JPH08146198A - 誘電体バリア放電装置 - Google Patents

誘電体バリア放電装置

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JPH08146198A
JPH08146198A JP31435394A JP31435394A JPH08146198A JP H08146198 A JPH08146198 A JP H08146198A JP 31435394 A JP31435394 A JP 31435394A JP 31435394 A JP31435394 A JP 31435394A JP H08146198 A JPH08146198 A JP H08146198A
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barrier discharge
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁ノイズ放射の抑制が達成され、かつ、必
要な領域の光照射エネルギー密度の均一化が改善された
誘電体バリア放電装置を提供する。 【構成】 複数の誘電体バリア放電ランプ(T,T1
2 ,‥‥)と、給電装置とを有する誘電体バリア放電
装置において、前記誘電体バリア放電ランプ(T,
1 ,T2 ,‥‥)の各々に対応して各1個の給電装置
(S,S1 ,S2 ,‥‥)が設けられ、その出力振動波
の位相において互いに非同期とし、かつ、独立に出力電
力を調整可能にすることによって各々のランプの消費電
力のバランスをはかる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、光化学反応用
の紫外線光源として使用される放電ランプの一種で、誘
電体バリア放電によってエキシマ分子を形成し、前記エ
キシマ分子から放射される光を利用するいわゆる誘電体
バリア放電ランプのための放電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連した技術として、誘電体バ
リア放電ランプについては、例えば日本国公開特許公報
平2−7353号があり、そこには、放電容器にエキシ
マ分子を形成する放電用ガスを充填し、誘電体バリア放
電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発
行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷
発行第263ページ参照)によってエキシマ分子を形成
せしめ、前記エキシマ分子から放射される光を取り出す
放射器が記載されている。
【0003】上記のような誘電体バリア放電ランプおよ
びこれを含む光源装置は、従来の低圧水銀放電ランプや
高圧アーク放電ランプには無い種々の特長を有している
ため応用の可能性が多岐にわたっている。とりわけ、近
来の環境汚染問題への関心の高まりのなかで、紫外線に
よる光化学反応を応用した無公害の材料処理はその最も
重要な応用のひとつである。従って、誘電体バリア放電
光源装置に対する高出力化または照射面積広大化に対す
る要求には非常に強いものがある。
【0004】この要求に沿う提案のひとつとして、例え
ば日本国公開特許公報平4−229671号があり、そ
こには複数の誘電体バリア放電ランプの並列点灯によっ
て光源の大規模化、照射面積の広大化を図る構成が述べ
られている。しかし、このような従来の技術のみによっ
ては解決できない大きな2つの問題があった。第1の問
題は、高出力化と照射面積広大化、すなわち装置の大電
力化に伴って発生する電磁ノイズ放射が大きくなる点で
ある。第2の問題は、広い面積を照射する場合の照射エ
ネルギー密度の均一化または可制御化が困難な点であ
る。
【0005】第1の問題である電磁ノイズ放射が大きい
点に関し、その改善が要求される事情について以下簡単
に説明する。近来、電磁障害の原因となるノイズ放射の
抑制に対する要求が特に強く叫ばれるようになってお
り、一般に、全ての装置はノイズ放射水準を定められた
基準以下とするよう種々の規制により求められている。
実際、前記のように誘電体バリア放電装置の重要な応用
の一例として紫外線による材料処理を挙げたが、このよ
うな材料処理設備は普通コンピュータや各種センサを含
む高度な自動制御システムを構成する。この種の高度な
システムは一般に電磁ノイズに弱いため、とりわけ複数
のランプを同時点灯するような大規模、大電力の誘電体
バリア放電装置においては、その全ての構成要素は電磁
ノイズ発生が小さいものでなければならないことは明白
である。
【0006】第2の問題である照射エネルギー密度の均
一化または可制御化が困難である点に関し、その改善が
要求される理由について以下簡単に説明する。誘電体バ
リア放電ランプの紫外線による材料処理作用は非常に複
雑で高度な光化学反応によるものであり、大面積の材料
に対して所望の材料処理効果を得るためには、照射エネ
ルギー密度分布において所望の分布に対する過不足があ
ってはならない。照射エネルギー密度が不足している場
合は照射の効果が低いため問題であることは明らかであ
