JPH08160353A - 画像表示装置及び画像記録装置 - Google Patents

画像表示装置及び画像記録装置

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JPH08160353A
JPH08160353A JP6331108A JP33110894A JPH08160353A JP H08160353 A JPH08160353 A JP H08160353A JP 6331108 A JP6331108 A JP 6331108A JP 33110894 A JP33110894 A JP 33110894A JP H08160353 A JPH08160353 A JP H08160353A
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image
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eye
images
observer
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JP6331108A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Sudo
敏行 須藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の立体像の画像表示装置よりも立体像が
優れて「見やすい」、即ち「長時間立体像を観察しても
疲れない」画像表示装置を得ること。 【構成】 視差を有する複数枚の入力画像に基づいて画
像表示手段の上に右眼用及び左眼用の表示画像を表示
し、該表示画像によって形成した複数の観察映像を観察
者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させる画像
表示装置において、該観察者の右眼に提示する右眼用の
観察映像の垂直方向の中心線と観察者の左眼に提示する
左眼用の観察映像の垂直方向の中心線との間に、0゜よ
り大きく、3゜以下の範囲の逆ハの字型の相対的な傾き
を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像表示装置及び画像記
録装置に関し、特に視差を有する複数枚の入力画像に基
づいて画像表示手段の上に表示画像を表示し、該表示画
像によって形成した複数の観察映像を観察者の両眼が視
認し、観察者に立体像を認識させる装置に好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、視差を有する複数枚の画像を
観察者の両眼に独立に呈示し、観察者に立体像を認識さ
せる画像表示装置は数多く提示されている。「3次元デ
ィスプレイ」(増田 千尋著、産業図書社刊)には以下
のような種々な方式の立体画像表示装置が開示されてい
る。
【0003】説明を明確にする為に、以後、観察者の両
眼が視る画像を”観察映像”、入力手段でもって対象か
ら取り込む画像を”入力画像”、観察の為に画像表示手
段に表示した画像を”表示画像”と呼ぶこととする。
【0004】図30はアナグリフ方式の3次元ディスプ
レイ(立体像の画像表示装置)の説明図である。本方式
では右眼用の表示画像、左眼用の表示画像をそれぞれ赤
色、青色等の2色で重畳表示し、色フィルターにより左
右眼用の観察映像を分離し、観察者に立体像を認識させ
る。
【0005】図31は偏光メガネ方式の3次元ディスプ
レイの説明図である。本方式では右眼用の表示画像、左
眼用の表示画像をそれぞれCRT上に表示し、その前に
振動面が互いに直交する偏光フィルター(偏光板)及び
ハーフミラーを設置し、偏光メガネにより左右眼用の観
察映像を分離し、観察者に立体像を認識させる。
【0006】図32は時分割シャッタ方式の3次元ディ
スプレイの説明図である。本方式では左右眼用の表示画
像を時分割的にCRT上に交互に表示し、それに同期し
て時分割に開閉する時分割シャッターメガネを用いて左
右眼用の観察映像を分離し、観察者に立体像を認識させ
る。
【0007】図33は光学的方式の3次元ディスプレイ
の説明図である。本方式ではプリズム、鏡、レンズ等の
光学手段を用いて、ビューアー上で分離して表示した左
右眼用の表示画像を観察者の前に映像として重畳表示
し、観察者に立体像を認識させる。
【0008】図34はレンティキュラ方式の3次元ディ
スプレイの説明図である。本方式ではレンティキュラレ
ンズで入力された複数の入力画像を、対応するレンティ
キュラレンズを通して分離して表示し、複数の観察者に
立体像を認識させる。
【0009】図35は大凸レンズ・大凹ミラー方式の3
次元ディスプレイの説明図である。図35(A)は大凸
レンズ方式の原理を、図35(B)は大凹ミラー方式の
原理を示している。本方式ではプロジェクターを用いて
大凸レンズまたは大凹ミラー上に左右眼用の表示画像を
形成し、それぞれの表示画像に対応する眼に該表示画像
からの光線が入射するように、プロジェクターの設置位
置及び右眼用の表示画像、左眼用の表示画像の空間位置
を定めて表示し、観察者に立体像を認識させる。
【0010】図36はパララックスバリヤ方式の3次元
ディスプレイの説明図である。本方式では画像表示手段
の前面にスリット状のバリヤ(パララックスバリヤ)を
配置し、それによって表示画像を左右の表示画像に分離
し、左右の視線がバリヤを通してこれらの表示画像を観
察映像として認識し、観察者に立体像を認識させる。
【0011】図37はインテグラル方式の3次元ディス
プレイの説明図である。本方式では蝿の眼レンズ(図3
7(A))を通して被写体の多数の視差画像が撮像素子
に受像(入力)され、記録、伝送されて表示素子上に画
像として表示される。各々の視差画像は蠅の眼レンズに
よって実像となって撮像時と同一の位置に空中結像す
る。観察者が様々な方向からこの実像を観察すると、夫
々の方向に見合った視差画像を観察でき、立体視が可能
となる。(図37(B)、(C)) 一方、上記の各画像表示装置に使用する視差のある入力
画像の入力方法としては、複数のカメラによって被写体
を複数の方向から撮像する方法が一般的である。このう
ち、アナグリフ方式、偏光メガネ方式、時分割シャッタ
方式、光学的方式等のように、視差のある入力画像が右
眼用と左眼用の2枚しか必要のない方式については、図
38のように撮影する物体Xに対して撮像用カメラもY
R 、YLの2台で入力画像XR ,XL を得れば十分であ
る。
【0012】しかし、レンティキュラ方式、大凸レンズ
・大凹ミラー方式、パララックスバリヤ方式等では、場
合によっては3方向以上の視点からの視差のある入力画
像を必要とする。そこでこの方式においては、図13の
ような多眼カメラ入力手段が必要となる。(図中の符号
については後で詳述する。) 尚、インテグラル方式は専用の蝿の眼レンズを通して画
像を入力する。
【0013】また、近年は上記のようにカメラによる実
写で得た入力画像を、コンピューター等で演算し、画像
処理したものを立体視用の視差画像として使用するケー
スも増えている。時としては、数枚の入力画像をもとに
被写体を全く別の方向から撮像したような画像を生成・
入力し、上記の立体画像表示装置に使用することも増え
てきた。
【0014】さらに、CG(コンピューターグラフィッ
クス)と呼ばれる、コンピューターによる演算で人工的
に合成した視差のある入力画像を実写で得る入力画像の
代わりに使用する例も増えている。CGのうち、3次元
空間内の物体構成の情報を正確に把握して画像生成を行
うものを利用すれば、一個の3次元情報から複数の視差
のある入力画像を形成することができるため、上記の立
体像の画像表示装置に容易に応用できる。
【0015】
【発明が解決しようとしている課題】上記従来の、両眼
視差を利用した立体像表示においては、左右眼用の観察
映像間の相互の表示条件についてはこれ迄確たる取り決
めも無く、単に左右眼用の観察映像を常にその垂直方向
の中心線を平行にして表示することが前提とされてい
る。ただし、観察映像の垂直方向の中心線とは図39中
の直線Lを云い、観察映像の表示面内で水平線と垂直に
交わり、画像の中心を通る直線をいう。
【0016】そして、この表示条件を変えたとき、観察
者に与える見易さの効果を考慮して表示条件を設定した
画像表示装置は存在しなかった。
【0017】また、このように表示条件を従来のものと
変えて立体像を表示する画像表示装置に使用する視差画
像の入力手段についても触れたものは無かった。
【0018】ところが、本出願に係る発明者が両眼視差
を利用した立体像表示において、左右眼用の観察映像の
相互の表示条件の違いが観察者に与える効果を調べたと
ころ、左右眼用の観察映像の垂直方向の中心線を逆ハの
字型に相対的に傾けて表示すれば、立体像の「見やす
