JPH08141437A - 遠心分離装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チューブ７内に充填された試料の量に関係な
くロータ５の回転バランスを取れるようにする遠心分離
装置１を提供する。 【構成】 遠心分離装置１は試料を入れたチューブ７を
それぞれ対向した穴８内に固定して保持するロータ５
と、このロータを高速回転させて発生する遠心力を利用
して試料を分離するモータ３とを備えている。前記ロー
タ５にはチューブ７を固定する穴８の外側に重量バラン
ス用の穴９が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はチューブに入れた試料
を遠心分離する遠心分離装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、生化学、バイオ、医療、
臨床検査等の分野では、試料を遠心分離機に掛けてこの
試料を分離するようにしていたが、従来のこの種の遠心
分離機は、試料を収容した複数のチューブを、回転バラ
ンスを考慮しながらロータに配置して遠心分離を行って
いた（例えば、特開昭６３ー１４６７号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
遠心分離機は、ロータの回転バランスを考慮するために
このチューブに入れる試料の重量で回転バランスを取っ
ていたため、容量の異なる試料をチューブに入れる場合
には少ない方のチューブの試料を希釈して重量の調整を
行っており、試料の濃度が薄くなり分離作業に時間がか
かる問題があった。

【０００４】この発明は上記の問題を解決するもので、
チューブ内に充填された試料の量に関係なくロータの回
転バランスを取れるようにする遠心分離装置を提供する
ことを目的としたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は試料を入れた
チューブをそれぞれ対向した穴内に固定して保持するロ
ータと、このロータを高速回転させて発生する遠心力を
利用して試料を分離するモータとを備えた遠心分離装置
において、前記ロータにチューブを固定する穴の外側に
重量バランス用の穴を形成したものである。

【０００６】

【作用】この発明は上記のように構成したことにより、
それぞれ対向した穴に固定して保持したチューブに入れ
る穴の外側に重量バランス用の穴を形成し、前記チュー
ブ内に入れられた試料の量に応じて重量バランス用の穴
内に水等の錘を入れ、回転バランスを取れるようにして
いる。

【０００７】

【実施例】以下この発明を図に基づいて説明する。

【０００８】図１はこの発明の一実施例を示す遠心分離
装置の断面図である。図２はこの発明の遠心分離装置の
ロータを示す断面図である。図３はこの発明の遠心分離
装置のロータを示す平面図である。

【０００９】１は試料を分離する遠心分離機で、この遠
心分離機は本体２と、この本体内に収納されたモータ３
と、このモータの回転軸４に固定されたロータ５と、こ
のロータを覆う蓋６とで構成されている。

【００１０】ロータ５は円筒状に形成され、上面にチュ
ーブ７を挿入する複数の穴８がそれぞれ対向して配置さ
れている。この挿入用の穴の外側にはそれぞれ重量バラ
ンス用の穴９が設けられている。

【００１１】１０は重量バランス用の穴９に水等の液体
を充填するノズルである。

【００１２】このように構成された遠心分離装置におい
て、試料を充填したチューブ７はそれぞれロータ５の穴
８内に挿入されて固定される。そして、モータ３によっ
てロータ５が回転すると、チューブ７内に充填された試
料に遠心力が作用し、この試料は重いものと軽いものと
に分離される。

【００１３】ロータ５の穴８内に対向して挿入されるチ
ューブ７に充填される試料の量が異なるときに、重量バ
ランス用の穴９にノズル１０から水等の液体を注入し、
チューブ７内に充填された試料の重さをバランスさせロ
ータ５に回転バランスのずれが生じないようにしてい
る。

【００１４】重量バランス用の穴９に水を注入するノズ
ル１０は注入量を制御できるようにされている。

【００１５】この注入量はロータ５にチューブ７をセッ
トした後、このロータの静止あるいは回転時の重心と回
転軸４の軸心とのずれを検出し、重心と軸心とがずれて
いる場合にこのずれを修正する箇所の重量バランス用の
穴９にノズル１０から水を注入してロータ５の回転バラ
ンスを取るようにしている。

【００１６】尚、上記説明においては、重量バランス用
の穴９内にノズル１０より水を注入するように説明した
が、穴９内に錘をセットしても同様な効果を有すること
は言うまでもない。

【００１７】

【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、試料を
入れたチューブをそれぞれ対向した穴内に固定して保持
するロータと、このロータを高速回転させて発生する遠
心力を利用して試料を分離するモータとを備えた遠心分
離装置において、前記ロータにチューブを固定する穴の
外側に重量バランス用の穴を形成したので、チューブ内
に充填する試料の量にバラツキがあってもロータの回転
バランスを簡単に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す遠心分離装置の断面
図である。

【図２】図２はこの発明の遠心分離装置のロータを示す
断面図である。

【図３】図３はこの発明の遠心分離装置のロータを示す
平面図である。

【符号の説明】

１ 遠心分離装置 ３ モータ ５ ロータ ７ チューブ ８ 挿入用の穴 ９ 重量バランス用の穴

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 試料を入れたチューブをそれぞれ対向し
   た穴内に固定して保持するロータと、このロータを高速
   回転させて発生する遠心力を利用して試料を分離するモ
   ータとを備えた遠心分離装置において、前記ロータには
   チューブを固定する穴の外側に重量バランス用の穴を形
   成したことをことを特徴とする遠心分離装置。