JPH08138829A - ストリーマコロナ発生用電極構造とその電極を用いたオゾン発生装置 - Google Patents

ストリーマコロナ発生用電極構造とその電極を用いたオゾン発生装置

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JPH08138829A
JPH08138829A JP25700891A JP25700891A JPH08138829A JP H08138829 A JPH08138829 A JP H08138829A JP 25700891 A JP25700891 A JP 25700891A JP 25700891 A JP25700891 A JP 25700891A JP H08138829 A JPH08138829 A JP H08138829A
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electrode
streamer corona
corona
ozone
streamer
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Ichiro Maezono
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SHUNAN CHIIKI JIBA SANGYO SHIN
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ストリーマコロナを安定して得ることがで
き、またオゾンを効果的に発生することができるストリ
ーマコロナを安定して持続できるようにした電極構造を
備えたストリーマコロナ発生装置における電極構造とそ
の電極を用いたオゾン発生装置を提供する。 【構成】 先端周辺にストリーマコロナ発生用鋭角部を
設けて不平等電界を形成する陽極電極と、表面滑面性を
有し、かつ近傍で平等電界を形成する陰極電極とを対向
配置し、例えば、陽極電極を、先端周辺に複数枚、等間
隔で幾何学的軸対称位置にフィンを設けた円筒または円
柱状体で形成すると共に、該フィンの先端にストリーマ
コロナ発生用鋭角部を形成した電極構造と、該電極を用
いて、該電極間を通過するガス中の酸素を電離分解させ
ることでオゾンを生成させるようにしたオゾン発生装置
の構成よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリーマコロナ発生
用電極構造とその電極を用いたオゾン発生装置に係り、
より詳細には、ストリーマコロナを安定して得ることが
でき、またオゾンを効果的に発生することができるスト
リーマコロナを安定して持続できるようにした電極構造
を備えたストリーマコロナ発生装置(プラズマリアクタ
ー)における電極構造とその電極を用いたオゾン発生装
置に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ストリーマコロナは、極めて細い
繊状のコロナ(進展性極細繊状コロナ)であって、進展
性を有し、その先端は強い電界とプラズマ化学反応性に
富んでいることが知られている。該コロナは、電極条件
(通常は、針対平板)を整えることにより、安定して生
じさせることができ、かつ対極へ向かって進展し、該対
極へ到達後は、直ちに消滅し、再び新たなストリーマコ
ロナが発生して進展するという動作を繰り返す。
【0003】従って、該ストリーマコロナの発生の繰り
返しにより、電極間に高周波電圧を発生させることがで
きる。そして、該電圧の周波数は、ストリーマコロナの
進展速度、コロナ生成の統計的時間遅れ、該コロナの進
展速度等によって決まる。
【0004】このようなストリーマコロナの各種特性を
応用することによって、高周波電圧を容易に得ることが
できる。従って、該高周波電圧を、種々の分野に利用す
ることが可能である。そこで、本発明者は、該ストリー
マコロナによる高周波電圧をオゾンの生成に利用できな
いかという観点に立脚し、種々研究・試作を行うことに
よって、オゾン生成に利用できることを究明した。
