JPH08136356A - 温度検知装置及び方法並びにこれを用いた 半導体温度調節システム - Google Patents

温度検知装置及び方法並びにこれを用いた 半導体温度調節システム

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JPH08136356A
JPH08136356A JP6273291A JP27329194A JPH08136356A JP H08136356 A JPH08136356 A JP H08136356A JP 6273291 A JP6273291 A JP 6273291A JP 27329194 A JP27329194 A JP 27329194A JP H08136356 A JPH08136356 A JP H08136356A
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Keiichi Akagawa
圭一 赤川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単で安価であるという特徴を損なう
ことなく、ノイズの多い環境下においてもオフセットが
少なくかつ安定した温度検知信号を得る。 【構成】 温度検知装置21は、PNダイオード2と、
PNダイオード2に一定値の順方向電流を流す定電流源
23と、PNダイオード2の両端間の電圧を計測する電
圧計4とを備える。定電流源23によりPNダイオード
2に流される順方向電流の値を、PNダイオード2の順
方向電流電圧特性の指数関数領域と該指数関数領域をは
ずれる領域との間の境界付近の順方向電流の値以上にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PNダイオードの順方
向電流電圧特性の温度依存性を利用した温度検知装置及
び方法並びにこれを用いた半導体温度調節システムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】PNダイオードは、図5乃至図7に示す
ように、順方向電流電圧特性が温度によって大きく変化
する。例えば、シリコンダイオードでは、シリコンダイ
オードの温度が1゜C変化すると、シリコンダイオード
の両端間の電圧は約2.3mV変化する。
【0003】図5は、PNダイオードの一つであるゲル
マニウムダイオードの低電流領域の順方向電流電圧特性
の一例を示す図である。図6は、PNダイオードの一つ
であるシリコンダイオードの低電流領域の順方向電流電
圧特性の一例を示す図である。図7は、PNダイオード
の一つであるガリウムヒ素ダイオードの低電流領域の順
方向電流電圧特性の一例を示す図である。
【0004】図5乃至図7において、縦軸は順方向電流
Fを示し、横軸は順方向電圧|VF|を示し、温度をパ
ラメータとしている。なお、図5乃至図7中の破線は、
q| VF|/kTとeq|VF|/2kTに依存する関数の勾配を表し
ている。ここで、qは電子の電荷量、kはボルツマン定
数、Tは絶対温度を示す。
【0005】さらに、図8は、ゲルマニウムダイオー
ド、シリコンダイオード及びガリウムヒ素ダイオードの
25゜Cにおける高電流領域の順方向電流電圧特性の一
例を示す図である。なお、図8中の破線は、eq|VF|/kT
とeq|VF|/2kTに依存する関数の勾配を表している。
【0006】図8中、点Aはゲルマニウムダイオードの
順方向電流電圧特性の指数関数領域と該指数関数領域を
はずれる領域との境界を示し、A点より順方向電流が小
さい領域が指数関数領域となっている。また、図8中、
B点はシリコンダイオードの順方向電流電圧特性の指数
関数領域と該指数関数領域をはずれる領域との境界を示
し、C点はガリウムヒ素ダイオードの順方向電流電圧特
性の指数関数領域と該指数関数領域をはずれる領域との
境界を示している。
【0007】図8に示すように、各PNダイオードにお
いて、それぞれA点、B点及びC点より大きい順方向電
流を流すと、順方向電圧の増加に対する順方向電流の増
加の量が小さくなって指数関数領域をはずれてしまい、
順方向電流電圧特性の非線形性が弱くなる。この理由
は、PNダイオードが内部抵抗を有しているので、順方
向電流が大きくなるとその内部抵抗による電圧降下が順
方向電流電圧特性に現れてくるからである。すなわち、
理想的なPNダイオードは順方向電流電圧特性がどの電
流値でも指数関数特性を示すが、実際のPNダイオード
には必ず内部抵抗があるので、図8に示すように、ゲル
マニウムダイオードであれシリコンダイオードであれガ
リウムヒ素ダイオードであれ、高電流領域での順方向電
流電圧特性は、指数関数特性からはずれてくるのであ
る。
【0008】なお、図5乃至図8に示された特性は、マ
グロウヒル出版株式会社から発行された著者がA.S.
