JPH08136478A - X線回折試料極低温冷却装置 - Google Patents

X線回折試料極低温冷却装置

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JPH08136478A
JPH08136478A JP6277525A JP27752594A JPH08136478A JP H08136478 A JPH08136478 A JP H08136478A JP 6277525 A JP6277525 A JP 6277525A JP 27752594 A JP27752594 A JP 27752594A JP H08136478 A JPH08136478 A JP H08136478A
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博 早川
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悦男 秋葉
Manabu Noguchi
学 野口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線回折に寄与する試料表面部の温度が試料
の温度として測定される試料ホルダ等の温度に略等しく
なるようにして、試料の正確なX線分析を行えるように
する。 【構成】 気密ケース5の内部に冷却部としてのファー
ストステージ24とセカンドステージ25とを設け、こ
のセカンドステージ25の第2の冷却部位27に試料ホ
ルダ41を固定し、この試料ホルダ41の表面に試料板
11を介して試料4を固定すると共に、試料ホルダ41
に試料4の外周を覆う均熱ブロック51を取り付けてあ
る。これによって試料4の表面と均熱ブロック51との
間で熱輻射による熱交換が行なわれるようにし、試料4
の表面の温度と、均熱ブロック51や該均熱ブロック5
1に熱伝導的熱結合された試料ホルダ41の温度とを略
等しく維持できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、試料を極低温に冷却
してX線分析を行うことのできるX線回折試料極低温冷
却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のX線回折試料極低温冷却
装置としては、図4ないし図6に示すようなものが知ら
れている。
【0003】図4において符号1はX線回折試料極低温
冷却装置であり、ヘリウムガスを閉回路で循環させなが
ら断熱圧縮・膨張を繰り返して低温を得る冷却機のヘッ
ドを形成する冷却部2の先端に、試料ホルダ3を固定
し、この試料ホルダ3に試料4を取り付けるようにした
ものである。
【0004】冷却部2は、内部を真空に保持するための
円筒状の気密ケース5で覆われており、この気密ケース
5の下部付近には、試料4に照射するX線を透過させる
ためのBe製のX線透過窓6が設けてある。また、気密
ケース5の下端部は、ゴニオメータ7の試料回転台8に
固定され、さらに試料回転台8を挟んでゴニオメータ7
の両側には、前記試料4にX線透過窓6を介してX線を
照射させるX線発生装置9と、試料4からの回折X線を
X線透過窓6を介して検出するX線計数装置10とが設
けてある。X線計数装置10は試料4の回りに所定の角
速度で回転可能となっており、したがってX線透過窓6
は、気密ケース5の周方向に中心角190゜程度の範囲
で形成されている。
【0005】上記試料ホルダ3は、図5,図6に示すよ
うにフランジ部3aとホルダ部3bとが一体に成形さ
れ、フランジ部3aが冷却部2の下端に形成された冷却
部位2aに固定されることで試料4が装置内の計測位置
に保持される。そして試料ホルダ3のホルダ部3bの表
面(冷却部の中心側)には、試料4が固定された試料板
4aがネジ等の取付部材11で取り付けてある。また、
冷却部位2aの上面には、温度センサ12が取り付けら
れ、これによってX線回折測定時の試料4の温度を検出
し、冷却部位2aの温度制御を行うようにしている。ま
た、冷却部2の下端、即ち冷却部位2aの直上付近に
は、ヒータ13が巻き付けてあり、このヒータ13で試
料4の温度を制御できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、X線回折測
定の場合においてX線回折測定に寄与するのは、試料4
の表面部の極薄い層である。したがって、X線回折測定
における試料温度というときには、正確には、実際にX
線回折に寄与している試料4の表面部の温度をさすこと
になる。
【0007】ところが、上述の従来の装置では、温度セ
ンサ12の検出温度が、実際にX線回折に寄与している
