JPH08157291A - 含水爆薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

含水爆薬組成物及びその製造方法

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JPH08157291A
JPH08157291A JP31488894A JP31488894A JPH08157291A JP H08157291 A JPH08157291 A JP H08157291A JP 31488894 A JP31488894 A JP 31488894A JP 31488894 A JP31488894 A JP 31488894A JP H08157291 A JPH08157291 A JP H08157291A
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explosive
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potassium
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JP31488894A
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English (en)
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Takeisa Arita
武功 有田
Shunichi Sato
俊一 佐藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C06EXPLOSIVES; MATCHES
    • C06BEXPLOSIVES OR THERMIC COMPOSITIONS; MANUFACTURE THEREOF; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS EXPLOSIVES
    • C06B45/00Compositions or products which are defined by structure or arrangement of component of product

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  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間貯蔵しても品質が変らず、しかも発破
後ガスの有害性を軽減した含水爆薬とその製造方法を提
供すること。 【構成】 酸化剤、可燃剤、及び水からなる固液成分1
で実質的に覆われた有機微小中空体2が集合し、その間
隙に固液成分1が充填された状態になった含水爆薬であ
る。その組成は酸化剤75〜97重量%、可燃剤2〜2
0重量%、水0.4〜8重量%、有機微小中空体0.5
〜7重量%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は産業用爆薬に関するもの
であり、より詳しくは土木建設、採石、採鉱、採炭、ト
ンネル堀削などの鉱工業;排水、灌漑、開墾、抜根、伐
採など農林分野;海中の雑藻や泥土除去等の海洋分野な
どにおける発破、破砕、堀削などに利用される含水爆薬
組成物およびその製造方法である。
【0002】
【従来の技術】従来の主要な含水爆薬にスラリー爆薬、
エマルジョン爆薬がある。これらは何れも酸化剤水溶
液、可燃剤、鋭感剤からなる爆薬成分と気泡とが構造付
与剤の存在下に雷管起爆性等の品質が保持されたもので
ある。スラリー爆薬では、鋭感剤的機能を確保するため
に、爆薬構造中にフリー状態の巻き込み気泡や化学泡を
用いることが多い。構造付与剤としては、グアガムなど
を用いて水性ゲルを構成している。エマルジョン爆薬の
場合は、酸化剤水溶液と可燃剤である油類が界面活性剤
の存在下にW/O型エマルジョンになって構造付与剤の
作用をしている。気泡は巻き込み気泡の外に主としてガ
ラスや樹脂性マイクロバルーンを用いている。
【0003】更にこれらの含水爆薬の起爆性の改良や密
度調整などのために樹脂マイクロバルーンを用いる例
が、スラリー爆薬については米国特許第3,773,5
73号公報、特開昭54−92614号公報に、エマル
ジョン爆薬については特開昭56−100192号公
報、特開昭59−78994号公報に記載されている。
米国特許第3,773,573号公報にはスラリー爆薬
を含む広範囲の爆薬に樹脂マイクロバルーンを適用する
にあたって、爆薬製造工程中で未発泡の樹脂微小粒子の
存在下に該樹脂の発泡温度にほぼ等しい温度に加熱する
方法が記載されているが、スラリー爆薬の製造工程では
通常はこのような加熱を必要としないため、製造工程中
における樹脂発泡は実用性がなかった。更に製造工程中
での加熱発泡が必要であっても、特開昭54−9261
4号公報における記載からも理解されるように、安全性
の観点から鋭感剤を含まない段階での加熱発泡を終了し
た後、鋭感剤成分と混合する2段階方式を採用せざるを
得なかった。
【0004】これらの含水爆薬はダイナマイトにおける
ニトログリセリンのような高度に鋭感性の成分を含まず
に起爆性を維持するために爆薬成分とゲル構造やエマル
ジョン構造との微妙な調整が必要であり、極めて高度な
