヒトをはじめとするウマ、ウシ、ブ
タ、イヌ、マウス、ラット、モルモット等の動物に対し
て顕著な5−リポキシゲナーゼ作用阻害活性、抗アレル
ギー作用、抗ヒスタミン作用、脂質過酸化防止作用、血
小板凝集抑制作用を有する。
また本発明の3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導
体類(I)は低毒性であり、例えば本発明の化合物
(5)及び(30)の急性毒性値(LD50,dd系雄性マウ
ス)は経口投与で>1,000mg/kgであり、また腹腔内投与
で>300mg/kgであった。
以上、明らかにしたように、本発明の3,4−ジヒドロ
−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)はヒトをはじめとす
るウマ、ウシ、ブタ、イヌ、マウス、ラット、モルモッ
ト等の動物の気管支喘息に対する治療薬として有用であ
る。
3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)の
投与量は疾病、患者の重篤度、薬物に対する忍容性など
により異なるが、通常成人1日あたり5〜2000mg、好ま
しくは50〜600mgの量であり、これを1回又は分割して
投与するのがよい。投与に際しては投与ルートに適した
任意の形態をとることができる。
3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)は
任意慣用の製剤方法を用いて投与用に調製することがで
きる。従って、本発明は少なくとも1種の3,4−ジヒド
ロ−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)を含有する医薬組
成物をも包含するものである。このような組成物は任意
所要の製薬用担体、賦形剤等の医薬上許容される添加剤
等を使用して慣用の手段によって調製される。
この組成物が経口用製剤である場合には、該製剤は消
化管からの吸収に好適な形態で提供されるのが望まし
い。経口投与の錠剤及びカプセルは単位量投与形態であ
り、結合剤、例えばシロップ、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ソルビット、トラカント、ポリビニルピロリドンな
ど;賦形薬、例えば乳糖、とうもろこし澱粉、りん酸カ
ルシウム、ソルビット、グリシンなど;潤滑剤、例えば
ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリ
コール、シリカなど;崩壊剤、例えば馬鈴薯澱粉など;
又は許容し得る湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム
などのような慣用の賦形剤を含有していてもよい。錠剤
は当業界において周知の方法でコーテイングしてもよ
い。経口用液体製剤は水性又は油性懸濁剤、溶液、シロ
ップ、エリキシル剤、その他であってもよく、あるいは
使用する前に水又は他の適当なビヒクルで再溶解させる
乾燥生成物であってもよい。このような液体製剤は普通
に用いられる添加剤、例えば懸濁化剤、例えばソルビッ
トシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロッ
プ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、
水素化食用脂など;乳化剤、例えばレシチン、モノオレ
イン酸ソルビタン、アラビアゴムなど;非水性ビヒク
ル、例えばアーモンド油、分別ココナット油、油性エス
テル、プロピレングリコール、エチルアルコールなど;
防腐剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒ
ドロキシ安息香酸プロピル、ソルビン酸などを含有して
もよい。
また注射剤を調製する場合には、3,4−ジヒドロ−2H
−ベンゾピラン誘導体類(I)に必要によりpH調整剤、
緩衝剤、安定化剤、保存剤、可溶化剤などを添加し、常
法により皮下、筋肉内、静脈内注射剤とする。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
なお、以下の記載においてCDC13はCDCl3を、d6-DMSO
はd6‐DMSOを、CD30DはCD3ODをD20はD2Oを意味する。
実施例1 窒素雰囲気下、トルエン60mlとイミダゾール15gとか
らなる溶液に3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−
〔2−(p−トルエンスルホニルオキシ)エチル〕−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン3.0g(7.44mmo
le)の10%トルエン溶液を室温下に滴下し、滴下終了
後、30分間加熱還流した。冷却後、得られた反応液を重
曹水にあけ、ジエチルエーテルで抽出した。エーテル層
を2回水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、こ
れより低沸点物を減圧下に留去した。得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによ
り、下記の物性を有する3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキ
シ−2−〔2−〔1−(1H−イミダゾリル)〕エチル〕
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物
(30)〕を2.0g得た。収率89.7%。
FD質量スペクトル:〔M〕+3001 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.20(s,3H),1.70(t,J=8Hz,2H), 1.86〜2.23(m,11H),2.57(t,J=8Hz,2H), 3.30(br.s,1H),4.07(t,J=8Hz,2H), 6.83(d,J=2Hz,1H),6.97(d,J=2Hz,1H), 7,43(s,1H) 実施例2 実施例1において3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2−〔2−(p−トルエンスルホニルオキシ)エチル〕
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピランの代わり