る。一方照射エネルギー密度が過剰である場合にも、例
えば照射紫外線による分解生成物が再反応を起こして意
図しない分子合成がおこなわれ、対象処理材料表面に不
均一な不純物質層を形成することがある。したがって、
照射エネルギー密度の過不足には、行おうとする材料処
理反応の種類に依存したある許容範囲が存在し、理想的
な誘電体バリア放電装置に対して、この許容範囲を満足
するような照射エネルギー密度の均一化が求められ、ま
たそれを達成するために装置には可制御性が求められる
わけである。
【0007】以下、誘電体バリア放電装置において、前
記第1、第2の問題が生ずる理由を図1(イ),
(ロ),(ハ)を用いて説明する。誘電体バリア放電ラ
ンプを点灯させる際は、その一対の電極E,Fには、例
えば、周波数10kHzから200kHz、電圧2kV
〜10kVrmsの高周波の交流高電圧が印加される
(図1の(イ)参照)。ところが誘電体バリア放電ラン
プTには、放電プラズマの空間Gを挟んで電極E,Fの
間に1枚または2枚の誘電体Dが存在し、これがコンデ
ンサの働きをすることによって電流が流れることになる
(図1の(ロ)参照)。ここで、放電プラズマに印加さ
れる電圧は交流であるから、その半サイクル毎に放電開
始と放電停止を繰り返しており、したがって、誘電体バ
リア放電ランプは基本的には非線形素子である。しか
し、放電中の放電プラズマを近似的に純抵抗と見なすこ
とにするならば、すなわち放電中の誘電体バリア放電ラ
ンプは、ある静電容量Cを有する等価コンデンサとある
抵抗値Rとを有する等価抵抗とを直列に接続したものと
して近似的に理解することができる(図1の(ハ)参
照)。放電空間の抵抗に並列の静電容量も存在するが、
通常これは小さいので無視してよい。例えば、厚さ1m
mの石英板2枚の間隙Yを4mmとし、これを放電空間
Gとして、キセノンガスが約40000Pa(25℃基
準)の圧力で満された電極面積200cm2 の誘電体バ
リア放電ランプを、周波数約100kHz、印加電圧約
4kVrmsにおいて点灯した場合には、発明者らの測
定実験においては、約200pFのコンデンサと約1.
5kΩの抵抗とを直列に接続したものと近似的に等価と
であるとの結果を得た。
【0008】前記のように、誘電体バリア放電ランプに
おいては、その半サイクル毎に放電開始と放電停止を繰
り返す非線形動作をしており、放電は放電空間Gへの高
電圧の印加のもとで生じる。したがって、放電空間に印
加される電圧が放電開始電圧に達した瞬間に、大電流パ
ルスが放電プラズマ中に発生し、放電空間Gを発生源と
する高調波を含んだ強烈な電磁ノイズが発生する。これ
が前記第1の問題の誘電体バリア放電装置における電磁
ノイズ放射が大きい理由である。
【0009】ところで、ランプの製造に関して、その材
料調達または製造工程においては必ず加工誤差およびバ
ラツキが存在し、ランプの点灯特性は個々のランプ毎に
異なっている。例えば、誘電体バリア放電ランプの誘電
体Dとして石英材を使用する場合、経済的に入手可能な
公称厚さ1mmの石英ガラスには厚さバラツキが0.3
mm程度存在する。このため、前記ランプ等価コンデン
サの静電容量には個々に30%程度のバラツキを生ずる
ことになる。さらに、2枚の石英板の間隔や充填ガスの
圧力にバラツキがある場合は前記ランプ等価抵抗の抵抗
値にバラツキを生ずることになる。これらバラツキは、
誘電体バリア放電ランプの放電開始電圧のバラツキおよ
び放電開始後のプラズマ発光効率のバラツキとなって現
れる。このようなバラツキを有する複数のランプを単純
に並列接続した誘電体バリア放電装置の場合は、当然な
がら、個々のランプ毎に消費電力のバラツキすなわち発
光強度のバラツキが生じ、前記照射エネルギー密度分布
が装置設計時のランプ配置に基づく期待される分布から
ずれたものとなってしまう。これが、前記第2の問題の
なかの誘電体バリア放電装置における照射エネルギー密
度の均一化が困難である理由である。
【0010】ここで、ランプのバラツキについてさらに
言えば、これが小さくありさえすれば照射エネルギー密
度分布に関する全ての問題が解決するわけではない。一
般に、ある領域に複数のランプの光を照射する場合、領
域の端の部分では照度が低下する傾向がある。これを改
善する簡単な方法として、照射領域を必要領域よりも広
く設定する、端の領域でランプの配置密度を高くする、
端の領域に対応するランプを強力なものにする、などの
方法がとられるが、いずれも良い方法とは言えない。照
射領域を必要領域よりも広く設定したり、端の領域でラ
ンプの配置密度を高くする方法の場合は、結局、ランプ
の本数を増やすことにほかならず、また、端の領域に対
応するランプを強力なものにする場合は、ランプの種類
または給電装置の数が増えることにほかならないため、
いずれも、高コストになってしまう。すなわち、仮にラ
ンプのバラツキが無くても、照射エネルギー密度分布を
所望のもの、例えば均一なものに改善することが経済的
に行えないことがわかる。これが、前記第2の問題のな
かの誘電体バリア放電装置における照射エネルギー密度
の可制御化が困難である理由である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
