JPH08160317A - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JPH08160317A
JPH08160317A JP6331818A JP33181894A JPH08160317A JP H08160317 A JPH08160317 A JP H08160317A JP 6331818 A JP6331818 A JP 6331818A JP 33181894 A JP33181894 A JP 33181894A JP H08160317 A JPH08160317 A JP H08160317A
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JP
Japan
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main body
rear end
pair
slider
wire
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Application number
JP6331818A
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English (en)
Inventor
Toshio Oku
俊男 奥
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Machida Endoscope Co Ltd
Original Assignee
Machida Endoscope Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湾曲部を遠隔操作するための操作機構を、挿
入部湾曲時にワイヤ緊張を防ぐことができるよう改良す
る。 【構成】 中空の本体10から長いフレキシブルな挿入
部21が延びている。挿入部21の先端から延びる湾曲
部は、本体に設けられた操作機構30により、ワイヤ4
2を介して遠隔操作される。操作機構は、本体内に設け
られ挿入部21の延出方向に沿って延びるガイド部31
と、ガイド部にスライド可能に支持されたスライダ34
を備えている。スライダ34にはワイヤ42の後端が連
結されている。スライダ34には、ガイド部31と直交
する方向に外部へ突出する操作部材35が連結されると
ともに、ガイド部31の延び方向に外部へ突出する操作
部材36が連結されている。操作部材35は本体の周壁
に形成されたスリット11aを通り、操作部材36は本
体の端壁に形成された開口14b通っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡に関し、特に湾
曲部を遠隔操作するための操作機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に内視鏡は、中空の本体と、この本
体から延出された挿入部と、この挿入部の先端から延び
る湾曲部とを基本構成として備えている。湾曲部は本体
に設けられた操作機構での遠隔操作により湾曲される。
すなわち、一対の螺旋管が上記挿入部を通り、その先端
が湾曲部の後端に固定され、その後端が本体に至り本体
内で所定位置に係止されている。これら螺旋管にはそれ
ぞれワイヤが通っている。このワイヤの先端は、螺旋管
の先端から延出されて湾曲部の先端に固定され、ワイヤ
の後端は、螺旋管の後端から延出されて操作機構に連携
されている。そして、操作機構を操作すると、その操作
力がワイヤとを介して湾曲部に伝達され、この湾曲部が
湾曲される。
【0003】従来の操作機構は、本体に収容されたプー
リと、本体外に配置された操作ダイヤルと、本体の周壁
を貫通してプーリと操作ダイヤルとを連結するシャフト
とを有している。プーリにワイヤの後端が連結されてお
り、操作ダイヤルを回すとプーリが回り、一方のワイヤ
が巻き付けられて引っ張られ他方のワイヤが緩められ、
これにより湾曲部が湾曲される。また、従来の操作機構
には、上記プーリの代わりにラックとこれにかみ合うピ
ニオンを用いたものもある。上記ラックは本体内に形成
されたガイド部により挿入部の延出方向にスライド可能
に支持されている。このラックにワイヤの後端が連結さ
れている。操作ダイヤルを回すとピニオンが回り、ラッ
クがガイド部に沿ってスライドし、これにより一方のワ