グローブで監訳が垂井康夫である「半導体デバイスの基
礎」と題する書籍に掲載されたものである。
【0009】従来から、以上説明したPNダイオードの
順方向電流電圧特性の温度依存性を利用した温度検知装
置が提供されている。
【0010】図9は、PNダイオードを用いた従来の温
度検知装置1を示す回路図である。この温度検知装置1
は、PNダイオード2と、該PNダイオード2に低レベ
ルの一定値の順方向電流を流す定電流源3と、PNダイ
オード2の両端の電圧を計測する電圧計4とから構成さ
れている。なお、電圧計4は、PNダイオード2又は定
電流源3の両端に接続されている。
【0011】そして、定電流源3は、前述した図5乃至
図7からわかるようにPNダイオードに低レベルの順方
向電流を流した場合十分な温度検知感度(温度変化に対
するPNダイオードの順方向電圧の変化量)が得られる
ことから、PNダイオード2の指数関数領域内の順方向
電流である低レベルの順方向電流をPNダイオード2に
流すようにされている。
【0012】この温度検知装置1を使用する際には、温
度を測定すべき被検物5に熱的に接触させる。これによ
り、電圧計4からPNダイオード2の両端の電圧の値を
示す温度検知信号が出力され、被検物5の温度が検知さ
れる。
【0013】このような温度検知装置1は、熱電対を用
いた温度検知装置に比べて構成が簡単で安価であるとい
う特徴がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、赤
外線固体撮像装置などの半導体装置は使用時に低い一定
の温度に厳密に保つ必要があるので、従来から、半導体
装置と、該半導体装置の温度を検知する温度検知装置
と、前記半導体装置の温度を調節する冷却器などの温度
調節器と、前記温度検知装置からの温度検知信号に基づ
いて前記半導体装置の温度が所定温度となるように前記
温度調節器を制御する制御器とを備えた半導体温度調節
システムが提供されている。
【0015】そして、従来の半導体温度調節システムで
は、前記温度検知装置として熱電対を用いた温度検知装
置が使用されている。
【0016】しかし、前述した図9に示すようなPNダ
イオード2を用いた温度検知装置1は前述したように熱
電対を用いた温度検知装置に比べて構成が簡単で安価で
あることから、本件発明者は、前記従来の半導体温度調
節システムにおいて、熱電対を用いた温度検知装置の代
わりに図9に示す温度検知装置1を使用してみた。すな
わち、本件発明者は、図10に示す半導体温度調節シス
テムを作成した。
【0017】図10に示す半導体温度調節システムは、
半導体装置としての赤外線固体撮像装置10と、PNダ
イオード2が赤外線固体撮像装置10に熱的に接触され
た図9に示した温度検知装置1と、赤外線固体撮像装置
10の温度を調節する温度調節器としての冷却器11
と、PNダイオード2の両端の電圧を示す電圧計4から
の温度検知信号(計測結果)16に基づいて赤外線固体
撮像装置10の温度が所定温度(77K)となるように
冷却器11を制御する制御器17とを備えている。赤外
線固体撮像装置10は、駆動・読み出し回路12から送
られる駆動信号13により動作し、画像信号14を駆動
・読み出し回路12に送り返す。冷却器11は、コール
ドヘッド15を介して赤外線固体撮像装置10を冷却す
る。なお、図10に示す半導体温度調節システムでは、
PNダイオード2としてシリコンダイオードを用いた。
【0018】この半導体温度調節システムでは、まず、
冷却器11を動作させ冷却を開始し、PNダイオード2
に定電流源3から1μAの一定直流電流を流し、制御部
17が電圧計4の出力を温度検知信号16としてモニタ
ーする。電圧計4が計測する電圧(PNダイオード2の
両端の電圧)は室温(300K)では400〜500m
Vとなるが、赤外線固体撮像装置10が77Kまで冷却
されると950〜1050mVになる。そこで、制御部
17は、冷却器11のパワーを下げて、赤外線固体撮像
装置10が77Kで一定となるように、すなわち、電圧
計4が計測する電圧が例えば1000mVで一定となる
ように、冷却器11を制御する。
【0019】次に、温度が一定になった所で、赤外線固
体撮像装置10の駆動と読み出しを行うための駆動・読
み出し回路12の電源を入れると、システムとしての動
作が開始する。
【0020】しかし、図10に示す半導体温度調節シス
テムでは、以下に説明する2つの問題点が発生した。
【0021】まず、第1の問題点は、駆動・読み出し回
路12の電源を入れ、赤外線固体撮像装置10を動作さ
せると、電圧計4が計測した電圧が900mV程度まで
低下してしまう現象が起こることである。すなわち、温
度検知信号16に100mV程度のオフセットが発生し
てしまうという問題点である。
【0022】さらに、第2の問題点は、赤外線固体撮像
装置10を動作し続けると、900mVに低下した電圧
計4が計測する電圧が時間とともに変動し不安定になる
ことである。
【0023】このように、図10に示す半導体温度調節
システムでは、温度検知信号16にオフセットが発生し
かつ不安定であり、温度検知装置1が正常に作動しなか
った。このため、赤外線固体撮像装置10を厳密に77
Kに保つことができず、システム全体として正常に動作
