JPH08137305A - トナー定着装置 - Google Patents

トナー定着装置

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JPH08137305A
JPH08137305A JP27355394A JP27355394A JPH08137305A JP H08137305 A JPH08137305 A JP H08137305A JP 27355394 A JP27355394 A JP 27355394A JP 27355394 A JP27355394 A JP 27355394A JP H08137305 A JPH08137305 A JP H08137305A
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JP
Japan
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heat pipe
fixing device
toner fixing
temperature
paper
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Application number
JP27355394A
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English (en)
Inventor
Kenzo Kobayashi
健造 小林
Tatsuo Horii
達夫 堀井
Suemi Tanaka
末美 田中
Atsushi Arai
温 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別な温度制御装置を要せず、予熱時間がよ
り短く、かつ、連続運転によっても紙幅方向に対して加
熱温度のバラツキが生じ難いトナー定着装置を提供する
こと。 【構成】 加圧ロール1と、この加圧ロール1と平行状
に接触する筒状フィルムと2、この筒状フィルム2の内
側に長さ方向に沿って設置され、前記筒状フィルム2の
前記加圧ロール1との接触部位の内面側に接触するヒー
トパイプ3と、このヒートパイプを3加熱するサーミス
タ抵抗加熱体4とを備えている。ヒートパイプ3はほぼ
楕円形断面又は偏平断面であるのが好ましく、ヒートパ
イプ3の表面にはフッ素樹脂からなる皮膜30を定着す
るのがさらに好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般的には複写機,
プリンタ,ファクシミリなどにおいて、用紙に転写した
トナーを定着させるためのトナー定着装置に関するもの
である。さらに具体的には、加圧ロールとこの加圧ロー
ルへ平行状に接触する筒状フィルムとの間に用紙を通過
させ、前記フィルムの前記加圧ロールとの接触部位を加
熱させることにより、前記用紙に転写したトナーを当該
用紙へ定着させる構造のトナー定着装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般的なトナー定着装置は、例えばアル
ミニウム合金製の円筒状の加熱ローラと、この加熱ロー
ラに平行して接触する加圧ロールとを備えており、前記
加熱ローラ内に設置したハロゲンランプの放射熱で当該
ローラを加熱し、前記加熱ローラと加圧ロールとの間に
用紙を通過させ、この用紙に転写されているトナーを当
該用紙へ定着させる構造である。
【0003】前述のトナー定着装置は、加熱ローラの熱
容量が大きいとともに、加熱ローラのうち用紙に接触し
ていない部分も一様に温められるので、トナー定着のた
めの熱量よりも大気中に拡散される熱量の方がはるかに