イヤが引っ張られ他方のワイヤが緩められて湾曲部が湾
曲される。
【0004】上記内視鏡において、長尺の挿入部が湾曲
すると、この挿入部を通る一対の螺旋管も湾曲する。こ
れら螺旋管は湾曲すると湾曲形状の外側で隣接する巻き
部分が互いに離れ、これに伴い螺旋管の中心軸の長さが
延びる。そのため、これら螺旋管を通る一対のワイヤも
挿入部で長くなろうとし、緊張力が生じる。このよう
に、挿入部の湾曲に伴いワイヤに緊張力が強く働くと、
操作機構による湾曲部の湾曲操作が困難となるばかり
か、ワイヤの寿命を短くする。特に、内視鏡を保管する
ために長尺の挿入部を幾重にも丸める際に、一対のワイ
ヤの緊張が最も高くなり、ワイヤ断線の可能性が生じ
る。そのため、従来の操作機構では種々の工夫がなされ
ている。例えば、特公昭56ー12132号に開示され
ているように、操作機構のシャフトを前方へ移動させ、
これによりワイヤの緊張状態を解消している。また、特
公平1ー37945号に開示されているように、螺旋管
の後端側の係止位置を後退させることによりワイヤの緊
張状態を解消している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報の操
作機構では、挿入部の湾曲に伴うワイヤの緊張を解消す
るための構成が非常に複雑であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の内視鏡では、上記操作機構が、上記本体
内に設けられほぼ挿入部の延出方向に沿って延びる少な
くとも一対のガイド部と、これらガイド部にスライド可
能に支持されるとともに上記ワイヤの後端に連結された
少なくとも一対のスライダと、上記本体の周壁において
上記ガイド部に対応した箇所に形成されガイド部と同方
向に延びる少なくとも一対のスリットと、上記スライダ
にそれぞれ連結され上記スリットを通って上記ガイド部
と直交する方向に外部へ突出する少なくとも一対の操作
部材とを有することを特徴とする。 請求項2の内視鏡では、上記操作機構が、上記本体内に
設けられほぼ挿入部の延出方向に沿って延びる少なくと
も一対のガイド部と、これらガイド部にスライド可能に
支持されるとともに上記ワイヤの後端に連結された少な
くとも一対のスライダと、上記本体において挿入部とは
反対側の端壁に上記スライダと対峙して形成された少な
くとも一対の開口と、上記スライダにそれぞれ連結され
上記開口を通って上記ガイド部の延び方向に外部へ突出
する少なくとも一対の操作部材とを有することを特徴と
する。請求項3では、請求項1,2の内視鏡において、
さらに、上記スライダを後方に付勢するスプリングを備
えたことを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1の発明では、操作部材を本体のスリッ
トに沿って後方へ引くことにより、この操作部材に連結
されたスライダを後方へ移動させ、このスライダに対応
するワイヤを引いて湾曲部を湾曲させる。長尺な挿入部
が湾曲した時には、螺旋管の中心軸が長くなることに伴
い、すべてのワイヤの後端は前方へ移動しようとする。
この際、スライダがガイド部に沿って移動可能であり、
操作部材が本体のスリット内でガイド部の延び方向に移
動可能であるため、ワイヤ後端の前方への移動を許容す
ることができ、ワイヤには挿入部湾曲に伴う緊張力が働
かない。その結果、挿入部湾曲状態でも湾曲部の湾曲操
作が可能であり、またワイヤの断線を防止できる。請求
項2の発明では、基本的作用効果は請求項1の発明と同
じである。ただし、ワイヤ後端の前方への移動は、スラ
イダがガイド部に沿って移動可能であり、操作部材がそ
の軸方向に移動可能であることにより、許容される。請
求項3の発明では、スプリングでスライダを後方に付勢
しているので、挿入部が湾曲状態から真っすぐな状態に
戻った時に、スライダが後方に移動してワイヤの弛みを
なくすことができるので、ワイヤが疲労によって断線す
るのを防止できる。また、スプリングにより張られた状
態のワイヤの後端位置は、挿入部の湾曲状態に対応して
いるので、湾曲部を操作部材により遠隔操作していない
状態において、操作者は操作部材の位置を見ることによ
り、挿入部の湾曲状態を認識することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図4は電子内視鏡システムの概略図である。こ
の電子内視鏡システムは、内視鏡Aと、モニターテレビ
