JPH08154923A - 採血装置 - Google Patents

採血装置

Info

Publication number
JPH08154923A
JPH08154923A JP6329220A JP32922094A JPH08154923A JP H08154923 A JPH08154923 A JP H08154923A JP 6329220 A JP6329220 A JP 6329220A JP 32922094 A JP32922094 A JP 32922094A JP H08154923 A JPH08154923 A JP H08154923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
needle
container
blood collection
collecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6329220A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuo Okabe
信夫 岡部
Takeshi Matsumoto
豪 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP6329220A priority Critical patent/JPH08154923A/ja
Publication of JPH08154923A publication Critical patent/JPH08154923A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 採血時にコンタミネーションを生じることな
く、安全で簡便に血液保管容器の交換が行なえる採血装
置を得ること。 【構成】 血管に穿刺して血液を採取するための針部材
を一体に保持すると共に、針部材の内孔と連通した血液
収容キャビティを有する針付き容器を、採血操作機構に
交換可能に装着し、血液収容キャビティの内圧を調整す
ることにより針部材の内孔を介して血液収容キャビティ
内へ血液を選択的に流入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、採血操作を自動化し得
る採血装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、医療分野において、臨床検査
や研究分析に人の血液の採取は必要なものである。一般
的な採血方法としては、採血施行者が、被採血者の上腕
部に止血帯を結んで体表面近くの比較的太い静脈を浮き
上がらせ、目視により血管を確認した後に注射針を血管
に穿刺し吸引する。
【0003】しかしながら、このような人の手よる採血
方法では、採血施行者の技能が未熟な場合、血管に対す
る正確な穿刺が難しく、穿刺時の痛みや生体組織の損傷
が大きいという問題が生じる。そこで、人の手に頼ら
ず、より迅速で正確な穿刺・採血を目的として、自動採
血が可能な装置が考えられている。具体的には、採血時
の痛みや組織損傷を軽減するため、蚊の吸血機構を模倣
した採血装置に係る研究が行なわれており、試作段階の
ものが作られている。
【0004】蚊の口針束は、上唇、一対の大腮、咽頭、
一対の小腮の6つの部分が口針片となって構成されたも
のであり、下唇が口針鞘となってこれを収容している。
口針束の最外側にある小腮の先端部には歯がならんでお
り、この小腮が左右交互に皮膚組織内に打ち込まれて引
っ掛かりがつくられた状態において口針束が皮膚組織を
介しての体表面近くの微細血管内へ穿刺される。血液
は、口腔ポンプと咽頭ポンプとの2連球からなる吸血ポ
ンプによって、下側が開いた長い管状の上唇中を通って
食道まで押し流される。
【0005】このような蚊の吸引機構を模倣したもの
は、実際は、蚊が吸血を行なう際に対象に痛みを感じさ
せない主な要因である口針束の細さに注目したものであ
る。具体的には、図3に示すように、先端を加熱しなが
ら引き伸ばして細くし、研磨したガラスマイクロピペッ
トを採血針100として針駆動機構104に連結された
針ホルダ103に螺子104による係止で固定し、これ
にポリ塩化ビニル製チューブ101を介して市販のシリ
ンジ102に接続して、このシリンジを吸引ポンプとし
て用いるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き蚊の吸血機構を模倣した採血装置は、単に装置によ
る採血の可能性を確認するための研究用試作機でしかな
く、既存装置の転用、寄り合わせ程度のものであった。
即ち、採血針に既存の注射器のシリンダをチューブで接
続しただけの血液吸引機構にマイクロマニュプレータ装
置を組合せ、針の穿刺をモニターで視覚的に観察・確認
しながら行なうという、装置としては、煩雑、複雑で実