【0005】ところで、オゾン(O3 )は、従来より種
々の手法で生成されているが、一般的には、乾燥した空
気や酸素の中で誘電体を介して放電を行うことで生成さ
れている。しかし、この方法の場合、オゾン生成に要す
るエネルギー効率が低い(現状の収率は、約5〜10%
程度である)ことと、その取り扱いが難しいことより、
余り広く利用されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】因みに、このオゾン収
率は、電極形状・構造等によっても影響があることが知
られている。従って、この電極形状・構造を、如何に形
成・配置するかによって、オゾン収率を上昇させること
ができる。そこで、近年では、例えば、電極の材質を導
電性セラミックスとすると共に、その表面にガスの流通
方向に沿った溝を形成した電極形状・構造(特開平1ー
192704号公報参照)等が提案され、この構成とす
ることで、高濃度のオゾン収率を向上できるとされてい
る。
【0007】本発明者は、以上のことより、オゾン収率
を向上させるには、電極形状・構造が重要な因子である
という点に着目し、種々、試験・研究した処、オゾン発
生装置における電極の陽極としては、ストリーマコロナ
が生じやすく、かつ進展し易いように極めて尖鋭な電極
とし、また陰極としては、電子放出を極力抑えた電極構
造とすることが大切であることを究明した。
【0010】本発明は、上述した観点に立脚して創作し
たものであって、その目的とする処は、ストリーマコロ
ナを安定、かつ持続して形成でき、かつオゾン収率を向
上できるストリーマ発生用電極構造とその電極構造を用
いたオゾン発生装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成
するための手段としてのストリーマコロナ発生用電極構
造は、先端周辺にストリーマコロナ発生用鋭角部を設け
て不平等電界を形成する陽極電極と、表面滑面性を有
し、かつ近傍で平等電界を形成する陰極電極とを対向配
置した構成よりなる。また、本発明の他のストリーマコ
ロナ発生用電極構造は、陽極電極を、先端周辺に複数
枚、等間隔で幾何学的軸対称位置にフィンを設けた円筒
または円柱状体で形成すると共に、該フィンの先端にス
トリーマコロナ発生用鋭角部を形成した構成、また陽極
電極を、金属平板で形成し、該金属平板に亀裂を設け、
該亀裂の先端をストリーマコロナ発生用鋭角部とした構
成よりなる。また、上記目的を達成するための手段とし
てのオゾン発生装置は、先端周辺にストリーマコロナ発
生用鋭角部を設けて不平等電界を形成する陽極電極と、
表面滑面性を有し、かつ近傍で平等電界を形成する陰極
電極とを対向配置し、該電極間を通過するガス中の酸素
を電離分解させることでオゾンを生成させるようにした
電極構造を備えた構成よりなる。
【0012】
【作用】本発明のストリーマコロナ発生用電極は、陽極
電極に高電圧を印加すると、陽極電極のストリーマコロ
ナ発生用鋭角部により不平等電界を形成すると共に、該
ストリーマコロナ発生用鋭角部を核とし、該核を起点と
してストリーマコロナが発生し、成長し、対極へ向かっ
て進展し、該ストリーマコロナは、近傍が平等電界を形
成する陰極に集束・消滅し、再び新たなストリーマコロ
ナが発生して進展する動作を繰り返して起こし、高周波
電圧(電流)を生じさせ、該ストリーマコロナを安定に
持続的に生じさせ得るように作用する。
【0013】また、オゾン発生装置は、原料酸素または
空気(以下、混合ガスという)を陰極電極側より陽極電
極側(逆向きでもよい)に流すと共に、該陽極電極に高
電圧を印加すると、陽極電極のストリーマコロナ発生用
鋭角部により不平等電界を形成すると共に、ストリーマ
コロナが放出され、該ストリーマコロナは、近傍が平等
電界を形成する陰極に集束され、前記電極間は、該スト
リーマコロナによって電離されると共に、その間を通過
する前記混合ガス中の酸素は電離分解されて、安定かつ
持続してオゾンを生成する。そして、放電電力が6w、
空気原料で流量が1(1/min)で、約1000pp
mのオゾン発生量が得られる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を具体化
