JPH0815132A - 表面プラズモン発生用光線反射器 - Google Patents
表面プラズモン発生用光線反射器Info
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- JPH0815132A JPH0815132A JP15318194A JP15318194A JPH0815132A JP H0815132 A JPH0815132 A JP H0815132A JP 15318194 A JP15318194 A JP 15318194A JP 15318194 A JP15318194 A JP 15318194A JP H0815132 A JPH0815132 A JP H0815132A
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- Japan
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- thin film
- reflector
- light
- surface plasmon
- film
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 金属薄膜への酸素の接触を防ぎ高い感度と再
現性で測定する。 【構成】 表面プラズモン発生用光線反射器3と、表面
プラズモン発生用光線反射器3に表面プラズモン4を励
起するレーザ光5を射出する半導体レーザ照射器6とを
有する。またレーザ光5が反射した反射光51を受光し
強度を測定する受光部7を備える。表面プラズモン発生
用光線反射器3は、レーザ光5を反射する固定台31
と、固定台31を側面の取付け平面32に取り付けるプ
リズム33とを有する。固定台31には厚さ数十nmの
銀の薄膜35が蒸着される。さらに銀の薄膜35の生体
反応膜21側の表面には、酸素の接触を防止し生体反応
膜21を固定するポリ尿素の薄膜36が蒸着重合され
る。ポリ尿素の薄膜36にはポーリングが施されると共
に生体反応膜21が固定される。固定台31は、ガラス
製の基板34と、基板34を取付け平面32に接着する
マッチング油37とからなる。
現性で測定する。 【構成】 表面プラズモン発生用光線反射器3と、表面
プラズモン発生用光線反射器3に表面プラズモン4を励
起するレーザ光5を射出する半導体レーザ照射器6とを
有する。またレーザ光5が反射した反射光51を受光し
強度を測定する受光部7を備える。表面プラズモン発生
用光線反射器3は、レーザ光5を反射する固定台31
と、固定台31を側面の取付け平面32に取り付けるプ
リズム33とを有する。固定台31には厚さ数十nmの
銀の薄膜35が蒸着される。さらに銀の薄膜35の生体
反応膜21側の表面には、酸素の接触を防止し生体反応
膜21を固定するポリ尿素の薄膜36が蒸着重合され
る。ポリ尿素の薄膜36にはポーリングが施されると共
に生体反応膜21が固定される。固定台31は、ガラス
製の基板34と、基板34を取付け平面32に接着する
マッチング油37とからなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属と誘電体との境界
に伝播する電子の疎密波である表面プラズモンの共振を
利用して生体反応を測定するための表面プラズモン発生
用光線反射器に関する。
に伝播する電子の疎密波である表面プラズモンの共振を
利用して生体反応を測定するための表面プラズモン発生
用光線反射器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体反応測定装置に用いられてい
る表面プラズモン発生用光線反射器は、生体の試料を置
く固定台と、固定台を側面の取付け平面に取り付けるプ
リズムとからなる。プリズムは、三角柱形状または半円
柱形状をなし取付け平面が水平となるように支持され、
取付け平面にマッチング油により固定台が接着されてい
る。固定台はマッチング油により取付け平面に接着され
るガラス製の基板を有し、この基板の上に金属薄膜が蒸
着されている。そしてこの金属薄膜の上に生体の試料が
置かれ、この試料は金属薄膜との接触部が金属薄膜に沿
った膜状の生体反応膜を呈し、自然吸着法やLB法によ
って金属薄膜に固定される。
る表面プラズモン発生用光線反射器は、生体の試料を置
く固定台と、固定台を側面の取付け平面に取り付けるプ
リズムとからなる。プリズムは、三角柱形状または半円
柱形状をなし取付け平面が水平となるように支持され、
取付け平面にマッチング油により固定台が接着されてい
る。固定台はマッチング油により取付け平面に接着され
るガラス製の基板を有し、この基板の上に金属薄膜が蒸
着されている。そしてこの金属薄膜の上に生体の試料が
置かれ、この試料は金属薄膜との接触部が金属薄膜に沿
った膜状の生体反応膜を呈し、自然吸着法やLB法によ
