JPH08142208A - フィラメントワインディング成形品の製造方法 - Google Patents

フィラメントワインディング成形品の製造方法

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JPH08142208A
JPH08142208A JP6290094A JP29009494A JPH08142208A JP H08142208 A JPH08142208 A JP H08142208A JP 6290094 A JP6290094 A JP 6290094A JP 29009494 A JP29009494 A JP 29009494A JP H08142208 A JPH08142208 A JP H08142208A
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filament
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禎仁 中原
Masanori Ito
正則 伊藤
Ietsugu Santou
家嗣 山藤
Toshiyuki Ito
稔之 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率的に樹脂を均一含浸して、生産性よく良
好なフィラメントワインディング成形品を製造し得る方
法を提供する。 【構成】 扁平にした強化繊維からなるトウの少なくと
も片面に樹脂を一定比率で供給し、トウに接触させると
同時にあるいは直後にトウの厚さ方向に樹脂を浸透さ
せ、トウ構成フィラメントの横方向移動によりトウ内に
樹脂を均一に含浸させた後、マンドレル上に巻き付けて
成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化複合材料成形
品をフィラメントワインディングにて製造する方法の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フィラメントワインディング成形品の製
造方法には、樹脂が含浸されていない強化繊維トウをフ
ィラメントワインディング成形機に供給し、インライン
にて樹脂を含浸した後マンドレルに巻き取る方法と、オ
フラインにて樹脂を含浸された強化繊維トウをフィラメ
ントワインディング成形機に供給し、マンドレルに巻き
取る方法がある。
【0003】特に前者の方法に於いては、温度を制御さ
れたレジンバスと呼ばれる樹脂浴槽中に強化繊維トウを
通過させ、該強化繊維トウに付着した余剰樹脂をドクタ
ーブレードやニップロール等により掻き落とし、その後
数本のフラットロール類にて樹脂含浸を促進し、最終的
にマンドレル上に巻き付け成形する方法や、レジンバス
内の樹脂に接するように設置された転写ロールに該樹脂
を転写させ、転写樹脂をドクターブレード等により樹脂
量調整し、この後強化繊維トウに量調整された転写樹脂
を再度転写し、その後数本のフラットロール類にて樹脂
含浸を促進し、最終的にマンドレル上に巻き付け成形す
る方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記フィラメントワイ
ンディング成形品の製造方法で用いられる強化繊維トウ
において、インラインにて樹脂を含浸する場合、マンド
レルへの巻き付け速度の変動と共に長手方向の樹脂含有
量の変動が発生するため、フィラメントワインディング
成形品内部に樹脂過剰部や樹脂不足部が存在しやすくな
る。
【0005】また、常温液体樹脂では問題はないが、ホ
ットメルト樹脂を用いる場合従来の方法では樹脂のステ
ージアップが問題となり、また、フィラメントワインデ
ィング巻き付け速度に対する強化繊維トウへの樹脂含浸
