JPH0815232A - 多重周波数渦電流探傷信号の演算処理装置 - Google Patents
多重周波数渦電流探傷信号の演算処理装置Info
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- JPH0815232A JPH0815232A JP6148958A JP14895894A JPH0815232A JP H0815232 A JPH0815232 A JP H0815232A JP 6148958 A JP6148958 A JP 6148958A JP 14895894 A JP14895894 A JP 14895894A JP H0815232 A JPH0815232 A JP H0815232A
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 不要な信号源の信号の影響を除去できると共
に、不要な信号源が複数であっても、また、信号源の大
きさが変化しても、その影響を除去でき、欠陥の検出性
能を向上する。 【構成】 2種類の探傷周波数の探傷信号は、それぞれ
ローパスフィルタ21a,21bに入力されて波形成形
される。成形後、一方の探傷信号例えばローパスフィル
タ21bの出力信号は、演算装置22によって他方の探
傷信号との相関成分が抽出される。この演算装置22で
抽出された相関成分は、減算装置23によって他方のロ
ーパスフィルタ21aから出力される探傷信号より除か
れ、両周波数の探傷信号間で相関のない成分が処理結果
として得られる。相関成分を抽出するための演算係数
は、演算係数調整装置24の処理結果と一方の探傷信号
入力との差によりフィードバックをかけて調整する。
に、不要な信号源が複数であっても、また、信号源の大
きさが変化しても、その影響を除去でき、欠陥の検出性
能を向上する。 【構成】 2種類の探傷周波数の探傷信号は、それぞれ
ローパスフィルタ21a,21bに入力されて波形成形
される。成形後、一方の探傷信号例えばローパスフィル
タ21bの出力信号は、演算装置22によって他方の探
傷信号との相関成分が抽出される。この演算装置22で
抽出された相関成分は、減算装置23によって他方のロ
ーパスフィルタ21aから出力される探傷信号より除か
れ、両周波数の探傷信号間で相関のない成分が処理結果
として得られる。相関成分を抽出するための演算係数
は、演算係数調整装置24の処理結果と一方の探傷信号
入力との差によりフィードバックをかけて調整する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽水炉蒸気発生器伝熱
管等の非破壊検査に適用される多重周波数渦電流探傷信
号の演算処理装置に関する。
管等の非破壊検査に適用される多重周波数渦電流探傷信
号の演算処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば軽水炉蒸気発生器伝熱管等
の非破壊検査には、図7または図8に示す多重周波数渦
電流探傷信号の演算処理装置が用いられている。図7に
示す演算処理装置は、2種類の探傷周波数の信号を処理
する場合の例を示したものである。2種類の探傷周波数
の信号は、それぞれ実数部(x成分)と虚数成分(y成
分)からなり、周波数1を(x1 ,y1 ),周波数2を
(x2 ,y2 )とする。
の非破壊検査には、図7または図8に示す多重周波数渦
電流探傷信号の演算処理装置が用いられている。図7に
示す演算処理装置は、2種類の探傷周波数の信号を処理
する場合の例を示したものである。2種類の探傷周波数
の信号は、それぞれ実数部(x成分)と虚数成分(y成
分)からなり、周波数1を(x1 ,y1 ),周波数2を
(x2 ,y2 )とする。
【0003】渦電流探傷のセンサは、配管の軸方向に時
間と共に移動しながら測定するため、測定結果は次の式
の様な時系列波形として得られる。 x成分=x(t) 但し、t=0,1,2,3,…(サンプリング時間) y成分=y(t) 但し、t=0,1,2,3,…(サンプリング時間) …(1) これらの信号波形について、一般には必要な部分の信号
を取り出すため、ローパスフィルタ10a,10bによ
って成形を行ない、2周波演算処理装置11に入力して
いる。
間と共に移動しながら測定するため、測定結果は次の式
の様な時系列波形として得られる。 x成分=x(t) 但し、t=0,1,2,3,…(サンプリング時間) y成分=y(t) 但し、t=0,1,2,3,…(サンプリング時間) …(1) これらの信号波形について、一般には必要な部分の信号
を取り出すため、ローパスフィルタ10a,10bによ
って成形を行ない、2周波演算処理装置11に入力して
いる。
【0004】従来の手法は、原理的には、探傷周波数に
対して各々の信号源の検出感度が異なることを利用する
ものである。そして、2周波数演算処理装置11は、2
つの探傷信号のうち、一方の周波数の探傷信号の中の特
定の信号源の信号より、他方の探傷信号の中の特定の信
号源の信号と等しくなるように係数を掛け、両者の差を
取ることで特定の信号源の信号の消去を行なうものであ
る。この係数を求める方法として、後述の方法が取られ
ている。
対して各々の信号源の検出感度が異なることを利用する
ものである。そして、2周波数演算処理装置11は、2
つの探傷信号のうち、一方の周波数の探傷信号の中の特
定の信号源の信号より、他方の探傷信号の中の特定の信
号源の信号と等しくなるように係数を掛け、両者の差を
取ることで特定の信号源の信号の消去を行なうものであ
る。この係数を求める方法として、後述の方法が取られ
ている。
【0005】2つの探傷周波数について、特定の消去し
たい信号源の探傷信号波形を用い、ある時間(軸方向位
置)範囲において、下記の演算処理を行ない、その2乗
和が最小となる係数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyをそれぞれ
求める。
たい信号源の探傷信号波形を用い、ある時間(軸方向位
置)範囲において、下記の演算処理を行ない、その2乗
和が最小となる係数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyをそれぞれ
求める。
【0006】 x(t)=x1 (t)−Kxx・x2 (t)−Kxy・y2 (t) y(t)=y1 (t)−Kyx・x2 (t)−Kyy・y2 (t) …(2) この求められた係数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyを用いて、
欠陥を含む複数の信号源からの信号について、上述の
(2)式の演算処理を行ない、特定の信号源の探傷信号
の消去を行なうものである。
欠陥を含む複数の信号源からの信号について、上述の