って金属薄膜に固定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまで金属薄膜の材
料として用いられている金は、酸化の問題はないが感度
が悪い上に高価である欠点があった。しかるに、より安
価な銀は感度が非常に良く生体反応の検知体として好都
合である反面酸化し易いことから表面プラズモンの共振
に悪影響を及ぼす問題点があった。また銀の薄膜に試料
が直接接触することによって酸化現象が生じやすく、試
料の固定が困難であった。本発明の目的は、金属薄膜へ
の酸素の接触を防ぎ高い感度と再現性で生体反応を測定
し得る表面プラズモン発生用光線反射器の提供にある。
料として用いられている金は、酸化の問題はないが感度
が悪い上に高価である欠点があった。しかるに、より安
価な銀は感度が非常に良く生体反応の検知体として好都
合である反面酸化し易いことから表面プラズモンの共振
に悪影響を及ぼす問題点があった。また銀の薄膜に試料
が直接接触することによって酸化現象が生じやすく、試
料の固定が困難であった。本発明の目的は、金属薄膜へ
の酸素の接触を防ぎ高い感度と再現性で生体反応を測定
し得る表面プラズモン発生用光線反射器の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部からの光
が内部を進み外部との界面において反射する反射体と、
一方の表面が前記界面に接触し前記光の反射によりエバ
ネッセント波を生ずる第1表面をなし、他方の表面が前
記光の反射により表面プラズモンを発生させる第2表面
をなす金属薄膜と、前記第2表面を被覆して前記金属薄
膜が外部と接触するのを防ぐと共に、測定しようとする
生体の試料を固着する有機物の薄膜とを備える表面プラ
ズモン発生用光線反射器を技術的手段として採用する。
が内部を進み外部との界面において反射する反射体と、
一方の表面が前記界面に接触し前記光の反射によりエバ
ネッセント波を生ずる第1表面をなし、他方の表面が前
記光の反射により表面プラズモンを発生させる第2表面
をなす金属薄膜と、前記第2表面を被覆して前記金属薄
膜が外部と接触するのを防ぐと共に、測定しようとする
生体の試料を固着する有機物の薄膜とを備える表面プラ
ズモン発生用光線反射器を技術的手段として採用する。
【0005】本発明は、前記有機物の薄膜はポーリング
が施され化学結合および高分子の方向が制御されている
表面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段の第1の
実施態様として採用する。本発明は、技術的手段または
第1の実施態様の表面プラズモン発生用光線反射器にお
いて、前記金属薄膜は銀の薄膜であることを特徴とする
表面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段の第2の
実施態様として採用する。本発明は、技術的手段、第1
の実施態様、第2の実施態様のいずれかの表面プラズモ
ン発生用光線反射器において、前記有機物の薄膜は蒸着
重合法により作成されるポリ尿素の薄膜であることを特
徴とする表面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段
の第3の実施態様として採用する。
が施され化学結合および高分子の方向が制御されている
表面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段の第1の
実施態様として採用する。本発明は、技術的手段または
第1の実施態様の表面プラズモン発生用光線反射器にお
いて、前記金属薄膜は銀の薄膜であることを特徴とする
表面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段の第2の
実施態様として採用する。本発明は、技術的手段、第1
の実施態様、第2の実施態様のいずれかの表面プラズモ
ン発生用光線反射器において、前記有機物の薄膜は蒸着
重合法により作成されるポリ尿素の薄膜であることを特
徴とする表面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段
の第3の実施態様として採用する。
【0006】本発明は、技術的手段、第1の実施態様、
第2の実施態様のいずれかの表面プラズモン発生用光線
反射器において、前記有機物の薄膜は蒸着重合法により
作成されるポリイミドの薄膜であることを特徴とする表
面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段の第4の実
施態様として採用する。本発明は、技術的手段、第1の
実施態様、第2の実施態様のいずれかの表面プラズモン
発生用光線反射器において、前記有機物の薄膜は蒸着重
合法により作成されるポリアミドの薄膜であることを特