大きく、エネルギーの無駄が多い。また、過熱を防止す
るため機器内には冷却ファンが不可欠である。例えば、
パソコンなどに付随しているプリンタは、実際に作動し
ている時間よりも待機時間の方がはるかに長いので、省
エネルギーのためには、待機時間中はプリンタの電源を
切っておくのが望ましい。このように、印刷実行の間の
み定着装置を加熱する方式は「オンデマンド定着方式」
と呼ばれているが、前述のトナー定着装置は、加熱ロー
ラのトナー定着温度(150℃前後)へのウオームアッ
プ時間が長く(60sec 以上)、加熱ローラを継続的に
予熱する必要があるのでこの定着方式を採用することが
できない。
【0004】最近、以上のような問題点を改善し、トナ
ー定着温度へのウオームアップ時間がより短く、熱容量
がより小さくて電力消費を極力抑制することができるト
ナー定着装置が要請されている。このような要請に応え
るものとして、例えば日経エレクトロニクスNo.59
5号(1993年11月22発行)177〜184頁に
は、図8で示すようなトナー定着装置が提案されてい
る。
【0005】図8のトナー定着装置は、外周にゴムなど
の緩衝層を形成した加圧ロール1と、この加圧ロール1
へ平行状態に接触する筒状フィルム2(肉厚50μm程
度)と、筒状フィルム2における加圧ロール1との接触
部位の内面側に設置されたセラミックスヒータ6とを備
え、加圧ロール1と筒状フィルム2との間に挟まれて走
行する用紙5を、フィルム2を介してセラミックスヒー
タ6によって加熱することにより、用紙5へ転写されて
いるトナー50を当該用紙5へ定着するように構成され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図8のトナー定着装置
は、熱容量が小さくかつ短時間で温まるという特性をも
つセラミックスヒータ6を使用し、このヒータ6の熱を
薄いフィルム2を介して用紙5へ伝えるので、予熱を要
しないオンデマンド定着方式を採用することができると
ともに、ハロゲンランプ内蔵の加熱ローラを使用する場
合に比べ、電力消費をはるかに軽減させることができ
る。しかしながら、セラミックスヒータ6は、入力電圧
の変化によって発熱量が敏感に変化する特性をもってい
る。そして、トナー定着温度が低すぎるとトナーの定着
不良が発生し、他方、定着温度が高すぎると印刷の汚れ
や用紙の熱変形が生じるので、図8のトナー定着装置で
は、ヒータ温度、すなわち定着温度を所定の許容範囲に
保つための制御装置が不可欠である。
【0007】ちなみに図8の定着装置では、商用電源6
7から供給された交流電圧を、整流器・低域通過フィル
タ65を介して直流電圧に変換し、これをトライアック
64を介してヒータ60に加えるようにする一方、サー
ミスタ温度計61で検出されるヒータ60の温度変動を
CPU62へ入力するとともに、スイッチング電源のト
ランス63で検出される商用電源の電圧変動をCPU6
2へ入力し、電源電圧の変動とヒータ温度の変動をもと
に、電源電圧の変動によって敏感に変化するヒータ温度
をトライアックドライバ66を介してフィードバック制
御するように構成している。このとき、ヒータ温度は用
紙とトナーの温度に直接影響するものであるから、ヒー
タ温度の検出は当然用紙が通過する紙幅の範囲内で行わ
れる。図8の装置は、このような温度制御装置が必要な
だけ高価になる。
【0008】また、図8の定着装置によれば、低温の用
紙5が通過することにより、ヒータ60の温度は当該用
紙5の幅内において下降する。そして、例えば図8の定
着装置を複写機に適用し、図9のようにヒータ温度を低
温域T1から高温域T2の範囲で制御しつつ連続印刷を実行
すると、初期の段階では同図実線aのように紙幅w内の
低温部と紙幅wを外れた両側部における高温部とのヒー
