JPH08156994A - 連続長繊維強化熱可塑性樹脂製運搬容器及びその製造方法 - Google Patents

連続長繊維強化熱可塑性樹脂製運搬容器及びその製造方法

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JPH08156994A
JPH08156994A JP6299705A JP29970594A JPH08156994A JP H08156994 A JPH08156994 A JP H08156994A JP 6299705 A JP6299705 A JP 6299705A JP 29970594 A JP29970594 A JP 29970594A JP H08156994 A JPH08156994 A JP H08156994A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
mold
manufacturing
drum
continuous long
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Application number
JP6299705A
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English (en)
Inventor
Haruhisa Suzuki
晴久 鈴木
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄製ドラム缶と比較して軽量で、かつ実用上
充分な強度を有し、工業的に簡便なFRTP製ドラム缶
の製造方法を確立する。 【構成】 連続長繊維で強化された熱可塑性樹脂を加熱
溶融させ、型枠に巻き付けながら成形、硬化させること
を特徴とする運搬容器の製造方法及びその製造方法によ
り製造された運搬容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、運搬容器としてのドラ
ム缶及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、石油化学製品の運搬容器とし
て、または保存容器として、鉄製ドラム缶は膨大な個数
が製造され、かつ、使用されている。鉄製ドラム缶は比
較的安価であり、安定した性能で供給され、かつ運搬容
器としても保存容器としても適当な性能をもっている。
【0003】しかしながら、流通段階においては運搬容
器の重量は必要悪でしかないことを再確認しなければな
らない。
【0004】通常、流通手段として使用されるトラッ
ク、鉄道貨車及び船には、それぞれ安全な輸送を確保す
る目的で最大積載量が取り決められている。この意味で
は、 210リットル容器で約20kgの重量を有する鉄製ドラ
ム缶は必ずしも優れた運搬容器であるとはいい難い。
【0005】また、ポリエチレンのブロー成形もしくは
射出成形で製造されたドラムも提唱されているが、鉄製
ドラム缶に比べて強度が低いために、これらもまた必ず
しも優れた容器であるとはいい難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉄製ドラム
缶と比較して軽量で、かつ実用上充分な強度を有し、工
業的に簡便なFRTP製ドラム缶の製造方法を確立する
ことを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】FRPの強度発現には、
長繊維の配向性の制御、繊維の重なり合い、FRP中の
繊維含有率、マトリックス樹脂の強度、デザイン等が関
与する。特に大きな寄与を示すのは、繊維の種類、繊維
含有率、繊維の配向性である(株式会社シーエムシー
1990年発行「最新・コンポジット」)。この観点から本
発明者等は、前に挙げた要件を全て充分に満たすフィラ
メントワインディングを利用することを考案した。
【0008】即ち、本発明は、連続長繊維で強化された
熱可塑性樹脂を加熱溶融させ、型枠に巻き付けながら成
形、硬化させることを特徴とする運搬容器の製造方法及
びその製造方法により製造された運搬容器に関する。
【0009】通常、FRPをフィラメントワインディン
グで成形するためには長時間を要するといわれている。
この成形時間の長さを解析すると、巻き付け作業時間の
長さと熱硬化性樹脂の硬化時間の長さが成形時間に大き
な割合を占めており、特に、熱硬化性樹脂の硬化時間の
長さは、この技術の有効性を著しく損なう問題である。
つまり、この硬化時間を短縮するためには芯型(マンド
レル)が多数必要となり、固定費の大幅な上昇を招くこ
とになる。
【0010】本発明者等は硬化時間の短縮化が成功すれ
ば、FRP製ドラム缶の製造時間の短縮化(生産性の向
上)により大幅なコストダウンが可能になると考えた。
以下に本発明の原理を説明する。
【0011】本発明者等はFRPのマトリックスが熱可
塑性樹脂でできていれば、熱硬化性樹脂が必要な硬化時
間(高分子合成に要する反応時間)を要さないことに着
目した。熱可塑性樹脂製強化プラスチックスを特にFR
TPと呼ぶが、FRTP製ドラム缶の製造のために、熱