第1の問題である電磁ノイズ放射の抑制が達成されると
同時に、前記のようなバラツキを有するものを含む複数
の誘電体バリア放電ランプを点灯する場合でも、前記第
2の問題である必要な領域の光照射エネルギー密度の均
一化または可制御化の困難の問題が改善された経済的な
誘電体バリア放電装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の請求項1の発明は、誘電体バリア放電によ
ってエキシマ分子を生成する放電用ガスが充填された放
電空間(G,G1 ,G2 ,‥‥)があって、前記放電用
ガスに放電現象を誘起せしめるための一対の電極(E,
1 ,E2 ,‥‥),(F,F1 ,F2 ,‥‥)のうち
の少なくとも一方と前記放電用ガスの間に誘電体(D,
1 ,D2 ,‥‥)が介在する構造を有する複数の誘電
体バリア放電ランプ(T,T1 ,T2 ,‥‥)と、前記
各誘電体バリア放電ランプの前記一対電極(E,E1
2 ,‥‥),(F,F1 ,F2 ,‥‥)に交流の高電
圧を印加するための給電装置とを有する誘電体バリア放
電装置において、前記誘電体バリア放電ランプ(T,T
1 ,T2 ,‥‥)の各々に対応して、各1個の給電装置
(S,S1 ,S2 ,‥‥)が設けられているものであっ
て、前記各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)が、その
出力振動波の位相において互いに非同期であり、かつ前
記各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)が、独立に出力
電力調整可能であることによって、前記各誘電体バリア
放電ランプ(T,T1 ,T2 ,‥‥)の消費電力バラン
スを任意に調整可能とするものである。
【0013】本発明の請求項2の発明は、請求項1の発
明において、1個の発振器(M)の信号(X)から生成
された、互いに異なる周波数の信号(K,K1 ,K2
‥‥)によって、前記各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥
‥)の出力振動波が励振されるようにするものである。
【0014】本発明の請求項3の発明は、請求項1また
は請求項2のいずれかの発明において、前記各給電装置
(S,S1 ,S2 ,‥‥)の出力振動波の周波数が互い
に平均周波数値の2%以上異なるようにするものであ
る。
【0015】本発明の請求項4の発明は、請求項1,請
求項2または請求項3のいずれかの発明において、前記
各誘電体バリア放電ランプの一対の電極(E,E1 ,E
2 ,‥‥),(F,F1 ,F2 ,‥‥)のうち、一方の
電極(F,F1 ,F2 ,‥‥)が外界に面している部分
が大きく、他方の電極(E,E1 ,E2 ,‥‥)が外界
に面している部分が小さい構造を有するものであって、
前記外界に面している部分が大きい方の電極(F,
1 ,F2 ,‥‥)を共通に接続しかつ接地するもので
ある。
【0016】
【作用】本発明の請求項1の発明の作用について図2を
用いて説明する。図2に示す構成において、複数の誘電
体バリア放電ランプ(T,T1 ,T2 ,‥‥)には、そ
の各々に対応して各1個の給電装置(S,S1 ,S2
‥‥)が設けられている。それら各給電装置(S,
1 ,S2 ,‥‥)は、その出力振動波の位相において
互いに非同期であり、かつ独立に出力電力調整が可能で
ある。ここで重要な点は、給電装置が小さな給電装置
(S,S1 ,S2 ,‥‥)の集合体であって、かつその
出力振動波の位相において互いに非同期であることで、
このことにより、電磁ノイズ対策上の利点と照射エネル
ギー密度の可制御化の利点とが同時に得られる。
【0017】大電力の誘電体バリア放電装置において、
電磁ノイズが大きい理由は、それぞれ1本のランプが発
生する電磁ノイズが許容できる程度の大きさであって
も、複数のランプからの電磁ノイズが加算されて大きい
ものとなるからであるが、電磁ノイズの加算に際して
は、協調的に加算される場合、すなわち各ランプからの
電磁ノイズがコヒーレントな場合に問題が最も深刻にな
る。例えば、一般に電気機器の電磁放射試験において
は、放射電力スペクトル分布に対して規制値以下である
か否かが測定されることを見てもわかるように、電磁ノ
イズについては、特定の周波数の電磁ノイズを集中的に
放射することが最も問題となるのである。例えば、前記
従来の技術の節のなかで記した前記日本国公開特許公報
平4−229671号においては1個の給電装置により
複数のランプを並列点灯する構成について述べられてい
るが、このような構成では各ランプ内での放電現象は完
全に同期して生起するため、これらから発生する電磁ノ
イズは特定の周波数にて協調的に放射され、したがっ
て、電磁ノイズによって外部に与える影響が大きいと考
えられる。
【0018】これに対し、本発明の請求項1の発明の構
成においては、複数のランプを点灯する場合であって
も、それぞれ1本のランプしか点灯しない小さな給電装
置(S,S1 ,S2 ,‥‥)を、出力振動波の位相にお
