JPH08136925A - 液晶表示媒体の非接触液晶配向方法及び液晶配向装置 - Google Patents

液晶表示媒体の非接触液晶配向方法及び液晶配向装置

Info

Publication number
JPH08136925A
JPH08136925A JP6302701A JP30270194A JPH08136925A JP H08136925 A JPH08136925 A JP H08136925A JP 6302701 A JP6302701 A JP 6302701A JP 30270194 A JP30270194 A JP 30270194A JP H08136925 A JPH08136925 A JP H08136925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
display medium
crystal display
charger
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6302701A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Shimada
直樹 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP6302701A priority Critical patent/JPH08136925A/ja
Publication of JPH08136925A publication Critical patent/JPH08136925A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶/高分子複合膜(PDLC膜)を有する
液晶表示媒体を損傷せずに確実に液晶を配向できる非接
触液晶配向方法とその装置を提供する。 【構成】 基材21、導電層3、PDLC膜4を有する
液晶表示媒体1の、PDLC膜上の表面に対して、液晶
配向装置71aの帯電器72a,72bを、非接触状態
に配置して表面を帯電させる。導電層が水平的な横断路
を形成し、両帯電器間に導電層を経由してPDLC膜に
垂直方向の電界が印加されて液晶が配向する。また、基
材にある程度の導電性があれば、二つの帯電器で液晶表
示媒体を表裏両面から挟むように配置して、表裏を帯電
させて直接に垂直方向に電位差を生じさせて液晶を配向
させることもできる。後者の場合、一方の帯電器を、他
方の帯電器と例えばアースで接続された導電性部材に置
き換えて液晶表示媒体の裏面に接触させる構成でも良
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、書き換えが可能な液晶
表示媒体に対して、非接触の操作により液晶表示媒体の
液晶を配向させることで表示を消去等する、液晶表示媒
体の非接触液晶配向方法及びその液晶配向装置に関す
る。特に、液晶表示媒体を損傷せず、確実な液晶配向が
可能な方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、表示情報の書き換えが可能な表示
媒体として、脂肪酸を高分子マトリックス中に分散して
脂肪酸の加熱・冷却による相変化による白濁/透明化を
利用したものや、高分子で液晶物性を呈する高分子液晶
を利用したもの等が試みられているが、いずれも書換耐
久性、保存性、表示の高速消去性等の実用性能の点で問
題がある。
【0003】また、上記実用性能がより優れた、スメク
チック液晶等の液晶を高分子マトリックス中に分散した
液晶/高分子複合膜(PDLC(Polymer Dispersed Liq
uidCrystal)膜)(以下、PDLC膜ともいう。)を利
用した液晶表示媒体も提案されている。例えは、特開平
4−71899号公報では、基材に設けられた透明電極
上にPDLC膜を形成した情報記録カードなるものが開
示されている。PDLC膜による液晶表示媒体の表示情
報の記録/消去原理は、液晶の複屈折性を利用するもの
であり、具体的には、液晶の配向状態を変えることで液
晶と高分子マトリックスとの屈折率差を変化させて光を
透過、散乱させるものである。すなわち、PDLC膜を
液晶相転移温度以上に加熱し冷却すると液晶の配向がラ
ンダムとなり、高分子マトリックスの屈折率にほぼ一致
するように調整された液晶の屈折率が変化して屈折率差
が生じて白濁化することで記録し、PDLC膜に液晶配
向に必要なしきい値電圧以上の電界を印加すると液晶の
配向が電場により垂直配向(液晶の誘電異方性が負の場
合は水平配向)して、液晶と高分子マトリックスの屈折
率がほぼ一致して透明化することで消去するものであ
る。もちろん、記録を透明化で、消去を白濁化として利
用することもできる。PDLC膜は、このようにして表
示情報が可逆的に書き換え可能な表示媒体を提供するこ
とができる。
【0004】表示を白濁化させる記録方式では、PDL
C膜をスポット的に加熱可能な例えばサーマルヘッドや
光エネルギー等の加熱手段により、任意の文字や図形等
の記録をする。一方、表示を透明化させる消去方式で
は、PDLC膜を挟持する電極間に電界を印加して、電
極間のPDLC膜の全面を消去することが行われる。
【0005】例えは、具体的には、上記公報に開示され
た液晶表示媒体の表示情報の消去方法では、支持体とP
DLC膜間に形成された透明電極の露出部に外部電極を
接触させて接地状態とし、PDLC膜の上からコロナ放
電やライン電極などにより電界を印加して行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報に開
示されている液晶配向方法では、PDLC膜の下に形成
された透明電極の一部を露出させて形成する必要があ
り、さらに接地電極を該露出部に位置合わせして選択的
に接触させる必要もあり、液晶配向装置の構成が複雑に
なるという欠点があった。また、液晶表示媒体の表面に
露出した透明電極に液晶配向装置から接地電極をを接触
させる場合、接触不良による配向不良(消去の場合は消
去不良)、さらにはライン電極と透明電極とが近接した
状態では電極破壊が進行し、配向性が低下するという欠
点もあった。
【0007】そこで、本発明は、液晶表示媒体の損傷に
よる配向不良等の問題を解決し、確実且つ容易に液晶を
配向できる液晶配向方法、および液晶配向装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の液晶表示媒体の非接触液晶配向方法第1の
方法は、絶縁性材料からなる基材上に、導電層と、さら