徴とする表面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段
の第5の実施態様として採用する。
第2の実施態様のいずれかの表面プラズモン発生用光線
反射器において、前記有機物の薄膜は蒸着重合法により
作成されるポリイミドの薄膜であることを特徴とする表
面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段の第4の実
施態様として採用する。本発明は、技術的手段、第1の
実施態様、第2の実施態様のいずれかの表面プラズモン
発生用光線反射器において、前記有機物の薄膜は蒸着重
合法により作成されるポリアミドの薄膜であることを特
徴とする表面プラズモン発生用光線反射器を技術的手段
の第5の実施態様として採用する。
【0007】本発明は、技術的手段、第1、第2、第
3、第4、第5の実施態様のいずれかの表面プラズモン
発生用光線反射器において、前記反射体は、前記金属薄
膜の前記第1表面が一方の面に蒸着するガラス製の平板
状の基板と、前記基板の他の面が接合し前記基板を取り
付ける取付け平面を備えるプリズムと、前記基板の他の
面と前記取付け平面との間を充填する媒質とからなり、
前記基板、前記プリズム、前記媒質は同一の値に対する
許容誤差範囲にある屈折率を有する表面プラズモン発生
用光線反射器を技術的手段の第6の実施態様として採用
する。
3、第4、第5の実施態様のいずれかの表面プラズモン
発生用光線反射器において、前記反射体は、前記金属薄
膜の前記第1表面が一方の面に蒸着するガラス製の平板
状の基板と、前記基板の他の面が接合し前記基板を取り
付ける取付け平面を備えるプリズムと、前記基板の他の
面と前記取付け平面との間を充填する媒質とからなり、
前記基板、前記プリズム、前記媒質は同一の値に対する
許容誤差範囲にある屈折率を有する表面プラズモン発生
用光線反射器を技術的手段の第6の実施態様として採用
する。
【0008】
【作用および発明の効果】生体の試料はこの生体の試料
の抗原または抗体の凝縮膜を有機物の薄膜に多層累積す
ることが容易なため固着し易い。反射体に入射した光は
金属薄膜の第1表面に照射されエバネッセント波が発生
すると共に第2表面に表面プラズモンが発生する。そし
て光の入射角を変化させると特定の入射角の値で反射光
エネルギーが失われると共に第2表面の表面プラズモン
が励起される。上記の過程におけるエバネッセント波お
よび表面プラズモンは、金属薄膜が有機物の薄膜で保護
されていて酸素の接触による酸化がなく悪影響を受けな
いため測定の良好な感度と再現性が得られる。
の抗原または抗体の凝縮膜を有機物の薄膜に多層累積す
ることが容易なため固着し易い。反射体に入射した光は
金属薄膜の第1表面に照射されエバネッセント波が発生
すると共に第2表面に表面プラズモンが発生する。そし
て光の入射角を変化させると特定の入射角の値で反射光
エネルギーが失われると共に第2表面の表面プラズモン
が励起される。上記の過程におけるエバネッセント波お
よび表面プラズモンは、金属薄膜が有機物の薄膜で保護
されていて酸素の接触による酸化がなく悪影響を受けな
いため測定の良好な感度と再現性が得られる。
【0009】
【実施例】次に、本発明の表面プラズモン発生用光線反
射器を適用した生体反応測定装置を図に示す一実施例に
基づき説明する。図1ないし図2は生体反応測定装置を
示し、図1は生体反応測定装置の主要部の構成を示す
図、図2は生体反応測定装置の全体図である。本実施例
では、生体反応測定装置を生体の抗原と抗体との免疫反
応測定に用いる。
射器を適用した生体反応測定装置を図に示す一実施例に
基づき説明する。図1ないし図2は生体反応測定装置を
示し、図1は生体反応測定装置の主要部の構成を示す
図、図2は生体反応測定装置の全体図である。本実施例
では、生体反応測定装置を生体の抗原と抗体との免疫反
応測定に用いる。
【0010】〔実施例の構成〕本実施例の生体反応測定
装置1は、表面プラズモン発生用光線反射器3と、この
表面プラズモン発生用光線反射器3に表面プラズモン4
を励起するレーザ光5を射出する半導体レーザ照射器6
とを有する。そして表面プラズモン発生用光線反射器3
の半導体レーザ照射器6側には、レーザ光5が表面プラ
ズモン発生用光線反射器3で反射した反射光51を受光
し、この反射光51の強度を測定する受光部7が設けら
れている(図1参照)。
装置1は、表面プラズモン発生用光線反射器3と、この
表面プラズモン発生用光線反射器3に表面プラズモン4
を励起するレーザ光5を射出する半導体レーザ照射器6
とを有する。そして表面プラズモン発生用光線反射器3
の半導体レーザ照射器6側には、レーザ光5が表面プラ
ズモン発生用光線反射器3で反射した反射光51を受光
し、この反射光51の強度を測定する受光部7が設けら
れている(図1参照)。