製造技術が要求される。すなわち、これらの構造の形成
前後を通してこれと接触混在する爆薬成分の品質挙動に
左右されるために、原材料の品質管理や製造条件の管理
に多大の労力を費やさざるを得なかった。その結果しば
しば実用的な貯蔵に耐えない劣悪な品質の爆薬が製造さ
れたり、長期の経時において爆発性能が著しく低下する
などの問題が発生することがあった。特に爆薬の密度調
整に用いられる化学泡や泡化剤の量が多くなると、目的
とする爆薬の初期性能を得ることが困難であるばかりで
なく、経時的にも爆発性能が低下するという問題が一層
顕著に表れた。更にスラリー爆薬は特有のゲル弾性を有
し、可塑性に欠け、爆薬薬包とした場合、薬包自身が柔
らかく、腰がないために取り扱いにくく、また爆破孔へ
の挿入もしにくいので、爆破作業能率が低下したり、爆
薬の成形加工が困難であるために薬包を除いた裸薬の状
態で使用することが難しいなどの問題を惹起することが
あった。又、エマルジョン爆薬は急激に加圧されるとエ
マルジョン構造が破壊されて爆発機能を喪失すること
(死圧現象と呼ばれる)があり、通常の爆破作業である
段発発破において、しばしば不発残留が発生し、その後
の処理に苦慮するという問題を惹起することがあった。
【0005】一方、主要な含水爆薬ではないが、前記の
スラリー爆薬やエマルジョン爆薬と異なり、グアガムや
油類等の構造付与剤を用いずに、酸化剤、水からなる成
分を微小球体や有機微小中空体の粒子表面や粒子間に吸
着、保持させて品質を保全した構造の形をとる含水爆薬
がある。微小球体や有機微小中空体を用いる例として
は、特開平4−198081号公報、特願平4−178
940号明細書に記載されている。これらの含水爆薬は
グアガムや油類等の構造付与剤を用いずに品質を保全す
るために、前述するようなスラリー爆薬やエマルジョン
爆薬の多くの問題点を改善するものであった。しかし、
これらの含水爆薬も発破後ガス等について改善すべき問
題点が残されていた。特に特開平4−19801号公報
に記載される鋭感剤を含まないで硝安と水と有機微小中
空体から構成される爆薬は、水量の少ない領域では反応
性が低下することや有機微小中空体量の少ない領域では
爆薬の酸素バランスが負となり爆発の際に燃料となる成
分が不足するために、爆発の際に有毒ガスが多量に発生
し発破後ガスを悪くするといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
主要な含水爆薬におけるゲル構造やエマルジョン構造を
利用することなく、極めて安定した性能と良好な薬性を
長期にわたって保全し得る酸化剤/可燃剤/水/有機微
小中空体からなる爆薬組成物を提供することである。特
に酸化剤/水/有機微小中空体からなる組成物の水や有
機微小中空体の少ない領域で問題となった起爆性や発破
後ガスを改善した爆薬組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は酸化剤、可燃剤、水、有
機中空体からなり、ゲル化剤等の粘調剤成分を含まない
固液相成分を有機微小中空体の粒子表面や粒子間に吸
着、保持させてなることを特徴とする新規な含水爆薬組
成物に関するものである。すなわち、本発明の構成は、
下記のとおり特許請求の範囲に記載されたとおりの含水
爆薬組成物およびその製造方法である。
【0008】(1)酸化剤75〜97重量%と可燃剤2
〜20重量%と水0.4〜8重量%からなる成分が有機
微小中空体0.5〜7重量%の粒子表面及び/又は粒子
間に吸着、保持されてなる含水爆薬組成物。 (2)酸化剤がカリウム塩と硝安との組合せである
(1)記載の含水爆薬組成物。 (3)カリウム塩が硝酸カリウム、硫酸カリウム、臭化
カリウム、ヨウ化カリウム、リン酸2水素カリウム、塩
化カリウムから選ばれる1種又は2種以上からなる
(2)記載の含水爆薬組成物。 (4)可燃剤の少なくとも10重量%以上が水溶性可燃
物である(1)乃至(3)の何れかに記載の含水爆薬組
成物。 (5)酸化剤75〜97重量%と水0.4〜8重量%と
の加熱溶融液に可燃剤2〜20重量%と発泡性有機微小
粒子0.5〜7重量%を添加混合し、該発泡性有機微小
粒子を発泡させる含水爆薬組成物の製造方法。 (6)酸化剤75〜97重量%のうちの5〜97重量%
と水0.4〜8重量%との加熱溶融液に発泡性有機微小
粒子0.5〜7重量%を添加混合して該発泡性有機微小
粒子を発泡させ、次いで可燃剤2〜20重量%と残余の
酸化剤を混合する含水爆薬組成物の製造方法。
【0009】本発明の爆薬組成物の構造は酸化剤、可燃
剤、水からなる固液成分で実質的に覆われた有機微小中
空体が集合し、その間隙に酸化剤、可燃剤、水からなる
固液成分が存在する形になっている。更にこれを概念的
に図で説明すると、本発明の爆薬組成物は図1に示すよ
うに有機微小中空体が構造の中心をなしているのに対
し、スラリー爆薬では図2に示すようにゲル化された酸
化剤や鋭感剤の相の中に巻き込み気泡や中空体が分散し
ている。又、エマルジョン爆薬では図3に示すようにエ
マルジョン化された酸化剤水溶液相の中にガラスマイク
ロバルーン等の中空体が分散している。更に又、特願平
4−178940号明細書に記載された爆薬は図4に示
すように、有機微小中空体の周囲に高濃度の酸化剤水溶
液が付着した構造体が集合した形になっている。
【0010】従って、本発明の爆薬組成物と従来のスラ
リー爆薬、エマルジョン爆薬及び特願平4−17894
0号明細書に記載される爆薬を比較すれば気泡の形態、