(2)式の演算処理を行ない、特定の信号源の探傷信号
の消去を行なうものである。
【0007】また、図8に示す演算処理装置は、3種類
の探傷周波数の信号を処理する場合の例を示したもので
ある。3種類の探傷周波数の信号は、それぞれ実数部
(x成分)と虚数成分(y成分)からなり、周波数1を
(x1 ,y1 ),周波数2を(x2 ,y2 ),周波数3
を(x3 ,y3 )とする。
の探傷周波数の信号を処理する場合の例を示したもので
ある。3種類の探傷周波数の信号は、それぞれ実数部
(x成分)と虚数成分(y成分)からなり、周波数1を
(x1 ,y1 ),周波数2を(x2 ,y2 ),周波数3
を(x3 ,y3 )とする。
【0008】渦電流探傷のセンサは、配管の軸方向に時
間と共に移動しながら測定するため、測定結果は上記
(1)式に示した様な時系列波形として得られる。これ
らの信号波形について、一般には必要な部分の信号を取
り出すため、ローパスフィルタ10a,10b,10c
等によって成形を行ない、ローパスフィルタ10a,1
0bの出力を2周波演算処理装置12aに入力し、ロー
パスフィルタ10b,10cの出力を2周波演算処理装
置12bに入力する。そして、この2周波演算処理装置
12a,12bの出力を2周波演算処理装置12cに入
力して処理している。
間と共に移動しながら測定するため、測定結果は上記
(1)式に示した様な時系列波形として得られる。これ
らの信号波形について、一般には必要な部分の信号を取
り出すため、ローパスフィルタ10a,10b,10c
等によって成形を行ない、ローパスフィルタ10a,1
0bの出力を2周波演算処理装置12aに入力し、ロー
パスフィルタ10b,10cの出力を2周波演算処理装
置12bに入力する。そして、この2周波演算処理装置
12a,12bの出力を2周波演算処理装置12cに入
力して処理している。
【0009】まず、3つの探傷周波数のうち2つの探傷
信号を選び、ある特定信号の信号源Aの信号の除去を行
なう。別々の周波数の組合せの2つの探傷信号につい
て、2周波数演算処理装置12a,12bにおいて、特
定の信号源Aを除去した結果の信号が2つ得られる。こ
の2つの信号を用い、更に、2周波数演算処理装置12
cで、別の特定の信号源Bの除去を行なう。従って、3
種類の周波数の探傷信号を用いて、2周波数演算処理装
置12a〜12cを組合せ、2種類の信号源の信号の影
響の除去を実現している。
信号を選び、ある特定信号の信号源Aの信号の除去を行
なう。別々の周波数の組合せの2つの探傷信号につい
て、2周波数演算処理装置12a,12bにおいて、特
定の信号源Aを除去した結果の信号が2つ得られる。こ
の2つの信号を用い、更に、2周波数演算処理装置12
cで、別の特定の信号源Bの除去を行なう。従って、3
種類の周波数の探傷信号を用いて、2周波数演算処理装
置12a〜12cを組合せ、2種類の信号源の信号の影
響の除去を実現している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図7に示した方法によ
ると、演算係数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyは、ある固有の
信号に対して求められた一定値であるため、係数を求め
た特定の信号源からの信号による影響のみ、除去するこ
とが可能である。
ると、演算係数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyは、ある固有の
信号に対して求められた一定値であるため、係数を求め
た特定の信号源からの信号による影響のみ、除去するこ
とが可能である。
【0011】従って、別の信号源からの信号による影響
を除去することは困難で、また、特定の信号源の信号に
ついても、その大きさが異なる場合、影響を零にするこ
とは困難であった。
を除去することは困難で、また、特定の信号源の信号に
ついても、その大きさが異なる場合、影響を零にするこ
とは困難であった。
【0012】これは、各種の信号源それぞれで、影響を
除去できる演算係数が異なること、また、信号源の大き
さに対し信号振幅値と演算係数との関係が線形性を成さ
ない為に生ずるもので、演算係数を増やし個々の信号に
応じて変えていくことが必要となる。
除去できる演算係数が異なること、また、信号源の大き
さに対し信号振幅値と演算係数との関係が線形性を成さ
ない為に生ずるもので、演算係数を増やし個々の信号に
応じて変えていくことが必要となる。
【0013】また、図8に示した方法によると、それぞ
れの2周波数演算処理装置について、信号除去の演算係
数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyは、ある固有の信号に対して
求められた一定値であるが、一つの信号源からの信号を
除去した信号から、さらに別の信号源からの信号の除去
を行なうため、同時に2種類まで信号源からの信号の影
響を除去することが可能である。
れの2周波数演算処理装置について、信号除去の演算係
数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyは、ある固有の信号に対して
求められた一定値であるが、一つの信号源からの信号を
除去した信号から、さらに別の信号源からの信号の除去
を行なうため、同時に2種類まで信号源からの信号の影
響を除去することが可能である。
【0014】しかし、欠陥以外の信号源は2種類以上在
るため、係数を求めた特定の2つの信号源以外からの信
号による影響を、除去することは困難であった。しか
も、係数を求めた特定の信号源からの信号についても、
その大きさが異なる場合に、影響を零にすることは困難
であった。
るため、係数を求めた特定の2つの信号源以外からの信
号による影響を、除去することは困難であった。しか
も、係数を求めた特定の信号源からの信号についても、
その大きさが異なる場合に、影響を零にすることは困難
であった。
【0015】これは、各種の信号源それぞれで、影響を
除去できる演算係数が異なること、また、信号源の大き
さに対し信号振幅値と演算係数との関係が線形性を成さ
ない為に生ずるもので、演算係数を増やし個々の信号に
応じて変えていくことが必要となる。
除去できる演算係数が異なること、また、信号源の大き
さに対し信号振幅値と演算係数との関係が線形性を成さ
ない為に生ずるもので、演算係数を増やし個々の信号に
応じて変えていくことが必要となる。
【0016】また、従来の方法では、さらに多くの信号
源の信号を消去するためには、探傷周波数の種類を増や
し、2周波数演算処理装置を多段に組合せることが必要
であった。この場合、2周波数演算処理装置に入力する
信号の探傷周波数の差が、非常に近いものとなり演算処