速度に関していえば、従来の方法に於いては、数本のフ
ラットロール類による含浸の速度は転写樹脂の予備加
熱、強化繊維トウ張力により発生する加圧条件、および
熱硬化性樹脂であれば樹脂のライフとの兼ね合いで決定
され、単に加熱低粘度化すれば良いというわけではな
く、含浸させる工程の長さ等の問題もあり、生産速度の
向上には樹脂含浸速度による限界があった。
【0006】また溶剤を用いる場合に於いては、溶剤で
低粘度化して含浸した後、溶剤を揮発させて製造する方
法が以前からおこなわれてきたが、この方法では溶剤の
揮発による環境問題やフィラメントワインディング成形
後の加熱時の溶剤が発泡するために発生するボイドが問
題であった。
【0007】更にオフラインにて樹脂を含浸された強化
繊維トウをフィラメントワインディング成形機に供給す
る場合、供給された樹脂含有強化繊維トウの取扱性を良
好とする様々な工夫、例えば樹脂及び樹脂粘度の適正
化、セパレートフィルムの装着等を行う必要があり、フ
ィラメントワインディング成形機へ供給する前工程が複
雑化し、使用樹脂の種類にも制限があった。
【0008】本発明は、上記従来の問題点を解決し、効
率的に樹脂を均一含浸して、生産性よく良好なフィラメ
ントワインディング成形品を製造し得る方法を提供する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、扁平にした強
化繊維からなるトウの少なくとも片面に樹脂を一定比率
で供給し、トウに接触させると同時にあるいは直後にト
ウの厚さ方向に樹脂を浸透させ、トウ構成フィラメント
の横方向移動によりトウ内に樹脂を均一に含浸させた
後、マンドレル上に巻き付けて成形することを特徴とす
るフィラメントワインディング成形品の製造方法によっ
て上記課題を解決するものである。
【0010】本発明における強化繊維とは、長繊維から
なる強化繊維(束)で無機繊維、有機繊維、金属繊維ま
たはそれらの混合からなる繊維である。無機繊維として
は、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊
維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス
繊維などが良い。有機繊維としては、アラミド繊維、高
密度ポリエチレン繊維、その他一般のナイロン、ポリエ
ステル等の有機繊維が良い。金属繊維としては、ステン
レス、鉄等の繊維で移動性があれば使用可能である。
【0011】繊維の直径は0.1μm以上100μm以
下のものが好ましい。0.1μm未満では強度が小さく
なり、横方向の移動を起こす際に切断する虞がある。ま
た100μmを越えると剛直になりすぎて横方向の移動
が困難になる。
【0012】樹脂としては、一般に繊維強化複合材料に
用いられる熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂が用いられる
が、加熱低粘度化できる熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬
化性樹脂としては、エポキシ樹脂,フェノール樹脂,ビ
ニルエステル樹脂,エポキシアクリレート樹脂,ウレタ
ンアクリレート樹脂,フェノキシ樹脂,アルキド樹脂,
ウレタン樹脂などが使用できるが、実用的な面から言え
ばエポキシ樹脂,フェノール樹脂が好適である。熱可塑
性樹脂としては、PEEK,PEI,ポリアリレート,
ポリスルフォン,等の超エンジニアリングプラスチッ
ク、またナイロン,ポリエステル,ABSなどのエンジ
ニアプラスチック、さらにアクリル樹脂,ポリエチレン
樹脂,ポリプロピレン樹脂などの汎用プラスチックが使
用できる。
【0013】これらの樹脂に必要な性状としては、含浸
時における温度で流動性を有していることである。流動