さ」が向上する、という結果が得られた。
【0019】これについて説明する。図40及び図41
はこの結果を示すグラフである。各グラフの横軸は観察
映像の回転角(度)で、縦軸は立体像の「見やすさ」の
主観評価値を複数人分統計的に分散処理して求めた評価
値である。ここで云う「見やすさ」とは「立体像を観察
するに際して、長時間観察しても疲れない」と云う評価
である。
【0020】図40(A)は左眼の観察映像を固定し、
右眼の観察映像を時計回りに回転させた場合、図40
(B)は右眼の観察映像を固定し、左眼の観察映像を時
計回りに回転させた場合を示している。図40(B)よ
り、右眼の観察映像を固定し、左眼の観察映像を時計回
りに回転させた場合は回転角が大きくなるにつれて立体
像の「見やすさ」の評価が低下していくのに対し、図4
0(A)からわかるように、左眼の観察映像を固定し右
眼の観察映像を時計回りに回転させた場合には、映像の
回転角=0°の時より、2°程度の回転を与えた方が、
立体像の「見やすさ」の評価が高くなっていることがわ
かる。
【0021】また、立体像の「見やすさ」の評価の向上
は0°〜3°の範囲で維持されていることがわかる。
【0022】同様に、図41(A)は右眼の観察映像を
固定し、左眼の観察映像を反時計回りに回転させた場
合、図41(B)は左眼の観察映像を固定し、右眼の観
察映像お反時計回りに回転させた場合を示している。図
41(A)から判るように、映像の回転角=0°の時
と、2°程度の回転を与えた時とで、立体像の「見やす
さ」の評価が維持されていることがわかる。又、図41
(B)より、左眼の観察映像を固定し右眼の観察映像を
反時計回りに回転させた場合には回転角が大きくなるに
つれて立体像の「見やすさ」の評価が低下していくこと
がわかる。
【0023】このように、左右眼用の観察映像を表示面
内で相対的に傾けて表示することにより、観察される立
体像の「見やすさ」の評価が変化し、その回転の向きに
よっては従来の表示方法、即ち回転角=0°よりも立体
像を「見やすく」できることがわかった。
【0024】しかし、従来の立体像の画像表示装置にお
いては、左右眼用の観察映像を表示面内で相対的に回転
させるための積極的な工夫がなされた例は無かった。同
様に、従来の画像表示装置の画像入力手段においても、
入力する左右眼用の入力画像を相対的に回転させるため
の積極的な工夫がなされた例は全く無かった。
【0025】本発明の目的は、従来の立体像の画像表示
装置よりも立体像が優れて「見やすい」、即ち「長時間
立体像を観察しても疲れない」状態が得られる画像表示
装置及び画像記録装置の提供である。
【0026】更に、立体像の「見やすさ」を個々の観察
者の認識能力に応じて上記範囲内で任意に調整可能であ
る画像表示装置及び画像記録装置の提供である。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の画像表示装置
は、 (1−1) 視差を有する複数枚の入力画像に基づいて
画像表示手段の上に右眼用及び左眼用の表示画像を表示
し、該表示画像によって形成した複数の観察映像を観察
者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させる画像
表示装置において、該観察者の右眼に提示する右眼用の
観察映像の垂直方向の中心線と観察者の左眼に提示する
左眼用の観察映像の垂直方向の中心線との間に、0゜よ
り大きく、3゜以下の範囲の逆ハの字型の相対的な傾き
を有すること等を特徴としている。
【0028】特に、(1−1−1) 前記右眼用の表示
画像、及び前記左眼用の表示画像を表示する2つの画像
表示手段の少なくとも一方を該画像表示手段の表示面内
で回転させることにより、前記観察映像の相対的な傾き
を発生していること。 (1−1−2) 前記右眼用の表示画像から前記右眼用
の観察映像を形成する右眼用の光学系と、前記左眼用の
表示画像から前記左眼用の観察映像を形成する左眼用の
光学系のうち、少なくとも一方の光学系の光路中にイメ
ージローテーターを設置し、該イメージローテーターの
回転により、前記観察映像の相対的な傾きを発生してい
ること。 (1−1−3) 前記右眼用の表示画像と前記左眼用の
表示画像の少なくとも一方の表示画像を画像の座標変換
処理により回転して前記画像表示手段に表示することに
より、前記観察映像の相対的な傾きを発生しているこ
と。等を特徴としている。
【0029】又、(1−2) 視差を有する複数枚の入
力画像に基づいて画像表示手段の上に右眼用及び左眼用
の表示画像を表示し、該表示画像によって形成した複数
の観察映像を観察者の両眼が視認し、該観察者に立体像
を認識させる画像表示装置において、該画像表示手段に
表示画像を表示する際、該右眼用の表示画像と該左眼用
の表示画像のうち少なくとも一方を、右眼用の表示画像
の場合は時計回りに、左眼用の表示画像の場合は逆時計
回りに回転して表示し、2つの表示画像をその垂直方向
の中心線が0゜より大きく、3゜以下の範囲で逆ハの字
型に相対的に傾けていること等を特徴としている。
【0030】特に(1−2−1) 複数の光学手段と複
数の画像記録手段により前記観察者の右眼用の入力画像
と左眼用の入力画像を独立に撮像し、該入力画像を右眼
用及び左眼用の表示画像として表示する際、該右眼用の
表示画像と該左眼用の表示画像の少なくとも一方を座標
変換処理により回転して表示することにより、前記2つ
の表示画像の相対的な傾きを発生していること。 (1−2−2) 前記観察者の右眼用の入力画像と左眼
用の入力画像の両方もしくは一方を計算機による演算に
よって生成し、該入力画像を右眼用及び左眼用の表示画
像として表示する際、該右眼用の表示画像と該左眼用の
表示画像の少なくとも一方を座標変換処理により回転し
て表示することにより、該2つの表示画像を相対的に傾
けていること。等を特徴としている。
【0031】本発明の画像記録装置は、 (1−3) 複数の光学手段と複数の画像記録手段によ
り観察者の右眼用の入力画像と左眼用の入力画像を独立
に撮像し、該右眼用の入力画像を記録する右眼用の画像
記録手段と該左眼用の入力画像を記録する左眼用の画像
記録手段のうち、少なくとも一方の画像記録手段を該画
像記録手段の記録面内で回転させることにより、前記2
つの入力画像の相対的な傾きを発生して記録している。 (1−4) 複数の光学手段と複数の画像記録手段によ
り観察者の右眼用の入力画像と左眼用の入力画像を独立
に撮像し、該右眼用の入力画像を形成する右眼用の光学
手段と該左眼用の入力画像を形成する左眼用の光学手段
のうち、少なくとも一方の光学手段の光路中にイメージ
ローテーターを設置し、該イメージローテーターの回転
により前記2つの入力画像の相対的な傾きを発生して記
録していること。 等を特徴としている。
【0032】又、本発明の画像表示装置は、 (1−5) 視差を有する複数枚の入力画像に基づいて
画像表示手段の上に右眼用及び左眼用の表示画像を表示
し、該表示画像によって形成した複数の観察映像を観察
者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させる画像
表示装置において、該観察者の右眼に提示する右眼用の
観察映像と観察者の左眼に提示する左眼用の観察映像と
の間に、相対的な傾きを有するように各要素を設定した
こと。 (1−6) 視差を有する複数枚の入力画像に基づいて
画像表示手段の上に右眼用及び左眼用の表示画像を表示
し、該表示画像によって形成した複数の観察映像を観察
者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させる画像
表示装置において、観察者の両眼、もしくは一方の眼の
前にイメージローテーターを設置していること。 等を特徴としている。
【0033】
【実施例】図1は本発明の実施例1の要部概略図であ
る。本実施例は光学系によって視差を有する2つの観察
映像を観察者の両眼に独立に呈示し、観察者に立体像を
認識させる所謂HMD(ヘッドマウントディスプレー)
方式の画像表示装置である。図中、1L 、1R (下付字
LR は夫々左眼用要素、右眼用要素であることを示
す)は画像表示器(画像表示手段)で、本実施例ではバ
ックライト付きの液晶表示素子(以下LCDと略称す
る)を用いている。画像表示器としてはCRT、プラズ
マディスプレイ等を使用できる。装置全体の小型化の
為、表示器も小型化可能のものを使用するのが望まし
い。
【0034】2は画像信号発生部で、観察者の左眼に呈
示するための表示画像4L と観察者の右眼に呈示するた
めの表示画像4R の画像信号を発して、それぞれ対応す
る画像表示器に送信する。3L 、3R はそれぞれレンズ
(光学系)で、画像表示器1上に表示される表示画像4
L 、4R を拡大して虚像(観察映像)4L ’、4R ’と