理に必要とする探傷周波数による検出性の違いがほとん
ど無くなり、特定の信号源からの信号以外、即ち、必要
とする欠陥からも信号を除去してしまう欠点があった。
その上、演算処理を幾度も行なうため、信号レベルの低
下や計算誤差等による信号の劣化によって、欠陥信号が
検出できなくなるため、検出性が悪くなる必要があっ
た。
源の信号を消去するためには、探傷周波数の種類を増や
し、2周波数演算処理装置を多段に組合せることが必要
であった。この場合、2周波数演算処理装置に入力する
信号の探傷周波数の差が、非常に近いものとなり演算処
理に必要とする探傷周波数による検出性の違いがほとん
ど無くなり、特定の信号源からの信号以外、即ち、必要
とする欠陥からも信号を除去してしまう欠点があった。
その上、演算処理を幾度も行なうため、信号レベルの低
下や計算誤差等による信号の劣化によって、欠陥信号が
検出できなくなるため、検出性が悪くなる必要があっ
た。
【0017】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、信号源が異なっても、これからの信号の影響を除去
し得る多重周波数渦電流探傷信号の演算処理装置を提供
することを目的とする。
で、信号源が異なっても、これからの信号の影響を除去
し得る多重周波数渦電流探傷信号の演算処理装置を提供
することを目的とする。
【0018】また、本発明は、演算処理を増やさずに、
複数の信号源からの信号の影響を確実に除去し得る多重
周波数渦電流探傷信号の演算処理装置を提供することを
目的とする。
複数の信号源からの信号の影響を確実に除去し得る多重
周波数渦電流探傷信号の演算処理装置を提供することを
目的とする。
【0019】更に本発明は、複数の信号源からの探傷信
号について、その種類・大きさの分析・評価を自動的に
行なうことができ、検査員の負担の低減と、検査員に左
右されない信号の客観的評価が可能となる多重周波数渦
電流探傷信号の演算処理装置を提供することを目的とす
る。
号について、その種類・大きさの分析・評価を自動的に
行なうことができ、検査員の負担の低減と、検査員に左
右されない信号の客観的評価が可能となる多重周波数渦
電流探傷信号の演算処理装置を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、2周波数
渦電流探傷試験において、渦電流探傷センサの移動に伴
って得られる周波数別の第1及び第2の探傷信号に対
し、第2の探傷信号から第1の探傷信号の相関成分を求
める演算手段と、この演算手段で求めた相関成分を上記
第1の探傷信号から減算する減算手段と、この減算手段
の出力信号と上記第2の探傷信号との差に基づいて上記
演算手段における演算係数を調整する演算係数調整手段
とを具備したことを特徴とする。
渦電流探傷試験において、渦電流探傷センサの移動に伴
って得られる周波数別の第1及び第2の探傷信号に対
し、第2の探傷信号から第1の探傷信号の相関成分を求
める演算手段と、この演算手段で求めた相関成分を上記
第1の探傷信号から減算する減算手段と、この減算手段
の出力信号と上記第2の探傷信号との差に基づいて上記
演算手段における演算係数を調整する演算係数調整手段
とを具備したことを特徴とする。
【0021】第2の発明は、3周波数渦電流探傷試験に
おいて、渦電流探傷センサの移動に伴って得られる周波
数別の第1ないし第3の探傷信号をそれぞれ波形成形す
る第1ないしい第3の成形手段と、これらの第1ないし
第3の成形手段で成形された探傷信号のうち、2種類の
周波数により検出される信号の差から一種類の特定の信
号源による信号を除去する第1及び第2の2周波数演算
処理手段と、この第1及び第2の2周波数演算処理手段
から出力される2つの周波数の探傷信号間の相関より不
要信号を除去する演算処理手段とを具備したことを特徴
とする。
おいて、渦電流探傷センサの移動に伴って得られる周波
数別の第1ないし第3の探傷信号をそれぞれ波形成形す
る第1ないしい第3の成形手段と、これらの第1ないし
第3の成形手段で成形された探傷信号のうち、2種類の
周波数により検出される信号の差から一種類の特定の信
号源による信号を除去する第1及び第2の2周波数演算
処理手段と、この第1及び第2の2周波数演算処理手段
から出力される2つの周波数の探傷信号間の相関より不
要信号を除去する演算処理手段とを具備したことを特徴
とする。
【0022】第3の発明は、2周波数渦電流探傷試験に
おいて、渦電流探傷センサの移動に伴って得られる周波
数別の第1及び第2の探傷信号に対し、第2の探傷信号
から第1の探傷信号の相関成分を求める演算手段と、こ
の演算手段で求めた相関成分を上記第1の探傷信号から
減算する減算手段と、この減算手段の出力信号と上記第
2の探傷信号との差に基づいて上記演算手段に対する演
算係数を調整する演算係数調整手段と、上記演算手段で
求められる演算係数に基づいて、探傷信号の種類を分析
する信号種類分析手段と、この分析手段の分析結果を表
示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
おいて、渦電流探傷センサの移動に伴って得られる周波
数別の第1及び第2の探傷信号に対し、第2の探傷信号
から第1の探傷信号の相関成分を求める演算手段と、こ
の演算手段で求めた相関成分を上記第1の探傷信号から
減算する減算手段と、この減算手段の出力信号と上記第
2の探傷信号との差に基づいて上記演算手段に対する演
算係数を調整する演算係数調整手段と、上記演算手段で
求められる演算係数に基づいて、探傷信号の種類を分析
する信号種類分析手段と、この分析手段の分析結果を表
示する表示手段とを具備したことを特徴とする。
【0023】
(第1の発明)渦電流探傷センサの移動に伴って得られ
る周波数別の第1及び第2の探傷信号において、一方例
えば第2の探傷信号は、演算手段によって他方、つまり
第1の探傷信号との相関成分が抽出される。この演算手
段で抽出された相関成分は、減算手段によって他方の探
傷信号から除かれ、両周波数の探傷信号間で相関のない
成分が処理結果として得られる。相関成分を抽出するた
めの演算係数は、演算係数調整手段の処理結果と一方の
探傷信号入力の差によりフィードバックをかけて調整さ
れる。
る周波数別の第1及び第2の探傷信号において、一方例
えば第2の探傷信号は、演算手段によって他方、つまり
第1の探傷信号との相関成分が抽出される。この演算手
段で抽出された相関成分は、減算手段によって他方の探
傷信号から除かれ、両周波数の探傷信号間で相関のない
成分が処理結果として得られる。相関成分を抽出するた
めの演算係数は、演算係数調整手段の処理結果と一方の
探傷信号入力の差によりフィードバックをかけて調整さ
れる。
【0024】上記のように2つの探傷周波数の信号間で