に該導電層上に液晶を高分子中に分散してなる液晶/高
分子複合膜とを少なくとも有する、可逆表示可能な液晶
表示媒体について、表示状態を変更すべく液晶/高分子
複合膜に電界を印加して液晶を配向させる方法におい
て、正又は負帯電させ得る帯電器を、液晶表示媒体の液
晶/高分子複合膜側面上に非接触となるよう少なくとも
一つ以上配置し、帯電部の液晶を配向させる方法であ
る。
【0009】また、本発明の液晶表示媒体の非接触液晶
配向方法の第2の方法は、基材上に、液晶を高分子中に
分散してなる液晶/高分子複合膜を少なくとも有する、
可逆表示可能な液晶表示媒体について、表示状態を変更
すべく液晶/高分子複合膜に電界を印加して液晶を配向
させる方法において、正又は負帯電させ得る帯電器の少
なくとも正負一つずつを、液晶表示媒体を挟む様に且つ
非接触となるように配置し、帯電部の液晶を配向させる
方法である。
【0010】また、本発明の液晶表示媒体の非接触液晶
配向方法の第3の方法は、基材上に、液晶を高分子中に
分散してなる液晶/高分子複合膜を少なくとも有する、
可逆表示可能な液晶表示媒体について、表示状態を変更
すべく液晶/高分子複合膜に電界を印加して液晶を配向
させる方法において、正又は負帯電させ得る帯電器の少
なくとも一つを、液晶表示媒体の液晶/高分子複合膜側
面上に非接触となるように配置し、かつ接地された導電
性部材を液晶表示媒体の液晶/高分子複合膜側面の反対
面に接するように配置し、帯電部の液晶を配向をさせる
方法である。
【0011】さらに、本発明の液晶表示媒体の非接触配
向方法の第1、第2及び第3の方法は、その対象となる
液晶表示媒体の導電層及び/又は液晶/高分子複合膜が
絶縁性の保護層で覆われているものについても液晶を配
向する方法である。
【0012】一方、本発明の液晶表示媒体の非接触液晶
配向装置の第1の装置は、絶縁性材料からなる基材上
に、導電層と、さらに該導電層上に液晶を高分子中に分
散してなる液晶/高分子複合膜とを少なくとも有し、さ
らに必要に応じて導電層及び/又は液晶/高分子複合膜
が絶縁膜で覆われた、可逆表示可能な液晶表示媒体につ
いて、表示状態を変更すべく液晶/高分子複合膜に電界
を印加して液晶を配向させる液晶配向装置であって、正
又は負帯電させ得る帯電器を、液晶表示媒体の液晶/高
分子複合膜側面上に非接触となるよう少なくとも一つ以
上配置し、帯電部の液晶を配向させるために、液晶表示
媒体に対して非接触状態に位置する帯電器を固定又は移
動可能とし、また、液晶表示媒体を固定又は搬送可能と
し、帯電器を固定し且つ液晶表示媒体を搬送するか、帯
電器を移動し且つ液晶表示媒体を搬送するか、帯電器を
移動し且つ液晶表示媒体を固定することで、帯電器と液
晶表示媒体との位置関係を相対的に移動させ得る装置と
する。
【0013】また、本発明の液晶表示媒体の非接触液晶
配向装置の第2の装置は、基材上に、液晶を高分子中に
分散してなる液晶/高分子複合膜を少なくとも有し、さ
らに必要に応じて液晶/高分子複合膜が絶縁膜で覆われ
た、可逆表示可能な液晶表示媒体について、表示状態を
変更すべく液晶/高分子複合膜に電界を印加して液晶を
配向させる液晶配向装置であって、正又は負帯電させ得
る帯電器の少なくとも正負一つずつを、液晶表示媒体を
挟む様に且つ非接触となるように配置し、帯電部の液晶
を配向させるために、液晶表示媒体に対して非接触状態
に位置する帯電器を固定又は移動可能とし、また、液晶
表示媒体を固定又は搬送可能とし、帯電器を固定し且つ
液晶表示媒体を搬送するか、帯電器を移動し且つ液晶表
示媒体を搬送するか、帯電器を移動し且つ液晶表示媒体
を固定することで、帯電器と液晶表示媒体との位置関係
を相対的に移動させ得る装置とする。
【0014】さらに、本発明の液晶表示媒体の非接触液
晶配向装置の第3の装置は、基材上に、液晶を高分子中
に分散してなる液晶/高分子複合膜を少なくとも有し、
さらに必要に応じて液晶/高分子複合膜が絶縁膜で覆わ
れた、可逆表示可能な液晶表示媒体について、表示状態
を変更すべく液晶/高分子複合膜に電界を印加して液晶
を配向させる液晶配向装置であって、正又は負帯電させ
得る帯電器の少なくとも一つを、液晶表示媒体の液晶/
高分子複合膜側面上に非接触となるように配置し、かつ
接地された導電性部材を液晶表示媒体の液晶/高分子複
合膜側面の反対面に接するように配置し、帯電部の液晶
を配向をさせるために、液晶表示媒体に対して非接触状
態に位置する帯電器を固定又は移動可能とし、また、液
晶表示媒体の裏面に接触させる導電性部材を固定又は移
動可能とし、帯電器及び導電性部材を固定し且つ液晶表
示媒体を搬送するか、帯電器を固定し導電性部材を移動
し且つ液晶表示媒体を搬送するか、帯電器を移動し導電
性部材を固定し且つ液晶表示媒体を固定することで、帯
電器と液晶表示媒体との位置関係を相対的に移動させ得
る装置とする。
【0015】くわえて、上記本発明の液晶表示媒体の非
接触液晶配向装置に、液晶表示媒体の液晶/高分子複合
膜を加熱する加熱手段を備えた構成とする装置でもあ
る。
【0016】
【作用】請求項1の液晶表示媒体の非接触液晶配向方法
では、正又は負帯電させ得る帯電器の少なくとも一つで
PDLC膜上の面が帯電し、当該帯電器を別の所に移動
させ且つ異極帯電させるか、あるいは、前記帯電器とは
異極に帯電させ得る他の帯電器の少なくとも一つで、P
DLC膜上又はPDLC膜が無い導電層上の面(導電層
が露出している場合は導電層自身)が異極に帯電する。
この結果、例えば正負両方の帯電器がPDLC膜上の面
を帯電させる場合には、静電誘導により、正(又は負)
帯電−PDLC膜−導電層−PDLC膜−負(又は正)
帯電の経路で電位差が生じ、導電層を介して水平的に離
れた位置のPDLC膜に垂直方向の電界が印加され、し
きい値以上の電界で液晶が配向する。また、導電層より
も小さくPDLC膜が部分的に形成され、導電層が露出
している場合には、正(又は負)帯電−PDLC膜−導
電層−負(又は正)帯電の経路で電位差が生じ、上記と
同様にPDLC膜に垂直方向の電界が印加され、しきい
値以上の電界で液晶が配向する。導電層は露出しても基
本的には良いが、本発明の利点をより生かす実用的な構
成として、PDLC膜及び導電層の上に絶縁性の保護層
がさらに形成されている場合でも、同様にPDLC膜に
垂直方向の電界が印加され液晶が配向する。
【0017】請求項2の液晶表示媒体の非接触液晶配向
方法の第2の方法では、正又は負帯電させ得る帯電器の
少なくと一つでPDLC膜上の面が帯電し、前記帯電器
