JPH06109665A - X線分析装置 - Google Patents

X線分析装置

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JPH06109665A
JPH06109665A JP4259611A JP25961192A JPH06109665A JP H06109665 A JPH06109665 A JP H06109665A JP 4259611 A JP4259611 A JP 4259611A JP 25961192 A JP25961192 A JP 25961192A JP H06109665 A JPH06109665 A JP H06109665A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線分析装置の気密ケース内における試料の
設置状態が試料設置基準位置から位置ずれしているか否
かを、気密ケースを閉じた状態で確認可能にすること。 【構成】 測定雰囲気下では、X線回折測定の対象とな
る試料1の周囲が気密ケース8で覆われた状態となるX
線分析装置において、所定の測定雰囲気下での前記試料
1とX線回折測定のための試料設置基準位置Sとの実際
の位置関係を確認するために、前記気密ケース8内を所
定の測定雰囲気にした状態で前記気密ケース8内の試料
設置基準位置Sに向けて拡散X線を発射して前記気密ケ
ース8内の試料1の透過X線像を撮影する透過X線像撮
影手段14を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば試料低温装置や
試料高温装置などのように、試料の周囲を気密ケースで
覆った状態で試料のX線回折測定を行うX線分析装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料を一定の低温に保ちながら、あるい
は一定の温度勾配で試料温度を低下させながら試料の回
折線を測定するX線分析装置として、試料低温装置が知
られている。
【0003】この試料低温装置は、通常、X線回折測定
する試料を保持する試料ホルダーと、該試料ホルダーに
保持された試料を入射X線ビームの進路上となる試料設
置基準位置に位置決めするためのゴニオメータ等の試料
位置調整装置と、前記試料の周囲を所定の真空雰囲気に
保つために試料の周囲を覆う気密ケースと、気密ケース
に覆われた試料の周囲を真空雰囲気にするための真空引
き手段と、試料の温度を制御するための冷却手段と、こ
の気密ケースの一部に設けられたX線照射窓の外側から
気密ケース内の試料設置基準位置に入射X線ビームを当
てるX線発生装置と、前記入射X線ビームの照射によっ
て得られる試料のX線画像を検出するための2次元X線
検出器と、この2次元X線検出器の検出したX線画像を
読み取る画像読取装置とを備えた構成とされている。
【0004】なお、前記気密ケースは、前記試料位置調
整装置の試料ホルダー載置部を視認しながら試料を確実
に試料設置基準位置にセットし得るように、着脱可能
(または一部が開閉可能)な構成とされている。
【0005】このような試料低温装置で測定を行う場合
には、まず、気密ケースを開いた状態で、試料を試料ホ
ルダーを介して試料位置調整装置の試料ホルダー載置部
にセットする。次いで、視認しながら、前記試料位置調
整装置によって試料位置を調整して、試料を入射X線ビ
ームの進路上となる試料設置基準位置に位置決めする。
【0006】試料の位置決めが終了したら、気密ケース
を閉じた状態にして、試料の周囲を気密状態にする。次
いで、前記真空引き手段を作動させて気密ケース内を所
定の真空雰囲気に設定するとともに、前記冷却手段を作
動させて試料を測定温度まで冷却して、測定を開始す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記試料低
温装置の場合、予め試料を正確に試料設置基準位置に位
置決めしたとしても、その後の真空引き処理によって試
料の位置がずれることがある。
【0008】しかし、前記気密ケースは、X線照射窓の
部分にはX線の吸収係数が小さく高真空にも耐え得るB
e板やAl蒸着のマイラー箔などが使用され、それ以外
の部分にはX線の遮蔽効果の高い金属材料等が使用され