相関を求めるため、信号源の大きさや種類が異なって
も、相関がある限り変わりなく、これら信号源からの信
号の影響を取り除くことが可能となる。
相関を求めるため、信号源の大きさや種類が異なって
も、相関がある限り変わりなく、これら信号源からの信
号の影響を取り除くことが可能となる。
【0025】即ち、信号源が複数でも、2つの信号間の
相関に関係を逐次求めて、除去処理を行なうため、影響
を取り除くことができる。 (第2の発明)この第2の発明は、3周波数渦電流探傷
試験において、複数の信号発生源の中から欠陥信号以外
の不要信号を除去する方法として、2周波数演算処理手
段と演算処理手段の2つの異なる演算手段を互いの特徴
を生かした組合せとしている。
相関に関係を逐次求めて、除去処理を行なうため、影響
を取り除くことができる。 (第2の発明)この第2の発明は、3周波数渦電流探傷
試験において、複数の信号発生源の中から欠陥信号以外
の不要信号を除去する方法として、2周波数演算処理手
段と演算処理手段の2つの異なる演算手段を互いの特徴
を生かした組合せとしている。
【0026】(1)1種類の特定した信号発生源により
発生する信号を、2種類の周波数により検出される信号
に係数を乗じ、互いに加算することにより不要信号を除
去する2周波数演算処理手段。
発生する信号を、2種類の周波数により検出される信号
に係数を乗じ、互いに加算することにより不要信号を除
去する2周波数演算処理手段。
【0027】(2)渦電流探傷のセンサが移動しながら
得られる信号列(信号波形)について、2つの周波数の
探傷信号間の相関性に注目し、その差をとることで不要
信号と欠陥信号との差を強調して除去する演算処理手
段。
得られる信号列(信号波形)について、2つの周波数の
探傷信号間の相関性に注目し、その差をとることで不要
信号と欠陥信号との差を強調して除去する演算処理手
段。
【0028】上記演算処理手段は、複数の信号源からの
信号の影響が除去できるが、探傷周波数に対して欠陥と
同様な検出性を持つものは取り除くことができない。そ
こで、2周波数演算処理手段によって、予め演算処理手
段で取り除けない信号源の信号のみの影響を除去する。
信号の影響が除去できるが、探傷周波数に対して欠陥と
同様な検出性を持つものは取り除くことができない。そ
こで、2周波数演算処理手段によって、予め演算処理手
段で取り除けない信号源の信号のみの影響を除去する。
【0029】即ち、演算処理手段で、2つの信号間の相
関の関係を逐次求めて、複数の信号源からの信号を除去
し、この演算処理手段で除去しにくい探傷周波数に対し
て欠陥と同様な検出性を示す信号源からの信号について
は、2周波数演算処理手段で除去する。
関の関係を逐次求めて、複数の信号源からの信号を除去
し、この演算処理手段で除去しにくい探傷周波数に対し
て欠陥と同様な検出性を示す信号源からの信号について
は、2周波数演算処理手段で除去する。
【0030】また、2周波数演算処理手段では、複数の
信号源からの不要信号の除去は、信号源の数より多い数
の周波数の探傷信号が必要となり、処理も複数段となる
ことから感度良く欠陥信号を抽出することは非常に困難
である。従って、複数信号源からの信号の除去には、演
算処理手段により行なうものとする。
信号源からの不要信号の除去は、信号源の数より多い数
の周波数の探傷信号が必要となり、処理も複数段となる
ことから感度良く欠陥信号を抽出することは非常に困難
である。従って、複数信号源からの信号の除去には、演
算処理手段により行なうものとする。
【0031】探傷周波数に対し、欠陥と同様な検出性を
示す信号源は数が限られているため、2周波数演算処理
手段により、特定の1つの信号源の信号の影響の除去で
対応できるため、これら2周波数演算処理手段と演算処
理手段を組合せ、互いの欠点を補う形で、それぞれ一度
ずつ処理を行なうことで、演算処理回数が少なく、か
つ、複数の信号源を除去することができる。
示す信号源は数が限られているため、2周波数演算処理
手段により、特定の1つの信号源の信号の影響の除去で
対応できるため、これら2周波数演算処理手段と演算処
理手段を組合せ、互いの欠点を補う形で、それぞれ一度
ずつ処理を行なうことで、演算処理回数が少なく、か
つ、複数の信号源を除去することができる。
【0032】(第3の発明)信号源の種類や大きさを、
演算手段、減算手段、演算係数調整手段によって、2つ
の探傷周波数の信号間での相関の演算係数として求めて
いるので、演算係数を探傷周波数を増やすことなく容易
に増やすことができ、かつ、信号源の種類や大きさに応
じた特徴量として演算係数を得ることができる。そし
て、この演算係数の信号に応じた特徴を信号種類分析手
段によって判別・評価することで、渦電流探傷信号の種
類の自動分析による客観的評価が可能となる。
演算手段、減算手段、演算係数調整手段によって、2つ
の探傷周波数の信号間での相関の演算係数として求めて
いるので、演算係数を探傷周波数を増やすことなく容易
に増やすことができ、かつ、信号源の種類や大きさに応
じた特徴量として演算係数を得ることができる。そし
て、この演算係数の信号に応じた特徴を信号種類分析手
段によって判別・評価することで、渦電流探傷信号の種
類の自動分析による客観的評価が可能となる。
【0033】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。 (第1実施例)図1は、2種類の探傷周波数の信号を処
理する場合の演算処理装置の構成例を示すブロック図で
ある。
る。 (第1実施例)図1は、2種類の探傷周波数の信号を処
理する場合の演算処理装置の構成例を示すブロック図で
ある。
【0034】図1において、渦電流探傷センサの移動に
伴って得られる周波数別、即ち、2種類の周波数による
探傷信号は、それぞれ波形成形用のローパスフィルタ2
1a,21bに入力されて成形される。成形後、一方の
探傷信号例えばローパスフィルタ21bの出力信号は、
演算装置22によって他方の探傷信号との相関成分が抽
出される。この演算装置22で抽出された相関成分は、
減算装置23によって他方のローパスフィルタ21aか
ら出力される探傷信号より除かれ、両周波数の探傷信号
間で相関のない成分が処理結果として得られる。相関成
分を抽出するための演算係数は、演算係数調整装置24
によって、減算装置23の出力とローパスフィルタ21
bから出力される一方の探傷信号の入力差によりフィー
ドバックをかけて調整を行なっている。
伴って得られる周波数別、即ち、2種類の周波数による
探傷信号は、それぞれ波形成形用のローパスフィルタ2
1a,21bに入力されて成形される。成形後、一方の
探傷信号例えばローパスフィルタ21bの出力信号は、
演算装置22によって他方の探傷信号との相関成分が抽