とは異極の他の帯電器の少なくとも一つで基材の裏面が
帯電し、表裏の帯電部分間に電位差が生じ、液晶配向が
可能となる。
【0018】請求項3の液晶表示媒体の非接触液晶配向
方法の第3の方法では、正又は負帯電させ得る帯電器の
少なくと一つでPDLC膜上の面が帯電し、前記帯電器
とは接地された導電性部材に基材の裏面を接触させるこ
とで、PDLC膜上の面と基材の裏面とは異電位とな
る。
【0019】また、請求項4,5又は6の液晶配向方法
では、それぞれ請求項1,2又は3の液晶配向方法に
て、液晶表示媒体のPDLC膜側の表面に絶縁性の保護
層が形成されている場合に相当し、この場合にも保護層
を介してPDLC膜に電界が作用して液晶が配向する。
【0020】請求項7の液晶表示媒体の液晶配向装置
は、請求項1又は4の液晶配向方法に対応する装置であ
り、正又は負イオンを放出する、すなわち、正又は負帯
電させ得る帯電器の少なくとも一つを、液晶表示媒体の
PDLC膜側面に非接触になる様に配置したもので、P
DLC膜に面する帯電器と液晶表示媒体の何方か一方又
は両方を移動することで両者の位置関係を相対的に移動
させ、PDLC膜の任意位置が帯電されて任意位置の液
晶が配向する。
【0021】請求項8の液晶表示媒体の液晶配向装置
は、請求項2又は5の液晶配向方法に対応する第2の装
置であり、正又は負帯電させ得る帯電器を少なくとも正
負一つずつ、液晶表示媒体の表裏両面に非接触になる様
に配置したもので、少なくともPDLC膜に面する帯電
器と液晶表示媒体の何方か一方又は両方を移動すること
で両者の位置関係を相対的に移動させ、PDLC膜の任
意位置が帯電されて任意位置の液晶が配向する。
【0022】請求項9の液晶表示媒体の液晶配向装置
は、請求項3又は6の液晶配向方法に対応する第3の装
置であり、正又は負帯電させ得る帯電器の何方か一方を
少なくとも一つ、液晶表示媒体のPDLC膜側面に非接
触になる様に配置し、接地された導電性部材を液晶表示
媒体の例えば載置台の様に配置したもので、少なくとも
PDLC膜に面する帯電器と液晶表示媒体の何方か一方
又は両方を移動することで、両者の位置関係を相対的に
移動させることで、PDLC膜の任意の位置が帯電され
て、任意の位置の液晶が配向する。
【0023】上記各液晶配向装置において、PDLC膜
を加熱する加熱手段を備えことにより、液晶が加熱され
て分子運動が常温状態に比較して大きく電界配向しやす
い為に、より低い電界強度で液晶が配向される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の液晶表示媒体の非接触液晶配
向方法及び液晶配向装置の実施例について図を参照しな
がら説明する。
【0025】図1は本発明の液晶配向方法と液晶配向装
置の一実施例を示す概略構成図である。同図において、
1は液晶表示媒体であり、液晶表示媒体1は、少なくと
も、絶縁性材料からなる基材21、導電層3、PDLC
膜(液晶/高分子複合膜)4、さらに必要に応じて設け
る保護層5とから構成されている。基材21は例えばプ
ラスチック等の絶縁性の材料からなり、導電層3はIT
O膜等の透明電極、あるいはアルミニウム等の金属の蒸
着膜や金属箔等からなり、PDLC膜4は例えばスメク
チック液晶を高分子マトリックス中に分散したものから
なり、液晶相転移温度以上に加熱後、冷却することによ
り液晶の配向がランダムに、電場により液晶の配向が垂
直配向又は水平配向になることで、表示情報の書き換え
が可能な膜である。保護層5はPDLC膜等の損傷を防
止するためのものであり、積層した樹脂フィルムや樹脂
液を塗工したものである。なお、導電層とPDLC膜は
一部が重なっておればこの部分が表示可能部となり、こ
れらが基材に部分的に形成されたものでもよい。
【0026】そして、71aは液晶配向装置であり、同
図に示す液晶配向装置71aでは、少なくとも、上記の
液晶表示媒体のPDLC膜側の表面を帯電する為の、正
又は負イオンを放出する、すなわち正又は負帯電させ得
る帯電器として正負一つずつ、帯電器72aと帯電器7
2bとを備えている。そして、図示はしないが、前記帯
電器72a及び72bとを液晶表示媒体1の任意の位置
に固定又は移動可能とし、帯電器を移動の場合は駆動ベ
ルト等により帯電器を移動する移動手段を備え、また液
晶表示媒体を移動する場合は、液晶表示媒体を搬送する
移動台等の搬送手段を備えている。固定又は移動は、帯
電器と液晶表示媒体との位置関係が相対的に固定又は移
動するのであればよく、何方か一方、又は両方(例えば
帯電器が縦方向、液晶表示媒体が横方向)が移動するこ
とによって行われる。
【0027】あるいは、複数の帯電器をマトリックス状
に相互に固定的に配置したグリッド帯電器で、それを構
成する各帯電器による帯電電位を経時的に変えるように
制御することで、任意の箇所のPDLC膜の配向状態を
変化させてもよい。
【0028】本発明の非接触液晶配向方法の第1の方法
は、図1に例示するような液晶配向装置を用いて、帯電
器72a及び72bにより、液晶表示媒体1の導電層が
形成されている表面上を正及び負にコロナ放電により帯
電させる。例えば、帯電器72aは正イオンで、帯電器
72bは負イオンで帯電させる(或いは、帯電器72a
は負イオン、帯電器72bは正イオンと正負逆で帯電さ
せても良い)。この際、帯電される少なくとも一か所
は、PDLC膜上の表面を帯電させる。同図では図示さ
れた範囲内において導電層上の全域をPDLC膜が形成
され、且つ保護層も形成されている為に、帯電器72a
及び72bの両方は、PDLC膜上の保護層面を帯電す
ることとなる。
【0029】この結果、帯電器にて正及び負に帯電され
た二箇所の表面部分の間に、静電誘導により、帯電面と
導電層との間に電界が生じ、液晶が垂直配向又は水平配
向することとなる。なお、二箇所の隣接した帯電部分間
の表面を帯電電荷が十分に移動できる程、表面抵抗率が
低かったり、隣接した帯電部分間の距離が近すぎると、
PDLC膜を経由した電界の経路よりも表面の経路の方
が優先となり、PDLC膜に優先的に電界を印加できな
いため、PDLC膜上を高絶縁体とし、また、帯電面部
分は、気中放電しない様な間隔を保つのが好ましい。
【0030】なお、液晶配向装置に使用する帯電器72
a,72bとしては、従来公知のいずれの帯電器であっ
ても使用でき、例えば、タングステンワイヤーとガード
電極からなるコロトロン帯電器や、これにグリッド電極
を付けたスコロトロン帯電器等が使用できる。
【0031】帯電器の配置は、図1の様に液晶表示媒体
の片面に対列的に、正と負のそれぞれの帯電器72a,