した実施例について説明する。ここに、図1〜図15
は、本発明の実施例を示し、図1はオゾン発生装置の概
略構成図、図2は電極構造の断面図、図3は電極の構成
図、図4はストリーマコロナの外観図、図5はストリー
マコロナの電流波形を示す波形図、図6は電極構造にお
けるオゾン発生量と放電空間における消費電力の関係を
説明するオゾン発生特性図、図7は電極間距離の影響を
調べたオゾン発生特性図、図8はガスの流れる向きの影
響を調べたオゾン発生特性図、図9はストリーマコロナ
発生用鋭角部の長さによる影響を調べたオゾン発生特性
図、図10は陰極の材質の影響を調べたオゾン発生特性
図、図11は陰極を球状電極とし、その大きさの影響を
調べたオゾン発生特性図、図12はコロナ電流ー電圧の
特性図、図13は放電痕跡が占める面積と電極間距離と
の関係図、図14は電力密度当たりのオゾン発生量との
関係図、図15は他の実施例の電極構成図である。
【0015】本実施例のオゾン発生装置は、概略する
と、図1に示すように、従来のオゾン発生装置と同じ
く、オゾン発生部1と、高電圧電源部2、およびガス供
給部3の三つの部分より構成されている。
【0016】オゾン発生部1は、図2に示すように、陽
極電極4と陰極電極5とをシリンダ6内で対向配置する
と共に、陽極電極4を角フランジ7に押さえナット8を
介して固定し、また陰極電極5を角フランジ9に電極支
持金具兼接続金具10で固定した構成よりなる。陽極電
極4は、中空電極11の先端側面に複数個のフィン1
2、12・・を等間隔に設けた構成よりなる。ここで、
中空電極(筒体)は、通常、直径6mm、内径6mmの
黄銅円筒体とし、フィン12、12・・は厚さ0.2m
m、高さ1.5mm、長さ3mmの方形の薄い黄銅板よ
りなるフィンとしている(本実施例では、フィンを8枚
用いている)。なお、フィンの突出長さ(幅)は、0.
1mm〜1mm程度である。
【0017】また、陰極電極5は、表面滑面性を有する
直径52mmの黄銅製の近似ロゴスキー電極13(図3
(b)参照)または、直径20mmの球電極14(図3
(b)参照)を用いている。ここで、陰極電極5は近似
ロゴスキー電極13または球状電極14を筒体15の先
端に配した構成で、その筒体15は電極支持金具兼接続
金具10に接続されている。筒体15は筒体内部と外部
とを連通する通路16を有している。また電極支持金具
兼接続金具10は中空体として形成され、中空部17を
ガス通路とした構成とされている。また、シリンダ6
は、透明アクリル樹脂のパイプで形成され、通常、内径
60mm、外径68mmの筒体で形成されている。そし
て、シリンダ6は、陽極電極4と陰極電極5との中心線
18が同一軸線上に位置するように封入できるようにし
た構成とされている。
【0018】高電圧電源部2は、通常の定電圧電源であ
って、直流高圧を陽極電極4に印加できるように接続さ
れている。また、ガス供給部3は、オゾン発生部1に混
合ガスを供給するためのポンプであって、フローメータ
ー19を介してオゾン発生部1の電極支持金具兼接続金
具10の中空部17に接続され、該原料酸素または空気
を、オゾン発生部1の陰極電極5側から陽極電極4側に
流せるように構成されている。
【0019】そして、本実施例のオゾン発生装置は、次
のように作動する。すなわち、まずガス供給部3より混
合ガスを、0.6l/minの流速で陰極電極5側より
陽極電極4側(逆向きでもよい)に流すと、該混合ガス
(酸素21%、窒素79%)は電極支持金具兼接続金具
10の中空部17を介して陰極電極5の筒体15を通
じ、筒体15の通路16よりシリンダ6内を介して陽極
電極4の中空電極11内に流れる。
【0020】次いで、高圧電源部1により直流高電圧を
陽極電極4の中空電極11に印加すると、陽極電極4の
ストリーマコロナ発生用鋭角部を形成するフィン12、
12・・・により不平等電界を形成すると共に、ストリ
ーマコロナが放出され、該ストリーマコロナは、近傍が
平等電界を形成する陰極電極5に集束され、電極4、5
間は、該ストリーマコロナによって電離されると共に、