性の尺度としての粘度の範囲としては1CPS(センチ
ポアズ)以上100万CPS以下が好ましい。更に含浸
時の粘度は小さければ小さいほどよく1CPS以上1万
CPS以下が理想的である。なぜなら、以下で説明する
フィラメント移動の含浸作用でフィラメントの移動及び
それにともなう樹脂移動を容易にするよう、少なくとも
フィラメント易動性は高くなければならない為である。
すなわち粘度を小さくしてフィラメント移動抵抗を小さ
くすることが必要である。粘度レベルにおいて1CPS
未満の樹脂はほとんど存在しない。100万CPSを越
えると粘度が高くフィラメント移動およびそれにともな
う樹脂の移動がほとんど不可能である。また、フィラー
等の添加材の有無は、含浸時に樹脂の流動性があれば問
題はない。
【0014】トウは扁平であることが樹脂との接触面積
を広くするため望ましく、またトウ幅を一定幅にするこ
とは、定量供給した樹脂との接触面積を一定にする意味
で重要である。一般的に強化繊維トウは一定幅になって
いないので拡幅する必要がある。拡幅させる方法として
は、円筒バーで擦過させる、振動を加える、押しつぶす
等の工程が使用可能である。樹脂がトウに接触する前に
トウは扁平拡幅されていればよく、そのためには本発明
の製造プロセスにおいて、インラインまたはオフライン
でトウに樹脂が接触するときのトウ幅以上に拡幅されて
いれば良い。市販されているテープ状トウは、オフライ
ンで拡幅されたトウとみなされる。拡幅されているトウ
のトウ幅は安定化している訳ではなく、その広がり方に
はばらつきがある。従って、樹脂接触時に樹脂との接触
面積を安定化させるには、樹脂接触直前、あるいは樹脂
接触時にトウ幅を狭め安定化させることが効果的であ
る。その方法の1例として、樹脂吐出口に溝をもうける
方法がトウ幅を狭めるために使用可能である。
【0015】トウ予備加熱は、樹脂接触後トウ内浸透時
に樹脂温度が低下しないように、あらかじめトウ温度を
上昇させておく意味がある。予備加熱されたトウ温度
は、接触前の樹脂温度以上にしておけば、トウと樹脂の
接触後のトウ温度は接触前の樹脂温度より低くなること
はない。加熱方法としては、加熱体直接接触加熱または
通電加熱、誘電加熱、赤外線加熱、雰囲気加熱など非接
触加熱法が使用可能である。
【0016】強化繊維トウに含浸させる樹脂の含有量は
10重量%以上80重量%以下が良い。10重量%未満
では均一含浸しにくく、80%を越えるとフィラメント
ワインディング成形品の機械特性に問題が生じる。機械
特性の性能を効果的に発現させるには30重量%以上5
0重量%以下が理想的である。
【0017】本発明においては、樹脂とトウを接触させ
ると同時にあるいはその直後に、トウの厚さ方向に樹脂
を浸透させるのが、定量供給した樹脂をトウの中に遅滞
なく浸透付着させる意味で重要である。その方法として
は、樹脂を接触させたトウ面側をすばやく擦過するのが
良い方法である。ここで擦過とは、擦過体たとえば円弧
上あるいはエッジでトウをこすることを意味する。擦過
時にトウは擦過体側に押しつけられるので必然的にトウ
厚さ方向への樹脂加圧力が働く。その結果樹脂のトウ内
への浸透がおこなわれる。トウは擦過体に押しつけられ
ているので、擦過体とトウの間には隙間は存在しない。
樹脂接触後の円弧上での擦過では、巻角度が1°以上9
0°以下が望ましい。1°未満では樹脂浸透の効果が小
さく、90°を越えると擦過による抵抗で張力が大きく
なるためである。
【0018】本発明のように擦過で急激な加圧力を発生
させた場合、樹脂の浸透状況は不均一となる。しかしこ
こでは均一に含浸させることを目的にしているわけでは
なく、樹脂の付着を確実にすることに主眼をおいてい
る。従って、この樹脂含浸の均一化はこの次にくる含浸