ており、気密ケースを被せた状態では、気密ケース内の
試料の設置状態は視認できず、また、従来の場合では、
確認する手段もない。
【0009】そのため、真空引き処理によって試料の位
置がずれても、それに気がつかずに測定処理を開始して
しまう虞があった。そして、このような不都合の発生
は、試料の周囲を気密ケースで覆った状態で測定を行う
点で共通する試料高温装置の場合でも報告されており、
今後の解決すべき課題とされていた。
【0010】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、試料の周囲が気密ケースによって覆われる試料低温
装置や試料高温装置等のX線分析装置であって、気密ケ
ース内における試料の設置状態が試料設置基準位置から
位置ずれしているか否かを、気密ケースを閉じた状態で
確認することができ、したがって、位置ずれが生じたま
まの状態で測定が開始されるといった不都合の発生を防
止して、能率よく測定処理を進行させることのできるX
線分析装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のX線分
析装置は、試料を入射X線ビームの進路上となる試料設
置基準位置に位置決めするための試料位置調整装置と、
前記試料の周囲を所定の測定雰囲気に保つために試料の
周囲を覆う気密ケースと、この気密ケースの一部に設け
られたX線照射窓の外側から気密ケース内の試料設置基
準位置に入射X線ビームを当てるX線発生装置と、前記
入射X線ビームの照射によって得られる試料のX線画像
を検出するための2次元X線検出器と、この2次元X線
検出器の検出したX線画像を読み取る画像読取装置とを
備えて、前記試料の周囲を気密ケースで覆った状態でX
線回折測定等を行う。
【0012】ただし、課題解決の手段として、前記気密
ケース内を所定の測定雰囲気にした状態での試料と前記
試料設置基準位置との実際の位置関係を確認するため
に、前記気密ケース内を所定の測定雰囲気にした状態で
前記気密ケース内の試料設置基準位置に向けて拡散X線
を発射して前記気密ケース内の試料の透過X線像を撮影
する透過X線像撮影手段を備える。
【0013】請求項2に記載のX線分析装置は、請求項
1に記載のX線分析装置を応用したもので、前記X線発
生装置が、拡散X線を発射するX線源と、このX線源か
ら発射された拡散X線を所定のビーム径の入射X線ビー
ムに成形するコリメート手段とを備えた構成である場合
のものである。
【0014】前記透過X線像撮影手段が、前記X線発生
装置と前記試料設置基準位置との間において前記入射X
線ビームの進路に対して進退可能に装備されて、前記入
射X線ビームの進路上に介在することによって入射X線
ビームを透過X線像撮影用の拡散X線に変換するX線変
換薄膜を備えた構成であることを特徴としている。
【0015】請求項3に記載のX線分析装置は、請求項
1に記載のX線分析装置を応用したもので、前記X線発
生装置が、拡散X線を発射するX線源と、このX線源か
ら発射された拡散X線を所定のビーム径の入射X線ビー
ムに成形するコリメート手段とを備えた構成である場合
のものである。
【0016】前記透過X線像撮影手段が、前記X線源か
らの拡散X線の進路から前記コリメート手段を退避させ
て前記X線源の発生する拡散X線を透過X線像撮影用の
拡散X線に変換するX線変換手段を備えた構成であるこ
とを特徴としている。
【0017】請求項4に記載のX線分析装置は、前述の
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のX線分析装置
をさらに応用したもので、前記試料に透過X線像撮影用
の拡散X線が照射される場合に、試料の透過X線像を前
記2次元X線検出器によって検出することを特徴として
いる。
【0018】請求項5に記載のX線分析装置は、前記請
求項1乃至請求項4のいずれかに記載のX線分析装置を
さらに応用したもので、前記透過X線像撮影手段によっ
て撮影された試料の透過X線像を前記試料設置基準位置
と対比させて表示する画像表示手段が装備されたことを
特徴としている。
【0019】
【作用】請求項1に記載のX線分析装置では、気密ケー
ス内における試料の設置状態が試料設置基準位置から位