その間を通過する混合ガス中の酸素は電離分解されて、
安定かつ持続してオゾンを生成するように作用する。
【0021】すなわち、一方の電極に設けたストリーマ
コロナ発生用鋭角部を起点としてストリーマコロナが発
生し、成長し、進展し、対極において消滅するという減
少を繰り返して高周波電流を生じさせる。他方、ストリ
ーマコロナが進展して到達する対極側はコロナの放出が
なく、対極表面に到達したストリーマコロナの電荷を中
和する程度の二次電子放出があって、該ストリーマコロ
ナが到達した後は、速やかに消滅する。なお、ここで形
成されたコロナは極めて繊細な線条のコロナで比較的高
い絶縁性を有し、互いに独立して融合することなく、電
極間を広く電離した紡錘状のコロナとなる。そして、こ
のストリーマコロナによって発生する電流は、図5に示
すような立ち上がりの急峻なパルス電流(約5〜10k
Hzの立ち上がりパルス)となり、このような高周波パ
ルス電流は、更にストリーマコロナの発生を促すので、
オゾン生成を効果的に行うことができるように作用す
る。また紡錘状に形成されたストリーマコロナは、その
周辺部分で枝分かれを生じ易く、この枝分かれが生じた
部分においてオゾンを多く発生している。
【0022】次に、本実施例のオゾン発生装置における
電極構造の基礎的特性を得るために行った試験結果(図
6〜図14参照)について説明する。まず、図6は、陽
極電極としてフィン付中空電極を用い、陰極電極として
近似ロゴスキー電極を用いた本実施例について、正極性
コロナと負極性コロナの場合と、陽極電極としてフィン
を有しない中空電極を用いた場合のコロナの極性や種類
によるオゾン濃度の変化を試験した結果である。
【0023】この結果より、陽極電極としてフィン付中
空電極を用いた場合と、フィンを有しない中空電極を用
いた場合では、発生するオゾン濃度において100倍以
上の差が認められることが確認できた。なお、正極性コ
ロナと負極性コロナとでは、該正極性コロナより負極性
コロナの方が数倍オゾンの発生が多く、更に該負極性コ
ロナより正極性ストリーマコロナの方が数倍オゾンの発
生が多いことも確認できた。このことより、陰極電極を
半導体または金属で構成し、かつ球状とすることによ
り、球面への電気力線の集束作用と、該電気力線による
ストリーマコロナ集束効果により、単位電力当たりのエ
ネルギー密度を高くすることができ、オゾンを効率的に
発生させ得ることが確認できた。
【0024】また、このストリーマコロナは、電極間に
広く電離した紡錘状のコロナとなり、また該コロナは、
最外郭部分において活発にプラズマ化学反応を生じる電
離空間が存在するので、いまれか一方の電極を中空構造
とすることにより、処理ガスを、該コロナの外郭部を通
過させることができるようにすることで、プラズマ反応
過程を一層効果的に行うことができることが確認でき
た。
【0025】また、図7は陽極電極としてフィン付中空
電極を用い、陰極電極として近似ロゴスキー電極と球状
電極とを用いた場合のそれぞれについて、電極間距離を
変化させた場合のオゾン濃度の変化を試験した結果であ
る。この結果より、電極間距離が長くなるにつれてオゾ
ン発生量が低下することが確認できた。また、陰極電極
として近似ロゴスキー電極を用いたものよりと球状電極
を用いた場合の方がオゾン発生量が多い(直径20mm
の球の場合、オゾン発生効率を、約30%増大できる)
ということも確認でき、またこの場合には電極間距離の
影響が少なくなっていることが確認できた。このこと
は、陰極を球状とした場合には、一層、陰極側でストリ
ーマコロナを集束させることができることを確認でき
る。
【0026】図8は、陽極電極としてフィン付中空電極
を用い、陰極電極として近似ロゴスキー電極と球状電極
とを用いた場合のそれぞれについて、混合ガスの流れの
向きを矢印に示すように変えた場合のオゾン発生量の変
化を試験した結果である。この結果より、流れの向きの
影響は認められないことが確認できたが、図8(c)に
示すように、球状電極の中心を混合ガスが通過する電極
形状の場合は、ややオゾン発生効率が低下することが確
認できた。
【0027】図9は、陽極電極としてフィン付中空電極