タ温度の差は小さいが、運転時間が経過するに従って、
同図点線bのように紙幅w内の低温部と紙幅wを外れた
高温部とのヒータ温度の差が大きくなり、ヒータ両端部
の温度は制御すべき高温域T2を超える。このヒータ温度
のバラツキは、印字バランスによっても発生する。
【0009】前述のようにヒータ温度のバラツキが発生
すると、ヒータ寿命を低下させる問題がある。また、紙
幅方向における温度のバラツキは、用紙サイズ(紙幅)
を変更したときに転写の乱れや用紙の熱変形などの障害
を発生させる。すなわち、例えば図9の点線bのよう
に、紙幅w内の低温部と紙幅wを外れた高温部との温度
差が大きくなった状態で紙幅wの広い用紙に変更した場
合、その幅の広い用紙が加熱されたトナー定着部を通過
する際、図9の幅wを外れた部分においては高温による
印刷紙面の汚れや紙の熱変形を生じるおそれがある。
【0010】この発明の目的は、前述のような課題を改
善し、定着温度の特別な制御装置が不要であるととも
に、予熱時間がより短く、かつ、連続運転によっても紙
幅方向(筒状のフィルムの軸方向)に対して加熱温度の
バラツキが生じ難いトナー定着装置を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明によるトナー定
着装置は、前述の課題を解決するため、加圧ロールと、
この加圧ロールと平行状に接触する筒状フィルムと、こ
の筒状フィルムの内側に長さ方向に沿って設置され、前
記筒状フィルムの前記加圧ロールとの接触部位の内面側
に接触するヒートパイプと、このヒートパイプを加熱す
るサーミスタ抵抗加熱体とを備えたことを特徴としてい
る。
【0012】前記サーミスタ抵抗加熱体は、例えば正特
性のサーミスタが装着された熱伝導性の良好な伝熱基板
と、このサーミスタの絶縁ケースと、絶縁ケースから突
出した必要数の端子とを含む構造にする。この発明によ
るトナー定着装置において、筒状フィルムと加圧ロール
は上下に配置されるが、筒状フィルムが上に配置されて
いても加圧ロールが上に配置されていても差し支えな
い。前記サーミスタ抵抗加熱体は、その伝熱基板がヒー
トパイプの表面へ接触する状態で取り付けられるが、ヒ
ートパイプの一端部又は両端部へ設置されていても、あ
るいは、前記ヒートパイプの長さ方向に沿って所定の間
隔で又は密に並ぶ状態で多数設置されていても実施する
ことができる。
【0013】前記筒状フィルムの材質には、熱抵抗の小
さいプラスチック又は銅やアルミニウム合金などの金属
が選ばれ、その厚みは、材質がプラスチックである場合
には50μm前後とし、金属である場合にはそれよりも
薄くすることができる。
【0014】前記ヒートパイプは断面がほぼ楕円形又は
偏平であるのが好ましい。また、前記ヒートパイプの表
面にはフッ素樹脂からなる厚み20μm程度の皮膜を定
着するのが好ましい。
【0015】
【作用】この発明によるトナー定着装置は、前記サーミ
スタ抵抗加熱体へ通電して当該加熱体を発熱させ、加圧
ロールを用紙の送り方向へ回転させながら、用紙を加圧
ロールとこれに接触している筒状フィルムとの間に挟み
込ませると、筒状フィルムも用紙の送り方向へ回転する
とともに、サーミスタ抵抗加熱体の熱は、前記ヒートパ
イプの熱交換作用で前記筒状フィルムと加圧ロールとの
接触部位へ伝達され、当該接触部位を通過する用紙及び
当該用紙に転写されているトナーが適性温度に温めら
れ、そのトナーを前記用紙へ定着させる。
【0016】抵抗加熱体の発熱素子である正特性のサー
ミスタは常温時の抵抗が小さく、初期の電圧印加時によ
り大きな電流を流すことによって非常に短時間内に昇温
させ得るため、この発明で使用するサーミスタ抵抗加熱
体は、例えば通常のトナー定着温度(160℃)への予