試料4の表面部の温度を示していない場合のあることが
判明した。
【0008】本発明者等がその原因を究明したところ、
以下の事実が判明した。すなわち、上述の従来の装置で
は、冷却部位2aと試料ホルダ3とはこれを共に熱良導
体で構成して結合できるので、両者の間の温度差を小さ
くすることは可能である。従来は、一般的な感覚でみて
試料4の熱容量が小さくかつその厚さも十分に薄いと考
えられていたので、当然、試料4の温度も該試料4が熱
的に接触している試料ホルダ3の温度とほぼ等しくなる
ものと考えられていた。この従来の考え方は、試料4が
熱良導体である場合にはその通りであった。しかしなが
ら、試料4については、これを常に熱良導体で構成する
ことはできない。すなわち、試料によっては著しく熱伝
導率が小さく、粉末状試料のように、むしろ、熱絶縁体
に近いものである場合も少なくない。そこで、試料4が
このような熱絶縁体に近いものである場合から熱良導体
に近いものである場合の種々の場合について、冷却部位
2a、試料ホルダ3及び試料4の各部の温度を測定した
ところ、試料4が熱絶縁体に近いものになればなるほ
ど、試料4のX線回折に寄与する表面部と他の部位との
間の温度差が大きくなり、これが無視できない程になる
場合のあることが判明した。
【0009】本発明者等の考察によれば、試料4は、そ
の底面部及び側面部が試料ホルダ3に接触されて熱伝導
によって冷却されるが、X線を照射する表面部は空間に
接することになる。すなわち、底面部及び側面部からは
熱が奪われるが、表面部からは熱が奪われず、むしろ、
X線透過窓6等を通じて侵入する外部からの熱輻射線等
によって表面部には熱が供給される。もし、試料4が熱
良導体であれば、底面部及び側面部と表面部との間で熱
伝導による十分な熱交換が行われるので、外部輻射線等
によって表面部に供給されるわずかな熱を十分に吸収で
き、表面部の温度もほぼ試料ホルダ3の温度と等しいも
のにできるが、試料4が熱伝導の悪いものである場合に
は、表面部から供給される熱を十分に吸収することがで
きなくなり、これがために、表面部の温度と他の部位の
温度との間に無視できない程の温度差が生じてしまうも
のと推定された。
【0010】この発明は、上述の解明結果に基づいてな
されたものであり、冷却部位の温度とX線分析の測定対
象たる試料温度との差を少なくして、試料の正確なX線
分析を行うことのできるX線回折試料極低温冷却装置を
提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、内部に試料を配置する気密
ケースと、この気密ケースの内部に設けられて前記試料
を所定の温度に冷却する冷却部と、この冷却部に固定さ
れて前記試料を前記気密ケース内の測定位置に保持する
試料ホルダとを有し、前記気密ケースの外側に設けたX
線源からこの気密ケースのX線透過窓を介してX線を照
射すると共に、前記試料からの回折X線を前記X線透過
窓を介してX線計数装置で検出するようにしたX線回折
試料極低温冷却装置であって、前記試料ホルダに前記試
料の外周を覆う均熱ブロックを設けたことを特徴として
いる。
【0012】請求項2記載の発明はいる試料ホルダ3の
温度とほぼ等しくなるものと考えられていた。この従来
の考え方は、試料4が熱良導体である場合にはその通り
であった。に設けられて、このブロック材で囲まれる内
部空間を覆うX線透過用の薄板とからなることを特徴と
している。
【0013】請求項3記載の発明は、前記均熱ブロック
のブロック材の開放端がX線の光軸方向に沿って中心角
180゜ないし190゜の円弧状に形成されていること
を特徴としている。
【0014】請求項4記載の発明は、前記冷却部がファ
ーストステージとこのファーストステージの先端部に設
けられたセカンドステージの2段の冷却部からなり、前
記試料ホルダをセカンドステージの先端部に形成された
第2の冷却部位に固定する一方、前記ファーストステー
ジの先端に形成された第1の冷却部位には、前記セカン
ドステージと試料ホルダを覆う遮蔽体を固定し、この遮
蔽体に前記X線を透過させる遮蔽体透過窓を形成したこ
とを特徴としている。
【0015】
【作用】この発明によれば、試料ホルダに試料の外周を
覆う均熱ブロックを設けたことにより、冷却部位や試料
ホルダと試料表面部との間の温度差を極めて小さくする
ことが可能になった。これは、試料の外周が均熱ブロッ
クで覆われたことにより、試料表面部と均熱ブロックと
の間に温度差が生じた場合に、近接する両者の間で主と
して熱輻射による熱交換が行なわれ、その熱交換の量
が、外部熱輻射線で外部から試料表面に供給される熱を
十分に吸収できる程度を越えるものであるためであると
考えられる。すなわち、外部熱輻射線で外部から試料表