しなかった。すなわち、図9に示す従来の温度検知装置
1は半導体温度調節システムにおける温度検知装置とし
て用いることができなかった。
【0024】本件発明者による研究の結果、図10に示
す半導体温度調節システムにおいて温度検知装置1が正
常に作動しない原因が、赤外線固体撮像装置10が発す
る電気的なノイズ(電源やグランドを回ってくるノイズ
や空中を電磁波として飛び込んでくるノイズ等であって
PNダイオード2に乗るもの)であることが判明した。
【0025】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、PNダイオードを用いた温度検知装置がそもそも有
していた特徴である構成が簡単で安価であるという特徴
を損なうことなく、ノイズの多い環境下においてもオフ
セットが少なくかつ安定した温度検知信号を得ることが
できる、PNダイオードを用いた温度検知装置及び方法
を提供すること、並びに、これを用いた半導体温度調節
システム及び方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による温度検知装置は、PNダ
イオードと、該PNダイオードに一定値の順方向電流を
流す定電流源と、前記PNダイオードの両端間の電圧を
計測する計測手段とを備え、前記定電流源により前記P
Nダイオードに流される順方向電流の値を、前記PNダ
イオードの順方向電流電圧特性の指数関数領域と該指数
関数領域をはずれる領域との間の境界付近の順方向電流
の値以上にしたものである。
【0027】本発明の第2の態様による温度検知装置
は、前記第1の態様による温度検知装置において、前記
定電流源により前記PNダイオードに流される順方向電
流の値を、前記PNダイオードの順方向電流電圧特性の
指数関数領域と該指数関数領域をはずれる領域との間の
境界付近の順方向電流の値の10倍以下にしたものであ
る。
【0028】本発明の第3の態様による温度検知装置
は、PNダイオードと、該PNダイオードに一定値の順
方向電流を流す定電流源と、前記PNダイオードの両端
間の電圧を計測する計測手段とを備え、前記PNダイオ
ードの順方向の内部抵抗値と前記定電流源により前記P
Nダイオードに流される順方向電流の値との積を1mV
以上にしたものである。
【0029】本発明の第4の態様による温度検知装置
は、前記第3の態様による温度検知装置において、前記
PNダイオードの順方向の内部抵抗値と前記定電流源に
より前記PNダイオードに流される順方向電流の値との
積を10mV以下にしたものである。
【0030】本発明の第5の態様による温度検知装置
は、PNダイオード及び抵抗とからなる直列回路と、該
直列回路に一定値の順方向電流を流す定電流源と、前記
直列回路の両端間の電圧を計測する計測手段とを備え、
前記定電流源により前記直列回路に流される順方向電流
の値を、前記直列回路の順方向電流電圧特性の指数関数
領域と該指数関数領域をはずれる領域との間の境界付近
の順方向電流の値以上の値にしたものである。
【0031】本発明の第6の態様による温度検知装置
は、前記第5の態様による温度検知装置において、前記
定電流源により前記直列回路に流される順方向電流の値
を、前記直列回路の順方向電流電圧特性の指数関数領域
と該指数関数領域をはずれる領域との間の境界付近の順
方向電流の値の10倍以下にしたものである。
【0032】本発明の第7の態様による温度検知装置
は、PNダイオードと抵抗とからなる直列回路と、該直
列回路に一定値の順方向電流を流す定電流源と、前記直
列回路の両端間の電圧を計測する計測手段とを備え、前
記直列回路の順方向の抵抗値と前記定電流源により前記
直列回路に流される順方向電流の値との積を1mV以上
にしたものである。
【0033】本発明の第8の態様による温度検知装置
は、前記第7の態様による温度検知装置において、前記
直列回路の順方向の抵抗値と前記定電流源により前記直
列回路に流される順方向電流の値との積を10mV以下
にしたものである。
【0034】本発明の第9の態様による温度検知装置
は、前記第1乃至第8のいずれかの態様による温度検知
装置において、前記PNダイオードをゲルマニウムダイ
オード又はシリコンダイオード又はガリウムヒ素ダイオ
ードとしたものである。
【0035】本発明の第10の態様による半導体温度調
節システムは、前記第1乃至第9のいずれかの態様によ
る温度検知装置と、半導体装置と、該半導体装置の温度
を調節する温度調節手段と、前記計測手段による計測結
果に基づいて前記半導体装置の温度が所定温度となるよ
うに前記温度調節手段を制御する制御手段とを備え、前
記PNダイオードを前記半導体装置に熱的に接触させた
ものである。なお、前記温度調節手段としては、用途に
応じて、冷却手段であってもよいし、加熱手段であって
もよいし、その両方の手段から構成されていてもよい。
【0036】本発明の第11の態様による半導体温度調
節システムは、前記第10の態様による半導体温度調節
システムにおいて、前記PNダイオードを前記半導体装
置を構成する基板上に形成したものである。もっとも、
前記PNダイオードは必ずしも前記基板上に形成しなく
てもよい。
【0037】本発明の第12の態様による半導体温度調