を用い、陰極電極として近似ロゴスキー電極と球状電極
とを用いた場合のそれぞれについて、陽極電極のフィン
の長さを変えた場合のオゾン発生量の変化を試験した結
果である。この結果より、フィンを長くすることによっ
てオゾン発生量が減少することが確認できた。また図1
0は、陰極電極の材質をタングステンの場合と、黄銅の
場合とでオゾン発生量の変化を試験した結果である。こ
の結果より、材料の変化によっては、オゾン発生量に変
化は殆ど変化は認められないことが確認できた。
【0028】図11は、陽極電極としてフィン付中空電
極を用い、陰極電極として球状電極とを用い、該球状電
極の大きさを変えた場合のオゾン発生量の変化を試験し
た結果である。この結果により、オゾン発生量には、球
の大きさによる影響がないが、極度に小さくした場合
(10mm程度)は、陰極コロナが発生することになる
ので、オゾン発生量が激減する。
【0029】図12は、陽極電極としてフィン付中空電
極を用い、陰極電極として球状電極とを用いた場合のガ
ス流量とオゾン発生量との関係を試験した結果である。
この結果より、ガス流量が増加すると、体積当たりのオ
ゾン発生量は減少するが、g/kwh 値は流速の増大と共
に増加することが確認できた。また図13は、ストリー
ルコロナ放電により平板電極上に生じた明確な放電痕跡
が占める面積を測定して、この面積と電極間距離との関
係を求めた説明図である。そして、この説明図より、放
電の痕跡は電極間距離に比例して増大することが確認で
きる。また図14は、図9における放電電力を放電痕跡
で除して電力密度当たりのオゾン発生量に直した説明図
である。この説明図より、単位エネルギー当たりのオゾ
ン発生量は等しいということが確認できる。
【0030】従って、上述した試験結果よりすると、陽
極電極としては、先端に等間隔に複数個のフィンを有す
る中空電極を用い、陰極電極としては、球状電極を用い
た構成の電極構造が、最もオゾン発生効率が良いオゾン
発生装置を得られるということが確認できた。しかし、
陰極電極として、近似ロゴスキー電極を用いた場合であ
っても、従来の電極構造より、オゾン発生効率が良好で
ある。また、本実施例によれば、ストリーマコロナを安
定に長時間持続させることができるので、オゾン収率を
向上できる。また、装置全体の構成が簡単、軽量で、か
つ可搬性を有するので、一次電圧を交流100V、直流
24Vとすることで任意の場所での利用が可能となる。
【0031】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で変
形実施できるものを含む。因みに、陽極電極として、図
15に示す構造としてもよい。すなわち、陽極電極を、
金属平板で形成し、該金属平板に亀裂を設け、該亀裂の
先端をストリーマコロナ発生用鋭角部とした構造として
もよいことは当然である。そして、この構成の場合であ
っても、ストリーマコロナ発生用鋭角部によってストリ
ーマコロナが安定、かつ持続的に発生する。また、前述
した実施例においては、主として、正ストリーマコロナ
を中心にして説明したが、負コロナストリーマコロナに
ついても同様である。更に、本発明の電極構造は、オゾ
ン生成の他に、脱脂、殺菌・消毒、脱色、NO
x、SOx、CO2 の低減、化合物の合成等にも応用
可能である。
【0032】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
のストリーマコロナ発生用電極構造によれば、陽極電極
としてストリーマコロナが生じやすくかつ進展し易いよ
うに極めて尖鋭なストリーマコロナ発生用鋭角部を有す
る電極を用い、また陰極電極として電子放出を極力抑え
た電極を用いた構造しているので、ストリーマコロナを
安定に長時間持続させることができるという効果を有す
る。
【0033】また、本発明のオゾン発生装置によれば、
極めて繊細な線条のコロナで比較的高い絶縁性を有して
いるストリーマコロナを用いているので、該ストリーマ
コロナの周辺部分では枝別れを生じ易く、この枝分かれ
が生じた部分においてオゾンが多く発生することより、