【0011】半導体レーザ照射器6には、レーザ光5の
射出方向を変更する第1パルスモータ8が接続される。
また受光部7には、受光方向を変更する第2パルスモー
タ81が接続される。さらに半導体レーザ照射器6およ
び受光部7には、半導体レーザ照射器6に信号を送り受
光部7からの信号を受け取る中間回路82が接続されて
いる。第1、第2パルスモータ8、81には、第1、第
2パルスモータ8、81を制御するパルスモータ制御装
置83が接続される。中間回路82およびパルスモータ
制御装置83には、制御用のデータを授受するための計
算機84が接続される。計算機84には、コマンドや入
力データを入力するキーボード85と、出力用のCRT
ディスプレー86およびプリンタ87が接続される(図
2参照)。
射出方向を変更する第1パルスモータ8が接続される。
また受光部7には、受光方向を変更する第2パルスモー
タ81が接続される。さらに半導体レーザ照射器6およ
び受光部7には、半導体レーザ照射器6に信号を送り受
光部7からの信号を受け取る中間回路82が接続されて
いる。第1、第2パルスモータ8、81には、第1、第
2パルスモータ8、81を制御するパルスモータ制御装
置83が接続される。中間回路82およびパルスモータ
制御装置83には、制御用のデータを授受するための計
算機84が接続される。計算機84には、コマンドや入
力データを入力するキーボード85と、出力用のCRT
ディスプレー86およびプリンタ87が接続される(図
2参照)。
【0012】表面プラズモン発生用光線反射器3は本発
明の反射体を、レーザ光5を反射する固定台31と、固
定台31を側面の取付け平面32に取り付けるプリズム
33とで構成する。そしてプリズム33は、半円柱形状
をなし固定台31が水平となるように支持される。また
固定台31には、厚さ数十nmの銀の薄膜35が蒸着さ
れている。さらにこの銀の薄膜35の生体反応膜21側
の表面(本発明の第2表面)には、酸素の接触を防止す
ると共に生体反応膜21を固定する有機物である4,
4’−ジアミノフェニルメタンと4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアナートとを蒸着重合させたポリ尿素の
薄膜36(厚さ数百オングストローム)が施されてい
る。また、ポリ尿素の薄膜36に生体反応膜21が固定
される。固定台31は、プリズム33と近似の屈折率を
有するガラス製の基板34と、基板34のガラスと近似
の屈折率を有すると共に基板34と取付け平面32との
間を充填する媒質として作用し基板34を取付け平面3
2に光学的に接着するマッチング油37とからなる。
明の反射体を、レーザ光5を反射する固定台31と、固
定台31を側面の取付け平面32に取り付けるプリズム
33とで構成する。そしてプリズム33は、半円柱形状
をなし固定台31が水平となるように支持される。また
固定台31には、厚さ数十nmの銀の薄膜35が蒸着さ
れている。さらにこの銀の薄膜35の生体反応膜21側
の表面(本発明の第2表面)には、酸素の接触を防止す
ると共に生体反応膜21を固定する有機物である4,
4’−ジアミノフェニルメタンと4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアナートとを蒸着重合させたポリ尿素の
薄膜36(厚さ数百オングストローム)が施されてい
る。また、ポリ尿素の薄膜36に生体反応膜21が固定
される。固定台31は、プリズム33と近似の屈折率を
有するガラス製の基板34と、基板34のガラスと近似
の屈折率を有すると共に基板34と取付け平面32との
間を充填する媒質として作用し基板34を取付け平面3
2に光学的に接着するマッチング油37とからなる。
【0013】ポリ尿素の薄膜36は、高電圧をかけなが
ら高温に加熱し、双極子の方向を揃える方法であるポー
リングの一手法としてのコロナ放電が施されている。コ
ロナ放電は極性をもたせることにより双極子の方向を制
御するもので、ポリ尿素の薄膜36は双極子モーメント
を持った尿素結合部を有し、この尿素結合部の作用でポ
リ尿素の薄膜36に垂直な電界方向に配向している。そ
して非線形光学特性により温度安定性が高められてい
る。
ら高温に加熱し、双極子の方向を揃える方法であるポー
リングの一手法としてのコロナ放電が施されている。コ
ロナ放電は極性をもたせることにより双極子の方向を制
御するもので、ポリ尿素の薄膜36は双極子モーメント
を持った尿素結合部を有し、この尿素結合部の作用でポ
リ尿素の薄膜36に垂直な電界方向に配向している。そ
して非線形光学特性により温度安定性が高められてい
る。
【0014】〔実施例の作動〕生体反応膜21が、LB
法により均一で均質な分子配列をなしこの分子を構成す
る原子の大きさ程度に薄い膜となるように作成されポリ
尿素の薄膜36に固定される。生体反応膜21は生体反
