JPH08145146A - 樹脂ギア - Google Patents
樹脂ギアInfo
- Publication number
- JPH08145146A JPH08145146A JP28533294A JP28533294A JPH08145146A JP H08145146 A JPH08145146 A JP H08145146A JP 28533294 A JP28533294 A JP 28533294A JP 28533294 A JP28533294 A JP 28533294A JP H08145146 A JPH08145146 A JP H08145146A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- gear
- core
- peripheral surface
- metal
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】耐熱性,切削性に優れるとともに吸水による寸
法変化が小さく且つ金属部と樹脂部との間の滑り強度の
強い樹脂ギアを提供する。 【構成】金属製円筒の外周の樹脂層にギア歯を形成した
樹脂ギアであって、樹脂層がポリエーテルスルホン樹脂
(PES)からなるものである。
法変化が小さく且つ金属部と樹脂部との間の滑り強度の
強い樹脂ギアを提供する。 【構成】金属製円筒の外周の樹脂層にギア歯を形成した
樹脂ギアであって、樹脂層がポリエーテルスルホン樹脂
(PES)からなるものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車に搭載さ
れる各種装置のモータ減速部等に用いられる樹脂ギアの
改良に関するものである。
れる各種装置のモータ減速部等に用いられる樹脂ギアの
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の樹脂ギアには、例えば特
公昭58−22336号公報に記載されているもののよ
うに、円筒状の金属製芯金の外径面にクロスローレット
加工を施してその外周に予め形成した円筒状のポリアミ
ド樹脂成形物を嵌め込んで溶着したものを一定寸法に切
断し、その樹脂成形物の外周部を切削加工してギア形状
を形成したものがある。
公昭58−22336号公報に記載されているもののよ
うに、円筒状の金属製芯金の外径面にクロスローレット
加工を施してその外周に予め形成した円筒状のポリアミ
ド樹脂成形物を嵌め込んで溶着したものを一定寸法に切
断し、その樹脂成形物の外周部を切削加工してギア形状
を形成したものがある。
【0003】また、特公平6−60674号公報に示さ
れるように、樹脂としてナイロン66、ナイロン6、ポ
リアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用
い、これに強度・剛性を向上するためにガラス繊維や炭
素繊維などを充填して強化した材料を射出成形し、ギア
の歯部を切削加工して形成したものもある。
れるように、樹脂としてナイロン66、ナイロン6、ポ
リアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEE
K)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等を用
い、これに強度・剛性を向上するためにガラス繊維や炭
素繊維などを充填して強化した材料を射出成形し、ギア
の歯部を切削加工して形成したものもある。
【0004】金属製芯金(ボス)とその外周に嵌着され
る樹脂成形物との固定を強固にする手段としては、芯金
の外径面にクロスローレット加工を施す代わりに、図7
に示すように芯金である金属円筒1の外周面の中央部を
高くしてスプライン状に凸部2を突設することも行われ
ている。
る樹脂成形物との固定を強固にする手段としては、芯金
の外径面にクロスローレット加工を施す代わりに、図7
に示すように芯金である金属円筒1の外周面の中央部を
高くしてスプライン状に凸部2を突設することも行われ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】モータ減速部などに用
いられる樹脂ギアは、高精度を要求されることから歯部
を切削加工により形成している。また、使用温度も高く