酸化剤水溶液の形態及び組成物の構造などが全く異なる
ことが明らかである。更に詳しくは本発明の組成物は従
来のスラリー爆薬におけるゲル化剤を必要とせず、気泡
も主として有機微小中空体に安定に取り込まれているの
でその構成が全く異なる。またエマルジョン爆薬に不可
欠なエマルジョン形成のための油類や界面活性剤、気泡
保持のためのガラスマイクロバルーンなどは必要でな
く、その点においても全く異なるものである。更に又、
特願平4−178940号明細書記載の爆薬に示される
ように有機微小中空体の周囲に高濃度酸化剤水溶液を付
着させたものは、その基本構造は類似するが構成する成
分及びその状態は全く異なるものである。
【0011】本発明において、驚くべきことには、実質
的に酸化剤と可燃剤と水と有機微小中空体からなる組成
物において、酸化剤に少量の硝酸カリウム、硫酸カリウ
ム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、リン酸2水素カリ
ウム、塩化カリウムから選ばれてなる1種又は2種以上
を硝安との組合せで用いることや可塑剤として水溶性の
ものを用いて爆薬の酸素バランスを調整するとゲル化剤
やワックス・界面活性剤がなくても安定な起爆性能が得
られることや有機微小中空体周囲の酸化剤に結晶が晶出
していても安定な起爆性能や顕著に改善された発破後ガ
スを示す組成物が得られることを見出した。特に硝安と
硝酸カリウムや硫酸カリウムを酸化剤として用いること
によって、有機微小中空体の表面や粒子間に存在する硝
安等の結晶が微細化される傾向がみられた。
【0012】本発明で用いる酸化剤は火薬類の技術分野
で公知のものを用いることができ、例えば硝酸、塩素
酸、過塩素酸等無機酸のアンモニウム、アルカリ金属、
アルカリ土類金属等の塩であり、単独又は組合せを選択
することができる。なかでも硝酸アンモニウムは安価で
反応性に富む良好な酸化剤であり、硝酸アンモニウム単
独でも実用的な爆性を賦与できるが、硝酸ナトリウムを
併用すると安定した良好な雷管起爆性が得られ、硝酸カ
リウムや硫酸ナトリウム等を併用すると更に顕著に改善
された起爆性が得られる。本発明では酸化剤は全組成に
対して75〜97重量%が使用される。すなわち、75
重量%未満では起爆性が低下し、又、97重量%を越え
ると爆発成分に固形分が過剰となって低温での雷管起爆
性を阻害する。
【0013】硝安と硝酸カリウム、硫酸カリウム、臭化
カリウム、ヨウ化カリウム、リン酸2水素カリウム、塩
化カリウム等のカリウム塩から選ばれてなる1種又は2
種以上との混合酸化剤を用いる場合の硝酸カリウム、硫
酸カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、リン酸2
水素カリウム、塩化カリウム等は硝安に対して3〜20
重量%が使用できる。より好ましくは5〜15重量%で
ある。本発明に用いる水は全組成に対して0.4〜8重
量%である。0.4重量%未満では、組成中の固形成分
が増大し発破後ガスが悪化する。又、8重量%を越える
と、雷管起爆性が低下する。より好ましくは1〜6重量
%が望ましい。
【0014】本発明で用いる可燃剤は火薬類の技術分野
で公知のものを使用する。例えば軽油、石炭粉、ギルソ
ナイト、タイヤ粉末、イオウ、アルミ粉、小麦粉、蔗
糖、糖蜜、ブドウ糖、果糖、乳酸、乳酸ナトリウムグル
コン酸、グリシン、クエン酸、サッカリンナトリウム、
チオ尿素、尿素、樹脂微粒子等があり、これらのなかか
ら単独又は組合せて使用することができる。本発明の実
施にあたって好ましくは、これらの可塑剤のなかで水に
溶け易いもの、例えば蔗糖、糖蜜等を全可燃剤の10重
量%以上を用いることであり、より好ましくは可燃剤の
全量を蔗糖や糖蜜等の水溶性可燃剤を溶融して使用する
ことである。又、本発明で用いる可燃剤の形状や粒径は
特に限定しないが、溶融しないで使用する場合は粒径が
大きくなると爆薬成分の緻密性が失われて爆発反応性が
低下するばかりでなく、酸化剤、水からなる高濃度塩溶
液の結晶を助長して経時性能に支障をきたす。特に水溶
性可燃剤を水に溶かさずに使用する場合や水に溶けない
可燃剤を使用する場合には粒径が大きくなると前記の傾
向が顕著になる。従ってこれらの好ましい粒径は100
ミクロン以下であり、より好ましくは50ミクロン以
下、または液状のものが50重量%以上である。本発明
では可燃剤を全組成に対して2〜20重量%が使用され
る。この範囲以外では爆薬成分の酸素バランスがとれな
くなり、発破後ガスに占める窒素酸化物や一酸化炭素等
の有毒ガスの量が増大する。好ましくは5〜15重量%
が良く、更に好ましくは蔗糖や糖蜜等の水溶性可燃剤5
〜15重量%である。
【0015】本発明に用いる有機微小中空体は有機高分
子化合物をベースとするものである。有機高分子化合物
としては例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、マレイン
酸樹脂、メラミン樹脂、セルローズ類などの他、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル
酸、アクリル酸塩類、メタクリル酸エステル類、スチレ
ン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、酢酸ビニルな
どの単独重合物又は2種以上からなる共重合物、ポリカ
ーボネート、ポリスルフォン、ポリアセタール、ポリア