72bを一対、配置してもよいが、正と負の各一つで対
を成す帯電器を複数対配置した帯電器群としたり、図4
に示す様に、正と負のそれぞれの帯電器72aと帯電器
72bを一つずつと、正又は負の帯電器72cを一つ
と、合計3つ配置した帯電器群としたものでもよい。ま
た、帯電器を一つ用いて、液晶表示媒体或いは帯電器を
移動させながら、極性を変えることにより正負帯電の切
り替えを行い、任意の箇所に電界を印加してもよい。こ
のように、PDLC膜にしきい値以上の電界が生じた場
合、液晶が配向するが、配向処理後に帯電が残留しない
様、等電位を与え、除電するのが好ましい。また帯電が
残留している場合は、アースする等して除電することが
できるる。
【0032】図2は本発明の第2の液晶配向方法と液晶
配向装置の一実施例を示す概略構成図である。同図にお
いて、1は液晶表示媒体であり、基材22、PDLC膜
4、必要に応じて設ける保護層5とから構成されてい
る。基材22は絶縁性材料であっても良いが、実用上低
印加電圧で液晶配向できるようにするために、紙、導電
性粒子等の導電性物質を含有させた樹脂等のある程度は
導電性を有する材料が好ましい。基材22が高絶縁性で
あると、液晶を配向させるのに高電圧を必要とするた
め、使用する基材厚みで垂直方向の体積抵抗が10
8 〔Ω〕以下の材料を用いることが好ましい。なお、P
DLC膜は基材上に部分的に形成されたものでもよい。
【0033】そして、71bは第2の液晶配向装置であ
り、同図に示す液晶配向装置71bでは、少なくとも、
上記の液晶表示媒体のPDLC膜側の表面を帯電する為
の、正又は負帯電させ得る帯電器72aを一つと、帯電
器72aと対向的に配置されて基材の裏面を前記表面と
は異極に帯電させる帯電器72bとを備えている。具体
的な帯電器としては、図1の装置で挙げて帯電器を同様
に使用できる。また、図1に例示する液晶配向装置と同
様に、帯電器を移動する移動手段や液晶表示媒体を搬送
する搬送手段の両方又は一方を備えている。
【0034】本発明の非接触液晶配向方法の第2の方法
は、図2に例示するような第2の液晶配向装置を用い
て、帯電器72a及び72bにより、液晶表示媒体1の
PDLC膜がある部分の表裏を異極に帯電させる。この
結果、帯電器にて帯電された液晶表示媒体の表裏部分の
間に、PDLC膜と基材とを挟んで、正(又は負)帯電
−保護層−PDLC膜−基材−負(又は正)帯電の経路
で垂直的に横断する電位差が生じる。なお、帯電器は正
負一対を図2のように対向的に配置する以外にも、例え
ば、表面側には正の帯電器を隣接して二箇所に、裏面側
には前記隣接した二つの帯電器で帯電される部分に対応
する大きさを帯電できる負の帯電器を一つ、配置する構
成でもよい。また、正負一対の帯電器を複数対並べても
よい。複数対ならべる場合は、片面は全て同符号に帯電
させることは必ずしも必要ではない。
【0035】図3は本発明の第3の液晶配向方法と液晶
配向装置の一実施例を示す概略構成図である。液晶表示
媒体1は図2に例示したものと同様である。
【0036】そして、71cは第3の液晶配向装置であ
り、同図に示す液晶配向装置71cでは、上記の液晶表
示媒体のPDLC膜側の表面を帯電する為の、正又は負
帯電させ得る帯電器72aを少なくとも一つと、液晶表
示媒体の基材と接触する接地された導電性部材73とを
備えている。具体的な帯電器としては、図1の装置で挙
げて帯電器を同様に使用できる。また、図1に例示する
液晶配向装置と同様に、帯電器を移動する移動手段や液
晶表示媒体を搬送する搬送手段の両方又は一方を備えて
いる。但し、液晶表示媒体を搬送する搬送手段として
は、前記導電性部材を有するものとすることができる。
【0037】本発明の非接触液晶配向方法の第3の方法
は、図3に例示するような第3の液晶配向装置を用い
て、帯電器72a及び導電性部材73により、液晶表示
媒体1のPDLC膜がある部分の表面を帯電させる。一
方、液晶表示媒体の裏面の基材は、前記帯電器とアース
等により電位差がかかる様に接続されているため、結局
帯電器にて帯電された液晶表示媒体の表面部分と裏面と
の間に、PDLC膜と基材とを挟んで、正(又は負)帯
電−保護層−PDLC膜−基材−導電性部材(対極)の
経路で、図2の場合と同様に垂直的に電界がかかる。そ
して図2の場合の第2の液晶配向方法と同様にしてPD
LC膜に有効に印加され、液晶が配向する。なお、帯電
器は正又は負の一つを図3のように導電性部材に対して
対向的に、且つ単独的に配置する以外にも、例えば、正
又は負の同符号の帯電器を二箇所に、或いは異極の帯電
器をそれぞれひとつずつ二箇所に配置する構成等でもよ
い。全て同符号に帯電させることは必ずしも必要ではな
い。
【0038】また、表示媒体と導電性部材との密着性を
高めるために、導電性部材の形状としては、液晶表示媒
体の裏面に当接するような単なる平板状以外に、円柱状
であるローラとして、導電性部材自身の位置(ローラの
回転軸)は移動せずに固定とし、ローラを回転させて液
晶表示媒体に回転接触させたり、あるいは、円弧の長さ
が表示媒体の電位を与える必要な部分より長い部分円弧
状のドラムとして回転接触させたり(ドラムの回転軸は
移動せずに固定)、大きな半径の円柱状のドラムとして
可撓性のある液晶表示媒体を湾曲させてドラム円周面に
抱かせることで例えば裏面全面を接触させる(ドラムの
回転軸は移動せずに固定してドラムを回転させたり、ド
ラムは回転せずにドラムの周囲を帯電器を円弧を描く様
に移動する)、等の各種の態様りより、帯電器と液晶表
示媒体との相対的な位置関係を移動させる方法があり得
る。
【0039】また、本発明の液晶配向装置において、さ
らにPDLC膜を加熱する加熱手段を備えることによ
り、液晶の配向をより低電圧で行うことができる。図5
は、図1の液晶配向装置に加熱手段74として、ヒート
ロールを備えた構成のものである。同図では、液晶表示
媒体は、搬送途中で表裏二つのヒートロールからなる加
熱手段74に加熱されて、帯電部分に移動する構成であ
る。このような加熱方法は、図2及び図3に例示する第
2及び第3の装置にも適用できる。さらに、図3に例示
する第3の装置では、導電性部材の下や中に電気ヒータ
等を設置して導電性部材を加熱手段と兼用することもで
きる。液晶が加熱されることにより、例えば、スメクチ
ック液晶がネマチック相とらなり、より低い電界で液晶
分子の配向が可能となる。但し、帯電現象には通常±5
kV以上の帯電器の出力が必要であるため、低出力とは
ならないが、液晶表示媒体を搬送させる場合、加熱によ