可塑性樹脂と連続長繊維の種類の設定と比率の設定及び
繊維の配向の設定を行い、FRTP製ドラム缶に必要な
機械的強度、化学的安定性、及び重量を検討しながら、
仕様を決定した。
【0012】続いて、ドラム缶の製造条件として熱可塑
性樹脂の溶融条件及び成形条件の検討を行った。本発明
者等は種々の形式の熱源装置の単位時間における熱供給
量とコストを勘案して、熱可塑性樹脂を溶融させる条件
を設定した。さらに詳しく、本発明を説明する。
【0013】本発明に用いられる原料熱可塑性樹脂とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等
のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ABS、AS、M
BS、EVA、ナイロン等のプラスチックスが使用され
る。また、これらのプラスチックスに難燃剤、改質剤、
顔料等を混入させたコンパウンドを使用することもでき
る。
【0014】連続長繊維としては、ポリエチレン繊維、
アラミド繊維、グラスファイバー、炭素繊維、クオーツ
ファイバー、高強度鉄線、ボロン繊維等が使用される。
【0015】これらを複合したストランドやテープは市
販されているものを使用することができるし、自作した
ものを使用してもよい。また、連続長繊維と熱可塑性樹
脂とを押出機などを使用して、テープやストランド状に
作りながら、型枠に巻き付けて作ることもできる。尚、
熱可塑性樹脂の代わりに熱硬化性樹脂を使用すると、こ
の作業には巻取作業と別に樹脂硬化作業が必要になる
が、樹脂硬化作業のために、別途、専用設備もしくは硬
化時間が必要になる。
【0016】複合材の選定の基準は次の順番で検討する
ことが実用上、簡便であるが、次の項目を全て満たした
基準も実用上、問題はない。ドラム缶の使用条件下、
保存される化学物質に対して安定な熱可塑性樹脂と連続
長繊維を選択する。ドラム缶に要求される性能を満た
す複合材の繊維比率と繊維の織形を決定する。持てる
製造装置の熱供給能力、巻取速度、比例費等によって製
造コストを計算する。
【0017】本発明者等が検討した時点で入手し得る、
経済的に最良の複合材は繊維配向がテープ長手方向にの
み向いている、グラスファイバー/ポリエチレン(繊維
含有率が55wt%)の一方向性プレプレグテープである。
しかし、本発明者等が検討した時点で、この複合材より
も機械的強度の優れた複合材(ドラム缶をさらに軽量化
し得る複合材)の組み合わせは既に多数存在していた
が、本発明者等は、それらの複合材を使用することによ
り、ドラム缶の製造原価が大幅に上昇することが判った
ので、本発明の説明の中ではそれらの複合材を経済的に
最良の材料であると言うことを憚る。しかしながら、将
来、それらの複合材のコストが安価なものになるか、あ
るいは、ドラム缶を製造するにあたり本発明の意図にか
ないながら、さらに優れた熱可塑性樹脂マトリックスの
連続長繊維ストランド複合材が発明されるか、あるい
は、収納物の特性により別の特性が複合材に求められる
ならば、その材料も本発明に使用し得ることは明らかで
ある。現時点では、複合材中の連続長繊維の含有率が10
〜80体積%で、繊維の最短長が1mm以上のものが適当で
ある。
【0018】本発明者等はストランドの加工成形に直火
式溶融形式のフィラメントワインディングを用いた。こ
の方式では、燃焼ガスの種類及びガス量によりストラン
ドの熱可塑性樹脂の溶融量のコントロールを行うが、高
速度での処理を行う際に、直火式は供給熱量を容易に大
きくすることで安価にできる。また、その他に、レーザ
ー光、温風または電磁波を利用する方法も好ましい。一
方、適当な熱供給装置が開発されるならば、本発明に用
いる熱供給装置としてその形式は用いることができる。
【0019】本発明者等は図1のように一方向性プレプ
レグテープを積層させたが、これはフィラメントワイン
ダーの動作量を小さくしながら、機械的強度の保持、寸
法安定性の保持を狙った層構成である。本発明者等は先
に述べた理由により好まないが、フィラメントワインダ
ーの動作量を大きくしても良いならば(通常は成形時間
の増加を意味するが)、機械的強度のさらなる改善、寸
法安定性のさらなる改善は可能である。
【0020】本発明では内張を用いることもできる。内
張を用いることにより、複雑な装置を用いることなく、
フィラメントワインディングでは比較的困難なマンドレ
ル末端部の覆いに関わる成形が簡単にでき、かつ、収納
物に対して安定な物質を用いるならば、ドラム缶の安全
性も向上させることができる。この時に複合材の寸法変
化率に近い材料を選ぶ必要はある。このような意味にお
いて、内張に用いられる物質は金属でもプラスチックス
でもよい。
【0021】一方、ドラム缶の上蓋部も同時に成形する
ことはフィラメントワインディングでは困難である。そ
れ故に、上蓋部だけを別途、成形して胴体と接合する方
が容易である。上蓋部の成形方法としては、射出成形や
熱可塑性樹脂プレプレグのプレス成形などが適してい
る。射出成形やプレス成形の場合には胴体と同じ素材を
選ぶことが有利である。