熱時間(ウォームアップ時間)が非常に短く(例えば1
0sec 程度)なる。したがって、この発明のトナー定着
装置によれば、予熱時間を非常に短くすることができる
ため、前記オンデマンド定着方式を採用することが可能
であるほか、電力消費もより小さくなる。
【0017】また、発熱素子であるサーミスタは、通電
発熱により抵抗が急激に変化するが、その温度がキュー
リー点をこえると急峻な正の抵抗温度特性によって電流
が流れなく(又は電流値が非常に小さく)なり、キュー
リー点以下になると電流が流れる(又は電流値が大きく
なる)ので、この発明で使用するサーミスタ抵抗加熱体
は、サーミスタのキューリー点を例えばトナー定着適温
よりやや大きい値に設定することにより、トナー定着に
適する温度で定温発熱をさせるように設計される。した
がって、この発明によるトナー定着装置では、加熱体
(ヒータ)の温度制御装置が不要になる。
【0018】この発明のトナー定着装置によれば、前記
サーミスタ抵抗加熱体の熱はヒートパイプにより非常に
短時間で均熱化され、トナー定着部である筒状フィルム
と加圧ロールとの接触部へ伝達される。すなわち、筒状
フィルムと加圧ロールとの接触部においては、低温の用
紙が通過すると、その用紙が通過した紙幅部分の温度は
一時低下するが、前記ヒートパイプの均熱化作用により
当該紙幅部分の温度は短時間内にもとの適温に復帰する
ので、筒状フィルムと加圧ロールとの接触部の全長にお
ける温度のバラツキはより小さくなる。したがって、連
続運転中に幅の異なる用紙に変更した場合でも、印刷紙
面の汚れや用紙の熱変形は生じ難い。
【0019】前記ヒートパイプを楕円形断面や偏平断面
にすると、当該ヒートパイプと前記筒状フィルムの内面
との接触面積が増大するとともに、前記サーミスタ抵抗
加熱体の伝熱基板が偏平である場合、前記ヒートパイプ
とサーミスタ抵抗加熱体との接触面積が増大し、かつ、
当該ヒートパイプへのサーミスタ抵抗発熱体の取り付け
も容易になる。
【0020】前記ヒートパイプの表面へフッ素樹脂から
なる皮膜を定着した場合には、当該ヒートパイプの腐食
が防止されるとともに、当該ヒートパイプと筒状フィル
ムの内面との滑りが良好になる。
【0021】
【実施例】図1〜図7を参照しながら、この発明による
トナー定着装置の好ましい実施例を説明する。図1はこ
の発明によるトナー定着装置の一例を示す概略側断面
図、図2は図1のトナー定着装置の一部を断面にした部
分正面図、図3はヒートパイプにサーミスタ抵抗加熱体
を取り付けた状態の部分破断側面図、図4はこの発明で
使用されるサーミスタ抵抗加熱体の概略斜視図、図5は
図4のサーミスタ抵抗加熱体の拡大断面図、図6はこの
発明によるトナー定着装置の他の例を示す概略側面図、
図7は図6のトナー定着装置の一部を断面にした部分正
面図である。
【0022】1は外周にゴムからなる緩衝層10を有す
る加圧ロールであり、図示しない軸受と支持部材に支持
され、用紙5の走行方向に沿って自転しつつ後述の筒状
フィルム2を介してヒートパイプ3の方向へ加圧され
る。筒状フィルム2は、肉厚50μm程度のポリエステ
ルフィルムを筒状に形成したもので、前記加圧ロール1
の上部へ平行して接触しており、加圧ロール1が用紙5
を走行させる方向へ回転するとき、これに追随して回転
するように設置されている。
【0023】筒状フィルム2の内側には、前記加圧ロー
ル1と平行し、かつ、筒状フィルム2の加圧ロール1と
の接触部位の内周面へ接触する状態にヒートパイプ3が
設置されている。このヒートパイプ3の両端部は、筒状
フィルム2の両端部から側方へ突き出しており、筒状フ
ィルム2から突き出した部分が図示しない支持部材によ
って支持されている。
【0024】ヒートパイプ3は、外径10mm,肉厚0.
