JPH08157388A - 免疫調整剤 - Google Patents
免疫調整剤Info
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- JPH08157388A JPH08157388A JP6330691A JP33069194A JPH08157388A JP H08157388 A JPH08157388 A JP H08157388A JP 6330691 A JP6330691 A JP 6330691A JP 33069194 A JP33069194 A JP 33069194A JP H08157388 A JPH08157388 A JP H08157388A
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Abstract
ので以前より知られていた肝炎症状の軽減だけでなく、
抗アレルギー剤、免疫賦活剤のような免疫調整剤とし
て、又、副作用のほとんどない血圧降下剤としての使用
を可能にする。 【構成】冬虫夏草Gliocladium rodiumもしくはその処理
物を有効成分とする免疫調整剤及び血圧降下剤。
Description
iocladium rodiumもしくはその処理物を有効成分とする
免疫調整剤ならびに血圧降下剤に関するものである。
おり、寄生する宿主も様々な種類がある。宿主は昆虫が
ほとんどであるが、菌類(きのこ子実体)に寄生するも
のも冬虫夏草として扱われている。冬虫夏草は寄生する
宿主の種類によって、生育する菌の種類もそれぞれ異な
り、極端な例では、同一種の昆虫でも、成虫と幼虫では
違う菌種が生えている場合もある。そのため、冬虫夏草
の菌の分類はかなり広く、分類学的に見ると、子嚢菌類
と不完全菌類の2種に分かれるものが、同じ冬虫夏草と
して総称される。
クキン科(Clavicipitaceae)のフユムシナツクサタ
ケ、シナトウチュウカソウ(Cordyceps sinensis (Ber
k.) Sacc.)が産生する子座(子嚢胞子も含む)及びそ
の宿主である鱗翅目あるいは鞘翅目の昆虫、特にコウモ
リガ科(Hepialidae)のHepialus armoricanus Ober.
の、幼虫の虫体(体内に菌核を形成する)の合体した乾
燥品を指す。この菌体は殷の時代から滋養強壮の薬剤と
して利用されていた。各種文書に記載されている薬理作
用として、精力増強、滋養強壮、貧血症等に効果がある
とされている。また、最近の研究では、結核菌に対する
抗菌作用や気管支拡張作用、アドレナリン作用強化等が
報告されている。
されているが、中国のものとは品種が異なる。日本で研
究されている冬虫夏草はウスキヨコバエタケ(Podonect
ria.citrina Host. Homoptera. sp.)、ハナサナギタケ
(Isaria japonica Yasuda)、ハチタケ(Cordyceps sp
hecocephala)等多種にわたり、抗腫瘍作用(日本薬学
会第98回総会、講演要旨集:316(1978))、溶血斑形成
細胞試験(PFC法)による免疫増強作用(日本薬学会
第114回総会、講演要旨集(2):236(1994))等の薬理
作用等の報告がある。
及び生育菌種の違いによって、多種多様な冬虫夏草があ
るが、多くの未知の薬理作用がある。一方、中国で採取
できる冬虫夏草についての薬理学的研究はほとんどなさ
れていない。従って他種の冬虫夏草について、今まで知
られていない薬理作用を見いだす可能性がある。
冬虫夏草Gliocladium rodiumについて、各種実験を行
い、免疫細胞活性化の抑制とそれによる遅延型アレルギ
ー反応の抑制、又これとは逆にマクロファージに対する
プライミング効果や、好中球数、脾臓重量の早期回復の
ような免疫増強作用があることを見い出した。このよう
に特定の免疫細胞に対して、抑制もしくは増強する免疫
調整作用がみられることを発見し、本発明を完成させ
た。
完全菌類の1種であるが、ニカワジョウゴタケ等のきの
こに寄生する品種で、昆虫に寄生するCordyceps属やIsa
ria属とは異なる。中国では、既に人工培養されたこの
冬虫夏草Gliocladium rodiumを、肝臓病、特にウイルス
性肝炎に対して使用しており、臨床実施例も報告されて
いるが、この冬虫夏草の肝炎症状軽減以外の薬理効果は
知られていない。
血圧降下作用を見いだしたものである。又、中国の臨床
試験において特記すべき副作用は報告されておらず、又
今回本発明者らが行った実験についても異常な症状は見
られなかったため、本発明剤は副作用のほとんどない安
全な薬剤として使用できる。
は、粉末状に加工して、澱粉、乳糖、大豆タンパク等の
担体、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味
矯具剤等の添加剤を用いて周知の方法で錠剤や顆粒剤に
製剤することができる。又、冬虫夏草のみ単独で服用す
ることや、精製水に成分を浸出させて浸出製剤として服