節システムは、前記第10又は第11の態様による半導
体温度調節システムにおいて、前記半導体装置を赤外線
固体撮像装置とし、前記温度調節手段を冷却器としたも
のである。
【0038】本発明の第13の態様による温度検知方法
は、温度を測定すべき被検物にPNダイオードを熱的に
接触させ、該PNダイオードに一定値の順方向電流を流
し、前記PNダイオードの両端間の電圧を計測する温度
検知方法において、前記PNダイオードに流す順方向電
流の値を、前記PNダイオードの順方向電流電圧特性の
指数関数領域と該指数関数領域をはずれる領域との間の
境界付近の順方向電流の値以上、前記PNダイオードの
順方向電流電圧特性の指数関数領域と該指数関数領域を
はずれる領域との間の境界付近の順方向電流の値の10
倍以下にしたものである。
【0039】本発明の第14の態様による温度検知方法
は、温度を測定すべき被検物にPNダイオードを熱的に
接触させ、該PNダイオードに一定値の順方向電流を流
し、前記PNダイオードの両端間の電圧を計測する温度
検知方法において、前記PNダイオードの順方向の内部
抵抗値と前記PNダイオードに流す順方向電流の値との
積を1mV以上10mV以下にしたものである。
【0040】
【作用】本件発明者は、図10に示す半導体温度調節シ
ステムにおいて前記第1の問題点である温度検知信号1
6にオフセットの発生する原因を調べたところ、前述し
たように、赤外線固体撮像装置10が発する電気的なノ
イズが問題であることを突き止めた。
【0041】そのメカニズムについて、図11を用いて
説明する。図11は、室温(300K)付近でのPNダ
イオードであるシリコンダイオードの順方向電流電圧特
性をリアルスケールで描いたものである。
【0042】例えば、1μAの一定値の順方向電流(指
数関数領域内の順方向電流)を流す定電流源を前記シリ
コンダイオードに接続すると、動作点は図11中の点P
となる。このときのシリコンダイオードの両端の電圧
(順方向電圧)はVs(約440mV)となる。ここで
前記シリコンダイオードの両端に振幅がVn(図11に
示す例では、約40mV)のノイズが乗ると、前記定電
流源の代わりに電圧源を接続したと仮定した場合には、
動作範囲が図11中の点Qから点Rまでとなり、よって
振幅Inのノイズ電流が現れる。通常はノイズ電圧に直
流成分はないが、図11に示すようにダイオードの順方
向電流電圧特性は指数関数領域で非線形性が非常に強い
ため、ノイズの乗った電流波形の中心I0はノイズのな
いときの順方向電流Isと大きくずれてくる。すなわ
ち、前記定電流源の代わりに電圧源を前記シリコンダイ
オードに接続したと仮定した場合に、ノイズが乗ると、
順方向電流の直流成分が大きく変わってしまうのであ
る。
【0043】ところが、このダイオードは定電流源に接
続されているので、電流の直流成分が変わることは許さ
れない。よって、定電流源の両端の電圧(すなわち、ダ
イオードの順方向電圧)が下がり、動作点Pが低い電圧
の方向に移動し、移動後のI 0が1μAとなる所でバラ
ンスする。これが温度検知信号16にオフセットの発生
するメカニズムである。
【0044】また、ノイズが原因で温度検知信号16に
オフセットが発生するので、オフセットの量は全体のシ
ステムのコンディションや周囲のノイズ環境の影響を受
け易く、それが前記第2の問題点である温度検知信号1
6の不安定性の発生原因である。
【0045】そして、以上説明したメカニズムは、シリ
コンダイオードに限らず、ゲルマニウムダイオードやガ
リウムヒ素ダイオードなどの他のPNダイオードにおい
ても同様である。
【0046】本件発明者は、このようなメカニズムの究
明の下に、PNダイオードでは、既に図8に関連して説
明したように順方向電流電圧特性が指数関数領域をはず
れる領域を有していることに着目し、定電流源によりP
Nダイオードに流す順方向電流の値を大きくして動作点
を前記指数関数領域をはずれる領域に移すことによっ
て、半導体温度調節システムのようなノイズの多い環境
下においてもオフセットが少なく安定した温度検知信号
(PNダイオードの両端の電圧に相当)を得ることに成
功した。
【0047】ここで、定電流源によりPNダイオードに
流す順方向電流の値を大きくして動作点を前記指数関数
領域をはずれる領域に移すことによって、半導体温度調
節システムのようなノイズの多い環境下においてもオフ
セットが少なく安定した温度検知信号を得ることができ
る理由について、図12を参照して説明する。
【0048】図12は、室温(300K)付近での図1
1と同一のPNダイオードの順方向電流電圧特性の高電
流領域の特性を示す図である。このダイオードは、順方
向電流IFが100μAである点付近から指数関数特性
をはずれていくものである。
【0049】このダイオードに、例えば1mAの一定値
の順方向電流(指数関数領域をはずれた領域内の順方向
電流)を流す定電流源を接続すると、動作点は図12中
の点P’となる。このときのダイオードの両端の電圧
(順方向電圧)はVs’(約680mV)となる。ここ
で前記ダイオードの両端に振幅がVn’(図12に示す
例では、約40mVであり、図11中のVnと等し
い。)のノイズが乗ると、前記定電流源の代わりに電圧
