JPH0814487B2 - 可撓性円筒体の肉厚測定方法及びその装置 - Google Patents

可撓性円筒体の肉厚測定方法及びその装置

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JPH0814487B2
JPH0814487B2 JP61311719A JP31171986A JPH0814487B2 JP H0814487 B2 JPH0814487 B2 JP H0814487B2 JP 61311719 A JP61311719 A JP 61311719A JP 31171986 A JP31171986 A JP 31171986A JP H0814487 B2 JPH0814487 B2 JP H0814487B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、可撓性円筒体の肉厚測定方法及びその装
置に係わり、更に詳しくは例えばダンパー等と併用して
使用されるゴム製円筒体の肉厚測定を自動的にしかも精
度良く測定して、規格内の製品か否かを自動的に判定す
る可撓性円筒体の肉厚測定方法及びその装置に関するも
のである。
〔従来技術〕
一般に車両の懸架装置には、ショックアブソーバ等の
緩衝装置が使用されており、この緩衝装置の一つとして
例えば第5図に示すようなものが使用される。
この緩衝装置は、ダンパー1の上端外周面に円筒状の
ゴム製円筒体2の一端を止め金具3によりカシメ固定さ
れ、そしてU字状に折曲げられたゴム製円筒体2の他端
側外周面には、金具4が止め金具5を介して固定されて
いる。
金具4はダンパー1のロッド6に固定され、そしてそ
の内部には密閉された空気室7が構成されている。
ところで、上記のような円筒状のゴム製円筒体2は、円
錐筒状に形成され、小径部分2aはダンパー1の上端外周
面に固定され、また大径部分2bはゴム製円筒体2を外側
に折り返した状態で金具4に固定される。
従って、ゴム製円筒体2の小径部分2a及び大径部分2b
の肉厚は、組付け作業性の点から精度が要求され、また
中央部の肉厚は常時上下方向に移動させられる点から肉
厚の肉薄や周方向の偏肉厚は、性能や寿命に多大の影響
を持つとされている。
そこで、従来から円筒状のゴム製円筒体2を製造する
場合には、肉厚精度が非常に問題となり、製造後におい
ても肉厚測定が行われていた。
従来の円筒体の測定方法としては、例えばU字型の治
具の端部に、受部とマイクロメータを対向的に取付け、
この間に被測定物を挿入し、マイクロメータを操作して
必要な位置と、周分割に従って人手により少なくとも1
本当たり20点以上の計測を行っていた。
このため、測定精度の面から受部とマイクロメータと
を独立的に扱って計測することができず、また精度の良
い計測を行うことは困難であった。
〔発明の目的〕
この発明は、かかる従来の問題点に着目して案出され
たもので、その目的とするところは可撓性円筒体の肉厚
を計測する場合に、人手を介することなく自動的に、し
かも精度良く測定出来ると共に、作業性を向上させるこ
とが出来る可撓性円筒体の肉厚測定方法及びその装置を
提供するものである。
〔発明の構成〕
この発明は上記目的を達成するため、所定長さでテー
パ筒状に形成された可撓性円筒体の肉厚を、多点にわた
って測定検査する可撓性円筒体の肉厚測定方法であっ
て、始めにテーパ状に形成された円柱治具の各測定点に
おける0点のずれを計測手段により計測して制御装置に
記憶させ、次いで、前記可撓性円筒体を、旋回機構を介
して回転可能なテーパ状の円柱治具に被嵌させて取付
け、この可撓性円筒体外周面の複数箇所に、円柱治具の
周囲に配設した複数の計測手段を前進させて肉厚を実測
し、予め測定した各円柱治具外周面の測定値と対応させ
ながら0点のずれの値を減算して補正すると共に、これ
を真値としてデータ処理し、前記予め測定した円柱治具
外周面の測定値の減算補正値と上下限設定値とを比較演
算することにより、可撓性円筒体の複数箇所の肉厚が設
定値に入るか否かを判定することが出来るので、従来の
ように人手を介することなく精度良く計測することを要
旨とするものである。
またこの発明は、所定長さでテーパ筒状に形成された
可撓性円筒体の肉厚を、多点にわたって測定検査する可
撓性円筒体の肉厚測定装置であって、前記可撓性円筒体
を被嵌させて取付けるテーパ状に形成された円柱治具を
旋回機構を介して回転可能に立設し、前記円柱治具の外
周に、接近・離反自在なスライドベースを設けると共
に、このスライドベースに、可撓性円筒体外周面の複数