して観察者の前方に結像させる役割を担っている。5
L 、5R はミラーで上記レンズ3L 、3R の光軸を偏向
させている。ミラー5L 、5R によって偏向された光軸
上には観察者の眼6L ,6R が位置し、観察者は光軸の
方向に拡大された観察映像4L ’、4R ’を観察するこ
とが出来る。ミラー5L 、5R を用いることで装置の小
型化が図られ、装置を頭部に搭載させることが可能とな
っている。また、ミラーとして半透過性のものを使用す
れば外景と観察映像4L ’、4R ’とを重畳させること
もできるし、ミラー5自身に光学的パワーを持たせれば
さらなる小型化や光学的性能の向上が図れる。
【0035】尚、レンズ3、ミラー5から構成される光
学系30は、左眼用の光学系30Lと右眼用の光学系3
R とがほぼ左右対称に配置されていて、左右眼用の光
学系30L 、30R によってそれぞれの観察映像4
L ’、4R ’は図示のように空間上のほぼ同じ位置に結
像している。このため、左右の画像表示器1L ,1R
両眼視差を有する表示画像4L 、4R をそれぞれ表示す
れば、観察者は容易に立体映像を観察することが出来
る。
【0036】本実施例においては、従来の画像表示装置
と異なって画像表示器1L と1R の画面枠の底辺が、共
に水平となるように配置していない。図2(A)は右側
の画像表示器1R を、表示面側から(観察者側から)ミ
ラーを介して見た図を示している。図中点線で示してい
るのが、従来の画像表示器の配置、実線で示しているの
が本実施例の画像表示器の配置である。図示するよう
に、右側の画像表示器1R はその表示面内において従来
の画像表示器の配置より時計回りに約1°回転した状態
で配置している。
【0037】一方、左側の画像表示装置1L は図2
(B)に示すように、その表示面内において従来より反
時計回りに約1°回転した状態で配置している。即ち左
右眼用の観察映像の垂直方向の中心線が逆ハの字型とな
るように傾けている。(以後逆ハの字型とは2つの映像
又は画像の垂直方向の中心線が相対的に逆ハの字型に傾
いていることを表していることとする。)こうすること
により、観察映像4L ’、4R ’もまたそれぞれの表示
器の向きを保って結像する。
【0038】図3(A)は従来の表示装置の観察映像4
L ’、4R ’を観察者の方向から見た図を示している。
左右の観察映像の底辺は共に水平で、映像枠全体の位置
も左右でほぼ一致している。しかし、本実施例の場合、
図3(B)に示すように左眼の観察映像4L ’は反時計
方向に約1°、右眼の観察映像4R ’は時計方向に約1
°それぞれ回転し、相互には2°相対的に傾いた状態で
結像している。
【0039】以上のように本実施例のHMD式の立体像
の画像表示装置において、両眼に与えられる2つの視差
のある観察映像に0°より大きく、3°以下の範囲、望
ましくは1°以上3°以下の範囲で相対的な傾きを与
え、これによって優れた立体像の”見やすさ”を得てい
る。
【0040】なお、本発明では2つの観察映像間に相対
的な傾きを与えれば良いので、2つの画像表示器の内、
一方のみを水平から傾けても良い。
【0041】図4は本発明の実施例2の要部概略図であ
る。本実施例は実施例1のミラー5を省略した構成とな
っている。レンズ3L 、3R の光軸上に観察者の眼6
L ,6 R が位置しており、観察者は光軸の方向に拡大さ
れた虚像(観察映像)4L ’、4R ’を観察することが
出来る。画像表示器1とレンズ3から構成される光学系
31は、左眼用光学系31L と右眼用光学系31R とが
ほぼ左右対称に配置されており、左右の光学系31L
31R によってそれぞれの観察映像4L ’、4R’は図
示のように空間上のほぼ同じ位置に形成されている。こ
のため、左右の画像表示器1L ,1R に両眼視差を有す
る表示画像4L および表示画像4R をそれぞれ表示すれ
ば、観察者は容易に立体映像を観察することが出来る。
【0042】この構成においても、左右の画像表示器1
L 、1R は実施例1と同様にそれぞれ傾けた状態で配置
する。これによって観察映像4L ’、4R ’には0°よ
り大きく、3°以下の範囲、望ましくは1°以上3°以
下の範囲で逆ハの字型の相対的な傾きを与え、これによ
って優れた立体像の”見やすさ”を得ている。
【0043】このように、本発明は観察者の観察する左
右の観察映像をその表示面内で相対的に傾けて表示する
ことを特徴としているが、2つの観察映像の回転方法と
しては上記の画像表示器を傾ける方法以外にも以下の2
つがある。
【0044】1)画像の座標変換による方法 2)光学系による方法 まず、1)画像の座標変換による方法について説明する。
画像の座標変換による方法とは、画像表示器1に1組の
表示画像を表示する際に、少なくとも一方の表示画像に
ついて画像の座標変換処理を施し、もとの表示画像に対
して一定角度の回転を与えて表示する方法である。
【0045】図5は本発明の実施例3の要部概略図であ
る。本実施例が実施例1と異なる点は、画像表示器1は
傾けずに、画像信号変調器により電子的に画像の座標変
換を行い、表示画像に回転を与えた点である。
【0046】即ち、画像信号発生部2から画像表示器1
に伝送される電気信号を左右の画像信号変調器7L ,7
R (7)にて画像の座標変換処理を行い、左右の表示画
像4L 、4R を回転して表示する。
【0047】図6は実施例3の画像信号変調器7の説明
図である。図6(A)は画像信号発生部2から送られる
画像信号がアナログのビデオ信号の場合の、画像信号変
調器の構成を示した図である。画像信号発生部2より発
せられたアナログ画像信号はA/D変換回路71でデジ
タル信号に変換された後、メモリ回路72に送られる。
メモリ回路72上では制御回路73から送られる命令信
号に従って、画素毎の移動、補間、間引き等の座標変換
処理を行って画像の回転角を変調する。制御回路73に
は画像回転角を調整するためのつまみ74が付いてお
り、使用者はこのつまみを使って画像回転角を自由に調
整することができる。メモリ回路72上で変調されたデ
ジタル画像信号はD/A変換回路75で再びアナログ画
像信号に変換され、画像表示器1に送られる。もちろ
ん、画像表示器1がデジタル信号入力が可能なものであ
れば上記D/A変換回路75は必要ない。
【0048】また、画像信号発生部2から送られる画像
信号がデジタル信号の場合は、画像信号変調器7L (7
R )の構成は図6(B)のようになる。画像信号発生部
2より発せられたデジタル画像信号は直接メモリ回路7
2に送られる。メモリ回路72上では制御回路73から
送られる命令信号に従って、画素毎の移動、補間、間引
き等の座標変換処理を行って画像の回転角を変調する。
制御回路73には画像回転角を調整するためのつまみ7
4が付いており、使用者はこのつまみを使って画像回転
角を自由に調整することができる。画像表示器1はあら
かじめデジタル信号入力が可能となっており、変調され
たデジタル画像信号は直接画像表示器1に送信される。
【0049】この様に、画像信号がアナログ、デジタル
いずれの場合も、上記のような構成によって左右の画像
表示器1L と1R 上に表示される表示画像4L と4R
は所望の回転角が与えられる。実施例3の構成では、左
右の光学系30L と30R は全く対称的で、左右の画像
が回転する光学的な要因は存在しない。よって、表示画
像4L および4R の回転はそのまま対応する観察映像
(虚像)4L ’と4R ’の回転となる。
【0050】図7は本実施例において左右の画像表示器
L ,1R 上に表示される右眼用の表示画像4R 及び左
眼用の表示画像4L を示している。このとき左眼用の表
示画像4L を反時計回りに1.5゜、右眼用の表示画像
R を時計回りに1.5゜回転させているので、観察映
像4L ’、4R ’も同様に回転して表示される。
【0051】このように左右の少なくとも一方の表示画
像に上記のような画像の座標変換処理により回転を与え
ることにより、2つの観察映像の相互の傾きを上記の要
領で0゜より大きく、3゜以下の範囲、望ましくは1°
以上3°以下の範囲で所望の方向に調整し、2つの観察
映像を逆ハの字型に傾けて得ることができる。これによ
って実施例1と同様に優れた立体像の”見やすさ”が得
られる。
【0052】なお、本実施例でも2つの観察映像間に相
対的な傾きを与えれば良いので、画像信号変調器7を片
方だけに設けて、一方の入力画像のみを水平から傾けて
も良い。
【0053】次に、2)の光学系による方法について説明
する。光学系による方法とは、立体像の画像表示装置が
左右の観察映像をそれぞれ所定の位置に形成させる光学
系を1組有する場合に、各光学系が左右の表示画像から
虚像(観察映像)を形成するまでの過程で、回転を発生
させる方法である。これを採用する時は、左右の画像表
示器1上に表示する右眼用の表示画像4R 及び左眼用の