源を接続したと仮定した場合には、動作範囲が図12中
の点Q’から点R’までとなり、よって振幅In’のノ
イズ電流が現れる。ここでノイズ電流波形の中心I0
は、ノイズのないときの電流値Is’とずれてくる。し
かし、そのずれは、ダイオードの順方向電流電圧特性は
指数関数領域に比べて指数関数領域をはずれた領域では
非線形性が弱いため、図11中のI0とIsとの間のず
れに比べて極わずかである。
【0050】ところで、このダイオードは定電流源に接
続されているので、電流の直流成分が変わることは許さ
れない。よって、定電流源の両端の電圧(すなわち、ダ
イオードの順方向電圧)が下がり、動作点P’が低い電
圧の方向に移動し、移動後のI0’が1mAとなる所で
バランスする。しかし、前述したように図12中の
0’とIs’との間のずれが図11中のI0とIsとの
間のずれに比べて極わずかであるので、動作点P’が低
い電圧の方向に移動する移動量も極わずかとなる。
【0051】したがって、定電流源によりPNダイオー
ドに流す順方向電流の値を大きくして動作点を前記指数
関数領域をはずれる領域に移すことによって、ノイズに
よる温度検知信号(ダイオードの両端の電圧に相当)の
オフセットの発生は大幅に減少し、よって、ノイズの影
響を受け難くなるので温度検知信号の不安定性も大幅に
改善されるのである。
【0052】本発明は、以上説明した原理に基づくもの
である。
【0053】本発明の第1、2、13の態様によれば、
定電流源によりPNダイオードに流される順方向電流の
値を、PNダイオードの順方向電流電圧特性の指数関数
領域と該指数関数領域をはずれる領域との間の境界付近
の順方向電流の値以上にしているので、前述した原理に
より、ノイズの多い環境下においてもオフセットが少な
くかつ安定した温度検知信号(計測手段による計測結
果)を得ることができる。また、従来に比べて特別な部
品等を要しないので、構成が簡単で安価であるという特
徴を損なうことがない。
【0054】PNダイオードの順方向電流を大きくし過
ぎると温度検知感度(温度変化に対するPNダイオード
の順方向電圧の変化量)の低下の度合いが大きくなって
しまうので、本発明の第2、13の態様のように、定電
流源によりPNダイオードに流される順方向電流の値
を、PNダイオードの順方向電流電圧特性の指数関数領
域と該指数関数領域をはずれる領域との間の境界付近の
順方向電流の値の10倍以下にすることが望ましい。
【0055】本発明の第3、4、14の態様は、PNダ
イオードの順方向電流電圧特性の指数関数領域と該指数
関数領域をはずれる領域との間の境界付近の順方向電流
の値が、実験的にはPNダイオード順方向の内部抵抗値
との積が1mVとなるものであったことに基づくもので
あり、本発明の第1、2、13の態様と同様である。
【0056】付言すると、本発明の第4、14の態様
は、PNダイオードの順方向電流電圧特性の指数関数領
域と該指数関数領域をはずれる領域との間の境界付近の
順方向電流の値が、実験的にはPNダイオード順方向の
内部抵抗値との積が1mVとなるものであったことに従
い、本発明の第2、13の態様と同様に温度検知感度の
低下の度合いが大きくならないようにするためには、P
Nダイオードの順方向の内部抵抗値とPNダイオードに
流す順方向電流との積を前記1mVの10倍である10
mV以下にすることが望ましいことによるものである。
【0057】PNダイオード及び抵抗からなる直列回路
は、内部抵抗の大きいPNダイオードの単体と実質的に
等価である。よって、本発明の第5〜8の態様について
も、本発明の第1〜4の態様と同様である。
【0058】本発明の第10〜12の態様によれば、本
発明の第1〜9のいずれかの態様が用いられているの
で、温度検知にPNダイオードが用いられているにもか
かわらず、半導体装置の温度を厳密に一定に保つことが
できる。
【0059】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の
温度検知装置及び方法並びにこれを用いた半導体温度調
節システム及び方法について説明する。
【0060】図1は、本発明の一実施例による温度検知
装置21を示す回路図である。なお、図1において、図
9に示す従来の温度検知装置1と同一構成要素には同一
符号を付している。
【0061】この温度検知装置1は、PNダイオード2
と、該PNダイオード2に高レベルの一定値の順方向電
流を流す定電流源23と、PNダイオード2の両端の電
圧を計測する電圧計4とから構成されている。
【0062】前記PNダイオード2は、ゲルマニウムダ
イオード、シリコンダイオード又はガリウムヒ素ダイオ
ードであってもよいし、その他のPNダイオードであっ
てもよい。また、電圧計4の代わりに、PNダイオード
2の両端の電圧を計測する他の計測手段を採用してもよ
い。
【0063】そして、定電流源23は、PNダイオード
2の指数関数領域と該指数関数領域をはずれる領域との
間の境界付近の順方向電流の値以上の値の高レベルの順
方向電流をPNダイオード2に流すようにされている。
【0064】PNダイオード2の指数関数領域と該指数
関数領域をはずれる領域との間の境界は、PNダイオー
ド2の室温(300K付近)での順方向の内部抵抗をR