なる傾向にあり120℃以上の耐熱性も要求されるよう
になっている。ところが、従来から樹脂ギアに使用され
ているナイロン6等の樹脂は吸水による寸法変化が大き
くて高精度のギアが得にくく、耐熱性の面でも劣るとい
う問題がある。
いられる樹脂ギアは、高精度を要求されることから歯部
を切削加工により形成している。また、使用温度も高く
なる傾向にあり120℃以上の耐熱性も要求されるよう
になっている。ところが、従来から樹脂ギアに使用され
ているナイロン6等の樹脂は吸水による寸法変化が大き
くて高精度のギアが得にくく、耐熱性の面でも劣るとい
う問題がある。
【0006】一方、ガラス繊維等で強化したナイロン樹
脂製等のギアは、ギアの歯部の切削加工工程で強化繊維
の影響による切削工具の摩耗が著しいという問題があ
る。また、樹脂ギアをウォームホイールとして使用する
場合は、ウォームギアを損傷しないことが好ましいので
あるが、繊維強化したものはウォームギアを傷つけ易い
という問題点もある。
脂製等のギアは、ギアの歯部の切削加工工程で強化繊維
の影響による切削工具の摩耗が著しいという問題があ
る。また、樹脂ギアをウォームホイールとして使用する
場合は、ウォームギアを損傷しないことが好ましいので
あるが、繊維強化したものはウォームギアを傷つけ易い
という問題点もある。
【0007】また、金属製芯金の外周に樹脂を樹脂を射
出成形するものでは、樹脂部と金属部との間の結合を強
固に固定するために金属部の外周にクロスローレト加工
や凸部加工を施してはいるが、スラスト方向の保持力及
びねじり強度(ラジアル方向の保持力)が十分ではなか
った。そこで本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたものであり、耐熱性,切削性に優れるとと
もに吸水による寸法変化が小さく且つ金属部と樹脂部と
の間の滑り強度の強い樹脂ギアを提供することを目的と
している。
出成形するものでは、樹脂部と金属部との間の結合を強
固に固定するために金属部の外周にクロスローレト加工
や凸部加工を施してはいるが、スラスト方向の保持力及
びねじり強度(ラジアル方向の保持力)が十分ではなか
った。そこで本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたものであり、耐熱性,切削性に優れるとと
もに吸水による寸法変化が小さく且つ金属部と樹脂部と
の間の滑り強度の強い樹脂ギアを提供することを目的と
している。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属製円筒の
外周の樹脂層にギア歯を形成した樹脂ギアにおいて、前
記樹脂層がポリエーテルスルホン樹脂(PES)からな
ることを特徴とする樹脂ギアである。ここで、前記金属
製円筒の外周に軸方向の断面の一部に凹形状を有する突
部を周方向に断続して形成したものとすることができ
る。
外周の樹脂層にギア歯を形成した樹脂ギアにおいて、前
記樹脂層がポリエーテルスルホン樹脂(PES)からな
ることを特徴とする樹脂ギアである。ここで、前記金属
製円筒の外周に軸方向の断面の一部に凹形状を有する突
部を周方向に断続して形成したものとすることができ
る。
【0009】
【作用】本発明の樹脂ギアは、樹脂としてPESを使用
したため、耐熱性,切削性,吸水に対する寸法安定性に
優れている。また、ガラス繊維や炭素繊維等の充填材を
配合していないので、ギア歯切り後に繊維が毛羽立つこ
とがない。また、芯金の金属円筒の外周に軸方向の断面
の一部に凹形状を有する突部を周方向に断続して形成す
ると、樹脂の成形収縮による応力集中が取り除かれて、
樹脂部と金属部との間の固定力の強い樹脂ギアが得られ
る。
したため、耐熱性,切削性,吸水に対する寸法安定性に
優れている。また、ガラス繊維や炭素繊維等の充填材を
配合していないので、ギア歯切り後に繊維が毛羽立つこ
とがない。また、芯金の金属円筒の外周に軸方向の断面
の一部に凹形状を有する突部を周方向に断続して形成す
ると、樹脂の成形収縮による応力集中が取り除かれて、
樹脂部と金属部との間の固定力の強い樹脂ギアが得られ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 〔I〕引張強度試験:ナイロン6、ナイロン66(ガラ
ス繊維25%入り)およびPESの三種類の樹脂につい