に3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔3−(p−
トルエンスルホニルオキシ)プロピル〕−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−ベンゾピランを7.44mmole用いた以外
は同様にして反応及び分離操作を行うことにより、下記
の物性を有する3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−
〔3−〔1−(1H−イミダゾリル)〕プロピル〕−2,5,
7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物(3
1)〕を2.0g得た。収率85.6%。
FD質量スペクトル:〔M〕+3141 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.21(s,3H),1.45〜1.80(m,4H), 1.86〜2.25(m,11H),2.60(t,J=8Hz,2H), 3.50(br.s,1H),4.05(t,J=8Hz,2H), 6.83(d,J=2Hz,1H),6.97(d,J=2Hz,1H), 7,43(s,1H) 実施例3〜5 実施例1において、イミダゾール15gの代わりに4−
ベンジルピペリジン1.4g、4−(2,3,4−トリメトキシ
ベンジル)ピペラジン2.6g又はピペラジン3.2gを用いる
以外は実施例1と同様に反応及び分離操作を行うことに
より、それぞれ対応する3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキ
シ−2−〔2−(4−ベンジルピペリジノ)エチル〕−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物
(5)〕、3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチル−2−〔2−〔1−〔4−(2,3,4−トリ
メトキシベンジル)ピペラジニル〕〕エチル〕−2H−ベ
ンゾピラン〔化合物(22)〕及び3,4−ジヒドロ−6−
ヒドロキシ−2−〔2−(1−ピペラジニル)エチル〕
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物
(33)〕を得た。生成物の収率及び物性値を第4表に示
す。
実施例6〜11 実施例1においてイミダゾール15g(0.22mole)の代
わりにモルホリン、4−メチルピペリジン、ピペリジ
ン、4−フェニルピペリジン、4−(4−メトキシフェ
ニル)ピペリジン又は4−(4−メトキシフェニル)ピ
ペラジンをそれぞれ0.22mole用いた以外は同様にして反
応及び分離操作を行うことにより、それぞれ対応する3,
4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を得た。それぞ
れの生成物の収率及び物性値を第5表に示す。
実施例12〜15 実施例2においてイミダゾール15g(0.22mole)の代
わりにチオモルホリン、4−ベンジルピペリジン、4−
ベンジルピペラジン又は4−(3,4,5−トリメトキシベ
ンジル)ピペラジンをそれぞれ0.22mole用いた以外は同
様にして反応及び分離操作を行うことにより、それぞれ
対応する3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を得
た。それぞれの生成物の収率及び物性値を第6表に示
す。
実施例16 実施例5において得られた3,4−ジヒドロ−6−ヒド
ロキシ−2−〔2−(1−ピペラジニル)エチル〕−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン5.4g、α−
(4−クロロフェニル)ベンジルクロリド4.23g及びト
ルエン100mlからなる混合液を16時間加熱還流した。得
られた反応液を冷却したのち、重曹1.57gを溶解した水5
0mlを加えて分液し、水層をジエチルエーテルで抽出し
た。有機層及び抽出液を合し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥したのち、これより低沸点物を減圧下に留去した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精
製することにより、下記の物性を有する2−〔2−〔1
−〔4−〔α−(4−クロロフェニル)ベンジル〕ピペ
ラジニル〕〕エチル〕−3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキ
シ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合
物(14)〕を1.0g得た。1 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.22(s,3H),1.55〜1.88(m,4H), 1.95〜2.20(m,9H),2.25〜2.70(m,12H), 3.40〜4.70(br.s,1H),4.18(s,1H), 7,08〜7.45(m,9H) FD質量スペクトル:〔M+1〕+519 実施例17 実施例5において得られた3,4−ジヒドロ−6−ヒド
ロキシ−2−〔2−(1−ピペラジニル)エチル〕−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン5.5g、ピリジ
ン1.5g及び1,2−ジクロルエタン60mlからなる溶液に、
3,4,5−トリメトキシベンゾイルクロリド4.4gを加え、
室温で一夜攪拌した。得られた反応液を重曹水にあけ、
1,2−ジクロルエタンで抽出した。抽出液を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥したのち、これより、低沸点物を減圧下
に留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーで精製したのち、エタノールで再結晶するこ
とにより、下記の物性を有する3,4−ジヒドロ−6−ヒ
ドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2−〔2−〔1−