置ずれしているか否かを、透過X線像撮影手段によって
試料の透過X線像を撮影することによって、試料の周囲
を気密ケースで覆った状態のままで確認することができ
る。
【0020】したがって、位置ずれが生じたままの状態
で測定が開始されるといった不都合の発生を防止して、
能率よく測定処理を進行させることができる。
【0021】また、請求項2および請求項3に記載のX
線分析装置では、回折測定用に装備されているX線源1
1aが透過X線像の撮影にも利用されるため、透過X線
像撮影手段として新規に装備しなくてはならない部品が
少なくて済み、透過X線像撮影手段の装備による装置コ
ストの増加を抑えることもできる。
【0022】さらに、請求項4に記載のX線発生装置
は、回折測定用に装備されている2次元X線検出器12
が透過X線像の撮影にも利用されるため、請求項2ある
いは請求項3との組み合わせによって、透過X線像撮影
手段の装備による装置コスト増加を抑制する効果を一段
と高めることが可能になる。
【0023】また、請求項5に記載のX線分析装置によ
れば、試料の位置ずれの確認が非常に容易になる。
【0024】
【実施例】図1は、本発明に係るX線分析装置の一実施
例としての試料低温装置を示したものである。
【0025】この試料低温装置は、単結晶の試料1を低
温環境化でX線回折するためのもので、前記試料1を保
持する試料ホルダー2と、この試料ホルダー2に保持さ
れた試料1を入射X線ビーム3の進路上となる試料設置
基準位置(図中の黒点の位置)Sに位置決めするための
試料位置調整装置4と、前記試料1の温度を所定の温度
(低温)に制御するための冷却手段5と、前記試料ホル
ダー2の周囲を囲って冷却効果を高めるラジエーション
シールド6と、このラジエーションシールド6の周囲を
囲う内部ケース7と、前記試料1の周囲を所定の真空雰
囲気に保つために前記内部ケース7の周囲を覆った気密
ケース8と、この気密ケース8内の試料1の周囲を真空
雰囲気にするための真空引き手段9と、前記気密ケース
8の一部に設けられたX線照射窓10の外側から気密ケ
ース8内の前記試料設置基準位置Sに入射X線ビーム3
を当てるX線発生装置11と、前記入射X線ビーム3の
照射によって得られる試料1のX線画像(回折像)を検
出するための2次元X線検出器12と、この2次元X線
検出器12の検出したX線画像を読み取る画像読取装置
13と、前記気密ケース8内の試料1の透過X線像を撮
影する透過X線像撮影手段14と、前記画像読取装置1
3の読み取ったX線画像を表示する画像表示手段15と
を備えた構成とされている。
【0026】前記試料ホルダー2,冷却手段5,ラジエ
ーションシールド6,内部ケース7,気密ケース8など
は、いずれも、水平な中心軸線16に対して同心円状に
組み付けられている。
【0027】前記試料ホルダー2は、前記中心軸線16
上に試料1を保持するためのもので、前記冷却手段5の
先端(図においては、右端)に螺着された金属製の伝熱
棒部2aと、この伝熱棒部2aの先端に固設されたガラ
ス製の支持棒部2bとからなる。前記伝熱棒部2aおよ
び支持棒部2bは、いずれも前記中心軸線16上に延在
し、支持棒部2bの先端に前記試料1が装着されてい
る。
【0028】前記試料設置基準位置Sは、前記中心軸線
16上における入射X線ビーム3の通過位置である。こ
の試料設置基準位置Sは、中心軸線16の位置およびX
線発生装置11のセッティングによって決定する定位置
である。
【0029】前記試料位置調整装置4は、この一実施例
の場合は、前記冷却手段5を介して試料ホルダー2を支
持しており、また、気密ケース8の支持も兼ねている。
この試料位置調整装置4は、図中に矢印(イ)で示すよ
うに前記中心軸線16を回転軸として前記冷却手段5お
よび気密ケース8を回転させる回転機能と、矢印(ロ)
で示すように中心軸線16に沿って冷却手段5および気
密ケース8を進退移動させる進退機能とを具備したもの
で、これらの回転機能と進退機能とによる移動操作を組
み合わせることによって、試料ホルダー2の先端に位置
している試料1を試料設置基準位置Sに位置決めする。
【0030】前記冷却手段5は、クライオポンプを流用
した冷却機5aと、この冷却機5aに連なる冷熱伝導部