ミド類、ポリエチレオキサイド、ポリフェニレンオキサ
イドなどがあり、それぞれ単独又は2種以上を混合して
使用することができる。これら有機高分子化合物の中で
熱可塑性を有するもの、例えば塩化ビニリデン−アクリ
ロニトリル共重合物、塩化ビニリデン−アクリロニトリ
ル−メタアクリル酸エステル共重合物などは本発明の実
施に当たってより好ましいものである。特に塩化ビニリ
デン−アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレー
ト−アクリルニトリル共重合体に低沸点の炭化水素を内
包した未発泡粒子は加熱により容易に微小発泡体になる
ので爆薬成分と混合した後に加熱発泡して用いることも
できる。
【0016】又、本発明で用いる有機微小中空体の形状
や粒径は特に限定しないが、球の表面が粗くなったり、
径が大きくなると酸化剤、水からなる高濃度塩溶液の結
晶成長を助長し、経時性能に支障をきたす。好ましくは
有機微小発泡粒子の表面が水に塗れ易いものや、平滑な
ものがよい。又、好ましい粒径は1000ミクロン以下
であり、より好ましくは100ミクロン以下のものが5
0重量%以上である。更により好ましくは平均粒径約1
5〜30ミクロンと約50〜90ミクロンのものを1:
1乃至1:3程度に混合したものが50重量%以上であ
る。本発明に用いる有機微小中空体は全組成に対して
0.5〜7重量%であり、この範囲で爆薬の密度が調整
される。0.5重量%未満では微小中空体の粒子表面や
粒子間に保持する塩成分等の結晶が増加して雷管起爆性
が低下する。7重量%を越えると、粒子表面や粒子間の
反応成分が少なくなり、安定した雷管起爆性の維持が困
難となる。より好ましくは1〜6重量%である。
【0017】本発明の含水爆薬組成物は、酸化剤を水に
溶解して酸化剤水溶液を作製し、この加熱溶融液に可燃
剤と発泡性有機微小粒子を添加混合し、この発泡性有機
微小粒子を発泡させて製造される。このとき酸化剤75
〜97重量%のうちの一部(5〜97重量%)を水に溶
解して酸化剤水溶液を作製し、この酸化剤水溶液に可燃
剤、有機微小中空体および残余の酸化剤を均一に混合す
ることができる。また、75〜97重量%の酸化剤のう
ちの一部(5〜97重量%)を水に溶解して酸化剤水溶
液を作製し、この酸化剤水溶液に発泡性有機微小粒子を
添加混合して、酸化剤水溶液中で発泡性有機微小粒子を
発泡させた後に、可燃剤と残余の酸化剤を均一に混合す
る方法もある。いずれの場合も水に溶解する酸化剤は全
組成物に対して5重量%以上である。5重量%未満では
起爆性が低下し、実用的な性能の維持が困難となる。従
って、溶解する酸化剤は全組成に対して10重量%が好
ましい。より好ましくは全量の酸化剤を溶解して用いる
ことである。
【0018】本発明による含水爆薬組成物を製造する方
法の一例としては、酸化剤の一部と水との混合物を殆ど
溶解する程度以上に加熱しておいて、可燃剤や有機微小
中空体及び残余の酸化剤を均一に混合する方法がある。
次に発泡性有機微小粒子を用いて加熱発泡する方法は特
に限定されるものではないが、具体的な例を挙げると、 規定量の水、硝安を主体とする酸化剤の各々の混合物
を金属容器に入れて、塩類固形物の殆どが溶解する程度
までに外浴で加熱して高温混合溶液としたのちに、規定
量の可燃剤と発泡性有機微小粒子を添加混合して前記の
発泡性有機微小粒子を発泡させる方法。 規定量の水、硝安を主体とする酸化剤の各々の混合物
を容器に入れて塩類固形物の殆どを溶解する程度までに
外浴で加熱して高温混合溶液としたのち、前記の高温混
合溶液に発泡性有機微粒子と可燃剤を添加混合して前記
の発泡性有機微粒子を発泡させる方法。
【0019】規定量の水、硝安の各々の混合物を塩類
固形物の殆どを溶解する程度までに外浴で加熱して高温
混合溶液としたのち、前記の高温混合溶液に発泡性有機
微粒子と可燃剤を添加混合して前記の発泡性有機微粒子
を発泡させる方法。 規定量の水と硝安を主体とする酸化剤の一部を各々の
混合物を容器にいれて塩類固形物の殆どを溶解する程度
までに外浴にて加熱して高温混合溶液としたのち、前記
の高温混合溶液に残余の一部の硝安に分散させた発泡性
有機微粒子を添加混合して前記の発泡性有機微粒子を発
泡させたのちに、残余の硝安と可燃剤を添加混合する方
法。 規定量の水と硝安の一部を各々の混合物を容器にいれ
て塩類固形物の殆どを溶解する程度迄に外浴で加熱して
高温混合溶液としたのち、前記の高温混合溶液に残余の
一部の硝安に分散させた発泡性有機微粒子を添加混合し
て前記の発泡性有機微粒子を発泡させたのちに、残余の
硝安と可燃剤を添加混合する方法。
【0020】規定量の硝安または硝安を主とする酸化
剤と可燃剤と水と発泡性有機微粒子の各々をほぼ均一に
混合して湿粉状の混合物としたのち、該混合物を発泡性
有機微粒子が発泡を開始する温度以上に温調した加熱板
上又は雰囲気中に噴射又は飛散して該混合物に含まれる
発泡性有機微粒子を発泡させる方法。 規定量の硝安または硝安を主とする酸化剤と可燃剤と
水と発泡性有機微粒子の各々をほぼ均一に混合して湿粉
状の混合物としたのち、該混合物の体積膨張を見込んだ
量を耐熱性のフィルムチューブに充填し、該フィルムチ
ューブ内の空気を除去して密閉したのち該発泡性有機微
粒子が発泡を開始する温度以上に温調した加温バス又は
油浴中にて該混合物に熱を加えて該発泡性有機微粒子を
発泡させる方法などがある。
【0021】これらの製造方法のうち、組成物より水分