面に供給される熱は極めて僅かであるが、従来は、この
わずかな熱によって無視できない温度差が生じていたも
のであるが、このわずかな熱は、近接して試料を覆うよ
うに設けられた均熱ブロックとの間での熱輻射による熱
交換によって十分に吸収できるためであると考えられ
る。その結果、例えば、温度センサを冷却部位や試料ホ
ルダに設けても試料温度とほぼ同じ温度を検出すること
が可能になった。
【0016】請求項2では、均熱ブロックを、X線源か
ら照射されるX線の光軸方向に沿って試料の両側に形成
された2つのブロック材と、このブロック材の開放端側
に設けられてこのブロック材で囲まれる内部空間を覆う
X線透過用の薄板とを備えたものにしたので、均熱ブロ
ックが試料への入射X線や回折X線の障害となることが
なく、また、均熱ブロック内がX線透過用の薄板で覆わ
れているため、外部からの熱輻射線の侵入度合いを軽減
することができ、冷却部位や試料ホルダと試料表面部と
の間の温度差をさらに小さくすることができる。
【0017】請求項3では、ブロック材の開放端がX線
の光軸方向に沿って中心角180゜ないし190゜の円
弧状に形成したもので、これにより、X線透過用の薄板
が上記ブロック材の開放端の表面に沿って円弧状に形成
されることになるので、このX線透過用の薄板に対して
X線が常時垂直に通過することになって、X線の通過厚
さがX線の入・出射角度にかかわらず常時最小厚さで一
定になる。したがって、この通過によるX線の減衰量を
最小でかつ一定にすることができ、感度低下や測定誤差
発生の防止ができる。また、試料表面に対するX線照射
角度や回折角度をほぼ0〜180度の全範囲をとること
が可能となる。
【0018】請求項4では、試料ホルダ及びセカンドス
テージが遮蔽体でシールドされるので、外部からの熱輻
射線が試料近傍に達するのを軽減でき、外部熱輻射線に
よって試料表面が加熱されるのを有効に軽減できるとと
もに、遮蔽体内部の冷却を促進することができる。
【0019】
【実施例】図1ないし図3はこの発明の一実施例を示す
ものである。これらの図において従来の図に示したもの
と同じ要素には同一符号を付して、説明を省略する。
【0020】符号21はこの実施例のX線回折試料極低
温冷却装置であり、22はこのX線回折試料極低温冷却
装置21の冷却部としてのクライオスタットである。ク
ライオスタット22は、ヘリウムガスを内部のエキスパ
ンダ(図示せず)内に導き入れる基台部23と、この基
台部23に取り付けられた冷却部のファーストステージ
24と、このファーストステージ24の先端に設けられ
たセカンドステージ25とからなり、基台部23内に設
けられたバルブデイスク(図示せず)で高圧と低圧を切
り換え、サージボリュームによる圧力変動でファースト
ステージ24とセカンドステージ25を往復動させ、こ
れによってヘリウムガスを断熱自由膨張させて、ファー
ストステージ24の先端に形成された第1の冷却部位で
ある第1のヒートステーション26とセカンドステージ
25の先端に形成された第2の冷却部位である第2のヒ
ートステーション27とを冷却して極低温を生成するよ
うにしたものである。
【0021】基台部23のフランジ23aには、ファー
ストステージ24とセカンドステージ25とを覆う気密
ケース5が取り付けられている。またファーストステー
ジ24の第1のヒートステーション26には遮蔽体とし
てのラジェーションシールド31が取り付けられ、さら
にセカンドステージ25の第2のヒートステーション2
7には試料ホルダ41が取り付けられている。そして、
試料ホルダ41には、表面に試料4が充填された試料板
11が取り付けられている。
【0022】気密ケース5は、円筒状に形成されてお
り、基台部23にフランジを介して固定された上筒5a
と、この上筒5aにフランジを介して接続された有底円
筒状の下筒5bとからなり、上筒5aには気密ケース5
内を真空にするための真空引き口5c並びに制御及び試
料温度測定用熱電対等に連絡する接続コネクタ部5dが
設けられ、下筒5bには、外部から試料4を試料ホルダ
41に着脱可能にするために開閉自在に形成されたX線
透過窓6が設けられている。
【0023】このX線透過窓6は下筒5bに形成された
開口部6aとこの開口部6aを覆う窓本体6bとからな
り、開口部6aは下筒5bの周方向に中心角190゜の
範囲で開口されている。そしてこの開口部6aに取り付
けられる窓本体6bは、開口部6aの周囲を囲んで設け
られる窓枠と、この窓枠に前記開口部6aを覆って取り
付けられる長方形状のBe製の薄板とからなっている。
窓本体6bはOリング5eを介しての下筒5bに対して
上下方向に摺動自在に取り付けられており、該窓本体6