3mmの銅パイプコンテナを楕円形断面(又は偏平断面)
になるように加工した後片端を封止し、これを脱気して
内部へ作動液(水又はフッ素系不活性液)を封入したも
のである。このように、ヒートパイプ3を楕円形断面な
いし偏平断面に加工することにより、ヒートパイプ3と
筒状フィルム2との接触面積を広くし、用紙5へ熱がよ
り伝わり易くすることができるとともに、当該ヒートパ
イプ3への後述のサーミスタ抵抗加熱体4の取り付けが
容易になる。また、この実施例のヒートパイプ3の表面
には、図3で示すように厚み20μm程度のフッ素樹脂
(例えば、商標名「テフロン」)からなる皮膜30を被
着することにより、ヒートパイプ3の腐食を防止すると
ともに、運転時に筒状フィルム2との滑りが良くなるよ
うにしてある。
【0025】前記ヒートパイプ3の前記筒状フィルム2
から突出した端部には、サーミスタ抵抗加熱体4が接触
する状態で取り付けられている。この実施例のサーミス
タ抵抗加熱体4は、図4及び図5で例示するように構成
されている。
【0026】ディスク形で正特性のサーミスタ40(例
えば、株式会社村田製作所の商標名「ポジスタ」)は、
導電性のばね43により、一方の端子板を兼ねたメッキ
銅板からなる伝熱基板41と、他方の端子板42の間に
圧迫された状態で挟まれている。これらのサーミスタ4
0,端子板42,ばね43及び伝熱板基板41の一面
は、プラスチックからなる絶縁性のケース44によって
カバーされており、ケース44からは、端子板42と一
体な端子46と、伝熱基板41と一体な端子47,47
とが突出している。これらの端子46,47,47は、
図示しないリード線により電源と接続される。絶縁性の
ケース44には、両端のフランジ状部49の隅角近傍の
上面に凹部48が形成されており、この凹部48の内側
において、伝熱基板41から一体に直立して上方へ突出
した押さえ爪45で前記凹部48を当該伝熱基板41へ
押さえ付けることにより、ケース44を伝熱基板41へ
取り付けている。
【0027】この実施例では、図3で示すように、両端
に引っ掛け部4b,4bが形成された弾性を有するほぼ
U字状のアタッチメント4aを準備し、このアタッチメ
ント4a内にヒートパイプ3を案内するとともに、サー
ミスタ抵抗加熱体4の両端のフランジ状部49に前記引
っ掛け部4b,4bを引っ掛けた状態で、ヒートパイプ
3へ前記サーミスタ抵抗加熱体4を固定させている。前
記アタッチメント4aを使用することにより、加熱体4
における伝熱基板41の下面がヒートパイプ3の表面へ
確実に密着し、かつ、サーミスタ抵抗加熱体4をヒート
パイプ3へ簡単に取り付けることができる。
【0028】この実施例のトナー定着装置のサーミスタ
抵抗加熱体4は、サーミスタ40のキューリー点が18
0℃、抵抗値100〜600Ω、安定電流44mA±20
%、最大電圧125Vであり、サーミスタ40が前記キ
ューリー点に達したとき、伝熱基板41の表面温度がほ
ぼ160℃になるように設計されている。
【0029】例えば、この実施例のトナー定着装置が使
用されている複写機の電源を入れ、サーミスタ抵抗加熱
体4のサーミスタ40へ0.8A程度の電流が流れる
と、サーミスタ40が発熱してほぼ10sec でキューリ
ー点180℃に達し、同時に伝熱基板41の表面温度は
160℃に達する。
【0030】伝熱基板41の熱はヒートパイプ3内の図
示しない作動液を蒸発させ、蒸気の移動によってヒート
パイプ3の全長へ均一に輸送され、その熱により筒状フ
ィルム2と加圧ロール1との接触部、すなわちトナー定
着部が150℃程度に加熱される。複写機への複写指令
により、トナー50が転写された用紙5が、当該用紙5
の走行方向へ回転する加圧ロール1と筒状フィルム2と
の間に挟まれた状態で通過するとき、そのトナー定着部
の熱により用紙5及びトナー50が温められ、トナー5
0が用紙5へ定着される。
【0031】実験によれば、図8の従来のトナー定着装
置では、予熱時間(ヒータに通電してからトナー定着部
が定着温度である150℃程度にまで加熱される時間)
がほぼ20sec であったが、この実施例の定着装置では
その予熱時間が12〜13sec であった。
【0032】この実施例のトナー定着装置は、前述のよ