表示画像4L は相対的に全く傾いていない状態で表示
し、左右の光学系中のどこかで、観察映像に回転を発生
させるのである。
【0054】図8は本発明の実施例4の要部概略図であ
る。本実施例はイメージローテーターによって上記の観
察映像の回転を発生させる実施例である。本実施例は実
施例1と比べて、左右の画像表示器1L 、1R 相互に傾
きを与えていない点と、光学系にイメージローテーター
を追加した点が異なっている。図中、8L ,8R はイメ
ージローテーターであり、これによって観察映像に傾き
を与える。
【0055】図9はイメージローテーターの斜視図であ
る。イメージローテーターとは光軸を軸としてこれをθ
°回転させると、これを透過する画像が2θ°回転する
という光学素子である。図9(A)のように3枚のミラ
ーを用いたものや、図9(B)のようにプリズムを用い
たものがある。本実施例においては図9(B)のタイプ
のものを用いている。また、イメージローテーター8
L ,8R は支持具8aおよびつまみ8bによって、光軸
を中心に任意の角度だけ回転させることが可能である。
なお、イメージローテーター8L ,8R を電動で回転す
る構造にすることもできる。図8の構成によれば、左右
の観察映像の回転角を任意の角度に調整することが出来
る。
【0056】イメージローテーター8L ,8R の挿入場
所は光路中であればどこでも良いが、虚像の結像に寄与
する光束径の最も小さくなった場所に設置すれば、その
大きさを小さく抑えることが出来る。又、図示のように
ミラー5と観察者の瞳6の間に設置すればイメージロー
テーターの回転方向と観察映像(虚像)の回転方向を一
致させることができる。
【0057】本実施例では右側のイメージローテーター
R を光束の出口側からみて時計回りに0.5゜、左側
のイメージローテーター8L を光束の出口側からみて反
時計回りに0.5゜回転させているので、右側の観察映
像4R ’が時計回りに1゜、左側の観察映像4L ’が反
時計回りに1゜回転している。従って2つの観察映像4
L ’、4R ’間には相対的に2°の傾きがある。
【0058】このように左右の少なくとも一方の光学系
中に可動式のイメージローテーター8を挿入すれば、2
つの観察映像の相互の傾きを上記の要領で0゜より大き
く、3゜以下の範囲、望ましくは1°以上3°以下の範
囲で観察映像を逆ハの字型で所望の値だけ傾くように任
意に設定できる。これによって実施例1と同様に優れた
立体像の”見やすさ”が得られる。
【0059】なお、本実施例でも2つの観察映像間に相
対的な傾きを与えれば良いので、イメージローテーター
8は片方の光路だけに設けて、一方の観察映像のみを水
平から傾けても良い。
【0060】又、表示に際して光学系を用いない場合に
おいても、観察に際して観察者の片眼の前にイメージロ
ーテーターを設ければ、その側の観察映像を傾けること
ができる。
【0061】尚、実施例1のような左右の画像表示器1
の少なくとも一方の回転による本発明の実施は上記2)光
学系による方法の一つと見做す。
【0062】又、上記の1)画像の座標変換による方法と
2)光学系による方法とを組み合わして応用しても良い。
その例を次に示す。
【0063】図10は本発明の実施例5の要部概略図で
ある。本実施例は1)、2)の両方の方法を用いて観察映像
L ’、4R ’の回転を実現している構成である。図
中、7L ,7R は画像信号変調器であり、画像の座標変
換により表示画像を回転する。又、8L ,8R はイメー
ジローテーターであり、これによっても観察映像を回転
できる。
【0064】以上のように、実施例1〜5では左右眼用
の観察映像を相互に逆ハの字型に0゜より大きく、3゜
以下の範囲で傾いて表示する為に、右眼用の観察映像及
び左眼用の観察映像を共に傾けるか、又は単独で回転さ
せている。
【0065】実施例1〜5は、本発明を画像表示装置の
出力部分(HMD表示装置)に応用した実施例である
が、本発明を立体像の画像表示装置の入力部分(入力手
段)即ち画像記録装置に応用しても同様の効果が得られ
る。以下、4つのタイプの入力手段について、それぞれ
実施例を示す。 ・2眼カメラ入力手段 図11は本発明の実施例6の説明図である。本実施例は
2眼カメラ入力手段を有する画像記録装置において、入
力に際して左右の入力画像に逆ハの字配置を与える為
に、2眼カメラの一方の光学系(光学手段)に実施例4
で用いた「光学系による方法」、即ちイメージローテー
ターを応用している。
【0066】図中、Xは撮影する物体、YL 、YR は2
眼カメラを構成する左右のカメラである。13は光学系
であり、物体Xの像を画像記録手段9の上に結像し、入
力画像XL ,XR を与える。14は表示制御部であり、
2眼カメラからの入力画像の信号を受け取り、これを制
御して画像表示手段15に表示画像として適切に表示す
る。
【0067】この構成において左右のカメラYL 、YR
の少なくとも一方の光学系の光路中にイメージローテー
ター8を挿入し、イメージローテーターを光軸を軸とし
て回転させることにより、画像記録手段9R 上で得られ
る入力画像XR を0゜より大きく、3゜以下の範囲、望
ましくは1°以上3°以下の範囲で任意の角度だけ回転
させ、相互に逆ハの字型に傾いた2つの入力画像XL
R を得ることができる。
【0068】図11は右側のカメラにのみイメージロー
テーター8を挿入した例である。更に、図12は左右両
方の撮像用光学系の光路中にイメージローテーター8
L ,8R を挿入した実施例であり、表示時の条件に合わ
せて、2つの入力画像XL ,XR に任意の量の回転を与
えることができる。
【0069】また、カメラのレンズ部は従来通りで、左
右の画像記録手段9L と9R のうち少なくとも一方をそ
の記録面内で0゜より大きく、3゜以下の範囲、望まし
くは1°以上3°以下の範囲で回転させ、垂直方向の中
心線が逆ハの字型の配置とすることで同様の効果を得る
ことができる。
【0070】以上のように2眼カメラ入力手段を有する
画像記録装置においては、2眼カメラの一部にイメージ
ローテーター8を使用することにより、2つの視差のあ
る入力画像を入力する際に2つの画像を相対的に傾けて
入力できる。これによってこの2つの入力画像を使って
通常の画像表示装置で立体視をする時に、優れた”見や
すさ”を与える。
【0071】・多眼カメラ入力手段 多眼カメラにより視差のある入力画像を入力する手段を
有する画像記録装置において、入力画像の垂直方向の中
心線が逆ハの字型となるようにする場合も、2眼カメラ
の場合同様に、右眼用の入力画像を撮像するための光学
系(光学手段)と左眼用の入力画像を撮像するための光
学系(光学手段)について、上記のような方法で光学的
な回転を与えればよい。
【0072】しかし、この場合視差のある入力画像の入
力に際しては、画像表示手段に対する観察者の両眼の位
置情報が必要である。もし、画像表示手段に対して観察
者の両眼の位置が定まっておれば、その両眼の位置に対
応する立体像を与える2つのカメラを選び、そのカメラ
で得られる2つの入力画像が逆ハの字型になるように傾
きを与える。
【0073】もし、画像表示手段に対して観察者の両眼
の位置が不定ならば、別に検出器を設けて、検出器によ
って観察者の両眼の位置を検出し、その位置に対応する
2つのカメラを選び、そのカメラで得られる入力画像が
逆ハの字型になるように傾きを与える。
【0074】図13は6眼カメラ入力手段の説明図であ
る。図中、Xは物体、Ya〜Yfは6眼のカメラであ
り、光学系13a〜13fによって物体Xの像を画像記
録手段9a〜9f上に結像し、視差のある入力画像Xa
〜Xfを撮像する。これらの入力画像のうち、観察時に
観察者が右眼で観察する表示画像に対応する入力画像と
左眼で観察する表示画像に対応する入力画像はそれぞれ
1枚ずつしかない。
【0075】図14は両眼視差を利用した立体像の画像
表示装置において、上記の6枚の視差のある入力画像に
基づいて表示した表示画像を正しい視差をもって観察す
る方法の説明図である。10は6枚の視差のある表示画
像を撮像時と同様の方向から独立に観察できる画像表示
手段、例えばレンティキュラ方式、大凸レンズ・大凹ミ
ラー方式、パララックスバリヤ方式等の画像表示手段で
ある。11i は表示される表示画像を示している。
【0076】このときの観察者Aは図示のようにその両
眼がaの方向軸上とbの方向軸上に、観察者Bは図示の
ようにその両眼がeの方向軸上とfの方向軸上に位置す
るよう、予め定められているとする。この場合、観察者
Aの右眼用の表示画像として入力画像Xaを、左眼用の
表示画像として入力画像Xbを表示し、観察者Bの右眼
用の表示画像として入力画像Xeを、左眼用の表示画像
として入力画像Xfを表示すれば各観察者は夫々立体像
を観察することが出来る。
【0077】このとき撮像カメラYaとYb、及びYe