用化にはほど遠いものである。
【0007】特に採血機構に関しては、微細針を使用し
た無痛採血を目標とする自動採血装置に用いられるよう
な安全で簡便なものはない。上記の従来技術では、吸引
機構としてのシリンジに採血針の開放端からチューブで
接続し、採血針を単なる螺子締めの係止によって固定し
たものである。これは、血管に採血針を穿刺してシリン
ジのピストンによって血液を吸引し、採血後はピストン
によって加圧して採取した血液を吐出させ、他の保管容
器に入れて検査に供するという構造である。
【0008】このような採血機構を用いて実際に採血を
行なったとしたら、採血針内、チューブ内、場合によっ
てはシリンジ内に採取した血液が残留し、次回からの採
血の際に、検体の混合、雑菌等のコンタミネーション
(contamination )が生じ、検査データにそのものに信
頼性が得られない。それどころか、前被採血者の検体が
次の被採血者の血管内へ入る恐れから血液感染の危険性
まであり、とても実用に供することはできない。
【0009】また、採血針やチューブ等を採血毎に新し
いものに交換するとしても、その度に、まず使用済採血
針を螺子を弛めて外し、次いで新しくチューブに採血針
の開放端およびシリンジの先端を嵌め込み、その新しい
採血針をまた螺子締めで固定するという手間のかかる操
作を繰返さなければならず、効率が悪く、特に迅速な自
動採血を望む装置に使用するものとしては不適当であ
る。
【0010】本発明は、上記問題点を鑑み、採血時にコ
ンタミネーションを生じることなく、安全で簡便に血液
保管容器の交換が行なえる採血装置を得ることを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る採血装置では、血管に
穿刺して血液を採取するための針部材を一体に保持する
と共に、前記針部材の内孔と連通した血液収容キャビテ
ィを有する針付き容器と、該針付き容器を交換可能に装
着して前記血液収容キャビティの内圧を調整することに
より針部材の内孔を介して血液収容キャビティ内へ血液
を選択的に流入させる採血操作機構とを備えたものであ
る。
【0012】また請求項2に記載した発明に係る採血装
置では、請求項1に記載の採血装置において、前記針付
き容器は、前記採血操作機構との連結のために、前記血
液収容キャビティに通じる開口を備え、この開口は、気
体を通過させると共に液体の通過を阻止する通気性膜部
材によって閉鎖されているものである。
【0013】さらに、請求項3に記載の発明に係る採血
装置では、請求項1に記載の採血装置において、前記採
血操作機構は、前記血液収容キャビティ内を減圧および
/または加圧するピストンを含むものである。
【0014】
【作用】本発明の採血装置は、採血操作機構に、血管に
穿刺して血液を採取するための針部材の内孔と連通した
血液収容キャビティを有する針付き容器を交換可能に装
着して、血液収容キャビティの内圧を調整することによ
り針部材の内孔を介して血液収容キャビティ内へ血液を
選択的に流入させるものである。
【0015】このように、本発明では、血液収納・保管
のための容器が穿刺用の採血針を一体に保持し、採血操
作機構に交換可能に装着されるものであるため、採血毎
に新しい容器を交換するだけで、常に検体毎に滅菌され
た針及び血液容器が使用できる。したがって、雑菌や他
の検体によるコンタミネーションが防止され、血液感染
の危険性もなくなり、安全でかつ確実な採血が簡便に行
なわれる。
【0016】例えば、針付き容器の採血操作機構への装
着は、連結のために備えられた血液収容キャビティに通
じる開口に採血操作機構からの突端部が嵌め込まれる構
成が考え易いが、この場合、開口部をテーパー接合など
で装着できるが、装着時は採血操作機構の突端部へ圧接
し、採血後に取りはずす際には容器を採血操作機構に対
して針側へ押し下げるだけで離脱できる。
【0017】特に、採血用針として痛みを軽減するため
の例えば外径0.2mm以下の微細針を用いる場合、針
自身は非常に細いために、常識的には強度を考慮すると
通常の注射針に比べて非常に短いものが使用されると思
われ、このような細くて短い針の血液容器への着脱操作
は大変扱い難くなる。しかしながら、本発明のように容
器に一体に保持されていれば、このような問題はなくな
る。
【0018】以上のように針付き容器の採血操作機構へ
の着脱は短時間で容易にできるので、続けて他の被採血
者に対して採血を行なう場合も、効率よく採血操作が繰
返せる。従って、本発明による採血装置は、特に、採血
対象血管の認識から採血針の穿刺・抜針まで一連の採血
操作の自動化を図るための装置における採血手段を構成
するものとして適しており、このような装置全体の操作
効率をより高め得るものである。
【0019】また、本発明の針付き容器が装着される採
血操作機構は、血液収容キャビティの内圧を調整するも
のであり、針部材の内孔を介して血液収容キャビティ内