箇所に当接可能で、かつ円柱治具の長手方向に移動調節
可能な複数の計測手段を配設し、この各計測手段を、計
測手段で計測した計測値の治具分補正演算と、更に予め
設定した上下限設定値と比較演算する制御装置に接続し
て構成したので、人手により計測作業を行う必要がな
く、従って作業性を向上させることが出来ると共に、計
測時間も短時間に行うことが出来、更に複雑な機構を使
用しないので安価に製造出来ることを要旨とするもので
ある。
〔発明の実施例〕
以下添付図面に基いて、この発明の実施例を説明す
る。
第1図は、車両のダンパー等と併用して使用されるゴ
ム製円筒体等の可撓性円筒体Wの肉厚tを測定する肉厚
測定装置の正面図を示し、この肉厚測定装置は、第1図
〜第3図に示すようにテーパ筒状に形成された可撓性円
筒体Wを被嵌させて取付けるテーパ状に形成された円柱
治具10と、この円柱治具10を回転可能に支持する旋回機
構11と、前記円柱治具10の外周に、接近・離反自在なス
ライドベース12と、このスライドベース12に、可撓性円
筒体外周面の複数箇所に当接させる複数の計測手段13
と、この各計測手段13に接続された制御装置14とで構成
され、この制御装置14は、前記計測手段13で計測した計
測値と初期治具のみで計測した治具分補正値と、予め設
定した上下限設定値と比較演算して可撓性円筒体Wの数
箇所の肉厚tが設定値に入るか否かを判定するものであ
る。
前記、円柱治具10は可撓性円筒体Wの内径よりもわず
かに小径(0.5mm〜2mm程度)に形成され、旋回テーブル
15内に組み込まれたセンター治具16上に立設された支持
ロッド17に挿通されてその上端をナット18により固定さ
れている。
前記旋回機構11は、サーキュラーサーブル19の内部に
前記旋回テーブル15を旋回させるためのウォームホイー
ル20が内装され、このウォームホイール20にモータ21の
駆動軸22に設けられたウォームギヤ23が噛合して、前記
円柱治具10を所定の速度で回転させるように構成されて
いる。
前記円柱治具10の外周数箇所(この実施例では対向す
る位置に2箇所)には、当該円柱治具10の軸心に対し、
接近、離反自在な計測手段スライド装置100が設けられ
ている。
この計測手段スライド装置100は次の如く構成されて
いる。円柱治具10に対し接近・離反自在なスライドベー
ス12は、支持プレート24に取付けブロック軸受25を介し
て支持されたスライドシャフト26にスライドベアリング
27を介して摺動自在に支持され、このスライドベース12
は、前記支持プレート24の側部に固定された位置センサ
ー付のエアーシリンダー28のロッド29の先端に連結ロッ
ド30を介して連結されている。
前記スライドベース12の側面には、上下方向に高さ調
整レール31が配設され、この高さ調整レール31の数箇所
(第1図の左側は2箇所,右側は3箇所)に、リニアゲ
ージ等の計測手段13が取付けられている。
計測手段13は、プレート32の先端にロックボルト33を
介して角度調整自在に取付けられ、このプレート32は前
記高さ調整レール31にロックボルト34を介して位置調整
可能に取付けられている。
計測手段13の先端には、ロッド状の検出子13aが伸縮
自在に取付けられている。
上記各計測手段13は、第4図に示すような制御回路35
を介して制御装置14に接続されている。
制御回路35は、各計測手段13に検出値を測定するカウ
ンター36が接続され、そして各カウンター36は制御装置
14に計測値を出力するようになっている。
前記制御装置14には、各計測手段13で計測した値の電
気出力が、カウンター36を介して入力され、計測演算記
憶及びデータ処理を行うものである。
なお、第4図は第1図の測定装置を模式図であり、各機
構は線図的に表しており、第1図の符号は同一構成要素
を示している。
次に、肉厚測定方法について説明する。
まず、始めに円柱治具10の各測定点(例えば第4図にお
いてA点,B点,C点,D点,E点を周上の4箇所、即ち90度間
隔の位置)における0点のずれを計測手段13により計測
して制御装置14に記憶させる。
次に、可撓性円筒体Wを、旋回機構11を介して回転可
能な円柱治具10に被嵌させて取付け、この可撓性円筒体
10の外周面の複数箇所A点,B点,C点,D点,E点に、円柱治
具10の周囲に配設した複数の計測手段13をエアーシリン
ダー28を介して前進させて5点の肉厚を実測させる。そ
して、次に旋回機構11により90度毎旋回させて、計4回
同様な計測を行い全部で20箇所行う。
そしてこの計測値を制御装置14に入力させて、予め測