とYfの光学系13の光路中で光学的に画像の回転を行
い、画像記録手段9に記録される左右の入力画像の間に
0°より大きく、3°以下の範囲、望ましくは1°以上
3°以下の範囲で2つの入力画像が逆ハの字型になるよ
うに回転を与えてやれば目的が達成される。その実施例
を次に示す。
【0078】図15は本発明の実施例7の要部概略図で
ある。本実施例は多眼カメラ入力手段111を有する画
像記録装置の例である。本実施例で相対的に傾いた視差
のある入力画像を得る方法は、個別には図11の2眼カ
メラによる入力方法と全く同様である。図15におい
て、Xは物体、Ya〜Yfは夫々カメラ、9a〜9fは
夫々画像記録手段、13a〜13fは光学系、8はイメ
ージローテーターである。
【0079】図15のように撮像カメラYaとYb及び
撮像カメラYeとYf夫々の一方の光学系(図中では光
学系13aと13f)の光路中にイメージローテーター
8を挿入し、実施例4の場合同様にイメージローテータ
ー8を光軸を軸として回転させることにより、画像記録
手段9aまたは9f上で得られる入力画像XaとXfを
0°より大きく、3゜以下の範囲、望ましくは1°以上
3°以下の範囲で任意の角度だけ回転させる。その結
果、相対的に逆ハの字型に傾いた夫々2つの入力画像X
aとXb及びXeとXfを得ることができる。(撮像カ
メラYcとYdの作用については説明を省略する。) 又、2眼カメラの場合同様、画像記録手段9a〜9fの
回転によっても同様の効果を得ることもできる。
【0080】さらに、図16のようにすべてのカメラの
光学系の光路中にイメージローテーターを挿入してお
き、表示時の条件に合わせて、入力画像に回転を与える
カメラも使用出来る。
【0081】観察者の両眼と画像表示手段との位置関係
が不定の場合には、実施例7は使えない。その場合の実
施例が次の実施例である。
【0082】図17は本発明の実施例8の要部概略図で
ある。本発明は多眼カメラ入力手段を使用する画像記録
装置及びそれを用いた画像表示装置において観察者の両
眼の位置が画像表示手段10に対して不定の場合に対応
する実施例である。図中、111は実施例7と同じ多眼
カメラ入力手段である。112は画像入力部であり、画
像表示手段10へ複数の表示画像11i を入力する。1
2は検出器であり、観察者の両眼位置を検出する。本実
施例では検出器12が検出する画像表示手段10と観察
者の両眼の相対的な位置情報をリアルタイムで画像入力
部112に出力し、画像入力部112は該情報に基づい
て夫々の観察者の両眼に対応する入力画像対を選び、後
は実施例7と同じ動作で2つの入力画像の垂直方向の中
心線が逆ハの字型になるように入力画像に相対的回転を
与えて画像表示手段10に表示する。なお、この場合イ
メージローテーターは電気信号により回転する構造が望
ましい。
【0083】なお、実施例7及び8において、イメージ
ローテーターを使わずに、画像の座標変換処理を用いて
表示画像を回転させても良い。
【0084】・画像の合成・処理による入力手段 画像の合成・処理により視差のある入力画像を生成する
入力手段は、少ない台数のカメラで多くの仮想視点から
の入力画像の生成を可能にするものである。画像の合成
・処理による視差のある入力画像の入力方式は、前の多
眼カメラによる入力画像の入力方式と基本的に同じ画像
入力技術である。ただし、この方式では画像情報をすべ
て信号に変換し、コンピューター上で演算により仮想視
点からの画像の合成・処理を行うので、左右の入力画像
に回転を与えるに際しては、すべて画像の座標変換によ
る方法を用いる。
【0085】図18は仮想視点からの入力画像の生成の
説明図である。入力画像の生成の手順は次のとおりであ
る。まず、2眼カメラYa、Ybによって視差のある入
力画像Xa、Xbをコンピュータに入力する。ついで、
これら2枚の入力画像Xa、Xbの画像情報を使用して
コンピューターの演算による画像の合成・処理によって
仮想視点cからの入力画像Xcを生成するのである。
【0086】図19は本発明の実施例9の要部概略図で
ある。本実施例は2つのカメラYa,Ybで取り込んだ
2枚の視差画像Xa,Xbを用いて、その間の仮想視点
cからの入力画像を生成入力し、立体像を表示する装置
である。図中、110は観察者に複数の表示画像を表示
する画像表示手段であり、11i は視差のある表示画像
である。118は2眼カメラ入力手段である。117は
画像生成入力部であり、2眼カメラ入力手段118から
の入力画像Xa,Xbを取り込んで、観察者の観察位置
に応じて仮想視点cからの入力画像Xcを適切に生成し
画像表示手段110に入力して表示する。
【0087】本実施例の動作を説明する。図19の配置
において、観察者の両眼6はaの方向軸上とcの方向軸
上に存在することが予め判っている。よってこの場合、
画像生成入力部117は視差のある入力画像XaとXb
を用いて方向軸cの仮想視点cからの入力画像Xcを生
成して画像表示手段110に入力し、観察者の右眼用の
表示画像としては入力画像XaをそのままXa’とし
て、観察者の左眼用の表示画像としては入力画像Xcに
基づくXc’を表示する。このときコンピューターによ
って左眼用の入力画像Xcを生成すると同時に、座標変
換処理により0゜より大きく、3゜以下の範囲、望まし
くは1°以上3°以下の範囲の反時計回りの回転を与え
て表示画像Xc’を表示してやれば、左右の表示画像X
a’,Xc’に相対的に逆ハの字型の傾きを与える本発
明の目的は達成される。
【0088】このように画像の合成・処理によって視差
のある入力画像の入力を行う場合、観察者の両眼と画像
表示手段との位置関係さえ明らかになっていれば、観察
者の両眼に対応する2枚の入力画像間に画像の座標変換
によって回転を与えて表示画像として表示し、本発明を
実施することが出来る。
【0089】また、観察者の両眼と画像表示手段との位
置関係が予め判っていない場合には、実施例8と同様に
検知器を設けて観察者の両眼位置をリアルタイムで検出
し、画像表示手段110との相対的な位置関係に応じ
て、逐次観察者の両眼に対応する2つの入力画像の少な
くとも一方に、コンピューターによる画像の座標変換で
回転を与えて本発明を実施することが出来る。
【0090】・CG入力手段 CGは前述した通り、一個の3次元情報から任意の視点
からの視差のある入力画像を生成することができるが、
ここでも複数の入力画像のうち観察者の左眼に呈示され
るべき入力画像と右眼に呈示されるべき入力画像につい
て、少なくとも一方の入力画像に所定の回転を与える座
標変換を行いながら画像生成を行えば、本発明を実施で
きる。
【0091】例えば、CGの技術によれば図13のよう
に多眼カメラで、ある物体Xをa〜fの6方向から撮像
して得る視差のある入力画像Xa〜Xfに相当するもの
が得られる。
【0092】そして、観察者の両眼と画像表示手段との
位置関係が明らかになっていれば、観察者の両眼に対応
する2枚の入力画像の少なくとも一方に座標変換によっ
て回転を与えて表示画像として表示し、本発明を実施す
ることが出来る。
【0093】また、観察者の両眼と画像表示手段との位
置関係が予め判っていない場合には、実施例8のように
検知器を設けて観察者の両眼位置をリアルタイムで検出
し、画像表示手段と両眼との相対的な位置関係に応じ
て、逐次観察者の両眼に対応する2つの入力画像のうち
少なくとも一方に、画像の座標変換で回転を与えて本発
明を実施することが出来る。
【0094】以上のように、CG方式によって視差のあ
る入力画像を入力する場合でも、左右眼用の表示画像を
相互に逆ハの字型に0°より大きく、3°以下の範囲、
望ましくは1°以上3°以下の範囲で傾くよう、左眼用
の表示画像又は右眼用の表示画像或は両者を傾けること
ができる。しかし、観察映像の回転量に対する主観的評
価には個人差もあり、観察される立体像の”見やすさ”
の評価が低下しないことを重視すると、図40及び図4
1のグラフより、表示画像相互の傾きは2゜前後である
ことが、より望ましい。
【0095】以上、立体視装置の出力部分、入力部分に
本発明を実施した例について説明したが、以下には各立
体像の画像表示方式に本発明を応用するとすれば、どの
段階でどのように実施するかについて説明する。
【0096】まず、本発明をアナグリフ方式の立体像の
画像表示装置において実施した例について説明する。
【0097】図20はアナグリフ方式の立体像表示の一
般的手順の説明図である。図中Xは物体、181L ,1
81R は夫々左眼用、右眼用の色フィルター、6は観察
者の眼である。手順を説明すると、 (20-a) 2眼カメラ方式、画像の合成・処理方式、CG
方式等によって2枚の視差のある入力画像を得る。
【0098】(20-b) 2枚の入力画像を1つに合成す
る。
【0099】(20-c) 合成した画像を2色で表示する。
【0100】(20-d) 左眼用色フィルター181L ,右