が蒸発する場合は、予め水の蒸発量を予測して目的とす
る爆薬組成物となるように過剰の水を加えておくことも
できる。又、本発明の爆薬組成物を製造する方法によれ
ば、製造温度を調節することによって発泡性有機微粒子
の発泡状態を変えることも可能であるが、過剰に熱を加
えると有機中空体が破裂して爆薬としての性能を得るの
が困難となるので、好ましくは過発泡になる前の温度で
止めると共に、発泡後は速やかに冷却するのが良い。更
に又、蔗糖等の可燃剤の添加温度を調節することによっ
て、溶解又は微分散した可燃剤の一部を炭化させて反応
性に優れた爆薬を得ることも可能である。特に、硝安ま
たは硝安を主体とする酸化剤水溶液中における発泡性有
機微粒子の発泡温度や硝安または硝安を主体とする酸化
剤水溶液に蔗糖等の可燃剤を加えた混合物と有機微小中
空体との混合直前温度を125℃以上に設定すると極め
て反応性に富んだ爆薬組成物が得られる。
【0022】本発明の含水爆薬組成物は爆薬としての要
件を十分に満足しているが、更に付加的に性能を向上さ
せるためには必要に応じて低級飽和脂肪族アミンの如き
有機硝酸塩や硝酸ヒドラジンの如き無機硝酸塩等を鋭感
剤として加え、特に寒い地域での用途に対応することも
可能である。又、水中や海中等での発破作業を考慮して
高分子粉末を加えると耐水性は更に改善する。その他リ
ン酸エステル等の活性剤;尿素等の分解抑制剤等を添加
しても何等差し支えない。前記の有機硝酸塩の例として
は、低級飽和脂肪族アミンの硝酸塩、硝酸エタノールア
ミン、硝酸尿素、硝酸グアニジン、二硝酸エチレンジア
ミン等、無機硝酸塩としては、硝酸ヒドラジン、二硝酸
ヒドラジン、過塩素酸ヒドラジン等が挙げられ、それぞ
れ単独か又は2種以上を混合して使用することができ
る。これらのうち硝酸モノメチルアミン、硝酸エタノー
ルアミン、硝酸ヒドラジン等は爆薬の調整が容易で且つ
安定した雷管起爆性能を得るのに特に好ましいものであ
る。又、前記の高分子粉末の例としては耐熱性を有する
ポリアクリルアミドとその凝集作用を高める高分子凝集
剤(デュポン社商品名;タイザーLa)がある。
【0023】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。なお、
爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破後ガスの測定は
下記方法によって行った。 (爆薬密度の測定)予め製造した含水爆薬組成物50g
程度を採取し、採取した含水爆薬組成物の一部を容器
(内径30mm、管長50mm)に密充填する。次いで
充填された薬の重量(g)と体積(cm3)を測定して
爆薬密度(g/cm3)とする。なお、経時性能評価の
ため製造1年後を追加測定した。 (雷管起爆性の測定)予め製造した含水爆薬組成物を紙
筒(内径25mm、長さ200mm)に密充填した爆薬
包を作製する。次いで該爆薬包を冷凍庫(庫内温度;約
−30〜−40℃)に約15時間貯蔵したのち、冷凍庫
より取り出した爆薬包の薬温を調整しながら6号雷管一
本にて起爆し、完爆する薬温を測定した。なお、経時性
能評価のため製造1年後を追加測定した。
【0024】(爆轟速度の測定)予め、長手方向の片側
を密閉した鋼管(JIS G3452 32A;内径約
36mm、長さ350mm)に充填した試験爆薬をブー
スタ(6号雷管を装着した2号榎ダイナマイト)で起爆
し、イオンギャップ法にて爆轟速度を測定した。なお、
経時性能評価のため製造1年後を追加測定した。 (発破後ガスの測定)予め製造した含水爆薬組成物を密
充填した爆薬包(薬径30mm、薬量100g)を2本
作製したのち、該爆薬包をブリキ製円筒容器A(肉厚
0.4mm、短径35mm、長径65mm、管長200
mm程度)に収納し、該爆薬包の1本に6号雷管を結着
して親ダイ容器とする。次いで該親ダイ容器を湿った粘
土を満たしたブリキ製円筒容器B(肉厚0.4mm、径
100mm、長さ250mm程度)内に挿入して該容器
Bの空隙部及び開口部を粘土で覆った後に、後ガス試験
坑道(約13m3)中央部で爆発させる。爆発直後に坑
道を密閉したのち、爆発1分後の坑道内の一酸化炭素及
び窒素酸化物等の発破後ガスを北川式検知管で測定し
た。又、煙量や刺激臭を目視や嗅覚による官能検査で評
価し、その程度を○;少なく良好である、△;若干多い
が実用上問題なし、×;実用上問題有りとした。なお、
経時性能評価のため製造1年後を追加測定した。
【0025】実施例1 水4重量%、硝安86.6重量%の混合物を金属容器に
入れ、約150℃のシリコン油浴にて加熱してほぼ透明
な硝安水溶性としたのちに蔗糖(第1糖業商品名;セブ
ン印グラニュー糖)8.4重量%を添加して高温混合溶
液とする。次いで該高温混合溶液をテフロン袋内に収納
する有機微小中空体(エクスパンセル社商品名;エクス
パンセル551DE)1重量%に投入して、該有機微小
中空体と混合して含水爆薬組成物とする。その後、該含
水爆薬組成物を任意の薬包に密充填して爆薬密度、雷管
起爆性、爆轟速度、発破後ガスを測定した。その結果を
表1,2に示す。
【0026】実施例2 水6重量%、硝安74.5重量%、硝酸ナトリウム8重
量%の混合物を金属容器に入れ、約150℃のシリコン
油浴にて加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液としたのちに
蔗糖(第1糖業商品名;セブン印グラニュー糖)10重