Bと、光源装置Cとを備えている。
【0009】内視鏡Aは、円筒形状をなす本体10と、
この本体10の先端から長く延びるフレキシブルな挿入
部21と、この挿入部21の先端から延びる湾曲部22
と、この湾曲部22の先端に設けられた硬性のチップ2
3とを備えている。上記本体10には操作機構30が設
けられており、この操作機構30の遠隔操作により湾曲
部22が湾曲されるようになっている。
【0010】さらに内視鏡Aは、本体10の後端から延
びる共通ケーブル24と、この共通ケーブル24の後端
から分岐して延びる光ガイドケーブル25および像伝送
ケーブル26とを備えている。光ガイドケーブル25の
後端に図示しないコネクタを介して上記光源装置Cに接
続されている。像伝送ケーブル26の後端はモニターテ
レビBに接続されている。
【0011】上記チップ23の先端面には照明窓と観察
窓が形成されている。この照明窓には光ファイバ束の先
端が配置されている。この光ファイバ束は、湾曲部2
2,挿入部21,本体10,共通ケーブル24,ライト
ガイドケーブル25を経てコネクタに至る。光源装置C
で発生した照明光は、光ファイバ束の後端に供給され、
この光ファイバ束を経て照明窓から照射されるようにな
っている。上記観察窓にはCCD等のイメージセンサが
配置されている。このイメージセンサには多数の信号線
が接続されている。この信号線は、湾曲部22,挿入部
21,本体10,共通ケーブル24,イメージ伝送ケー
ブル26を経てモニターテレビBの信号処理回路に接続
されている。
【0012】次に、上記本体10,操作機構30および
操作機構30の操作力を湾曲部22に伝達する手段につ
いて順を追って詳細に説明する。図1に示すように、本
体10は、同一直線上に配置された2つの主円筒11,
12(本体の周壁)と、これら主円筒11,12を連結
する補助円筒13とを備えている。補助円筒13は外周
にフランジ13aを有しており、このフランジ13aの
後方に位置する部位が主円筒部11の先端部に挿入固定
され、フランジ13aの前方に位置する部位が主円筒1
2の後端部に挿入固定されている。また、主円筒11の
後端には端壁部材14(本体の端壁)が挿入固定されて
おり、補助円筒13の先端部には支持筒15が挿入固定
されている。この支持筒15には前述した挿入部21の
後端部が挿入固定されている。端壁部材14および支持
筒15の中央部には軸線方向に延びる挿通孔14a,1
5aがそれぞれ形成されている。これら挿通孔14a,
15aには、挿入部21の後端から延出された前述の信
号線の束および光ファイバ束を含む内容物(図1におい
て、一点鎖線Xで示す)が通っている。なお、端壁部材
14の挿通孔14aの後端部には、共通ケーブルの先端
部が挿入固定されている。
【0013】上記操作機構30は、本体10の主円筒1
1内に収容された4本(2対)のガイド筒31(ガイド
部)を備えている。このガイド筒31は、主円筒11内
においてその軸線方向に離れて配置された2つの支持部
材32,33により支持されている。図3に示すよう
に、この支持部材32の外周には、互いに周方向に等し
い角度間隔すなわち90°離れた支持溝32aが形成さ
れており、これら支持溝32aにガイド筒31が収容さ
れて固定されている。同様に、他の支持部材33も4つ
の支持溝33a(図1にのみ示す)を有しており、これ
ら支持溝33aにガイド筒31が収容固定されている。
その結果、4本のガイド筒31は、互いに周方向に等角
度間隔だけ離れて配置されている。なお、上記支持部材
32,33の中央部には、前述した信号線の束および光
ファイバ束を含む内容物Xを通すための、挿通孔32
b,33bがそれぞれ形成されている。
【0014】図1に示すように、上記操作機構30は更
に、上記ガイド筒31にそれぞれスライド可能に収容さ
れた円柱形状の4つのスライダ34を備えている。各ス
ライダ34には、第1操作部材35,第2操作部材36
が連結されている。
【0015】上記第1操作部材35は、内端がスライダ
34の外周にねじ込まれてガイド筒31と直交する方向
に延びるシャフト35aと、このシャフト35aの外端
に設けられたつまみ部35bとを有している。ガイド筒
31には主円筒11に対向する部位に、軸方向に延びる
スリット31aが形成されており、主円筒11には、ガ
イド筒31のスリット31aに対応して形成された軸方
向に延びる4つのスリット11aが形成されている。上