定した各円柱治具外周面の測定値と対応させながら0点
のずれの値を差し引き補正し、これを真値としてデータ
処理する。
更に予め入力された上下限設定値と比較演算処理する
ことにより、可撓性円筒体Wの複数箇所の肉厚tが設定
値に入るか否かの合否を判定するのである。
なお、上記の装置により可撓性円筒体Wの肉厚tの必
要精度を計測出来るのは、10μ以下が可能である。
〔発明の効果〕
この発明は、上記のように始めに円柱治具の各測定点
における0点のずれを計測手段により計測して制御装置
に記憶させ、次いで、前記可撓性円筒体を、旋回機構を
介して回転可能なテーパ状に形成された円柱治具に被嵌
させて取付け、この可撓性円筒体外周面の複数箇所に、
円柱治具の周囲に配設した複数の計測手段を前進させて
肉厚を実測し、予め測定した各円柱治具外周面の測定値
と対応させながら0点のずれの値を減算して補正すると
共に、これを真値としてデータ処理し、前記予め測定し
た円柱治具外周面の測定値の減算補正値と上下限設定値
とを比較演算することにより、特にテーパ筒状に形成さ
れたゴム等の可撓性円筒体の複数箇所の肉厚が設定値に
入るか否かを自動的に判定することが出来るので、従来
のように人手を介することなく精度良く計測することが
出来る効果がある。
また、可撓性円筒体を被嵌させて取付けるテーパ状に
形成された円柱治具を旋回機構を介して回転可能に立設
し、前記円柱治具の外周に、接近・離反自在なスライド
ベースを設けると共に、このスライドベースに、可撓性
円筒体外周面の複数箇所に当接可能で、かつ円柱治具の
長手方向に移動調節可能な複数の計測手段を配設し、こ
の各計測手段を、計測手段で計測した計測値の治具分補
正演算と、更に予め設定した上下限設定値と比較演算す
る制御装置に接続して構成したので、人手により計測作
業を行う必要がなく、従って作業性を向上させることが
出来ると共に、計測時間も短時間に行うことが出来、更
に複雑な機構を使用しないので安価に製造出来る効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を実施した肉厚測定装置の正面図、第
2図は第1図のII-II矢視平面図、第3図は第2図の計
測手段の作動状態図、第4図は制御回路の説明図、第5
図は可撓性円筒体の使用状態を示す説明図である。 10……円柱治具、11……旋回機構、12……スライドベー
ス、13……計測手段、14……制御装置、W……可撓性円
筒体、t……肉厚。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定長さでテーパ筒状に形成された可撓性
    円筒体の肉厚を、多点にわたって測定検査する可撓性円
    筒体の肉厚測定方法であって、 始めにテーパ状に形成された円柱治具の各測定点におけ
    る0点のずれを計測手段により計測して制御装置に記憶
    させ、次いで、前記可撓性円筒体を、旋回機構を介して
    回転可能なテーパ状の円柱治具に被嵌させて取付け、こ
    の可撓性円筒体外周面の複数箇所に、円柱治具の周囲に
    配設した複数の計測手段を前進させて肉厚を実測し、予
    め測定した各円柱治具外周面の測定値と対応させながら
    0点のずれの値を減算して補正すると共に、これを真値
    としてデータ処理し、前記予め測定した円柱治具外周面
    の測定値の減算補正値と上下限設定値とを比較演算する
    ことにより、可撓性円筒体の複数箇所の肉厚が設定値に
    入るか否かを判定することを特徴とする可撓性円筒体の
    肉厚測定方法。
  2. 【請求項2】所定長さでテーパ筒状に形成された可撓性
    円筒体の肉厚を、多点にわたって測定検査する可撓性円
    筒体の肉厚測定装置であって、 前記可撓性円筒体を被嵌させて取付けるテーパ状に形成
    された円柱治具を旋回機構を介して回転可能に立設し、
    前記円柱治具の外周に、接近・離反自在なスライドベー
    スを設けると共に、このスライドベースに、可撓性円筒
    体外周面の複数箇所に当接可能で、かつ円柱治具の長手
    方向に移動調節可能な複数の計測手段を配設し、この各
    計測手段を、計測手段で計測した計測値の治具分補正演
    算と、更に予め設定した上下限設定値と比較演算する制
    御装置に接続して構成したことを特徴とする可撓性円筒
    体の肉厚測定装置。
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