〔4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)ピペラジニ
ル〕〕エチル〕−2H−ベンゾピラン〔化合物(24)〕を
3g得た。1 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.20(s,3H),1.60〜1.89(m,4H), 1.95〜2.20(m,9H),2.26〜2.72(m,8H), 3.40〜3.75(m,4H),3.85(s,9H), 4,10〜4.80(br.s,1H),6.60(s,2H) FD質量スペクトル:〔M+1〕+513 実施例18〜20 (イ)実施例2においてイミダゾール15g(0.22mole)
の代わりにピペラジン0.22moleを用いる以外は同様に反
応及び分離操作を行うことにより、3,4−ジヒドロ−6
−ヒドロキシ−2−〔3−(1−ピペラジニル)プロピ
ル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピランを2.1
4g得た。収率87.0%。
(ロ)実施例16において3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキ
シ−2−〔2−(1−ピペラジニル)エチル〕−2,5,7,
8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン5.4g(17mmole)の
代わりに上記(イ)において得られた3,4−ジヒドロ−
6−ヒドロキシ−2−〔3−(1−ピペラジニル)プロ
ピル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピランを1
7mmole用いた以外は同様にして反応及び分離操作を行う
ことにより、対応する2−〔3−〔1−〔4−〔α−
(4−クロロフェニル)ベンジル〕ピペラジニル〕〕プ
ロピル〕−3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物(15)〕を得
た。生成物の収率及び物性値を第7表に示す。
(ハ)上記(ロ)においてα−(4−クロロフェニル)
ベンジルクロリド4.23g(17.8mmole)の代わりにベンズ
ヒドリルクロリド又はα−(2−ピリジル)ベンジルク
ロリドをそれぞれ17.8mmole用いた以外は同様にして反
応及び分離操作を行うことにより、それぞれ対応する3,
4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を得た。それぞ
れの生成物の収率及び物性値を第7表に示す。
実施例21〜27 実施例16においてα−(4−クロロフェニル)ベンジ
ルクロリド4.23g(17.8mmloe)の代わりにベンズヒドリ
ルクロリド、α−(4−メトキシフェニル)ベンジルク
ロリド、α−(4−ブロモフェニル)ベンジルクロリ
ド、3,4,5−トリメトキシベンジルクロリド、4−メト
キシベンジルクロリド、α−(4−フルオロフェニル)
ベンジルクロリド又は4−ジメチルアミノベンジルクロ
リドをそれぞれ17.8mmole用いた以外は同様にして反応
及び分離操作を行うことにより、それぞれ対応する3,4
−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を得た。それぞれ
生成物の収率及び物性値を第8表に示す。
実施例28及び29 (イ)実施例17において3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキ
シ−2−〔2−(1−ピペラジニル)エチル〕−2,5,7,
8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン5.5g(17.3mmole)
の代わりに3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔3
−(1−ピペラジニル)プロピル〕−2,5,7,8−テトラ
メチル−2H−ベンゾピラン17.3mmoleを用いた以外は同
様にして反応及び分離操作を行うことにより、対応する
3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチ
ル−2−〔3−〔1−〔4−(3,4,5−トリメトキシベ
ンゾイル)ピペラジニル〕〕プロピル〕−2H−ベンゾピ
ラン〔化合物(25)〕を得た。生成物の収率及び物性値
を第9表に示す。
(ロ)上記(イ)において3,4,5−トリメトキシベンゾ
イルクロリド4.4g(17.3mmole)の代わりに4−クロル
ベンゾイルクロリドを17.3mmole用いた以外は同様にし
て反応及び分離操作を行うことにより、反応する2−
〔3−〔1−〔4−(4−クロロベンゾイル)ピペラジ
ニル〕〕プロピル〕−3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物
(35)〕を得た。生成物の収率及び物性値を第9表に示
す。
実施例30 窒素雰囲気下、トルエン100ml、1−ベンジルピペラ
ジン10.8g及び3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−
〔2−(p−トルエンスルホニルオキシ)エチル〕−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン8.2g(20.3mmo
le)からなる溶液を3.5時間加熱還流した。得られた反
応液を水にあけ、トルエンで抽出した。トルエン層を水
洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、これより低
沸点物を減圧下に留去した。その残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより、下記の物
性を有する3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2
−〔1−(4−ベンジルピペラジニル)〕エチル〕−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物(1
0)〕を3.5g得た。収率42.2%。
FD質量スペクトル:〔M〕+4081 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.15(s,3H),1.53〜1.80(m,4H), 1.97〜2.14(m,9H),2.26〜2.65(m,12H), 3.37(s,2H),4.40〜5.10(br.s,1H), 7.20(s,5H) 実施例31〜36 実施例30において、1−ベンジルピペラジン10.8g(6