iΩ)とすると、実験的に、次式(1)で示す順方向
電流IF1(A)にほぼ対応することが判明した。
【0065】 IF1=1/(1000×Ri) …(1) したがって、具体的には、定電流源23が、前記順方向
電流IF1の値以上の順方向電流をPNダイオード2に流
すように設定しておけばよい。
【0066】換言すると、PNダイオード2の順方向の
内部抵抗値と定電流源23によりPNダイオード2に流
される順方向電流の値との積を1mV以上にしておけば
よい。
【0067】なお、定電流源23によりPNダイオード
2に流される順方向電流を大きくし過ぎると、PNダイ
オード2の温度変化に対する電圧計4の出力の変化、す
なわち、温度検知感度が小さくなってしまうので、定電
流源23によりPNダイオード2に流される順方向電流
の値を、PNダイオード2の順方向電流電圧特性の指数
関数領域と該指数関数領域をはずれる領域との間の境界
付近の順方向電流の値の10倍以下にすることが望まし
い。
【0068】具体的には、定電流源23が、前記順方向
電流IF1の値の10倍以下の値の順方向電流をPNダイ
オード2に流すように設定しておくことが望ましい。換
言すると、PNダイオード2の順方向の内部抵抗値と定
電流源23によりPNダイオード2に流される順方向電
流の値との積を10mV以下にすることが望ましい。
【0069】この温度検知装置21を使用する際には、
温度を測定すべき被検物5に熱的に接触させる。これに
より、電圧計4からPNダイオード2の両端の電圧の値
を示す温度検知信号が出力され、被検物5の温度が検知
される。
【0070】以上説明した温度検知装置21によれば、
既に図12に関連して説明した原理により、ノイズの多
い環境下においてもオフセットが少なくかつ安定した温
度検知信号(本例では、電圧計4の出力)を得ることが
できる。また、従来に比べて特別な部品等を要しないの
で、構成が簡単で安価であるという特徴を損なうことが
ない。
【0071】次に、前述した図1に示す温度検知装置2
1を用いて構成した半導体温度調節システムの一例につ
いて説明する。図2はこの半導体温度調節システムの構
成を示す図である。なお、図2において、図10に示す
構成要素と同一の構成要素には同一符号を付している。
【0072】図2に示す半導体温度調節システムは、半
導体装置としての赤外線固体撮像装置10と、PNダイ
オード2が赤外線固体撮像装置10に熱的に接触された
図1に示した温度検知装置21と、赤外線固体撮像装置
10の温度を調節する温度調節器としての冷却器11
と、PNダイオード2の両端の電圧を示す電圧計4から
の温度検知信号(計測結果)16に基づいて赤外線固体
撮像装置10の温度が所定温度(例えば77K)となる
ように冷却器11を制御するインバーター等からなる制
御器17とを備えている。赤外線固体撮像装置10は、
駆動・読み出し回路12から送られる駆動信号13によ
り動作し、画像信号14を駆動・読み出し回路12に送
り返す。冷却器11は、コールドヘッド15を介して赤
外線固体撮像装置10を冷却する。
【0073】なお、本例では、半導体装置が赤外線固体
撮像装置10となっているが、半導体装置としては、赤
外線固体撮像装置10の代わりに所定温度に冷却する必
要がある可視光固体撮像装置などの他の半導体装置であ
ってもよい。また、本例では、温度調節器として冷却器
11が用いられているが、所定の半導体装置を周囲温度
に対して高い所定温度に保つ必要がある場合には温度調
節器として加熱器を用いればよいし、必要に応じて温度
調節器として冷却器及び加熱器の双方を備えたものを用
いてもよい。さらに、PNダイオード2は、赤外線固体
撮像装置10に熱的に接触させればよく、赤外線固体撮
像装置10と別個に構成してもよいが、PNダイオード
2を赤外線固体撮像装置10を構成する基板上に形成す
ると、赤外線固体撮像装置10を製造する際に併せてP
Nダイオード2も製造することができるとともに、該P
Nダイオード2が自動的に赤外線固体撮像装置10に熱
的に接触することになるので、便利である。
【0074】この半導体温度調節システムでは、まず、
冷却器11を動作させ冷却を開始し、PNダイオード2
に定電流源3から例えば1mAの一定直流電流を流し、
制御部17が電圧計4の出力を温度検知信号16として
モニターする。制御部17は、電圧計4が計測する電圧
が例えば77Kに相当する値で一定となるように、冷却
器11を制御する。
【0075】次に、温度が一定になった所で、赤外線固
体撮像装置10の駆動と読み出しを行うための駆動・読
み出し回路12の電源を入れると、システムとしての動
作が開始する。
【0076】この半導体温度調節システムによれば、温
度検知装置として図1に示す温度検知装置21が用いら
れているので、赤外線固体撮像装置10から発した電気
的なノイズがPNダイオード2に乗るが、温度検知装置
21から前述したようにオフセットが少なくかつ安定し
た温度検知信号16が得られる。このため、半導体装置
の温度を厳密に一定に保つことができる。
【0077】さて、本件発明者は、図2に示す半導体温
度調節システムにおいて、赤外線固体撮像装置10とし
て転送部にCCDが採用された赤外線固体撮像装置10