へ血液を採り込む際には、血管に針が穿刺された状態
で、キャビティの内圧を血圧に対して低く調整する。こ
の調整を予め定められた必要採血量の分だけに制御する
ことによって、血液収容キャビティの容量を超えること
が避けられ、採血操作機構の方に検体が残留することも
なく、より安全で確実な採血が行なえる。
【0020】さらに、請求項2に記載した如く、針付き
容器の、採血操作機構との連結のために備えられた血液
収容キャビティに通じる開口を、気体を通過させると共
に液体の通過を阻止する通気性膜部材によって閉鎖する
ことによって、コンタミネーションや、採血操作機構へ
の血液の漏れを完全に防ぐことができる。
【0021】また、具体的な採血操作機構としては、血
液収容キャビティの内圧を、針の内孔を介して血液が採
取できる適度に調整できる手段であれば使用可能である
が、採血操作の効率を考えれば、血液を吸引する機構が
より望ましい。
【0022】例えば、請求項3に記載したように、血液
収容キャビティ内を減圧および/または加圧(予め採血
前に抗血液凝固剤等の溶液を注入する場合)するピスト
ンを用いることによって、血液収容キャビティ内を減圧
して積極的に血液を吸引する機構とすれば、採血時間の
短縮化が図れる。
【0023】もちろん、本発明はピストンに限らず、血
液吸引機構としては、ポンプを用いた減圧手段など他に
もがあるが、採血レベルの減圧であれば、大掛かりなも
のは必要なく、ピストン機構を利用したものは設計が容
易で装置全体が大型化することもなく簡便である。
【0024】このような採血操作機構による血液採取
は、単位時間あたりの血液採取量に基づいて、採血操作
機構の駆動時間で採血量を制御することができる。ま
た、予め採血操作機構の駆動量を採血量に応じて制限す
る手段を設けても良い。例えばピストン機構ではピスト
ンの移動量が所望の位置に来た時点でピストンの移動が
停止されるストッパー手段を設けると良い。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例を以て詳細に説明す
る。 (実施例1)本発明の第1の実施例として、採血操作機
構としてのピストンを用いたシリンジ型の血液吸引部を
図1に示す。この血液吸引部は、吸引部本体(シリン
ダ)3内でピストン部材4が上下移動できる構造となっ
ている。また、本実施例では、採血用針として外径0.
2mm以下の微細針1が血液用容器に一体に保持されて
いる針付き容器2を用いた。
【0026】このピストン部材4の段差部とシリンジ段
差部との間にバネ6が設けられており、バネ6がピスト
ン部材4端部側(容器連結部に対して反対側)からの押
圧で圧縮された状態から、押圧力の軽減に応じたバネ6
の伸び力に伴ってピストン部材4がシリンジ内を上昇す
る。
【0027】吸引部本体3の管状先端部7と、針1が一
体に保持されている針付き容器2の開口部9とはテーパ
状になっており、先端部7をテーパ状開口部9内に嵌め
込んで圧接(テーパ接合)することにより、針付き容器
2が吸引部本体3の先端部7に装着される。針付き容器
2のテーパ状開口部9より針1側は、通気性膜部材6で
封鎖されている。
【0028】このような構成の血液吸引機構で採血を行
なう際には、まず、ピストン部材4を押圧してバネ6が
圧縮された状態で針付き容器2の針1を皮膚表層部にあ
る対象血管に穿刺する。穿刺後、ピストン部材4への押
圧を軽減しつつピストン部材4をシリンジ内で上昇させ
ることによって先端部7の管内から、通気性膜部材6を
介して針付き容器2内が減圧される。従って、血管内に
ある針1の内孔を通って血液が容器内へ導入される。
【0029】容器内へ必要な採血量が導入された時点で
ピストン部材4のシリンジ内における上昇を停止させ
る。ここで、この停止位置を予め必要採血量に応じて設
定しておけば、必要以上の採血が行なわれることは避け
られる。もしも、必要量以上の血液が容器内へ導入され
ても、開口部に通気性膜部材6が設けられているので、
血液がこれを越えて先端部7の管内や吸引部本体3にま
で浸入することは防止される。従って、検体の混入やコ
ンタミネーションなどの問題は生じない。
【0030】なお、予め針付き容器2内に生理食塩水や
抗血液凝固材であるヘパリン溶液等を入れて用いる場合
は、針1を血管に穿刺した後、まずピストン部材4をシ
リンジ内で下降させることによって先端部7の管内から
通気性膜部材6を介して針付き容器2内を加圧し、容器
内の溶液を血管内へ排出し、その後、ピストン部材4を
上昇させて針付き容器2内を減圧し血液を採取する。
【0031】採血終了後、針1を血管から抜き、針付き
容器2を吸引部本体3から取り外しそのまま検査へ供す
ることができる。あるいは、針付き容器2を取り外す前
に、ピストン部材4を押圧して容器内を加圧して血液を
排出し、他の検査用保存容器に移すようにしても良い。