1.4mmole)の代わりにチオモルホリン、1−フェニルピ
ペラジン、ピロリジン、1−メチルピペラジン、1−
(4−クロロベンジル)ピペラジン又は2−ウンデシル
イミダゾールをそれぞれ61.4mmole用いた以外は同様に
して反応及び分離操作を行うことにより、それぞれ対応
する3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を得た。
それぞれの生成物の収率及び物性値を第10表に示す。
実施例37 窒素雰囲気下、1,2−ジクロルエタン100ml、ピリジン
1.49g及び4−〔2−(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ
−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イ
ル)エチル〕ピペラジン5.0g(15.7mmole)からなる溶
液に塩化ベンゾイル2.02gを滴下し、室温で1夜攪拌し
た。得られた反応液を水にあけ、1,2−ジクロルエタン
で抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥したの
ち、これより低沸点物を減圧下に留去した。その残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することに
より、下記の物性を有する2−〔2−〔1−(4−ベン
ゾイルピペラジニル)〕エチル〕−3,4−ジヒドロ−6
−ヒドロキシ−2−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベン
ゾピラン〔化合物(23)〕を4.2g得た。収率63%。
FD質量スペクトル:〔M〕+4221 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.16(s,3H),1.55〜1.84(m,4H), 1.97〜2.13(m,9H),2.22〜2.67(m,8H), 3.23〜3.80(m,4H),4.65(s,1H), 7.31(s,5H) 実施例38〜43 実施例37において塩化ベンゾイル2.02g(14.4mmole)
の代わりに塩化シンナモイル、4−メチルベンゾイルク
ロリド、フェニルアセチルクロリド、4−メトキシベン
ゾイルクロリド、塩酸ニコチン酸クロリド又は4−クロ
ロベンゾイルクロリドをそれぞれ14.4mmole用いた以外
は同様にして反応及び分離操作を行うことにより、それ
ぞれ対応する3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体
を得た。それぞれの生成物の収率及び物性値を第11表に
示す。
実施例44 オートクレーブ中でトルエン100ml、イミダゾール32.
6g及び3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−(p−ト
ルエンスルホニルオキシ)メチル−2,5,7,8−テトラメ
チル−2H−ベンゾピラン18.7g(49.7mmole)からなる溶
液を200℃で4時間攪拌した。オートクレーブを冷却し
たのち、得られた反応液を水にあけ、ジエチルエーテル
で抽出した。エーテル層を飽和食塩水で洗滌したのち、
無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これより低沸点物を減
圧下に留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーで精製することにより、下記の物性を有す
る3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−(1−イミダ
ゾリル)メチル−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾ
ピラン〔化合物(46)〕を1.9g得た。収率13.9%。
FD質量スペクトル:〔M〕+2861 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.09(s,3H),1.55〜1.80(m,2H), 1.97〜2.19(m,9H),2.58(t,J=7Hz,2H), 3.96(s,2H),5.23〜5.76(br.s,1H), 6.87〜7.04(m,2H),7.43(s,1H) 実施例45 (イ)オートクレーブ中で2−(2−シアノエチル)−
3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチ
ル−2H−ベンゾピラン5.18g、エタノールアミン3.05g及
び塩化亜鉛0.14gからなる溶液を攪拌しながら200℃で9
時間反応させた。冷却後、反応混合物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより、下記の物
性を有するN−〔3−(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキ
シ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−
イル)−1−イミノプロピル〕−N−(2−ヒドロキシ
エチル)アミンの白色結晶を4.86g得た。収率80%。
FD質量スペクトル:〔M+1〕+3211 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS d6-DMSO▼: 1.10(s,3H),1.57〜1.74(m,4H), 1.97(s,6H),2.01(s,3H), 2.06〜2.14(m,2H),2.38〜2.51(m,2H), 2.72(t,J=11Hz,2H),3.32(t,J=11Hz,2H) (ロ)N−〔3−(3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イ
ル)−1−イミノプロピル〕−N−(2−ヒドロキシエ
チル)アミン1.43gと1,4−ジオキサン20mlとからなる溶
液に三弗化硼素エーテル錯体0.7mlを室温で滴下し、滴
下終了後、6時間加熱還流した。冷却後、反応液を水に