うに予熱時間が非常に短いので、複写ないし印刷したい
ときのみ機器へ電源を入れるオンデマンド定着方式を採
用した場合でも、消費電力をさらに小さくすることがで
きる。
【0033】前記サーミスタ抵抗発熱体4のサーミスタ
40は、常温における内部抵抗が小さく、電圧印加時に
大きな電流を流すことによって前述のように非常に短時
間にトナー定着温度まで昇温するほか、その温度がキュ
ウーリー点に達すると内部抵抗が急速に大きくなり、電
流が流れなくなるか又は流れる量が急激に小さくなり、
その温度がキュウーリー点未満になると、内部抵抗が小
さくなって電流が流れか又は流れる量が大きくなるの
で、その発熱温度は自己制御される。したがって、この
実施例のトナー定着装置は、トナー定着温度の制御装置
を必要としないので、より廉価に提供することができ
る。
【0034】また、この実施例によるトナー定着装置に
よれば、用紙がトナー定着部を通過したとき当該定着部
の温度は紙幅の範囲で一時的に低下するが、ヒートパイ
プ3の均熱化作用によって極めて短時間でもとの温度へ
復帰し、筒状フィルム2と加圧ロール1との接触部の全
長にわたる温度のバラツキは非常に小さくなるので、運
転中に用紙サイズを変更した場合でも、印刷紙面の汚れ
や用紙の熱変形は生じ難い。
【0035】前述の実施例では、アタッチメント4aに
よりヒートパイプ3へサーミスタ抵抗加熱体4を取り付
けているが、このような構成に代えて、サーミスタ抵抗
加熱体4をヒートパイプ3へ接着し又はハンダ付けして
も実施することができる。
【0036】また、前述の実施例では、ヒートパイプ3
の一端部にのみサーミスタ抵抗加熱体4を設置している
が、この抵抗加熱体4は、ヒートパイプ3の両端部に設
置してもよいし、あるいは、ヒートパイプ3に対してそ
の長さ方向へ連続し又は所定の間隔で並ぶように多数設
置しても実施することができる。このように、ヒートパ
イプ3に対しサーミスタ抵抗体4を複数設置した場合に
は、ヒートパイプ3による均熱化の時間はさらに短くな
るので、運転中に用紙サイズを変更した場合の印刷面の
汚れや用紙の熱変形は一層生じなくなる。
【0037】前述の各例によるトナー定着装置では、サ
ーミスタ抵抗加熱体4をヒートパイプ3の上部に取り付
けているが、このような構成に代えて、当該抵抗加熱体
4をヒートパイプ3の下側へ接触させて取り付け、いわ
ゆるボトムヒート形式に構成することによって、サーミ
スタ抵抗加熱体4の熱がヒートパイプ3へより迅速に伝
わるようにすることができる。
【0038】前述のようにボトムヒート形式に構成する
場合においては、図2の状態において加熱体4をヒート
パイプ3の下面に取り付けてもよいが、図6及び図7で
示すように、筒状フィルム2が加圧ロール1の下部へ接
触するように構成し、筒状フィルム2へ内接するヒート
パイプ3の下側へサーミスタ抵抗加熱体4を接触させて
取り付けるのがより好ましい。すなわち、ボトムヒート
構造の場合において、筒状フィルム2及び加圧ロール1
を図6及び図7のように配置すると、ヒートパイプ3へ
多数のサーミスタ抵抗加熱体4を取り付けるのが容易に
なるからである。
【0039】前述の各実施例においては、サーミスタ4
0の前記作用に支障を生じない限り、サーミスタ抵抗加
熱体4の伝熱基板41をヒートパイプ3の断面外形に適
合するように曲げ加工することができる。すなわち、こ
のように伝熱基板41を曲げ加工することにより、当該
伝熱基板41とヒートパイプ3とがより良くフィット
し、両者の接触面積をより増大させて両者間の伝熱性を
向上させることができるからである。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明によるトナー定着装置
は、トナー定着温度への昇温時間が非常に短いサーミス
タ抵抗加熱体の熱を、均熱化特性を有するヒートパイプ
と薄い筒状フィルムを介してトナー定着部を通過する用
紙へ伝達するように構成したので、予熱時間が非常に短
く、消費電力をより小さくすることができる。
【0041】また、サーミスタ抵抗加熱体はそれ自体に
よって温度制御を行わせることができ、特別な温度制御
装置は不要であるので、より廉価に提供することができ