bを開口部6aに対して上方へ摺動させることで開口部
6aが外部に対して開放され、該開口部6aを通じて試
料4を出し入れできるようになっている。
【0024】さらに下筒5bの底板部には気密ケース5
をゴニオメータ7の試料回転台8に固定するためのフラ
ンジ5fが取り付けられ、気密ケース5が試料回転台8
に固定されることで内部の試料4がX線源9から照射さ
れるX線の光軸線上に配置されると共に、試料4が回転
可能となる。
【0025】ラジェーションシールド31は、有底円筒
状の遮蔽体であり、この遮蔽体の開口端に形成されたフ
ランジ32がファーストステージ24のヒートステーシ
ョン26にネジで固定されている。ラジェーションシー
ルド31の下端部付近には、前記X線透過窓6の開口部
6aに重なる遮蔽体透過窓33が設けられ、この遮蔽体
透過窓33は、周方向に沿って中心角180゜〜190
゜の範囲で形成された開口部34aと、この開口部34
aの外側に着脱可能に取り付けられたX線透過性のアル
ミ箔やベリリウム箔等から構成される蓋体34bとから
なっている。そしてラジェーションシールド31はファ
ーストステージ24の第1のヒートステーション26で
固定端側から冷却されることで、ラジェーションシール
ド31内を所定の温度領域に維持するものである。
【0026】試料ホルダ41は、図2に示すようにフラ
ンジ部42とホルダ部43とが一体に形成され、フラン
ジ部42がセカンドステージ25の第2のヒートステー
ション27の下面に固定されることで試料4が測定位置
に保持されるものである。ホルダ部43は厚肉平板状に
形成されて、フランジ部42と直角にかつクライオスタ
ット22の中心線より外側に位置をずらして固定されて
いる。
【0027】ホルダ部43の表面側の下端には試料板1
1を係止するための係合突起44が形成され、試料板1
1がこの係合突起44に係止された状態で、試料板11
に取り付けられた試料4の表面がクライオスタット(あ
るいは試料回転台8)の中心線上に位置するように構成
されている。また、ホルダ部43の表面側には、このホ
ルダ部43に装着される試料板11の裏面に接触する温
度センサ45が取り付けられ、これによって試料4の温
度を検出するようにしている。
【0028】試料板11の表面には、図2,図3に示す
ように試料4の表面温度を試料ホルダ41側の温度と略
等しく保持するための均熱ブロック51が設けられてい
る。この均熱ブロック51は、図中、試料4を挟んで試
料板11の上下に間隙をおいて平行に配置される略半月
板状の上ブロック部52と下ブロック部53とを有し、
これらが半月形状における直線形状部の両サイドで上下
に結合されたような構成となっている。この均熱ブロッ
ク51は、上ブロック部52,下ブロック部53がX線
の光軸方向と平行になるように配置される。また、これ
ら上ブロック部52,下ブロック部53は、その半月形
状の円弧の開き角が180〜190°程度になるように
形成される。そして、均熱ブロック51は、上ブロック
部52及び下ブロック部53の円弧形状部が気密ケース
5の下筒5bの開口部6aの円筒形状の内周面に略平行
に沿うかたちになるようにして配置される。
【0029】また、上ブロック部52と下ブロック部5
3の円弧形状部には、これら円弧形状部に沿って両者を
かけわたすようにしてX線透過性のアルミ箔等からなる
薄板たる遮蔽板54が取り付けられる。すなわち、試料
4の上下の側部が上ブロック部52と下ブロック部53
で囲まれ、かつ、これら両ブロック部の間に形成される
空間が外部へ解放される曲面窓状部が遮蔽板54によっ
て覆われるようにしたものである。これによって、ま
ず、外部からの熱輻射線が試料4に達するのを遮蔽板5
4によって軽減し、同時に、試料4の表面が僅かな外部
熱輻射線によって温度上昇した場合に上ブロック部52
及び下ブロック部53との間で熱輻射による熱交換が行
われるようにしてその温度上昇を押さえることができる
ようにしたものである。
【0030】なお、上ブロック部52及び下ブロック部
53は、遮蔽板54を装着した状態で試料板11と共に
ネジ55でホルダ部43の表面に着脱可能に固定され、
これによって試料板11を試料ホルダ41に着脱可能と
している。また、上ブロック部52は、下ブロック部5
3より厚肉に形成され、厚肉部の上端部56を試料板1
1の上側面に沿わせてホルダ部43の表面まで延ばして
試料板11の表面との間に段部を形成することで、試料
板11をこの段部と上記試料ホルダ41の係止部44と
の間に挾みこむようにして試料板11の縦方向の位置決
めを行うと同時に均熱ブロック51の縦方向の位置決め
が行なえるようになっている。さらに、図3に示される
ように、上ブロック部52と下ブロック部53とをこれ