て試験片を用意し、120℃に500時間,1000時
間,1500時間,2000時間加熱保持した後、引張
強度試験を実施して耐熱性を比較した。
する。 〔I〕引張強度試験:ナイロン6、ナイロン66(ガラ
ス繊維25%入り)およびPESの三種類の樹脂につい
て試験片を用意し、120℃に500時間,1000時
間,1500時間,2000時間加熱保持した後、引張
強度試験を実施して耐熱性を比較した。
【0011】引張試験片はJIS Z 2201の1号
型試験片を用い、試験片が絶乾状態のままで、室温(2
3℃)にして試験した。ナイロン6の試験片は板状の素
材から切削加工により製作した。ナイロン66の試験片
は、ビーエーエスエフエンジニアリングプラスチック
(株)製樹脂原料「ウルトラミッド」A3WG5(商品
名)を用いて射出成形により製作した。
型試験片を用い、試験片が絶乾状態のままで、室温(2
3℃)にして試験した。ナイロン6の試験片は板状の素
材から切削加工により製作した。ナイロン66の試験片
は、ビーエーエスエフエンジニアリングプラスチック
(株)製樹脂原料「ウルトラミッド」A3WG5(商品
名)を用いて射出成形により製作した。
【0012】PESの試験片は、三井東圧化学(株)製
樹脂原料「ウルトラゾーン」E3010(商品名)を用
いて射出成形により製作した。試験結果を図1に示す。
試験開始前(0時間)の引張強度を100%とした場
合、ナイロン6とナイロン66の引張強度は時間の経過
につれて低下しているのに対して、PESには引張強度
の低下はみられず高い耐熱性を有することが明らかであ
った。
樹脂原料「ウルトラゾーン」E3010(商品名)を用
いて射出成形により製作した。試験結果を図1に示す。
試験開始前(0時間)の引張強度を100%とした場
合、ナイロン6とナイロン66の引張強度は時間の経過
につれて低下しているのに対して、PESには引張強度
の低下はみられず高い耐熱性を有することが明らかであ
った。
【0013】〔II〕切削性試験:図2に示すような断
面形状を有する外径45mmの円筒状のS45C製芯金
1の外周面1aにクロスローレット加工を施し、溶剤で
脱脂した後射出成形金型と同温度に加熱した。加熱した
芯金1を射出成形金型に挿入し、ナイロン66とPES
を表1の成形条件で射出成形して、図3に示すような芯
金1の外周に円筒状5脂部3を一体に有する成形品を得
た。
面形状を有する外径45mmの円筒状のS45C製芯金
1の外周面1aにクロスローレット加工を施し、溶剤で
脱脂した後射出成形金型と同温度に加熱した。加熱した
芯金1を射出成形金型に挿入し、ナイロン66とPES
を表1の成形条件で射出成形して、図3に示すような芯
金1の外周に円筒状5脂部3を一体に有する成形品を得
た。
【0014】
【表1】
【0015】この成形品のスプルー4及びディスクゲー
ト5を切除して、図4に示すような外径60mm、幅1
3mmの金属製芯金付歯車ブランク材7を製作した。ま
た、この歯車ブランク材7と同形状のナイロン6製ブラ
ンク材を切削加工により製作した。以上の三種類の同形
状で樹脂部3の材質が異なるブランク材を用いて、外周
面に図5に示すようなギア歯10を切削加工し、切削性
の比較試験を実施した。
ト5を切除して、図4に示すような外径60mm、幅1
3mmの金属製芯金付歯車ブランク材7を製作した。ま
た、この歯車ブランク材7と同形状のナイロン6製ブラ
ンク材を切削加工により製作した。以上の三種類の同形
状で樹脂部3の材質が異なるブランク材を用いて、外周
面に図5に示すようなギア歯10を切削加工し、切削性
の比較試験を実施した。
【0016】切削性の評価は、一つ切削工具で形成でき
たギア歯の個数の多少で判定する方法で行った。結果
は、ナイロン66(ガラス繊維25%入り)が15個、
PESが295個、ナイロン6が350個であった。こ
の結果から、切削のし易さからみた優位性は、ナイロン
6>PES>ナイロン66(ガラス繊維25%入り)の
順であり、繊維強化品は切削しにくくて量産工程では使
いずらいといえる。
たギア歯の個数の多少で判定する方法で行った。結果
は、ナイロン66(ガラス繊維25%入り)が15個、
PESが295個、ナイロン6が350個であった。こ
の結果から、切削のし易さからみた優位性は、ナイロン
6>PES>ナイロン66(ガラス繊維25%入り)の