いて互いに非同期に動作させるため、各ランプからの電
磁ノイズの加算に際しても協調的に加算されることがな
く、したがって、各ランプからの電磁ノイズの成分が放
射電力スペクトル分布において広く拡散されることにな
り、結果として、特定の周波数にて強い放射を生ずるこ
となく、全体として、低い電磁ノイズ放射水準に抑えら
れる。なお、各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)の出
力振動波の位相において互いに非同期とするための最も
単純な方法は、各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)が
それぞれ独立に発振周波数決定手段を有しており、各発
振周波数を少しづつ異なるように設定しておくことであ
る。しかし、独立な発振周波数決定手段が、例えば精密
高安定な水晶発振器を利用したものでない限り、一般に
全ての各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)の発振周波
数は厳密には互いに異なっているため、意識的に発振周
波数を互いにずらすことをしなくても前記電磁ノイズ放
射の影響は低減されるが、効果的な電磁ノイズ放射低減
を行いたい場合は確実に各発振周波数が少しづつ差を有
するように設定しておくほうが良い。
【0019】一方、給電装置それ自体の出力電力を調整
できるようすることは比較的容易であるが、これに複数
のランプが並列接続されている場合、個々のランプ毎に
消費電力を調整することは非常に困難である。例えば、
同じく前記従来の技術の節のなかで記した前記日本国公
開特許公報平4−229671号において述べられてい
る構成は、まさしくこのような個々のランプ毎の消費電
力調整が全く不可能なものとなっている。これに対し、
本発明の請求項1の発明の構成において、各ランプに対
応する各給電装置について出力電力を独立に調整できる
ものとすることは可能であるから、各誘電体バリア放電
ランプ(T,T1 ,T2 ,‥‥)の消費電力バランスが
任意に調整可能となり、したがって各ランプの発光量バ
ランスを調整して、結果として照射エネルギー密度の分
布を所望のものとすることが可能となる。
【0020】このように、本発明の請求項1の発明を用
いることにより、複数の誘電体バリア放電ランプを含む
誘電体バリア放電装置において、放射電力スペクトル分
布における電磁ノイズ放射水準が低く抑えられ、かつ個
々のランプの発光量バランスを調整し、結果として照射
エネルギー密度の分布を所望のものに改変することが可
能となる。
【0021】本発明の請求項2の発明の作用について、
図3、図4を用いて説明する。本発明の請求項2の発明
は、請求項1の発明において、1個の発振器(M)の信
号(X)から生成された互いに異なる周波数の信号
(K,K1 ,K2 ,‥‥)によって前記各給電装置
(S,S1 ,S2 ,‥‥)の出力振動波が励振されるよ
うにしたものである。
【0022】本発明の請求項1の発明の作用の説明にお
いて、効果的な電磁ノイズ放射低減を行いたい場合は各
給電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)の各発振周波数は確
実に少しづつ差を有するようなものが良いことを述べ
た。しかし、独立な発振周波数決定手段が高価で精密高
安定な水晶発振器を利用したものでない限り、そのよう
な各発振周波数が少しづつ差を有する状態を確実にかつ
安定的に維持することはできない。ここで大切なこと
は、各発振周波数が少しづつ差を有する状態の確実性と
安定性であって、周波数値それ自体の安定性は求められ
ていないことである。本発明の請求項2の発明は、周波
数値それ自体の安定性を不必要に高めることなく、安価
な部品を用いて各発振周波数が少しづつ差を有する状態
を確実かつ安定に維持することを実現することができ
る。
【0023】それほど高い周波数安定度を必要としない
1個の発振器(M)からのクロック信号(X)は、前記
給電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)のそれぞれに対応し
て設けられた各周波数変換器(H,H1 ,H2 ,‥‥)
に入力される。各周波数変換器(H,H1 ,H2 ,‥
‥)の簡単な実現方法は、これらを周波数分周回路によ
って構成し、それぞれの周波数分周比を少しづつ変えて
おくことである。例えば、発振器(M)の発振周波数を
1MHzとし、各周波数分周回路の周波数分周比をそれ
ぞれ48、49、50、51、52としたときは、各周
波数分周回路が生成した信号(K,K1 ,K2 ,‥‥)
の周波数は、それぞれ20.8kHz、20.4kH
z、20.0kHz、19.6kHz、19.2kHz
となる。
【0024】周波数変換器(H)としての最も簡単な周
波数分周回路(B)は、図4に示されているように、例
えば、ディジタルのダウンカウンタ(Q)を主体とし、
このダウンカウンタ(Q)のカウント値が0になったな
らば、そのダウンカウンタ自身(Q)にロード信号
(J)を発して前記周波数分周比より1だけ小さいプリ
セット値(V)をロードするような、よく知られている