量%を添加して高温混合溶液とする。次いで該高温混合
溶液をテフロン袋内に収納する有機微小中空体(エクス
パンセル社商品名;エクスパンセル091DE)1.5
重量%に投入して、該有機微小中空体と混合して含水爆
薬組成物とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の薬
包に密充填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破
後ガスを測定した。その結果を表1,2に示す。 実施例3 水0.5重量%、硝安77.1重量%、硝酸ナトリウム
8重量%の混合物を金属容器に入れ、約180℃のシリ
コン油浴にて加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液としたの
ちに蔗糖(三昭株式会社商品名;糖蜜J)8.4重量%
を添加して高温混合溶液とする。次いで該高温混合溶液
をテフロン袋内に収納する有機微小中空体(エクスパン
セル社商品名;エクスパンセル551DE)6重量%に
投入して、該有機微小中空体と混合して含水爆薬組成物
とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の薬包に密充
填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破後ガスを
測定した。その結果を表1,2に示す。
【0027】実施例4 水4.2重量%、硝安70.8重量%、硫酸カリウム9
重量%の混合物を金属容器に入れ、約160℃のシリコ
ン油浴にて加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液としたのち
に蔗糖(第1糖業商品名;セブン印グラニュー糖)15
重量%を添加して高温混合溶液とする。次いで該高温混
合溶液をテフロン袋内に収納する有機微小中空体(エク
スパンセル社商品名;エクスパンセル551DE20
μ)0.5重量%と有機微小中空体(エクスパンセル社
商品名;エクスパンセル551DE80μ)0.5重量
%との混合物に投入して、該有機微小中空体と混合して
含水爆薬組成物とする。その後、該含水爆薬組成物を任
意の薬包に密充填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速
度、発破後ガスを測定した。その結果を表1,2に示
す。
【0028】実施例5 水6重量%、硝安73.6重量%、硫酸カリウム10重
量%の混合物を金属容器に入れ、約160℃のシリコン
油浴にて加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液としたのちに
蔗糖(第1糖業商品名;セブン印グラニュー糖)8.4
重量%を添加して高温混合溶液とする。次いで該高温混
合溶液をテフロン袋内に収納する有機微小中空体(エク
スパンセル社商品名;エクスパンセル551DE)2重
量%に投入して、該有機微小中空体と混合して含水爆薬
組成物とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の薬包
に密充填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破後
ガスを測定した。その結果を表1,2に示す。 実施例6 水4.2重量%、硝安77.8重量%、臭化カリウム7
重量%の混合物を金属容器に入れ、約160℃のシリコ
ン油浴にて加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液としたのち
に蔗糖(第1糖業商品名;セブン印グラニュー糖)5重
量%を添加して高温混合溶液とする。次いで該高温混合
溶液をテフロン袋内に収納する有機微小中空体(エクス
パンセル社商品名;エクスパンセル551DE)1重量
%、天然アスファルト(アメリカギルソナイト社商品
名;ギルソナイト)5重量%に投入して、該有機微小中
空体と混合して含水爆薬組成物とする。その後、該含水
爆薬組成物を任意の薬包に密充填して爆薬密度、雷管起
爆性、爆轟速度、発破後ガスを測定した。その結果を表
1,2に示す。
【0029】実施例7 水4重量%、硝安78.1重量%、ヨウ化カリウム8重
量%の混合物を金属容器に入れ、約180℃のシリコン
油浴にて加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液に調整したの
ち、該酸化剤水溶液に蔗糖(第1糖業商品名;セブン印
グラニュー糖)8.4重量%を添加分散後、直ちに未発
泡有機微小粒子(松本油製薬(株)商品名;F−30)
1.5重量%を添加混合して、該未発泡有機微小粒子を
発泡させて含水爆薬組成物とする。その後、該含水爆薬
組成物を任意の薬包に密充填して爆薬密度、雷管起爆
性、爆轟速度、発破後ガスを測定した。その結果を表
1,2に示す。 実施例8 水4重量%、硝安77重量%、硝酸カリウム7重量%の
混合物を金属容器に入れ、約160℃のシリコン油浴に
て加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液としたのちに糖蜜
(三昭株式会社商品名;糖蜜T)7重量%を添加して高
温混合溶液とする。次いで未発泡有機微小粒子(エクス
パンセル社商品名;エクスパンセル551DU)2重量
%を添加混合して、該未発泡有機微小粒子を発泡させた
のちに、天然アスファルト(アメリカギルソナイト社商