順であり、繊維強化品は切削しにくくて量産工程では使
いずらいといえる。
【0017】〔III〕吸水性試験:上記切削性試験で
得られた図5の形状の樹脂ギア11を各材質別に被試験
体とし、60℃、相対湿度95%の条件下で長時間放置
して所定時間経過毎にギア外径寸法の変化量を測定し
た。結果を図6に示す。この結果から、本発明の実施例
であるポリエーテルスルホン(PES)製のものの寸法
変化量は非常に小さくて、ナイロン6及びナイロン66
製のものの1/4〜1/5程度であることが明らかであ
る。
得られた図5の形状の樹脂ギア11を各材質別に被試験
体とし、60℃、相対湿度95%の条件下で長時間放置
して所定時間経過毎にギア外径寸法の変化量を測定し
た。結果を図6に示す。この結果から、本発明の実施例
であるポリエーテルスルホン(PES)製のものの寸法
変化量は非常に小さくて、ナイロン6及びナイロン66
製のものの1/4〜1/5程度であることが明らかであ
る。
【0018】〔IV〕芯金形状と樹脂結合力との相関試
験:金属製芯金を有する樹脂ギアの芯金金属部と樹脂部
との結合力の大小と芯金形状との関係を実験的に検討し
た。 被試験体の芯金形状:図2に示したS45C製芯金(ボ
ス)1の外周面1aにクロスローレット加工を施したも
のを比較例1とする。
験:金属製芯金を有する樹脂ギアの芯金金属部と樹脂部
との結合力の大小と芯金形状との関係を実験的に検討し
た。 被試験体の芯金形状:図2に示したS45C製芯金(ボ
ス)1の外周面1aにクロスローレット加工を施したも
のを比較例1とする。
【0019】図7に示したS45C製芯金1の外周面の
中央部に高さ2.0 mmの凸部2を全周にわたり環状に形
成するとともに、その凸部2の外周面に深さ1.2 mmの
スプライン加工を施したものを比較例2とする。図8に
示すように、S45C製芯金1の外周面に全周にわたり
深さ1.5 mmのスプライン加工を施すと共に、そのスプ
ラインの軸方向の断面中央部に深さ1.5mmの凹溝12
を全周にわたり加工した。こうして得られた、軸方向の
断面の一部に凹溝12を有する突部13,13を外周の
周方向に断続して二列形成したものを実施例とする(図
8)。
中央部に高さ2.0 mmの凸部2を全周にわたり環状に形
成するとともに、その凸部2の外周面に深さ1.2 mmの
スプライン加工を施したものを比較例2とする。図8に
示すように、S45C製芯金1の外周面に全周にわたり
深さ1.5 mmのスプライン加工を施すと共に、そのスプ
ラインの軸方向の断面中央部に深さ1.5mmの凹溝12
を全周にわたり加工した。こうして得られた、軸方向の
断面の一部に凹溝12を有する突部13,13を外周の
周方向に断続して二列形成したものを実施例とする(図
8)。
【0020】上記の比較例1,2及び実施例の各金属製
芯金1を溶剤にて脱脂したものを、射出成形金型と同温
度に加熱し、その後直ちに射出成形金型内に挿入し、表
1に示す成形条件にてPES樹脂を射出成形して芯金付
樹脂ギアを製作した。これらの芯金付樹脂ギアを被試験
体としてスラスト保持力及びねじり強度の差異を測定し
た。
芯金1を溶剤にて脱脂したものを、射出成形金型と同温
度に加熱し、その後直ちに射出成形金型内に挿入し、表
1に示す成形条件にてPES樹脂を射出成形して芯金付
樹脂ギアを製作した。これらの芯金付樹脂ギアを被試験
体としてスラスト保持力及びねじり強度の差異を測定し
た。
【0021】スラスト方向保持力は、図9に示すように
受け台20に被試験体の樹脂ギア11を載せ、芯金1の
中央に加重Pを負荷して芯金1−樹脂部3間のスラスト
方向保持力を測定した。なお、試験装置は島津製作所
(株)製のオートグラフ試験機を使用した。ねじり強度
は、被試験体の樹脂ギア11を圧入したホイール軸を固
定し、被試験体の樹脂ギアのギア歯にウォーム軸を噛み
合わせて所定トルクで所定角度回転させたとき、樹脂ギ
アの樹脂部5と芯金1との間に生じた滑りまたは樹脂部
5が破壊したときのトルクを計測してねじり強度すなわ
ちギア回転方向の強度を求めた。
受け台20に被試験体の樹脂ギア11を載せ、芯金1の
中央に加重Pを負荷して芯金1−樹脂部3間のスラスト
方向保持力を測定した。なお、試験装置は島津製作所
(株)製のオートグラフ試験機を使用した。ねじり強度
は、被試験体の樹脂ギア11を圧入したホイール軸を固