出される。この演算装置22で抽出された相関成分は、
減算装置23によって他方のローパスフィルタ21aか
ら出力される探傷信号より除かれ、両周波数の探傷信号
間で相関のない成分が処理結果として得られる。相関成
分を抽出するための演算係数は、演算係数調整装置24
によって、減算装置23の出力とローパスフィルタ21
bから出力される一方の探傷信号の入力差によりフィー
ドバックをかけて調整を行なっている。
【0035】次に上記実施例の具体的な処理動作につい
て説明する。渦電流探傷センサのある位置、即ち、ある
時間tにおける一方の探傷信号x1(t)、y1 (t)
は、2つの周波数の探傷信号間の伝達関数H(n)が判
れば、他方の探傷信号x2 (t),y2 (t)の前後N
個の信号値から、次に示す(3)式で求めることができ
る。ここで、Nの値については、理想的としては無限大
必要で有るが、実用上問題の無い値をとるものとする。
て説明する。渦電流探傷センサのある位置、即ち、ある
時間tにおける一方の探傷信号x1(t)、y1 (t)
は、2つの周波数の探傷信号間の伝達関数H(n)が判
れば、他方の探傷信号x2 (t),y2 (t)の前後N
個の信号値から、次に示す(3)式で求めることができ
る。ここで、Nの値については、理想的としては無限大
必要で有るが、実用上問題の無い値をとるものとする。
【0036】
【数1】
【0037】従って、伝達関数が求められると、この伝
達関数を掛けて得られる信号と実際の探傷信号の差を次
の(4)式に示す様に求めることにより、2つの周波数
で検出性の大きく異なる信号、即ち、欠陥信号を抽出す
ることができる。図1では、ローパスフィルタ21bの
出力を、演算装置22で伝達関数を掛け、ローパスフィ
ルタ21aの出力との差を減算装置23で求めて出力し
ている。
達関数を掛けて得られる信号と実際の探傷信号の差を次
の(4)式に示す様に求めることにより、2つの周波数
で検出性の大きく異なる信号、即ち、欠陥信号を抽出す
ることができる。図1では、ローパスフィルタ21bの
出力を、演算装置22で伝達関数を掛け、ローパスフィ
ルタ21aの出力との差を減算装置23で求めて出力し
ている。
【0038】
【数2】
【0039】この伝達関数を求める方法としては、図1
に示すように処理結果の値、即ち、2つの信号の差をフ
ィードバックし、この2乗平均が最小となる様に演算係
数調整装置24によって、フィルタの係数を変えて特性
を求めている。
に示すように処理結果の値、即ち、2つの信号の差をフ
ィードバックし、この2乗平均が最小となる様に演算係
数調整装置24によって、フィルタの係数を変えて特性
を求めている。
【0040】具体的には、時間tでの出力(差)の2乗
に対して伝達関数H(n)についての微分係数を求め、
この微分係数が正ならばH(n)をΔだけ減少させ、負
ならばH(n)をΔだけ増加させることで、誤差を小さ
く収束させていくと共に、伝達関数がフィルタの係数と
して求められる。このΔの値については、安定に収束す
る値に調整しておく。
に対して伝達関数H(n)についての微分係数を求め、
この微分係数が正ならばH(n)をΔだけ減少させ、負
ならばH(n)をΔだけ増加させることで、誤差を小さ
く収束させていくと共に、伝達関数がフィルタの係数と
して求められる。このΔの値については、安定に収束す
る値に調整しておく。
【0041】以上の演算処理の構成によって、2つの探
傷周波数の信号波形は、ローパスフィルタ21a,21
bで波形成形された後、演算装置22、演算係数調整装
置24によって、2つの信号間の伝達関数が求められる
と同時に、その差が演算出力される。
傷周波数の信号波形は、ローパスフィルタ21a,21
bで波形成形された後、演算装置22、演算係数調整装
置24によって、2つの信号間の伝達関数が求められる
と同時に、その差が演算出力される。
【0042】探傷周波数については、2つの周波数で欠
陥信号の検出性の差が大きい周波数を選択し、複数の信
号源からの信号を含む探傷信号が入力されても、それら
の信号において2つの探傷周波数間の伝達関数を求め、
その差を取ることで他の信号源からの信号の影響を除去
して欠陥信号を抽出することができる。
陥信号の検出性の差が大きい周波数を選択し、複数の信
号源からの信号を含む探傷信号が入力されても、それら
の信号において2つの探傷周波数間の伝達関数を求め、
その差を取ることで他の信号源からの信号の影響を除去
して欠陥信号を抽出することができる。
【0043】(第2実施例)図2は、3種類の探傷周波
数の信号を処理する場合の演算処理装置の構成例を示す
ブロック図である。
数の信号を処理する場合の演算処理装置の構成例を示す
ブロック図である。
【0044】3種類の探傷周波数の探傷信号は、それぞ
れローパスフィルタ21a〜21cで波形成形された
後、別々の周波数の探傷信号の組合せで、2周波数演算
処理装置31a,31bに入力される。この2周波数演
算処理装置31a,31bで、ある特定の信号源からの
信号が取り除かれる。
れローパスフィルタ21a〜21cで波形成形された
後、別々の周波数の探傷信号の組合せで、2周波数演算
処理装置31a,31bに入力される。この2周波数演
算処理装置31a,31bで、ある特定の信号源からの
信号が取り除かれる。
【0045】次に、2つの2周波数演算処理装置31
a,31bの出力は、演算処理装置32に入力され、そ
こで2つの信号間の相関を求め、一方の探傷信号に相関
から求められた係数を掛け、それを他方の探傷信号から
引いた結果を出力する。この出力が、複数の信号源から
の信号の影響を取り除いた信号となる。
a,31bの出力は、演算処理装置32に入力され、そ
こで2つの信号間の相関を求め、一方の探傷信号に相関
から求められた係数を掛け、それを他方の探傷信号から
引いた結果を出力する。この出力が、複数の信号源から
の信号の影響を取り除いた信号となる。
【0046】図3は、3種類の探傷周波数の信号を処理
する場合における演算処理装置の他の構成例を示したも
のである。図3に示す実施例は、図2の場合とは逆に、
ローパスフィルタ21a〜21cによる波形成形の後、
別々の探傷周波数の探傷信号の組合せで、演算処理装置
32a,32bに入力される。ここで、2つの信号間の
相関を求め、一方の探傷信号に相関から求められた係数
を掛け、それを他方の探傷信号から引いた結果が出力さ
れる。次に、2つの演算処理装置32a,32bの出力
は、2周波演算処理装置31に入力され、ここで前段の
演算処理装置で取り除かれなかった信号源からの信号の
一つを除去する。この出力が、複数の信号源からの信号
の影響を取り除いた信号となる。
する場合における演算処理装置の他の構成例を示したも
のである。図3に示す実施例は、図2の場合とは逆に、
ローパスフィルタ21a〜21cによる波形成形の後、