材5bとから構成されている。前記冷却機5aおよび冷
熱伝導部材5bはいずれも前記中心軸線16上に延在し
ており、冷却機5aは前記試料位置調整装置4に固定さ
れ、冷熱伝導部材5bの先端部に前記試料ホルダー2が
螺着されている。前記冷熱伝導部材5bは、熱伝導性の
よい金属材料で形成されたもので、前記冷却機5aの発
生した冷熱を伝導して試料ホルダー2を冷却する。
【0031】なお、この冷熱伝導部材5bには、図示は
していないが、冷却温度をコントロールするためのヒー
タが装着されている。
【0032】前記ラジエーションシールド6は、冷熱の
逃げを防止するためのもので、基端部が前記冷熱伝導部
材5bの先端部に着脱可能に取り付けられた円筒状の第
1のシールド本体6aと、このシールド本体6aの先端
に連なる円筒状の窓部材6bと、この窓部材6bの先端
の開口部を覆う有底円筒状の第2のシールド本体6cと
で構成されたもので、全体としては、前記中心軸線16
を中心軸とする一つの有底円筒状を呈している。前述の
第1および第2のシールド本体6a,6c間の間隔は、
X線を通過させるための開口部6dを提供している。ま
た、前記窓部材6bは、前記開口部6dを覆うもので、
X線の透過性に優れたカプトン等の材料で形成されてい
る。また、前記第1のシールド本体6aには、ラジエー
ションシールド6の内外を連通させる小径の開口6eが
設けられている。
【0033】前記内部ケース7は、冷熱の拡散防止を補
助するもので、前記ラジエーションシールド6および冷
熱伝導部材5bの周囲を覆う有底円筒状を呈しており、
前記冷却機5aの端部に着脱可能に取り付けられてい
る。この内部ケース7は、その円筒の中心軸を前記中心
軸線16に一致させており、また、周壁には、X線を通
過させるための開口部7aが設けてある。
【0034】前記気密ケース8は、X線が照射させる試
料1の周囲を数mmHg以下の高真空状態に維持するた
めのもので、基端が前記試料位置調整装置4に固定され
た円筒状の支持枠8aと、この支持枠8aの先端にねじ
によって着脱可能に取り付けられた円筒状の第1筒部8
bと、この第1筒部8bの先端に連なる円筒状の窓部材
8cと、この窓部材8cの先端に連なる有底円筒状の第
2筒部8dとで構成されたもので、全体としては、中心
軸線16を中心軸とする有底円筒状を呈している。
【0035】前記支持枠8aは、前記真空引き手段9の
取り付け部ともなっている。また、前記第1筒部8bと
第2筒部8dとの間の間隔は、前記試料1にX線を照射
するための開口部であるX線照射窓8eを提供してい
る。また、前記窓部材8cは、前記X線照射窓8eとし
ての開口部を気密に覆うもので、X線の吸収が小さいB
e板等の材料で形成されている。
【0036】前記X線発生装置11は、回折測定用に高
エネルギーの拡散X線17を発射するX線源11aと、
このX線源11aから発射された拡散X線17を所定の
ビーム径の入射X線ビーム3に成形するコリメート手段
11bとを備えた構成とされている。
【0037】前記2次元X線検出器12は、この一実施
例の場合は、いわゆるイメージングプレートと呼ばれて
いるもので、放射線を吸収・蓄積するとともにその後に
励起光が照射されると蓄積した前記放射線の強弱に応じ
て輝尽発光する蛍光体層を有して前記蛍光体層によって
放射線画像を二次元状(面状)に記録する放射線画像記
録板である。この一実施例の場合は、2次元X線検出器
12は、前記中心軸線16を中心軸に持つ円筒面に形成
されている。また、後述する透過X線像撮影手段14に
よる透過X線像の撮影にも利用ができるように、大きさ
等が設定されている。
【0038】前記画像読取装置13は、図示はしていな
いが、前記2次元X線検出器12の画像記録面(蛍光体
層)に照射する励起光(例えば、半導体レーザなど)を
発生するレーザ光源、励起光の照射による発光を検出す
る発光検出器、励起光の照射位置を移動させるための機
構等を備えたもので、前記2次元X線検出器12の画像
記録面を励起光で走査して、この励起光の照射位置に生
ずる発光を検出して、発光強度に応じた電気信号に変換
して出力する。この画像読取装置13の出力する信号
は、画像情報として制御処理部18で所定の処理がなさ
れて、前記2次元X線検出器12に記録された2次元画