用することも可能である。
通常成人では有効成分として1日1〜100mg/kg
体重を1日1回又は数回に分けて服用することができ
る。
例の記載によって何ら制限されるものではない。
行った後、密閉容器に封入したものを中国河北省より入
手し、デシケーターにて低温保存した。
た脾臓をRPMI1640培地(日水製薬)内で磨砕し、ワイヤ
ーメッシュを通過させて単一細胞浮遊液を得た。この細
胞を牛胎児血清(FCS、バイオセル)10%含有RPMI164
0培地(以下10%FCS-RPMI1640培地)で洗浄、浮遊させた
後、96穴マイクロプレートに5×105個/100μl/穴とな
るように分注した。
00μg/mlとなるように懸濁し、各穴に50μlずつ分注し
た。対照は10%FCS-RPMI1640培地のみ、陽性対照群はコ
ンカナバリンA(和光純薬、以下ConA)を終濃度1μg/m
l、及びリポポリサッカライド(DIFCO、以下LPS)を終
濃度100μg/mlとなるよう添加し、5%CO2、37℃で4
8時間培養した。その後各穴に0.5%の3−(4,5−
ジメチル−2−チアゾリル)2,5−ジフェニル−2H
テトラゾリウムブロマイド(同仁化学研究所、以下MT
T)溶液10μlを添加し、さらに3時間培養した。
養上清液100μlを取り除き、反応によって生成したMTT
ホルマザンを含む残液に0.04N HCl含イソプロパノール
溶液100μlを加えて溶解し、マイクロプレートリーダー
で588nmの吸光度を測定した。脾臓細胞の幼若化活性は
対照穴の吸光度に対する試験穴の吸光度の比(Stimulaー
tion index)で表した。結果を図1に示す。冬虫夏草は
単独では幼若化活性に影響を与えなかったが、B細胞マ
イトジェンであるLPS、T細胞マイトジェンであるConA
の幼若化活性を抑制した。
測定 C3H/He Jマウス(雄、7週齢、日本SLC)の腹腔内に
3%チオグリコレート(DIFCO)を投与し、3日後にリ
ン酸緩衝生理的食塩水(以下PBS)で腹腔滲出細胞を回
収した。5%FCS-RPMI1640培地で洗浄後1×106個/mlに調
製した。この細胞浮遊液を96穴マイクロプレートに20
0μl/穴となるように分注し、5%CO2、37℃で2時
間培養した。培養後、5%FCS-RPMI1640培地で洗浄し、プ
レートに付着している細胞をマクロファージとした。
し、マクロファージを含むマイクロプレート穴に最終濃
度が10、100、1000μg/mlとなるように添加し、同様に5
時間培養した後、培養上清中に誘導産生されたTNFを、L
-929細胞に対する障害性試験で調べた。その結果、冬虫
夏草はどの濃度でもTNF誘導活性はなかった。
し、マクロファージを含むマイクロプレート穴に10、10
0、1000μg/mlとなるように添加し、培養した。1時間後
にTNF誘導剤であるLPSを1μg/ml添加し、3時間培養し
た後、培養上清中に誘導されたTNFを、L-929細胞に対す
る障害性試験で調べた。その結果、冬虫夏草は、LPS単
独と比較して、TNF誘導活性を高め、プライミング(一
次免疫)効果があることが示唆された。
置マウスの白血球減少症に対する効果 ICRマウス(雌、6週齢、日本SLC)の平均体重分
布が同様になるように一群30匹で群分けを行った。
野義製薬、以下CY)を生理的食塩水に溶解し、マウスの
腹腔内に200mg/kg体重となるように投与した。次の日よ
り、生理的食塩水に懸濁した冬虫夏草400mg/kgを胃ゾン
デにて1日1回3日間連続投与した。CY投与から5日
後、6日後、7日後に眼窩静脈叢より採血し、総白血球
数及びそれに占めるリンパ球、好中球及び単球の割合を
測定した。又、採血後、脾臓を摘出し、重量を測定し
た。白血球数を図2に、脾臓重量を図3に示す。冬虫夏
草の投与によって、好中球数の早期回復とCY投与による
脾臓重量減少の早期回復の促進(体重に対する脾臓の相
対重量%も同様の傾向)が明らかになった。
接触性皮膚炎に対する効果 ICRマウス(雌、7週齢、日本チャールズ・リバー)
を使用した。
タノール溶液(感作液)及び惹起用の1%塩化ピクリル
オリーブ油溶液(惹起液)は、以下のように調製した。
感作液は塩化ピクリル(東京化成工業)1.05gをエタノ
ール(和光純薬、特級)15mlに溶解した。又、惹起液は
塩化ピクリル0.08gをオリーブ油(和光純薬)8mlに溶解
した。
に、感作液100μlを剃毛部に塗布して感作を行った。塗
布1週間後、同マウスの右耳に惹起液20μlを塗布し、
惹起反応を行った。惹起直前及び、24時間後の耳の厚
さをdial thickness gauge(PEACOCK G型、尾崎製作
所)を用いて測定し、浮腫率(%)を求め、各群の浮腫
率の平均分布が同じようになるように10匹ずつ群分け
した。ここで浮腫率(%)は以下の様に求めた。
作、惹起を同様に行った。冬虫夏草は、生理食塩水3ml
に、200mg/kgとなるように懸濁し、惹起直前及び16時
間後にゾンデによる経口投与を行った。陽性対照薬であ