記第1操作部材35の各シャフト35aは、対応するガ
イド筒31のスリット31aと主円筒11のスリット1
1aを通って主円筒11の外周面から突出している。
【0016】上記第2操作部材36は、内端がスライダ
34の後端面にねじ込まれガイド筒31の軸芯と同軸を
なして後方に延びるシャフト36aと、このシャフト3
6aの外端に設けられたつまみ部36bとを有してい
る。上記本体10の端壁部材14には、ガイド筒31の
軸芯と一致する4つの開口14bが形成されており、こ
れら開口14bを上記シャフト36aが通り端壁部材1
4の外面から突出している。
【0017】操作機構30の操作力を湾曲部22に伝達
する手段は、4本(2対)の螺旋管41と、これら螺旋
管41を通る4本のワイヤ42とを有している。4本の
螺旋管41は、挿入部21を通っており、その先端が挿
入部21の先端すなわち湾曲部22の後端に固定されて
いる。これら4本の螺旋管41の先端固定箇所は、互い
に等角度間隔だけ離れていて、上下左右に位置してい
る。螺旋管41は挿入部21の後端からさらに後方に延
出されており、その後端は本体10内において所定位置
に係止されている。この係止手段について詳述すると、
上記補助円筒13の後端には円板形状の支持板50が固
定されている。この支持板50の中央には上記内容物X
を通すための挿通孔50aが形成されている。さらに支
持板50には、挿通孔50aを囲むようにして周方向に
等しい角度間隔だけ離れた4つの孔50bが形成されて
おり、これら孔50bには段付の棒形状をなすストッパ
51が挿入され、ナット52により固定されている。こ
のストッパ51には段付孔51aが形成され、この段付
孔51aの大径部に上記螺旋管41の後端部が挿入さ
れ、段付孔51aの段により係止されている。
【0018】4本のワイヤ42は、螺旋管41の先端か
ら更に前方へ延びており、その先端は湾曲部22の先端
すなわちチップ23に固定されている。これら固定箇所
は、互いに周方向に90°離れて上下左右に位置してい
る。これらワイヤ42は、螺旋管41の後端から更に後
方に延出されており、上記ストッパ51の段付孔51a
の小径部を通り、その後端が上記スライダ34に連結さ
れている。
【0019】上記ワイヤ42とスライダ34の連結構造
について詳述する。図2に示すように、上記スライダ3
4には段付孔34xが形成されており、この段付孔34
xの後部が大径部34aで前部が小径部34bとなって
おり、両者の境に段34cが形成されている。この段付
孔34xには、ストッパ55が収容されている。このス
トッパ55は、段付孔34xに収容された円柱形状の係
止部55aと、この係止部55aから前方に延びて段付
孔34xの小径部34bに収容されたロッド部55bと
を有している。このストッパ55には軸方向に延びる孔
55cが形成されており、孔55cに上記ワイヤ42の
後端部が挿入固定されている。
【0020】図2に示すように、スライダ34の段付孔
34xの大径部34aにねじ込まれた第2操作部材36
のシャフト36aの端面と段付孔34xの段34cとの
間の距離は、ストッパ55の係止部55aの軸方向の長
さより大きく、遊びDが形成されている。
【0021】図1に示すように、スライダ34の後端面
と支持板50に取り付けられたナット52との間にはワ
イヤ42を囲むようにして圧縮コイルスプリング60が
介在されている。このコイルスプリング60により、ス
ライダ34は常に後方に付勢されており、これによりス
ライダ34の段34cがストッパ55の係止部55aに
当たり、このストッパ55に連結されたワイヤ42はコ
イルスプリング60の力で張られている。なお、このコ
イルスプリング60の力は、ワイヤ42の弛みをなくす
ために必要な強さで足り、湾曲部22の湾曲操作の支障
となる程強いものではない。
【0022】上記構成において、まず、操作機構30の
遠隔操作による湾曲部22の湾曲について詳細に説明す
る。操作者が操作機構30の一つの第1操作部材35を
つかんで本体10の軸方向に沿って後方に引くと、この
第1操作部材35に連結されたスライダ34が同方向に
移動し、このスライダ34に連結されたワイヤ42が引
っ張られ、その結果、湾曲部22が操作者の所望する方
向に湾曲される。この際、本体10およびガイド筒31
には軸方向に延びるスリット11a,31aが形成され
ているので、第1操作部材35の移動を許容する。ま