別々の探傷周波数の探傷信号の組合せで、演算処理装置
32a,32bに入力される。ここで、2つの信号間の
相関を求め、一方の探傷信号に相関から求められた係数
を掛け、それを他方の探傷信号から引いた結果が出力さ
れる。次に、2つの演算処理装置32a,32bの出力
は、2周波演算処理装置31に入力され、ここで前段の
演算処理装置で取り除かれなかった信号源からの信号の
一つを除去する。この出力が、複数の信号源からの信号
の影響を取り除いた信号となる。
【0047】次に、上記図2及び図3の各構成図におけ
る2周波演算処理装置31,31a,31bと、演算処
理装置32,32a,32bの動作を説明する。2周波
演算処理装置31,31a,31bにおいては、従来と
同様に、2つの探傷周波数について、特定の消去したい
信号源の探傷信号波形を用い、ある時間(軸方向位置)
範囲において、下記の演算処理を行ない、その2乗和が
最小となる係数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyをそれぞれ求め
る。
る2周波演算処理装置31,31a,31bと、演算処
理装置32,32a,32bの動作を説明する。2周波
演算処理装置31,31a,31bにおいては、従来と
同様に、2つの探傷周波数について、特定の消去したい
信号源の探傷信号波形を用い、ある時間(軸方向位置)
範囲において、下記の演算処理を行ない、その2乗和が
最小となる係数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyをそれぞれ求め
る。
【0048】 x(t)=x1 (t)−Kxx・x2 (t)−Kxy・y2 (t) y(t)=y1 (t)−Kyx・x2 (t)−Kyy・y2 (t) …(5) この求められた係数Kxx,Kxy,Kyx,Kyyを用いて、
欠陥を含む複数の信号源からの信号について、上述の
(5)式の演算処理を行ない、特定の信号源の探傷信号
の消去を行なっている。
欠陥を含む複数の信号源からの信号について、上述の
(5)式の演算処理を行ない、特定の信号源の探傷信号
の消去を行なっている。
【0049】図4は、上記演算処理装置32,32a,
32bの内部構成の例を示したものである。即ち、2種
類の入力信号1,2が与えられると、一方、例えば入力
信号2が演算装置22によって他方の入力信号1との相
関成分が抽出される。この演算装置22で抽出された相
関成分は、減算装置23によって他方の入力信号から除
かれ、両周波数の信号間で相関のない成分が処理結果と
して得られる。相関成分を抽出するための演算係数は、
演算係数調整装置24によって処理結果と一方の入力信
号1との差によりフィードバックをかけて調整を行な
う。
32bの内部構成の例を示したものである。即ち、2種
類の入力信号1,2が与えられると、一方、例えば入力
信号2が演算装置22によって他方の入力信号1との相
関成分が抽出される。この演算装置22で抽出された相
関成分は、減算装置23によって他方の入力信号から除
かれ、両周波数の信号間で相関のない成分が処理結果と
して得られる。相関成分を抽出するための演算係数は、
演算係数調整装置24によって処理結果と一方の入力信
号1との差によりフィードバックをかけて調整を行な
う。
【0050】上記入力信号として、例えば探傷周波数1
及び2の信号(x1 ,y1 ),(x2 ,y2 )が与えら
れる。以下、この演算処理装置における処理を具体的に
示す。
及び2の信号(x1 ,y1 ),(x2 ,y2 )が与えら
れる。以下、この演算処理装置における処理を具体的に
示す。
【0051】ある位置、即ち、ある時間tにおける一方
の探傷信号x1 (t)、y1 (t)は、2つの周波数の
探傷信号間の伝達関数H(n)が判れば、他方の探傷信
号x2 (t),y2 (t)の前後N個の信号値から、前
記(3)式を用いて求めることができる。ここで、Nの
値については、理想的としては無限大必要で有るが、実
用上問題の無い値を取るものとする。
の探傷信号x1 (t)、y1 (t)は、2つの周波数の
探傷信号間の伝達関数H(n)が判れば、他方の探傷信
号x2 (t),y2 (t)の前後N個の信号値から、前
記(3)式を用いて求めることができる。ここで、Nの
値については、理想的としては無限大必要で有るが、実
用上問題の無い値を取るものとする。
【0052】従って、伝達関数が求められると、この伝
達関数を掛けて得られる信号と実際の探傷信号の差を前
記(4)式に示した様に求め、2つの周波数で検出性の
大きく異なる信号、即ち、欠陥信号を抽出する。
達関数を掛けて得られる信号と実際の探傷信号の差を前
記(4)式に示した様に求め、2つの周波数で検出性の
大きく異なる信号、即ち、欠陥信号を抽出する。
【0053】図4では、入力2を演算装置22で伝達関
数を掛け、入力1との差を減算装置23で求めて出力し
ている。上記伝達関数は、信号出力値、即ち、2つの信
号の差をフィードバックし、その2乗平均が最小となる
様に演算係数調整装置24によって、フィルタの係数を
変えて特性を求めている。
数を掛け、入力1との差を減算装置23で求めて出力し
ている。上記伝達関数は、信号出力値、即ち、2つの信
号の差をフィードバックし、その2乗平均が最小となる
様に演算係数調整装置24によって、フィルタの係数を
変えて特性を求めている。
【0054】具体的には、時間tでの出力(差)の2乗
に対して伝達関数H(n)についての微分係数を求め、
この微分係数が正ならば伝達関数H(n)をΔだけ減少
させ、負ならば伝達関数H(n)をΔだけ増加させるこ
とで、誤差を小さく収束させていくと共に、伝達関数を
フィルタの係数として求めている。このΔの値について
は、安定に収束する値に調整しておく。
に対して伝達関数H(n)についての微分係数を求め、
この微分係数が正ならば伝達関数H(n)をΔだけ減少
させ、負ならば伝達関数H(n)をΔだけ増加させるこ
とで、誤差を小さく収束させていくと共に、伝達関数を
フィルタの係数として求めている。このΔの値について
は、安定に収束する値に調整しておく。
【0055】以上の演算処理によって、入力信号間で相
関のある信号源の信号の除去を行なっている。上記のよ
うに演算処理装置の組合せによって、複数の信号源から
の影響を取り除き、欠陥信号の抽出を容易に行なうこと
ができる。
関のある信号源の信号の除去を行なっている。上記のよ
うに演算処理装置の組合せによって、複数の信号源から
の影響を取り除き、欠陥信号の抽出を容易に行なうこと
ができる。
【0056】(第3実施例)次に多重周波数渦電流探傷
信号の種類分析装置について説明する。図5は、2種類
の探傷周波数の信号を分析する場合の構成例を示したも
のである。
信号の種類分析装置について説明する。図5は、2種類