らの両側部で結合する結合部に、ホルダ部43の両側部
と係合する段部を設けて均熱ブロック51の横方向の位
置決めが行なえるようになっている。
【0031】セカンドステージ25の下端部にはヒータ
13が巻き付けてあり、このヒータ13やヒートステー
ション27の上面に取り付けられたサーモスタット57
等によって、試料ホルダ41に取付られた試料4の温度
を10Kから室温まで温度調整をすることができるよう
になっている。
【0032】上述の実施例によれば、試料4の表面部の
温度と均熱ブロック51や試料ホルダ41等の温度との
間の温度差を無視できる程度に小さくすることが可能に
なった。これにより、通常の測定の場合に、温度センサ
45の温度をそのまま試料温度としても誤差がほとんど
無視できる程度になった。それゆえ、試料の極低温にお
けるX線分析を十分な測定の自由度を確保しつつ迅速に
かつ正確に行うことができるようになった。
【0033】これは、上記実施例では、均熱ブロック5
1の上下の均熱ブロック部52,53が試料を挟んでX
線の光軸方向と平行に配置されるようにすると共に、均
熱ブロック部52,53の開放端が周方向へ中心角18
0゜ないし190゜の円弧状に形成されるようにするこ
とによって、試料4の表面部との間で熱交換を行なう均
熱ブロックの表面を試料にできるだけ近接させつつその
表面積をできるだけ広くとれるようにして、試料4の表
面部と均熱ブロックとの間で十分な熱交換が行なわれる
ようにし、同時に測定の自由度を確保し、さらに、試料
4の近傍をX線透過性の遮蔽板54と蓋体34bとによ
って2重に遮蔽することによって、外部輻射線が試料近
傍に達するのを著しく軽減するようにしているためであ
る。
【0034】なお、上記実施例におけるラジェーション
シールド31の内部空間、及び、均熱ブロック51の内
部空間は、気密ケース5の内部空間と連通させて真空状
態としてもよく、あるいは、ラジェーションシールド3
1の遮蔽体開口部34aを遮蔽するアルミ箔やベリリウ
ム箔等のX線透過性薄板の蓋体34bで外部から密封し
たり、均熱ブロック51の内部空間をアルミ箔やベリリ
ウム箔等のX線透過性薄板の遮蔽板54で外部から密封
したりして、これらラジェーションシールド31や均熱
ブロック51の内部空間に熱伝導の良好なヘリウムガス
を充填することで空間内の温度分布を良好に保持できる
ようにしてもよい。ヘリュウムガスを前記空間部内へ供
給する方法としては、これらの空間部内へパイプを接続
し、このパイプを介して供給するようにしてもよく、あ
るいは試料を装置の外部へ取り出した際に、空間部内へ
供給するようにしてもよい。
【0035】また上記実施例ではこの発明の装置を試料
縦型としたが、これを試料横型や試料水平型とすること
ができるのは勿論である。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、試料ホルダに試料の外周を覆う均熱ブロックを設け
たことにより、冷却部位や試料ホルダと試料表面部との
間の温度差を極めて小さくすることが可能になった。そ
の結果、例えば、温度センサを冷却部位や試料ホルダに
設けても試料温度とほぼ同じ温度を検出することが可能
になった。
【0037】また、この発明において、均熱ブロック
を、X線源から照射されるX線の光軸方向に沿って試料
の両側に形成された2つのブロック材と、このブロック
材の開放端側に設けられてこのブロック材で囲まれる内
部空間を覆うX線透過用の薄板とを備えたものにする
と、均熱ブロックが試料への入射X線や回折X線の障害
となることがなく、また、均熱ブロック内がX線透過用
の薄板で覆われているため、外部からの熱輻射線の侵入
度合いを軽減することができ、冷却部位や試料ホルダと
試料表面部との間の温度差をさらに小さくすることが可
能になる。
【0038】さらに、ブロック材の開放端がX線の光軸
方向に沿って中心角180゜ないし190゜の円弧状に
なるように形成すると、X線透過用の薄板が上記ブロッ
ク材の開放端の表面に沿って円弧状に形成されることに
なるので、このX線透過用の薄板に対してX線が常時垂
直に通過することになって、X線の通過厚さがX線の入
・出射角度にかかわらず常時最小厚さで一定になるよう
にできる。したがって、この通過によるX線の減衰量を
最小でかつ一定にすることができ、感度低下や測定誤差
発生の防止が可能になる。また、試料表面に対するX線
照射角度や回折角度としてほぼ0〜180度の全範囲を
とることが可能になる。
【0039】また、試料ホルダ及びセカンドステージを
遮蔽体でシールドするようにすれば、外部からの熱輻射
線が試料近傍に達するのを軽減でき、外部熱輻射線によ
って試料表面が加熱されるのを有効に軽減できるととも