ってさらに高速に消去できる利点がある。
【0040】上述の様な、本発明の液晶表示媒体の液晶
配向方法及び液晶配向装置により、液晶表示媒体を損傷
することなく、確実に液晶の配向を変更することで、P
DLC膜からなる表示部の表示を変更して、消去或いは
画像形成が可能となる。
【0041】なお、本発明の液晶配向方法及び液晶配向
装置に適用可能な液晶表示媒体とししては、上述のよう
に、導電層を有しないものでも、特定の体積抵抗値の関
係を満たすものであれば、特に制限はない。例えば、上
述の様に保護層を設けたり、或いは後の実施例でのべる
印刷層を設けたもの等であってもよい。
【0042】また、液晶表示媒体を構成する基材、導電
層、PDLC膜を形成する液晶及び高分子、保護層の各
材料、形成方法、層厚み等は、特開平5−301489
号公報、特願平6−33283号、特願平6−4473
5号、特願平6−119702号にて開示される内容に
準じることができる。
【0043】例えば、PDLC膜に使用する液晶物質と
しては、従来公知のスメクチック液晶を用いることがで
きる。また、ネマチック液晶以外に、コレステリック液
晶、ディスコレステレリツク液晶、高分子液晶、及びこ
れらの混合系も使用できる。また、液晶に適量の二色性
色素を混合して、ゲスト−ホスト効果によるコントラス
トの向上や着色表示とさせることもできる。
【0044】液晶を分散させる高分子としては、皮膜形
成能を有し、透明性、耐熱性に優れるものが好ましい。
例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体等の塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン等の塩化ビ
ニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレー
ト、アクリレート−メタクリレート共重合体等のアクリ
ル系樹脂、ポリチオール系樹脂、ポリウレタン樹脂等が
挙げられる。また、アクリル系モノマーや重合性プレポ
リマー等からなる電離放射線硬化性樹脂を紫外線や電子
線等の電離放射線で硬化させたものでもよい。
【0045】液晶を高分子中に分散させるには、相分離
法、エマルション法、マイクロカプセル法、溶媒蒸発
法、懸濁重合法等があり、中でも、液晶と高分子とを非
相溶とし液晶の染みだし防止効果があるエマルション
法、さらに、液晶の分散粒子の耐久性の向上効果がある
マイクロカプセル法が優れている。
【0046】エマルション法による分散法では、界面活
性剤や保護コロイド等を適宜加えた水を主体とする媒質
中に液晶を超音波や機械的攪拌により乳化分散させ、分
散液とする。
【0047】マイクロカプセル法による分散法では、各
種の公知マイクロカプセル法が利用できるが、中でもi
n−situ重合法が優れている。この方法では、例え
ば、水性媒質中に、液晶をラジカル反応性界面活性剤や
ラジカル反応性保護コロイドで乳化分散させ、水性媒質
中や液晶中に溶解又は分散させたラジカル重合開始剤の
分解温度まで昇温して重合性化合物を重合させること
で、乳化分散した液晶と水性媒質との界面に高分子化合
物をマイクロカプセルの壁膜として形成させマイクロカ
プセルが分散した分散液とする。
【0048】そして、上記の様にして得た分散液に、さ
らにポリビニルアルコール樹脂、ゼラチン、アクリル系
共重合体、水溶性アルキド樹脂等の水溶性或いは水分散
性高分子を加えたものを、基材上に塗布、乾燥して、P
DLC膜を形成する。PDLC膜の膜厚は、通常3〜2
3μm程度であり、3μm未満では表示のコントラスト
が低下し、23μmを越えると液晶の配向に必要な電界
が過大となる。
【0049】液晶表示媒体1の、絶縁性材料からなる基
材21としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、
ポリメタクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリスチ
レン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体、三酢酸セルロース、ポリカーボネート等の樹脂から
なるフィルムやシート等で、厚さは通常100〜100
0μm程度、形態はカード状やラベル状等である。また
紙、合成紙、セラミックシートやこれらの複合体も使用
できる。
【0050】導電層3としては、ITO膜等の透明電
極、ITO粉末を樹脂中に分散させた導電性塗膜、ある
いはアルミニウム等の金属の蒸着膜や金属箔等からなる
反射電極等が使用される。
【0051】液晶表示媒体1の基材で、垂直に電界を作
用させる第2及び第3の液晶配向方法の場合には、上記
で挙げた樹脂中に導電性粉末等の導電性物質を混合した
ものや、あるいは金属板、紙等が使用できる。
【0052】保護層5は、絶縁性でPDLC膜を擦り傷
等から保護するもので、ウレタンアクリレート、エポキ
シアクリレート等からなる電離放射線硬化性樹脂液を塗
布して硬化させたものや、ポリエチレンテレフタレート
等からなる樹脂フィルムを接着剤で積層したもの等であ
る。また、PDLC膜上の表面(保護層を設ける場合は
保護層の面が該表面となる)を正負両方に帯電させる液
晶配向方法では、保護層の表面抵抗率は、正負の帯電器
間の距離における表面抵抗値が、保護層−PLDC層−
導電層−PDLC膜−保護層となる、表面の正帯電と負
帯電間で電界が作用する経路の合成された体積抵抗値よ
りも略低くい程度に絶縁性でないと、PDLC膜に効果
的に電界が作用せず、また表面を経由して正及び負電荷
が移動して帯電電位が低下し、PDLC膜に電界が印加
されない。
【0053】次に、実施例及び比較例により本発明を更
に具体的に説明する。なお、文中にて「部」又は「%」
とあるのは、特に断りの無い限り重量基準である。
【0054】《実施例1》液晶表示媒体の作成 透明電極としてITO膜(面積抵抗率102 Ω)を有す
る透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み18
8μm)を、導電層を形成した基材として用い、該導電
層上にPDLC膜形成用塗液を塗布、乾燥して、フィル
ム全面に厚み10μmのPDLC膜を形成した。次い
で、紫外線硬化性樹脂(大日精化工業(株)製 セイカ
ビーム)を全面に塗布、硬化して厚み2μmの保護層を
形成した。次に、85×54mmのサイズに打ち抜き、
カード状の液晶表示媒体とした。表示は、液晶の配向が
ランダムな状態を表示状態、垂直配向の状態を消去状態