品名;ギルソナイト)3重量%を混合して含水爆薬組成
物とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の薬包に密
充填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破後ガス
を測定した。その結果を表1,2に示す。
【0030】実施例9 水10重量%、硝安88重量%、未発泡有機微小粒子
(松本油製薬(株)商品名;F−30)2重量%を混合
して均一混合物としたのち、該均一混合物を約150℃
程度に加熱した金属板上で少量ずつ加熱発泡する。該均
一混合物の全てを加熱発泡して、水5重量%程度を蒸発
させたのち、微粉末にした蔗糖(第1糖業商品名;セブ
ン印グラニュー糖)5重量%を加え均一混合して含水爆
薬組成物とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の薬
包に密充填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破
後ガスを測定した。その結果を表1,2に示す。 実施例10 水6重量%、硝安15重量%、リン酸2水素カリウム9
重量%、硝酸カリウム6重量%、未発泡有機微小粒子
(松本油製薬(株)商品名;F−30)2重量%の混合
物を金属容器に入れ、約75℃のシリコン油浴にて撹拌
を加え混合し、約70℃の混合物を得た。次いで該混合
物を約120〜140℃に加熱調整した約20mmφ金
属管の片方より連続的に加圧注入し、もう片方の開口部
より連続的に発泡した組成物を得る。更に該組成物に微
粉末にした蔗糖(第1糖業商品名;セブン印グラニュー
糖)5重量%、微粉硝安52重量%、天然アスファルト
(アメリカギルソナイト社商品名;ギルソナイト)5重
量%を加え均一混合して含水爆薬組成物とする。その
後、該含水爆薬組成物を任意の薬包に密充填して爆薬密
度、雷管起爆性、爆轟速度、発破後ガスを測定した。そ
の結果を表1,2に示す。
【0031】実施例11 水5重量%、硝安84重量%、硝酸カリウム5重量%の
混合物を金属容器に入れ、約150℃のシリコン油浴に
て加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液に調整したのち、該
酸化剤水溶液に蔗糖(第1糖業商品名;セブン印グラニ
ュー糖)4重量%を添加分散後、直ちに未発泡有機微小
粒子(松本油製薬(株)商品名;F−30)2重量%を
添加混合して、該未発泡有機微小粒子を発泡させて含水
爆薬組成物とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の
薬包に密充填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発
破後ガスを測定した。その結果を表1,2に示す。 実施例12 水6重量%、硝安7重量%、硫酸カリウム3重量%の混
合物を金属容器に入れ、約120℃のシリコン油浴にて
加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液に調整したのち、該酸
化剤水溶液に硝安13重量%に分散した未発泡有機微小
粒子(松本油製薬(株)商品名;F−30)1.5重量
%を添加混合して、該未発泡有機微小粒子を発泡させ
る。次いで微粉末にした蔗糖(第1糖業商品名;セブン
印グラニュー糖)8.4重量%と微粉硝安61.1重量
%を添加混合して含水爆薬組成物とする。その後、該含
水爆薬組成物を任意の薬包に密充填して爆薬密度、雷管
起爆性、爆轟速度、発破後ガスを測定した。その結果を
表1,2に示す。
【0032】実施例13 水6重量%、硝安67.5重量%、硫酸カリウム8重量
%の混合物を金属容器に入れ、約180℃のシリコン油
浴にて加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液に調整したの
ち、直ちに硝安10重量%に分散した未発泡有機微小粒
子(松本油製薬(株)商品名;F−30)1.5重量%
を添加混合して、該未発泡有機微小粒子を発泡させたの
ち、天然アスファルト(アメリカギルソナイト社商品
名;ギルソナイト)7重量%を添加混合して含水爆薬組
成物とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の薬包に
密充填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破後ガ
スを測定した。その結果を表1,2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】比較例1 水6重量%、硝安87.7重量%、硝酸カリウム4.8
重量%の混合物を金属容器に入れ、約150℃のシリコ
ン油浴にて加熱してほぼ透明な酸化剤水溶液する。次い
で該酸化剤水溶液をテフロン袋内に収納する有機微小中
空体(エクスパンセル社商品名;エクスパンセル551
DE)1.5重量%に加えて均一混合して含水爆薬組成
物とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の薬包に密
充填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破後ガス
を測定した。その結果を表3,4に示す。 比較例2 水6重量%、硝安85.6重量%、硝酸ナトリウム6.