眼用色フィルター181R を通して観察映像を観察す
る。となる。
【0101】左眼用の観察映像または右眼用の観察映像
に回転を与え、両映像の垂直方向の中心線を逆ハの字型
の配置とするには (1) (20-a)の手順中でイメージローテーターによる方
法、または電子的に画像の座標変換をする方法を用いる (2) (20-b)の手順中で電子的に画像の座標変換をする方
法を用いる。
【0102】(3) (20-d)の手順中で色フィルターの前又
は後ろにイメージローテーターを配置した光学系による
方法を用いる のうち少なくとも1つの方法を用いればよい。
【0103】また、図21のように2個の視差のある入
力画像を色フィルタのついた2台のプロジェクター19
L ,191R で1つのスクリーン192上に投影する
場合は入力画像をあらかじめ1つに合成する必要がない
ので図22の手順で実施できる。この手順を説明する
と、 (22-a) 2眼カメラ方式、画像の合成・処理方式、CG
方式等によって2枚の視差のある入力画像を得る。
【0104】(22-b) 2枚の入力画像に基づいて2つの
プロジェクター191L ,191Rで2つの画像を各々
色フィルタを通して投影して、スクリーン192上に表
示画像として重畳表示する。
【0105】(22-c) 左眼用色フィルター181L ,右
眼用色フィルター181R を通して観察映像を観察す
る。
【0106】この場合は前述したような方法に加えて、
画像投影時に2つのプロジェクターの投影光学系のうち
の1つを傾けて、2つの表示画像に逆ハの字型の傾きを
与えることもできる。
【0107】次に、本発明を偏光メガネ方式の立体像の
画像表示装置に実施した例について説明する。
【0108】図23は偏光メガネ方式による立体像表示
の一般的手順の説明図である。図中211は偏光メガネ
である。手順に従って説明すると、 (23-a) 2眼カメラ方式、画像の合成・処理方式、CG
方式等により2枚の視差のある入力画像を得る。
【0109】(23-b) 2枚の入力画像を2つの画像表示
手段に表示画像として表示する。
【0110】(23-c) 夫々の画像表示手段に偏光板を設
置し、ハーフミラーによって2枚の表示画像を重畳表示
する。
【0111】(23-d) 偏光メガネを通して観察映像を観
察する。 となる。
【0112】左眼用の観察映像または右眼用の観察映像
に回転を与え、両映像の逆ハの字型の配置を得るには (1) (23-a)の手順中でイメージローテーターによる方法
または電子的に画像の座標変換による方法を用いる。
【0113】(2) (23-b)の手順中で電子的に画像の座標
変換による方法を用いる。
【0114】(3) (23-c)の手順中で左右それぞれの表示
光学系中でイメージローテーターによる方法を用いる。
(大きさの関係で実施できない場合もある) (4) (23-d)の手順中で偏光メガネの前又は後ろにイメー
ジローテーターを配置した光学系による方法を用いる。 のうち少なくとも1つの方法を用いる。
【0115】次に、本発明を時分割シャッタ方式の立体
像の画像表示装置に実施した例について説明する。図2
4は時分割シャッタ方式による立体像表示の一般的手順
の説明図である。図中221は時分割シャッタメガネで
ある。手順に従って説明すると、 (24-a) 2眼カメラ方式、画像の合成・処理方式、CG
方式等により2枚の視差のある入力画像を得る。
【0116】(24-b) 2枚の入力画像を画像表示手段上
に時分割で表示画像として表示する。
【0117】(24-c)時分割シャッタメガネを通して観察
映像を観察する。 となる。
【0118】左眼用の観察映像または右眼用の観察映像
に回転を与え、両映像の逆ハの字型の配置を得るには (1) (24-a)の手順中でイメージローテーターによる方法
または電子的に画像の座標変換による方法を用いる。
【0119】(2) (24-b)の手順中で電子的に画像の座標
変換による方法を用いる。
【0120】(3) (24-c)の手順中で時分割シャッタメガ
ネ221の前又は後ろにイメージローテーターを配置し
た光学系による方法を用いる のうち少なくとも1つの方法を用いる。
【0121】次に、本発明を大凸レンズ・大凹ミラー方
式の立体像の画像表示装置に実施した例について説明す
る。図25は大凸レンズ・大凹ミラー方式による立体像
表示の一般的手順の説明図である。図中231は大凸レ
ンズまたは大凹ミラーである。手順に従って説明する
と、 (25-a) 多眼カメラ方式、画像の合成・処理方式、CG
方式等によりn枚の視差のある入力画像を入力する。
【0122】(25-b) n枚の入力画像をn個のプロジェ
クターにて大凸レンズ・大凹ミラー近傍に表示画像とし
て同時に投影する。
【0123】(25-c) 大凸レンズ・大凹ミラー近傍に投
影された複数の表示画像のうちの2枚の表示画像を観察
映像として観察する。となる。
【0124】この場合に左眼用の観察映像または右眼用
の観察映像に回転を与えるためには、2つの入力画像を
特定しなければならない。もし、大凸レンズ又は大凹ミ
ラーに対して観察者の両眼の位置が定まっておれば、そ
の両眼の位置に対して立体像を与える2つの入力画像を
選び、次に述べる方法のいずれかによって2つの入力画
像に逆ハの字型の配置を得る。
【0125】もし、大凸レンズ又は大凹ミラーに対して
観察者の両眼の位置が不定ならば、実施例8と同じよう
に検出器によって観察者の両眼の位置を検出し、その位
置に対応する2つのの入力画像を選び、次に述べる方法
のいずれかによって立体像に対応する2つの表示画像に
逆ハの字型の配置を得る。
【0126】(1) (25-a)の手順中でイメージローテータ
ーによる方法または電子的に画像の座標変換による方法
を用いる。
【0127】(2) (25-b)の手順中で光学系により表示画
像を回転させる。またはプロジェクターへ画像を表示す
る段階で画像の座標変換による方法を用いる。の内少な
くとも1つの方法を用いる。
【0128】なお、(25-c)の手順中で観察者の片眼の前
にイメージローテーターを配置した光学系による方法を
用いれば、観察者の両眼の位置の如何に関わらず立体像
に対応する2つの観察映像に逆ハの字型の配置を得るこ
とができる。
【0129】次に、本発明をレンチキュラ方式の立体像
の画像表示装置に実施した例について説明する。図26
はレンチキュラ方式による立体像表示の一般的手順の説
明図である。図中241はレンチキュラレンズである。
242は表示素子であり、液晶パネル又はCRTであ
る。手順に従って説明すると、 (26-a) 多眼カメラ方式、画像の合成・処理方式、CG
方式等によりn枚の視差のある入力画像を入力する。
【0130】(26-b) 個々の入力画像を横幅1/nに圧
縮し、これを横にn分割して、n個の入力画像から分割
した画素を1つづつ順番に取り出して並べ、1枚の画像
に合成する。
【0131】(26-c) 表示素子の表示面に表示する。
【0132】(26-d) レンチキュラレンズを通して観察
する。となる。
【0133】この方法によって観察者が見る両眼の観察
映像に相互の傾きを与えるには、観察者の両眼の位置情
報が必要である。
【0134】もし、表示素子に対して観察者の両眼の位
置が定まっておれば、その両眼の位置に対して立体像を
与える2つの入力画像を選び、次に述べる方法のいずれ
かによってその2つの入力画像に対して逆ハの字型の傾
きを与える。
【0135】もし、表示素子に対して観察者の両眼の位
置が不定ならば、実施例8と同じように検出器によって
観察者の両眼の位置を検出し、その位置に対応する2つ
のの入力画像を選び、次に述べる方法のいずれかによっ
てその2つの入力画像に対して逆ハの字型の傾きを与え
る。
【0136】(1) (26-a) の手順中で電子的に画像の座
標変換による方法を用いる。
【0137】(2) (26-b) の手順中で電子的に画像の座
標変換による方法を用いる。 のうちの一つの方法を用いる。
【0138】なお、入力画像に対しては何んらの処置も
せず、(26-d)の手順中で観察者の片眼の前にイメージロ
ーテーターを設けて、光学的な方法を用いて観察映像に
回転を与えても良い。この方法では観察者の両眼の位置
情報は不要である。
【0139】以上によって、レンチキュラ方式の立体像
表示に際しても、観察者の位置に応じて観察している2
つの観察映像に常に0°より大きく、3°以下の範囲、
望ましくは1°以上3°以下の範囲で相互の傾きを与
え、優れた”見やすさ”を得ることが出来る。
【0140】また、図27は画像投影によるレンチキュ
ラ方式の立体像表示の説明図である。この方法ではn台
のプロジェクター251を用いてn枚の視差画像を透過
式の二重レンチキュラスクリーン252上に投影し、観
察者は二重レンチキュラスクリーン252を通して観察
するという方法である。図28はこの場合の手順であ