【0032】針付き容器2の取り外しの際には、容器開
口周縁部を吸引部本体3に対して針1側へ押し下げるこ
とによって離脱できるが、その押し下げを行なうための
部材5を、先端部7の外側に先端部7の外面に沿って移
動可能に設け、ワンタッチで針付き容器2の取り外しが
できる構成とすれば、針付き容器2の交換に要する時間
も短縮できる。
【0033】なお、針付き容器2は、針1と容器とは同
一部材で構成しても、互いに別の部材で形成したものを
接続する構成としてもよい。具体的な素材としては、容
器にはプラスチィックやステンレスが挙げられる。針に
ついても、通常の注射針と同様にステンレスやチタン等
の金属製のものが考えられる。また、特に非常に細い針
の場合、従来例で示したようなガラス製のものは、先端
部で微小な破片が生じ血管内に入り込む危険性を考える
と好ましくない。そこで、生体に影響の小さいシリコン
等の高分子素材やキチン、レシチン等の生体材料が微細
針用素材として挙げられる。
【0034】また、微細針については、針先端部におい
て血管を穿刺するのに必要な応力が加えられるまでに針
に曲げが生じてしまうというような問題を回避するよう
に、針の径に対する長さや剛性を考慮して設計を決定す
る必要がある。
【0035】また、通気性膜部材としては、気体は通過
できるが液体、即ち血液が通過できないものであれば良
く、例えば、ゴアテックス(商品名:テフロン系樹脂か
らなる多孔質膜,ゴア社製)、多孔質ポリプロピレン膜
などの疎水性多孔質膜やシリコン膜などの気体透過性を
有する高分子膜が挙げられる。また、織物にその糸間の
気孔を残して通気性を保ったままはっ水性を与える所謂
通気性はっ水加工を施したものが使用できる。これは、
繊維表面に通気性はっ水剤を皮膜固着させたり、繊維素
分子中の親水基を疎水性分子で置き換えて繊維の本質そ
のものをはっ水性に改質したものなどがある。
【0036】(実施例2)次に、図1に第1の実施例と
して示した血液吸引機構を、採血対象血管の認識から採
血用針の穿刺・抜針、までの一連の採血操作を自動的に
行なう装置の採血部として用いる場合を本発明の第2の
実施例として図2に示す。
【0037】本実施例は、光源17とレンズ18および
ハーフミラー19からなる照明光学系と、対物レンズ1
6と撮像素子15からなる観察光学系が撮像手段として
本体13に内蔵されている。
【0038】この本体13には、ホルダ12を回転可能
に備えるための回転軸14が設けられており、このホル
ダ12に、採血手段としての採血部11が保持されてい
る。採血部11は、図1で示した血液吸引機構であり、
採血用の針1を一体に保持する針付き容器2が吸引部本
体3の先端部にテーパ接合により交換可能に装着される
構成であり、吸引部本体3のシリンジ内をピストン部材
が上下移動することによって針付き容器2内が減圧ある
いは加圧される構成となっている。
【0039】本実施例においては、ピストン部材は、こ
れを移動させるための駆動機構に連動しており、制御部
20によってこの駆動機構が制御される。駆動機構とし
ては、例えば電磁力を利用したものを用いることができ
る。
【0040】針付き容器2を装着する際には、回転軸1
4を中心にホルダ12を上方へ回転させた状態で行な
い、装着後は下方へ回転させる。また、採血終了後は、
再びホルダ12を上方へ回転させて、針付き容器2の取
り外し、或は次の採血のために滅菌済の新しいものと交
換する。
【0041】また、対物レンズ16の焦点位置に皮膚表
面が来るように、被採血領域の皮膚をある程度の緊張を
もって押えつけた状態で囲むための枠状の位置調整部材
22が血管移動手段として備えられている。この位置調
整部材22の枠内領域23は、観察光学系による被観察
領域とほぼ一致するもので、位置調整部材22は被観察
領域に設定されたXY座標系内を位置決め機構11の駆
動によって移動するものとした。
【0042】従って、位置調整部材22の移動に伴っ
て、囲まれた皮膚組織が移動させられることにより、該
皮膚組織内の血管も移動し、ホルダ12に保持されてい
る採血手段12の針1先端(XY座標系内での固定位置
にある)に対して血管の位置合わせが行なわれる。
【0043】制御部20は、撮像素子15からの情報に
基づいて位置調整機構22を移動させる位置決め機構2
1を制御し、また針1の穿刺・抜針の際に採血部11動
させるための駆動手段および採血部11の血液吸引機構
を制御するものである。
【0044】以上の如き構成において、実際に採血を行
なう操作を以下に説明する。まず、ホルダ12を回転軸
14を中心として上方に回転させた状態で採血部11に
滅菌済の針付き容器2を装着しておき、位置調整部材2
2が被採血領域23の皮膚(消毒済)を囲む状態となる
ように、採血装置を被採血者の体表面上に設置し固定す
る。装置固定後、ホルダ12を下方へ回転して針1の先
端が被観察領域のXY座標系内における原点位置に来る