回路を使えばよく、非常に安価に実現できる。各周波数
変換器(H,H1 ,H2 ,‥‥)の他の実現方法は、こ
れらを周波数逓倍回路によって構成し、それぞれの周波
数逓倍比を少しづつ変えておくことである。例えば、発
振器(M)の発振周波数を200Hzとし、各周波数逓
倍回路の周波数逓倍比をそれぞれ98、99、100、
101、102としたときは、各周波数逓倍回路が生成
した信号(K,K1 ,K2 ,‥‥)の周波数は、それぞ
れ19.6kHz、19.8kHz、20.0kHz、
20.2kHz、20.4kHzとなる。周波数逓倍回
路は、よく知られているように、周波数分周回路を応用
したPLL回路により実現できる。
【0025】このように1個の発振器の信号から生成さ
れた互いに異なる周波数にて前記各給電装置(S,
1 ,S2 ,‥‥)の出力振動波を励振することの利点
は、各周波数の比が、各周波数変換器(H,H1
2 ,‥‥)の変換定数、例えば前記周波数分周回路を
周波数変換器(H,H1 ,H2 ,‥‥)とするものの場
合はその分周比によって決まるため、発信器(M)から
生成された信号(X)に、例えば温度変化等に起因する
周波数ゆらぎがあっても各周波数の比は不変に保たれ、
したがって常に前記各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥
‥)の出力振動波の周波数が互いに異なっている状態が
維持されることである。よって、1個の発信器(M)と
して、安定度の高い高価な発振器を使用しなくても確実
かつ安定に電磁ノイズ放射の低い状態が維持される。こ
のように、本発明の請求項2の発明を用いることによ
り、複数の誘電体バリア放電ランプを含む誘電体バリア
放電装置において、高価な発振器を使用すること無く、
確実かつ安定に、放射電力スペクトル分布における電磁
ノイズ放射水準が低く抑えられた状態が維持されること
が可能となる。また、本発明の請求項1の発明の特徴を
継承しているため、個々のランプの発光量バランスを調
整し、照射エネルギー密度の分布を所望のものに改変す
ることも可能である。
【0026】本発明の請求項3の発明の作用について説
明する。本発明の請求項3の発明は、請求項1または請
求項2のいずれかの発明において、前記各給電装置
(S,S1 ,S2 ‥‥)の出力振動波の周波数が互いに
平均周波数値の2%以上異なるようにしたものである。
【0027】本発明の請求項1の発明の作用の説明にお
いて、前記各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)の出力
振動波の周波数の差が小さすぎると電磁ノイズ放射低減
の効果が小さいことを述べており、よって前記周波数の
差はある程度大きくとらなければならないことがわか
る。効果的な電磁ノイズ放射低減を行うためには、前記
発振周波数の差は経験上互いに平均周波数値の2%以上
であれば十分である。もちろん2%より有意に大きな周
波数差を設けることもできるが、このような場合には、
前記発振周波数の差は厳密にはランプの点灯条件の差と
して現れる現象に注意する必要があり、もし、前記発振
周波数の差が過大であるとランプ毎の発光状態が互いに
異なってしまうと言う不都合が生じる。この発光状態の
相違が許される周波数差の最大限度は経験上20%であ
る。一例として、ランプを5本同時点灯する装置におい
ては、例えば各ランプについて均等な各格差を考えると
すると、ランプ本数から1を減じた値、つまり4で前記
最大限度の20%を除することによって5%という値が
得られるから、この例の場合は、前記各給電装置の周波
数が互いに平均周波数値の5%異なることが限度とな
る。
【0028】このように、本発明の請求項3の発明を用
いることにより、複数の誘電体バリア放電ランプを含む
誘電体バリア放電装置において、放射電力スペクトル分
布における電磁ノイズ放射水準が低く抑えられた状態を
確実に実現することが可能となる。また、基本的に本発
明の請求項1の発明の特徴を継承しているため、個々の
ランプの発光量バランスを調整し、照射エネルギー密度
の分布を所望のものに改変することも可能である。
【0029】本発明の請求項4の発明の作用について、
図5、図6、図7を用いて説明する。図5に示すよう
に、本発明の請求項4の発明においては、請求項1,請
求項2または請求項3のいずれかの発明において、複数
の誘電体バリア放電ランプ(T,T1 ,T2 , ‥‥)の
一対の電極のうち、外界に面している部分が大きい方の
電極(F,F1 ,F2 , ‥‥)が共通に接続されかつ接
地されている。このことにより電磁ノイズ対策上のさら
に大きな利点が生まれる。
【0030】前記のように、誘電体バリア放電装置の重
要な応用の一例として、紫外線による材料処理を挙げる
ことができるが、点灯状態の誘電体バリア放電ランプに
おいては、放電空間(G,G1 ,G2 , ‥‥)に高電圧
が印加され、瞬間的な大電流パルスのバーストが放電プ
ラズマ中に発生するため、放電空間(G,G1 ,G2,
‥‥)が主な電磁ノイズ発生源となる。一般に、電磁ノ
イズ発生源は、それを接地された導体で囲むことによ
り、外部への電磁ノイズの放出を抑制することが可能で