工程の重要課題となる。本発明の樹脂の定量付着制御性
は樹脂吐出機の吐出精度に依存し、供給した樹脂をすば
やく且つ停滞無くトウ内に押し込むことにあり、クリア
ランス等の狭い空間にトウを通過させトウの表面に樹脂
皮膜層を形成することではない。ここで擦過はトウ表面
に樹脂皮膜層を形成することではなく、すばやく樹脂を
トウ内に押し込む作用として働く。
【0019】本発明の含浸工程におけるフィラメントの
横方向移動とは、あえて積極的にトウのフィラメントに
外的操作を加えてフィラメントの繊維方向に垂直な方向
にフィラメントを動かし、フィラメントの相対位置を変
化させて樹脂とフィラメントの接触機会を増し、単に樹
脂を加圧する、毛細管現象での樹脂の濡れによる含浸作
用以上の含浸効果をあげることを特徴としている。具体
的には、樹脂が浸透したテープ状トウの折り畳み、トウ
幅の拡大・縮小、加撚等が使用可能でこれらを併用する
と均一含浸の効果が高まる。これらの作用によってフィ
ラメントがトウ内で位置を変え、その結果樹脂との接触
機会が増す。さらに二次的な作用として樹脂の新たな流
動を引き起こし均一含浸に有利になる。また加撚によっ
ては樹脂がトウの外側に押し出される効果を生み出す。
【0020】これらの作用において、折り畳み、トウ幅
の縮小、及び加撚はトウ幅を狭める傾向にある。従って
これらの作用と拡幅を併用すると均一含浸の効果が高く
なる。しかしこれら作用の中で併用しても均一含浸の効
果は充分にある。またトウは引っ張れば集束する性質が
あるので、擦過作用の間隔を大きくとることでトウは自
然に集束し、擦過で再度拡幅することで含浸の均一化を
はかることも可能である。しかし本発明のように積極的
にトウ幅を縮小する方が、短い距離でフィラメントの横
方向移動を可能とするので効果的といえる。
【0021】加撚作用は、トウの回転が起こりトウ内の
フィラメント位置関係が変動する。トウの回転はこの加
撚作用に属する。加撚は樹脂含浸時におこなえばよく、
含浸後の中間材に撚りのない状態が必要なら、含浸後に
撚り戻しをすればよい。また、仮撚りであれば撚り戻し
をする必要はなく、撚りのないトウが必要な場合には最
も望ましい。また、加撚と同時にあるいは直後に擦過を
加えればトウ幅の広がる傾向がでてきて、更に樹脂の厚
さ方向の移動のため含浸の均一性は高くなる。
【0022】フィラメントの横方向移動の均一含浸にお
いて、ロール等回転体を用いてそれを製造速度未満の周
速で回転させることは、毛羽の堆積やロールのクリーニ
ング等にとって有用である。ここで製造速度未満の周速
とは、回転体表面でトウが擦過されていればよい。そう
すればトウは回転体表面で絡まりつくこともなく、また
擦過され且つ回転されているので、トウと回転体の接触
する面は常にクリーニングされている状態となり、製造
環境の向上に有用である。回転体の周速は製造速度以下
であればよく、トウの走行方向と逆方向の擦過になって
も良い。
【0023】本発明で均一含浸させたトウは溝付きロー
ルやクリアランスを設けたロールで幅を狭めると同時に
圧縮して断面形状を制御することができる。その制御位
置はマンドレルへの巻き付け直前が好ましい。
【0024】強化繊維トウに樹脂を供給し付着させる方
法としては、溶融樹脂吐出機を用いるのが理想的であ
る。プランジャー式吐出機、ギアポンプ式吐出機、エク
ストルーダーなどが使用可能であるが、特に超精密ギア
ポンプ、あるいはエクストルーダーを用いるのが定量供
給精度上理想的である。熱硬化性樹脂の場合で樹脂混合
後の樹脂ライフが問題になるときは、硬化剤と主剤を別
々に押し出し、スタティックミキサー等で混合させなが
ら供給すれば更に理想的である。付着の際に必要なこと
は、樹脂が低粘度化してトウに付着しやすくなっている
ことである。