る。手順に従って説明すると、 (28-a) 多眼カメラ方式、画像の合成・処理方式、CG
方式等によりn枚の視差のある入力画像を入力する。
【0141】(28-b) n枚の入力画像をn台のプロジェ
クターにて、二重レンチキュラスクリーン252上に投
影する。
【0142】(28-c) 二重レンチキュラスクリーン25
2を通して観察する。 となる。
【0143】この方法によって観察者が見る2つの観察
映像に相互の傾きを与えるには、観察者の両眼の位置情
報が必要である。
【0144】もし、二重レンチキュラスクリーン252
に対して観察者の両眼の位置が定まっておれば、その両
眼の位置に対して立体像を与える2つの入力画像を選
び、次に述べる方法のいずれかによってその2つの入力
画像を投影するプロジェクターの画像に対して逆ハの字
型の傾きを与える。
【0145】もし、二重レンチキュラスクリーン252
に対して観察者の両眼の位置が不定ならば、実施例8と
同じように検出器によって観察者の両眼の位置を検出
し、その位置に対応する2つのの入力画像を選び、次に
述べる方法のいずれかによってその2つの入力画像を投
影するプロジェクターの画像に対して逆ハの字型の傾き
を与える。
【0146】(1) (28-a) の手順中で電子的に画像の座
標変換による方法を用いる。
【0147】(2) (28-b) の手順中でプロジェクター光
学系中でイメージローテーターによる方法または電子的
に画像の座標変換による方法を用いる。 のうちの一つの方法を用いる。
【0148】なお、入力画像に対しては何んらの処置も
せず、(28-c)の手順中で観察者の片眼の前にイメージロ
ーテーターを設けて、光学的な方法を用いて観察映像に
回転を与えても良い。この方法では観察者の両眼の位置
情報は不要である。
【0149】以上によって、画像投影によるレンチキュ
ラ方式の立体像表示に際しても、観察者の位置に応じて
観察している2つの観察映像に常に0°より大きく、3
°以下の範囲、望ましくは1°以上3°以下の範囲で相
互の傾きを与え、優れた”見やすさ”を得ることが出来
る。
【0150】次に、本発明をパララックスバリヤ方式の
立体像の画像表示装置に実施した例について説明する。
図29はパララックスバリヤ方式による立体像表示の一
般的手順の説明図である。図中271はパララックスバ
リヤである。この方式はレンチキュラ方式の立体像表示
と殆ど同じである。又、この場合も表示素子としては液
晶パネル又はCRTを用いなければならない。この手順
を説明すると、 (29-a) 多眼カメラ方式、画像の合成・処理方式、CG
方式等によりn枚の視差のある入力画像を入力する。
【0151】(29-b) 個々の入力画像を横幅1/nに圧
縮し、これを横にn分割して、n個の入力画像から分割
した画素を1つづつ順番に取り出して並べ、1枚の画像
に合成する。
【0152】(29-c) 表示素子の表示面に表示する。
【0153】(29-d) パララックスバリヤを通して観察
する。 となる。
【0154】この方法によって観察者が見る両眼の観察
映像に相互の傾きを与えるには、観察者の両眼の位置情
報が必要である。
【0155】もし、表示素子に対して観察者の両眼の位
置が定まっておれば、その両眼の位置に対して立体像を
与える2つの入力画像を選び、次に述べる方法のいずれ
かによってその2つの入力画像に対して逆ハの字型の傾
きを与える。
【0156】もし、表示素子に対して観察者の両眼の位
置が不定ならば、実施例8と同じように検出器によって
観察者の両眼の位置を検出し、その位置に対応する2つ
のの入力画像を選び、次に述べる方法のいずれかによっ
てその2つの入力画像に対して逆ハの字型の傾きを与え
る。
【0157】(1) (29-a) の手順中で電子的に画像の座
標変換による方法を用いる。
【0158】(2) (29-b) の手順中で電子的に画像の座
標変換による方法を用いる。 のうちの一つの方法を用いる。
【0159】なお、入力画像に対しては何んらの処置も
せず、(29-d)の手順中で観察者の片眼の前にイメージロ
ーテーターを設けて、光学的な方法を用いて観察映像に
回転を与えても良い。この方法では観察者の両眼の位置
情報は不要である。
【0160】以上によって、パララックスバリヤ方式の
立体像表示に際しても、観察者の位置に応じて観察して
いる2つの観察映像に常に0°より大きく、3°以下の
範囲、望ましくは1°以上3°以下の範囲で相互の傾き
を与え、優れた”見やすさ”を得ることが出来る。
【0161】
【発明の効果】本発明は以上のように、視差を有する複
数枚の入力画像に基づいて画像表示手段の上に表示画像
を表示し、該表示画像によって形成した複数の観察映像
を観察者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させ
る画像表示装置において、観察者の右眼に呈示する観察
映像と観察者の左眼に呈示する観察映像の一方或は両方
を回転し、両観察映像の間に、相対的に0゜より大き
く、3゜以下の範囲、望ましくは1°以上3°以下の範
囲で逆ハの字型の傾きを与えている。
【0162】これによって従来の立体像の画像表示装置
よりも立体像が優れて「見やすい」、即ち「長時間立体
像を観察しても疲れない」状態が得られる画像表示装置
及び画像記録装置を達成している。
【0163】更に、立体像の「見やすさ」を個々の観察
者の認識能力に応じて上記範囲内で任意に調整可能であ
る画像表示装置及び画像記録装置を達成している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の要部概略図
【図2】 実施例1の画像表示器の配置正面図 (A)右側の画像表示器 (B)左側の画像表示器
【図3】 従来例及び実施例1の観察映像を観察者から
見た図 (A)従来例 (B)実施例1
【図4】 本発明の実施例2の要部概略図
【図5】 本発明の実施例3の要部概略図
【図6】 実施例3の画像信号変調器の説明図 (A)アナログ画像信号 (B)デジタル画像信号
【図7】 実施例3の左右画像表示器に表示される表示
画像
【図8】 本発明の実施例4の要部概略図
【図9】 イメージローテーターの斜視図
【図10】 本発明の実施例5の要部概略図
【図11】 本発明の実施例6の要部概略図
【図12】 本発明の実施例6の別例の要部概略図
【図13】 6眼カメラ入力手段の説明図
【図14】 多眼カメラで得た画像の観察方法の説明図
【図15】 本発明の実施例7の要部概略図
【図16】 本発明の実施例7の別例の要部概略図
【図17】 本発明の実施例8の要部概略図
【図18】 仮想視点からの入力画像の生成の説明図
【図19】 本発明の実施例9の要部概略図
【図20】 アナグリフ方式による立体像表示の一般的
手順の説明図
【図21】 2画像投影式のアナグリフ立体像の画像表
示装置
【図22】 図19のアナグリフ方式による立体像表示
の一般的手順の説明図
【図23】 偏光メガネ方式による立体像表示の一般的
手順の説明図
【図24】 時分割シャッタ方式による立体像表示の一
般的手順の説明図
【図25】 大凸レンズ・大凹ミラー方式による立体像
表示の一般的手順の説明図
【図26】 レンチキュラ方式による立体像表示の一般
的手順の説明図
【図27】 画像投影によるレンチキュラ方式の立体像
表示の説明図
【図28】 画像投影によるレンチキュラ方式の立体像
表示の一般的手順の説明図
【図29】 パララックスバリヤ方式による立体像表示
の一般的手順の説明図
【図30】 アナグリフ方式の3次元ディスプレイの説
明図
【図31】 偏光メガネ方式の3次元ディスプレイの説
明図
【図32】 時分割シャッタ方式の3次元ディスプレイ
の説明図
【図33】 光学的方式の3次元ディスプレイの説明図
【図34】 レンティキュラ方式の3次元ディスプレイ
の説明図
【図35】 大凸レンズ・大凹ミラー方式の3次元ディ
スプレイの説明図
【図36】 パララックス方式の3次元ディスプレイの
説明図
【図37】 インテグラル方式の3次元ディスプレイの
説明図
【図38】 2枚の視差のある入力画像の撮影配置
【図39】 観察映像の垂直方向の中心線Lの説明図
【図40】 観察映像の表示条件の違いと見やすさの実
験グラフI
【図41】 観察映像の表示条件の違いと見やすさの実
験グラフII
【符号の説明】
1 画像表示器 2 画像信号発生部 3 レンズ 4 表示画像 4’ 観察映像(虚像) 5 ミラー 6 観察者の眼 7 画像信号変調器 8 イメージローテーター 8a 支持具 8b つまみ 9、9a〜9f 画像記録手段 10、110 複数枚の表示画像の画像表示手段 11i 表示画像 12 検出器 13、13a〜13f、30、31 光学系 14 表示制御部 15 画像表示手段 111 多眼カメラ入力手段 112 画像入力部 117 画像生成入力部 YL ,YR ,Ya〜Yf カメラ X 物体 XL ,XR ,Xa〜Xf 視差のある入力画像