に、遮蔽体内部の冷却を促進することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のX線回折試料極低温冷却
装置の要部の正面断面図である。
【図2】図1の均熱ブロック付近の拡大断面図である。
【図3】図1の均熱ブロック付近の斜視図である。
【図4】従来のX線回折試料極低温冷却装置の全体の概
要を説明するための説明図である。
【図5】図4の試料ホルダの付近の拡大正面図である。
【図6】図4の試料ホルダ付近の拡大側面図である。
【符号の説明】
4…試料、5…気密ケース、6…X線透過窓、9…X線
源、10…X線計数装置、21…X線回折試料極低温冷
却装置、22…冷却部、24…ファーストステージ(冷
却部)、25…セカンドステージ(冷却部)、26…第
1のヒートステーション(第1の冷却部位)、27…第
2のヒートステーション(第2の冷却部位)、31…ラ
ジェーションシールド(遮蔽体)、33…遮蔽体透過
窓、41…試料ホルダ、45…温度センサ、51…均熱
ブロック、52…上ブロック部、53…下ブロック部、
54…遮蔽体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 博 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 秋葉 悦男 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 野口 学 石川県加賀市宮町力1ー1 株式会社マッ ク・サイエンス内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に試料を配置する気密ケースと、こ
    の気密ケースの内部に設けられて前記試料を所定の温度
    に冷却する冷却部と、この冷却部に固定されて前記試料
    を前記気密ケース内の測定位置に保持する試料ホルダと
    を有し、前記気密ケースの外側に設けたX線源からこの
    気密ケースのX線透過窓を介してX線を照射すると共
    に、前記試料からの回折X線を前記X線透過窓を介して
    X線検出器で検出するようにしたX線回折試料極低温冷
    却装置であって、前記試料ホルダに前記試料の外周を覆
    う均熱ブロックを設けたことを特徴とするX線回折試料
    極低温冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記均熱ブロックが、前記X線源から照
    射されるX線の光軸方向に沿って前記試料の両側に形成
    されたブロック材と、このブロック材の開放端側に設け
    られてこのブロック材で囲まれる内部空間を覆うX線透
    過用の薄板とを備えたことを特徴とする請求項1記載の
    X線回折試料極低温冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記均熱ブロックのブロック材の開放端
    がX線の光軸方向に沿って中心角180゜ないし190
    ゜の円弧状に形成されていることを特徴とする請求項2
    記載のX線回折試料極低温冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却部がファーストステージとこの
    ファーストステージの先端部に設けられたセカンドステ
    ージの2段の冷却部を有し、前記試料ホルダをセカンド
    ステージの先端部に形成された第2の冷却部位に固定す
    る一方、前記ファーストステージの先端に形成された第
    1の冷却部位には、前記セカンドステージと試料ホルダ
    を覆う遮蔽体を固定し、この遮蔽体に前記X線を透過さ
    せる遮蔽体透過窓を形成したことを特徴とする請求項
    1、2、叉は3のいずれかに記載のX線回折試料極低温
    冷却装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008175820A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Panalytical Bv X線散乱用のx線回折機器
CN108152167A (zh) * 2018-01-19 2018-06-12 中国科学技术大学 低温伸展流变仪及高分子薄膜低温性能测试的方法
KR20190119923A (ko) * 2018-04-13 2019-10-23 성우인스트루먼츠 주식회사 외측 샘플 장착을 위한 1k용 서브 쿨러를 이용한 크라이오스탯

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