ように設定した後、XY座標系内の皮膚表面の観察を開
始する。
【0045】照明光学系において、光源17から出射さ
れた照明光は、レンズ18を通ってハーフミラー19で
反射された光が対物レンズ16を透過して被観察領域内
にある皮膚表面を照明する。皮膚表面から反射された光
は、対物レンズ16を介して撮像素子15の受光面上に
皮膚表面像を結像する。この皮膚表面像には、皮膚表層
部にある血管像も含まれている。
【0046】制御部20は、撮像素子15で取り込んだ
入力像、即ち血管部とそれ以外の領域の分布を画像情報
として処理し、前記XY座標系内において、原点位置、
即ち針1の先端部位置に対して最も近くにある血管を採
血対象の血管として認識し、この認識された血管位置と
原点位置とのずれ量を算出する。
【0047】制御部20は、得られたずれ量に応じた信
号を位置決め調整機構21に出力し、この信号によって
位置決め調整機構21は駆動される。位置決め調整機構
21の駆動によって、位置調整部材22はXY座標系内
において上記ずれ量がなくなる方向、即ち採血対象の血
管位置から原点位置へ向かう方向へ移動する。この移動
に応じて枠内に囲まれた皮膚組織は血管を伴って移動す
る。
【0048】本実施例における採血は、外径0.2mm
以下の微細針を用いており、比較的微細な血管を採血対
象としている。この場合、皮膚表層部には対象とし得る
血管が多数あることになり、位置調整部材22の小さい
枠内領域においても多数の微細血管が存在する。従っ
て、XY座標系における原点位置の付近に血管がある可
能性は高く、原点位置に最も近い血管を採血対象血管と
して認識すれば、そのずれ量は非常に僅かであり、皮膚
移動量が位置調整部材22の移動量とほぼ同一であるた
め、位置調整部材22による皮膚移動での位置合わせは
短時間で容易に行なわれる。
【0049】採血対象の血管がXY座標系の原点位置に
きて針1の先端位置と合致したら、制御部20は、ホル
ダ12へ信号を出力し、ホルダ12の駆動機構を作動さ
せて採血部11を針1の長手方向へ移動させることによ
って針1の先端部を血管に穿刺する。ここでホルダ12
の駆動機構としてソレノイドを利用したものが用いられ
る。採血部11をコアとして、ホルダ12の採血部11
保持部をソレノイドコイルとし、コイルに電流を流して
生じる磁気吸引力によって採血部11がコイルの軸方
向、即ち針1の長手方向に沿って移動する。制御部20
は適当な移動方向、移動量となるように電流を制御す
る。
【0050】採血対象の血管内へ針1が穿刺されたら、
次に制御部20は、採血部11の血液吸引機構の駆動を
制御し、ピストン部材4を上昇させて吸引部先端7の管
内および針つき容器2内を減圧する。この減圧に応じて
血管内に穿刺された針1の内孔から血液が吸引され、針
付き容器2内に血液が導入される。
【0051】なお、予め血液収納容器22内に整理食塩
水や抗血液凝固剤であるヘパリン等を吸入しておいて用
いる場合は、針1を穿刺後、まず、制御部20はピスト
ン部材4を下降させて針付き容器2内に加圧し、容器2
内の溶液を排出した後に、ピストン部材4を上昇させる
よう制御すれば良い。
【0052】必要な採血量に達したら、血液吸引機構の
駆動、即ちピストン部材4の上昇を停止する。この採血
停止の決定は、予め決められた血液吸引機構における単
位時間あたりの採血量から駆動時間の設定によって制御
することができる。あるいは採血量に応じたピストン移
動位置でピストン部材4の移動が停止するように予め停
止位置を設定しておいても良い。
【0053】制御部20は、血液吸引機構の駆動を停止
した後、直ちにホルダ12の駆動手段を作動させ、採血
部11を針1の長手方向に沿って皮膚に対して反対側へ
移動させることによって針1を血管および皮膚表面から
抜針する。
【0054】抜針後、回転軸14を中心にしてホルダ1
2を上方向に回転させ、吸引部先端7の外側に設けられ
た針付き容器取り外し部材5を押し下げることによって
採血部11から針付き容器2をワンタッチで取り外す。
針付き容器2はそのまま血液保存容器として検査・分析
過程に送れば良い。あるいは、採血部11から取り外す
まえに、血液吸引機構を駆動させて容器内に採取された
血液を加圧して別の保管容器へ排出して検査に供しても
良い。次いで他の被採血者に対して採血を行なう場合、
滅菌済の新しい針付き容器に交換し採血部11に装着
し、以下、上記の如き採血操作を繰返せば良い。
【0055】以上の如き本実施例による採血装置では、
採血部11の針付き容器の装着、交換が短時間で容易に
行なえるので、一連の採血操作全体の時間がより短縮化
でき、特に多数の検体を採血する場合に有効である。さ
らに、各検体毎に容易に滅菌済の針及び血液容器が使用
できることになるので、検体にコンタミナーションが生
じることがなく、信頼性の高い正確な検査データが得ら