の探傷周波数の信号を分析する場合の構成例を示したも
のである。
【0057】図5に示すように、2種類の探傷周波数の
探傷信号は、それぞれ波形成形用のローパスフィルタ2
1a,21bを通った後、一方の探傷周波数の信号、例
えばローパスフィルタ21aの出力が演算装置22に入
力される。演算装置22では、入力された探傷信号に演
算係数を掛け、他方の探傷信号と減算装置23によって
差が出力される。この減算装置の出力を受けて、演算係
数調整装置24では、減算装置23の出力が最小となる
ように演算装置22の演算係数の調整を行なう。上記演
算装置22の演算係数は、信号種類分析装置41へ送ら
れる。この信号種類分析装置41は、信号種類や大きさ
に対する演算係数の特徴を抽出し、探傷信号の自動分析
評価を行ない、その結果を結果表示装置42に出力して
表示する。
探傷信号は、それぞれ波形成形用のローパスフィルタ2
1a,21bを通った後、一方の探傷周波数の信号、例
えばローパスフィルタ21aの出力が演算装置22に入
力される。演算装置22では、入力された探傷信号に演
算係数を掛け、他方の探傷信号と減算装置23によって
差が出力される。この減算装置の出力を受けて、演算係
数調整装置24では、減算装置23の出力が最小となる
ように演算装置22の演算係数の調整を行なう。上記演
算装置22の演算係数は、信号種類分析装置41へ送ら
れる。この信号種類分析装置41は、信号種類や大きさ
に対する演算係数の特徴を抽出し、探傷信号の自動分析
評価を行ない、その結果を結果表示装置42に出力して
表示する。
【0058】次に上記実施例の動作を説明する。以上の
構成によって、2つの探傷周波数の信号波形は、ローパ
スフィルタ21a,21bで波形成形された後、2つの
信号間の相関を示す伝達関数として、演算装置22の演
算係数が求められる。この演算係数は、前記第1実施例
と同様にして求められるので、その詳細については省略
する。
構成によって、2つの探傷周波数の信号波形は、ローパ
スフィルタ21a,21bで波形成形された後、2つの
信号間の相関を示す伝達関数として、演算装置22の演
算係数が求められる。この演算係数は、前記第1実施例
と同様にして求められるので、その詳細については省略
する。
【0059】以下、信号種類分析装置41における処理
について説明する。ここでは信号種類分析装置41にニ
ューラルネットワークを使用した場合について説明す
る。図6にニューラルネットワークの概念図を示す。こ
のニューラルネットワークは、少なくとも1個の入力層
51と1個の出力層53、及び1個以上の中間層52を
有する構造を持っている。各層に属するノード数は任意
の数に変更可能な構造となっている。
について説明する。ここでは信号種類分析装置41にニ
ューラルネットワークを使用した場合について説明す
る。図6にニューラルネットワークの概念図を示す。こ
のニューラルネットワークは、少なくとも1個の入力層
51と1個の出力層53、及び1個以上の中間層52を
有する構造を持っている。各層に属するノード数は任意
の数に変更可能な構造となっている。
【0060】入力層51と中間層52の関係は、結合係
数wijを用いて表現される。すなわち、入力xi (i=
1,I)が与えられた場合の中間層yj への入力の総和
sumj は
数wijを用いて表現される。すなわち、入力xi (i=
1,I)が与えられた場合の中間層yj への入力の総和
sumj は
【0061】
【数3】 となる。また、入力の総和sum j と中間層yj との関係
式には、下式で与えられるシグモイド関数と呼ばれる応
答関数を用いる。
式には、下式で与えられるシグモイド関数と呼ばれる応
答関数を用いる。
【0062】
【数4】
【0063】シグモイド関数では、入力Xが閾値θに等
しいときに1/2であり、常に出力は「0」と「1」の
間の値をとる。従って、中間層yj の値もシグモイド関
数を使用する場合には「0」と「1」の間の規格された
値を自動的にとる。また、中間層52と出力層53の関
係にも入力層51と中間層52の関係と同様の関係を用
いることができる。すなわち、出力層53への入力net
k は結合係数vjkを用いて以下のように与えられる。
しいときに1/2であり、常に出力は「0」と「1」の
間の値をとる。従って、中間層yj の値もシグモイド関
数を使用する場合には「0」と「1」の間の規格された
値を自動的にとる。また、中間層52と出力層53の関
係にも入力層51と中間層52の関係と同様の関係を用
いることができる。すなわち、出力層53への入力net
k は結合係数vjkを用いて以下のように与えられる。
【0064】
【数5】
【0065】この入力を同様にシグモイド関数に代入す
ると出力zk が与えられる。結合係数が決定されれば、
入力に対して容易に出力が得られる。結合係数wij及び
vjkの決定にはバックプロパゲーションによる教師付き
学習手法を用いる。
ると出力zk が与えられる。結合係数が決定されれば、
入力に対して容易に出力が得られる。結合係数wij及び
vjkの決定にはバックプロパゲーションによる教師付き
学習手法を用いる。
【0066】具体的には教師信号として欠陥単体信号、
付着物単体信号、デント単体信号、支持板単体信号及び
これらの複合信号が使用され、これらの信号を演算装置
22に入力して求められた演算係数が入力層51のノー
ドに入力されてニューラルネットワークの結合係数が決
定される。
付着物単体信号、デント単体信号、支持板単体信号及び
これらの複合信号が使用され、これらの信号を演算装置
22に入力して求められた演算係数が入力層51のノー
ドに入力されてニューラルネットワークの結合係数が決
定される。
【0067】結合係数が決定された後にニューラルネッ
トワークは信号種類分析装置41として機能する。出力
層の各ノードは「0」から「1」の出力を持ち、この値
により、欠陥、付着物、支持板、変形等の判別及び定量
判定が行なわれる。
トワークは信号種類分析装置41として機能する。出力
層の各ノードは「0」から「1」の出力を持ち、この値
により、欠陥、付着物、支持板、変形等の判別及び定量
判定が行なわれる。
【0068】以上、信号種類分析装置41にニューラル
ネットワークを用いた場合について説明したが、この信
号種類分析装置41を、同様な機能を有する統計処理装
置等に置き換えることも可能である。
ネットワークを用いた場合について説明したが、この信
号種類分析装置41を、同様な機能を有する統計処理装
置等に置き換えることも可能である。
【0069】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、多
重周波数渦電流探傷試験において、2つの探傷周波数の
信号間の相関を求めているので、相関がある限り、検出