ある。ここで、図5に示すように、各誘電体バリア放電
ランプの外側に面している部分が一方の電極(F,
1 ,F2 , ‥‥)において広くなる構造とした上でこ
の電極を共通に接続して接地すると、この電極(F,F
1 ,F2 , ‥‥)は、結局、放電空間を囲む接地された
導体と同様の働きをする。したがって、誘電体バリア放
電ランプが発生する電磁ノイズの放出を抑制する効果が
得られる。なお、この効果は、外界に面している部分が
小さい方の電極(E,E1 ,E2 , ‥‥)を接地しても
得られない。
【0031】この電磁ノイズの放出を抑制する効果を最
大限に発揮させるためには誘電体バリア放電ランプの構
造として、例えば、図6、図7に示すように、ランプ自
体の外側の外表面の大部分が一方の電極(F)で覆われ
ている構造とすることが理想的である。ここで図7は、
図6に示すランプのA−A断面図である。図6、図7に
示すランプは、例えば石英ガラスなどの誘電体の外管1
と内管2よりなる2重管の両端を封止した構造を有して
おり、外管1、内管2および封止部3a,3bに囲まれ
た中空円筒状の空間(G)に放電用ガスが充填され、外
管1の外側に、外界に面している部分が大きい方の一方
の電極(F)が設けられ、内管2の内側に他方の電極
(E)が設けられている。ここで、両電極のうちのいず
れか一方または両方を透明電極または網状電極とするこ
とにより、電極を通して、ランプ放電プラズマよりの放
射光を取り出して利用できる。このとき、外管1の外側
に設けられた外界に面している部分が大きい方の電極
(F)を接地することにより、放電空間(G)が発生す
る電磁ノイズの大部分の放出を抑制することができる。
【0032】このように、本発明の請求項4の発明を用
いることにより、複数の誘電体バリア放電ランプを含む
誘電体バリア放電装置において、電極の一方が共通に直
接に接地されているという点で安全であり、かつ、電磁
ノイズの放出を抑制された誘電体バリア放電装置を実現
することができる。また、基本的に本発明の請求項1の
発明の特徴を継承しているため、個々のランプの発光量
バランスを調整し、照射エネルギー密度の分布を所望の
ものに改変することも可能である。
【0033】
【実施例】図8は、本発明の実施例の一例を簡略化して
示すものである。本実施例においては、給電装置(S)
として、ハーフブリッジ方式と呼ばれるスイッチングイ
ンバータにより構成されるものを示している。通常の商
用電力ライン10から、整流ダイオードブリッジ11と
平滑コンデンサ12によって共通の直流電源を構成す
る。この直流電源は、給電装置(S)内の電界効果トラ
ンジスタ14、ダイオード15、チョークコイル16よ
り成るチョッパに供給される。前記チョッパの出力は、
ほぼ同じ静電容量を有する2個の直列に接続されたコン
デンサ17a,17bにより平滑化されて、給電装置
(S)専用のチョッパ型直流電源を構成する。このチョ
ッパ型直流電源は、デューティサイクル可変のゲート駆
動回路13のデューティサイクルを調整することにより
電圧を変化させることができる。このチョッパ型直流電
源には、2個の電界効果トランジスタ20a,20bが
スイッチングインバータのためのスイッチング素子とし
て接続され、トランス22の1次側巻線に流す電流の方
向が交互にスイッチングされる。スイッチング動作は、
ゲート駆動回路19により駆動されるが、このゲート駆
動回路19は、周波数変換器(H)から供給される信号
Kに従って動作する。トランス22の2次側巻線には、
概ねコンデンサ17aまたは17bの電圧に、その巻き
数比を乗じた値を振幅とする電圧が発生するが、本実施
例ではさらに、コイル23とコンデンサ24より成るい
わゆるLC直列共振回路が接続され、共振現象により、
トランス22の2次側巻線の電圧よりさらに高い電圧を
コンデンサ24の両端に発生させ、この電圧を誘電体バ
リア放電ランプ(T)の点灯のために供給する。
【0034】他の給電装置(S1 ,S2 ,S3 )の構造
は、前記給電装置(S)の構造と同様であるので、図8
においては省略されている。給電装置(S1 ,S2 ,S
3 )には、それぞれのスイッチングのタイミングを規定
するための信号(K1 ,K2,K3 )が周波数変換器
(H1 ,H2 ,H3 )から供給されている。また給電装
置(S1 ,S2 ,S3 )は、誘電体バリア放電ランプ
(T1 ,T2 ,T3 )の点灯のためにそれぞれの出力電
圧を供給する。各周波数変換器(H,H1 ,H2
3 )は、本発明の請求項2の発明に従って1個の発振
器(M)のクロック信号(X)からそれぞれの信号
(K,K1 ,K2 ,K3 )を生成するもので、例えば図
4に記載した周波数分周回路(B)によって構成され、
周波数分周比は互いに異なっており、従って各給電装置
(S,S1 ,S2 ,S3 )の出力振動波は互いに異なる
周波数にて励振される。
【0035】なお、図8のようなハーフブリッジ方式の
スイッチングインバータにおいては、ゲート駆動回路1
9は、例えば、供給される信号(K,K1 ,K2
3 )の2周期にて1周期のスイッチング動作を行うも
のが経済的に構成しやすいことが多い。このような場合