として使用した。なお、PDLC膜は、超音波分散で液
晶(及び液晶に混合された二色性色素)を分散し、マイ
クロカプセル法としてin−situ重合法を利用して
作成分散塗液にて形成した。PDLC膜の主成分は下記
の通りである。
【0055】・スメクチック液晶(メルク・ジャパン
(株)製 S−6) ・二色性色素(三井東圧化学(株)製 S−428) (黒発色/透明の二色性) ・マイクロカプセル壁膜成分 メチルメタクリレートのin−situ重合物 ・保護コロイド兼高分子マトリックス成分 ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製 K
P−06) ・増粘剤兼高分子マトリックス成分 ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製 K
H−20) ・液晶/高分子マトリックス比=1/1
【0056】液晶配向装置 正イオン用と負イオン用の各一つのコロナ帯電器として
コロトロン帯電器を、間隔10mmの距離を離して並列
的に且つ液晶表示媒体に対して非接触となる位置に配置
した、図5の様な装置(消去装置)とした。
【0057】書き込み処理 6dot/mmのサーマルプリンタを使用し、0.4m
J/dotでPDLC膜を加熱して表示の書き込みを行
った。なお、液晶表示媒体を作成した直後のPDLC膜
の液晶の配向状態はランダムな状態であり、全面が黒色
を呈している。
【0058】液晶配向処理(消去処理) 上記の液晶配向装置で、二つの帯電器を液晶表示媒体の
表面に対して3mm離して、一方の帯電器は+5kV、
他方の帯電器は−5kVとして、液晶表示媒体を速度3
0m/分で搬送移動させながら、コロナ帯電を行った。
導電層が水平方向の横断的な電荷移動体となり、表示は
黒色から透明となり消去した。
【0059】評価結果 上記の書込み処理と消去処理による、書き換え耐久性は
1000回以上と良好であり、本発明による液晶配向方
法及び液晶配向装置の優れているとこが確認された。ま
た、書込み処理はサーマルヘッドが接触するが、消去処
理を非接触で行え、導電層がPDLC膜及び保護層で保
護されているために、導電層にキズ等の欠陥が生じず、
均一で安定的な書き換えが可能であった。
【0060】《実施例2》液晶表示媒体の作成 導電層上にPDLC膜をシルクスクリーン印刷により部
分的に形成し、PDLC膜が形成されていない導電層上
には、印刷により白色層と絵柄層を形成した他は、実施
例1と同様に形成して、図6に示す様な構成の液晶表示
媒体とした。同図で、液晶表示媒体1は、絶縁性材料か
らなる基材21上に、導電層3が形成され、導電層3上
の一部にPDLC膜4が形成され、PDLC膜4が形成
されていない導電層3上の部分に、先ず下地層として白
色層61を、その上に絵柄層62が形成されている。白
色層61及び絵柄層62からなる印刷層6は、グラビア
印刷、凸版印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印
刷等の公知の印刷手段により形成される。そして、これ
らの層の上に、さらに保護層5が形成されたものであ
る。
【0061】評価結果 上記の液晶表示媒体を用いた他は、実施例1と同様にし
て、液晶表示媒体を搬送しながら消去する方法で書き換
え繰り返しを行ったところ、書き換え耐久性は実施例1
同様に良好で、導電層にキズ等の欠陥も生じず、均一で
安定的な書き換えが可能であった。
【0062】《実施例3》液晶表示媒体の作成 基材として厚み85μmのコート紙を用いた他は、実施
例1と同様にして紙基材上にPDLC膜、保護層を順次
形成して、カード状の図2に示す様な構成の液晶表示媒
体とした。書込み及び消去処理と評価結果 上記の液晶表示媒体を用い、液晶配向装置を図2に示す
様な帯電器の配置の装置を用い、PDLC膜を有する表
面側の帯電器は−5kV、基材裏面側の帯電器は+5k
Vとした他は、実施例1と同様にして、液晶表示媒体を
搬送しながら消去する方法で書き換え繰り返しを行った
ところ、書き換え耐久性は実施例1同様に良好で、導電
層にキズ等の欠陥も生じず、均一で安定的な書き換えが
可能であった。
【0063】《実施例4》書込み及び消去処理と評価結果 実施例3と同様の液晶表示媒体を用い、液晶配向装置を
図3に示す様な帯電器の配置で、導電性部材としてアル
ミニウム板を備えた装置を用い、帯電器を−5kVと
し、液晶表示媒体を導電性部材と共に一体的に搬送しな
がら消去する方法とした他は、実施例1と同様にして書
き換え繰り返しを行ったところ、実施例1と同様にして
書き換え繰り返しを行ったところ、書き換え耐久性は実
施例1同様に良好で、導電層にキズ等の欠陥も生じず、
均一で安定的な書き換えが可能であった。
【0064】《比較例》液晶表示媒体の作成 実施例1と同様の構成材料を用い、導電層を一部露出さ
せるべく、実施例3の場合と同様にして部分的にPDL
C膜および保護層を形成し液晶表示媒体とした。書込み及び消去処理と評価結果 露出した導電層に接地電極を接触させ、消去すべきPD
LC膜上の保護層の上にローラ電極を圧接して電界を印
加して消去する方法としたところ、導電層上にゴミが付
着し、接地電極と導電層との接触が不十分となり、気中
放電が起き、また導電層にキズが付いたため、導電層の
劣化が進行し、書換え10回で消え残り部分が生じた。
【0065】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の液晶配向方法
及び液晶配向装置によれば、帯電器から放出される荷電
粒子による帯電現象を利用した電界印加であり、液晶表
示媒体に非接触で配向できるため、液晶表示媒体の表面
に露出させた導電部を接地して電界印加する従来の方法
にみられるような、導電層の破壊問題(接地不良で発生
する放電による)が解決される。また、液晶が配向され
る部分は、帯電器から放電される荷電粒子が帯電する表
面部分であり、特別に帯電が集中する突起物突出の様な
表面構造の場合を除いて、表面全面にわたって一様に液
晶を配向できる。これに対して、電極を接触させる配向
方法の場合、表面が比較的粗い媒体では、接触してない
部分で電界がかからない為、均一に消去できず配向ムラ
が発生する。また、液晶表示媒体の表面に電極を接触さ
せて加圧したり、転がしたりすることによる、圧力やキ
ズ等でPDLC膜の性能劣化が起こりにくい。
【0066】また、導電層上を完全に覆うようにPDL
C膜あるいは保護層を積層できるため、導電層をキズ等
から保護することもできる。導電層を保護し耐性を持た