5重量%の混合物を金属容器に入れ、約150℃のシリ
コン油浴にて加熱してほぼ透明な硝安水溶液する。次い
で該硝安水溶液をテフロン袋内に収納する有機微小中空
体(エクスパンセル社商品名;エクスパンセル551D
E)1.9重量%に加えて均一混合して含水爆薬組成物
とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の薬包に密充
填して爆薬密度、雷管起爆性、爆轟速度、発破後ガスを
測定した。その結果を表3,4に示す。
【0036】比較例3 水7重量%、硝安75.7重量%、硝酸ナトリウム5重
量%の混合物を金属容器に入れ、約150℃のシリコン
油浴にて加熱してほぼ透明な硝安水溶液する。一方、ソ
ルビタンオレイン酸モノエステル1.8重量%とマイク
ロクリスタリンワックス3.5重量%との混合物を加熱
して溶融させて可燃剤混合物を得る。次に該可燃剤混合
物に該酸化剤水溶液を徐々に添加しながら撹拌してW/
O型エマルジョンを得た。次に該W/O型エマルジョン
に有機微小中空体(エクスパンセル社商品名;エクスパ
ンセル551DE)2重量%と、微粉末にした蔗糖(第
1糖業商品名;セブン印グラニュー糖)5重量%を添加
混合してW/O型エマルジョン爆薬とした。その後、該
含水爆薬組成物を任意の薬包に密充填して爆薬密度、雷
管起爆性、爆轟速度、発破後ガスを測定した。その結果
を表3,4に示す。 比較例4 硝安43重量%、硝酸モノメチルアミン27重量%及び
水11重量%を加温しながら混合して約40℃の混合溶
液とする。次いで該混合溶液に有機微小中空体(エクス
パンセル社商品名;エクスパンセル551DE)0.5
重量%及び硝酸ナトリウム13重量%に分散させたヒド
ロキシルプロピル変性グァーガム1重量%を加えて均一
に混合して粘稠混合物としたのち、更に澱粉2重量%、
ペイント級アルミニウム2重量%、架橋剤(グァーガム
に対してピロアンチモン酸カリウムを1重量%)、有機
微小中空体(エクスパンセル社商品名;エクスパンセル
551DE)0.5重量%を加えて均一に混合して含水
爆薬組成物とする。その後、該含水爆薬組成物を任意の
薬包に密充填し、7日後に爆薬密度、雷管起爆性、爆轟
速度、発破後ガスを測定した。その結果を表3,4に示
す。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の含水爆薬
組成物は、酸化剤75〜97重量%と可燃剤2〜20重
量%と水0.4〜7重量%からなる固液成分が有機微小
中空体0.5〜7重量%の粒子表面及び/又は粒子間に
吸着、保持されているのでゲル化剤やエマルジョン化剤
を使用せずに長期にわたって良好な品質を保全するばか
りでなくトンネル掘削作業時の懸案事項であった発破後
ガスが顕著に改善された新規な含水爆薬組成物である。
更に、この含水爆薬組成物を簡便な製法で安価に提供す
ることを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係わる爆薬組成物の微細構造を模式
的に示した図面、
【図2】従来技術に係わる爆薬組成物の微細構造を模式
的に示した図面、
【図3】従来技術に係わる爆薬組成物の微細構造を模式
的に示した図面、
【図4】従来技術に係わる爆薬組成物の微細構造を模式
的に示した図面。
【符号の説明】
1 酸化剤、可燃剤及び水からなる固液相 2 樹脂中空体 3 ゲル化された酸化剤、鋭感剤相 4 中空体 5 巻き込み気泡 6 エマルジョン化された酸化剤相 7 酸化剤及び水の相

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化剤75〜97重量%と可燃剤2〜2
    0重量%と水0.4〜8重量%からなる成分が有機微小
    中空体0.5〜7重量%の粒子表面及び/又は粒子間に
    吸着、保持されてなることを特徴とする含水爆薬組成
    物。
  2. 【請求項2】 酸化剤がカリウム塩と硝安との組合せで
    あることを特徴とする請求項1記載の含水爆薬組成物。
  3. 【請求項3】 カリウム塩が硝酸カリウム、硫酸カリウ
    ム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、リン酸2水素カリ
    ウム、塩化カリウムから選ばれる1種又は2種以上から
    なることを特徴とする請求項2記載の含水爆薬組成物。
  4. 【請求項4】 可燃剤の少なくとも10重量%以上が水
    溶性可燃物であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3の何れかに記載の含水爆薬組成物。
  5. 【請求項5】 酸化剤75〜97重量%と水0.4〜8
    重量%との加熱溶融液に可燃剤2〜20重量%と発泡性
    有機微小粒子0.5〜7重量%を添加混合し、該発泡性
    有機微小粒子を発泡させることを特徴とする含水爆薬組
    成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化剤75〜97重量%のうちの5〜9
    7重量%と水0.4〜8重量%との加熱溶融液に発泡性
    有機微小粒子0.5〜7重量%を添加混合して該発泡性
    有機微小粒子を発泡させ、次いで可燃剤2〜20重量%
    と残余の酸化剤を混合することを特徴とする含水爆薬組
    成物の製造方法。
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