オゾン発生量が増加するという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 オゾン発生装置の概略構成図である。
【図2】 電極構造の断面図である。
【図3】 電極の構成図である。
【図4】 ストリーマコロナの外観図である。
【図5】 ストリーマコロナの電流波形を示す波形図で
ある。
【図6】 電極構造におけるオゾン発生量と放電空間に
おける消費電力の関係を説明するオゾン発生特性図であ
る。
【図7】 電極間距離の影響を調べたオゾン発生特性図
である。
【図8】 ガスの流れる向きの影響を調べたオゾン発生
特性図である。
【図9】 ストリーマコロナ発生用鋭角部の長さによる
影響を調べたオゾン発生特性図である。
【図10】 陰極の材質の影響を調べたオゾン発生特性
図である。
【図11】 陰極を球状電極とし、その大きさの影響を
調べたオゾン発生特性図である。
【図12】 コロナ電流ー電圧の特性図である。
【図13】 放電痕跡が占める面積と電極間距離との関
係図である。
【図14】 電力密度当たりのオゾン発生量との関係図
である。
【図15】 他の実施例の電極構成図である。
【符号の説明】
1・・・オゾン発生部、2・・・高電圧電源部、3・・
・ガス供給部、4・・・陽極電極、5・・・陰極電極、
6・・・シリンダ、7・・・角フランジ、8・・・押さ
えナット、9・・・角フランジ、10・・・電極支持金
具兼接続金具、11・・・中空電極、12・・・フィ
ン、13・・・近似ロゴスキー電極、14・・・球条電
極、15・・・筒体、16・・・通路、17・・・中空
部、18・・・中心線、19・・・フローメーター

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端周辺にストリーマコロナ発生用鋭角
    部を設けて不平等電界を形成する陽極電極と、表面滑面
    性を有し、かつ近傍で平等電界を形成する陰極電極とを
    対向配置したことを特徴とするストリーマコロナ発生用
    電極構造。
  2. 【請求項2】 陽極電極を、先端周辺に複数枚、等間隔
    で幾何学的軸対称位置にフィンを設けた円筒または円柱
    状体で形成すると共に、該フィンの先端にストリーマコ
    ロナ発生用鋭角部を形成した請求項1に記載のストリー
    マコロナ発生用電極構造。
  3. 【請求項3】 陽極電極を、金属平板で形成し、該金属
    平板に亀裂を設け、該亀裂の先端をストリーマコロナ発
    生用鋭角部とした請求項1に記載のストリーマコロナ発
    生用電極構造。
  4. 【請求項4】 先端周辺にストリーマコロナ発生用鋭角
    部を設けて不平等電界を形成する陽極電極と、表面滑面
    性を有し、かつ近傍で平等電界を形成する陰極電極とを
    対向配置し、該電極間を通過するガス中の酸素を電離分
    解させることでオゾンを生成させるようにした電極構造
    を備えたことを特徴とするオゾン発生装置。
JP25700891A 1991-09-08 1991-09-08 ストリーマコロナ発生用電極構造とその電極を用いたオゾン発生装置 Pending JPH08138829A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001073908A1 (fr) * 1998-12-10 2001-10-04 Motouchi, Kyoko Ionisateur
US6769420B1 (en) 1998-12-10 2004-08-03 Satoko Fujiwara Ionizer
US7224567B2 (en) 2001-11-16 2007-05-29 Kazuo Motouchi Structural arrangements for ion generator to promote ionization efficiency

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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