せることは、実用上、非常に重要である。それは、カー
ド状の液晶表示媒体等で基材にプラスチック等の絶縁性
材料を使用する場合には、液晶配向に導電層が不可欠で
あり、かかる不可欠な導電層に何らかの要因で欠陥が生
じた場合、液晶の配向が出来ず、表示の書き換えが不能
となるからである。従って、導電層の耐性を増すこと
は、書き換え耐久性を確保する意味で必須なことであ
る。例えば、導電層の一部が露出しており、キズが原因
で導電層破壊が発生すると、導電層の破壊部分で放電現
象が発生し、さらに導電層破壊が進行する。このため、
書き換えの繰り返しで液晶配向ができなくなる。
【0067】また、導電層に接地電極を接触させる必要
がないために、液晶表示媒体の構成上の制約が少なくな
り、より自由なデザインが可能となる。例えば、導電層
上に全面にPDLC膜を積層しても良いし、PDLC膜
を部分的に形成し、液晶表示媒体の全面を保護層で覆っ
ても良い。特に液晶表示媒体に絵柄印刷等の意匠性、固
定情報等をもたせる場合には、PDLC膜による書き換
え表示部を除く液晶表示媒体全面に印刷可能である。ま
た、導電層を露出させる必要がないので、表示に利用す
る範囲が広がる。表示部を一部に設ける場合において
も、表示部を自由に設定できる。さらに、帯電器を同一
面側にPDLC膜に面する様に二つ以上設ける構成で
は、複数の帯電器に対面して複数回、PDLC膜に電界
が印加されるので、液晶の配向をより確実なものとする
ことができる。しかも、帯電器は非接触である為に、複
数設けても液晶表示媒体を傷つけやすくするとが無い。
【0068】液晶配向装置において、帯電器の設置箇所
は、接触方式の様に液晶表示媒体の導電層露出部分と接
触する必要がないので、液晶配向箇所を考慮して自由に
配置できる。また、導電層を露出させる必要がないの
で、表示に利用する範囲が広がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非接触液晶配向方法と液晶配向装置の
一実施例を示す概略構成図。
【図2】本発明の第2の非接触液晶配向方法と液晶配向
装置の一実施例を示す概略構成図。
【図3】本発明の第3の非接触液晶配向方法と液晶配向
装置の一実施例を示す概略構成図。
【図4】図1に示す非接触液晶配向方法と液晶配向装置
の帯電器の配置の他の態様を示す図。
【図5】図1に示す液晶配向装置に加熱手段を備えた他
の実施例を示す概略構成図。
【図6】適用可能な液晶表示媒体の他の構成を示す縦断
面図。
【符号の説明】
1 液晶表示媒体 21,22 基材 3 導電層 4 PDLC膜(液晶/高分子複合膜) 5 保護層 6 印刷層 61 白色層 62 絵柄層 71a,71b,71c 液晶配向装置 72a,72b 帯電器 73 導電性部材 74 加熱手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性材料からなる基材上に、導電層
    と、さらに該導電層上に液晶を高分子中に分散してなる
    液晶/高分子複合膜とを少なくとも有する、可逆表示可
    能な液晶表示媒体について、表示状態を変更すべく液晶
    /高分子複合膜に電界を印加して液晶を配向させる方法
    において、 正又は負帯電させ得る帯電器を、液晶表示媒体の液晶/
    高分子複合膜側面上に非接触となるよう少なくとも一つ
    以上配置し、帯電部の液晶を配向させることを特徴とす
    る液晶表示媒体の非接触液晶配向方法。
  2. 【請求項2】 基材上に、液晶を高分子中に分散してな
    る液晶/高分子複合膜を少なくとも有する、可逆表示可
    能な液晶表示媒体について、表示状態を変更すべく液晶
    /高分子複合膜に電界を印加して液晶を配向させる方法
    において、 正又は負帯電させ得る帯電器の少なくとも正負一つずつ
    を、液晶表示媒体を挟む様に且つ非接触となるように配
    置し、帯電部の液晶を配向させることを特徴とする液晶
    表示媒体の非接触液晶配向方法。
  3. 【請求項3】 基材上に、液晶を高分子中に分散してな
    る液晶/高分子複合膜を少なくとも有する、可逆表示可
    能な液晶表示媒体について、表示状態を変更すべく液晶
    /高分子複合膜に電界を印加して液晶を配向させる方法
    において、 正又は負帯電させ得る帯電器の少なくとも一つを、液晶
    表示媒体の液晶/高分子複合膜側面上に非接触となるよ
    うに配置し、かつ接地された導電性部材を液晶表示媒体
    の液晶/高分子複合膜側面の反対面に接するように配置
    し、帯電部の液晶を配向をさせることを特徴とする液晶
    表示媒体の非接液晶配向方法。
  4. 【請求項4】 液晶表示媒体の導電層及び/又は液晶/
    高分子複合膜が絶縁性の保護層で覆われている液晶表示
    媒体について、液晶を配向することを特徴とする請求項
    1記載の液晶表示媒体の非接触液晶配向方法。
  5. 【請求項5】 液晶表示媒体の液晶/高分子複合膜が絶
    縁性の保護層で覆われている液晶表示媒体について、液
    晶を配向することを特徴とする請求項2記載の液晶表示
    媒体の非接触液晶配向方法。
  6. 【請求項6】 液晶表示媒体の液晶/高分子複合膜が絶
    縁性の保護層で覆われている液晶表示媒体について、液
    晶を配向することを特徴とする請求項3記載の液晶表示
    媒体の非接触液晶配向方法。
  7. 【請求項7】 請求項1又は4記載の液晶表示媒体の非
    接触液晶配向方法を用いた液晶配向装置であって、 液晶表示媒体に対して非接触状態に位置する帯電器を固
    定又は移動可能とし、また、液晶表示媒体を固定又は搬
    送可能とし、 帯電器を固定し且つ液晶表示媒体を搬送するか、帯電器
    を移動し且つ液晶表示媒体を搬送するか、帯電器を移動
    し且つ液晶表示媒体を固定することで、帯電器と液晶表
    示媒体との位置関係を相対的に移動させ得ることを特徴
    とする液晶表示媒体の液晶配向装置。
  8. 【請求項8】 請求項2又は5記載の液晶表示媒体の非
    接触液晶配向方法を用いた液晶配向装置であって、 液晶表示媒体に対して非接触状態に位置する帯電器を固
    定又は移動可能とし、また、液晶表示媒体を固定又は搬
    送可能とし、 帯電器を固定し且つ液晶表示媒体を搬送するか、帯電器
    を移動し且つ液晶表示媒体を搬送するか、帯電器を移動
    し且つ液晶表示媒体を固定することで、帯電器と液晶表
    示媒体との位置関係を相対的に移動させ得ることを特徴