像として画像表示手段15に表示され、また、必要に応
じて、外部記憶装置19に保存される。
【0039】前記画像表示手段15は、CRTを使った
ディスプレイである。前記画像読取装置13、制御処理
部18は、前記透過X線像撮影手段14によって撮影し
た透過X線像の読み出し・表示も行う。
【0040】前記透過X線像撮影手段14は、前記気密
ケース7内を所定の測定雰囲気(低温で、高真空の雰囲
気)にした状態での試料1と前記試料設置基準位置Sと
の実際の位置関係を確認するために、前記気密ケース7
内を所定の測定雰囲気にした状態で前記気密ケース7内
の試料設置基準位置Sに向けて低エネルギーの拡散X線
を発射して、前記気密ケース7内の試料1の透過X線像
を撮影するものである。
【0041】具体的には、この一実施例の場合は、透過
X線像撮影手段14は、X線変換薄膜20と、前記2次
元X線検出器12と、前記画像読取装置13と、制御処
理部18と、画像表示手段15などから構成される。
【0042】前記X線変換薄膜20は、前記X線発生装
置11と前記試料設置基準位置Sとの間において前記入
射X線ビーム3の進路に対して進退可能に装備されて、
前記入射X線ビーム3の進路上に介在することによって
入射X線ビームを透過X線像撮影用の拡散X線に変換す
る。
【0043】この一実施例の場合、X線変換薄膜20
は、鉄箔あるいはアクリル板を用いたもので、X線発生
装置11の出力した高エネルギーの入射X線ビーム3
を、拡散する低エネルギーの蛍光X線に変換する。ま
た、X線変換薄膜20は、図示のように、窓部材8cの
外面に接近した位置に回動可能に装備されており、回動
によって、入射X線ビーム3の進路に対する進退を実現
している。
【0044】図2は、前記X線変換薄膜20が入射X線
ビーム3の進路に進出した状態の時に、前記X線変換薄
膜20によって形成される低エネルギーの拡散X線21
によって透過X線像ができる様子を示している。
【0045】前記2次元X線検出器12は、この一実施
例では、通常の入射X線ビーム3による回折X線の測定
と前記拡散X線21による透過X線の測定とに兼用でき
るように、予め寸法等を設定したものである。しかし、
X線回折像の記録位置と、透過X線像の記録位置とが大
きくことなる場合には、適宜移動機構によって、それぞ
れの測定に応じて2次元X線検出器12を移動させるこ
とも考えられる。
【0046】前記画像読取装置13は、X線回折像の読
み出し時と同様に、透過X線像の読み出しも行う。
【0047】入射X線ビーム3の入射方向が決まってい
るため、透過X線像の撮影時における試料設置基準位置
Sの2次元X線検出器12上への投影位置は、一意に定
まる。前記制御処理部18には、この試料設置基準位置
Sの2次元X線検出器12上への投影位置の情報が予め
入力されており、前記透過X線像の読み出し時には、前
記画像読取装置13の読み出した画像情報とともに試料
設置基準位置Sの投影位置を示すデータが制御処理部1
8から画像表示手段15に送られる。
【0048】前記画像表示手段15は、制御処理部18
からの情報に基づいて、試料の透過X線像を前記試料設
置基準位置Sと対比させて表示する。
【0049】以上のX線分析装置で測定を行う場合に
は、まず、気密ケース8、内部ケース7、ラジエーショ
ンシールド6を取り外して、前記試料ホルダー2を露呈
した状態にして、試料ホルダー2に試料1をセットす
る。そして、オペレータが視認しながら前記試料位置調
整装置4を操作して、試料1を試料設置基準位置Sに位
置決めする。
【0050】そして、試料の位置決めが終了したら、ラ
ジエーションシールド6,内部ケース7,気密ケース8
を取り付けた状態に戻し、試料1の周囲を気密状態にす
る。次いで、前記真空引き手段を作動させて気密ケース
内を高真空状態に設定するとともに、前記冷却手段を作
動させて試料を測定温度まで冷却して、所定の測定雰囲
気に保つ。
【0051】そして、測定を開始する前には、前記透過
X線像撮影手段14を動作させて、気密ケース8,内部
ケース7,ラジエーションシールド6等で覆われている
試料1の透過X線像を撮影し、撮影した透過X線像を画
像読取装置13によって読み出して画像表示手段15で
確認する。
【0052】前述の真空引き手段9による真空引き処理