【0025】前述の溶融樹脂吐出機を用い比率一定供給
を行う方法としては、例えば強化繊維トウの速度を検出
して電気信号に変換し、該電気信号によるフィードバッ
クを溶融樹脂吐出機駆動用モータにて行う方法や、あら
かじめフィラメントワインディング成形機駆動用モータ
と溶融樹脂吐出機駆動用モータの動作内容をコンピュー
タにプログラムし、動作制御を行う方法等が可能であ
り、またこれらと同様の機能の範囲での最適な制御構成
とすることは何ら差し支えない。
【0026】本発明を図面に従って説明すると、図1は
本発明に係わる製造方法の基本的な工程の一例を示す側
面図である。同図において、ボビンに巻かれてある強化
繊維にはテープ状トウを用いクリール1から一定張力で
引き出す。引き出された強化繊維トウ2は拡幅ロール3
を通過させ擦過拡幅を行う。タンク4で樹脂を加熱保持
し、ギアポンプ式樹脂吐出機5で樹脂を押し出し加熱ホ
ース6を経由して吐出口7まで供給する。そのとき拡幅
したトウを吐出口で幅を狭め一定幅にして供給された樹
脂と接触させる。その後樹脂浸透用擦過体8で樹脂をト
ウの中に浸透させる。トウ幅を狭めるため、また樹脂付
着や擦過による樹脂浸透の際に樹脂が溢れ出さないよう
にトウ通過帯は溝状にしてある。その後トウ幅を縮小す
るロールと拡大するロールとを交互に配置したフィラメ
ント横方向移動含浸部9で均一含浸させる。均一含浸済
トウ10は、フィラメントワインディング成形部11に
おいて回転するマンドレル12に巻き付け管状体等の成
形体とする。
【0027】図2は、トウを構成するフィラメントの横
方向移動を、トウ幅の拡大と縮小とを併用して行う手段
の一例を示す側面図で、同図において、15はトウ幅を
拡大するためのロールであり、16はトウ幅を縮小する
ためのロールであって、ロールを傾斜させることにより
トウ幅を狭めることができる。
【0028】図3は、トウを構成するフィラメントの横
方向移動を、トウの加撚とトウ幅の拡大とを併用して行
う手段の一例を示す側面図で、同図において、17は加
撚具を示している。
【0029】図4は、トウを構成するフィラメントの横
方向移動を、トウの折り畳みとトウ幅の拡大とを併用し
た手段の一例を示す側面図で、同図において、トウ2は
折り畳みガイド19で徐々に折り畳まれて行き、垂直に
立ったロール対18で完全に折り畳まれる。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。
【0031】[実施例1]図1の製造工程でフィラメン
トワインディング成形品を製造した。またフィラメント
横方向移動による樹脂含浸手段としては、図2に示すト
ウ幅の拡大と縮小とを併用して行う手段を2ユニット用
いた。強化繊維は米国グラフィル社製炭素繊維TR30
Gトウ1本を使用した。トウ2をトウ幅拡大ロール3で
5mm以上に拡幅し、樹脂吐出口7と樹脂浸透擦過体8
をあわせたノズルで4mm幅に狭めると同時にトウ2の
片面に樹脂を供給して接触させ、その後樹脂浸透擦過体
8で樹脂をトウ2内に浸透させた。樹脂は油化シェルエ
ポキシ社製エピコート1001および834を50/5
0で混合し、その混合物にジシアンジアミドを4部混合
した樹脂組成物を用いた。混合した樹脂はタンク4で6
5℃に保持され、ギアポンプから加熱ホース6を通して
吐出口7から120℃で吐出した。
【0032】ノズルでは樹脂接触、浸透時には樹脂の溢
れだしや樹脂の停滞はなく、ギアポンプから吐出された
樹脂が停滞なくトウに付着していることが確認された。
その後トウ幅の縮小と拡大とによりフィラメントの横方
向移動を施して樹脂を均一に含浸させた。その時の樹脂
粘度は約500CPSであった。最後の含浸ロールでト
ウ幅を約5mm幅に拡幅した後、フィラメントワインデ
ィング成形部にてマンドレル上に巻き取り、しかる後加