【0022】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、実施例により本発明が制限を受けるものではな
い。
【0023】実施例1 ポリプラスチックス株式会社製セルストランTWA-11/4
(ポリエチレン45wt%、E−グラス55wt%、一方向、テ
ープ幅20mm,テープ厚み0.6mm )をドイツ国bolenz社FW
A-1 を用いて、フィラメントワインディングで、表1の
Aの層構成で、ドラム缶胴体を製作した。巻取作業には
15分を要し、作業終了後、ただちに、離型した。
【0024】作業図を図1に示す。この時、マンドレル
上にはあらかじめ射出成形で製作したポリエチレン製ド
ラム缶底部内張りを装着させ、内張とプレプレグテープ
の接着を良好にするためにマンドレルを保温した。表1
に層構成を示すとともに複合材の性能を示す。
【0025】
【表1】
【0026】(注) 1.例えば、Bの層構成は、上層から下層へ、基準の方
向に対して45°配向した層、90°配向した層、−45°配
向した層、0°配向した層を次々に積層させ、この4層
を1構成として、このパネルが1構成でできているパネ
ルを意味する。 2.引張試験はASTM D 638-68 で行った。強度は90℃方
向で測定した。 3.試験片はプレス機を用いて製造した。
【0027】完成した胴体に、射出成形で製作したポリ
エチレン製上蓋、クロロプレンゴムガスケット、締め付
け金具を取り付けた。この方法で、ドラム缶9個を製作
して、「国際海上危険物規定第26回改正版」により定め
られる「小型容器1」に求められる性能試験を行った。
結果を表2に示すが、いずれも合格を満たす性能であっ
た。
【0028】
【表2】
【0029】(注) 1.試験は「国際海上危険物規定第26回改正版」により
定められる「小型容器1」に求められる性能試験を行っ
たが、容器等級1の基準に従い試験を行った。 2.収納期間のみ1年間で行った。 3.硝酸は70wt%硝酸水溶液、酢酸は純度99wt%。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィラメントワインディング成形法による本発
明の作業図であり、(a)は巻き付け時の図、(b)は
端部の切削除去時の図、(c)は離型時の図を示す。
【符号の説明】
1 プレプレグテープ 2 トラバースアイ 3 マンドレル 4 カッター
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 22:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続長繊維で強化された熱可塑性樹脂を
    加熱溶融させ、型枠に巻き付けながら成形、硬化させる
    ことを特徴とする運搬容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂を連続長繊維で強化しなが
    ら型枠に巻き付けて成形することを特徴とする運搬容器
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂がポリエチレンまたはポリ
    プロピレンである請求項1又は2記載の運搬容器の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂の形状がテープ状またはス
    トランド状である請求項1〜3の何れか1項に記載の運
    搬容器の製造方法。
  5. 【請求項5】 連続長繊維がグラスファイバーである請
    求項1〜4の何れか1項に記載の運搬容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱方法がガスバーナー、レーザー光、
    温風または電磁波を利用する方法である請求項1〜5の
    何れか1項に記載の運搬容器の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の製造
    方法により製造された運搬容器。
  8. 【請求項8】 連続長繊維で強化された熱可塑性樹脂か
    らなることを特徴とする運搬容器。
JP6299705A 1994-12-02 1994-12-02 連続長繊維強化熱可塑性樹脂製運搬容器及びその製造方法 Pending JPH08156994A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018058318A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 三井化学株式会社 テープワインディング成形法、テープワインディング成形用繊維強化樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018058318A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 三井化学株式会社 テープワインディング成形法、テープワインディング成形用繊維強化樹脂組成物

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