あけ、ジクロルメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥したのち、これより減圧下に低沸点物を
留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、さらにジクロルメタンで再結晶する
ことにより、下記の物性を有する3,4−ジヒドロ−6−
ヒドロキシ−2−(オキサゾリン−2−イル)エチル−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物(4
7)〕の白色結晶0.43gを得た。収率31%。
FD質量スペクトル:〔M〕+3031 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.17(s,3H),1.65〜1.85(m,4H), 2.04(s,6H),2.07(s,3H), 2.28〜2.62(m,4H),3.60〜3.80(m,2H), 4.03〜4.27(m,2H) 実施例46 (イ)窒素雰囲気下、ピラゾール2.48gとテトラヒドロ
フラン100mlとからなる溶液を−40℃の温度に保ちなが
ら、この溶液にn−ブチルリチウムの15%ヘキサン溶液
18mlをゆっくりと滴下した。滴下終了後、混合液の温度
を室温まで上げ、30分間攪拌した。次いで、この反応液
を氷冷し、これに3,4−ジヒドロ−6−ベンジルオキシ
−2−〔2−(p−トルエンスルホニルオキシ)エチ
ル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン15.0g
(30.3mmole)のテトラヒドロフラン30mlの溶液をゆっ
くりと滴下し、滴下終了後、16時間加熱還流させた。
得られた反応液を水にあけ、ジエチルエーテルで抽出
し、抽出液を水洗し、さらに飽和食塩水で洗滌したの
ち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。これより減圧下に
低沸点物を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーで精製することにより、下記の物性を
有する3,4−ジヒドロ−6−ベンジルオキシ−2−〔2
−(ピラゾール−1−イル)エチル〕−2,5,7,8−テト
ラメチル−2H−ベンゾピラン6.1gを得た。収率51.6%。
FD質量スペクトル:〔M〕+3901 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.19(s,3H),1.62〜2.30(m,13H), 2.52(t,J=8Hz,2H),3.87〜4.39(m,2H), 4.61(s,2H),6.07〜6.17(m,1H), 7.20〜7.53(m,7H) (ロ)窒素雰囲気下、3,4−ジヒドロ−6−ベンジルオ
キシ−2−〔2−(ピラゾール−1−イル)エチル〕−
2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン6.1g(15.6m
mole)とジクロルメタン30mlとからなる溶液を−30℃の
温度に冷却した。次いで、この溶液に三塩化硼素のジク
ロルメタン溶液(1mole/lの濃度)19.2mlをゆっくりと
滴下した。滴下終了後、混合液を室温で2時間攪拌した
のち、反応液を水にあけ、ジクロルメタンで抽出した。
抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、これより
減圧下に低沸点物を留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、下
記の物性を有する3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2
−〔2−(ピラゾール−1−イル)エチル〕−2,5,7,8
−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物(48)〕を
3.4g得た。
収率72.5%。
FD質量スペクトル:〔M〕+3001 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CD30D▼: 1.21(s,3H),1.67〜2.31(m,13H), 2.57(t,J=7Hz,2H),4.50(t,J=7Hz,2H), 4.79(s,1H),6.55(t,J=2Hz,1H), 8.00(d,J=2Hz,1H),8.08(d,J=2Hz,1H) 実施例47 窒素雰囲気下、3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2
−〔2−(1−ピペラゾニル)エチル〕−2,5,7,8−テ
トラメチル−2H−ベンゾピラン5.0g(15.7mmole)、α
−(2−ピリジル)ベンジルクロリド9.6g、トルエン10
0ml及びジメチルホルムアミド100mlからなる溶液を10時
間加熱還流した。得られた反応液を重曹水にあけ、トル
エンで抽出した。トルエン層を水洗し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥したのち、これより低沸点物を減圧下に留去
した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーで精製することにより、下記の物性を有する3,4−
ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−〔1−〔4−
〔α−(2−ピリジル)ベンジル〕ピベラジニル〕〕エ
チル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン
〔化合物(17)〕を1.7g得た。収率22.3%。
FD質量スペクトル:〔M〕+4851 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.12(s,3H),1.53〜1.83(m,4H), 1.84〜2.12(m,9H),2.22〜2.61(m,12H), 3.20〜3.80(br.s,1H),4.33(s,1H), 6.86〜7.55(m,8H),8.43(d,J=5Hz,1H) 実施例48 オートクレーブ中で3−(3,4−ジヒドロ−6−ヒド
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−
2−イル)プロピオニトリル3.1g、エチレンジアミン1.