た、操作者は、上記第1操作部材35の代わりに第2操
作部材36をつかみ、そのシャフト36aの軸方向に後
方に引くことによってもスライダ34を移動でき、湾曲
部22を湾曲させることができる。第2操作部材36は
シャフト36aの軸方向に移動するので、その移動に支
障がない。
【0023】上記のように、操作者は、操作部材35,
36のいずれかを操作することによって、スライダ34
を移動させることができる。操作部材35,36の選択
は状況に応じて行う。例えば、本体10の後方に障害物
がある場合には、第1操作部材35を操作し、本体10
の周囲に障害物がありこの障害物と本体との間に手を挿
入しづらい場合には、第2操作部材36を操作する。
【0024】上述したように、操作機構30の第1操作
部材35または第2操作部材36を操作して、あるワイ
ヤ42を緊張させた時に、これと対をなすワイヤ42が
緩められ、その後端部が後退する。この際、上記スライ
ダ34内の遊びDは、ストッパ55の係止部55aが後
方に移動して一時的にスライダ34の段34cから離れ
るのを許容する。そのため、緩められたワイヤ42が後
退を禁じられて撓むのを防ぐことができ、ワイヤ42が
疲労断線するのを防止することができる。なお、ワイヤ
42の後退に伴い、係止部55aがスライダ34の段3
4cから一時的に離れた直後に、コイルスプリング60
の力でスライダ34が後退して、再び元の状態すなわち
ストッパ55の係止部55aがスライダ34の段34c
に当たった状態に戻る。
【0025】次に挿入部21が湾曲された時の操作機構
30の動きについて説明する。挿入部22が湾曲する
と、これに伴いすべての螺旋管41が湾曲するので、前
述したように、すべてのワイヤ42は挿入部21におけ
る長さを増大させようとする。この際、ワイヤ42の後
端が所定位置に固定されていると、ワイヤ42が緊張
し、挿入部22の湾曲量が増大するに伴い、ワイヤ42
の緊張力も増大してしまう。しかし、本実施例では、ワ
イヤ42の後端に連結されているスライダ34はガイド
筒31に沿って自由に移動でき、このスライダ34の移
動に伴って操作部材35,36も何の障害もなく移動で
きるので、ワイヤ42の後端を挿入部21の湾曲量に対
応して前方へ送り出すことができる。その結果、ワイヤ
42には挿入部21の湾曲に伴う緊張力は働かず、挿入
部21が湾曲した状態でも、操作機構30により湾曲部
22を湾曲操作することができ、また、ワイヤ42の断
線も防止できる。
【0026】上記スライダ34はコイルスプリング60
により常に後方に付勢されているので、挿入部21が湾
曲状態から真っすぐな状態に戻った時に、スライダ34
が後方に移動してワイヤ42の弛みをなくすことができ
る。そのため、ワイヤ42が疲労によって断線するのを
防止できる。
【0027】また、コイルスプリング60によりスライ
ダ34を介してワイヤ42が張られているので、このワ
イヤ42の後端位置は、挿入部21の湾曲状態に対応し
ている。そのため、湾曲部22を操作部材35,36に
より遠隔操作していない状態において、操作者は操作部
材35,36の位置を見ることにより、挿入部21の湾
曲状態を認識することができる。すなわち、操作部材3
5,36がスリット11aの前部に位置している時に
は、挿入部21が湾曲していることを認識でき、操作部
材35,36が前進量が大きいほど挿入部21の湾曲量
も大きいことを認識できる。特に、挿入部21を丸めて
保管する際に、操作部材35がスリット11aの先端に
達しているか、あるいは操作部材36のつまみ部36a
が端壁部材14の外面に達している場合には、挿入部2
1の湾曲量が極限に達し、それ以上湾曲量を増大させる
とワイヤ42が断線する可能性があることを、知ること
ができる。
【0028】本発明は上記実施例に制約されず、種々の
態様が可能である。例えば、内視鏡は工業用,医療用に
限定されるものではない。また、CCDを用いモニター
テレビによって像を映し出すタイプに限らず、接眼部で
像を観察するタイプの内視鏡であってもよい。照明光を
光ファイバー束で伝送して先端から照射する代わりに、
内視鏡の先端にランプを設けて照明を行ってもよい。ま
た、本体10の断面を偏平な四角形にし、その1つの辺
を構成する壁だけに2つまたは4つのスリットを形成
し、これらスリットにそれぞれ第1操作部材35を貫通
させて突出させてもよい。
【0029】
【発明の効果】請求項1,2の発明では、スライダおよ