を用い、PNダイオード2として室温(300K付近)
における順方向の内部抵抗値が約10Ωのシリコンダイ
オードを用いて実験を行い、図3に示す実験結果を得
た。
【0078】図3は、PNダイオード2の順方向電流と
温度検知信号16のオフセット(前記CCD動作時と停
止時のPNダイオード2の順方向電圧の差)との関係
(図3中の破線)、及び、PNダイオード2の順方向電
流と温度検知感度(温度変化に対するPNダイオードの
順方向電圧の変化量)との関係(図3中の実線)を示す
図である。なお、図3中の左右方向の矢印は、当該特性
曲線に対応する縦軸を示す。
【0079】実験に用いたシリコンダイオードの内部抵
抗は前述したように約10Ωのものであり、式(1)よ
り前記境界の順方向電流IF1は100μAとなり、ダイ
オードに流す順方向電流としては100μAから1mA
の間が最適となるはずである。実際の結果も、図3に示
すようにオフセットが20mV以下となっているととも
に温度検知感度が1.8〜2.1(mV/K)となって
おり、良好な特性と言える。
【0080】ところで、定電流源23がPNダイオード
2の指数関数領域と該指数関数領域をはずれる領域との
間の境界付近の順方向電流の値以上の値の高レベルの順
方向電流をPNダイオード2に流すように設定するため
には、定電流源23が流す電流の値を従来の定電流源3
が流す電流の値より大きくしてもよいし、それに代えて
又はそれに加えて、PNダイオード2の内部抵抗値を従
来に比べて大きくしてもよい。なお、PNダイオード2
の内部抵抗値を大きくするためには、例えば、その不純
物濃度を下げればよい。
【0081】また、PNダイオード及び抵抗からなる直
列回路は、内部抵抗の大きいPNダイオードの単体と実
質的に等価であるので、本発明では、例えば、図1及び
図2に示す構成においてPNダイオード2に直列に抵抗
を挿入してもよい。この場合、挿入した抵抗はできるだ
けPNダイオード2の近くに配置することが望ましい。
【0082】図1に示す構成においてPNダイオード2
に直列に抵抗24を挿入した例を、図4に示す。なお、
図4において、図1と同一構成要素には同一符号を付
し、その説明は省略する。
【0083】この場合、「PNダイオード2の内部抵抗
値」を「PNダイオード2及び抵抗24からなる直列回
路の順方向の抵抗値」と読み代えて、図1に関連して既
に説明した定電流源23による順方向電流の値の設定方
法を適用すれば良いことは、明らかである。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の温度検知装置と比べて新たな部品等を追加するこ
となく、安価にノイズによる温度検出信号のオフセット
の発生や不安定性を大幅に改善することができる。
【0085】さらに、本発明によれば、所定の条件を満
たすようにすれば、温度変化に対する順方向電圧の変化
も従来と比べてさほど小さくなることはない。
【0086】また、赤外線固体撮像装置のようにノイズ
の発生が多く、かつ厳密な温度コントロールを必要と
し、温度検知装置の出力で冷却器にフィードバック制御
をかける場合などには、本発明を適用することは非常に
有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による温度検知装置を示す回
路図である。
【図2】本発明の他の実施例による半導体温度調節シス
テムの構成を示す図である。
【図3】図2に示す半導体温度調節システムにおける、
順方向電流に対する温度検知信号のオフセット及び温度
検知感度の関係の実験結果を示す図である。
【図4】本発明の更に他の実施例による温度検知装置を
示す回路図である。
【図5】ゲルマニウムダイオードの低電流領域の順方向
電流電圧特性の一例を示す図である。
【図6】シリコンダイオードの低電流領域の順方向電流
電圧特性の一例を示す図である。
【図7】ガリウムヒ素ダイオードの低電流領域の順方向
電流電圧特性の一例を示す図である。
【図8】各種ダイオードの高電流領域の順方向電流電圧
特性の一例を示す図である。
【図9】PNダイオードを用いた従来の温度検知装置を
示す回路図である。
【図10】本発明を発明する過程で本件発明者が作成し
た半導体温度調節システムの構成を示す図である。
【図11】従来の温度検知装置の動作の説明図である。
【図12】本発明による温度検知装置の動作原理の説明
図である。
【符合の説明】 2 PNダイオード 4 電圧計 5 被検物 10 赤外線固体撮像装置 11 冷却器 12 駆動・読み出し回路 16 温度検知信号 17 制御器 21 温度検知装置 23 定電流源 24 抵抗

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PNダイオードと、該PNダイオードに
    一定値の順方向電流を流す定電流源と、前記PNダイオ
    ードの両端間の電圧を計測する計測手段とを備えた温度
    検知装置において、前記定電流源により前記PNダイオ
    ードに流される順方向電流の値が、前記PNダイオード
    の順方向電流電圧特性の指数関数領域と該指数関数領域
    をはずれる領域との間の境界付近の順方向電流の値以上
    であることを特徴とする温度検知装置。