れる。特に、針付き容器の開口に通気性膜部材を設けて
血液の吸引部への浸入を完全に防止しておけば、検体の
混入や血液感染等の問題も泣く、安全で確実な採血が行
なえる。
【0056】なお、以上に説明した実施例では、針1の
先端と採血対象血管との位置合わせを、制御部20によ
り位置決め調整機構21を介して位置調整部材22を移
動させることによって血管側を移動させて行なう構成と
したが、針1側を移動させて位置合わせを行なう構成と
しても良い。例えば、ホルダ12に、被観測領域のXY
座標系における原点位置にある針1先端がこの原点位置
を基準にして該座標系内を移動するようX−Y方向に採
血部11を移動させる駆動機構をさらに設けることが考
えられる。
【0057】このように針1側を移動させて位置合わせ
を行なう場合、必ずしも位置調整部材22のように被採
血部の皮膚を固定する手段を設ける必要がないが、穿刺
の際にスムーズな針の導入が行なえるように被採血領域
の皮膚をある程度の緊張をもって押えて囲む固定手段が
ある方が望ましい。
【0058】また、上記実施例においては、ホルダ12
の採血部11を移動させる(穿刺・抜針)ための駆動手
段に電磁力を利用したが、これに限らず、採血部11の
移動において制御部20で制御可能に駆動できる機構で
あれば、広く利用可能である。また採血操作機構として
ピストンを利用した血液吸引機構を用いたが、血管に穿
刺された針の内孔を介して容器内へ血液を採取できる程
度に容器の内圧を調整できるものであれば良い。また、
図2のような自動採血装置では、採血時間や採血量を制
御可能に血液吸引できる機構が望ましい。
【0059】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、血液収納
・保管のための容器が穿刺用の採血針を一体に保持し、
採血操作機構に交換可能に装着されるものであるため、
採血毎に新しい容器を交換するだけで、常に検体毎に滅
菌された針及び血液容器が使用できる。
【0060】特に、容器の採血操作機構との連結のため
の開口を、気体を通過させると共に液体の通過を阻止す
る通気性膜部材によって閉鎖することによって、雑菌や
他の検体によるコンタミネーションが完全に防止され、
血液感染の危険性もなくなり、安全でかつ確実な採血が
簡便に行なえるという効果がある。
【0061】また、採血操作機構としてピストンを用い
た血液吸引機構を使用すれば、採血時間の短縮化が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による血液吸引部の概略
構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例による採血装置の概略構
成図である。
【図3】従来の採血操作機構の一例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1:針 2:(針付き)容器 3:吸引部本体 4:ピストン部材 5:針付き容器取り外し部材 6:バネ 7:吸引部先端 8:通気性膜部材 9:テーパ状開口部 11:採血部 12:ホルダ 13:本体 14:回転軸 15:撮像素子 16:対物レンズ 17:光源 18:レンズ 19:ハーフミラー 20:制御部 21:位置決め機構 22:位置調整部材 23:被採血領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管に穿刺して血液を採取するための針
    部材を一体に保持すると共に、前記針部材の内孔と連通
    した血液収容キャビティを有する針付き容器と、 該針付き容器を交換可能に装着して前記血液収容キャビ
    ティの内圧を調整することにより針部材の内孔を介して
    血液収容キャビティ内へ血液を選択的に流入させる採血
    操作機構とを備えたことを特徴とする採血装置。
  2. 【請求項2】 前記針付き容器は、前記採血操作機構と
    の連結のために、前記血液収容キャビティに通じる開口
    を備え、この開口は、気体を通過させると共に液体の通
    過を阻止する通気性膜部材によって閉鎖されていること
    を特徴とする請求項1に記載の採血装置。
  3. 【請求項3】 前記採血操作機構は、前記血液収容キャ
    ビティ内を減圧および/または加圧するピストンを含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の採血装置。