び操作部材がガイド部の延び方向に移動可能であるの
で、挿入部湾曲に伴うワイヤ後端の前方への移動を許容
することができ、ワイヤにこの挿入部湾曲に起因した緊
張力が働かない。その結果、挿入部湾曲状態でも湾曲部
の湾曲操作が可能であり、またワイヤの断線を防止でき
る。しかも、このワイヤ緊張解除のための構成は、スラ
イダと操作部材だけで済み、極めて簡単である。請求項
3の発明では、スプリングの作用でワイヤの弛みをなく
し、ワイヤが疲労によって断線するのを防止できる。ま
た、操作部材の位置から挿入部の湾曲状態を認識するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる内視鏡の操作機構の一実施例を
示す縦断面図である。
【図2】同操作機構のスライダと操作部材を示す拡大縦
断面図である。
【図3】(A)は同操作機構におけるガイド筒のための
支持部材の縦断面図であり、(B)は同ガイド筒と支持
部材の横断面図である。
【図4】同内視鏡を組み込んだテレビ内視鏡システムの
概略図である。
【符号の説明】
10 … 本体 11 … 主円筒(周壁) 11a … スリット 14 … 端壁部材(端壁) 14b … 開口 21 … 挿入部 22 … 湾曲部 30 … 操作機構 31 … ガイド筒(ガイド部) 34 … スライダ 35.36 … 操作部材 35a,36a … シャフト 35b,36b … つまみ部 41 … 螺旋管 42 … ワイヤ 60 … スプリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の本体と、この本体から長く延出さ
    れたフレキシブルな挿入部と、この挿入部の先端から延
    びる湾曲部と、上記本体に設けられた操作機構と、上記
    挿入部を通るとともに先端が湾曲部の後端に固定され後
    端が本体に至る少なくとも一対の螺旋管と、この螺旋管
    を通り先端が螺旋管の先端から延出されて湾曲部の先端
    に固定され後端が螺旋管の後端から延出されて操作機構
    に連携される少なくとも一対のワイヤと、を備え、上記
    操作機構の操作によりワイヤを介して湾曲部を湾曲する
    ことができる内視鏡において、 上記操作機構が、上記本体内に設けられほぼ挿入部の延
    出方向に沿って延びる少なくとも一対のガイド部と、こ
    れらガイド部にスライド可能に支持されるとともに上記
    ワイヤの後端に連結された少なくとも一対のスライダ
    と、上記本体の周壁において上記ガイド部に対応した箇
    所に形成されガイド部と同方向に延びる少なくとも一対
    のスリットと、上記スライダにそれぞれ連結され上記ス
    リットを通って上記ガイド部と直交する方向に外部へ突
    出する少なくとも一対の操作部材とを有することを特徴
    とする内視鏡。
  2. 【請求項2】 中空の本体と、この本体から長く延出さ
    れたフレキシブルな挿入部と、この挿入部の先端から延
    びる湾曲部と、上記本体に設けられた操作機構と、上記
    挿入部を通るとともに先端が湾曲部の後端に固定され後
    端が本体に至る少なくとも一対の螺旋管と、この螺旋管
    を通り先端が螺旋管の先端から延出されて湾曲部の先端
    に固定され後端が螺旋管の後端から延出されて操作機構
    に連携される少なくとも一対のワイヤと、を備え、上記
    操作機構の操作によりワイヤを介して湾曲部を湾曲する
    ことができる内視鏡において、 上記操作機構が、上記本体内に設けられほぼ挿入部の延
    出方向に沿って延びる少なくとも一対のガイド部と、こ
    れらガイド部にスライド可能に支持されるとともに上記
    ワイヤの後端に連結された少なくとも一対のスライダ
    と、上記本体において挿入部とは反対側の端壁に上記ス
    ライダと対峙して形成された少なくとも一対の開口と、
    上記スライダにそれぞれ連結され上記開口を通って上記
    ガイド部の延び方向に外部へ突出する少なくとも一対の
    操作部材とを有することを特徴とする内視鏡。
  3. 【請求項3】 さらに、上記スライダを後方に付勢する
    スプリングを備えたことを特徴とする請求項1,2のい
    ずれかに記載の内視鏡。
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