8g及び塩化亜鉛0.08gからなる溶液を200℃で9時間加熱
反応した。冷却後、得られた反応混合物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーで精製し、さらにジクロルメタ
ンから再結晶することにより、下記の物性を有する3,4
−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−〔2−(イミダゾリ
ン−2−イル)エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H
−ベンゾピラン〔化合物(49)〕の黄色結晶2.5gを得
た。収率69%。
FD質量スペクトル:〔M+1〕+3031 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS CDCL3▼: 1.10(s,3H),1.59〜1.78(m,4H), 2.00(s,6H),2.07(s,3H), 2.15〜2.45(m,4H),3.44(s,4H), 5.29(br.s,2H) 実施例49 窒素雰囲気下、トルエン100ml、1−ピペラジンエタ
ノール25.0g及び3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−
〔2−(p−トルエンスルホニルオキシ)エチル〕−2,
5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン12.2g(0.038m
ole)からなる溶液を8時間加熱還流した。得られた反
応液を水にあけ、トルエンで抽出した。トルエン層を水
洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、これより低
沸点物を減圧下に留去した。得られた残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製することにより、下記
の物性を有する3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−
〔2−〔1−〔4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジ
ニル〕エチル〕−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾ
ピラン〔化合物(9)〕を6.84g得た。収率49.3%。
FD質量スペクトル:〔M+1〕+3631 H‐NMRスペクトル(90MHz)▲δHMS D20▼: 1.30(s,3H),1.77〜2.26(m,13H), 2.50〜3.30(m,14H),3.82(t,J=6Hz,2H), 4.81(s,2H) 実施例50〜62 実施例30において、1−ベンジルピペラジン10.8g(6
1.4mmole)の代わりに1−(4−トリフルオロメチルベ
ンジル)ピペラジン、1−(2,4−ジクロロベンジル)
ピペラジン、1−(3,4−ジクロロベンジル)ピペラジ
ン、1−(4−フルオロベンジル)ピペラジン、1−
(4−ブロモベンジル)ピペラジン、1−(3−フェノ
キシベンジル)ピペラジン、1−テニルピペラジン、1
−(4−シアノベンジル)ピペラジン、1−(1−ナフ
チルメチル)ピペラジン、1−(2−ナフチルメチル)
ピペラジン、1−ニコチニルピペラジン、1−(4−ニ
トロベンジル)ピペラジン又は1−シンナミルピペラジ
ンをそれぞれ61.4mmole用いた以外は同様にして反応及
び分離操作を行うことにより、それぞれ対応する3,4−
ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を得た。それぞれの
生成物の収率及び物性値を第12表に示す。
実施例63〜68 実施例37において塩化ベンゾイル2.02g(14.4mmole)
の代わりに2−ナフトイルクロリド、4−シアノベンゾ
イルクロリド、4−トリフルオロメチルベンゾイルクロ
リド、4−ジメチルアミノベンゾイルクロリド、1−ナ
フトイルクロリド又は2−テノイルクロリドをそれぞれ
14.4mmole用いた以外は同様にして反応及び分離操作を
行うことにより、それぞれ対応する3,4−ジヒドロ−2H
−ベンゾピラン誘導体を得た。それぞれの生成物の収率
及び物性値を第13表に示す。
実施例69〜71 実施例16においてα−(4−クロロフェニル)ベンジ
ルクロリド4.23g(16.7mmole)の代わりにフェネチルク
ロリド、3−クロロベンジルクロリド又は2−クロロベ
ンジルクロリドをそれぞれ16.7mmole用いた以外は同様
にして反応及び分離操作を行うことにより、それぞれ対
応する3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体を得
た。それぞれの生成物の収率及び物性値を第14表に示
す。
次に、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体類
(I)のうち3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2−
〔2−〔1−(1H−イミダゾリル)〕エチル〕−2,5,7,
8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン〔化合物(30)〕