等で、試料1が試料設置基準位置Sから位置ずれした場
合には、画像表示手段15による透過X線像の表示で、
それを検知することができる。
【0053】試料1の位置が試料設置基準位置Sからず
れていることが確認された場合には、気密ケース8等は
取り付けた状態のままで、前記試料位置調整装置4を再
度操作して、試料1の位置の修正を行う。透過X線像の
観察に基づいて気密ケース8内部の試料1の位置を修正
した場合には、修正処理後に再度透過X線像撮影手段1
4による透過X線像の撮影を繰り返して、試料1の位置
が試料設置基準位置S上に修正されたことを確認する。
【0054】そして、試料1が試料設置基準位置S上に
位置していることを確認したら、回折線の測定を開始す
る。
【0055】以上に説明したように、一実施例のX線分
析装置では、気密ケース8内における試料1の設置状態
が試料設置基準位置Sから位置ずれしているか否かを、
透過X線像撮影手段14によって試料1の透過X線像を
撮影することによって、気密ケース8を閉じた状態のま
まで確認することができる。
【0056】したがって、位置ずれが生じたままの状態
で測定が開始されるといった不都合の発生を防止して、
能率よく測定処理を進行させることができる。
【0057】また、一実施例の場合は、回折測定用に装
備されているX線源11aや2次元X線検出器12や画
像読取装置13を、透過X線像の撮影にも利用する構成
としたため、透過X線像撮影手段14として新規に装備
しなくてはならない部品が少なくて済み、透過X線像撮
影手段14の装備による装置コストの増加を抑えること
もできる。
【0058】なお、前記一実施例では、透過X線像を撮
影するための低エネルギーの拡散X線を、X線変換薄膜
20によって得ることとした。しかし、X線変換薄膜2
0を使用せずに、例えば、前記X線発生装置11におけ
るコリメート手段11bをX線源11aの出力する拡散
X線17の進路から退避可能に構成しておいて、前記X
線源11aからの拡散X線の進路から前記コリメート手
段11bを退避させるとともに、前記X線源11aに印
加する電圧を下げることによって低エネルギーの拡散X
線を得ることも考えられる。
【0059】また、前記一実施例では、X線源11aや
2次元X線検出器12や画像読取装置13等はいずれ
も、回折測定用に用意されているものを利用することと
している。しかし、これらを、透過X線像用に別個に用
意しておくようにしてもよい。
【0060】また、前記一実施例では、2次元X線検出
器12として、イメージングプレートを利用した。しか
し、2次元X線検出器12としては、2次元PSPC
(position sensitive proportional counter)を利用
することとしてもよい。
【0061】また、前記一実施例は、X線分析装置とし
て、試料低温装置を示したが、本発明は、試料低温装置
に限らず、試料高温装置等でも利用することができる。
【0062】
【発明の効果】請求項1に記載のX線分析装置では、気
密ケース内における試料の設置状態が試料設置基準位置
から位置ずれしているか否かを、透過X線像撮影手段に
よって試料の透過X線像を撮影することによって、試料
の周囲を気密ケースで覆った状態のままで確認すること
ができる。
【0063】したがって、位置ずれが生じたままの状態
で測定が開始されるといった不都合の発生を防止して、
能率よく測定処理を進行させることができる。
【0064】また、請求項2および請求項3に記載のX
線分析装置では、回折測定用に装備されているX線源1
1aが透過X線像の撮影にも利用されるため、透過X線
像撮影手段として新規に装備しなくてはならない部品が
少なくて済み、透過X線像撮影手段の装備による装置コ
ストの増加を抑えることもできる。
【0065】さらに、請求項4に記載のX線発生装置
は、回折測定用に装備されている2次元X線検出器12
が透過X線像の撮影にも利用されるため、請求項2ある
いは請求項3との組み合わせによって、透過X線像撮影
手段の装備による装置コスト増加を抑制する効果を一段
と高めることが可能になる。
【0066】また、請求項5に記載のX線分析装置によ
れば、試料の位置ずれの確認が非常に容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成図である。