JP6329220A 1994-12-05 1994-12-05 採血装置 Pending JPH08154923A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6329220A JPH08154923A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 採血装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6329220A JPH08154923A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 採血装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08154923A true JPH08154923A (ja) 1996-06-18

Family

ID=18218999

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6329220A Pending JPH08154923A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 採血装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08154923A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7258672B2 (en) 2000-11-30 2007-08-21 Dilab I Lund Ab System and method for automatic taking of specimens
CN103919564A (zh) * 2014-04-28 2014-07-16 田维兵 一种新生儿疾病筛查采血装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7258672B2 (en) 2000-11-30 2007-08-21 Dilab I Lund Ab System and method for automatic taking of specimens
CN103919564A (zh) * 2014-04-28 2014-07-16 田维兵 一种新生儿疾病筛查采血装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5947932A (en) Closed system blood sampling device
US20050283094A1 (en) Disposable lancet and lancing cap combination for increased hygiene
US20040249308A1 (en) Sampling device
JPH08164123A (ja) 採血装置
EP3573670A1 (de) Desinfektionsautomat zur desinfektion der haut und verfahren
US5645537A (en) Aspiration needle and syringe for use therewith, apparatus incorporating the same and kit for use in fine needle aspiration cytology, and method
JP2006346289A (ja) 血液成分採取装置
AU3581600A (en) Apparatus for obtaining liquid samples
JP2012500708A (ja) Hiv濾過装置、この濾過装置を使用してhivを濾過する方法、および、濾過中にhivウイルスを検出する方法
WO2007102599A1 (ja) 検体の採取方法、検査方法、およびこれに用いられるスポイト、検体採取器具
CA2739236C (en) Implantation device for metabolite sensors
US11906410B2 (en) Cell inspection device and cell inspection method
AU6638194A (en) Aspiration cytology apparatus, kit, and method
CN112155576A (zh) 一种全自动的静脉穿刺采血机器人
CN110234372B (zh) 用于自动除气和填充导管的装置和方法
JPH08154923A (ja) 採血装置
JPH08154922A (ja) 採血装置
US20080214957A1 (en) Bone Marrow Aspiration Trocar
JPH08168478A (ja) 採血装置
JPH08164124A (ja) 採血装置
JP3069392B2 (ja) 採血装置
JPH08164125A (ja) 採血装置
EP3801263B1 (en) Capillary blood collection device
JPH08168477A (ja) 採血装置
US6890323B1 (en) Small volume effusion trap