熱オーブンにて130℃、4時間の条件で樹脂の硬化を
行ってフィラメントワインディング成形体を得た。なお
上記製造工程中、オムロン社製ロータリエンコーダE6
B−CWZ3C非接触式速度検出用センサーを用いて、
トウ走行速度の検出を樹脂吐出用ノズル直前で行い、該
速度信号を樹脂供給用ギアポンプモータへフィードバッ
クすることにより樹脂供給量を制御した。製造速度5〜
50m/minの範囲で樹脂の含浸状況は良好であっ
た。また樹脂含有量は35%±1%の範囲内にあり高精
度であった。
【0033】[実施例2]実施例1におけるトウ走行速
度の検出及び樹脂供給用ギアポンプモータへのフィード
バックに代えて、フィラメントワインディング成形用駆
動部と樹脂吐出機駆動部の動作を予めプログラミングす
ることにより樹脂吐出量を制御した。樹脂の含浸状態は
良好で樹脂含有量制御性も実施例1と同様良好であっ
た。
【0034】[実施例3]トウ幅拡大ロール3を除く以
外は実施例1と同様の製造工程により、米国グラフィル
社製TR30GWDテープ状炭素繊維トウを用いて、樹
脂系は実施例1と同じ系でフィラメントワインディング
成形品の製造を行った。トウは4mm以上幅のものを、
ノズルで4mmに狭めて使用した。成形品の性状は実施
例1と同様であった。
【0035】[実施例4]実施例1の製造工程で、フィ
ラメント横方向移動による樹脂含浸手段として図3に示
すトウ加撚とトウ幅拡大を併用する手段を2ユニット使
用して加撚数を10回/mに設定し、強化繊維、樹脂、
及び製造条件を実施例1と同様にしてフィラメントワイ
ンディング成形品を製造した。樹脂の含浸状態は良好で
樹脂含有量制御性も実施例1と同様良好であった。
【0036】[実施例5]実施例1の製造工程で、フィ
ラメント横方向移動による樹脂含浸手段として図4に示
すトウ折り畳みとトウ幅拡大を併用する手段を2ユニッ
ト使用し、強化繊維、樹脂、及び製造条件は実施例1と
同様にしてフィラメントワインディング成形品を製造し
た。樹脂の含浸状態は良好で樹脂含有量制御性も実施例
1と同様良好であった。
【0037】[実施例6]実施例1の製造工程で、同様
の炭素繊維トウを5本用い、各トウをロールで5mm以
上に拡幅した後幅を狭めて4mmにすると同時に横に並
べてトウ通過帯を20mmにしたノズルに5本まとめて
通過させ、トウ片側から樹脂を接触浸透させた。その後
トウを1本づつ分離し、フィラメント横方向移動による
樹脂含浸手段として図2に示す手段を2ユニット各トウ
毎に設置し、各トウ毎に樹脂を均一に含浸させ、しかる
後フィラメントワインディング成形部にてマンドレル上
に巻き取った。得られたフィラメントワインディング成
形品は実施例1で得られたのと同様の性能であった。
【0038】[実施例7]樹脂接触及び浸透のノズルの
前に予備加熱ロールを設置してトウを予備加熱する以外
は実施例1と同様にしてフィラメントワインディング成
形品を製造した。トウはロールへの接触加熱で温度を1
30℃にした。吐出した樹脂の温度は110℃であった
が樹脂の接触、浸透させた後のトウ温度は約120℃と
なった。その後均一含浸させ冷却してボビンに巻き取っ
た。実施例1では樹脂接触、浸透後のトウ温度は予備加
熱していなかったので最初の含浸ロールでトウ温度を上
昇させる必要があったが、樹脂接触前のトウ温度を上昇
させておくことでこのトウの加熱効率が向上した。
【0039】[実施例8]フィラメント横方向移動含浸
ロールを回転させる以外は実施例1と同様にしてフィラ
メントワインディング成形品を製造した。実施例1にお
いてはフィラメント横方向移動含浸のロールは固定して
用いていたので、ロールの後部に毛羽が堆積していた
が、本実施例では毛羽の堆積がなくなり作業性が改善さ
れた。なおロール回転数は毎分20回転で周速は約2.