応膜21に垂直な方向性のある電気的特性を有している
ため、生体反応膜21とポリ尿素の薄膜36との間に配
向性のある吸着力が生じる。
法により均一で均質な分子配列をなしこの分子を構成す
る原子の大きさ程度に薄い膜となるように作成されポリ
尿素の薄膜36に固定される。生体反応膜21は生体反
応膜21に垂直な方向性のある電気的特性を有している
ため、生体反応膜21とポリ尿素の薄膜36との間に配
向性のある吸着力が生じる。
【0015】次に半導体レーザ照射器6によりプリズム
33にレーザ光5を射出する。このレーザ光5は、銀の
薄膜35に照射されて反射することにより銀の薄膜35
の蒸着面(本発明の第1表面)にエバネッセント波が発
生すると共に生体反応膜21側の表面に表面プラズモン
4が発生する。そしてレーザ光5の入射角θを変化させ
ると特定のθの値で反射光エネルギーが失われると共に
銀の薄膜35の表面に表面プラズモンが励起される。そ
れ故レーザ光5の入射角θを変化させて受光部7により
反射光強度を測定し、この反射光強度が極小値を取った
時の入射角θが共振角度θ0 として求められる。
33にレーザ光5を射出する。このレーザ光5は、銀の
薄膜35に照射されて反射することにより銀の薄膜35
の蒸着面(本発明の第1表面)にエバネッセント波が発
生すると共に生体反応膜21側の表面に表面プラズモン
4が発生する。そしてレーザ光5の入射角θを変化させ
ると特定のθの値で反射光エネルギーが失われると共に
銀の薄膜35の表面に表面プラズモンが励起される。そ
れ故レーザ光5の入射角θを変化させて受光部7により
反射光強度を測定し、この反射光強度が極小値を取った
時の入射角θが共振角度θ0 として求められる。
【0016】この共振角度θ0 は生体反応膜21の誘電
率や厚さに依存し、生体反応(免疫反応)が起こる際、
試料2(例えば抗原)と生体反応膜21(例えば抗体の
膜)とが反応して、生体反応膜21の誘電率や厚さが変
化するため共振角度θ0 の値が変化する。このθ0 の変
化量から生体反応の様子、速度、生体の試料の濃度を測
定する。表面プラズモンおよびエバネッセント波は、銀
の薄膜35がポリ尿素の薄膜36で保護されているため
上記の測定の際酸化の恐れがなく悪影響を受けない。ま
た非線形光学特性が発現し温度安定性が高まるため、共
振角度θ0 がレーザ光照射に伴う温度上昇により影響さ
れることがない。
率や厚さに依存し、生体反応(免疫反応)が起こる際、
試料2(例えば抗原)と生体反応膜21(例えば抗体の
膜)とが反応して、生体反応膜21の誘電率や厚さが変
化するため共振角度θ0 の値が変化する。このθ0 の変
化量から生体反応の様子、速度、生体の試料の濃度を測
定する。表面プラズモンおよびエバネッセント波は、銀
の薄膜35がポリ尿素の薄膜36で保護されているため
上記の測定の際酸化の恐れがなく悪影響を受けない。ま
た非線形光学特性が発現し温度安定性が高まるため、共
振角度θ0 がレーザ光照射に伴う温度上昇により影響さ
れることがない。
【0017】〔実施例の効果〕本実施例の生体反応測定
装置1は、試料2(例えば抗原)と生体反応膜21(例
えば抗体の膜)との生体反応を高い感度と再現性により
測定できる。しかも本実施例の生体反応測定装置1は金
属薄膜の材料に銀を使用しているため安価である。
装置1は、試料2(例えば抗原)と生体反応膜21(例
えば抗体の膜)との生体反応を高い感度と再現性により
測定できる。しかも本実施例の生体反応測定装置1は金
属薄膜の材料に銀を使用しているため安価である。
【0018】〔変形例〕生体反応膜の固定は自然吸着法
によってもよい。金属薄膜の材料は金でもよい。有機物
の薄膜としてポリイミド、ポリアミドを用いてもよい。
ガス濃度、溶液濃度、温度の測定、各種誘電体薄膜、分
子層の測定に応用してもよい。試料は抗体でもよい。生
体反応膜の試料は抗原、菌体でもよい。
によってもよい。金属薄膜の材料は金でもよい。有機物
の薄膜としてポリイミド、ポリアミドを用いてもよい。
ガス濃度、溶液濃度、温度の測定、各種誘電体薄膜、分
子層の測定に応用してもよい。試料は抗体でもよい。生
体反応膜の試料は抗原、菌体でもよい。
【図1】生体反応測定装置の主要部の構成を示す図であ
る。
る。
【図2】生体反応測定装置の全体図である。
1 生体反応測定装置 2 試料 3 表面プラズモン発生用光線反射器 4 表面プラズモン 5 レーザ光(光) 32 取付け平面 33 プリズム 34 基板 35 銀の薄膜(金属薄膜) 36 ポリ尿素の薄膜(有機物の薄膜) 37 マッチング油(媒質)
Claims (7)
- 【請求項1】(a)外部からの光が内部を進み外部との
界面において反射する反射体と、 (b)一方の表面が前記界面に接触し前記光の反射によ
りエバネッセント波を生ずる第1表面をなし、他方の表
面が前記光の反射により表面プラズモンを発生させる第