は、各給電装置(S,S1 ,S2 ,S3 )に供給する信
号(K,K1 ,K2 ,K3 )がランプ(T,T1
2 ,T3 )に供給したい駆動周波数の2倍となるよう
発振器(M)の出力周波数を2倍に補正すればよい。ま
た、全ての誘電体バリア放電ランプ(T,T1 ,T2
3 )は、本発明の請求項4の発明に従って図6および
図7の形状のものとし、それぞれの外側に面している部
分が大きい方の電極を共通に接続して接地されている。
【0036】本実施例においては、デューティサイクル
可変のゲート駆動回路13が各給電装置それぞれに独立
に設けられ、独立に調整可能である。したがって、本実
施例の誘電体バリア放電装置は、本発明の請求項1に関
する説明において記載したように、放射電力スペクトル
分布における電磁ノイズ放射水準が低く抑えられ、かつ
個々のランプの発光量バランスを調整し、結果として照
射エネルギー密度の分布を所望のものに改変することが
可能である。
【0037】また、本実施例の誘電体バリア放電装置
は、本発明の請求項2の発明に関する説明において記載
したように、発信器(M)から生成された信号(X)
に、例えば温度変化等に起因する周波数ゆらぎがあって
も各周波数の比は不変に保たれ、したがって常に前記各
給電装置(S,S1 ,S2 ,S3 )の出力振動波の周波
数が互いに異なっている状態が維持され、よって、確実
かつ安定に電磁ノイズ放射の低い状態が維持される。さ
らに、本実施例の誘電体バリア放電装置は、本発明の請
求項4の発明に関する説明において記載したように、全
てのランプの形状が図6および図7に示したものであ
り、ランプ自体の外側の外表面の大部分が一方の電極
(F)で覆われている構造であって、ランプの外側の外
表面の大部分を覆う電極(F)を全て共通に接続し、そ
して接地しているため安全であり、かつ電磁ノイズの放
出が抑制されたものとなっている。
【0038】なお、ここで記載した以外にも次のような
構成が可能である。 (1)例えば、チョッパ型直流電源の出力電圧、すなわ
ち2個の直列に接続されたコンデンサ17a,17b全
体の電圧を検出し、これが可変設定の目標電圧に一致す
るように、フィードバック制御に基づく、ゲート駆動回
路13のデューティサイクルを自動調整することによ
り、出力電圧が可変かつ安定化されたチョッパ型直流電
源とすること。 (2)例えば、ランプに印加される電圧またはランプに
流れる電流あるいはランプの発光量を検出し、これが可
変設定の目標水準に一致するように、フィードバック制
御に基づく、ゲート駆動回路13のデューティサイクル
を自動調整することにより、ランプ電力が可変かつ近似
的安定化がなされた給電装置とすること。 (3)例えば、スイッチングインバータを、他の方式の
インバータ例えば1個のトランジスタより成るものや、
4個のトランジスタより成るフルブリッジ方式と呼ばれ
るものにすること。 (4)例えば、チョッパ型直流電源を設けないで、スイ
ッチングインバータのデューティサイクルを調整または
フィードバック制御に基づき自動調整することにより、
ランプ電力が可変の、または可変かつ近似的安定化がな
された給電装置とすること。 (5)例えば、コイル19とコンデンサ20より成る、
LC直列共振回路を使用しないこと。
【0039】以上の(1)から(5)は本発明の範囲内
で設計者が任意に実施する事項である。なお、前記フィ
ードバック制御などのためのランプ電流検出器として、
電流経路周囲に発生する磁気を検出する方式のもの(い
わゆるCT)や、抵抗値が小さい、例えば0.1Ω以下
の、いわゆるシャント抵抗であれば、それが挿入された
回路の動作に、ほとんど影響を与えないものであるた
め、電流検出器の挿入位置をランプの接地側とする構成
方法でも良好に機能し、また、この構成方法は、本発明
の請求項4の範囲内である。
【0040】また、前記実施例においては、複数設けら
れた給電装置(S,S1 ,S2 ‥‥)のなかの任意の1
個もしくは複数個は、いずれも電力を供給すべき誘電体
バリア放電ランプが1個のランプであったが、当該1個
のランプを、発光強度の個差が許容値内の複数のランプ
を並列接続したものに置き換えても良い。この場合、発
光強度の個差が許容値内のランプを選別する作業が付加
されるが、本放電装置は良好に機能し、また、この構成
方法は、本発明の請求項1の範囲内である。そして、当
然ながら、図8に記載の回路構成等は主要な要素を記載
した一実施例であって、実際の商品設計に応用する場合
は、使用する部品の特徴、極性等の違いに応じて然るべ
く変更され、また必要に応じて周辺素子が追加されるべ
きものである。
【0041】
【発明の効果】本発明の請求項1の発明を用いることに
より、複数の誘電体バリア放電ランプを含む誘電体バリ
ア放電装置において、放射電力スペクトル分布における
電磁ノイズ放射水準が低く抑えられ、かつ個々のランプ
の発光量バランスが調整され、結果として照射エネルギ
ー密度の分布を所望のものに改変することが可能な誘電
体バリア放電装置を実現することができる。
【0042】本発明の請求項2の発明を用いることによ
り、複数の誘電体バリア放電ランプを含む誘電体バリア
放電装置において、高価な発振器を使用すること無く、