を活性成分とした製剤例を示す。
実施例72 カプセル剤 化合物(30) 20g 微結晶セルローズ 65g トウモロコシデンプン 20g 乳糖 22g ポリビニルピロリドン 3g 全量 130g 上記成分を常法により顆粒化したのち、ゼラチン硬カ
プセル1,000カプセルに充填した。1カプセル中に化合
物(30)20mgを含有する。
実施例73 散剤 化合物(30) 50g 微結晶セルローズ 400g トウモロコシデンプン 550g 全量 1,000g 化合物(30)をアセトンに溶解し、次いでこれを微結
晶セルローズに吸着させたのち、乾燥した。これをトウ
モロコシデンプンと混合し、常法により散剤として、化
合物(30)の20倍散剤を調製した。
実施例74 錠剤 化合物(30) 10g トウモロコシデンプン 10g 乳糖 20g カルボキシメチルセルローズカルシウム 10g 微結晶セルローズ 35g ポリビニルピロリドン 5g タルク 10g 全量 100g 化合物(30)をアセトンに溶解し、次いでこれを微結
晶セルローズに吸着させたのち、乾燥した。これにトウ
モロコシデンプン、乳糖、カルボキシメチルセルローズ
カルシウムを混合し、次いでポリビニルピロリドンの水
溶液を結合剤として加えて常法により顆粒化した。これ
を滑沢剤としてタルクを加えて混合したのち、1錠100m
gの錠剤に打錠した。1錠中には化合物(30)10mgを含
有する。
実施例75 注射剤 化合物(30) 10g 可溶化剤Nikkol HCO-60(日光ケミカル社製品名)37g ゴマ油 2g 塩化ナトリウム 9g プロピレングリコール 40g リン酸緩衝液(0.1M,pH6.0) 100g 蒸留水 全量1,000g 化合物(30)、Nikkol HCO-60、ゴマ油及び半量のプ
ロピレングリコールを混合して約80℃で加温溶解し、こ
れにリン酸緩衝液及び塩化ナトリウムとプロピレングリ
コールを予め溶解した蒸留水を約80℃に加温して加え、
全量1,000mlの水溶液とした。この水溶液を2mlのアンプ
ルに分注して熔閉したのち、加温滅菌した。
1管中、化合物(30)20mgを含有する。
(発明の効果) 本発明によれば、医薬として有用な新規な3,4−ジヒ
ドロ−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)が提供される。
3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)は、
前記の試験の結果から明らかなとおり、5−リポキシゲ
ナーゼの作用を顕著に阻害することができ、従って5−
リポキシゲナーゼの作用によって生成されるアレルギー
発症因子であるLTC4、LTD4などのロイコトリエン類の産
生を効果的に抑制することができる。また3,4−ジヒド
ロ−2H−ベンゾピラン誘導体類(I)は抗アレルギー作
用、抗ヒスタミン作用、脂質過酸化防止作用、血小板凝
集抑制作用をも併わせ有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/495 31/535 31/54 C07D 405/06 211 231 233 413/06 311 (72)発明者 丸山 裕 大分県中津市大字島田180−18号 (72)発明者 寺沢 道夫 大分県中津市中央町2丁目5番18号 (72)発明者 越智 宏 埼玉県入間市扇町屋1−4−17 キヤツス ル入間302号 (72)発明者 田原 哲冶 大分県中津市大字一ツ松59−17 (56)参考文献 特開 昭62−89676(JP,A) 特開 昭57−146767(JP,A) 特開 昭60−1177(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、nは1、2又は3の整数を表わし、Rは から成る群から選ばれる含窒素複素環基を表わし、ここ
    でR1及びR2はそれぞれ水素原子又は置換基を有していて
    もよいアルキル基、アラルキル基、アリールアルケニル
    基、アリール基若しくはアシル基を表わし、R3は水素原
    子又はアルキル基を表わす) で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体又
    はその薬理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】Rが である特許請求の範囲第1項記載の3,4−ジヒドロ−2H
    −ベンゾピラン誘導体又はその薬理学的に許容される
    塩。
  3. 【請求項3】治療上有効な量の一般式 (式中、nは1、2又は3の整数を表わし、Rは から成る群から選ばれる含窒素複素環基を表わし、ここ
    でR1及びR2はそれぞれ水素原子又は置換基を有していて
    もよいアルキル基、アラルキル基、アリールアルケニル
    基、アリール基若しくはアシル基を表わし、R3は水素原
    子又はアルキル基を表わす) で示される3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾピラン誘導体又
    はその薬理学的に許容される塩の少なくとも1種と医薬
    上許容される添加剤とからなる気管支喘息治療用組成
    物。
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