定し、被試験体の樹脂ギアのギア歯にウォーム軸を噛み
合わせて所定トルクで所定角度回転させたとき、樹脂ギ
アの樹脂部5と芯金1との間に生じた滑りまたは樹脂部
5が破壊したときのトルクを計測してねじり強度すなわ
ちギア回転方向の強度を求めた。
【0022】結果を表2に示す。評価は、樹脂ギアに要
求されるスラスト荷重は1000kgf程度であり、こ
の数値を満たす金属製芯金は○、それ未満は×とした。
ねじり強度は60kgfmを基準値として、この数値を
満たすものは○、それ未満は×とした。
求されるスラスト荷重は1000kgf程度であり、こ
の数値を満たす金属製芯金は○、それ未満は×とした。
ねじり強度は60kgfmを基準値として、この数値を
満たすものは○、それ未満は×とした。
【0023】
【表2】
【0024】この結果から、芯金外周にクロスローレッ
ト加工を施した比較例1はスラスト方向保持力及びねじ
り強度のいずれも基準値を下回り、また芯金外周に軸方
向で一山の凸部2を設けた比較例2はねじり強度は良い
がスラスト方向保持力が基準値を下回っているのに対し
て、本発明の実施例はスラスト方向保持力およびねじり
強度共に基準値を上回り良好な結果が得られることが明
らかである。
ト加工を施した比較例1はスラスト方向保持力及びねじ
り強度のいずれも基準値を下回り、また芯金外周に軸方
向で一山の凸部2を設けた比較例2はねじり強度は良い
がスラスト方向保持力が基準値を下回っているのに対し
て、本発明の実施例はスラスト方向保持力およびねじり
強度共に基準値を上回り良好な結果が得られることが明
らかである。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
樹脂ギアの樹脂材としてポリエーテルスルホン樹脂を使
用したことにより、耐熱性に優れ物性的に安定が保たれ
ると共に、吸水による寸法変化が小さくて使用環境に左
右されにくい樹脂ギアが提供できるという効果が得られ
る。
樹脂ギアの樹脂材としてポリエーテルスルホン樹脂を使
用したことにより、耐熱性に優れ物性的に安定が保たれ
ると共に、吸水による寸法変化が小さくて使用環境に左
右されにくい樹脂ギアが提供できるという効果が得られ
る。
【0026】また、金属製円筒の外周に軸方向の断面の
一部に凹形状を有する突部を周方向に断続して形成する
ことで、樹脂ギアの成形収縮時に発生する応力が除去さ
れて、その結果、金属製円筒からなる芯金と樹脂間の固
着力の変動幅が小さく強度的に安定した樹脂ギアを提供
することができるという効果を奏する。また、射出成形
により製造可能であることから安価に提供できると共
に、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材を樹脂中に含有さ
せる必要がないことから切削性に富み且つ相手部材を傷
つけるおそれがない樹脂ギアを提供できるという効果も
得られる。
一部に凹形状を有する突部を周方向に断続して形成する
ことで、樹脂ギアの成形収縮時に発生する応力が除去さ
れて、その結果、金属製円筒からなる芯金と樹脂間の固
着力の変動幅が小さく強度的に安定した樹脂ギアを提供
することができるという効果を奏する。また、射出成形
により製造可能であることから安価に提供できると共
に、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材を樹脂中に含有さ
せる必要がないことから切削性に富み且つ相手部材を傷
つけるおそれがない樹脂ギアを提供できるという効果も
得られる。
【0027】なお、ギア歯の形成については、普通精度
のギアであれば切削加工でなく射出成形でギア歯を形成
することも可能であり、その場合、ギア歯に至るまで射
出成形された樹脂ギアにあっても優れた耐熱性、寸法安
定性が得られるという効果を奏するものである。
のギアであれば切削加工でなく射出成形でギア歯を形成
することも可能であり、その場合、ギア歯に至るまで射
出成形された樹脂ギアにあっても優れた耐熱性、寸法安
定性が得られるという効果を奏するものである。
【図1】本発明の実施例と比較例との引張強度保持率に
経時変化を示すグラフである。
経時変化を示すグラフである。
【図2】比較試験に用いた比較例の金属製芯金の断面図
である。
である。
【図3】図2に示す芯金の外周に円筒状樹脂部を射出成
形した成形品の断面図である。