る。さらに、前記サーミスタ抵抗加熱体の熱はヒートパ
イプにより非常に短時間で均熱化されてトナー定着部へ
伝達され、筒状フィルムと加圧ロールとの接触部の全長
における温度のバラツキがより小さくなるので、運転中
に幅の異なる用紙に変更した場合でも、印刷紙面の汚れ
や用紙の熱変形は生じ難い。
【0042】請求項2の発明によるトナー定着装置は、
前記ヒートパイプをほぼ楕円形断面ないし偏平断面に加
工したので、請求項1の発明の効果のほかに、前記ヒー
トパイプと筒状フィルムの内面との接触面積が増大して
伝熱性がより向上するとともに、前記サーミスタ抵抗加
熱体の伝熱基板が偏平である場合、前記ヒートパイプと
サーミスタ抵抗加熱体との接触面積が増大して伝熱性を
さらに向上させ、かつ、ヒートパイプへのサーミスタ抵
抗発熱体の取り付けがより容易になるという効果を奏す
る。
【0043】請求項3の発明によるトナー定着装置は、
前記ヒートパイプの表面へフッ素樹脂からなる皮膜を定
着したので、請求項1又は2の発明の効果のほかに、前
記ヒートパイプの腐食が防止されるとともに、当該ヒー
トパイプと筒状フィルムの内面との滑りが良好になると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるトナー定着装置の一例を示す概
略側断面図である。
【図2】図1のトナー定着装置の一部を断面にした部分
正面図である。
【図3】図1のトナー定着装置において、ヒートパイプ
にサーミスタ抵抗加熱体を取り付けた状態の側面図であ
る。
【図4】この発明で使用されるサーミスタ抵抗加熱体の
概略斜視図である。
【図5】図4のサーミスタ抵抗加熱体の拡大断面図であ
る。
【図6】この発明によるトナー定着装置の他の例を示す
概略側面図である。
【図7】図6のトナー定着装置の一部を断面にした部分
正面図である。
【図8】従来のトナー定着装置の一例を示す概略図であ
る。
【図9】図8のトナー定着装置におけるヒータ温度の特
性を示す線図である。
【符号の簡単な説明】
1 加圧ロール 10 緩衝層 2 筒状フィルム 3 ヒートパイプ 30 皮膜 4 サーミスタ抵抗加熱体 40 サーミスタ 41 端子板を兼ねた伝熱基板 42 端子板 43 導電性のばね 44 絶縁性のケース 45 押さえ片 46,47 端子 48 凹部 49 フランジ部 4a アタッチメント 4b 引っ掛け部 5 用紙 50 トナー 6 セラミックスヒータ 60 ヒータ 61 サーミスタ温度計 62 CPU 63 スイッチング電源のトランス 64 トライアック 65 整流器・低域通過フィルタ 66 トライアックドライバ 67 商用電源 w 紙幅 a 実線 b 点線 T1 トナー定着温度の低温域 T2 トナー定着温度の高温域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05B 3/00 365 D (72)発明者 田中 末美 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 荒井 温 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧ロールと、この加圧ロールと平行状
    に接触する筒状フィルムと、この筒状フィルムの内側に
    長さ方向に沿って設置され、前記筒状フィルムの前記加
    圧ロールとの接触部位の内面側に接触するヒートパイプ
    と、このヒートパイプを加熱するサーミスタ抵抗加熱体
    とを備えたことを特徴とする、トナー定着装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒートパイプは断面がほぼ楕円形又
    は偏平である、請求項1に記載のトナー定着装置。
  3. 【請求項3】 前記ヒートパイプの表面にはフッ素樹脂
    からなる皮膜が定着されている、請求項1又は2に記載
    のトナー定着装置。
JP27355394A 1994-11-08 1994-11-08 トナー定着装置 Pending JPH08137305A (ja)

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