  2. 【請求項2】 前記定電流源により前記PNダイオード
    に流される順方向電流の値が、前記PNダイオードの順
    方向電流電圧特性の指数関数領域と該指数関数領域をは
    ずれる領域との間の境界付近の順方向電流の値の10倍
    以下であることを特徴とする請求項1記載の温度検知装
    置。
  3. 【請求項3】 PNダイオードと、該PNダイオードに
    一定値の順方向電流を流す定電流源と、前記PNダイオ
    ードの両端間の電圧を計測する計測手段とを備えた温度
    検知装置において、前記PNダイオードの順方向の内部
    抵抗値と前記定電流源により前記PNダイオードに流さ
    れる順方向電流の値との積が1mV以上であることを特
    徴とする温度検知装置。
  4. 【請求項4】 前記PNダイオードの順方向の内部抵抗
    値と前記定電流源により前記PNダイオードに流される
    順方向電流の値との積が10mV以下であることを特徴
    とする請求項3記載の温度検知装置。
  5. 【請求項5】 PNダイオード及び抵抗とからなる直列
    回路と、該直列回路に一定値の順方向電流を流す定電流
    源と、前記直列回路の両端間の電圧を計測する計測手段
    とを備えた温度検知装置において、前記定電流源により
    前記直列回路に流される順方向電流の値が、前記直列回
    路の順方向電流電圧特性の指数関数領域と該指数関数領
    域をはずれる領域との間の境界付近の順方向電流の値以
    上の値であることを特徴とする温度検知装置。
  6. 【請求項6】 前記定電流源により前記直列回路に流さ
    れる順方向電流の値が、前記直列回路の順方向電流電圧
    特性の指数関数領域と該指数関数領域をはずれる領域と
    の間の境界付近の順方向電流の値の10倍以下であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の温度検知装置。
  7. 【請求項7】 PNダイオードと抵抗とからなる直列回
    路と、該直列回路に一定値の順方向電流を流す定電流源
    と、前記直列回路の両端間の電圧を計測する計測手段と
    を備えた温度検知装置において、前記直列回路の順方向
    の抵抗値と前記定電流源により前記直列回路に流される
    順方向電流の値との積が1mV以上であることを特徴と
    する温度検知装置。
  8. 【請求項8】 前記直列回路の順方向の抵抗値と前記定
    電流源により前記直列回路に流される順方向電流の値と
    の積が10mV以下であることを特徴とする請求項7記
    載の温度検知装置。
  9. 【請求項9】 前記PNダイオードがゲルマニウムダイ
    オード又はシリコンダイオード又はガリウムヒ素ダイオ
    ードであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    に記載の温度検知装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の温
    度検知装置と、半導体装置と、該半導体装置の温度を調
    節する温度調節手段と、前記計測手段による計測結果に
    基づいて前記半導体装置の温度が所定温度となるように
    前記温度調節手段を制御する制御手段とを備え、前記P
    Nダイオードが前記半導体装置に熱的に接触されること
    を特徴とする半導体温度調節システム。
  11. 【請求項11】 前記PNダイオードが前記半導体装置
    を構成する基板上に形成されたことを特徴とする請求項
    10記載の半導体温度調節システム。
  12. 【請求項12】 前記半導体装置が赤外線固体撮像装置
    であり、前記温度調節手段が冷却器であることを特徴と
    する請求項10又は11記載の半導体温度調節システ
    ム。
  13. 【請求項13】 温度を測定すべき被検物にPNダイオ
    ードを熱的に接触させ、該PNダイオードに一定値の順
    方向電流を流し、前記PNダイオードの両端間の電圧を
    計測する温度検知方法において、前記PNダイオードに
    流す順方向電流の値を、前記PNダイオードの順方向電
    流電圧特性の指数関数領域と該指数関数領域をはずれる
    領域との間の境界付近の順方向電流の値以上、前記PN
    ダイオードの順方向電流電圧特性の指数関数領域と該指
    数関数領域をはずれる領域との間の境界付近の順方向電
    流の値の10倍以下にしたことを特徴とする温度検知方
    法。
  14. 【請求項14】 温度を測定すべき被検物にPNダイオ
    ードを熱的に接触させ、該PNダイオードに一定値の順
    方向電流を流し、前記PNダイオードの両端間の電圧を
    計測する温度検知方法において、前記PNダイオードの
    順方向の内部抵抗値と前記PNダイオードに流す順方向
    電流の値との積を1mV以上10mV以下にしたことを
    特徴とする温度検知方法。
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