目的以外の不要な信号源の信号の影響を除去できると共
に、不要な信号源の信号が複数であっても、また、信号
源の大きさが変化しても、その影響を除去でき、欠陥の
検出性能を向上することができる。また、本発明によれ
ば、2種類の不要信号の除去の演算方法を組合せること
で、探傷周波数の種類を少なく、演算処理も少なく、複
数の信号源からの信号を除去できる。更に本発明によれ
ば、複数の信号源からの探傷信号について、その種類・
大きさの分析・評価を自動的に行なうことができ、検査
員の負担の低減と、検査員に左右されない信号の客観的
評価が可能となる。
重周波数渦電流探傷試験において、2つの探傷周波数の
信号間の相関を求めているので、相関がある限り、検出
目的以外の不要な信号源の信号の影響を除去できると共
に、不要な信号源の信号が複数であっても、また、信号
源の大きさが変化しても、その影響を除去でき、欠陥の
検出性能を向上することができる。また、本発明によれ
ば、2種類の不要信号の除去の演算方法を組合せること
で、探傷周波数の種類を少なく、演算処理も少なく、複
数の信号源からの信号を除去できる。更に本発明によれ
ば、複数の信号源からの探傷信号について、その種類・
大きさの分析・評価を自動的に行なうことができ、検査
員の負担の低減と、検査員に左右されない信号の客観的
評価が可能となる。
【図1】本発明の第1実施例に係る演算処理装置のブロ
ック図。
ック図。
【図2】本発明の第2実施例に係る演算処理装置のブロ
ック図。
ック図。
【図3】本発明の第2実施例における演算処理装置の他
の構成例を示すブロック図。
の構成例を示すブロック図。
【図4】本発明の第2実施例における演算処理装置の内
部構成を示すブロック図。
部構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第3実施例に係る演算処理装置のブロ
ック図。
ック図。
【図6】本発明の第3実施例における信号種類分析装置
として使用されるニューラルネットワークの概念図。
として使用されるニューラルネットワークの概念図。
【図7】従来の2種類の探傷周波数の信号を処理する場
合の演算処理装置を示すブロック図。
合の演算処理装置を示すブロック図。
【図8】従来の3種類の探傷周波数の信号を処理する場
合の演算処理装置を示すブロック図。
合の演算処理装置を示すブロック図。
21a〜21c ローパスフィルタ 22 演算装置 23 減算装置 24 演算係数調整装置 31,31a,31b 2周波数演算処理装置 32,32a,32b 演算処理装置 41 信号種類分析装置 42 結果表示装置
Claims (3)
- 【請求項1】 2周波数渦電流探傷試験において、渦電
流探傷センサの移動に伴って得られる周波数別の第1及
び第2の探傷信号に対し、第2の探傷信号から第1の探
傷信号の相関成分を求める演算手段と、この演算手段で
求めた相関成分を上記第1の探傷信号から減算する減算
手段と、この減算手段の出力信号と上記第2の探傷信号
との差に基づいて上記演算手段における演算係数を調整
する演算係数調整手段とを具備したことを特徴とする多
重周波数渦電流探傷信号の演算処理装置。 - 【請求項2】 3周波数渦電流探傷試験において、渦電
流探傷センサの移動に伴って得られる周波数別の第1な
いし第3の探傷信号をそれぞれ波形成形する第1ないし
い第3の成形手段と、これらの第1ないし第3の成形手
段で成形された探傷信号のうち、2種類の周波数により
検出される信号の差から一種類の特定の信号源による信
号を除去する第1及び第2の2周波数演算処理手段と、
この第1及び第2の2周波数演算処理手段から出力され
る2つの周波数の探傷信号間の相関より不要信号を除去
する演算処理手段とを具備したことを特徴とする多重周
波数渦電流探傷信号の演算処理装置。 - 【請求項3】 2周波数渦電流探傷試験において、渦電
流探傷センサの移動に伴って得られる周波数別の第1及
び第2の探傷信号に対し、第2の探傷信号から第1の探
傷信号の相関成分を求める演算手段と、この演算手段で
求めた相関成分を上記第1の探傷信号から減算する減算
手段と、この減算手段の出力信号と上記第2の探傷信号
との差に基づいて上記演算手段に対する演算係数を調整
する演算係数調整手段と、上記演算手段で求められる演
算係数に基づいて、探傷信号の種類を分析する信号種類
分析手段と、この分析手段の分析結果を表示する表示手
段とを具備したことを特徴とする多重周波数渦電流探傷
信号の演算処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6148958A JPH0815232A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 多重周波数渦電流探傷信号の演算処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6148958A JPH0815232A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 多重周波数渦電流探傷信号の演算処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0815232A true JPH0815232A (ja) | 1996-01-19 |
Family
ID=15464469
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6148958A Withdrawn JPH0815232A (ja) | 1994-06-30 | 1994-06-30 | 多重周波数渦電流探傷信号の演算処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0815232A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007225564A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 渦流探傷信号の評価方法及び装置 |
-
1994
- 1994-06-30 JP JP6148958A patent/JPH0815232A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007225564A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 渦流探傷信号の評価方法及び装置 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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