    とする液晶表示媒体の液晶配向装置。
  9. 【請求項9】 請求項3又は6記載の液晶表示媒体の非
    接触液晶配向方法を用いた液晶配向装置であって、 液晶表示媒体に対して非接触状態に位置する帯電器を固
    定又は移動可能とし、また、液晶表示媒体の裏面に接触
    させる導電性部材を固定又は移動可能とし、 帯電器及び導電性部材を固定し且つ液晶表示媒体を搬送
    するか、帯電器を固定し導電性部材を移動し且つ液晶表
    示媒体を搬送するか、帯電器を移動し且つ導電性部材及
    び液晶表示媒体を固定することで、帯電器と液晶表示媒
    体との位置関係を相対的に移動させ得ることを特徴とす
    る液晶表示媒体の液晶配向装置。
  10. 【請求項10】 液晶表示媒体の液晶/高分子複合膜を
    加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項7,
    8又は9記載の液晶表示媒体の液晶配向装置。
JP6302701A 1994-11-14 1994-11-14 液晶表示媒体の非接触液晶配向方法及び液晶配向装置 Pending JPH08136925A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6302701A JPH08136925A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 液晶表示媒体の非接触液晶配向方法及び液晶配向装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6302701A JPH08136925A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 液晶表示媒体の非接触液晶配向方法及び液晶配向装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08136925A true JPH08136925A (ja) 1996-05-31

Family

ID=17912156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6302701A Pending JPH08136925A (ja) 1994-11-14 1994-11-14 液晶表示媒体の非接触液晶配向方法及び液晶配向装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08136925A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100553114B1 (ko) * 1998-09-30 2006-05-30 삼성전자주식회사 배향막의 열처리 방법 및 이의 열처리 장치
KR100971384B1 (ko) * 2005-02-07 2010-07-21 엘지디스플레이 주식회사 액정표시소자용 배향막 형성방법 및 형성장치
WO2013032160A2 (ko) * 2011-08-30 2013-03-07 주식회사 동진쎄미켐 위상지연필름의 제조방법

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100553114B1 (ko) * 1998-09-30 2006-05-30 삼성전자주식회사 배향막의 열처리 방법 및 이의 열처리 장치
KR100971384B1 (ko) * 2005-02-07 2010-07-21 엘지디스플레이 주식회사 액정표시소자용 배향막 형성방법 및 형성장치
WO2013032160A2 (ko) * 2011-08-30 2013-03-07 주식회사 동진쎄미켐 위상지연필름의 제조방법
WO2013032160A3 (ko) * 2011-08-30 2013-05-02 주식회사 동진쎄미켐 위상지연필름의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6825970B2 (en) Methods for addressing electro-optic materials
US4692779A (en) Image forming method and apparatus therefor
WO2009151675A2 (en) Electro-optic displays
EP1403687A2 (en) Cholesteric liquid crystal display system
JP3949309B2 (ja) 書き込み装置
JPH09216465A (ja) 巻取り型ディスプレイ
US5847786A (en) Method of orienting liquid crystal of liquid crystal display medium and apparatus for carrying out the same
JPH08136925A (ja) 液晶表示媒体の非接触液晶配向方法及び液晶配向装置
JP4112144B2 (ja) 表示媒体及び書き込み装置
JPH08136926A (ja) 液晶表示媒体の液晶配向方法及び液晶配向装置
JP3687888B2 (ja) 書き込み装置
JPH08171077A (ja) 可逆表示媒体の書換装置
CN215599967U (zh) 一种电子票、电子票闸机和电子票系统
JP2000056286A (ja) 可逆表示媒体の書換装置
CN215599955U (zh) 一种电子货架标签
JPH08136903A (ja) 液晶表示媒体
JP4075480B2 (ja) 粒子を分散した塗液の乾燥装置
JPH05224182A (ja) 外部荷電型液晶表示素子
JP2006251592A (ja) 表示媒体とそれを用いた表示装置と可逆表示体
JP2004117453A (ja) 表示媒体とそれを用いた表示装置及び可逆表示体
JP2003255403A (ja) 表示媒体、表示装置、表示方法及び表示体
CN115639695A (zh) 一种图像显示系统
JP2000221513A (ja) 書換え可能な表示素子、その製造方法、表示体、および表示体の書換え方法
JP2004177475A (ja) 電子表示媒体
CN115639694A (zh) 一种图像显示系统

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031021