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 視差を有する複数枚の入力画像に基づい
    て画像表示手段の上に右眼用及び左眼用の表示画像を表
    示し、該表示画像によって形成した複数の観察映像を観
    察者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させる画
    像表示装置において、 該観察者の右眼に提示する右眼用の観察映像の垂直方向
    の中心線と観察者の左眼に提示する左眼用の観察映像の
    垂直方向の中心線との間に、0゜より大きく、3゜以下
    の範囲の逆ハの字型の相対的な傾きを有することを特徴
    とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記右眼用の表示画像、及び前記左眼用
    の表示画像を表示する2つの画像表示手段の少なくとも
    一方を該画像表示手段の表示面内で回転させることによ
    り、前記観察映像の相対的な傾きを発生していることを
    特徴とする請求項1の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記右眼用の表示画像から前記右眼用の
    観察映像を形成する右眼用の光学系と、前記左眼用の表
    示画像から前記左眼用の観察映像を形成する左眼用の光
    学系のうち、少なくとも一方の光学系の光路中にイメー
    ジローテーターを設置し、該イメージローテーターの回
    転により、前記観察映像の相対的な傾きを発生している
    ことを特徴とする請求項1の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記右眼用の表示画像と前記左眼用の表
    示画像の少なくとも一方の表示画像を画像の座標変換処
    理により回転して前記画像表示手段に表示することによ
    り、前記観察映像の相対的な傾きを発生していることを
    特徴とする請求項1の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 視差を有する複数枚の入力画像に基づい
    て画像表示手段の上に右眼用及び左眼用の表示画像を表
    示し、該表示画像によって形成した複数の観察映像を観
    察者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させる画
    像表示装置において、該画像表示手段に表示画像を表示
    する際、 該右眼用の表示画像と該左眼用の表示画像のうち少なく
    とも一方を、右眼用の表示画像の場合は時計回りに、左
    眼用の表示画像の場合は逆時計回りに回転して表示し、
    2つの表示画像をその垂直方向の中心線が0゜より大き
    く、3゜以下の範囲で逆ハの字型に相対的に傾けている
    ことを特徴とする画像表示装置。
  6. 【請求項6】 複数の光学手段と複数の画像記録手段に
    より前記観察者の右眼用の入力画像と左眼用の入力画像
    を独立に撮像し、該入力画像を右眼用及び左眼用の表示
    画像として表示する際、 該右眼用の表示画像と該左眼用の表示画像の少なくとも
    一方を座標変換処理により回転して表示することによ
    り、前記2つの表示画像の相対的な傾きを発生している
    ことを特徴とする請求項5の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記観察者の右眼用の入力画像と左眼用
    の入力画像の両方もしくは一方を計算機による演算によ
    って生成し、該入力画像を右眼用及び左眼用の表示画像
    として表示する際、 該右眼用の表示画像と該左眼用の表示画像の少なくとも
    一方を座標変換処理により回転して表示することによ
    り、該2つの表示画像を相対的に傾けていることを特徴
    とする請求項5の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 複数の光学手段と複数の画像記録手段に
    より観察者の右眼用の入力画像と左眼用の入力画像を独
    立に撮像し、該右眼用の入力画像を記録する右眼用の画
    像記録手段と該左眼用の入力画像を記録する左眼用の画
    像記録手段のうち、少なくとも一方の画像記録手段を該
    画像記録手段の記録面内で回転させることにより、前記
    2つの入力画像の相対的な傾きを発生して記録している
    ことを特徴とする画像記録装置。
  9. 【請求項9】 複数の光学手段と複数の画像記録手段に
    より観察者の右眼用の入力画像と左眼用の入力画像を独
    立に撮像し、該右眼用の入力画像を形成する右眼用の光
    学手段と該左眼用の入力画像を形成する左眼用の光学手
    段のうち、少なくとも一方の光学手段の光路中にイメー
    ジローテーターを設置し、該イメージローテーターの回
    転により前記2つの入力画像の相対的な傾きを発生して
    記録していることを特徴とする画像記録装置。
  10. 【請求項10】 視差を有する複数枚の入力画像に基づ
    いて画像表示手段の上に右眼用及び左眼用の表示画像を
    表示し、該表示画像によって形成した複数の観察映像を
    観察者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させる
    画像表示装置において、 該観察者の右眼に提示する右眼用の観察映像と観察者の
    左眼に提示する左眼用の観察映像との間に、相対的な傾
    きを有するように各要素を設定したことを特徴とする画
    像表示装置。
  11. 【請求項11】 視差を有する複数枚の入力画像に基づ
    いて画像表示手段の上に右眼用及び左眼用の表示画像を
    表示し、該表示画像によって形成した複数の観察映像を
    観察者の両眼が視認し、該観察者に立体像を認識させる
    画像表示装置において、 観察者の両眼、もしくは一方の眼の前にイメージローテ
    ーターを設置していることを特徴とする画像表示装置。
JP6331108A 1994-12-07 1994-12-07 画像表示装置及び画像記録装置 Pending JPH08160353A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6331108A JPH08160353A (ja) 1994-12-07 1994-12-07 画像表示装置及び画像記録装置
US08/567,562 US5880883A (en) 1994-12-07 1995-12-05 Apparatus for displaying image recognized by observer as stereoscopic image, and image pick-up apparatus
EP00203930A EP1083454B1 (en) 1994-12-07 1995-12-06 Apparatus for displaying image recognized by observer as stereoscopic image, and image pick-up apparatus
EP95308869A EP0716330B1 (en) 1994-12-07 1995-12-06 Apparatus for displaying image recognized by observer as stereoscopic image, and image pick-up apparatus
DE69528439T DE69528439T2 (de) 1994-12-07 1995-12-06 Vorrichtung zur Darstellung stereoskopischer Bilder und Bildaufnahmevorrichtung dafür
DE69534763T DE69534763T2 (de) 1994-12-07 1995-12-06 Vorrichtung zur Darstellung stereoskopischer Bilder und Bildaufnahmevorrichtung dafür

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009122526A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Hitachi Ltd 表示装置

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