確実かつ安定に、放射電力スペクトル分布における電磁
ノイズ放射水準が低く抑えられた状態が維持されること
が可能な誘電体バリア放電装置を実現することができ
る。
【0043】本発明の請求項3の発明を用いることによ
り、複数の誘電体バリア放電ランプを含む誘電体バリア
放電装置において、放射電力スペクトル分布における電
磁ノイズ放射水準が低く抑えられた状態を確実に実現す
ることが可能な誘電体バリア放電装置を実現することが
できる。
【0044】本発明の請求項4の発明を用いることによ
り、複数の誘電体バリア放電ランプを含む誘電体バリア
放電装置において、電極の一方が共通に直接に接地され
ているという点で安全であり、かつ、電磁ノイズの放出
を抑制された誘電体バリア放電装置を実現することがで
きる。
【0045】以上のように、本発明によれば、バラツキ
を有するものを含む複数の誘電体バリア放電ランプを点
灯する際に、従来より困難となっていた必要な領域の光
照射エネルギー密度の均一性または可制御性の問題が改
善され、放射電力スペクトル分布における電磁ノイズ放
射水準が低く抑えられた経済的な誘電体バリア放電装置
を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘電体バリア放電ランプに関する説明図であ
る。
【図2】本発明の誘電体バリア放電装置に関する説明図
である。
【図3】本発明の誘電体バリア放電装置に関する説明図
である。
【図4】周波数分周回路の説明図である。
【図5】本発明の誘電体バリア放電装置に関する説明図
である。
【図6】誘電体バリア放電ランプに関する説明図であ
る。
【図7】図6におけるA−A断面で示した誘電体バリア
放電ランプに関する説明図である。
【図8】本発明の誘電体バリア放電装置の一実施例の説
明図である。
【符号の説明】
1 誘電体の外管 2 誘電体の内管 3a,3b 封止部 13 ゲート駆動回路 19 ゲート駆動回路 B 周波数分周回路 C 等価コンデンサ C1 ,C2 等価コンデンサ D 誘電体 E,F 一対の電極 G 放電空間 H 周波数変換器 M 発信器 R 等価抵抗 S 給電装置 T 誘電体バリア放電ランプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 龍志 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体バリア放電によってエキシマ分子
    を生成する放電用ガスが充填された放電空間(G,
    1 ,G2 ,‥‥)があって、前記放電用ガスに放電現
    象を誘起せしめるための一対の電極(E,E1 ,E2
    ‥‥),(F,F1 ,F2 ,‥‥)のうちの少なくとも
    一方と前記放電用ガスの間に誘電体(D,D1 ,D2
    ‥‥)が介在する構造を有する複数の誘電体バリア放電
    ランプ(T,T1 ,T2 ,‥‥)と、 前記各誘電体バリア放電ランプの前記一対の電極(E,
    1 ,E2 ,‥‥),(F,F1 ,F2 ,‥‥)に交流
    の高電圧を印加するための給電装置とを有する誘電体バ
    リア放電装置において、 前記誘電体バリア放電ランプ(T,T1 ,T2 ,‥‥)
    の各々に対応して、各1個の給電装置(S,S1
    2 ,‥‥)が設けられているものであって、前記各給
    電装置(S,S1 ,S2 ,‥‥)が、その出力振動波の
    位相において互いに非同期であり、かつ前記各給電装置
    (S,S1 ,S2 ,‥‥)が、独立に出力電力調整可能
    であることによって、前記各誘電体バリア放電ランプ
    (T,T1 ,T2 ,‥‥)の消費電力バランスを任意に
    調整可能としたことを特徴とする誘電体バリア放電装
    置。
  2. 【請求項2】 1個の発振器(M)の信号(X)から生
    成された互いに異なる周波数の信号(K,K1 ,K2
    ‥‥)によって、前記各給電装置(S,S1,S2 ,‥
    ‥)の出力振動波が励振されることを特徴とする請求項
    1に記載の誘電体バリア放電装置。
  3. 【請求項3】 前記各給電装置(S,S1 ,S2 ,‥
    ‥)の出力振動波の周波数が、互いに平均周波数値の2
    %以上異なるようにしたことを特徴とする請求項1また
    は請求項2のいずれかに記載の誘電体バリア放電装置。
  4. 【請求項4】 前記各誘電体バリア放電ランプの一対の
    電極(E,E1 ,E2 ,‥‥),(F,F1 ,F2 ,‥
    ‥)のうち、一方の電極(F,F1 ,F2 ,‥‥)が外
    界に面している部分が大きく、他方の電極(E,E1
    2 ,‥‥)が外界に面している部分が小さい構造を有
    するものであって、前記外界に面している部分が大きい
    方の電極(F,F1 ,F2 ,‥‥)を共通に接続し、か
    つ、接地したことを特徴とする請求項1,請求項2また
    は請求項3のいずれかに記載の誘電体バリア放電装置。
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