5m/minであり、トウ走行速度は5〜50m/mi
nであった。
【0040】[実施例9]実施例1の製造工程におい
て、樹脂浸透の後、加熱ロールと、溝付きロールおよび
該溝に嵌合する突起付き圧縮ロールを用いてトウ幅を狭
めると同時に圧縮することにより断面形状を4mm幅矩
形に賦型して巻き取った。トウ断面形状が制御されてい
るためトウの配向性が改善された。
【0041】
【発明の効果】本発明により、フィラメントワインディ
ング成形品の製造方法で用いられる樹脂含有強化繊維ト
ウにおける、マンドレルへの巻き付け速度の変動に対す
る長手方向の樹脂含有量の変動が発生せず、フィラメン
トワインディング成形品内部の樹脂過剰部や樹脂不足部
の存在を防止することができる。また常温液体樹脂のみ
ならず、ホットメルト樹脂を用いて樹脂含有量を精密に
制御することにより効率的な均一含浸が可能で生産効率
が向上する。更にフィラメントワインディング成形速度
に対する強化繊維トウへの樹脂含浸速度に関しては、樹
脂含浸速度向上による成形速度向上が可能となり、含浸
させる工程の長さ等の問題も解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な製造プロセスの1例を示す側
面図である。
【図2】トウを構成するフィラメントの横方向移動を、
トウ幅の拡大と縮小とを併用して行う手段の一例を示す
側面図である。
【図3】トウを構成するフィラメントの横方向移動を、
トウの加撚とトウ幅の拡大とを併用して行う手段の一例
を示す側面図である。
【図4】トウを構成するフィラメントの横方向移動を、
トウの折り畳みとトウ幅の拡大とを併用した手段の一例
を示す側面図である。
【符号の説明】
1 クリール 2 強化繊維トウ 3 トウ幅拡大ロール 4 樹脂タンク 5 樹脂吐出機 6 加熱ホース 7 樹脂吐出口 8 擦過体 9 フィラメント横方向移動による樹脂含浸手段 10 樹脂含浸済みのトウ 11 フィラメントワインディング成形部 12 マンドレル 15 トウ幅拡大ロール 16 トウ幅縮小ロール 17 加撚具 18 トウ折り畳みロール 19 トウ折り畳みガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 稔之 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扁平にした強化繊維からなるトウの少な
    くとも片面に樹脂を一定比率で供給し、トウに接触させ
    ると同時にあるいは直後にトウの厚さ方向に樹脂を浸透
    させ、トウ構成フィラメントの横方向移動によりトウ内
    に樹脂を均一に含浸させた後、マンドレル上に巻き付け
    て成形することを特徴とするフィラメントワインディン
    グ成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 トウへの樹脂の供給を樹脂吐出機にて行
    い、且つトウ速度を検出して樹脂吐出機にフィードバッ
    クすることにより樹脂吐出量を制御する請求項1記載の
    フィラメントワインディング成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 トウへの樹脂の供給を樹脂吐出機にて行
    い、且つフィラメントワインディング成形用駆動部と樹
    脂吐出機駆動部の動作を予めプログラミングして樹脂吐
    出量を制御する請求項1記載のフィラメントワインディ
    ング成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 複数本の強化繊維トウを用いる請求項1
    記載のフィラメントワインディング成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 擦過体を用いてトウを擦過させることに
    より樹脂をトウの厚さ方向に浸透させる請求項1記載の
    フィラメントワインディング成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 トウ構成フィラメントの横方向移動を、
    トウの折り畳み、トウ幅の縮小・拡大、加撚等により行
    う請求項1記載のフィラメントワインディング成形品の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のフィラメントワインディ
    ング成形品の製造方法において、トウへの樹脂の接触前
    にトウを予備加熱することを特徴とするフィラメントワ
    インディング成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のフィラメントワインディ
    ング成形品の製造方法において、樹脂接触時に規制され
    る以上にトウ幅を拡幅した後、トウへの樹脂接触時にト
    ウ幅を狭めることを特徴とするフィラメントワインディ
    ング成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のフィラメントワインディ
    ング成形品の製造方法において、フィラメントの横方向
    移動によるトウへの樹脂均一含浸工程で回転体を用い、
    且つ該回転体を製造速度以下の周速で回転させることを
    特徴とするフィラメントワインディング成形品の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1記載のフィラメントワインデ
    ィング成形品の製造方法において、トウ幅を狭めると同
    時に圧縮してトウの断面形状を制御する工程を付加する
    ことを特徴とするフィラメントワインディング成形品の
    製造方法。
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