【図2】本発明の一実施例の作用説明図である。
【符号の説明】
1 試料 2 試料ホルダー 3 入射X線ビーム 4 試料位置調整装置 8 気密ケース 9 真空引き手段 10 X線照射窓 11 X線発生装置 11a X線源 11b コリメート手段 12 2次元X線検出器 13 画像読取装置 14 透過X線像撮影手段 15 画像表示手段 16 中心軸線 17 拡散X線 18 制御処理部 20 X線変換薄膜 21 拡散X線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料を入射X線ビームの進路上となる試
    料設置基準位置に位置決めするための試料位置調整装置
    と、前記試料の周囲を所定の測定雰囲気に保つために試
    料の周囲を覆う気密ケースと、この気密ケースの一部に
    設けられたX線照射窓の外側から気密ケース内の試料設
    置基準位置に入射X線ビームを当てるX線発生装置と、
    前記入射X線ビームの照射によって得られる試料のX線
    画像を検出するための2次元X線検出器と、この2次元
    X線検出器の検出したX線画像を読み取る画像読取装置
    とを備えて、前記試料の周囲を気密ケースで覆った状態
    でX線回折測定等を行うX線分析装置であって、 前記気密ケース内を所定の測定雰囲気にした状態での試
    料と前記試料設置基準位置との実際の位置関係を確認す
    るために、前記気密ケース内を所定の測定雰囲気にした
    状態で前記気密ケース内の試料設置基準位置に向けて拡
    散X線を発射して前記気密ケース内の試料の透過X線像
    を撮影する透過X線像撮影手段を備えたことを特徴とす
    るX線分析装置。
  2. 【請求項2】 前記X線発生装置が、拡散X線を発射す
    るX線源と、このX線源から発射された拡散X線を所定
    のビーム径の入射X線ビームに成形するコリメート手段
    とを備えた構成である場合に、 前記透過X線像撮影手段は、 前記X線発生装置と前記試料設置基準位置との間におい
    て前記入射X線ビームの進路に対して進退可能に装備さ
    れて、前記入射X線ビームの進路上に介在することによ
    って入射X線ビームを透過X線像撮影用の拡散X線に変
    換するX線変換薄膜を備えた構成であることを特徴とし
    た請求項1に記載のX線分析装置。
  3. 【請求項3】 前記X線発生装置が、拡散X線を発射す
    るX線源と、このX線源から発射された拡散X線を所定
    のビーム径の入射X線ビームに成形するコリメート手段
    とを備えた構成である場合に、 前記透過X線像撮影手段は、 前記X線源からの拡散X線の進路から前記コリメート手
    段を退避させて前記X線源の発生する拡散X線を透過X
    線像撮影用の拡散X線に変換するX線変換手段を備えた
    構成であることを特徴とする請求項1に記載のX線分析
    装置。
  4. 【請求項4】 前記試料に透過X線像撮影用の拡散X線
    が照射される場合に、試料の透過X線像を前記2次元X
    線検出器によって検出することを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載のX線分析装置。
  5. 【請求項5】 前記透過X線像撮影手段によって撮影さ
    れた試料の透過X線像を前記試料設置基準位置と対比さ
    せて表示する画像表示手段が装備されたことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のX線分析装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09166528A (ja) * 1995-12-15 1997-06-24 Rigaku Corp X線装置の試料格納容器
CN113302483A (zh) * 2018-11-23 2021-08-24 株式会社理学 单晶x射线构造解析用试样的吸藏装置和吸藏方法

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