2表面をなす金属薄膜と、 (c)前記第2表面を被覆して前記金属薄膜が外部と接
触するのを防ぐと共に、測定しようとする生体の試料を
固着する有機物の薄膜とを備える表面プラズモン発生用
光線反射器。 - 【請求項2】請求項1の表面プラズモン発生用光線反射
器において、 前記有機物の薄膜はポーリングが施され化学結合および
高分子の方向が制御されている表面プラズモン発生用光
線反射器。 - 【請求項3】請求項1または2の表面プラズモン発生用
光線反射器において、 前記金属薄膜は銀の薄膜であることを特徴とする表面プ
ラズモン発生用光線反射器。 - 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかの表面プラズ
モン発生用光線反射器において、 前記有機物の薄膜は蒸着重合法により作成されるポリ尿
素の薄膜であることを特徴とする表面プラズモン発生用
光線反射器。 - 【請求項5】請求項1ないし3のいずれかの表面プラズ
モン発生用光線反射器において、 前記有機物の薄膜は蒸着重合法により作成されるポリイ
ミドの薄膜であることを特徴とする表面プラズモン発生
用光線反射器。 - 【請求項6】請求項1ないし3のいずれかの表面プラズ
モン発生用光線反射器において、 前記有機物の薄膜は蒸着重合法により作成されるポリア
ミドの薄膜であることを特徴とする表面プラズモン発生
用光線反射器。 - 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかの表面プラズ
モン発生用光線反射器において、 前記反射体は、前記金属薄膜の前記第1表面が一方の面
に蒸着するガラス製の平板状の基板と、前記基板の他の
面が接合し前記基板を取り付ける取付け平面を備えるプ
リズムと、前記基板の他の面と前記取付け平面との間を
充填する媒質とからなり、前記基板、前記プリズム、前
記媒質は同一の値に対する許容誤差範囲にある屈折率を
有する表面プラズモン発生用光線反射器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15318194A JPH0815132A (ja) | 1994-07-05 | 1994-07-05 | 表面プラズモン発生用光線反射器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15318194A JPH0815132A (ja) | 1994-07-05 | 1994-07-05 | 表面プラズモン発生用光線反射器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0815132A true JPH0815132A (ja) | 1996-01-19 |
Family
ID=15556825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15318194A Pending JPH0815132A (ja) | 1994-07-05 | 1994-07-05 | 表面プラズモン発生用光線反射器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0815132A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015084057A1 (ko) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 서울대학교 산학협력단 | 각도 의존성 광루미네선스 방출 스펙트럼 측정 장치 |
US10016501B2 (en) | 2004-09-07 | 2018-07-10 | 3M Innovative Properties Company | Cationic antiseptic compositions and methods of use |
-
1994
- 1994-07-05 JP JP15318194A patent/JPH0815132A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10016501B2 (en) | 2004-09-07 | 2018-07-10 | 3M Innovative Properties Company | Cationic antiseptic compositions and methods of use |
WO2015084057A1 (ko) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 서울대학교 산학협력단 | 각도 의존성 광루미네선스 방출 스펙트럼 측정 장치 |
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