るプレドニゾロン(ステロイド剤:SIGMA)は生理食塩
水3mlに、20mg/kgとなるように溶解し、惹起16時間後
にゾンデによる経口投与を行った。マウス右耳の厚さ
は、惹起直前、24時間、48時間後にdial thickness
gaugeで測定し、浮腫率を求め、効果を判定した。結果
を図5に示す。冬虫夏草の投与により、有意な浮腫率の
抑制が見られた。
R)における降圧作用 SHRラット(雄、38週齢、日本チャールズリバー)
は平均体重が同じになるように8匹ずつ2群に分けた。
一方の群には生理的食塩水に懸濁した冬虫夏草を経口投
与(500mg/kg体重)した。他方の群(対照群)には生理
的食塩水のみを2ml経口投与した。血圧は試料投与前、
投与4、9及び、24時間後に測定した。結果を表1に
示す。冬虫夏草投与によって顕著な血圧低下とその後の
緩やかな回復を示した。
ラチンを基材としたカプセルに充填して、カプセル剤と
する。
精製でんぷん末50mgおよび乳糖200mgと混合し
て、錠剤又は顆粒剤にする。
を、大豆タンパク100mgおよび乳糖200mgと混
合して、錠剤又は顆粒剤にする。
れて、水量が半分になるまで煮詰めて、浸出製剤とす
る。
軽減だけでなく、抗アレルギー剤、免疫賦活剤のような
免疫調整剤として、また、副作用のほとんどない血圧降
下剤として使用できる。
時に添加した場合の幼若化活性を示す図である
血球数の変化を示す図である。
臓重量の変化を示す図である。
草を投与したときの右耳の浮腫率を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】冬虫夏草Gliocladium rodium又はその処理
物を有効成分とする免疫調整剤 - 【請求項2】冬虫夏草Gliocladium rodium又はその処理
物を有効成分とする血圧降下剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6330691A JPH08157388A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 免疫調整剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6330691A JPH08157388A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 免疫調整剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08157388A true JPH08157388A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=18235499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6330691A Pending JPH08157388A (ja) | 1994-12-06 | 1994-12-06 | 免疫調整剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08157388A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007153819A (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-21 | Katakura Chikkarin Co Ltd | アポトーシス誘導剤 |
JP2015529670A (ja) * | 2012-09-13 | 2015-10-08 | 江中▲薬▼▲業▼股▲ふん▼有限公司 | 免疫を調節する漢方薬組成物及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-12-06 JP JP6330691A patent/JPH08157388A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007153819A (ja) * | 2005-12-06 | 2007-06-21 | Katakura Chikkarin Co Ltd | アポトーシス誘導剤 |
JP2015529670A (ja) * | 2012-09-13 | 2015-10-08 | 江中▲薬▼▲業▼股▲ふん▼有限公司 | 免疫を調節する漢方薬組成物及びその製造方法 |
US9775868B2 (en) | 2012-09-13 | 2017-10-03 | Jiangzhong Pharmaceutical Co., Ltd. | Traditional Chinese medicine combination for regulating immune function and preparation method therefor |
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