形した成形品の断面図である。
【図4】図3に示す成形品のスプールを除去した斜視図
である。
である。
【図5】図4に示す成形品の外周にギア歯を形成した樹
脂ギアの斜視図である。
脂ギアの斜視図である。
【図6】本発明の実施例と比較例との吸水による外径寸
法変化率の経時変化を示すグラフである。
法変化率の経時変化を示すグラフである。
【図7】比較試験に用いた比較例の金属製芯金の断面図
である。
である。
【図8】比較試験に用いた実施例の金属製芯金の断面図
である。
である。
【図9】樹脂ギアの芯金−樹脂部間のスラスト方向保持
力測定方法を説明する断面図である。
力測定方法を説明する断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 金属製円筒の外周の樹脂層にギア歯を形
成した樹脂ギアにおいて、前記樹脂層がポリエーテルス
ルホン樹脂(PES)からなることを特徴とする樹脂ギ
ア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28533294A JPH08145146A (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 樹脂ギア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28533294A JPH08145146A (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 樹脂ギア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08145146A true JPH08145146A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17690183
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28533294A Pending JPH08145146A (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 樹脂ギア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08145146A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6497041B2 (en) | 2000-05-09 | 2002-12-24 | Showa Corporation | Method of producing resin gear |
EP1780445A1 (de) | 2005-10-19 | 2007-05-02 | IMS Gear GmbH | Zahnrad und Verfahren zum Herstellen eines Zahnrads |
-
1994
- 1994-11-18 JP JP28533294A patent/JPH08145146A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6497041B2 (en) | 2000-05-09 | 2002-12-24 | Showa Corporation | Method of producing resin gear |
DE10122144B4 (de) * | 2000-05-09 | 2009-05-20 | Showa Corp., Gyoda | Verfahren zum Herstellen eines Zahnrades aus Kunstharz |
EP1780445A1 (de) | 2005-10-19 | 2007-05-02 | IMS Gear GmbH | Zahnrad und Verfahren zum Herstellen eines Zahnrads |
US8794096B2 (en) | 2005-10-19 | 2014-08-05 | Ims Gear Gmbh | Gearwheel and method for manufacturing a gearwheel |
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